アプリケーションとライブラリーはデプロイ可能なリソース・コンテナーです。メッセージ・フロー、サブフロー、メッセージ定義 (DFDL、XSD ファイル)、JAR ファイル、XSL スタイル・シート、および WebSphere® Adapters ファイルなどのリソースが格納されます。
アプリケーションは、ソリューションを作成するために必要なすべてのリソースが入るコンテナーです。 アプリケーションには、WebSphere Message Broker リソースを含めることができます (フロー、メッセージ定義、ライブラリー、および JAR ファイルなど)。
統合ソリューションの配信に必要なすべてのリソースをグループ化するアプリケーションを使用することによって、開発や管理をしやすくできます。 WebSphere Message Broker Toolkit で複数の統合ソリューションのリソースを開発している場合は、リソースをアプリケーションにグループ化することを検討してください。 ライブラリーを使用すると、再使用可能なリソースをグループ化することによって、編成に役立ちます。 このライブラリーは、他のアプリケーション、サービス、ライブラリー、またはメッセージ・ブローカー・プロジェクトで使用することもできます。
アプリケーションには通常メッセージ・フローが組み込まれています。 メッセージ・フローに必要な追加リソースが 1 つか 2 つ (1 つのスキーマ・ファイルと 1 つの ESQL ファイルなど) だけである場合、すべてのリソースをアプリケーション・レベルで格納することを考慮してください。 しかし、ソリューションのための複数のリソース、または他のソリューションと共用される可能性のあるリソースが必要になってきた場合は、メッセージ・フローで必要なリソースをライブラリーに入れることを考慮してください。 そのようにすると、そのライブラリーはアプリケーションから参照することができます。
アプリケーションには、ランタイム分離機能があるため、アプリケーション内のリソースは、そのアプリケーションの外部で実行されている他のリソース (メッセージ・フロー、ライブラリー、他のアプリケーションなど) から不可視になります。 デプロイされているリソースの 1 つのグループに対する更新が別のグループに影響しないようにする必要がある場合は、アプリケーションの使用を検討してください。 例えば、最新バージョンの ESQL モジュールを取得するフローを制御する場合に、アプリケーションを使用します。 アプリケーションを使用してランタイムの分離を行う方法の例については、アプリケーションおよびライブラリーでの実行時分離機能とリソース共用を参照してください。
ライブラリーは、関連するコード、データ、またはその両方を論理的にグループ化したものです。 通常、ライブラリーには、サブフロー、ESQL モジュール、メッセージ定義、マップ、および Java ユーティリティーなどの再使用可能なヘルパー・ルーチンやリソースが格納されます。 ライブラリーを使用して同じタイプまたは機能のリソースをグループ化することで、リソースを再利用したり、容易に管理したりすることができます。 ライブラリーはオプションです。
共通リソースに加えられた変更を、すべてのメッセージ・フローとサブフローを再デプロイせずに 1 回のデプロイメント操作でデプロイできる統合ソリューションを開発する場合は、共通リソースを格納するライブラリーを参照するメッセージ・ブローカー・プロジェクトまたはライブラリー内で、メッセージ・フローとサブフローを独立リソースとして定義する必要があります。
アプリケーションおよびライブラリーの使用例については、『Coordinated Request Reply』のサンプルを参照してください。サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。
既存リソースをアプリケーションおよびライブラリーに変換する方法の例については、例: バージョン 7.0 リソースからアプリケーションおよびライブラリーへの手動による変換を参照してください。
アプリケーションおよびライブラリーでは、開発、デプロイメント、および操作管理プロセスにおいて、一貫した視点でリソースを扱うことができます。 WebSphere Message Broker バージョン 7.0 以前のバージョンでは、ファイル・タイプと概念は、開発プロセスの各ステージで異なるものでした。 WebSphere Message Broker Toolkit でさまざまなタイプのリソースを組み込むために、複数のプロジェクト・タイプが使用されていました。 すべてのプロセス間で共通コンポーネントを再使用するための一貫した方法はありませんでした。 しかし、アプリケーションおよびライブラリーは、開発用の WebSphere Message Broker Toolkit、デプロイメント用のブローカー・アーカイブ (BAR) ファイル、および操作管理用の WebSphere Message Broker Explorer のようなツールで共通して使用されます。
アプリケーションおよびライブラリーは、「ブローカー開発」ビューに示されています。 アプリケーションやライブラリーに含まれるリソースも表示されます (アプリケーションやライブラリーがそれらを直接参照するか、間接的に参照するかにかかわらず表示されます)。
WebSphere Message Broker バージョン 8.0 では、メッセージ・フロー・プロジェクトがメッセージ・ブローカー・プロジェクトに置き換えられました (詳しくはメッセージ・ブローカー・プロジェクトを参照してください)。 旧バージョンのリソースのインポートの指示に従って、メッセージ・フロー・プロジェクトのマイグレーションを行います。
アイコン | 説明 |
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アプリケーション |
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ライブラリー |
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メッセージ・ブローカー・プロジェクト |
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Java プロジェクト |
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メッセージ・セット・プロジェクト |
実行グループにデプロイされたアプリケーションおよびライブラリーは、WebSphere Message Broker Toolkit および WebSphere Message Broker Explorer の実行グループの直下に表示されます。また、デプロイされたアプリケーションおよびライブラリーは、メッセージ・ブローカー API または mqsilist コマンドを使用して表示することもできます。 アプリケーションによって参照されているライブラリー (つまり、専用ライブラリー) は、アプリケーションの直下に表示されます。
また、アプリケーションまたはメッセージ・フローのデプロイ後におけるそれらの開始方法、またはブローカー、実行グループ、または包含アプリケーションの再開後における開始方法を指定できます。 アプリケーションまたはフローを手動で開始するのか、自動的に開始するのかを選択できます。 また、アプリケーションまたはライブラリーの既存の状態を維持するようにも選択できます。 実行状態は、開発時におけるフローおよびアプリケーションの開始モードの構成で説明されているように BAR ファイル・エディターを使用して構成できます。 また、mqsiapplybaroverride コマンドを実行時のフローおよびアプリケーションの開始モードの設定で説明されているように使用することもできます。
1 つのライブラリーまたはアプリケーションにフォーカスを置くと、「ブローカー開発」ビューには当該ライブラリーまたはアプリケーションのみが表示されます。 プロジェクトを表示する場合には、作業セットを使用してリソースをフィルターに掛けることもできます。
アプリケーションおよびライブラリーを使用してリソースを管理する方法について詳しくは、メッセージ・フロー・リソースの管理を参照してください。
アプリケーションおよびライブラリーの使用を開始する方法のデモンストレーションについては、IBM Education Assistant モジュール: Applications and Libraries を参照してください。