プロパティーのプロモート

メッセージ・フローおよびそのノードの保守を単純化し、プロモートされたプロパティーを収束することによりフロー内に複数のノードの共通値を提供するために、ノード・プロパティーをメッセージ・フロー・レベルにプロモートすることができます。

始める前に

このタスクを実行するには、以下のタスクを完了している必要があります。

メッセージ・フローのレベルにメッセージ・フロー・ノード・プロパティーをプロモートするには、以下のようにします。

  1. 「ブローカー・アプリケーション開発 (Broker Application Development)」パースペクティブに切り替えます。
  2. 「ナビゲーター (Navigator)」ビューで、メッセージ・フローをダブルクリックして、プロパティーをプロモートしたいメッセージ・フローを開きます。 「ナビゲーター (Navigator)」ビューで、メッセージ・フローを右マウス・ボタンでクリックし、「開く」をクリックすることにより、メッセージ・フローを開くこともできます。 メッセージ・フローの内容が、「エディター (Editor)」ビュー内に表示されます。

    これが開いた最初のメッセージ・フローである場合には、「エディター (Editor)」ビューの左方に、「メッセージ・フロー・コントロール (message flow control)」ウィンドウおよび 使用可能な組み込みメッセージ・フロー・ノードのリストも表示されます。

  3. 「エディター (Editor)」ビューで、プロパティーをプロモートしたい メッセージ・フロー・ノードのシンボルを右クリックし、「プロパティーのプロモート (Promote Property)」をクリックします。 「プロパティーのプロモーション (Property Promotion)」ダイアログが表示されます。 ダイアログの左側に、そのメッセージ・フロー内のすべてのノードに使用可能なすべての プロパティーがリストされます。強調表示したノードのプロパティーが展開されます。

    フロー内の他のすべてのノードのプロパティー (これらははじめは縮小されている) を 展開してダイアログを最初に開いたときに選択したノードに関係なく、このダイアログからすべてのノード・プロパティーにアクセスすることができます。

    右側に、現在メッセージ・フローにプロモートされているすべてのプロパティーがリストされます。 どのプロパティーもまだプロモートしていない場合には、メッセージ・フロー名だけがプロモートされたプロパティー・ツリーのルートとして右に表示されます。

    大半のメッセージ・フロー・ノード・プロパティーは、プロモーションが可能ですが、以下のものはプロモートできません。

    • プロパティー・グループ。ただし個々のプロパティーはプロモートできます。
    • 編集できないプロパティー (たとえば MQInput ノードの、プロパティーの Validate グループ内の Fix プロパティー)。
    • 説明プロパティー (簡略説明および詳細説明)。
  4. プロモーションのための新しいグループおよびプロパティーを作成します。 右方のプロモートされたプロパティーのリストの上に、3 つのアイコン: 新規グループ・アイコン (左)、新規プロパティー・アイコン (中央)、および削除アイコン (右) が表示されます。

    新しくプロモートされたプロパティーを作成する際には、入力する名前は、プロパティーがシステム内で知られている名前で、ある特定の Java および XML の命名上の制約を満たしている必要があります。 これらは、ダイアログで強制実行され、無効文字を含む名前を入力する場合、メッセージが表示されます。 たとえば、スペース、または二重引用符記号を含めることはできません。

    1. 新規グループ・アイコン 新規グループ・アイコン (一連の小さな色付きボックスが付いたプロパティー・ダイアログの表現)をクリックして、プロモートされたプロパティーに新規グループを追加します。 グループは、メッセージ・フロー・ルートの下に追加され、グループにはデフォルト名 Group1 (これはデフォルト名の付いたグループがすでに作成されていない場合で、すでにグループがある場合には、次に高い数の番号が新規のグループ名になります) が付けられます。

      名前フィールドが強調表示され、グループが作成された時にその上に上書きすることにより、名前を変更します。 グループの名前変更は、その名前をダブルクリックすることにより、後日いつでも行うことができます。

    2. 新規プロパティー・アイコン新規プロパティー・アイコン (小さい緑のボックスが付いたプロパティー・ダイアログの表現)をクリックして、現在選択されているグループの下に (あるいは現在選択されているプロパティーの次に) 新規のプロモートされたプロパティーを追加します。 プロパティーは、強調表示されたグループの下に追加され、プロパティーにはデフォルト名 Property1 (これはデフォルト名の付いたプロパティーがすでに作成されていない場合で、すでにプロパティーがある場合には、次に高い数の番号が新規のプロパティー名になります) が付けられます。

      名前フィールドが強調表示され、プロパティーが作成された時にその上に上書きすることにより、名前を変更します。 プロパティーの名前変更は、その名前をダブルクリックすることにより、いつでも行うことができます。

    3. 削除アイコン 削除アイコン (赤い十字) をクリックして、現在選択されているグループまたはプロパティーを削除します。 グループを削除すると、そのグループ内のすべてのプロモートされたプロパティーが右のリストから 削除されます。削除アクションの確認はされません。 ただし、プロモートされたプロパティーの削除されたものは 左のリストに戻されて、再びプロモートすることが可能になります。
  5. 「プロパティーのプロモーション (Property Promotion)」ダイアログの左方の選択可能なプロパティーのリストから、メッセージ・フローのレベルにプロモートしたいプロパティーを選択します。 左のリストには、はじめに選択されたノードの使用可能なすべてのプロパティーの展開されたリストが表示されます。 このノードからすでにプロパティーをプロモートした場合、プロパティーは左側に表示されず、右側に表示されます。

    左のリストには、このメッセージ・フロー内の残りのノードも含まれています。 各ノードの下にリストされたプロパティーを展開して、同時にそれらすべてのプロパティーを扱う 作業をすることができます。プロパティーのプロモートを続けるために、ダイアログを閉じて「エディター (Editor)」ビューから別のノードを選択する必要はありません。

  6. メッセージ・フロー・ノードからメッセージ・フローにプロパティーをプロモートするには、そのエントリーを「プロパティーのプロモーション (Property Promotion)」ダイアログの左のリストから右のリストにドラッグします。
    1. プロパティーを空きスペースにドロップすることができます。 新規のグループが自動的に作成され、プロパティーはその中に入れられ、プロパティーのオリジナルの名前と、その元となったメッセージ・フロー・ノードの名前が、プロパティー項目の真下に表示されます。

      新規のグループには、デフォルトで Group1 という名前が付けられます。 Group1 がすでに存在する場合には、次のデフォルト名は Group2 というように続きます。 グループをダブルクリックし、新規のテキストを入力して名前を変更します。

    2. プロパティーを既存のグループ上にドロップして、同じメッセージ・フローの、同じかまたは異なるノードからの関連したプロパティーをグループにまとめることができます。 たとえば、データベース対話に関連したすべてのプロモートされたプロパティーをグループにまとめることができます。
    3. プロパティーを既存のプロパティー上にドロップして、同じメッセージ・フロー内の同じかまたは異なるノードからの関連したプロパティーを収束することができます (これはさらに詳しく複数のプロパティーの収束で説明されています)。 たとえば、データ・ソースを定義する各ノードのプロパティーをオーバーライドする 単一のプロモートされたプロパティーを作成することができます。
    プロモートされたプロパティーの名前変更を行うことができます (プロモートされたプロパティーの名前変更を参照) が、その元の識別番号を更新することはできません。 これにより、プロモートされたプロパティーの名前にかかわりなく、それぞれプロモートされたプロパティーの元となっている特定の (1 つまたは複数の) ノードを常に判別することができます。
  7. メッセージ・フローにプロモートしたいプロパティーを選択したら、「OK」をクリックします。 更新がコミットされ、ダイアログが閉じられます。 「適用」をクリックすると、変更がコミットされますが、「プロパティーのプロモーション (Property Promotion)」ダイアログは開いたままになります。

    プロパティーをプロモートしたとき、ノード・プロパティー・ダイアログを介してそのプロパティーに変更を行うことができなくなります。 メッセージ・フロー・レベルでその値のみを更新することができます。

これで、メッセージ・フロー・ノード・プロパティーが、メッセージ・フローにプロモートされます。 これを確認したい場合には、「ナビゲーター (Navigator)」ビューでメッセージ・フローを右クリックするか、または「エディター (Editor)」ビューを右クリックして「プロパティー (Properties)」を選択します。

メッセージ・フローの「プロパティー」ダイアログが表示され、プロモートされたメッセージ・フロー・ノード・プロパティーが、作成したグループに編成されて示されます。 これらのプロパティーのいずれかの値を設定する場合、メッセージ・フロー自体がその他のメッセージ・フロー内に組み込まれるときにはいつでも、その値がプロパティーのデフォルト値として表示されます。

別のメッセージ・フロー (サブフロー) 内の組み込みメッセージ・フローを選択して、そのプロパティーを表示すると、プロモートされたプロパティー値が表示されます。 組み込みフローの内部を見る場合 (つまり、「Open Subflow (サブフローを開く)」を選択する場合)、プロパティーの元の値が表示されます。プロモートされたプロパティーの値は元の プロパティーを置き換えませんが、メッセージ・フローをデプロイする時に優先されます。

必須プロパティーのプロモート

必須のプロパティー (メッセージ・フロー・ノードのプロパティー・ダイアログ内で名前の横に アスタリスクが表示されているもの) をプロモートする場合、プロパティーの必須特性は保存されます。 メッセージ・フロー・レベルにそのプロパティーをプロモートし、その結果、オーバーライドされる場合でさえ、常時、ノード・レベルですべての必須プロパティーの値を設定する必要があります。

メッセージ・フローの階層を介したプロパティーのプロモート

メッセージ・フロー・ノード・プロパティーをプロモートするプロセスを、メッセージ・フローのいくつかのレベルを通して繰り返すことができます。つまり、プロパティーは階層のどのレベルからでも、その 1 つ上のレベルにプロモートでき、階層全体を通して最上位のレベルまで同様にプロモートを実行できます。 プロパティーの値は、メッセージ・フローがブローカーにデプロイされるときに、階層内の最高点から伝搬されて、元のメッセージ・フロー・ノードに至るまで設定されていきます。 元のメッセージ・フロー・ノード上にあるそのプロパティーの値はオーバーライドされます。

関連概念
プロモートされたプロパティー
メッセージ・フロー・アプリケーションのデプロイメント

関連タスク
プロモートされたプロパティーの定義
プロモートされたプロパティーの名前変更
複数のプロパティーの収束
プロモートされたプロパティーの除去
構成可能プロパティーの編集

関連資料
組み込みノード