WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

IDOC パーサー用のメッセージ・モデルの作成

WebSphere® MQ Link for R3 を使用して SAP アプリケーションとの間で送受信する ALE IDoc メッセージは、IDOC パーサーで処理することができます。このパーサーは、データを正しく解釈するためにメッセージ・モデルを必要とします。 このトピックでは、メッセージ・モデルの作成方法について説明します。

IDOC ドメインは推奨されていません。 新規メッセージ・フローを作成する場合、WebSphere MQ link for R3 を経由して SAP R3 クライアントからブローカーに送信された SAP ALE IDoc を処理したければ、TDS 物理形式を持った MRM ドメインを使用します。

IDoc の取得

WebSphere Message Broker Toolkit に必要な IDoc データのインポート・ファイルを作成します。
  1. SAP システムにログオンします。
  2. 提供されているトランザクション we60 を以下のように実行します。 これにより、IDoc データが C ヘッダー・ファイルとして抽出されます。
    1. 「基本タイプ」で、例えば MATMAS02 などの、該当する IDoc タイプを選択します。
    2. 「制御」「データ」、および「状況」チェック・ボックスはクリアされたままにしておきます。
    3. 「レコード・タイプ」のバージョンを選択します。 バージョン 4 の IDoc はタイプ 3 です。
    4. IDoc の C 表記を表示するには、F7 を押します。
    5. 「システム」 > 「リスト」 > 「保存」 > 「ローカル・ファイル」を選択します。
    6. 「無変換」をクリックします。
    7. プロンプトで指示されたら、トランザクションからの出力用のファイル名とディレクトリーを入力します。 C 表記による IDoc が、この C ヘッダー・ファイルに保存されます。
ヒント: エクスポートされた C ヘッダーは、それ以上手動で処理することなく、WebSphere Message Broker Toolkit にインポートできます。

IDoc のモデル化

メッセージ・モデルを作成します。

  1. 「ブローカー・アプリケーション開発」パースペクティブに切り替えます。
  2. 「新規メッセージ・セット」ウィザードを使用して、IDoc 用のメッセージ・セットを作成します。 使用するデータとしてバイナリー・データを選択します。 このオプションで、カスタム・ワイヤー形式 (CWF) 物理形式のメッセージ・セットが作成され、「デフォルト・メッセージ・ドメイン」プロパティーが MRM に事前設定されます。
  3. メッセージ・セット・エディターを使用して、「デフォルト・メッセージ・ドメイン」プロパティーを IDOC に変更します。
  4. 「新規メッセージ定義ファイル」ウィザードを使用して、ALE IDoc メッセージ構造の事前作成モデルをインポートします。 このウィザードを開始するには、「ファイル」 > 「新規作成」 > 「メッセージ定義ファイルの作成元」をクリックします。 ウィザードが開いたら、「IBM 提供メッセージ」を選択してから、「SAP ALE IDoc」を選択します。 この SAP ALE IDoc 事前作成モデルには、DC および DD セグメントの定義が組み込まれています。 結果のメッセージ定義ファイルは、ale_idoc.mxsd と呼ばれます。 「新規メッセージ定義ファイル」ウィザードの使用方法について詳しくは、メッセージ・セット: IBM 提供メッセージからのインポートを参照してください。
  5. 「新規メッセージ定義ファイル」ウィザードまたは mqsicreatemsgdefs コマンドを使用して、C 表記による IDoc を新規メッセージ・セットにインポートします。 このウィザードを開始するには、「ファイル」 > 「新規作成」 > 「メッセージ定義ファイルの作成元」をクリックします。
    次の設定を指定します。
    • 「C ヘッダー・ファイル」を選択します。
    • 「適用するプリプロセッシング・オプションの選択」「SAP ALE IDoc」に設定します。 このオプションを指定しないと、C ヘッダーのインポートは失敗します。 このオプションを指定すると、メッセージ接頭部のプリファレンスは無視されます。
    • IDoc 内にあるセグメントのメッセージを作成します。
    • 「ストリングのエンコード」オプションを使用して、文字配列を固定長ストリングとしてインポートします。
    • 「ストリングの埋め込み文字」オプションを使用して、スペース (『 』) を、使用される埋め込み文字に指定します。
    「C ヘッダー・ファイルを作成元とする新規メッセージ定義ファイル」ウィザードの使用法の詳細は、メッセージ・セット: C からのインポートを参照してください。

IDoc メッセージ・モデルの使用

次に、メッセージ・モデルを使用して、IDoc メッセージのインスタンスを処理するメッセージ・フローを構成することができます。 ESQL または Java™ を使用して、IDoc のフィールドにアクセスすることができます。 IDOC ドメインはマッピング・エディターではサポートされないので、グラフィカル・マップを使用して IDoc のフィールドにアクセスすることはできません。

WebSphere MQ Link for R3 から IDoc を受信する予定の MQInput ノードのプロパティーを設定する場合、「メッセージ・ドメイン」プロパティーは IDOC でなければならず、「メッセージ・セット」プロパティーはメッセージ・セットの名前でなければならず、そして「メッセージ形式」プロパティーは、カスタム・ワイヤー形式の名前でなければなりません。 「メッセージ・タイプ」プロパティーは、IDOC パーサーでは必要ないので、MQInput ノード上で設定する必要はありません。

メッセージ・フローが完成した後、メッセージ・セットとメッセージ・フローをブローカー・アーカイブ (BAR) ファイルに追加し、その BAR ファイルを、ブローカー実行グループに対してデプロイします。

IDoc が MQInput ノードで受信されると、IDOC パーサーは、DC 内の SAP 定義エレメントを処理してから、各 DD ごとに、IDOC パーサーは SAP 定義エレメントを処理し、次に、エクスポート後の IDoc の解説どおりに、MRM パーサーを呼び出して、CWF 物理フォーマットを使ってユーザー定義のセグメント・データを処理します。 MRM パーサーは、ユーザー定義セグメントに対して使用する「メッセージ・タイプ」プロパティーを認識しています。なぜなら、これは、IDOC パーサーによって SAP 定義 DD フィールド segnam から取り出されたプロパティーだからです。

ヒント: SupportPac IA0F には、IDoc メッセージ・モデルの作成に関連するステップの詳細な説明が記載されています。 ユーティリティー IDocHeaderTweak および IDocMsgSetTweak は無視して差し支えありません。その処理は、「C ヘッダー・ファイルを作成元とする新規メッセージ定義ファイル」ウィザードにすでに組み入れられているからです。
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        最終更新: 2015-02-28 17:45:39


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