この例では、別々のブローカーで実行されているメッセージ・フローが、同じシリアライゼーション・トークンを使用したとき、共用キューから一度にメッセージを取得する入力ノードは 1 つだけであることを示しています。
この例では、2 つのブローカー (MQ01BRK および MQ02BRK) を構成します。 それぞれに対応するキュー・マネージャーは、MQ01 および MQ02 です。 これらのキュー・マネージャーは同じキュー共用グループに参加します。 キュー・マネージャーごとに、ファイル属性指定 QSG を使って定義された共用キュー INQueue.QSG、および INQueue というローカル・キューがあります。 これらのキュー・マネージャーを同じ論理パーティション (LPAR) で実行することも、別々の LPAR で実行することもできます。 以下の図で示すカップリング・ファシリティーは、同じシステム・イメージ上または異なるシステム・イメージ上にある z/OS® WebSphere® MQ キュー・マネージャーがキューを共用することを許可するための zSeries コンポーネントです。
同一のメッセージ・フロー MyFlowA が、それぞれのブローカー上の MYGroupA と呼ばれる実行グループにデプロイされます。 メッセージ・フローは同一である必要はありません。重要な点は、同一のシリアライゼーション・トークンが両方のフローで使用されていることです。
この例の単純メッセージ・フローは、MQOutput ノードに接続した MQInput ノードから構成されます。 両方のメッセージ・フローの MQInput ノードは、共用キュー INQueue.QSG からメッセージを受け取ります。ノード属性 Serialization Token は、両方の MQInput ノード内の MyToken123ABC として構成されます。
「メッセージ・フロー」プロパティー additional Instances は両方のメッセージ・フローでデフォルト値のゼロをとり、これによって、入力がフロー内で確実にシリアライズされます。
BIP2656I MQ02BRK MyGroupA 17 UNABLE TO OPEN QUEUE
'INQueue.QSG' ON WEBSPHERE BUSINESS INTEGRATION QUEUE
MANAGER 'MQ02': COMPLETION CODE 2; REASON CODE 2271.
:ImbCommonInputNode(759) BECAUSE SERIALIZATION TOKEN
MyToken123ABC is already in use. NO USER ACTION REQUIRED.
このメッセージが 30 分ごとに出力されることに注意してください。
ブローカー MQ02BRK 上で実行している実行グループ MyGroupA 内のメッセージ・フロー MyFlowA は入力を処理できませんが、この理由は、引き渡したシリアライゼーション・トークンが、キュー共用グループ内で既に使用中であるためです。 このことは、メッセージ bip2623 内の理由コード 2271 (MQRC_CONN_TAG_IN_USE) に示されます。
BIP2091I MQ02BRK MyGroupA 17 THE BROKER HAS
RECONNECTED TO WEBSPHERE BUSINESS INTEGRATION
SUCCESSFULLY : ImbCommonInputNode(785)
BIP9142I MQ01BRK 0 THE COMPONENT HAS STOPPED. :
ImbControlService(594)
前のイベント・シーケンスは、ブローカー MQ01BRK が、オペレーターからの要求による停止でなく、失敗した場合に発生します。または、MQ01BRK に新規のブローカー構成がデプロイされて、メッセージ・フロー MyFlowA を削除または変更した場合にも発生します。
この配置は、同じカップリング・ファシリティーに接続された異なる z/OS システム・イメージで実行しているブローカーの間で、メッセージ処理をマイグレーションするという要件の場合でも使用できます。