Connect:Direct file transfer サンプルの段階的な実行

入力テスト・メッセージ

このサンプルの実行で使用するテスト・メッセージは、銀行口座間の口座振替を表します。

<AccountTransfer>
  <TransferNumber>2</TransferNumber>
  <TransferAmount>666.66</TransferAmount>
  <From>
    <AccountNumber>00251672</AccountNumber>
    <SortCode>01-29-57</SortCode>
  </From>
  <To>
    <AccountNumber>00145222</AccountNumber>
    <SortCode>01-29-57</SortCode>
  </To>
</AccountTransfer>

このシナリオでは、 各支店 (Winchester または Eastleigh) は、口座振替が行われると銀行本部 (HQ) にこのようなメッセージを送信し、振替を認可できるようにします。 また支店は、メッセージの MQMD ヘッダー内に応答先キューを提供します。 HQ は、振替を認可するとすぐに、振替をこの応答先キューへ送信します。
以下の表は、支店と HQ の間の通信に使用される MQ キューを示しています。

キュー名 説明
CD.SAMPLE.REQUEST 支店から HQ に認可のために送信される口座振替
CD.SAMPLE.WINCHESTER Winchester 支店の認可済みの口座振替
CD.SAMPLE.EASTLEIGH Eastleigh 支店の認可済みの口座振替

サンプルの実行

  1. 口座振替が段階的に処理される方法を参照するには、以下のように AuthorisingSystem.msgflow および ReceiveFromAuthorisingSystem.msgflow メッセージ・フローを停止します。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で、「ブローカー」ビューに切り替えます。
    2. デフォルトのブローカーで CDSAMPLE 実行グループを展開し、「CD サンプル認可システム・アプリケーション」グループで AuthorisingSystem メッセージ・フローを右クリックします。 「停止」をクリックします。 メッセージ・フローは、メッセージ・フローが停止したことを示します。
    3. 上記のステップを「CD サンプル HQ ブローカー・アプリケーション」グループ内の ReceiveFromAuthorisingSystem メッセージ・フローにも繰り返します。
  2. いくつかの口座振替レコードを最初のメッセージ・フロー SendToAuthorisingSystem に送信します。 このメッセージ・フローは 1 つのバッチ・ファイル内に口座振替を収集します。 このフローが 1 日の終わりメッセージを 2 個受け取ると、以下のようにして、IBM Sterling Connect:Direct (Connect:Direct) を使用して、直ちにバッチ・ファイルが転送されます。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で「ブローカー開発」ビューに切り替えて、「CD サンプル HQ ブローカー・アプリケーション」アプリケーションを展開します。
    2. 「フロー・テスト」グループ内で「Send Test Messages.mbtest」ファイルを右クリックし、「オープン」をクリックします。
    3. オープンされたテスト・クライアントには、エンキュー・イベントとして 8 つのテスト・メッセージが準備されています。
      テスト・メッセージのうち 6 つは口座振替レコードです。 そのうちの 3 つは Winchester 支店に属するもので、3 つは Eastleigh 支店に属するものです。 Winchester 支店と Eastleigh 支店とでは、メッセージのヘッダー内の ReplyToQ エントリーが違います。 残りの 2 つのメッセージは 1 日の終わりメッセージで、支店ごとに 1 つずつになります。
    4. 最初のエンキュー・イベントをクリックし、「詳細プロパティー」パネルを展開します。
    5. 「詳細プロパティー」パネルで、HQ に送信するメッセージを調べます。
    6. 同じウィンドウで、「ヘッダー」フィールドを展開し、「ヘッダー・リンク」をクリックして「構成」ビューをオープンします。 「MQ メッセージ・ヘッダー」グループを展開し、「Winchester 支店のヘッダー」「応答先キュー名」の値が CD.SAMPLE.WINCHESTER になっていることを確認します。 これは、HQ が口座振替レコードの処理後に認可済みのレコードを送信する応答先キューです。
    7. 「イベント」タブをクリックして「イベント」パネルに戻ります。
    8. 次に、「詳細プロパティー」パネルで最初の 7 つのエンキュー・イベントの「メッセージの送信」ボタンをクリックして、最初の 7 つのテスト・メッセージを送信します。
  3. Connect:Direct を使用してファイルが転送されたかどうかを確認するには、 ファイル・システムへ移動し、適切なディレクトリーを調べます。Connect:Direct のデフォルト・ダウンロード・ディレクトリーの例を以下に示します。 6 つの口座振替レコードを送信したものの、1 日の終わりメッセージは 1 つしか送信していないので、まだバッチ・ファイル accountTransfers.rqst は存在しません。
  4. 次に、2 つ目の 1 日の終わりメッセージである最後のメッセージを送信します。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で「ブローカー開発」ビューに切り替えて、「CD サンプル HQ ブローカー・アプリケーション」アプリケーションを展開します。
    2. 「フロー・テスト」グループ内で「Send Test Messages.mbtest」ファイルを右クリックし、「オープン」をクリックします。
    3. 最後の「エンキュー・メッセージ・フロー・テスト・イベント」をクリックし、「詳細プロパティー」パネルで「メッセージの送信」ボタンをクリックして、メッセージを送信します。
  5. このメッセージが送信されてから数秒後に、 Connect:Direct サーバーのデフォルト・ダウンロード・ディレクトリーに accountTransfers.rqst ファイルが移動されます。このファイルは、 CDOutput ノードからローカル Connect:Direct サーバーに転送されたバッチ・ファイルです。 このファイルには、すべての口座振替レコードと、レコードごとの応答先キュー名に関する情報が含まれています。
  6. AuthorisingSystem メッセージ・フローを開始します。 このフローは、外部サービス・プロバイダーからの認可システムをエミュレートし、以下のようにバッチ・ファイルを取り出して処理します。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で、「ブローカー」ビューに切り替えます。
    2. デフォルトのブローカーで CDSAMPLE 実行グループを展開し、「CD サンプル認可システム・アプリケーション」グループ内でデプロイ済みの AuthorisingSystem メッセージ・フローを右クリックします。 「開始」をクリックします。
    3. 次にメッセージ・フローは accountTransfers.rqst バッチ・ファイルを取り出して処理します。 処理されたレコードは、別のバッチ・ファイル reply.rply 内に収集され、次に CDOutput ノードを使用してこのファイルが転送されます。 accountTransfers.rqst バッチ・ファイルは削除されます。
  7. メッセージ・フローがレコードを処理したかどうかを確認するには、 Connect:Direct サーバーのデフォルト・ダウンロード・ディレクトリーを開きます。この時点でファイル reply.rply があり、すべての口座振替レコード (認可済みと未認可の両方) が含まれています。 accountTransfers.rqst ファイルは削除されたので、存在しなくなっています。
  8. 最後に、ReceiveFromAuthorisingSystem メッセージ・フローを開始します。 このフローは認可済みの口座振替があるバッチ・ファイルを取り出して、支店に応答します。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で、「ブローカー」ビューに切り替えます。
    2. デフォルトのブローカーで CDSAMPLE 実行グループを展開し、「CD サンプル HQ ブローカー・アプリケーション」グループ内でデプロイ済みの ReceiveFromAuthorisingSystem メッセージ・フローを右クリックします。 「開始」をクリックします。
  9. メッセージ・フローがレコードを処理したかどうかを確認するには、 Connect:Direct サーバーのデフォルト・ダウンロード・ディレクトリーを開きます。ファイル reply.rply の名前が変更され、現在のタイム・スタンプが含まれています。
  10. 応答メッセージを参照するには、以下のようにして CD.SAMPLE.WINCHESTER と CD.SAMPLE.EASTLIEIGH の WebSphere MQ キュー上のメッセージを読みます。
    1. WebSphere Message Broker Toolkit で「ブローカー開発」ビューに切り替えて、「CD サンプル HQ ブローカー・アプリケーション」アプリケーションを展開します。
    2. 「フロー・テスト」グループ内で「Send Test Messages.mbtest」ファイルを右クリックし、「オープン」をクリックします。
    3. 2 つのデキュー・テスト・イベントが、Eastleigh 支店と Winchester 支店の WebSphere MQ キューからメッセージを取り出します。 メッセージを取り出すには、デキュー・テスト・イベントをクリックし、「詳細プロパティー」パネルで「メッセージを取得」ボタンをクリックします。 認可済みの口座振替が含まれるメッセージを取得します。
    4. 両方の支店が 3 つの口座振替レコードを送信したので、両方の支店とも認可済みの口座振替レコードをすべて取得できるように、上記のステップをさらに 2 回繰り返します。

予期される出力メッセージ

予期される応答メッセージに、口座振替の認可に関する情報が示されています。テスト・メッセージの入力で説明されている口座振替は、以下の応答を生成します。

<AccountTransfer>
	<TransferNumber>2</TransferNumber>
	<Authorised>no</Authorised>
</AccountTransfer>

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