インバウンド・アダプターのプロパティーには、エクスポート・コンポーネントのインバウンド・イベント処理の構成情報が保持されます。これらのプロパティーは、ビジネス・オブジェクトのネーム・スペースの指定など、アダプターの一般操作も制御します。 「アダプター接続」ウィザードを使用して、これらのプロパティーを設定します。
プロパティー名 | 目的 |
---|---|
ロギングおよびトレースに使用するアダプター ID (AdapterID) | ログ・ファイルおよびトレース・ファイル内でのアダプター・インスタンスの名前。 |
イベント・フィルター用のアダプター・インスタンス (AdapterInstanceEventFilter) | このアダプター・インスタンスがイベント・ストア内の特定のイベントを処理するかどうかを決定する ID です。 |
確実一回のみイベント送達 (AssuredOnceDelivery) |
アダプターがイベントの確実一回のみ送達を提供するかどうかを指定します。 |
失敗した接続をテストするためのコンポーネント・インターフェース (PingCompIntfc) | PeopleSoft Enterprise サーバーへの接続を検証するためにアダプターが使用するコンポーネント・インターフェース |
イベント通知用のコンポーネント・インターフェース名 (EventCIName) | アダプターがイベント通知に使用するコンポーネント・インターフェース |
配信タイプ (DeliveryType) |
アダプターによりエクスポート・コンポーネントにイベントが配信される順序を決定します。 |
イベント・ストア内でのキーの区切り文字 (EventKeyDelimiter) | イベント表内のオブジェクト・キーの名前と値 |
将来のタイム・スタンプがあるイベントを処理しない (FilterFutreEvents) | アダプターが各イベントのタイム・スタンプをシステム時刻と比較することで、将来イベントをフィルター操作して除外するかどうかを指定します。 |
処理するイベント・タイプ (EventTypeFilter) |
どのイベントを配信すべきかをアダプターに指示する、区切り文字で区切られているイベント・タイプのリスト |
イベント・タイム・スタンプの Java™ 日付形式 (DateFormat) | イベント・タイム・スタンプの作成に使用される形式 |
最大接続数 (MaximumConnections) |
アダプターがインバウンド・イベント配信に使用できる接続の最大数。 |
最小接続数 (MinimumConnections) |
アダプターがインバウンド・イベント配信に使用できる接続の最小数。 |
イベントのポーリング間の時間 (PollPeriod) |
アダプターがポーリング期間の間に待機する時間の長さ。 |
各ポーリング中に収集されるイベントの最大数 (PollQuantity) |
各ポーリング期間中にアダプターがエクスポート・コンポーネントに配信するイベントの数。 |
ポーリング時にエラーを検出した場合にアダプターを停止する (StopPollingOnError) |
ポーリング中にエラーに遭遇した場合に、アダプターがイベントのポーリングを停止するかどうかを指定します。 |
システム接続に失敗した場合の再試行間隔 (RetryInterval) |
インバウンド操作中のエラーの発生後に、新規接続の確立の試行間にアダプターが待機する時間の長さ。 |
必須か | はい |
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デフォルト | 001 |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | このプロパティーは、ログ・ファイルおよびトレース・ファイル内でアダプター・インスタンスを識別するものであり、また、アダプターのモニター中にアダプター・インスタンスを特定する際に役立ちます。アダプター ID は、アダプターに固有の ID である PSOFTRA と共に使用され、Log and Trace Analyzer ツールで使用するコンポーネント名を形成します。例えば、アダプター ID プロパティーは 001 に設定されると、コンポーネント ID は PSOFTRA001 になります。 同一のアダプターのインスタンスを複数実行する場合、アダプター ID プロパティーの最初の 8 文字はインスタンスごとに異なるため、ログやトレース情報がどのアダプター・インスタンスに関するものであるかを特定できるようになっています。アダプター ID プロパティーの最初の 7 文字をアダプター・インスタンスごとに変えることにより、コンポーネント ID もアダプターのインスタンスごとに異なるものになるため、ログやトレース情報がどのアダプター・インスタンスに関するものであるかを特定できるようになっています。 例えば、2 つのWebSphere® Adapter for PeopleSoft Enterprise インスタンスのアダプター ID プロパティーを 001 と 002 に設定した場合、この 2 つのインスタンスのコンポーネント ID、PSOFTRA001 と PSOFTRA002 は、それぞれのアダプター・インスタンスを区別できる十分な短さの ID です。 しかし、インスタンスのアダプター ID プロパティーがこれよりも長くなると、それぞれのインスタンスを区別できなくなります。2 つのインスタンスのアダプター ID プロパティーを Instance01 と Instance02 に設定した場合、どちらのインスタンスのコンポーネント ID も切り詰められて PSOFTRAInstance になるため、それぞれのアダプター・インスタンスに関するログやトレース情報を特定できなくなります。 インバウンド処理の場合、このプロパティーはリソース・アダプター・プロパティーから取得されます。 アウトバウンド処理の場合は、管理接続ファクトリー・プロパティーから取得されます。 |
グローバル対応 | はい |
BIDI サポート | いいえ |
このプロパティーは、このアダプター・インスタンスがイベント・ストア内の特定のイベントを処理するかどうかを制御します。
必須か | いいえ |
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デフォルト | NULL |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | このプロパティーを利用すると、WebSphere Business Integration Adapter for PeopleSoft から WebSphere Adapter for PeopleSoft Enterprise へのマイグレーションがスムーズに行えるようになります。
WebSphere Business Integration Adapter for PeopleSoft では、複数のアダプター・インスタンスで同タイプのイベントを処理できるようにして、ボリュームの大きなイベント・タイプのロード・バランシングを行うことができます。ロード・バランシングが不要な場合は、1 つのアダプター・インスタンスが特定のタイプのイベントをすべて処理します。このプロパティーを使用することにより、コネクター ID フィルター処理を現在利用しているお客様に対して WBIA から JCA へのシームレスなマイグレーションを可能にします。
WebSphere Adapter for PeopleSoft Enterprise では、通常、このような形でロード・バランシングを行う必要はありませんが、この機能がサポートされているため、イベントをイベント・ストアに書き込むデータベース・トリガー等の機構を変更せずにマイグレーションを行えるようになっています。 AdapterInstanceEventFilter プロパティーは、 WebSphere Business Integration Adapter for PeopleSoft の ConnectorID プロパティーに相当します。 この機能を使用するには、イベント・ストアにイベントを作成するデータベース・トリガー等の機構で、適切な値をコネクター ID 列に割り当てる必要があります。 この機能を使用するには、イベント・ストアにイベントを作成する PeopleCode で、適切な値をコネクター ID 列に割り当てる必要があります。 次の表にある例は、AdapterInstanceEventFilter プロパティーとイベント・ストア内のコネクター ID 列の値との相互の関連を示したものです。 EventTypeFilter と AdapterInstanceEventFilter プロパティーの両方を設定した場合、アダプターは、両方の基準を満たすイベントのみを処理します。つまり、アダプターは、EventTypeFilter プロパティーで指定されているタイプのイベントと、コネクター ID 列の値が AdapterInstanceEventFilter プロパティーと一致するイベントのみを処理するということになります。 |
例 | 次の表の例をご覧ください。 |
グローバル化対応 | はい |
Bidi サポート | はい |
AdapterInstanceEventFilter プロパティー | イベントのコネクター ID 列 | 結果 |
---|---|---|
NULL | NULL | アダプターはこのイベントを処理します。 |
NULL | Instance1 | コネクター ID 列にチェックが入っていないため、アダプターはこのイベントを処理します。 |
Instance1 | Instance1 | アダプターはこのイベントを処理します。 |
Instance1 | Instance2 | インスタンス ID が一致しないため、アダプターはこのイベントを処理しません。 |
Instance1 | NULL | インスタンス ID が一致しないため、アダプターはこのイベントを処理しません。 |
このプロパティーは、インバウンド・イベント用に確実一回のみイベント送達を提供するかどうかを指定します。
必須か | はい |
---|---|
可能な値 | True |
デフォルト | True |
プロパティー・タイプ | ブール |
使用法 | このプロパティーが True に設定される場合、各イベントが 1 回限り配信されるように、
アダプターは保証された 1 回限りのイベント配信を提供します。 値が False のときは、保証された 1 回のイベント配信を提供しませんが、より良いパフォーマンスが提供されます。 このプロパティーが True に設定される場合、アダプターはトランザクション (XID) 情報のイベント・ストアへの格納を試行します。 False に設定される場合、アダプターは情報の格納を試行しません。 このプロパティーが使用されるのは、エクスポート・コンポーネントがトランザクションである場合だけです。 そうでない場合は、このプロパティーの値にかかわらず、トランザクションを使用することはできません。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーでは、アダプターが PeopleSoft Enterprise サーバーへの接続を検証するのに使用する PeopleSoft Enterprise コンポーネント・インターフェースの名前を指定します。
行 | 説明 |
---|---|
必須か | はい |
デフォルト | リスト内の最初のコンポーネント・インターフェースの名前 |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | アダプターが PeopleSoft Enterprise サーバーへの接続をテストするのに使用するコンポーネント・インターフェースの名前。 使用している PeopleSoft Enterprise アプリケーション内にすでに存在しているコンポーネント・インターフェース名を指定します。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーでは、アダプターがインバウンド処理中に使用する PeopleSoft Enterprise コンポーネント・インターフェースの名前を指定します。
行 | 説明 |
---|---|
必須か | はい |
デフォルト | IBM_EVENT_CI |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | アダプターがインバウンド処理用に使用するコンポーネント・インターフェースの名前。 インバウンド処理を使用するためには、特に PeopleSoft Enterprise 内でのイベント通知用にコンポーネント・インターフェースを作成してください。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、アダプターによってイベントがエクスポート・コンポーネントに配信される順序を指定します。
必須か | いいえ |
---|---|
可能な値 | ORDERED |
デフォルト | ORDERED |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | 以下の値がサポートされています。
このプロパティーを UNORDERED に設定した場合、最小接続数プロパティーと最大接続数プロパティーには 1 よりも大きな値を指定する必要があります。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーでは、イベント表のオブジェクト・キーの名前と値のペアの区切り文字を指定します。
行 | 説明 |
---|---|
必須か | いいえ |
デフォルト | =: |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | このプロパティーを使用して、イベント・ストア内でオブジェクト・キーとして使用されるオブジェクト名と値を指定します。 |
例 | CustomerID=2001 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、アダプターが各イベントのタイム・スタンプをシステム時刻と比較することで、将来イベントをフィルター操作して除外するかどうかを指定します。
必須か | はい |
---|---|
可能な値 | True |
デフォルト | False |
プロパティー・タイプ | ブール |
使用法 | True に設定された場合、アダプターは各イベントの時刻をシステム時刻と比較します。 イベント時刻がシステム時刻よりも後の場合には、 そのイベントは配信されません。 False に設定された場合、アダプターはすべてのイベントを配信します。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーには、区切り文字で区切られているイベント・タイプのリストが含まれており、どのイベントを配信すべきかをアダプターに指示します。
必須か | いいえ |
---|---|
可能な値 | コンマ (,) で区切られたビジネス・オブジェクト・タイプと操作のリスト |
デフォルト | NULL |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | イベントは、ビジネス・オブジェクト・タイプと操作別にフィルタリングされます。このプロパティーが設定されている場合、アダプターはリストにあるイベントだけを配信することになります。
NULL または * の値は、何のフィルターも適用されずに、
すべてのイベントがエクスポート・コンポーネントに配信されることを示します。
デフォルトの操作セット (Create/Update/Delete) を選択しなかった場合、アダプターは操作ベースのイベント・ポーリング機能を提供します。 例えば、 Create|Update 操作を選択した場合、アダプターは、どのビジネス・オブジェクトについても、Create または Update 操作を伴ったイベントのみをポーリングします。 eventTypeFilter に対して生成されるデフォルトのストリングは、 *: Create|Update になります。 構文: BOName:Operation1|Operation2,
BOName:Operation1|Operation2|Operation3
|
例 |
注: このプロパティーで指定できる操作は、ビジネス・オブジェクトとサービスの選択時に選択した操作のみです。
EventTypeFilter プロパティーと AdapterInstanceEventFilter プロパティーの両方を設定した場合、アダプターは両方の基準を満たすイベントのみを処理します。 つまり、アダプターは、EventTypeFilter プロパティーで指定されているタイプのイベントと、コネクター ID 列の値が AdapterInstanceEventFilter プロパティーと一致するイベントのみを処理するということになります。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、イベント・タイム・スタンプに使用される形式を指定します。
行 | 説明 |
---|---|
必須か | はい |
デフォルト | MM/dd/yy |
プロパティー・タイプ | ストリング |
使用法 | このプロパティーは、PeopleSoft Enterprise サーバーからの日付値の形式を設定するために使用します。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、アダプターがインバウンド・イベント配信に使用できる接続の最大数を指定します。
必須か | いいえ |
---|---|
デフォルト | 1 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | 正の値のみ有効です。 アダプターは、1 よりも小さい正のエントリーをすべて 1 に等しいものと見なします。 このプロパティーに負の値または 0 を入力すると、ランタイム・エラーが生じることがあります。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、アダプターがインバウンド・イベント配信に使用できる接続の最小数を指定します。
必須か | いいえ |
---|---|
デフォルト | 1 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | 正の値のみ有効です。 1 よりも小さい値についてはすべて、アダプターは 1 として扱います。 このプロパティーに負の値または 0 を入力すると、ランタイム・エラーが生じることがあります。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、アダプターがポーリング期間の間に待機する時間の長さを指定します。
必須か | はい |
---|---|
可能な値 | 0 以上の整数。 |
デフォルト | 2000 |
計測単位 | ミリ秒 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | ポーリング期間は一定の速度に設定されます。つまりポーリング周期の実行が何らかの理由で遅延された場合 (例えば、前のポーリング周期が完了するのに予想以上に長い時間がかかったなど)、次のポーリング周期は、遅延が原因で失われた時間を埋め合わせるためにすぐに開始されます。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、各ポーリング期間中にアダプターがエクスポート・コンポーネントに配信するイベントの数を指定します。
必須か | はい |
---|---|
デフォルト | 10 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | 値は 0 より大きくなければなりません。この値が大きくなると、ポーリング期間に処理されるイベントが増え、アダプターの実行効率が低下する可能性があります。 この値が小さくなると、ポーリング期間に処理されるイベントが少なくなり、アダプターのパフォーマンスが幾らか向上する可能性があります。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーでは、アダプターがインバウンド接続の再確立を試行する回数を指定します。
必須か | いいえ |
---|---|
可能な値 | 正整数 |
デフォルト | 0 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | 正の値のみ有効です。 アダプターがインバウンド接続に関連したエラーに遭遇した場合、このプロパティーは、アダプターが接続の再開を試行する回数を指定します。 0 の値は、再試行の回数に限度がないことを示します。 |
グローバル化対応 | はい |
Bidi サポート | いいえ |
このプロパティーは、ポーリング中にエラーに遭遇した場合に、アダプターがイベントのポーリングを停止するかどうかを指定します。
必須か | いいえ |
---|---|
可能な値 | True |
デフォルト | False |
プロパティー・タイプ | ブール |
使用法 | このプロパティーが True に設定された場合、アダプターは、エラーに遭遇したときにポーリングを停止します。 このプロパティーが False に設定された場合、ポーリング中にエラーに遭遇したときに、アダプターは例外をログに記録してポーリングを続行します。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |
アダプターがインバウンド接続に関連したエラーに遭遇した場合、このプロパティーは新しい接続の確立を試みる前にアダプターが待機する時間の長さを指定します。
必須か | はい |
---|---|
デフォルト | 60000 (1 分) |
計測単位 | ミリ秒 |
プロパティー・タイプ | 整数 |
使用法 | 正の値のみ有効です。 アダプターがインバウンド接続に関連したエラーに遭遇した場合、このプロパティーは新しい接続の確立を試みる前にアダプターが待機する時間の長さを指定します。 |
グローバル化対応 | いいえ |
Bidi サポート | いいえ |