カスタマイズ入力ファイルの内容

このトピックでは、コンポーネントのカスタマイズに必要な構成データを保持するカスタマイズ入力ファイル (mqsicompcif) の内容を詳しく説明します。 カスタマイズ入力ファイルの例 (mqsicompcif)を参照して、構成情報の訂正に使用してください。

すべての環境変数は、mqscompcif で明示的にされる必要があります。 たとえば、$JAVAHOME を使用しないで、Java ホーム・ディレクトリーの絶対パスを書きます。 これは、開始されたタスクのシェル環境が作成される前に ENVFILE が BPXBATCH によって解析され、BPXBATCH は環境変数を示す $ の使用を認識しないためです。

コンポーネント名およびキー

各コンポーネントには、コンポーネント名 およびコンポーネント・キー がなければなりません。

コンポーネント名とキーの決定時、コンポーネント・キーとして、ブローカーの場合 BRKユーザー・ネーム・サーバーの場合 UNS と共に追加されるキュー・マネージャーの名前を使用します。 この命名規則に従うと、以下のようになります。
コンポーネント名 ブローカー ユーザー・ネーム・サーバー
コンポーネント・キー MQP1BRK MQP1UNS

また、混乱を避けるため、開始済みタスク・プロシージャーをブローカーと同じ名前で作成してください。 開始済みタスクとブローカーは別の名前でもかまいませんが、ブローカー・コンポーネント名とコンポーネント・キーを開始済みタスク・プロシージャーの名前にすると、管理が容易になります。しかし、以下の要件に準拠していれば、独自の値を選択しても構いません。 さらに、名前を大文字のみにすることをお勧めします。

コンポーネント名は、Windows 上のワークベンチで、異なるブローカーを識別するために使用されます。 ユーザー・ネーム・サーバーには、常に変更不可能なコンポーネント名 UserNameServer があります。 ブローカー名は、次の命名上の制約に従う必要があります。
  • 名前の長さは 64 文字以下でなければなりません。
  • 最初の文字は必ず英数字であることが必要です。
  • 英数字はどれでも含めることができます。 次の文字も使用できます。

    = (等号)

    - (ダッシュ)

    _ (下線)

    . (ドット)

実行グループの操作をトレースする予定の場合、実行グループの名前には、上記の有効な英字および数字だけ (米国英語のアルファベット) が使用されるように制限します。 トレース・コマンドでは、実行グループ名中での特殊文字の使用がサポートされていません。

許容文字は、コード・ページ 1047 での表記です。 コンポーネント名はシステム・ログ上に表示されるメッセージの一部なので、ブローカー名にはシステム・ログが表示できる文字だけを使用します。 数字と英大文字を使用するようお勧めします。

z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、コンポーネント名およびコンポーネント・キーを追加します。
キュー・マネージャー名
使用されるキュー・マネージャーの名前。通常、キュー・マネージャー名はブローカー名の一部です。
Brokername
これを開始済みタスクと同じ名前にすると、管理が容易になります。 構成マネージャーがこの名前を使用します。
ComponentDirectory
HFS のディレクトリーです。 カスタマイズ開始時に、コンポーネント・ディレクトリーを手動で作成します。 ディレクトリーのサイズの詳細については、ディスク・スペース所要量 (z/OS)を参照してください。 また、この名前をコマンド・チェックリストの作成に追加します。
UserNameServerQueueManagerName
ユーザー・ネーム・サーバーパブリッシュ/サブスクライブ認証に使用する計画がある場合、これがブローカーが常駐するキュー・マネージャーの名前です。 z/OS でないプラットフォームでは、これはロング・ネームでも構いません。

DB2 情報

カスタマイズ入力ファイルで、DB2 に関連する次の値を指定します。 これらの値を変更するため、DB2 管理者に問い合わせることが必要になる場合があります。 また、これらの名前をz/OS 用カスタマイズ計画チェックリストに追加することもできます。
DB2_SAMPLE_PGMNAME
DB2 サンプル・プログラムの名前で、DB2 ステートメントをバッチで実行するのに使用されます。 これは通常 DSNTIAD または DSNTEP2 ですが、インストール時に変更された可能性があります。 SPUFI を使用する場合、SYSIBM.SYSPLAN から select name の照会を実行してください。 これにより、定義されたすべての計画が表示されます。 STEPLIB 連結に、このプログラムが入っているライブラリーを必ず含めてください。
DB2_SAMPLE_PGMPLAN
DB2 サンプル・プログラム計画の名前。
DB2_DSNACLI_PLANNAME
DB2 が使用する DSNACLI 計画の名前。
DB2_SUBSYSTEM
DB2 サブシステム名。 DB2 カスタマイズ JCL が使用します。 DB2 グローバル・データ共用名、または DB2 サブシステム自体の名前を使用できます。
DB2_LOCATION
DB2 ロケーション名。 DB2 システムを始動すると、DSNL004I DDF START COMPLETE というメッセージが表示されるはずです。 構成中に必要なロケーションは、このメッセージの直後にあります。
DB2_TABLE_OWNER
DB2 テーブルの所有者 (CURRENTSQLID)。 この接頭部は、DB2 テーブルを作成し、テーブルにアクセスするのに使用されます。 各ブローカーには、独自の DB2 テーブルのセットがなければなりません。 このテーブル所有者は、データ・セット高位修飾子に類似した、異なるテーブルを修飾するのに使用されます。 これは、ODBC 文書で CurrentSQLID と呼ばれます。 詳細は、DB2 のセットアップを参照してください。
DB2_STORAGE_GROUP
DB2 ストレージ・グループ名。
DB2_STOR_GROUP_VCAT
ICF カタログ名。 ブローカーの DB2 データ・セットはここでカタログされます。 カタログ名が 8 文字を超える場合、別名を使用してください。
DB2_STOR_GROUP_VOL
DB2 ストレージ・グループ・ボリュームまたは SMS 管理ボリュームの場合は、'*'。 ブローカーのみに使用されます。 これは、DB2 テーブルに使用される DASD ボリュームを識別します。
DB2_DATABASE
DB2 データベース名。ブローカーの名前などです。
DB2_BUFFER_POOL
DB2 バッファー・プール名。

z/OS 情報用の WebSphere Business Integration Event Broker

コンポーネント PDSE
各コンポーネントに、すべての必要なジョブ、プロシージャー、およびコンポーネントをカスタマイズおよび管理するための入力データを保持する、区分データ・セット (PDSE) を割り振ることが必要です。 カスタマイズ開始時に、コンポーネント PDSE を手動で作成します。 PDSE の代わりに PDS を使用することもできます。 しかし、PDS はフリー・スペースを自動的に再利用せず、再カスタマイズ中に問題が発生する可能性があり、データ・セットを手動で圧縮する必要もあります。

インストール時の命名規則に合う名前を付け、ブローカー名をデータ・セット名の一部にします。 たとえば、WMQI.MQP1BRK.CNTL または MQ.MQP1BRK.BIPCNTL を使用します。ここで MQP1 は使用中のキュー・マネージャーです。 WebSphere Business Integration Event BrokerDB2WebSphere MQ、および z/OS 管理者は、この PDSE への UPDATE アクセス権が必要です。

z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、PDSE の名前を追加します。

コンポーネント・キー
コンポーネント・キーは、各ブローカーで固有でなければならず、通常そのブローカーの名前が付けられます。
STPN (開始済みタスク・プロシージャー名)
各コンポーネントは JCL を使って開始され、開始済みタスクとして実行します。 開始済みタスク・プロシージャーの名前の長さは最大 7 文字で、文字 BIP で始めることはできません。 また、混乱を避けるため、開始済みタスク・プロシージャーをブローカーと同じ名前にしてください。

z/OS 用カスタマイズ計画チェックリスト のコピーに、開始済みタスク・プロシージャーの名前を追加します。

USER_PROCLIB_PDS
開始済みタスク・プロシージャーは、SYS1.PROCLIB 連結 PDS にコピーされます。 カスタマイズは、このコピーを実行するジョブを作成します。 使用される PDS の名前を指定してください。 プロシージャーを手動でコピーすることも可能です。
STEPLIB_NAME
相互に必要なライブラリー、DB2WebSphere MQ、および言語環境 (LE) のデータ・セット名。 カスタマイズにより作成される JCL がこの名前を参照します。 相互に必要な製品での JCL のセットアップを参照してください。
JAVAHOME
Java インストールのルート・ディレクトリーを指します。
Java の正しいバージョンをインストールしてあることを確認してください (Java のレベルの検査を参照)。 正しい場合は、コマンド whence java を実行します。 結果は次のようになります。
/usr/lpp/java/IBM/J1.4/bin/java
JAVAHOME として、bin ディレクトリーを除いたこのパスを使用してください。 このパスをz/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに追加します。
CLASSPATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
PATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
LIBPATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
LILPATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
DISTHUB_PATH
配布ハブ実行可能モジュールのロケーション。 配布ハブを、非標準ロケーションにインストールしていない限り、デフォルトを使用してください。
LANG
UNIX システム・サービス環境変数。 WebSphere Business Integration Event Broker メッセージがロケールの言語で出力されるよう、国際言語値を指定します。 デフォルトは En_US で、Ja_JP または Zh_CN に変更することができます。 z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、LANG の値を追加します。
LC_ALL
LANG と結合して使用される UNIX システム・サービス環境変数。 これにより、LC_ で始まる他の環境変数をオーバーライドすることができます。 デフォルトは En_US で、Ja_JP または Zh_CN に変更することができます。 z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、LC_ALL の値を追加します。
TZ
自分が位置する時間帯設定を保持する Time 設定。 詳細については、「UNIX システム・サービス ユーザーズ・ガイド」を参照してください。 z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、TZ の値を追加します。
NLSPATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
CONSOLE_NLSPATH
プラグインをインストールしない限り、デフォルトを使用してください。 この情報に関しては、関連資料を参照してください。
MC_MESSAGES
コンソール・メッセージが大/小文字混合で表示されるか、大文字で表示されるか。z/OS 用カスタマイズ計画チェックリストのコピーに、MC_MESSAGES の値を追加します。
DB2_CONVERSION
DB2 コンバーター; DB2_CONVERSION 設定を調整するには、CIF の指示に従ってください。 setting.
JOBCARDBEGIN および JOBCARDEND
JOBCARD を調整するには、CIF の指示に従ってください。 ジョブ・カード・パラメーターの構文は、「MVS JCL 解説書」で説明されているものと同じです。
ENVIRONMENTBEGIN および ENVIRONMENTEND
環境変数を調整するには、CIF の指示に従ってください。

Automatic Restart Manager の計画

WebSphere Business Integration Event Broker for z/OS を使用すると、Automatic Restart Manager (ARM) にコンポーネントを登録できます。

ブローカーを最初にカスタマイズする際は、USE_ARM のデフォルトは NO にできます。 実動システムの準備中に再び参照できます。 ARM を使用可能にするには、この値を変更し、再カスタマイズします。

自動再始動を使用可能にするには、次のことを行います。
  • ARM 結合データ・セットのセットアップ。
  • z/OSARM ポリシーで実行させたい自動再始動処置を定義する。
  • ARM ポリシーの始動。
次の資料は、サンプルを含め、ARM 結合データ・セットについての詳細な情報を提供しています。
  • z/OS MVS Programming: Sysplex Services Guide
  • z/OS MVS Programming: Sysplex Services Reference
  • z/OS MVS Setting up a Sysplex

起動時に ARM にコンポーネントを登録するには、USE_ARMYES に設定します。 その後、変数 ARM_ELEMENTNAME および ARM_ELEMENTTYPE に値を提供することが必要です。

ARM_ELEMENTNAME の長さは最大 8 文字です。 これは、WebSphere Business Integration Event BrokerSYSWMQI の接頭部を追加するためです。 たとえば、値 MQP1BRKARM_ELEMENTNAME に提供すると、ARM ポリシーで定義するエレメントは SYSWMQI_MQP1BRK です。

カスタマイズ入力ファイルで、次の値を指定します。
説明 名前
ARM が使用されるかどうかを決定するスイッチ (YES または NO) USE_ARM
ARM エレメント名 ARM_ELEMENTNAME
ARM エレメント・タイプ ARM_ELEMENTTYPE

これらの値をz/OS 用カスタマイズ計画チェックリストに追加します。

関連概念
ブローカー
ブローカー・ドメイン
ユーザー・ネーム・サーバー

関連タスク
ブローカー用カスタマイズ入力ファイル (mqsicompcif) の編集
ユーザー・ネーム・サーバーのカスタマイズ入力ファイル (mqsicompcif) の編集
Java のレベルの検査

関連資料
z/OS 用カスタマイズ計画チェックリスト
カスタマイズ入力ファイルの例 (mqsicompcif)