WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

アプリケーションおよびライブラリー

アプリケーションとライブラリーはデプロイ可能なリソース・コンテナーです。メッセージ・フロー、サブフロー、メッセージ定義 (DFDL、XSD ファイル)、JAR ファイル、XSL スタイル・シート、および WebSphere® Adapters ファイルなどのリソースが格納されます。

アプリケーション

アプリケーションは、ソリューションを作成するために必要なすべてのリソースが入るコンテナーです。 アプリケーションには、WebSphere Message Broker リソースを含めることができます (フロー、メッセージ定義、ライブラリー、および JAR ファイルなど)。

設計時に、以下の項目への参照を定義します。
  • 0 個以上のメッセージ・フロー依存関係 (例えば Java™ プロジェクトまたはメッセージ・セット)。
  • 再使用可能なリソースが入っている 0 個以上のライブラリー。

統合ソリューションの配信に必要なすべてのリソースをグループ化するアプリケーションを使用することによって、開発や管理をしやすくできます。 WebSphere Message Broker Toolkit で複数の統合ソリューションのリソースを開発している場合は、リソースをアプリケーションにグループ化することを検討してください。 ライブラリーを使用すると、再使用可能なリソースをグループ化することによって、編成に役立ちます。 このライブラリーは、他のアプリケーション、サービス、ライブラリー、またはメッセージ・ブローカー・プロジェクトで使用することもできます。

アプリケーションには通常メッセージ・フローが組み込まれています。 メッセージ・フローに必要な追加リソースが 1 つか 2 つ (1 つのスキーマ・ファイルと 1 つの ESQL ファイルなど) だけである場合、すべてのリソースをアプリケーション・レベルで格納することを考慮してください。 しかし、ソリューションのための複数のリソース、または他のソリューションと共用される可能性のあるリソースが必要になってきた場合は、メッセージ・フローで必要なリソースをライブラリーに入れることを考慮してください。 そのようにすると、そのライブラリーはアプリケーションから参照することができます。

アプリケーションには、ランタイム分離機能があるため、アプリケーション内のリソースは、そのアプリケーションの外部で実行されている他のリソース (メッセージ・フロー、ライブラリー、他のアプリケーションなど) から不可視になります。 デプロイされているリソースの 1 つのグループに対する更新が別のグループに影響しないようにする必要がある場合は、アプリケーションの使用を検討してください。 例えば、最新バージョンの ESQL モジュールを取得するフローを制御する場合に、アプリケーションを使用します。 アプリケーションを使用してランタイムの分離を行う方法の例については、アプリケーションおよびライブラリーでの実行時分離機能とリソース共用を参照してください。

ライブラリー

ライブラリーは、関連するコード、データ、またはその両方を論理的にグループ化したものです。 通常、ライブラリーには、サブフロー、ESQL モジュール、メッセージ定義、マップ、および Java ユーティリティーなどの再使用可能なヘルパー・ルーチンやリソースが格納されます。 ライブラリーを使用して同じタイプまたは機能のリソースをグループ化することで、リソースを再利用したり、容易に管理したりすることができます。 ライブラリーはオプションです。

以下の機能については、ライブラリーの使用を検討してください。
  • 共通タイプのリソースのグループ化 (すべての ESQL ルーチンなど)
  • 機能ごとのリソースのグループ化 (すべてのエラー処理ルーチンなど)
  • 複数のチーム、プロジェクト、またはブローカー間でのルーチンおよび定義の共用
  • ルーチンおよび定義から成る一貫性のあるセットに関してさまざまなバージョンを使用
ライブラリーは、アプリケーション、サービス、メッセージ・ブローカー・プロジェクト、または他のライブラリーから参照できます。
  • ライブラリーをアプリケーションから参照する場合、参照されるライブラリーのコピーは、そのアプリケーション外部のリソースから実行時に分離されます。 このライブラリーのコピーは、そのアプリケーション外部のリソースからは不可視になります。
  • ライブラリーをサービスから参照する場合、参照されるライブラリーのコピーは、そのサービス外部のリソースから実行時に分離されます。 このライブラリーのコピーは、そのサービス外部のリソースからは不可視になります。
  • ライブラリーを独立したリソースから参照する場合、ライブラリーは、そのライブラリーと同じ実行グループにデプロイされたすべての独立リソースから可視になります。

共通リソースに加えられた変更を、すべてのメッセージ・フローとサブフローを再デプロイせずに 1 回のデプロイメント操作でデプロイできる統合ソリューションを開発する場合は、共通リソースを格納するライブラリーを参照するメッセージ・ブローカー・プロジェクトまたはライブラリー内で、メッセージ・フローとサブフローを独立リソースとして定義する必要があります。

アプリケーションおよびライブラリーの使用例については、『Coordinated Request Reply』のサンプルを参照してください。サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。

既存リソースをアプリケーションおよびライブラリーに変換する方法の例については、例: バージョン 7.0 リソースからアプリケーションおよびライブラリーへの手動による変換を参照してください。

開発、デプロイメント、および操作管理プロセスでの整合性

アプリケーションおよびライブラリーでは、開発、デプロイメント、および操作管理プロセスにおいて、一貫した視点でリソースを扱うことができます。 WebSphere Message Broker バージョン 7.0 以前のバージョンでは、ファイル・タイプと概念は、開発プロセスの各ステージで異なるものでした。 WebSphere Message Broker Toolkit でさまざまなタイプのリソースを組み込むために、複数のプロジェクト・タイプが使用されていました。 すべてのプロセス間で共通コンポーネントを再使用するための一貫した方法はありませんでした。 しかし、アプリケーションおよびライブラリーは、開発用の WebSphere Message Broker Toolkit、デプロイメント用のブローカー・アーカイブ (BAR) ファイル、および操作管理用の WebSphere Message Broker Explorer のようなツールで共通して使用されます。

この図にはバージョン 7 およびバージョン 8 の Toolkit のスクリーン・ショットが含まれており、リソースが編成されるさまざまな方法が示されています。

アプリケーションおよびライブラリーの表示

アプリケーションおよびライブラリーは、「ブローカー開発」ビューに示されています。 アプリケーションやライブラリーに含まれるリソースも表示されます (アプリケーションやライブラリーがそれらを直接参照するか、間接的に参照するかにかかわらず表示されます)。

WebSphere Message Broker バージョン 8.0 では、メッセージ・フロー・プロジェクトがメッセージ・ブローカー・プロジェクトに置き換えられました (詳しくはメッセージ・ブローカー・プロジェクトを参照してください)。 旧バージョンのリソースのインポートの指示に従って、メッセージ・フロー・プロジェクトのマイグレーションを行います。

アプリケーション、ライブラリー、メッセージ・ブローカー・プロジェクト、および他の種類のプロジェクトは、以下のアイコンで表されます。
アイコン 説明
アプリケーションのアイコン アプリケーション
ライブラリーのアイコン ライブラリー
メッセージ・ブローカー・プロジェクトのアイコン メッセージ・ブローカー・プロジェクト
Java プロジェクトのアイコン Java プロジェクト
メッセージ・セット・プロジェクトのアイコン メッセージ・セット・プロジェクト

実行グループにデプロイされたアプリケーションおよびライブラリーは、WebSphere Message Broker Toolkit および WebSphere Message Broker Explorer の実行グループの直下に表示されます。また、デプロイされたアプリケーションおよびライブラリーは、メッセージ・ブローカー API または mqsilist コマンドを使用して表示することもできます。 アプリケーションによって参照されているライブラリー (つまり、専用ライブラリー) は、アプリケーションの直下に表示されます。

また、アプリケーションまたはメッセージ・フローのデプロイ後におけるそれらの開始方法、またはブローカー、実行グループ、または包含アプリケーションの再開後における開始方法を指定できます。 アプリケーションまたはフローを手動で開始するのか、自動的に開始するのかを選択できます。 また、アプリケーションまたはライブラリーの既存の状態を維持するようにも選択できます。 実行状態は、開発時におけるフローおよびアプリケーションの開始モードの構成で説明されているように BAR ファイル・エディターを使用して構成できます。 また、mqsiapplybaroverride コマンドを実行時のフローおよびアプリケーションの開始モードの設定で説明されているように使用することもできます。

1 つのライブラリーまたはアプリケーションにフォーカスを置くと、「ブローカー開発」ビューには当該ライブラリーまたはアプリケーションのみが表示されます。 プロジェクトを表示する場合には、作業セットを使用してリソースをフィルターに掛けることもできます。

アプリケーションおよびライブラリーを使用してリソースを管理する方法について詳しくは、メッセージ・フロー・リソースの管理を参照してください。

アプリケーションおよびライブラリーの使用を開始する方法のデモンストレーションについては、IBM Education Assistant モジュール: Applications and Libraries を参照してください。

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        最終更新: 2015-02-28 17:48:36


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