mqsichangetrace コマンド

サポートされるプラットフォーム

  • Windows 2000、Windows XP
  • UNIX プラットフォーム
  • z/OS

目的

mqsichangetrace コマンドを使用すれば、コンポーネントのトレース特性を設定することができます。このコマンドは以下に対して有効です。
  • ユーザー・トレース。 -u オプションを指定します。
  • サービス・トレース。 -t オプションを指定します。 このオプションは、BIPxxxx メッセージにあるアクションによって指示された場合、 または IBM サポート・センターから指示された場合にのみ使用することをお勧めします。

行えるのは、ブローカーのユーザー・トレースの開始、変更、または終了と、ブローカー、 構成マネージャー、またはユーザー・ネーム・サーバー (コンポーネント名によって識別される) のサービス・トレースの開始、 変更、または終了です。このコマンドを使用してワークベンチのサービス・トレースを開始することはできません。

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームでは、ワークベンチの機能を使用して、実行グループとメッセージ・フローのトレース・アクティビティーを開始したり停止したりすることもできます。詳しくは、ユーザー・トレースを参照してください。

z/OS でも、コンソール・コマンドを使用するか、またはワークベンチの機能を使用して、トレースの開始、変更、または停止を行うことができます。

ブローカーを指定する場合や、そのリソース (実行グループまたはメッセージ・フロー) を指定する場合、 トレースを開始する前にそれらをデプロイしておかなければなりません。

このコマンドによって生成されるトレース出力は、 log サブディレクトリーのトレース・ファイルに書き込まれます。トレースする作業が完了したら、mqsireadlog を使用して、 ログを XML 形式のファイルとして取り出します。mqsiformatlog(定様式ファイルを生成する) か XML ブラウザーを使用して、 XML レコードを表示します。

トレースをオンに設定すると、トレースするコンポーネントの全アクティビティーに対して、 追加の実行処理が行われることになります。 そのため、トレースをアクティブにすると、 パフォーマンスは影響を受けると見なさなければなりません。

コマンドの実行可能ファイルそのものをトレースしたい場合、 環境変数 MQSI_UTILITY_TRACE および MQSI_UTILITY_TRACESIZE を設定してから、トレースを開始します。

選択したコマンドのトレースが完了したら、必ずこれらの変数をリセットしてください。 リセットしない場合、後続のコマンドもすべてトレースされるので、パフォーマンスが低下します。

構文

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームの場合

ユーザー・トレース

サービス・トレース

z/OS

ユーザー・トレース

サービス・トレース

パラメーター

component
(必須 - Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォーム) トレース・パラメーターが変更されるコンポーネントの名前。これは、ブローカー名か、固定値 ConfigMgr または UserNameServer にすることができます (UNIX システムでは、 大文字と小文字が区別されます)。
-u
(オプション) ユーザー・トレース・オプションが変更されることを指定します。 このオプションは、以下を行った場合にのみ有効です。
  • Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームで、コンポーネント名としてブローカー名を指定した。
  • z/OS で、ブローカー (つまり、ユーザー・ネーム・サーバーではない) に対してこのコマンドを発行した。
.
-e egroup
(オプション) トレース・オプション (たとえば、開始や停止など) が変更される実行グループを識別します。 このオプションは、ブローカーに対してのみ有効です。

z/OS では、これは大文字小文字の区別がある名前なので、大文字小文字を混合使用する場合は名前を単一引用符で囲む必要があります。

-f mflow
(オプション) トレース・オプションが変更されるメッセージ・フローを識別します。このオプションは、実行グループ (フラグ -e) を指定した場合にのみ有効です。

z/OS では、これは大文字小文字の区別がある名前なので、大文字小文字を混合使用する場合は名前を単一引用符で囲む必要があります。

-r
(オプション) このオプションは、トレース・ログのリセットを要求します。 つまり、現行レコードはすべて廃棄されます。 このオプションは、新しくトレースを開始して、 ログ中のすべてのレコードが新しいトレースで固有のものとなるようにする場合に使用します。

このオプションは、実行グループ (フラグ -e) を指定した場合にのみ有効です。

-l level
(オプション) トレースのレベルを設定します。 これは以下のいずれかでなければなりません。
  • normal。基本レベルのトレース情報を提供します。
  • none。トレースをオフに設定します。
  • debug。基本レベルより広範囲のトレースを提供します。

各コンポーネントは、デフォルト値の none を使用して作成されています。このパラメーターを指定しない場合、現行値は変更されません。 この値を正常に変更すると、その値が持続します。

このオプションはすべてのコンポーネントで有効です。

-m mode
(オプション) トレース情報がバッファーに入れられる方法を指示します。
  • safe。このモードでは、トレース・エントリーが生成時にファイルに書き込まれます。
  • fast。このモードでは、トレース・エントリーはバッファーに入れられ、 バッチ中のファイルだけに書き込まれます。

各コンポーネントの初期デフォルト値は safe です。このパラメーターを指定しない場合、現行値は変更されません。

このオプションは、以下のコンポーネントを指定した場合にのみ有効です。
  • ブローカー。 この値を変更すると、 実行グループ (指定した場合) またはエージェント・コンポーネント (実行グループを指定しない場合) のトレースに影響があります。
  • ユーザー・ネーム・サーバー。この値を変更すると、コンポーネント全体のトレースに影響があります。 (これはサービス・トレースの場合にのみ有効です。) この値を正常に変更すると、その値が持続します。
-c size
(オプション) トレース・ファイルのサイズ (KB)。 このパラメーターを指定しない場合、現行値は変更されません。 どのコンポーネントも初期デフォルト値 4096KB から開始します。 この値は、このオプションを指定してリセットします。 指定できる最大値は、後で mqsireadlog コマンドを使用してどのようにログを読み取る予定かによって異なります。
  • -f オプションを設定して mqsireadlog を使用すると、 ログ・ファイルがファイル・システムから直接読み取られます。 その場合、ここで指定できる最大値は 2097151 ですが、 その値で、最大 2GB (ギガバイト) のトレース・ファイルを作成できます。
  • -f オプションを設定しないで mqsireadlog を使用すると、ログを検索するよう WebSphere MQ メッセージがブローカーに送信されます。 その場合、トレース・ファイルを 70MB (メガバイト) より大きくすることはできません。 最大設定値が 70000 を大幅に上回ることのないようにしてください。

ただし、トレース・ファイルを取り出す予定がある場合には、このパラメーターの値を小さくするか、 またはこのコマンド上でリセット (-r) オプションを使用してトレース・ログを消去することで、 サイズを可能な限り小さい状態に保つことをお勧めします。この方法を採用すると、フォーマット・プロセス (mqsiformatlog) が高速になり、 タスクを実行するのに必要なリソースが少なくなるという利点があります。

このオプションは、以下のコンポーネントを指定した場合にのみ有効です。
  • ブローカー。 この値を変更すると、 実行グループ (指定した場合) またはエージェント・コンポーネント (実行グループを指定しない場合) のトレースに影響があります。
  • ユーザー・ネーム・サーバー。この値を変更すると、コンポーネント全体のトレースに影響があります。 (これはサービス・トレースの場合にのみ有効です。)

トレース・サイズを変更すると、新しい値はブローカーやユーザー・ネーム・サーバーを再始動した後も持続します。

サービス・トレース限定の追加パラメーター

以下のオプションは、IBM サポート・センターまたは BIPxxxx メッセージによって指示された場合にのみ使用してください。

-t
(オプション) サービス・トレース・オプションが変更されることを指定します。
-b
(オプション) 指定したコンポーネントのエージェント・サブコンポーネントの サービス・トレース・オプションが変更される (たとえば、開始または停止される) ことを指定します。このフラグを指定できるのは、-t も指定する場合だけです。

許可

このコマンドを発行するのに使用するユーザー ID には、 mqbrkrs 権限がなければなりません。

応答

このコマンドは、以下の応答を戻します。
  • BIP2595 文字ストリング '...' を整数へキャスト中にエラーが発生しました (z/OS のみ)
  • BIP8002 選択されたフラグに互換性がありません (z/OS のみ)
  • BIP8003 重複したフラグが検出されました (z/OS のみ)
  • BIP8013 コンポーネントが存在しません
  • BIP8020 データベースにアクセスできません
  • BIP8029 ブローカーが構成されていません
  • BIP8031 無効なフラグが指定されました
  • BIP8032 キューに接続できません
  • BIP8033 メッセージを送信できません
  • BIP8035 タイムアウト前に応答が受信されませんでした
  • BIP8036 否定応答が受信されました
  • BIP8037 サポートされていないフラグが選択されました
  • BIP8039 実行グループを使用できません
  • BIP8040 データベースに接続できません
  • BIP8045 メッセージ・フローが見つかりません
  • BIP8068 整数の引き数が必要です
  • BIP8158 コマンドの形式が無効です (z/OS のみ)
  • BIP8159 パラメーター ... が不明です (z/OS のみ)

Windows プラットフォームおよび UNIX プラットフォームの場合

mqsichangetrace WBRK_BROKER -u -e default -l normal -c 5000
mqsichangetrace WBRK_BROKER -u -e "exg1" -m fast
mqsichangetrace UserNameServer -t -b -l normal
z/OS の場合
F MQP1BRK,ct u=yes,e='default',l=normal,c=5000

MODIFY MQP1BRK,changetrace u=yes,e='exg1',m=fast

F MQP1UNS,ct t=yes,b=yes,l=normal

関連タスク
トレースの使用

関連資料
ユーザー・トレース
サービス・トレース
構文の設定
mqsiformatlog コマンド
mqsireadlog コマンド
mqsireporttrace コマンド