WebSphere MQ Telemetry Transport

WebSphere MQ Telemetry Transport は、低帯域幅通信によるリモート・センサーおよび制御装置のためのTCP/IP を介して流れる軽量 パブリッシュ/サブスクライブ プロトコルです。

このプロトコルは、一般的にリモート・データ収集およびプロセス制御のために、低帯域幅通信を必要とする、小型フットプリント装置上の特殊アプリケーションによって使用されます。 典型的なシステムでは、たとえば数百のクライアント装置が単一の WebSphere Business Integration Event Broker と通信していて、 各クライアントが固有の ID によって識別されます。

WebSphere Business Integration Event Broker は SCADAInput ノードを使用して、 WebSphere MQ Telemetry Transport クライアント・アプリケーションからのメッセージを受信します。

SCADAInput ノードは、z/OS 以外のすべてのプラットフォームで利用できます。

WebSphere MQ Telemetry Transport メッセージは、キューではなくポートを使用して受け取られ、また送り出されます。特定のトピックのパブリッシュ・メッセージを使用して、WebSphere MQ Telemetry Transport リスナーを開始および停止します。これは、すべてのポートまたはメッセージ内で識別される単一ポートに対して行うことができます。

出力は一般的に、SCADAOutput ノードの組み込まれた Publication ノードを 使用して、クライアント・アプリケーションに戻されます。 Publication ノードは、メッセージ・フローから出力をフィルターに掛け、 特定のセットのトピックに関心事を登録したサブスクライバーに出力を送信します。 アプリケーションが WebSphere MQ を使用している場合は、 Publication ノードはメッセージを、キュー・マネージャー上の WebSphere MQ キューに入れます。 WebSphere MQ Telemetry Transport アプリケーションの場合は、埋め込み SCADAOutput ノードが TCP/IP を使用して、 サブスクライブする WebSphere MQ Telemetry Transport クライアントにメッセージを発送します。

高機能アプリケーション用にユーザーが独自のパブリケーション・ノードを作成するのでない限り、 SCADAOutput ノードを直接使用することはあまりありません。

SCADAInput および SCADAOutput ノードは、 ブローカー内の単一実行グループ内になければなりません。 Publication 内に埋め込まれた SCADAOutput ノードを持つ メッセージ・フロー が、 実行グループに含まれている場合には、SCADAInput ノードを持つ メッセージ・フロー も、 実行グループに含まれている必要があります。

WebSphere MQ および WebSphere MQ Everyplace とは異なり、WebSphere MQ Telemetry Transport はセキュリティーを提供しません。 ただし必要であれば、データを暗号化することはできます。

サービス品質

最大のサービス品質 (QoS) を、WebSphere MQ Telemetry Transport サブスクリプション・メッセージに指定できます。QoS は、WebSphere MQ での持続性に似ています。QoS には、以下の 3 つのレベルがあります。

QoS0
「最高 1 回の」送達。 送達は保証されていません。確認通知は予期されていません。
QoS1
「最低 1 回の」送達。 正常な送達が保証されていて、確認通知が送られます。
QoS2
「正確に 1 回の」送達。 QoS1 に似ていますが、メッセージが重複されないことが保証されています。

QoS の詳細については、サービス品質レベルおよびフロー を参照してください。

関連概念
パブリッシュ/サブスクライブ

関連タスク
使用するノードの決定

関連資料
SCADAInput ノード
Publication ノード
SCADAOutput ノード