WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

mqsimigratecomponents コマンド

mqsimigratecomponents コマンドを使用して、あるバージョンの製品から、同じコンピューター上の別のバージョンにコンポーネントをマイグレーションします。

サポートされるプラットフォーム

  • Windows.
  • Linux および UNIX システム。
  • z/OS®. BIPMGCMP をカスタマイズして実行依頼することにより、このコマンドを実行します。

目的

以下のようにして、前のバージョンから WebSphere® Message Broker バージョン 8.0 にコンポーネントをマイグレーションします。
  • バージョン 6.1 からマイグレーションする場合には、バージョン 6.1.0.3 (フィックスパック 3) 以降がインストールされている必要があります。

    WebSphere Application Server と WebSphere Message Broker を併用している場合や、SubIdentity オプションを使用するパブリッシュ/サブスクライブ・アプリケーションがある場合は、WebSphere Message Broker バージョン 6.1 をフィックスパック 4 にアップグレードしてから WebSphere Message Broker バージョン 8.0 にマイグレーションする必要があります。

また、mqsimigratecomponents コマンドを使用して、ブローカーを WebSphere Message Broker バージョン 8.0 から WebSphere Message Broker バージョン 7.0 または バージョン 6.1 に戻し、前方マイグレーションの作用を逆転させることができます。 ブローカーを バージョン 6.1 に復元すると、そのブローカーは前方マイグレーションの時点でアクティブだった構成で復元され、マイグレーション後に実行した更新は、前のバージョンのブローカーに関連付けられているデータベースには反映されません。前のバージョンのブローカーを使用できるようにするには、関連するブローカー・データベースを保持しておく必要があります。

ブローカーを バージョン 7.0 に復元すると、ブローカーの状態に加えた変更内容が バージョン 7.0 と互換性のあるものであれば、保持されます。 ただし、バージョン 7.0 と互換性のない変更内容については、復元されたブローカーの状態には反映されず、エラーの原因となる場合があります。

このコマンドは、ソース・バージョンであるかターゲット・バージョンであるかにかかわらず、製品のいずれか新しいほうのバージョンから実行する必要があります。

このコマンドを正常に実行するには、ターゲット・バージョンとソース・バージョンの両方で製品がインストール済みであり、必要なコンポーネント・コードがインストールされている必要があります。

マイグレーションを開始する前に、WebSphere Message Broker Toolkit で、ブローカーおよびすべてのアクティブなデバッグ・セッションを停止してください。 デバッグ中のメッセージ・フローをマイグレーションすることはできません。

このコマンドに適切なオプションを指定することにより、以下のアクションの 1 つを実行することができます。
  • コンポーネントを変更せずに、そのコンポーネントが必要なマイグレーションに適合していることを確認する (-c)。
  • コンポーネントを完全にまたは部分的に別のバージョンに移動する (-s および -t)。
  • 失敗したマイグレーション・ステップを元に戻す (-u)。
  • 移動が正常に行われたことを検証する (-v)。

使用上の注意

マイグレーションするブローカーに対して mqsicreatebroker コマンド上でデータ・ソース・ユーザー ID とパスワードを指定した場合、これらのパラメーターの値もマイグレーションされ、mqsisetdbparms コマンドにより使用される形式で保存されます。 これらの値は、ブローカーにより mqsisetdbparms コマンドを使用して代替値を設定していないユーザー・データベースにアクセスするために使用されます。 マイグレーション後に、ブローカーがユーザー・データベースにアクセスするために使用するユーザー ID またはパスワードを変更する場合は、mqsisetdbparms コマンドしか使用できません。

ユーザー ID とパスワード値を更新し、ブローカーを前のバージョンにマイグレーションして戻す場合、これらの新規の値も元のブローカーにマイグレーションして戻されます。

構文

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                          .-| Move |---.                      
>>-mqsimigratecomponents--+-| Check |--+----ComponentName------->
                          +-| Undo |---+                      
                          '-| Verify |-'                      

>--+-----+-----------------------------------------------------><
   '- -q-'   

Check

|-- -c --+--------------------+--+--------------------+---------|
         '- -s--SourceVersion-'  '- -t--TargetVersion-'   

Move

   .-------------.                           
   V             |                           
|----+---------+-+--+--------------------+---------------------->
     +- -1-----+    '- -s--SourceVersion-'   
     +- -2-----+                             
     |     (1) |                             
     '- -3-----'                             

>--+--------------------+---------------------------------------|
   '- -t--TargetVersion-'   

Undo

        .-------------.                       
        V             |                       
|-- -u----+- -1-----+-+-- -s--SourceVersion--------------------->
          +- -2-----+                         
          |     (1) |                         
          '- -3-----'                         

>-- -t--TargetVersion-------------------------------------------|

Verify

|-- -v--+--------------------+----------------------------------|
        '- -t--TargetVersion-'   

注:
  1. バージョン 8.0 への前方マイグレーションの場合にのみ有効です。

パラメーター

-c
(オプション) マイグレーションの前に指定のコンポーネントを検査して、以下が該当することを確認します。
  • ブローカーの自動検出バージョンが、コマンド行で指定されたバージョンと一致する。
  • 前のリリースでアクセスされるどのデータベース表にも、間違って索引付けされた行が含まれていない。

実行中のコンポーネントを検査できます。 検査は、若干の性能低下が生じることを別にして、コンポーネントには影響を与えません。

検査コマンドは、成功するか失敗するかのどちらかで、マイグレーションが成功するかどうかについてのメッセージを印刷します。しかし、プロセス中に変更は行われません。

パラメーター -c-v は互いに排他的です。 さらに、このいずれかのパラメーターを指定する場合、このコマンドの実行時にそれ以外のパラメーターを指定することはできません。

-v
(オプション) マイグレーションの後に指定のコンポーネントを検査して、以下が該当することを確認します。
  • 新しいバージョンについて、レジストリーが正しいフォーマットになっている。
  • 新しいバージョンについて、正しいキューが存在する。

パラメーター -c-v は互いに排他的です。 さらに、このいずれかのパラメーターを指定する場合、このコマンドの実行時にそれ以外のパラメーターを指定することはできません。

-q

(オプション) 操作時に状況メッセージをわずかしか印刷しません。

-1
(オプション) レジストリーおよびファイル・システムの作業のみ行います。
  • バージョン 8.0 にマイグレーションする場合は、-2 または -3 パラメーターの前に、-1 パラメーターを使用します。
  • バージョン 8.0 から前のバージョンに後方マイグレーションする場合は、-1 パラメーターの前に -2 パラメーターを使用します。
-2

(オプション) WebSphere MQ の作業のみ行います。

-3
(オプション) データベースの作業のみ行います。

このオプションは、バージョン 8.0 への前方マイグレーションの場合にのみ有効です。 このパラメーターを後方マイグレーションのために指定した場合は無視されます。ブローカーの状態に加えた変更の内容をマイグレーションして元に戻し、前のバージョンのブローカーが所有するデータベースに適用することはできません。

-u
(オプション) 失敗したマイグレーション・ステップを取り消します。また、-1-2-3 のうちの少なくとも 1 つを指定する必要があります。 このオプションを使用するのは、マイグレーションが失敗し、さらに自動回復も失敗した場合に限ります (例えば、障害が分割マイグレーション時に発生した場合)。

-3 は、バージョン 8.0 への前方マイグレーションの場合にのみ有効です。

-s SourceVersion
(オプション) コンポーネントの前のバージョン。
  • 指定されていない場合、この値は自動的に検出されます。
  • バージョン 8.0 への分割マイグレーションを実行する場合、mqsimigratecomponents コマンドに -1 パラメーターを指定して実行した後は、-s パラメーターが必須です。分割マイグレーションのに示されているとおりです。
  • サポートされている製品のバージョン番号の制約事項については、目的を参照してください。

-t TargetVersion
(オプション) コンポーネントの宛先のバージョン。
  • 指定されていない場合、この値は現行バージョンであることが想定されます。
  • バージョン 8.0 から旧バージョンへの分割マイグレーションを実行する場合、-t パラメーターが必須です。
  • サポートされている製品のバージョン番号の制約事項については、目的を参照してください。

ComponentName

(必須) マイグレーションするコンポーネントの名前。

許可

プラットフォーム固有の許可について詳しくは、以下のトピックを参照してください。 ブローカー管理セキュリティーを有効に設定した場合は、管理セキュリティーのタスクと権限で説明されている権限もセットアップする必要があります。

mqsimigratecomponents コマンドは、レジストリー、ファイル・システム、および WebSphere MQ 定義を更新します。

このコマンドを実行するために使用されるユーザー ID に、これらのすべてのステップを実行する権限がない場合は、一度にコマンドの一部だけが実行されます。 異なるユーザーが、自分が権限を持つ部分を実行して、全体的な結果を得ることができます。 このアプローチは分割マイグレーションと呼ばれ、-1-2、および -3 のパラメーターを使用して実行されます。

単一ステップ・マイグレーションを実行する場合、ご使用のユーザー ID で以下のアクションを実行できる必要があります。
  • 製品のレジストリーおよびファイル・システムに書き込む。
  • キュー定義を変更する。
  • バージョン 6.1 からマイグレーションしている場合、ブローカーと関連したデータベースから読み取る。

分割マイグレーションを実行する場合、ご使用のユーザー ID は常に製品のレジストリーの読み取りができなければなりません。

レジストリーの後方分割マイグレーションを実行する場合は、WebSphere MQ とデータベースの両方のレベルを確認する整合性検査で、ユーザー ID に以下の権限が必要になります。
  • バージョン 6.1 からマイグレーションしている場合、ブローカーのデータベース表に対する SELECT 権限
  • SYSTEM.BROKER.* キューを開くための WebSphere MQ 権限
マイグレーションを正常に行うためには、各ステップで以下の特定の権限が必要になります。
  • -1 では、製品についてレジストリーとファイル・システムに書き込むための権限、ブローカーのデータベース表からデータを抽出するための SELECT 権限 (バージョン 6.1 からマイグレーションしている場合)SYSTEM.BROKER.* キューを開くための権限が必要です。
  • -2 では、キュー定義を変更するための権限が必要です。
  • -3 では、ブローカーに関連したデータベースから読み取るための権限が必要です (バージョン 6.1

応答

このコマンドは、さまざまな操作の結果に応じて、考えられる多数の応答を生成することがあります。 このコマンドは、メッセージを生成する方法の点で他のコマンドと異なっています。メッセージは、プログラムの最後にバッチで報告されるのではなく、その生成時に表示されます。

バージョン 6.1 からデータベース表をマイグレーションする場合、z/OS では分散システムよりも多くの出力が生成されます。 表示されるメッセージの数を減らすには、-q パラメーターを使用します。

以下の例は、バージョン 7.0 から バージョン 8.0 への分割マイグレーションを示しています。

mqsimigratecomponents BROKER1 -1
mqsimigratecomponents BROKER1 -2
mqsimigratecomponents BROKER1 -3

以下の例は、バージョン 8.0 から バージョン 7.0 へ戻るマイグレーションを示しています。

mqsimigratecomponents MYBROKER -t 7.0.0.3
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        最終更新: 2015-02-28 17:47:45


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