デフォルトでは、ブローカーは、関係するサブスクライバーすべてにパブリケーションを送信したら、 そのパブリケーションを廃棄します。 しかし、パブリッシャーは、ブローカーがパブリケーションのコピーを保存するように指定することができます。 このパブリケーションは保存パブリケーションと呼ばれます。
保存パブリケーションのコピーは、ブローカーによって、パブリケーションのトピックで関心事を登録したすべてのサブスクライバーに送信されます。 ですから、新しいサブスクライバーは、その情報が再びパブリッシュされるまで受信を待つ必要がありません。
たとえば、株式価格のサブスクリプションを登録しているサブスクライバーは、 株価が変動して再度パブリッシュされるのを待たなくても、 パブリッシュされた最新の株価をすぐに受け取ります。
Publish メッセージで RetainPub がパブリケーション・オプションとして指定されていると、パブリケーションはブローカーによって保存され、そのトピックに関して以前保存されていた パブリケーションに置き換わります。
ブローカーは各トピックおよびサブスクリプション・ポイントごとに 1 つのパブリケーションしか保存しませんので、 古いパブリケーションは、新しいパブリケーションが到着すると削除されます。
保存パブリケーションを使用するかどうかを決定するときには、 以下の要因を考慮する必要があります。
一般に、イベント情報は保存されませんが、状態情報は保存されます。 ただし、あるトピックに関するパブリケーションが出される前に、 そのトピックへのすべてのサブスクリプションが存在する場合で、 これ以上の新しいサブスクリプションが期待されない場合は、 状態情報に関するものであってもパブリケーションを保存する必要はありません。 これは、パブリケーションはパブリッシュされるとすぐにすべてのサブスクライバーに配信されるからです。
状態情報のパブリケーションは、非常に頻繁に (たとえば、毎秒) パブリッシュされる場合も、 保存する必要はないかもしれません。 このような頻度でパブリッシュされる場合、新しいサブスクライバー (または、 障害から回復するサブスクライバー) は、ほぼサブスクライバー直後の最新状態を受け取ります。
保存パブリケーションを使用する場合、サブスクライバーは、 Register Subscriber メッセージの PubOnReqOnly オプションを使用して登録できます。 つまり、ブローカーは、そのサブスクライバーが更新を要求する場合にのみ、 パブリケーションをサブスクライバーに送信するということです。 次に、ブローカーは、サブスクリプションに一致する現行の保存パブリケーションをサブスクライバーに送信します。
これは推奨できません。 保存パブリケーションがあり、非保存パブリケーションを同じトピックでパブリッシュする場合、 既存の保存パブリケーションは残されたままになります。 非保存パブリケーションによって更新されません。 サブスクライバーが Register Subscriber メッセージの PubOnReqOnly オプションを使用して登録する場合、 非保存パブリケーションにはアクセスできません。 ブローカーは、更新の要求に応じて、現在の保存パブリケーションだけを送信します。
同じトピックで保存パブリケーションをパブリッシュする複数のアプリケーションを所持しないようお勧めします。 そのようなアプリケーションをいくつか所持していて、タイミングがほとんど同時の場合、 どのパブリケーションが保存されるかは不確かです。 これらのパブリッシャーが異なるブローカーを使用する場合、 同じトピックについての異なる保存パブリケーションを、それぞれのブローカーで保持することは可能です。
パブリッシャーが保存パブリケーションを使用しない場合、サブスクライバー・アプリケーションは、 現在の状態をローカルに保管しなければならない場合があります。 パブリッシャーが保存パブリケーションを使用する場合、サブスクライバーは、 再始動後に更新を要求して状態情報を更新できます。
ブローカーは、登録サブスクライバーが実行されていなくても、 そのサブスクライバーにパブリケーションを送り続けます。 この結果、サブスクライバー・キューでメッセージが構築されることがあります。 この構築は、サブスクライバーが Register Subscriber メッセージの PubOnReqOnly オプションを指定して登録すれば避けられます。 そして、サブスクライバーは、更新を要求するか一時動的キューを使用して、 周期的に状態を更新する必要があります。
ブローカーは、保存パブリケーションをデータベースに保管する必要があります。 これにより、スループットが削減されます。 パブリケーションが非常に大きい場合、各トピックの保存パブリケーションを保管するには、 膨大なディスク・スペースが必要になります。 マルチ・ブローカー環境では、保存パブリケーションは、 一致するサブスクリプションを持つ他のすべての接続ブローカーによって保管されます。
保存パブリケーションの有効期限を設定するには、 メッセージ記述子 (MQMD) の Expiry フィールドを使用します。
WebSphere Business Integration Event Broker に付属するサンプル検査アプリケーションには、 Soccer Results サービスが含まれています。 このサンプルでは、モニターしているサッカーの対戦ごとに最新の点数を記録するために、 保存パブリケーションを使用します。 サンプル・コードは、このオプションをサポートするのに必要なプログラミングを示しています。
MQ | MQe | SCADA | JMS/IP | |
---|---|---|---|---|
保存 | YES | YES | YES | NO |
有効期限日付 | YES | YES | NO | NO |
表の列は、行で表されるアプリケーションのタイプを示しています。 最初の行は、パブリケーションを保存パブリケーションにできるかどうか、 2 番目の行は、そのパブリケーションに有効期限日付を適用できるかどうかを示します。
関連タスク
パブリッシュ
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