WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

TCPIPClientInput ノード

ロー TCP/IP ソケットへのクライアント接続を作成し、その接続を介してデータを受信するには、TCPIPClientInput ノードを使用します。

このトピックには、以下のセクションが含まれています。

目的

TCPIPClientInput ノードは、TCP/IP ポート上で listen しているリモート・サーバー・アプリケーションへの接続を開きます。 接続は、直接ノードによって行われるのではなく、WebSphere® Message Broker 実行グループによって管理される接続プールから入手されます。 実行グループは、デフォルトの TCPIPClient 構成可能サービスを使用して、ソケット接続に使用される属性を判別します。 しかし、このノード上で構成可能サービスが設定されている場合は、ホストやポート番号を含むすべてのプロパティーに構成可能サービスが使用されます。

TCP/IP ノードに対して SSL を使用するように、ブローカーを構成できます。SSL および TCP/IP ノードを参照してください。

接続が接続プールによって開かれると、TCPIPClientInput ノードに送られます (ノードの Open ターミナルが接続されている場合)。 入力イベントは、接続上の 1 つの TCPIPClientInput ノードだけに送られます。

このノードは、読み取り準備ができているデータを含むクライアント接続を要求します。 この種の接続が使用可能になるまで、ノードは一時停止し、データを待機します (MQInput 入力ノードと同じ方法)。 したがって、ノードが使用可能になる前に、次の 2 つの基準を満たさなければなりません。
  • クライアント接続が作成されていること
  • 処理できるデータが少なくとも 1 バイトあること

デフォルトでは (構成可能サービスで設定されている)、入力ノードによってクライアント接続は作成されません。 ノードは、出力ノードか要求ノードによって作成されるクライアント接続に依存しています。 この操作のモードでは、出力ノードか要求ノードが対話を開始するまで、入力ノードが開始されることはありません。

構成可能サービス上でモードを変更して、処理に使用できるクライアント接続のプールを作成できます。 この機能を使用するには、minimumConnections をゼロより大きな値に設定しなければなりません。 このように実行グループは、始動時に接続を作成し、最小値に達するまで接続の作成を続けることで、確実に指定数の接続が常時使用可能であるようにします。

この動作は TCPIPServerInput ノードとは異なり、最小数の接続の作成を試行しません。 詳しくは、TCPIPServerInput ノードを参照してください。

クライアント・ノードには最大値も設定されており、作成できる接続の数が制限されます。 出力ノードが接続を作成する結果として、最小値より多くの接続が存在することもあります。

接続が使用可能で、処理できるデータが 1 バイト以上ある場合、2 つ目の基準が満たされたことになります。そうでない場合、接続は閉じます。 いずれの場合も、接続がノードに提供され、イベントが処理されます。

ノード上のプロパティーに従ってデータの最初のレコードが検出されてから、Out ターミナルに送信されます。 データ待機のタイムアウトや完全レコードの待機中の接続のクローズなどのエラーが発生すると、データは Failure ターミナルに送信されます。 接続が閉じ、データがない場合、メッセージは Close ターミナルに送信されます。 メッセージにはデータがありませんが、閉じた接続の詳細情報がローカル環境にあります。

データおよびクローズ・イベントの両方に対して、以下のローカル環境が作成されます。

表 1. ローカル環境中の場所
ローカル環境中の場所 説明
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/Type クライアント。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/Hostname 接続を行うのに使用されるホスト名。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/Port 接続を行うのに使用されるポート番号。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/OpenTimestamp 初めて接続が開かれた時点のタイム・スタンプ。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/CloseTimestamp 接続が閉じた時点のタイム・スタンプ (まだ閉じていない場合はヌル)。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/SequenceNumber/InputRecord この接続上で受け取られるメッセージのシーケンス番号。 先頭レコードのシーケンス番号は 1 です。2 番目のレコードのシーケンス番号は 2 で、以後同様です。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/SequenceNumber/OutputRecord この接続上で送信されるメッセージのシーケンス番号。 先頭レコードのシーケンス番号は 1 です。2 番目のレコードのシーケンス番号は 2 で、以後同様です。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/Id 使用されるソケットの ID。 この ID は、メッセージ・ブローカーで接続を一意的に識別するのに使用される内部 ID です。
$LocalEnvironment/TCPIP/Input/ConnectionDetails/ReplyId この接続上で保管されている応答 ID。 値は任意のテキスト・ストリングにすることができます。

ノードで接続ストリームからのレコードの構成が終わると、接続を解放して、他のノードで使用できるように接続プールに戻します。 戻された接続が今後他のノードでどのように使用されるかは、「拡張」タブ上のプロパティーで示されます。 「拡張」プロパティーは、デフォルトで、TCP/IP 接続上の入力ストリームに予約済みのマークを付けます。これは、メッセージ・フローの現在の使用が終了するまで他の入力ノードが使用できないという意味です。 またはその代わりに、別のノードで予約解除になるまで接続を予約するか、それともまったく予約せずに、他のノード (またはこのノード中のスレッド) が接続をすぐに使用できるようにすることができます。 出力ストリーム上でも同様のオプションが使用可能ですが、デフォルトでは未予約のままになっています。

予約済みのストリームは、接続の ID が認識されている場合のみ、別のノードがアクセスできます。 この動作によって、メッセージ・フロー中のすべてのノードが、同じ ID を使用して同じ接続にアクセスでき、その一方で接続を獲得している他のフローを停止できます。

TCPIPClientInput ノードはパレットの「TCPIP」ドロワーに入っていて、WebSphere Message Broker Toolkit 内では次のアイコンによって表されます。

TCPIPClientInput ノード・アイコン

メッセージ構造

TCPIPClientInput ノードは、次のメッセージ・ドメインのメッセージを処理します。
  • DFDL
  • XMLNSC
  • DataObject
  • JSON
  • BLOB
  • MIME
  • MRM
  • JMSMap
  • JMSStream
  • XMLNS

メッセージ・フロー内での TCPIPClientInput ノードの使用

TCPIPClientInput ノードの使用法については、次のサンプルを参照してください。

サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。

TCPIPClientInput ノードの構成

TCPIPClientInput ノードのインスタンスをメッセージ・フローに入れると、それを構成することができます。メッセージ・フロー・ノードの構成を参照してください。 ノードのプロパティーが、「プロパティー」ビューに表示されます。

デフォルト値が定義されていないすべての必須プロパティーには、アスタリスクのマークが付きます。

以下のように、TCPIPClientInput ノードを構成します。

  1. オプション: 「説明」タブで、簡略説明詳細説明、あるいはその両方を入力します。 このタブで、ノードを名前変更することもできます。
  2. 「基本」 タブで、TCP/IP 接続の制御方法を決定するプロパティーを設定します。
    • 「接続の詳細」プロパティーを使用して、使用するホスト名とポート番号か、または構成可能サービスの名前を指定します。 このプロパティーは必須です。 以下の形式がサポートされています。
      • 構成可能サービス名。 この値は構成可能サービスでポートとホスト名を検索するのに使用します。 例えば、TCPIPProfile1 のように指定します。
      • <Hostname>:<Port>。 この値は、ホスト名と、その後に続くポート番号で構成されます (コロンで区切られています)。 例えば、tcpip.server.com:1111 のように指定します。
      • <Port>。 この値はポート番号です。 この場合、ホスト名は localhost と想定されます。
    • 「データ・レコード待機タイムアウト (秒)」プロパティーを使用して、データの先頭バイトの到達後に、接続上でノードがさらにデータを listen する期間を指定します。 秒単位の任意の時間の長さを指定できます。 デフォルトは 60 秒です。 指定時間を超過すると、使用可能なデータがすべて Failure ターミナルに送信されます。
  3. 「拡張」タブで、データ・ストリームの制御方法を決定するプロパティーを設定します。
    • 「接続のクローズ」プロパティーを使用して、接続を閉じる時点と方法を指定します。
      • 接続を開いたままにするには、「いいえ」を選択します。 この値はデフォルトです。
      • タイムアウト発生時に接続を閉じるには、「タイムアウトの後」を選択します。
      • レコードの終わりが検出された時点で接続を閉じるには、「データが受信された後」を選択します。
      • フローが実行された後に接続を閉じるには、「フローの最後で」を選択します。
    • データの取り出し後すぐに入力ストリームを閉じるには、「レコードの受信後に入力ストリームをクローズします」を選択します。 接続入力ストリームが予約されると、他のノードは ID を指定しないとそのストリームを使用できません。 デフォルトでは、このプロパティーは選択されません。
    • 「入力ストリームの変更」プロパティーを使用して、接続 ID を指定する入力ノードと受信ノードのみが使用するように入力ストリームを予約するかどうか、またはフローの終わりに入力ストリームを解放するかどうかを指定します。 これらのオプションを利用できるのは、「レコードの受信後に入力ストリームをクローズします」プロパティーを選択していない場合のみです。
      • 入力ストリームをノードに入ったときのままにするには、「変更しないでそのままにする」を選択します。 デフォルトでは、この値が選択済みになっています。
      • この入力ストリームが、このノードと、接続 ID を指定してこのストリームを要求する他の受信ノードのみで使用できることを指定するには、「入力ストリームを予約する (将来の TCP/IP の Input および Receive ノードで使用するため)」を選択します。 接続入力ストリームが予約されると、他のノードは正しい接続 ID を指定しないとそのストリームを使用できません。
      • この入力ストリームが、このノードと、正しい接続 ID を指定してこのストリームを要求する受信ノードのみで使用できることを指定するには、「入力ストリームを予約 (将来の TCP/IP の Input および Receive ノードで使用するため) して、フローの最後で解放する」を選択します。 フローが実行された後で、この入力ストリームはプールに戻されて、どの入力ノードや受信ノードでも使用できるようになります。
    • 「出力ストリームの変更」プロパティーを使用して、出力ストリームを解放するかどうかを指定します。
      • 出力ストリームをノードに入ったときのままにするには、「変更しないでそのままにする」を選択します。 デフォルトでは、この値が選択済みになっています。
      • この出力ストリームがプールに戻されて、どの出力ノードでも使用できるように指定するには、「出力ストリームを解放して ReplyID をリセットする」を選択します。 ReplyID は、このノードを離れる際に LocalEnvironment に渡されますが、この接続上の次のレコード用にリセットされます。
  4. 「入力メッセージの構文解析」タブで、ノードが着信メッセージの構文解析方法を決定するときに使用するプロパティーの値を設定します。
    着信メッセージに MQRFH2 ヘッダーがある場合には、その MQRFH2 ヘッダーの <mcd> フォルダーから値が派生されるため、「入力メッセージの構文解析」プロパティーの値を設定する必要はありません。例えば、以下のようになっています。
    <mcd><Msd>MRM</Msd><Set>DHM4UO906S001</Set><Type>receiptmsg1</Type>
    <Fmt>XML</Fmt></mcd>

    MQRFH2 ヘッダーの値とは異なる値を設定すると、MQRFH2 ヘッダーの値が優先されます。

    • 「メッセージ・ドメイン」では、リストから使用するパーサーの名前を選択します。 デフォルトは BLOB です。 以下のオプションの中から選択することができます。
      • DFDL
      • XMLNSC
      • DataObject
      • JSON
      • BLOB
      • MIME
      • MRM
      • JMSMap
      • JMSStream
      • XMLNS
      状況により、ユーザー定義のパーサーを指定することもできます。
    • 検証モードで DFDL パーサー、MRM パーサー、または XMLNSC パーサーを使用している場合、リストから関連した「メッセージ・モデル」を選択します。 メッセージ・ドメインとして MRM または XMLNSC を選択すると、使用可能なメッセージ・セットがこのリストに取り込まれます。 メッセージ・ドメインとして DFDL を選択すると、使用可能な DFDL スキーマ・ファイルが取り込まれます。
    • DFDL パーサーまたは MRM パーサーを使用する場合は、「メッセージ」のリストから、適切なメッセージ・タイプを選択します。 このリストには、選択したメッセージ・モデルで定義されたメッセージが取り込まれます。
    • MRM パーサーを使用する場合は、「物理形式」のリストから、メッセージの形式を選択します。 このリストには、このメッセージ・モデル用に定義されたすべての物理形式が掲載されます。
    • 「メッセージ・コード化文字セット ID」で、メッセージ・コード化文字セット ID を指定します。
    • メッセージ・エンコードを「メッセージ・エンコード」のリストから選択するか、または数値のエンコード値を指定します。 デフォルトは、「ブローカー・システム指定」です。 以下のオプションの中から選択することができます。
      • リトル・エンディアン、IEEE 浮動小数点 (546)
      • ビッグ・エンディアン、IEEE 浮動小数点 (273)
      • ビッグ・エンディアン、S390 浮動小数点 (785)
      • ブローカー・システム指定
      エンコードの詳細については、データ変換を参照してください。
  5. 「パーサー・オプション」サブタブで以下のようにします。
    • 「解析のタイミング」は、デフォルトによって、「要求時」に設定されます。これにより、メッセージの構文解析が遅延されます。 メッセージが即時に解析されるようにするには、要求時の構文解析を参照してください。
    • XMLNSC パーサーを使用する場合、XMLNSC パーサーの稼働方法を指定するプロパティーの値を設定します。 詳しくは、XMLNSC ドメインでのメッセージの操作を参照してください。
  6. 「再試行」タブを使用して、フローが失敗したときに再試行処理がどのように実行されるかを定義します。 以下の再試行処理を設定することができます。
    • 「再試行メカニズム」は、フローに障害が起きた場合にとるべきアクションを決定します。 以下の選択内容を設定できます。
      • ノードが再試行を行わないで障害を報告するようにするには、Failure を選択します。
      • 状況が続く場合に、ノードで再試行してから障害を報告するには、「短い再試行」を選択します。 再試行する回数は、「再試行しきい値」に指定します。
      • ノードがまず、再試行を行う回数として「再試行しきい値」の値を使用して再試行するようにするには、「短い再試行と長い再試行」を選択します。 「再試行しきい値」に達した後も状況が持続する場合、ノードは「長い再試行間隔」を間隔として使用して試行を繰り返します。
    • 「再試行しきい値」を指定します。 これは、「再試行メカニズム」プロパティーが、「短い再試行後に失敗」または「短い再試行と長い再試行」のいずれかに設定された場合に、ノードがフロー・トランザクションを再試行する回数です。
    • 「短い再試行間隔」を指定します。 短い再試行から次の短い再試行まで待機する秒単位の時間です。
    • 「長い再試行間隔」を指定します。 これは、メッセージの正常完了、メッセージ・フローの停止、またはメッセージ・フローの再デプロイまでの、長い再試行から次の長い再試行まで待機する時間です。 ブローカー・プロパティー MinLongRetryInterval は、「長い再試行間隔」に指定できる最小値を定義します。 値が最小値よりも小さい場合は、ブローカーの値が使用されます。
  7. 「レコードとエレメント」タブを使用して、データをレコードとして解釈する方法を指定します。
    • 「レコード検出」プロパティーを使用して、それぞれがメッセージを 1 つずつ生成する複数のレコードにデータを分割する方法を指定します。 以下のオプションの中から選択します。
      • 「ストリームの終了」は、データ・ストリーム中で送信されるすべてのデータが単一レコードであることを指定します。
      • 「固定長」は、各レコードは固定バイト数の長さであることを指定します。 ファイル内のおそらくは短い最後のレコードを除き、各レコードには、「長さ」プロパティーに指定されているバイト数が入っていなければなりません。
      • 処理しているレコードが、DOS または UNIX の行終了によって、または一連のユーザー定義区切りバイトによって分離または終了されている場合は、「区切り」を選択します。 区切り文字および区切り文字タイプを「区切り文字」および「区切り文字タイプ」プロパティーに指定します。
      • メッセージ・ドメインで指定されたパーサーによって逐次認識された 1 つ以上のレコードのシーケンスがデータに存在する場合は、「構文解析されたレコード・シーケンス」を選択します。 ノードは、認識された各レコードを別々のメッセージとして伝搬します。 この「レコード検出」オプションを選択する場合、「メッセージ・ドメイン」に指定するパーサーは、XMLNSC または MRM (CWF または TDS のどちらかの物理形式) でなければなりません。
    • 「レコード検出」「固定長」に設定した場合は、「長さ」を使用して、出力レコードに必要な長さを指定します。 この値は、1 バイトから 100 MB の範囲でなければなりません。 デフォルトは 80 バイトです。

      「レコード検出」を、「クローズした接続」「固定長」、または 「区切り」に設定すると、レコード長には 100 MB の限度が適用されます。 「レコード検出」「解析済みレコード・シーケンス」に設定すると、TCPIPClientInput ノードは、レコード長を判別も制限もしません。 メッセージ・フロー中の下流のノードは、レコード長の判別や、長いレコードの処理を試みることがあります。 このようなやり方で大きなレコードを処理するつもりの場合、ブローカーに十分なメモリーがあることを確認しておいてください。 使用可能メモリーを最大限に活用するには、Large Messaging サンプルに説明されているフロー技法を用いる必要があるかもしれません。Large Messagingを参照してください。

      サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。

    • 「レコード検出」「区切り」に設定した場合、「区切り文字」を使用して、使用する区切り文字を指定します。 以下から選択できます。
      • DOS または UNIX の行終了。これは、UNIX システムでは改行文字 (<LF>、X'0A') を指定し、Windows システムでは復帰文字とその後に続く改行文字 (<CR><LF>, X'0D0A') を指定します。 ブローカーが稼働しているシステムが何であっても、ノードは、これらのストリングを両方とも区切り文字として扱います。 両方が同じレコード中に表示される場合、ノードはどちらのストリングも区切り文字と認識します。 ノードは、z/OS® システム上では「改行」バイトである X'15' を認識しません。したがって、z/OS システムの EBCDIC ファイルのような、EBCDIC 改行を使ってコーディングされた入力ファイルの場合は、このプロパティーにはカスタム区切り文字の値を指定し、「カスタム区切り文字」プロパティーには 15 の値を指定します。
      • カスタム区切り文字。これは、「カスタム区切り文字」での一連のバイトの指定を可能にします。
    • 「カスタム区切り文字」では、「区切り文字」プロパティーに「カスタム区切り文字」が設定されている場合に使用する 1 つ以上の区切り文字バイトを指定します。 16 進数字の偶数ストリングでこの値を指定します。 デフォルトは X'0A' であり、ストリングの最大長は 16 バイトです (32 桁の 16 進数字で表されます)。
    • 「レコード検出」「区切り」を指定する場合は、「区切り文字タイプ」を使用して、区切り文字タイプを指定します。 使用できる値は以下のとおりです。
      • 中置。 この値を選択すると、各区切り文字によってレコードが区切られます。 データが区切り文字で終了する場合、最後の区切り文字の後に続く (ゼロの長さの) データは、データが入っていなくても、やはり伝搬されます。
      • 後置。 この値を指定すると、各区切り文字によってレコードが終了します。 データが区切り文字で終了する場合、区切り文字より後の空のレコードは伝搬されません。 データが区切り文字で終了しない場合、そのデータの最終バイトの後に区切り文字が続いているものとしてデータは処理されます。 「後置」がデフォルト値です。
    • TCPIPClientInput ノードでは、入力データで区切り文字が出現するたびに、それによって各レコードが分離 (中置) または終了 (後置) されるとみなされます。 データが区切り文字で開始する場合は、ノードはその区切り文字の前の (ゼロの長さの) 内容をレコードとして扱い、空のレコードをフローに伝搬します。 区切り文字が伝搬されるメッセージに含まれることはありません。
  8. 「妥当性検査」タブを使用して、事前定義メッセージ用のメッセージ・セットに基づいた妥当性検査を提供します。 妥当性検査の詳細については、メッセージの妥当性検査を参照してください。 このタブを完成させる方法の詳細は、「妥当性検査」タブのプロパティーを参照してください。
  9. 「トランザクション」タブで、トランザクション・モードを設定します。 TCP/IP 操作は非トランザクションですが、この入力ノード上のトランザクション・モードによって、フロー内の残りのノードを整合ポイントの下で実行するかどうかが決まります。 フロー更新がトランザクションとして扱われるようにする (可能な場合) には、「はい」を選択し、トランザクションとして扱われないようにするには「いいえ」を選択します。 このプロパティーのデフォルトは「いいえ」です。
  10. オプション: 「インスタンス」 タブで、ノードで使用できるその他のインスタンス (スレッド) を示すプロパティーの値を設定します。 詳細については、構成可能な「メッセージ・フロー」プロパティーを参照してください。

ターミナルおよびプロパティー

TCPIPClientInput ノードのターミナルについては、次の表に説明されています。

ターミナル 説明
オープン 接続が最初に開かれたときにメッセージがルーティングされる出力ターミナル。 処理が必要になるのが、データが最初に到着したときではなく、接続が開かれたときである場合、この Open ターミナルを使用します。

メッセージに関連する接続は、Open ターミナルへの伝搬が完了するまで、一般接続プールから確保されています。 ただし、接続は、ローカル環境で指定した接続 ID を使用してアクセスできます。 作成された各接続は、TCPIPClientReceive ノードまたは TCPIPClientOutput ノードによって作成された中間フローである任意の接続を含め、Open ターミナルに送信されます。

Open ターミナルが接続されていない場合は、オープン・イベントは接続プール内で自動的に使用可能になります。

Failure エラーが発生した場合にメッセージがルーティングされる出力ターミナル。 この値には、再試行処理が原因の障害も含まれます。 「妥当性検査」プロパティーが設定されている場合でも、このターミナルに伝搬されるメッセージは妥当性検査が行われません。
Out 外部リソースからメッセージが正常に取り出された場合に、メッセージがルーティングされる出力ターミナル。入力ノード内でエラーが起こらなかった場合、外部リソースから受信されるメッセージは常にこの Out ターミナルにまず送信されます。
Close 接続が閉じた場合にメッセージがルーティングされる出力ターミナル。
Catch 例外がダウンストリームで発行され、ノードによってキャッチされた場合に、メッセージがルーティングされる出力ターミナル。 例外がキャッチされるのは、このターミナルが接続されている場合のみです。

以下の表は、ノード・プロパティーについて説明しています。 M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力する必要がある場合、アスタリスクのマークが付きます)。C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 (メッセージ・フローを BAR ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できる) かどうかを示します。

TCPIPClientInput ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
ノード名 いいえ いいえ TCPIPClientInput ノードの名前。
簡略説明 いいえ いいえ   ノードの簡単な説明
詳細説明 いいえ いいえ   メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト

TCPIPClientInput ノードの基本プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
接続の詳細 はい はい   使用するホスト名とポート番号か、または構成可能サービスの名前を含むストリング。 connectionDetails
データ・レコード待機タイムアウト (秒) はい はい 60 データの先頭バイトの到達後に、接続上でノードがさらにデータを listen する期間を指定します。 秒単位の任意の時間の長さを指定できます。 timeoutWaitingForData

TCPIPClientInput ノードの拡張プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
接続のクローズ はい いいえ いいえ 接続をいつ閉じるか、あるいは開いたままにするかを制御します。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • いいえ
  • タイムアウトの後
  • データが受信された後
  • フローの最後で
レコードの受信後に入力ストリームをクローズします はい いいえ 選択されていない データの取り出し後すぐに入力ストリームを閉じるかどうかを指定します。 接続入力ストリームが予約されると、他のノードは ID を認識していないとそのストリームを使用できません。 デフォルトでは、このプロパティーは選択されません。
入力ストリームの変更 いいえ いいえ 変更しないでそのままにする 接続 ID を指定する入力ノードと受信ノードのみが使用するように入力ストリームを予約するかどうか、またはフローの終わりに解放するかどうかを指定します。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • 変更しないでそのままにする
  • 入力ストリームを予約する (将来の TCP/IP ノードで使用するため)
  • 入力ストリームを予約 (将来の TCP/IP ノードで使用するため) して、フローの最後で解放する
接続入力ストリームが予約されると、他のノードは正しい接続 ID を指定しないとそのストリームを使用できません。 フローの終わりに入力ストリームが解放される場合、この入力ストリームはプールに戻されて、どの入力ノードや受信ノードでも使用できるようになります。
出力ストリームの変更 いいえ いいえ 変更しないでそのままにする この出力ストリームが解放され、どの出力ノードでも使用できるようにプールに戻されるかどうかを指定します。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • 変更しないでそのままにする
  • 出力ストリームを解放して ReplyID をリセットする
「出力ストリームを解放して ReplyID をリセットする」を選択すると、ReplyID は、このノードを離れる際に LocalEnvironment に渡されますが、この接続上の次のレコード用にリセットされます。

TCPIPClientInput ノードの「入力メッセージの構文解析」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
メッセージ・ドメイン いいえ いいえ BLOB 着信メッセージの構文解析に使用されるドメイン。  
メッセージ・モデル いいえ いいえ   着信メッセージが定義されているメッセージ・モデルの名前またはロケーション。  
メッセージ いいえ いいえ   データの文書全体をモデル化し、メッセージ・モデル・スキーマ・ファイル内に含まれているグローバル・エレメントの名前またはロケーション。 このリストには、選択したメッセージ・モデルで定義された、利用可能なすべてのメッセージが取り込まれます。  
物理形式 いいえ いいえ   着信メッセージの物理フォーマットの名前。  
メッセージ・コード化文字セット ID はい いいえ ブローカー・システム・デフォルト 読み取られるデータを解釈するのに使用されるコード化文字セットの ID。 messageCodedCharSetIdProperty
メッセージ・エンコード はい いいえ ブローカー・システム指定 読み取られるデータを解釈するのに使用される数字およびラージ文字のエンコード・スキーム。 有効な値は、「ブローカー・システム指定」または数値のエンコード値です。 エンコードの詳細については、データ変換を参照してください。 messageEncodingProperty

TCPIPClientInput ノードの「パーサー・オプション」のプロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
構文解析のタイミング いいえ いいえ 要求時 このプロパティーは、入力メッセージを構文解析する時を制御します。 有効な値は以下のとおりです。
  • 要求時
  • 即時
  • 完了

このプロパティーに関する詳しい説明については、要求時の構文解析を参照してください。

XML スキーマ・データ・タイプを使用してツリーを構築する いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、メッセージ・ツリー内の構文エレメントが、XML スキーマから取得されたデータ・タイプを持つかどうかを制御します。
XMLNSC コンパクト・パーサーを XMLNS ドメインに使用 いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、XMLNS ドメイン内のメッセージに XMLNSC コンパクト・パーサーを使用するかどうかを制御します。 このプロパティーを設定すると、入力 MQRFH2 ヘッダーまたは「入力メッセージの構文解析」プロパティー「メッセージ・ドメイン」が XMLNS の場合、出力ターミナルに接続されているノードの XMLNSC の下にメッセージ・データが表示されます。
混合内容の保存 いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内に混合テキストを検出したとき、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、混合テキスト用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、混合テキストは無視されて、エレメントは作成されません。
コメントの保存 いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内にコメントを検出したとき、メッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、コメント用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、コメントは無視されて、エレメントは作成されません。
処理命令の保存 いいえ いいえ 選択されていない このプロパティーは、XMLNSC パーサーが入力メッセージ内に処理命令を検出したとき、これらのメッセージ・ツリー内にエレメントを作成するかどうかを制御します。 チェック・ボックスを選択すると、処理命令用のエレメントが作成されます。 このチェック・ボックスのチェックを外した場合、処理命令は無視されて、エレメントは作成されません。
不透明エレメント いいえ いいえ ブランク XMLNSC パーサーによって不透明解析される入力メッセージ内のエレメントのリストを指定するときに、このプロパティーを使用します。

TCPIPClientInput ノードの「レコードおよびエレメント」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
レコード検出 はい いいえ ストリームの終了 入力データ内のレコードを特定するために使用される仕組み。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • ストリームの終了
  • 固定長
  • 区切り
  • 解析済みレコード・シーケンス
長さ (バイト数) はい いいえ 0 レコード検出に「固定長」が選択されたときの各レコードのバイト単位の長さ。
区切り文字 はい いいえ DOS または UNIX の行終了 「区切り」レコード検出が選択されたときに、各レコードを分離または終了する区切り文字バイトのタイプ。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • DOS または UNIX の行終了
  • カスタム区切り文字 (16 進数)
カスタム区切り文字 (16 進数) いいえ いいえ   「区切り」レコード検出および「カスタム区切り文字」が選択されたときの、16 進数で表される区切り文字バイト。 「区切り文字」プロパティーを「カスタム区切り文字 (16 進数)」に設定した場合のみ、このプロパティーは必須です。
区切り文字タイプ はい いいえ 後置 「区切り」レコード検出および「カスタム区切り文字 (16 進数)」が選択されたときの区切り文字の位置。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • 中置
  • 後置
「区切り文字」プロパティーを「カスタム区切り文字 (16 進数)」に設定しない限り、このプロパティーは無視されます。

TCPIPClientInput ノードの「再試行」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
再試行メカニズム はい いいえ 失敗 ノードがフローの障害をどのように処理するかを示します。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • 失敗
  • 短い再試行
  • 短い再試行と長い再試行
 
再試行しきい値 はい はい 0 「再試行メカニズム」「短い再試行」である場合に、フロー・トランザクションを再試行する回数。 retryThreshold
短い再試行間隔 いいえ はい 0 「再試行しきい値」がゼロでない場合の各再試行間の秒単位の間隔。 shortRetryInterval
長い再試行間隔 いいえ はい 300 「再試行メカニズム」「短い再試行と長い再試行」で、再試行しきい値に達した場合の、再試行間の間隔。 longRetryInterval

TCPIPClientInput ノードの「妥当性検査」プロパティーについては、次の表に説明されています。

これらのプロパティーの詳細については、妥当性検査プロパティーを参照してください。

プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
妥当性検査 いいえ はい なし このプロパティーは、妥当性検査を行うかどうかを制御します。 有効な値は以下のとおりです。
  • なし
  • 内容と値
  • 内容
validateMaster
失敗時の処置 いいえ いいえ 例外 このプロパティーは、妥当性検査が失敗した場合の動作を制御します。 有効な値は以下のとおりです。
  • ユーザー・トレース
  • ローカル・エラー・ログ
  • 例外
  • 例外リスト
 

TCPIPClientInput ノードの「トランザクション」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
トランザクション・モード いいえ はい いいえ この入力ノード上のトランザクション・モードによって、フロー内の残りのノードが整合ポイントの下で実行するかどうかが決まります。 有効なオプションは、以下のとおりです。
  • いいえ
  • はい
TCPIPClientInput ノードの「インスタンス」プロパティーについては、次の表に説明されています。 これらのプロパティーの詳細については、構成可能な「メッセージ・フロー」プロパティーを参照してください。
プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
追加インスタンス・プール いいえ はい メッセージ・フローに関連付けられたプールの使用 追加インスタンスの取得元のプール。
  • 「メッセージ・フローに関連付けられたプールの使用」 を選択すると、メッセージ・フロー・プールから追加インスタンスが取得されます。
  • 「ノードに関連付けられたプールの使用」を選択すると、追加インスタンスは「追加インスタンス」プロパティーで指定された数値をもとに、ノードの追加インスタンスから割り当てられます。
componentLevel
追加インスタンス いいえ はい 0 「追加インスタンス・プール」プロパティーが「ノードに関連付けられたプールの使用」に設定されている場合に、ノードが開始できる追加インスタンスの数。 additionalInstances
ノードのモニター・プロパティーが、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
イベント いいえ いいえ なし ノードに対して定義したイベントが、このタブに表示されます。 デフォルトでは、メッセージ・フローのどのノードに対してもモニター・イベントは定義されません。 ノードのモニター・イベントを作成、変更、または削除するには、「追加」「編集」、および「削除」を使用します。詳しくは、モニター・プロパティーを使用したモニター・イベント・ソースの構成を参照してください。

「使用可能」チェック・ボックスを選択またはクリアすることによって、ここに表示されているイベントを使用可能および使用不可に設定できます。

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        最終更新:
        
        最終更新: 2015-02-28 17:46:14


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