ISO8583 サンプルの実行
このサンプルでは、2 つのテスト方法を提供します。
- Toolkit 用プラグイン。これは、TCP/IP ソケット・データを送受信するグラフィカルな TCPIP テスト・ビューを備えています。これについて詳しくは、
TCPIP テスト・ビューの使用セクションに記載されています。
- メッセージ・フローを使用してファイルと TCP/IP ソケット・データとの間の変換を行うアプリケーション ISO8583TestApplication が提供されています。これについて詳しくは、
ISO8583TestApplication の使用セクションに記載されています。
どちらのアプローチも 2 つのテスト (各方向のデータ・フローに対して 1 つずつ) を提供しています。どちらもデフォルト構成が作成されていることを前提とします。
WebSphere Message Broker 資料のデフォルト構成の作成に説明が記載されています。
最初に以下の手動ステップを実行します。
- このサンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit 用の TCPIP テスト・ビューを提供します。
このプラグインをインストールするには、Toolkit のメニュー・オプション「ヘルプ」->「新規ソフトウェアのインストール」を選択します。
インストール・サイトを選択するようプロンプトが出ます。
「追加」ボタンを使用してローカル・リポジトリーを追加し、ポップアップ・ダイアログでローカル TCPIP_Tester_Update プロジェクトを指定します。これはサンプルをインストールしたときにワークスペースに配置されています。
ワークスペースが C:¥workspace にあると想定すると、ダイアログの表示は次のようになります。

- 「OK」をクリックすると、インストール・ウィザードに戻ります。次のように機能を選択します。

- 「次へ」をクリックすると、次のように「インストールの詳細」ページが表示されます。

- 「終了」をクリックします。Toolkit を再始動するようプロンプトが出される場合がありますが、多くの場合これは不要です (「すぐに変更を適用」を選択します)。
- プラグインが正しくインストールされたことを確認するには、下図に示すように、メニュー・オプション「ウィンドウ」->「ビューの表示」->「その他」を選択し、ポップアップ・ダイアログで「TCPIP」を選択します。

- このビューを使用できない場合は、-clean オプションを使用して Toolkit を再始動します。
- サンプル・アプリケーション ISO8583Application をデプロイします。
- 既に ISO8583TestApplication を使用してテストをした場合、続行する前に、必ず実行グループからこのアプリケーションを削除しておいてください。
また、TCPIP テスト・ビューをソケットに接続しようとしないでください。
- これで、サンプルを実行する準備ができたことになります。
ISO8583 から XML へのテスト
- メニュー「ウィンドウ」->「ビューの表示」から TCPIP テスト・ビューを起動します (まだ行っていない場合)。
「ホスト名」プロパティー (ISO8583Application がデプロイされている Message Broker インストール済み環境のホスト名または IP アドレスを指定するプロパティー) は、デフォルトで値 localhost が設定されます。
「ポート」プロパティー (メッセージ・フロー ISO8583_TCPIP_to_WMQ および ISO8583_WMQ_to_TCPIP が使用するポートを指定するプロパティー) は、デフォルトで値 1111 が設定されます。
これらの値は必要に応じて変更できますが、デプロイしたメッセージ・フローのプロパティーと一致していなければなりません。
- 「参照」ボタンをクリックし、テスト・データ・ファイル Test_ISO8583_to_XML.txt にナビゲートします。
このテスト・ファイルは、このサンプルで Toolkit ワークスペースにインポートする ISO8583TestApplication にあります。
- 「TCPIP 接続」ボタンをクリックします。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のようにメッセージ・フローへの接続が成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:02:17 TCPIP Connect: A socket connection has been created to host localhost, port number 1111
「ホスト名」フィールドと「ポート」フィールドが使用不可の表示になっているはずです。
これらの表示は、後にこの接続がクローズされるまでこのままの状態です。
- 「TCPIP 送信」ボタンをクリックします。
テスト・ビューは、メッセージ・フローが listen しているソケットに、指定されたファイルのデータを送信します。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のようにデータの送信が成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:02:33 TCPIP Send: Output data written to the socket was taken from the file C:¥workspace¥ISO8583TestApplication¥Test_ISO8583_to_XML.txt
2012/07/05 13:02:33 TCPIP Send: <データはここに表示されます>
- 「TCPIP 切断」ボタンをクリックします。
サンプル・メッセージ・フローの構成では、ソケットを閉じるまでデータが読み取られないことに注意してください。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のように接続のクローズが成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:02:43 TCPIP Disconnect: The socket connection to host localhost, port number 1111 has been closed.
- ISO8583.OUT という名前の出力キューから WebSphere Message Broker Toolkit テスト・クライアント・ツールを使用して、対応する出力メッセージ (XML 形式) を読み取ります。
ISO8583Application プロジェクトにあるフロー・テスト・ファイル ISO8583_TCPIP_to_WMQ_Dequeue.mbtest をオープンします。
「メッセージの取得」ボタンをクリックします。
予想される出力キュー (ISO8583.OUT) からの出力メッセージは XML 形式である必要があり、予期される出力メッセージのセクションに示されています。
次の図に、ISO8583 から XML へのテストをするときの TCPIP テスト・ビューのコンソールを示します。

XML から ISO8583 へのテスト
- TCPIP テスト・ビューを起動します。
「ホスト名」プロパティー (ISO8583Application がデプロイされている Message Broker インストール済み環境のホスト名または IP アドレスを指定するプロパティー) は、デフォルトで値 localhost が設定されます。
「ポート」プロパティー (メッセージ・フロー ISO8583_TCPIP_to_WMQ および ISO8583_WMQ_to_TCPIP が使用するポートを指定するプロパティー) は、デフォルトで値 1111 が設定されます。
これらの値は必要に応じて変更できますが、デプロイしたメッセージ・フローのプロパティーと一致していなければなりません。
- 「TCPIP 接続」ボタンをクリックします。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のようにメッセージ・フローへの接続が成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:12:02 TCPIP Connect: A socket connection has been created to host localhost, port number 1111
「ホスト名」フィールドと「ポート」フィールドが使用不可の表示になっているはずです。
これらの表示は、後にこの接続がクローズされるまでこのままの状態です。
- サンプル XML 入力メッセージは、ファイル Test_XML_to_ISO8583.txt にあります。
このテスト・ファイルは、このサンプルで Toolkit ワークスペースにインポートする ISO8583TestApplication にあります。ISO8583.IN という名前の入力キューへ WebSphere Message Broker Toolkit テスト・クライアント・ツールを使用して、このメッセージを書き出します。
ISO8583Application プロジェクトにあるフロー・テスト・ファイル ISO8583_TCPIP_to_WMQ_Enqueue.mbtest をオープンします。
「メッセージの書き込み」ボタンをクリックします。
- TCPIP テスト・ビューに戻って、「TCPIP 受信」ボタンをクリックします。
テスト・ビューは、メッセージ・フローによってデータが送信されたソケットからデータを受信します。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のようにデータの受信が成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:12:22 TCPIP Receive: Input data has been read from the socket: <データはここに表示されます>
- 予期される出力メッセージ形式を、セクション予期される出力メッセージに示します。
- 「TCPIP 切断」ボタンをクリックします。
TCPIP テスト・ビューの下部にあるコンソール・ウィンドウに、次のように接続のクローズが成功したことが報告されます。
2012/07/05 13:12:25 TCPIP Disconnect: The socket connection to host localhost, port number 1111 has been closed.
次の図に、XML から ISO8583 へのテストをするときの TCPIP テスト・ビューのコンソールを示します。

ISO8583 サンプルの概要 にあるリンクを使用してサンプルをインポートおよびデプロイした場合、
必要とされる MQ キューが作成され、ISO8583Application がデプロイされます。
そうしないでプロジェクトをワークプレースにインポートしただけの場合、キュー (ISO8583.IN、
ISO8583.OUT、ISO8583.TESTER.IN、ISO8583.TESTER.OUT) を作成し、手作業で ISO8583Application をデプロイしてください。
このテスト方法では、テスト・アプリケーション ISO8583TestApplication も手作業によりデプロイする必要があります。今、この作業を行ってください。
テスト・アプリケーションには、メッセージと TCP/IP ソケット接続との間のデータの仲介を行う非常に単純なメッセージ・フローが含まれています。

ISO8583 から XML へのテスト
- WebSphere Message Broker Toolkit のビルトイン・テスト・クライアントを、フロー・テスト・ファイル SendTCPIP_with_ISO8583TestTool.mbtest をオープンすることにより開始します。
このファイルは ISO8583TestApplication プロジェクトにあります。このテストは、
プロジェクト ISO8583Application 内の Test_ISO8583_to_XML.txt というファイルから ISO8583 データの例を読み取り、テスト・フローの入力キュー (ISO8583.TESTER.IN) へ書き込むようにセットアップされています。
テスト・クライアントで「メッセージの送信」ボタンをクリックして、メッセージをキューに書き込みます。
- メッセージ・フロー ISO8583TestTool は単純にメッセージを読み取り、メイン・メッセージ・フロー ISO8583_TCPIP_to_WMQ の入力 TCPIP ソケットに送信します。
ISO8583_TCPIP_to_WMQ メッセージ・フローは提供された DFDL モデルを使用してメッセージを解析し、XML 出力メッセージでは必要とされない PrimaryBitmap と SecondaryBitmap を削除して、データを出力キュー ISO8583.OUT に書き込まれる出力 XML メッセージへ変換します。この関連する出力メッセージを、
Message Broker Toolkit テスト・クライアント・ツールを使用して読んでください。ISO8583Application プロジェクトにあるフロー・テスト・ファイル ISO8583_TCPIP_to_WMQ_Dequeue.mbtest をオープンします。
「メッセージの取得」ボタンをクリックします。
予想される出力キュー (ISO8583.OUT) からの出力メッセージは XML 形式である必要があり、予期される出力メッセージのセクションに示されています。
XML から ISO8583 へのテスト
- WebSphere Message Broker Toolkit のビルトイン・テスト・クライアントを、フロー・テスト・ファイル ISO8583_WMQ_to_TCPIP_Enqueue.mbtest をオープンすることにより開始します。
このファイルは ISO8583Application プロジェクトにあります。このテストは、
プロジェクト ISO8583Application 内の Test_XML_to_ISO8583.txt というファイルから XML データの例を読み取り、メイン・フローの入力キュー (ISO8583.IN) へ書き込むようにセットアップされています。
テスト・クライアントで「メッセージの送信」ボタンをクリックして、メッセージをキューに書き込みます。
- メッセージ・フロー ISO8583_WMQ_to_TCPIP は XML を解析し、含まれているフィールドを分析して、それに従って
PrimaryBitmap および SecondaryBitmap を構築します。その後、フローはテスト・フロー ISO8583TestTool に受信される ISO8583 形式のメッセージを出力ソケットに送信します。
このデータは出力キュー ISO8583.TESTER.OUT に書き込まれます。この出力メッセージを、
Message Broker Toolkit テスト・クライアント・ツールを使用して読んでください。ISO8583TestApplication プロジェクトにあるフロー・テスト・ファイル ReceiveTCPIP_with_ISO8583TestTool.mbtest をオープンします。
「メッセージの取得」ボタンをクリックします。
予想される出力キュー (ISO8583.TESTER.OUT) からの出力メッセージは ISO8583 形式である必要があり、予期される出力メッセージのセクションに示されています。
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