mqsichangebroker コマンド

サポートされるプラットフォーム

  • Windows 2000、Windows XP
  • UNIX プラットフォーム
  • z/OS

目的

ブローカーの特定のプロパティーを変更するには、mqsichangebroker コマンドを使用します。

このコマンドを発行する前に、Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームでは mqsistop を使い、 z/OS では stopcomponent を使って (mqsistop コマンドを参照)、 ブローカーを停止してください。

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームでは mqsistart を使って、z/OS では startcomponent を使って (mqsistart コマンドを参照) ブローカーを再始動する場合は、 変更済みパラメーターが使用されます。

構文

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームの場合

z/OS

同義語: cb

パラメーター

brokername
(必須 - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) これは最初のパラメーターでなければなりません。変更するブローカーの名前を指定してください。
-a ServicePassword
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) ServiceUserID のパスワード。 UNIXでは、-a は Windows プラットフォームとの互換性を保つのに必要ですが、ServiceUserID に関連して使用されるわけではありません。 -p を指定しない場合のデフォルトとして使用されるだけです。 (詳細については、-p パラメーターの説明を参照してください。)

データベース・アクセスでもこのユーザー ID とパスワードを使用するためにこのブローカーを作成した (つまり、-u DataSourceUserID-p DataSourcePassword パラメーターを省略するか、またはこれらのパラメーターを使用したが、-a ServicePassword-i ServiceUserID を使ってサービス・ユーザー ID に同じユーザー ID とパスワードを指定した) 場合、必ずこのコマンドでパスワードの両方のインスタンスを更新してください。

パスワードの変更を正常に完了するには、以下を行う必要があります。

  • ブローカーを停止します。
  • 適切なオペレーティング・システムの機能を使ってパスワードを変更します。
  • このコマンドを使って、このパスワードを参照するすべてのパラメーターを更新します。
  • ブローカーを再始動します。
-i ServiceUserID
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) ブローカーの実行に使用するユーザー ID。この値を変更する場合、パスワード (-a) も変更しなければなりません。

これは、任意の有効なユーザー名構文の形式で指定できます。 Windows プラットフォームでは、それは次のとおりです。

  • domain¥username
  • ¥¥server¥username
  • .¥username
  • username

UNIX システムでは、最後の形式の username だけが有効です。

このユーザー ID の非修飾形式 (username) を Windows プラットフォームで使用すると、 オペレーティング・システムによって、ローカル・システムから始めてドメイン全体でこのユーザー ID が検索されます。この検索が完了するまでに多少の時間がかかることがあります。

指定する ServiceUserID は、 ローカル・グループ mqbrkrs のメンバーでなければなりません。Windows プラットフォームの場合は、このグループの間接または直接のメンバーとして指定することができます。また ServiceUserID は、 ホーム・ディレクトリー (WebSphere Business Integration Event Broker のインストール先) と作業ディレクトリー (mqsicreatebroker -w フラグで指定した場合) へのアクセスも許可されていなければなりません。さらに、この ID はローカル・グループ mqm の (直接または間接の) メンバーでもなければなりません。

ServiceUserID のセキュリティー要件は、 Windows プラットフォームの場合は Windows プラットフォームでのセキュリティー要件に、UNIX プラットフォームの場合は UNIX プラットフォームでのセキュリティー要件に詳述されています。

-p DataSourcePassword
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) ブローカー・テーブルおよびユーザー・データの入ったデータベースへのアクセスに使用するユーザー ID のパスワード。これを指定しない場合、 -a で指定した ServicePassword がデフォルトとして使用されます。 UNIX プラットフォーム上で DB2 を使用している場合、 -p を空ストリング (二重引用符の "") で指定することもできます。 この場合、DB2 から WebSphere Business Integration Event BrokerServiceUserID の特権が付与され、データベース接続が「検査済み」の状態になります。-a および -p に空ストリングを指定すると、 WebSphere Business Integration Event Broker でパスワードが保管されないので、最も安全な構成が作成されます。

確実に、このパスワードの使用のインスタンスをすべて変更する必要があります。データベース・アクセス以外にサービス・ユーザー ID 用と同じユーザー ID とパスワードを使用するためにブローカーを作成 (または変更) した場合、両方のインスタンスを同時に更新しなければなりません。 詳しくは、-a の説明を参照してください。

-s UserNameServerQueueManagerName
(オプション) ユーザー・ネーム・サーバーと関連した WebSphere MQ キュー・マネージャーの名前。 トピック・ベースのセキュリティーを除去する場合は、空ストリング (二重引用符 "") を指定してください。

z/OS では、これは大文字小文字の区別がある名前なので、大文字小文字を混合使用する場合は名前を単一引用符で囲む必要があることに注意してください。

-j
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) ブローカーによるパブリッシュ/サブスクライブ・アクセスが可能です。
-d
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) ブローカーによるパブリッシュ/サブスクライブ・アクセスが不可能です。
-t
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) WebSphere MQ トラステッド・アプリケーションとしてブローカーを実行することを要求します。

このオプションは、AIX では使えません。 これが指定される場合には、フラグは無視されます。

WebSphere MQ トラステッド・アプリケーションの使用に関する詳細は、「WebSphere MQ相互通信」を参照してください。

-n
(オプション - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) WebSphere MQ トラステッド・アプリケーションとしてのブローカーの実行の停止を要求します。
-l UserLilPath
(オプション) ブローカーが、ユーザー作成のプラグイン・メッセージ処理ノード用の LIL (ロード可能インプリメンテーション・ライブラリー) をロードするのに使うパス (ディレクトリー) のリストを指定します。

Windows プラットフォームでは、デフォルト・ディレクトリーは install_dir\bin サブディレクトリーです。UNIX プラットフォームでは、デフォルト・ディレクトリーは install_dir\lil サブディレクトリーです。このディレクトリーは常に最初に検索されます。LIL を他のディレクトリーにロードしたい場合、 このフラグを使ってさらに別のディレクトリーを指定しても構いません。

複数のディレクトリーをさらに別に指定する場合、 プラットフォーム別のデフォルトのパス区切り文字 (Windows プラットフォームではセミコロン (;)、UNIX と z/OS ではコロン (:)) でそれぞれを区切る必要があります。

このパス内で環境変数を使用することはできません。使用しても、無視されます。

UNIX プラットフォームおよび z/OS では、 これは大文字小文字の区別がある名前なので、大文字小文字を混合使用する場合は名前を単一引用符で囲む必要があることに注意してください。

-g ConfigurationTimeout
(オプション) ブローカー内の実行グループが、構成内の変更 (たとえば、ワークベンチからデプロイされた更新など) を適用するのに用いることのできる時間 (秒単位) を定義します。

メッセージ・フローがアプリケーション・メッセージを処理している場合、 構成変更には対応できません。 構成を変更するように要求された実行グループ内のメッセージ・フローのいずれかが、 アプリケーション・メッセージの処理を完了しておらず、 そのタイムアウト内で構成変更を適用していない場合、 実行グループは否定応答を戻して、構成メッセージをデプロイします。

このタイムアウトに関して設定する値は、 システム負荷 (CPU の使用効率など) およびそれぞれの実行グループの負荷によって異なります。 最初の見積もりは、ブローカーの構成全体をデプロイすることによって行うことができます。 これを正常に完了するのにかかる時間によって、設定すべき最小値を知ることができます。

値は、10~3600 の範囲の秒数で指定することができます。 デフォルトの値は 300 です。

ConfigurationTimeoutConfigurationDelayTimeout (以下で説明される) の合計は、デプロイ済み構成メッセージをブローカーが処理し始めてから否定応答が生成されるまでに費やすことのできる時間を表しています。

-k ConfigurationDelayTimeout
(オプション) ブローカーが、最小限の変更 (たとえば、ワークベンチからデプロイされた更新など) を処理するのに用いることのできる時間 (秒単位) を定義します。

これは、最も小さいデプロイ済み構成メッセージをブローカーおよびその実行グループが処理するためにかかる時間を表しており、 キュー・マネージャー・ネットワーク遅延、ブローカーのキュー・マネージャーの負荷、 およびシステム負荷によって異なります。

この値の計算は、単純な構成変更を要求するコマンドを発行することにより行うことができます。 以下に、例を示します。
  • Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームの場合
    
    mqsireporttrace brokerName -e "Execution Group Name" -u
  • z/OS の場合
    F MQP1BRK,reporttrace u=yes,e='exgrp1'

z/OS では、これは大文字小文字の区別がある名前なので、大文字小文字を混合使用する場合は名前を単一引用符で囲む必要があることに注意してください。

各実行グループの応答時間は、システム負荷およびそれ自体のプロセスの負荷に応じて異なります。 設定する値は、実行グループが応答にかかる最も長い応答時間を反映していなければなりません。 定した値が短すぎると、ブローカーは否定応答を戻し、 場合によっては、エラー・メッセージをローカル・エラー・ログに出すこともあります。

値は、10~3600 の範囲の秒数で指定することができます。 デフォルトの値は 60 です。

ブローカーが実動システムに置かれている場合、構成変更が適用される前に、 メッセージ・フローによって現在処理されているアプリケーション・メッセージを完了できるようにするため、 ConfigurationTimeoutConfigurationDelayTimeout の両方の値を増やすようにお勧めします。

ブローカーが開発システムまたはテスト・システム上にある場合、知覚できる応答時間を向上させるためと、期待どおりの振る舞いを示さないブローカーに強制的に応答させるために、タイムアウト (特に ConfigurationTimeout) を減らすこともできます。ただし、 タイムアウト値を減らすと、 構成変更が正常にデプロイされる見込みが低下します。

-P HTTPPort
(オプション) Web サービス・サポートが listen するポートの番号を入力します。

Web サービス・サポートが組み込まれたメッセージの開始時にブローカーによってこのリスナーが始動されることと、そのデフォルト値は 7080 であることに注意してください。

指定するポートが、他の目的で指定されていないことを確認してください。

-vstatisticsarchiveinterval
(オプション) アーカイブ・レコードを出力する必要が生じたら WebSphere Business Integration Event Broker 統計およびアカウンティングに通知するタイマー・インターバルを分単位で指定します。インターバル・アカウンティングの有効範囲は、10 分から 14400 分です。

ゼロ分のインターバルは、 外部通知手段がプラットフォームに装備されているので、 WebSphere Business Integration Event Broker の内部タイマーは使用しないことを示します。

上記以外のブローカー・プロパティーを変更する場合は、ブローカーを削除して再作成してから、ワークベンチを使用してブローカーの構成を再デプロイしなければなりません。 データベース・アクセスに使用するユーザー ID を変更する場合は、 ブローカー・ドメインの管理を参照してください。

許可

Windows プラットフォームでは、このコマンドを呼び出すのに使用するユーザー ID には、 ローカル・システムに対する Administrator 権限がなければなりません。

UNIX プラットフォームでは、このコマンドを呼び出すのに使用するユーザー ID は、 root であるか、 または -i パラメーターで指定したものと同じでなければなりません。 また、mqbrkrs グループのメンバーでなければなりません。

応答

このコマンドは、以下の応答を戻します。
  • BIP2595 文字ストリング '...' を整数へキャスト中にエラーが発生しました (z/OS のみ)
  • BIP8003 重複したフラグが検出されました (z/OS のみ)
  • BIP8012 システム・コンポーネントに接続できません
  • BIP8013 コンポーネントが存在しません
  • BIP8018 コンポーネントが実行中です
  • BIP8021 ユーザー ID/パスワードが誤っています
  • BIP8022 ユーザー ID/パスワードが無効です
  • BIP8023 パスワードが必要です
  • BIP8030 ユーザー ID 特権を変更できません
  • BIP8068 引き数 ... がこのフラグの有効な整数値ではありません (z/OS のみ)
  • BIP8073 ... は有効なブローカー名ではありません (Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームのみ)
  • BIP8158 コマンドの形式が無効です (z/OS のみ)
  • BIP8159 パラメーター ... が不明です (z/OS のみ)

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームの場合

mqsichangebroker WBRK_BROKER-sWBRK_UNS_QM
mqsichangebroker WBRK_BROKER -s ""
z/OS の場合
F MQP1BRK,cb g=100,k=200

関連概念
ブローカー・ドメイン

関連タスク
ブローカー・ドメインの管理

関連資料
UNIX プラットフォームでのセキュリティー要件
Windows プラットフォームでのセキュリティー要件
構文の設定
mqsicreatebroker コマンド
mqsideletebroker コマンド