WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 から WebSphere Business Integration Message Broker バージョン 5.0 へのマイグレーション

始める前に

この作業を始める前に、次の作業を完了する必要があります。

このトピックでは、ブローカー・ドメインを WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 からWebSphere Business Integration Message Broker バージョン 5.0 にマイグレーションする方法について説明します。 フィックスパック 2 以降のどのサービス・レベルのWebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 からでもマイグレーションを行うことができます。

WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 のどのコンポーネントが WebSphere Business Integration Message Broker バージョン 5.0 のものと共存できるかについては、以前のリリースおよび他の製品との共存を参照してください。

ブローカー・ドメインを WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 から WebSphere Business Integration Message Broker バージョン 5.0 にマイグレーションするには、以下のようにします。

  1. コントロール・センター・セッションを使用して、「トポロジー (Topology)」ビューからマイグレーション後に不要となるブローカーすべてを削除し、トポロジーを再デプロイします。 このセッションおよびその他のすべてのコントロール・センター・セッションを閉じます。

    コントロール・センターを使用してこの作業を行う方法については、「WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 Using the コントロール・センター」を参照してください。

  2. 1 つ以上のブローカーが実行されている各システム上で、各ブローカーに対して以下のいずれかを行います。
    • マイグレーション後にそのブローカーが不要となる場合、ブローカーを停止し、削除します。
    • ブローカーのコード・レベルをバージョン 2.1 から バージョン 5.0 にマイグレーションしたい場合は、そのブローカーを停止しますが、削除はしません。
    • ブローカーのコード・レベルを バージョン 2.1 のままにする場合は、 何もしません。 ブローカーを停止する必要はありません。

    UNIX または Windows システムでは、ブローカーの停止はブローカーの名前を指定して mqsistop コマンドを発行することにより行い、ブローカーの削除はブローカーの名前を指定して mqsideletebroker コマンドを発行することにより行います。 これらのコマンドおよび他の WebSphere MQ Integrator Broker コマンドの使い方については、「WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 Administration Guide」を参照してください。

    z/OS 上でブローカーを停止および削除する方法については、「WebSphere MQ Integrator Broker for z/OS バージョン 2.1 Customization and Administration Guide」を参照してください。

  3. 構成マネージャーが稼働しているシステム上で、以下を行います。
    1. コンポーネント ConfigMgr に対して mqsistop コマンドを発行して、構成マネージャーを停止します。
    2. 任意: 割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存しない場合は、mqsideleteconfigmgr コマンドに -n -m パラメーターを指定して発行し、構成マネージャーを削除します。 このパラメーターを使用すると、構成リポジトリーおよびメッセージ・リポジトリーが削除されます。
    3. 任意: 割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存する場合は、構成マネージャーを削除しないでください。
  4. ユーザー・ネーム・サーバーが稼働しているシステムでは、ユーザー・ネーム・サーバーを停止し、削除します。

    UNIX または Windows システムでは、ユーザー・ネーム・サーバーの停止はコンポーネント UserNameServer に対して mqsistop コマンドを発行することにより行い、ユーザー・ネーム・サーバーの削除は mqsideleteusernameserver コマンドを発行することにより行います。

    z/OS 上でユーザー・ネーム・サーバーを停止および削除する方法については、「WebSphere MQ Integrator Broker for z/OS バージョン 2.1 Customization and Administration Guide」を参照してください。

  5. コード・レベルを バージョン 2.1 のままにしたいブローカーが稼動している UNIX または Windows システム以外の各システム上で、WebSphere MQ Integrator Broker をアンインストールします。 以下のうちご使用のプラットフォーム用の該当する資料にある指示に従って行います。
    • WebSphere MQ Integrator Broker for AIX バージョン 2.1 Installation Guide
    • WebSphere MQ Integrator Broker for HP-UX バージョン 2.1 Installation Guide
    • WebSphere MQ Integrator Broker for Solaris バージョン 2.1 Installation Guide
    • WebSphere MQ Integrator Broker for Windows NT and Windows 2000 バージョン 2.1 Installation Guide

    Windows システムの場合、割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存する、またはデータをブローカー・データベース・テーブルに保存する場合は、データを含め WebSphere MQ Integrator Broker を完全にアンインストールするためのオプションを選択しないでください。

    z/OS の場合、WebSphere MQ Integrator Broker 製品コードを除去する必要はありません。

  6. コード・レベルを バージョン 2.1 のままにしたいブローカーが稼働しているUNIX または Windows システム以外の各システム上で、必要な WebSphere Business Integration Message Broker のコンポーネントをインストールします。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、以下を参照してください。
  7. 構成マネージャーが稼働するシステム上で以下を行います。
    1. 任意: 割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存する場合は、コンポーネント ConfigMgr に対して mqsicreatetables コマンドを発行することによりデータをマイグレーションします。 このとき、-d パラメーターは使用しないでください。 このコマンドの使い方については、mqsimigratetables コマンドを参照してください。
    2. 任意: 割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存せず、先に構成マネージャーを削除している場合には、mqsicreateconfigmgr コマンドを発行して新規の構成マネージャーを作成します。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、構成マネージャーの作成を参照してください。
    3. コンポーネント ConfigMgr に対して mqsistart コマンドを発行して、構成マネージャーを開始します。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、構成マネージャーの開始と停止を参照してください。
  8. ワークベンチが稼動する各システムで、以下を行います。
    1. ワークベンチを開始し、ワークベンチをブローカー・ドメインに接続します。 「ブローカー管理 (Broker Administration)」パースペクティブの「ドメイン (Domain)」ビューに、マイグレーションすることにしたすべてのブローカー (コード・レベルを バージョン 2.1 のままにしておくものと、コード・レベルを バージョン 2.1 から バージョン 5.0 にマイグレーションするもの) が表示されていることを確認します。 ワークベンチを閉じます。

      ワークベンチをブローカー・ドメインに接続する方法の詳細な指示については、ドメイン接続の作成を参照してください。

    2. mqsimigratemsgflows コマンドを発行して、マイグレーションするメッセージ・フローをインポートします。 このコマンドは、メッセージ・フローが使用するユーザー定義ノードに関する情報もインポートします。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、メッセージ・フローのマイグレーションを参照してください。
    3. mqsimigratemsgsets コマンドを発行して、マイグレーションするメッセージ・セットをインポートします。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、メッセージ・セットのマイグレーションを参照してください。
  9. ユーザー・ネーム・サーバーを実行することにしたシステム上で、以下のことを行います。
    1. mqsicreateusernameserver コマンドを発行して、ユーザー・ネーム・サーバーを作成します。 z/OS では、ユーザー・ネーム・サーバーの構成も行わなければなりません。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、以下を参照してください。
    2. ユーザー・ネーム・サーバーを開始します。 UNIX または Windows システムでは、コンポーネント UserNameServer に対して mqsistart コマンドを発行することによって、また z/OS では ユーザー・ネーム・サーバータスクを開始することによってこれを行います。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、以下を参照してください。
  10. 1 つ以上のブローカーのコード・レベルを バージョン 2.1 からバージョン 5.0 にマイグレーションする各システム上で、以下のようにします。
    1. UNIX または Windows システムでは、ブローカーによってアクセスされる各 Oracle および Sybase データベースの ODBC 接続定義を変更します。 AIX では、ブローカーによってアクセスされる各 DB2 データベースの ODBC 接続定義も変更します。 加えて、ブローカーで実行しているメッセージ・フローがブローカー・キュー・マネージャーによって整合されるグローバル作業単位内の Oracle または Sybase データベースを更新する場合、データベースの XA リソース・マネージャー定義を変更します。 これらの変更を行うには、マイグレーションされたブローカーの ODBC 接続と XA リソース・マネージャー定義の変更の指示に従ってください。
    2. UNIX または Windows システムでは、ブローカーの名前を指定してmqsimigratetables コマンドを発行することにより、各ブローカーのデータベース・テーブルをマイグレーションします。 複数のブローカーが同じセットのデータベース・テーブルを共用している場合、データベース・テーブルのマイグレーションは 1 度だけにするようにしなければなりません。 z/OS では、各ブローカーの構成を行います。 ブローカーの構成には、そのデータベース・テーブルのマイグレーションも含まれます。
    3. 各ブローカーを始動します。 UNIX または Windows システムでは、ブローカーの名前を指定して mqsistart コマンドを発行することによって、また z/OS ではブローカー・タスクを開始することによってこれを行います。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、以下を参照してください。
    コード・レベルを バージョン 2.1 のままにするブローカーについては、何もする必要はありません。
  11. ワークベンチが稼動するシステム上で、コード・レベルを バージョン 2.1 から バージョン 5.0 にマイグレーションするブローカーごとに以下を行います。
    1. 「ブローカー管理 (Broker Administration)」パースペクティブの「ドメイン (Domain)」ビューで、ブローカーの名前を右マウス・ボタン・クリックしてから、「デプロイ済みの子の除去 (Remove Deployed Children)」をクリックします。 ブローカーのすべての実行グループとその内容が削除され、空の新規デフォルト実行グループが作成されます。
    2. 元々ブローカー内にあった実行グループを再作成します。 保存したい実行グループだけを再作成します。 この目的のために以前に記録した情報を使用します。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、ブローカーへの実行グループの追加を参照してください。
    3. 元々ブローカー内にあった実行グループごとに、ブローカー・アーカイブ (bar) ファイルを作成します。 ブローカー・アーカイブ・ファイルには以下のものが入っていなければなりません。
      • 元々実行グループに割り当てられていたメッセージ・フロー
      • 元々ブローカーに割り当てられていたメッセージ・セット
      割り当てられたメッセージ・フローごとに、以下のプロパティーを設定します。
      • 追加インスタンス
      • コミット・カウント
      • コミット・インターバル
      • 整合トランザクション

      保存したい割り当て構成データだけを再作成します。 ブローカー・アーカイブ・ファイルを作成する目的で以前に記録した情報を使用します。

    4. ブローカー・アーカイブ・ファイルの準備ができたら、ブローカーにデプロイします。 この作業を行う方法についての詳細な指示は、メッセージ・フロー・アプリケーションのデプロイを参照してください。

      マイグレーションしたメッセージ・フローとメッセージ・セットを、まず最初にテスト環境にデプロイします。 それらが正常に動作することが確認できたら、実稼働環境にデプロイできます。

  12. ワークベンチが稼動するシステム上で、完全なトポロジーおよびトピック構成データをデプロイします。 これらの作業を行う方法についての詳細な指示は、トポロジー構成のデプロイ および トピック階層のデプロイを参照してください。
これでマイグレーションは完了し、ブローカー・ドメインを使用することができます。
不要になったデータベース・テーブルやデータベースはどれでも除去でき、不要になったキュー・マネージャーはどれでも削除できます。

マイグレーション中に割り当て、トポロジー、およびトピックのデータを構成リポジトリーに保存し、構成マネージャーを削除していない場合は、マイグレーション後の構成マネージャーデータベース・テーブルには、構成マネージャーで不要になった開発データが含まれることになります。 マイグレーションが正常に終了したことが確認できたら、このデータを削除できます。 この作業を行う方法については、マイグレーション後の構成マネージャー・データベース・テーブルのクリーンアップを参照してください。

関連概念
以前のリリースおよび他の製品との共存

関連タスク
WebSphere MQ Integrator Broker バージョン2.1 からのマイグレーションの準備
AIX 上でのインストール
HP-UX 上でのインストール
Solaris 上でのインストール
Windows 上でのインストール
z/OS 上でのインストール
構成マネージャーの作成
構成マネージャーの開始と停止
ドメイン接続の作成
メッセージ・フローのマイグレーション
メッセージ・セットのマイグレーション
AIX でのユーザー・ネーム・サーバーの作成
HP-UX でのユーザー・ネーム・サーバーの作成
Solaris でのユーザー・ネーム・サーバーの作成
Windows でのユーザー・ネーム・サーバーの作成
z/OS でのユーザー・ネーム・サーバーの作成
UNIX プラットフォームでのユーザー・ネーム・サーバーの開始と停止
Windows でのユーザー・ネーム・サーバーの開始と停止
UNIX プラットフォームでのブローカーの開始と停止
Windows でのブローカーの開始と停止
メッセージ・フロー・アプリケーションのデプロイ
マイグレーション後の構成マネージャー・データベース・テーブルのクリーンアップ
z/OS でのユーザー・ネーム・サーバーの開始
ブローカーの開始
ブローカーへの実行グループの追加
トポロジー構成のデプロイ
トピック階層のデプロイ
マイグレーション後のプログラムからのコマンドの実行
マイグレーションされたブローカーの ODBC 接続と XA リソース・マネージャー定義の変更
z/OS 上でのマイグレーション済みブローカーの構成

関連資料
エクスポート・ファイルでの割り当て構成データ
mqsicreateconfigmgr コマンド
mqsicreateusernameserver コマンド
mqsimigratemsgflows コマンド
mqsimigratemsgsets コマンド
mqsimigratetables コマンド
mqsistart コマンド
サポートされているマイグレーションおよびアップグレード・パス