SOAPAsyncResponse ノードを SOAPAsyncRequest ノードと共に使用して、Web サービスを非同期で呼び出すメッセージ・フローのペアを構成します。
SOAPAsyncRequest ノードは、Web サービス要求を送信しますが、このノードは関連した Web サービス応答の受信を待ちません。 しかし SOAPAsyncRequest ノードは、HTTP 202 の肯定応答が来るまで待機してから、メッセージ・フローの処理を続けます。肯定応答が受信されない場合は、SOAPAsyncRequest ノードはブロックされます。 Web サービスの応答は SOAPAsyncResponse ノードによって受信されますが、それは別のメッセージ・フロー中のものでも構いません。 これらのノードはペアとして使用され、応答を元の要求に対応させます。
SOAP パーサーは XMLNSC パーサーを呼び出して、SOAP Web サービスの XML 内容を解析し、SOAP Web サービスの XML 本体を検証します。 SOAP パーサー・オプションは、XMLNSC パーサーにパススルーされます。 詳しくは、XMLNSC ドメインでのメッセージの操作を参照してください。
SOAPAsyncResponse ノードは、パレットの 「Web サービス」 ドロワーにあり、WebSphere® Message Broker Toolkit では、次のアイコンで表されます。
対応する SOAPAsyncRequest ノードで構成される「理解必須ヘッダー」リストは SOAPAsyncResponse ノードにも適用されますが、SOAPAsyncResponse ノードの構成は、WSDL 主導ではありません。
「バックアウト宛先」プロパティーや「バックアウトしきい値」プロパティーなど、このノードのほとんどの構成オプションは、ペアの SOAPAsyncRequest ノードで設定されます。 バックアウトしきい値に達しても SOAP 障害は送信されません。
LocalEnvironment.SOAP.Response.UserContext
このペアの SOAPAsyncRequest ノードにローカル環境プロパティー LocalEnvironment.Destination.SOAP.Response.ReplyIdentifier または LocalEnvironment.Destination.HTTP.RequestIdentifier のいずれかが提供された場合、これらは SOAPAsyncResponse ノードのローカル環境に渡されます。
サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。
SOAPAsyncResponse ノードは Content-Encoding が gzip または deflate になっている応答を受信できます。 そのような応答を受け取ると、内容はデコードされ、Content-Encoding ヘッダーは削除されます。
SOAPAsyncResponse ノードのインスタンスをメッセージ・フローに入れると、それを構成することができます。メッセージ・フロー・ノードの構成を参照してください。 ノードのプロパティーが、「プロパティー」ビューに表示されます。 値を入力する必要のある (デフォルト値が定義されていない) すべての必須プロパティーには、アスタリスクが表示されます。
SOAPAsyncResponse ノードのターミナルについては、次の表に説明されています。
ターミナル | 説明 |
---|---|
Failure | 受信したメッセージが Out フローに伝搬される際に障害 (メッセージ妥当性検査障害など) が検出された場合に、非同期 SOAP 応答メッセージがルーティングされる出力ターミナル。 |
Out | 非同期 SOAP 応答メッセージが正常に受信され、なおかつこのメッセージ・フロー内でさらに処理が必要な場合に、そのメッセージがルーティングされる出力ターミナル。 入力ノード内でエラーが起こらなかった場合、外部リソースから受信される有効な非障害 SOAP 応答メッセージは、常にこの Out ターミナルにまず送信されます。 |
Fault | 非同期 SOAP 障害応答が正常に受信され、なおかつこのメッセージ・フロー内でさらに障害の処理が必要な場合に、その応答がルーティングされる出力ターミナル。 |
Catch | 例外がダウンストリームでスローされ、ノードによってキャッチされた場合に、メッセージがルーティングされる出力ターミナル。 |
以下の表は、ノード・プロパティーについて説明しています。 M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力することが必要なら、アスタリスクのマークが付きます)。 C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 (メッセージ・フローを BAR ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できる) かどうかを示します。
SOAPAsyncResponse ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
ノード名 | いいえ | いいえ | ノード・タイプ: SOAPAsyncResponse | ノードの名前。 |
簡略説明 | いいえ | いいえ | なし | ノードの簡単な説明 |
詳細説明 | いいえ | いいえ | なし | メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト |
SOAPAsyncResponse ノードの「基本」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 | mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー |
---|---|---|---|---|---|
固有 ID | はい | いいえ | SOAPAsyncRequest ノードと SOAPAsyncResponse ノードのペアに共通の固有 URL フラグメントを指定します。 | asyncRequestCorrelator |
SOAPAsyncResponse ノードの「トランザクション」プロパティーについては、次の表に説明されています。 この設定は、ノードが HTTP トランスポートを使用する場合は適用されません。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
トランザクション・モード | はい | いいえ | いいえ | このプロパティーは、メッセージを JMS トランザクション下で受信するかどうかを制御します。 有効な値は Yes および No です。 非トランザクション JMS セッションを使用してメッセージを受信するには、No を選択します。 トランザクション JMS セッションを使用してメッセージを受信するには、Yes を選択します。 JMS トランザクションは、ローカルまたは XA 整合のどちらかが可能です。 XA JMS セッションを使用して XA 整合トランザクションを使用するには、BAR ファイル・プロパティーで、「メッセージ・フロー」プロパティーの「整合トランザクション」を選択する必要もあります。 整合 JMS トランザクションの構成を参照してください。 |
SOAPAsyncResponse ノードの「拡張」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
宛先リストの設定 | いいえ | いいえ | 選択されている | このプロパティーは、ラベル宛先リストへの経路に着信 SOAP 操作を追加するかどうかを示します。 |
ラベル接頭部 | いいえ | いいえ | このプロパティーを使用して、宛先リスト内の SOAP 操作名に接頭部を追加します。 同一メッセージ・フロー内で複数の SOAPAsyncResponse ノードを使用するには、対応する Label ノードが互いに不釣合にならないように、ラベル接頭部を追加する必要があります。 デフォルトでは、接頭部は空ストリングなので、操作名とラベル名は同一になります。 このプロパティーは、「宛先リストの設定」プロパティーをクリアした場合には使用できません。 | |
WS-Addressing ヘッダーを LocalEnvironment に配置 | いいえ | いいえ | 選択されていない | このプロパティーは、ノードが WS-Addressing ヘッダーを応答メッセージからローカル環境ツリーに配置するかどうかを指定します。 このチェック・ボックスにチェック・マークが付いていないと WS-Addressing ヘッダーはフローにアクセスできません。デフォルトでは、すべてのヘッダーが処理および削除されるためです。 |
SOAPAsyncResponse ノードの「インスタンス」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 | mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー |
---|---|---|---|---|---|
追加インスタンス・プール | いいえ | はい | メッセージ・フローに関連付けられたプールの使用 | 追加インスタンスの取得元のプール。
|
componentLevel |
追加インスタンス | いいえ | はい | 0 | 「追加インスタンス・プール」プロパティーが「ノードに関連付けられたプールの使用」に設定されている場合に、ノードが開始できる追加インスタンスの数。 デフォルトでは、ノードへの追加インスタンスはありません。 | additionalInstances |
SOAPAsyncResponse ノードの「応答メッセージの構文解析」プロパティーについては、次の表に説明されています。 SOAPAsyncResponse ノードはこうしたプロパティーを自動的に設定します。ユーザーが設定することはできません。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
メッセージ・ドメイン | いいえ | いいえ | SOAP | 応答メッセージの構文解析に使用されるドメイン。 デフォルトで、SOAPAsyncResponse ノードから伝搬されたメッセージは SOAP ドメイン内にあります。 別のドメインを指定することはできません。 詳しくは、SOAP パーサーおよびドメインを参照してください。 ゲートウェイ・モードで作動するようにペアの SOAPAsyncRequest ノードが構成されると、「応答メッセージの構文解析」プロパティーは無視されます。 |
メッセージ・セット | はい | いいえ | SOAPAsyncRequest ノードによって提供される「WSDL ファイル名」プロパティーから自動的に設定される | 応答メッセージが定義されているメッセージ・セットの名前。 「メッセージ・セット」は、対応する SOAPAsyncRequest ノード上で構成される WSDL ファイルが入っているメッセージ・セットに自動的に設定されます。 このプロパティーを設定して、その後にプロジェクトの依存関係を更新してこのメッセージ・セットの参照を削除すると、警告が発行されます。 「メッセージ・セット」プロパティーを更新するか、このメッセージ・セット・プロジェクトへの参照を復元してください。 ゲートウェイ・モードで作動するようにペアの SOAPAsyncRequest ノードが構成されると、「応答メッセージの構文解析」プロパティーは無視されます。 |
メッセージ・タイプ | いいえ | いいえ | 応答メッセージの名前。 ノードはメッセージ・タイプを自動的に検出します。 このプロパティーを設定することはできません。 | |
メッセージ形式 | いいえ | いいえ | 応答メッセージの物理フォーマットの名前。このプロパティーを設定することはできません。 |
SOAPAsyncResponse ノードの「パーサー・オプション」プロパティーについては、次の表に説明されています。 このプロパティーは、XMLNSC パーサーにパススルーされます。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
構文解析のタイミング | いいえ | いいえ | 要求時 | このプロパティーは、いつ応答メッセージを解析するかを制御します。 有効な値は、「要求時」、「即時」、および「完全」です。 デフォルトでは、構文解析のタイミングは「要求時」に設定されます。これにより、入力メッセージの構文解析が遅延されます。 このプロパティーに関する詳しい説明については、要求時の構文解析を参照してください。 |
XML スキーマ・データ・タイプを使用してツリーを構築する | いいえ | いいえ | 選択されている | このプロパティーは、XML スキーマから取得されたデータ・タイプを使って、XMLNSC パーサーがメッセージ・ツリー内に構文エレメントを作成するかどうかを制御します。 ゲートウェイ・モードで作動するようにペアの SOAPAsyncRequest ノードが構成されると、このプロパティーは無視されます。 |
混合内容の保存 | いいえ | いいえ | 選択されていない | このプロパティーは、XMLNSC パーサーが応答メッセージ内で混合テキストを検出したときに、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、混合テキスト用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、混合テキストは無視されて、エレメントは作成されません。 |
コメントの保存 | いいえ | いいえ | 選択されていない | このプロパティーは、XMLNSC パーサーが応答メッセージ内でコメントを検出したときに、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、コメント用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、コメントは無視されて、エレメントは作成されません。 |
処理命令の保存 | いいえ | いいえ | 選択されていない | このプロパティーは、XMLNSC パーサーが応答メッセージ内で処理命令を検出したときに、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、処理命令用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、処理命令は無視されて、エレメントは作成されません。 |
不透明エレメント | いいえ | いいえ | ブランク | XMLNSC パーサーによって不透明解析される応答メッセージ内のエレメントのリストを指定するときに、このプロパティーを使用します。 不透明解析が実行されるのは、妥当性検査が使用不可に設定されている場合のみ (つまり、「妥当性検査」が「なし」の場合) です。妥当性検査が使用可能な場合、「不透明エレメント」で指定される項目は無視されます。 |
SOAPAsyncResponse ノードの「妥当性検査」プロパティーについては、次の表に説明されています。 デフォルトでは、妥当性検査は有効になっています。
メッセージがノードの Failure ターミナルに伝搬される場合には、妥当性検査は行われません。 詳細については、メッセージの妥当性検査および妥当性検査プロパティーを参照してください。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 | mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー |
---|---|---|---|---|---|
妥当性検査 | いいえ | はい | 内容と値 | このプロパティーは、妥当性検査を行うかどうかを制御します。 有効な値は、「なし」、「内容と値」、および 「内容」です。 ゲートウェイ・モードで作動するようにペアの SOAPAsyncRequest ノードが構成されると、妥当性検査プロパティーは無視されます。 |
validateMaster |
失敗時の処置 | いいえ | いいえ | 例外 | このプロパティーは、妥当性検査が失敗した場合の動作を制御します。 「妥当性検査」を 「内容」 または 「内容と値」 に設定した場合にのみ、このプロパティーを設定できます。 有効な値は、「ユーザー・トレース」、「例外リスト」、「ローカル・エラー・ログ」、および「例外」です。 ゲートウェイ・モードで作動するようにペアの SOAPAsyncRequest ノードが構成されると、妥当性検査プロパティーは無視されます。 |
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
イベント | いいえ | いいえ | なし | ノードに対して定義したイベントが、このタブに表示されます。 デフォルトでは、メッセージ・フローのどのノードに対してもモニター・イベントは定義されません。 ノードのモニター・イベントを作成、変更、または削除するには、「追加」、「編集」、および「削除」を使用します。詳しくは、モニター・プロパティーを使用したモニター・イベント・ソースの構成を参照してください。 「使用可能」チェック・ボックスを選択またはクリアすることによって、ここに表示されているイベントを使用可能および使用不可に設定できます。 |
設定 | 説明 |
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UserContext | SOAPAsyncRequest ノードによって保管されたコンテキスト・データを、ローカル環境の以下の場所から取得できます。
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