mqsichangeproperties コマンド

サポートされるプラットフォーム

目的

ブローカー間の通信に関連したプロパティーを変更するには、mqsichangeproperties コマンドを使用します。

mqsistart コマンド (mqsistart コマンドを参照) を使ってブローカーを始動してから、 ブローカーが稼働するマシン上でこのコマンドを発行します。

いずれかの値を変更した場合、その変更を有効にするには、ブローカーを停止して再始動する必要があります

構文

パラメーター

brokername
(必須) 変更するブローカーの名前。 これは最初のパラメーターでなければなりません。
-o ObjectName
(必須) これは、DynamicSubscriptionEngine に設定しなければなりません。
-e ExecutionGroupLabel
(オプション) 予約済み
-n PropertyName
(必須) 変更されるプロパティーの名前。
-v PropertyValue
(必須)指定した PropertyValuePropertyName で指定されたプロパティーに割り当てられます。
区切り記号としてコンマを使用して、複数の名前とそれに対応する値を指定することができます。 たとえば、
-n Name1, Name2 -v Value1, Value2
有効なプロパティー名は以下にリストされているとおりです。
brokerInputQueues
ブローカー間接続からメッセージを処理する際に使用するディスパッチ・キューの最大数を指定します。 この値を増やすと、ブローカー間接続を経由してメッセージを送信できる比率が増えます。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 1
brokerInputQueueLength
各入力キューに保管できるメッセージの最大数を定義します。この値が大きいと、各入力キューに保管できる入力メッセージの数が多くなります。 このプロパティーの値を大きくすると、ブローカーが各キューで必要とするメモリーの最大合計も大きくなることに注意してください。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 99
brokerPingInterval
ブローカー間の接続でブローカーが PING メッセージを開始するミリ秒単位の時間間隔。PING メッセージを使えば、接続の両端で通信がオープンのままかどうかを確認できます。これは、内部的に生成されます。この値が 0 であると、ブローカーは PING を開始しません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 5000
clientPingInterval
ブローカーとクライアントの接続上でブローカーが PING メッセージを開始するミリ秒単位の時間間隔。PING メッセージを使えば、接続の両端で通信がオープンのままかどうかを確認できます。これは、内部的に生成されます。この値が 0 であると、ブローカーは PING を開始しません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 30000
enableClientDiscOnQueueOverflow
これが true の場合、該当するすべてのメッセージを削除しても maxClientQueueSize を超えていると、 ブローカーはクライアントを切断します。
  • 値タイプ - ブール
  • 初期値 - False
enableQopSecurity
メッセージ用の保護品質レベルを使用可能にします。

デフォルトでは、 isysQopLevel または sysQopLevel のいずれかがデフォルト値の none から変更された場合に、保護品質は使用可能になります。

  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - なし
httpDispatchThreads
この値は、ブローカーが HTTP トンネリング・クライアントの管理専用に使うスレッドの数です。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -32
httpProtocolTimeout
この値は、HTTP プロトコルのタイムアウト・インターバルのミリ秒数です。 この値を変更して、HTTP トンネリング・プロトコルの任意のフェーズで次のイベントをブローカーが待機する時間を更新することができます。 値が 0 の場合、ブローカーは無限に待機することになります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -10000
interbrokerHost
ブローカーの IP ホスト名を指定します。ヌルとしてデフォルトのままにしてもよいのは、単一ブローカー構成だけです。

mqsichangeproperties <broker> -o DynamicSubscriptionEngine -n interbrokerHost -v <IP host name>

  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - ヌル

値を変更した場合は、ブローカーを停止してから再始動する必要があります。その後で、トポロジー全体を再デプロイする必要があります。

interbrokerPort
着信するブローカー間接続をブローカーが listen するポート番号。 1 つのマシン上で複数のブローカーが稼働する場合は、 ブローカーごとに interbrokerPort プロパティーを別々の値に設定してください。以下に例を示します。

mqsichangeproperties <broker> -o DynamicSubscriptionEngine -n interbrokerPort -v <port number>

トポロジーのデプロイ前に interbrokerPort 値を設定しない場合は、ブローカーを再始動してください。

  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -1507

値を変更した場合は、ブローカーを停止してから再始動する必要があります。その後で、トポロジー全体を再デプロイする必要があります。

isysQopLevel
システムに適用され、ブローカーがパブリッシュおよびサブスクライブのみを行えるようにします。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - なし
maxBrokerQueueSize
ブローカーが別のブローカーへの送信用にキューに入れておくバイトの最大数。最大数を超えると、最新のメッセージ、高位優先度のメッセージ、および応答メッセージを除いて、そのブローカー用にキューに入っていたすべてのメッセージがブローカーによって削除されます。これが 0 の場合、ブローカーは、別のブローカー用にキューに入れておくバイト数を制限しません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 1000000
maxClientQueueSize
ブローカーがクライアントへの送信用にキューに入れておくバイトの最大数。最大数を超えると、最新のメッセージ、最高優先度のメッセージ、および応答メッセージを除いて、そのクライアント用にキューに入っていたすべてのメッセージがブローカーによって削除されます。これが 0 の場合、ブローカーはクライアント用にキューに入れておくバイト数を制限しません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 100000

このプロパティーの値は、maxMessageSize 値より大きいか、等しくなければなりません

maxConnections
ブローカーで許容される同時接続クライアントの最大数。 この限度に達すると、ブローカーはクライアントからの新しい接続要求を拒否します。 この値が 0 より小さい場合、クライアント数に制限はありません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -100
maxHopCount
複数ブローカー・ネットワークでメッセージのループが起きないようにするために、メッセージの送信に使用する複数ブローカー・リンクの最大数を指定します。この値は、複数ブローカー・ネットワーク内のどこにでもメッセージを送信できるように十分な大きさに設定してください。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 20
maxMessageSize
バイト単位の最大許容メッセージ・サイズ。この最大サイズを超えるメッセージがクライアントから着信した場合、そのクライアントは切断されます。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 100000

このプロパティーの値は、maxClientQueueSize 値より小さいか、等しくなければなりません

nonDurableSubscriptionEvents
非持続サブスクライバーの作成または削除時に、ユーザーがイベント・メッセージを希望するかどうかを示します。true 値の場合はイベント・パブリケーションを作成することになり、false 値の場合はイベント・パブリケーションを作成しないよう指示します。
  • 値タイプ - ブール
  • 初期値 - False
pingTimeoutMultiple
ブローカーが応答を待ち始めてから応答がないので、 クライアントまたはブローカーを切断するまでの clientPngIntervals または brokerPngIntervals の連続数。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 3
statsInterval
この値は、統計のパブリケーションの間隔のミリ秒数です。これを 0 に設定すると、統計パブリケーションは生成されません。このプロパティーの変更後にブローカーを再始動する必要はありませんが、値の変更後にブローカーが統計の生成を開始するまでに最大 1 分を要することがあります。
変更の始まり0 から 1000 の範囲でなければなりません。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 0
変更の終わり
注: 変更の始まりこの値が表すのは、パブリッシュ/サブスクライブ 統計のインターバルだけです。変更の終わり
sysQopLevel
システムに適用され、ブローカーがパブリッシュのみを行えるようにします。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - なし
以下のプロパティーはマルチキャストをサポートしています。
multicastAddressRangeMax
ブローカーがマルチキャスト伝送のために使用できる最大 IP アドレス。
224.0.0.2 から 239.255.255.255 の範囲でなければなりません。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - 239.255.255.255
multicastAddressRangeMin
ブローカーがマルチキャスト伝送のために使用できる最小 IP アドレス。
224.0.0.2 から 239.255.255.255 の範囲でなければなりません。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - 224.0.0.2
multicastBackoffTimeMillis
クライアントが自身の NACK を送信する前に、他の NACK を listen する最大時間(ミリ秒)。 この値の範囲は 0 から 1000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -100
multicastDataPort
マルチキャスト・パケットの送受信に使用される UDP データ・ポート。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 34343
multicastEnabled
multicastTopicsConfigFile で定義されているトピックをマルチキャストで配信するかどうかを指定します。 値が true であれば、multicastTopicsConfigFile 内の指定されたトピックがマルチキャストで配送されます。
  • 値タイプ - ブール
  • 初期値 - false
multicastHeartbeatTimeoutSec
各クライアントで、コントロール・パケットが到着する間隔を秒数で示します。 コントロール・パケットが前のコントロール・パケットの到着秒数(このプロパティーで指定された値の 2 倍の数として定義されている)内に到着しない場合、 エラーの疑いがあります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -20
multicastHistoryCleaningTimeSec
再送バッファーを削除する時間(秒)。 この値の範囲は 1 から 20 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 -7
multicastLimitTransRate
このプロパティーを multicastTransRateLimitKbps プロパティーと一緒に使用すると、ネットワーク輻輳を制御できます。指定できる値は以下のとおりです。
Disabled
マルチキャスト・データはできる限り高速で伝送されます。
Static
伝送速度は multicastTransRateLimitKbpsで指定された値によって制限されます。
Dynamic
伝送速度は処理中に変化しますが、 multicastTransRateLimitKbps で指定された値は超えません。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - Disabled
multicastMaxKeyAge
トピックの暗号鍵を再定義するまでの最大経過時間 (分)。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - 360
multicastMCastSocketTTL
マルチキャスト・パケットがクライアントとブローカーの間に作成できる最大ホップ数。 クライアントとブローカー間に存在できるルーターの最大数より 1 つ大きな値になります。
値 1 は、パケットがすべてのローカル・ノードに達しますが、 ルーターが中継することはできないことを示します。 最大値は 255 です。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 1
multicastMinimalHistoryKBytes
すべての伝送パケットのアーカイブとして割り振られるバッファーの最小サイズ(キロバイト)。 このバッファーは、信頼できるすべてのトピックによって共用され、 失われたパケットを回復するのに使用できます。 この値の範囲は 1000 から 1,000,000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 60000
multicastMulticastInterface
マルチキャスト伝送のためにどのインターフェースを使用するかを示します。ホスト名または IP アドレスを指定できます。値が "none" である場合、ネットワーク・インターフェースが オペレーティング・システムに依存していることを示します。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - "none"
multicastNACKAccumulationTimeMillis
回復したパケットが送信される前に、NACK がブローカー内に集約されるのに要する時間(ミリ秒)。 この値の範囲は 50 から 1000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 300
multicastNACKCheckPeriodMillis
受信状況の定期的なチェックと NACK 構築のためのシーケンス・ギャップ検出の時間の間隔(ミリ秒)。 この値の範囲は 10 から 1000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 500
multicastOverlappingTopicBehavior
このプロパティーは、クライアントがトピックのマルチキャスト・サブスクリプションを要求するときに、 ブローカーの動作を制御するのに使用されます。 それはトピックを包含しているトピック階層の一部であり、マルチキャストは明示的に除外されています。 指定できる値は以下のとおりです。
受諾 (Accept)
一致するマルチキャスト・サブスクリプションが受け入れられ、特に除外したパブリケーションを除き、 トピックと一致するすべてのパブリケーションがマルチキャストされます。
拒否 (Reject)
マルチキャストが使用不可能な子を持つトピックに対するマルチキャスト・サブスクリプションは、 ブローカーによって拒否されます。
復帰 (Revert)
マルチキャストが使用不可能なトピック、またはトピックの子に対するサブスクリプションは、 ユニキャスト伝送になります。
  • 値タイプ - ストリング
  • 初期値 - Accept
multicastPacketBuffers
パケット受信の開始時に作成されるメモリー・バッファーの数。 たくさんのバッファーを使用可能にすると、メモリー使用率は犠牲になりますが、 受信のパフォーマンスが向上し、高送達速時のパケット損失を最小限に抑えられます。 各バッファーは 33KB で、この値の範囲は 1 から 5000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 500
multicastPacketSizeBytes
マルチキャスト・パケットのサイズをバイトで示します。 500 から 32000 の範囲になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 7000
multicastSocketBufferSizeKbytes
クライアントのソケット受信側バッファーのサイズをキロバイトで示します。 サイズを大きくすると、ロスする比率が下がります。 この値の範囲は 65 から 10000 になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 3000
multicastTransRateLimitKbps
全体の伝送速度を Kb (K ビット)/秒に制限します。
このプロパティーは、multicastLimitTransRate プロパティーが Disabled ではない場合にのみ有効です。このプロパティーの値を、 システムまたはネットワークの最大データ伝送速度以上に設定してはいけません。 値は 10 から 1,000,000 の範囲になります。
  • 値タイプ - 整数
  • 初期値 - 9500

許可

Windows プラットフォームでは、このコマンドを呼び出すのに使用するユーザー ID には、 ローカル・システムに対する Administrator 権限がなければなりません。

UNIX プラットフォームでは、このコマンドを呼び出すのに使用するユーザー ID は、 root であるか、 または -i パラメーターで指定したものと同じでなければなりません。 また、mqbrkrs グループのメンバーでなければなりません。

mqsichangeproperties brokerone -o DynamicSubscriptionEngine -n ClientPingInterval -v 200 

mqsichangeproperties WBRK_BROKER -o DynamicSubScriptionEngine -n multicastEnabled -v true

関連概念
ブローカー・ドメイン
マルチキャストのパブリッシュ/サブスクライブ

関連タスク
ブローカー・ドメインの管理
マルチキャスト・ブローカーの設定

関連資料
構文の設定
mqsireportproperties コマンド