SCAAsyncRequest ノードを SCAAsyncResponse ノードと共に使用して、WebSphere® Process Server サービス・コンポーネントを非同期で呼び出すメッセージ・フローのペアを構成します。
SCAAsyncRequest ノードは、WebSphere Process Server 上で実行しているビジネス・プロセスに要求を送信しますが、このノードは関連した応答の受信を待ちません。 しかし SCAAsyncRequest ノードは、肯定応答が来るまで待機してから、メッセージ・フローの処理を続けます。 Process Server 要求に対する応答は SCAAsyncResponse ノードによって受信されますが、それは同じメッセージ・フロー中のものでも別のメッセージ・フロー中のものでも構いません。 これらのノードはペアとして使用され、応答を元の要求に対応させます。
SCAAsyncRequest ノードは、非同期の要求/応答ノードのペアの前半を成します。 SCAAsyncRequest ノードは、WebSphere Process Server 上で実行しているビジネス・プロセスに要求を送信します。 要求は、SCAAsyncRequest ノードによって送信されますが、SCAAsyncRequest ノードはその応答を受信しません。 応答は、別のスレッドで実行している SCAAsyncResponse ノードによって受信されます。 SCAAsyncResponse ノードは通常、別のメッセージ・フローの始めにありますが、SCAAsyncRequest ノードと同一の実行グループ中になければなりません。
SCAAsyncRequest ノードと SCAAsyncResponse ノードの両方を構成するには、ブローカー SCA 定義が必要です。 ブローカー SCA 定義には、Process Server のバインディングに関係する特定のデータが含まれます。
SCAAsyncRequest ノードはパレットの「SCA」ドロワーに入っていて、WebSphere Message Broker Toolkit 内では次のアイコンによって表されます。
サンプルに関する情報は、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。
ローカル環境の次の場所で値を変更することにより、呼び出す操作を変更できます。
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Operation
Web サービス・バインディングの場合は、要求の送信先 URL を変更できます。 ローカル環境の次の場所で、値を変更してください。
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.WebServices.Transport.HTTP.WebServiceURL
MQ バインディングの場合は、次の場所で値を変更することにより、 要求キュー・マネージャーおよび要求キューを変更できます。
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.MQ.queueManagerName
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.MQ.queueName
ローカル環境の以下の場所で、コンテキスト・データを保管できます。 後で SCAAysncResponse ノードはこのデータを取得することができます。
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.UserContext
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.WebServices.Transport.HTTP.KeyAlias
メッセージ・セットに、拡張子が .outsca のブローカー SCA 定義が含まれていることを確認してください。この定義を使用して SCAAsyncRequest ノードを構成します。
SCAAsyncRequest ノードのインスタンスをメッセージ・フローに入れる方法は 2 つあります。ノード・パレットからノードのインスタンスをドラッグするか、メッセージ・セットから拡張子 .outsca のブローカー SCA 定義をメッセージ・フロー・エディターのキャンバスにドラッグできます。
ノード・プロパティーの値の多くは、ブローカー SCA 定義で提供されます。 ノードのプロパティーが、「プロパティー」ビューに表示されます。 値を入力する必要のあるすべての必須プロパティー (デフォルト値が定義されていないプロパティー) には、アスタリスクが表示されます。
SCAAsyncRequest ノードで SSL を使用するように構成する方法について詳しくは、Public Key Infrastructure のセットアップを参照し、SOAPAsyncRequest ノードに関連する情報を確認してください。
SCAAsyncRequest ノードのターミナルについては、次の表に説明されています。
ターミナル | 説明 |
---|---|
In | メッセージを受け入れる入力ターミナル。 |
Failure | ノード内で障害が検出された場合に、メッセージが送信される出力ターミナル。 |
Out | ノードが SCA リソースにメッセージを正常に送信した後に、メッセージが送信される出力ターミナル。 |
以下の表は、ノード・プロパティーについて説明しています。 M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力することが必要なら、アスタリスクのマークが付きます)。 C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 (メッセージ・フローを BAR ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できる) かどうかを示します。
SCAAsyncRequest ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
ノード名 | いいえ | いいえ | ノード・タイプ | ノードの名前。 |
簡略説明 | いいえ | いいえ | なし | ノードの簡単な説明 |
詳細説明 | いいえ | いいえ | なし | メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト |
SCAAsyncRequest ノードの基本プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
固有 ID | はい | はい | 未設定 | このプロパティーは、SCAAsyncRequest ノードと SCAAsyncResponse ノードのペアに共通の固有 ID を指定します。 |
ブローカー SCA 定義 | はい | はい | 未設定 | SCAAsyncRequest ノードの構成プロパティーを含む、ブローカー SCA 定義の名前を指定するプロパティー。 「参照」をクリックして、現行ワークスペース内の関係するブローカー SCA 定義すべてのリストを表示できます。 |
SCAAsyncRequest ノードのバインディング・プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
バインディング・タイプ | はい | いいえ | SCA エクスポートから | このプロパティーは読み取り専用です。 このプロパティーは、SCA エクスポート構成ファイルの構文解析時に、ツールキットによって提供されます。 このプロパティーは、ブローカー SCA 定義内で検出されたバインディング・タイプを記述します。 バインディングが Web サービスの場合は、WSDL プロパティーのみ表示されます。 バインディングが MQ の場合は、MQ プロパティーのみ表示されます。 |
以下の表に、WSDL プロパティーについて説明します。 これらのプロパティーが表示されるのは、バインディング・タイプが Web サービスの場合のみです。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
WSDL ファイル名 | はい | いいえ | 未設定 | WSDL ファイル名は、ブローカー SCA 定義によって参照される WSDL ファイルから取得されます。 |
ターゲット・ネーム・スペース | いいえ | いいえ | ブローカー SCA 定義から | このプロパティー・タイプはストリングです。 このプロパティーは、ブローカー SCA 定義によって参照される WSDL 構成ファイルの構文解析時に、ツールキットによって提供されます。 |
ポート・タイプ | はい | いいえ | デフォルトでは、ブローカー SCA 定義内で参照されるポート・タイプです。 | このプロパティー・タイプはストリングです。 このプロパティーは読み取り専用です。 エラー条件:
|
インポートされたバインディング | はい | いいえ | ブローカー SCA 定義から | このプロパティー・タイプはストリングです。 このプロパティーは、ブローカー SCA 定義によって参照される WSDL の構文解析時に、ツールキットによって提供されます。 エラー条件:
|
操作 | はい | いいえ | ブローカー SCA 定義から | このプロパティー・タイプはストリングです。 「操作」プロパティーは、ポート・タイプによって定義される操作をリストします。 デフォルトでは、リスト中の最初の両方向の操作が選択されます。 両方向の操作のみがサポートされています。 |
サービス・ポート | はい | いいえ | ブローカー SCA 定義から | このプロパティー・タイプはストリングです。 このプロパティーは、WSDL 構成ファイルの構文解析時に、ツールキットによって提供されます。 エラー条件:
|
Web サービス URL | はい | はい | ブローカー SCA 定義から | このプロパティー・タイプはストリングです。 このプロパティーは、選択された「サービス・ポート」の <soap:address> エレメントから自動的に派生されます。
選択されたポートが更新されるたびに、Web サービス URL もそれに従って更新されます。
ただし、この値をオーバーライドすると、オーバーライドした値が保持され、URL はサービス・ポートから更新されなくなります。 このプロパティーをオーバーライドすることを選択した場合は、それを http://<hostname>[:<port>]/[<path>] という形式で指定する必要があります。ここでそれぞれの部分は次のとおりです。
|
SSL クライアント認証鍵別名 | いいえ | はい | "" (空ストリング) | keyAlias プロパティーでは、SCAAsyncRequest 接続のクライアント・サイドの SSL 認証鍵別名を指定します。デフォルト値が設定されると、最初の適切な鍵が自動的に選択されます。 |
以下の表に、MQ プロパティーについて説明します。 これらのプロパティーが表示されるのは、バインディング・タイプが MQ の場合のみです。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
操作 | はい | いいえ | ブローカー SCA 定義から | ブローカー SCA 定義のインターフェース内で検出される使用可能な操作。 両方向の操作のみがサポートされています。 |
キュー名 | はい | はい | ブローカー SCA 定義から | WebSphere Message
Broker から要求メッセージを受け取るキューの名前。 この名前はブローカー SCA 定義から取得されますが、ノード内で直接更新できます。 この値はリモート・キューの可能性もあります。WebSphere MQ インフォメーション・センターの「Intercommunication」セクション中の「How does distributed queuing work?」を参照してください。 |
キュー・マネージャー名 | はい | はい | ブローカー SCA 定義から | WebSphere Message
Broker からメッセージを受け取るキュー・マネージャーの名前。 この名前はブローカー SCA 定義から取得されますが、ノード内で直接更新できます。 リモート・キューを使用する場合は、このプロパティーをブランクのままにして、WebSphere MQ がキュー・マネージャー名を解決できるようにします。 |
応答先キュー名 | はい | はい | ブローカー SCA 定義から | WebSphere Process Server から応答メッセージを受け取るキューの名前。 この名前はブローカー SCA 定義から取得されますが、ノード内で直接更新できます。 |
応答先キュー・マネージャー名 | いいえ | はい | ブローカー SCA 定義から | WebSphere Process
Server から応答を受け取るキュー・マネージャーの名前。 この名前はブローカー SCA 定義から取得されますが、ノード内で直接更新できます。 このキュー・マネージャーは、ブローカーに対してローカルでなければなりません。 |
応答メッセージ相関 | はい | いいえ | ブローカー SCA 定義から | このプロパティーは、WebSphere Process
Server が応答メッセージ内の相関 ID 情報をどのように提供するかを示します。 この相関情報は、どのメッセージがどの要求に対する応答なのか判別するために WebSphere Message
Broker で使用され、SCA エクスポート・ファイルの構文解析時にツールキットによって提供されます。 WebSphere Process Server が要求内の MQMD MSGID フィールドを応答内の MQMD CORRELID フィールドにコピーすることが予期される場合は、「メッセージ ID から」を選択します。 WebSphere Process Server が要求内の MQMD CORRELID フィールドを応答内の MQMD CORRELID フィールドにコピーすることが予期される場合は、「相関 ID から」を選択します。 |
SCAAsyncRequest ノードのトランザクション特性プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
トランザクション・モード | いいえ | いいえ | MQ の場合、「はい」 | このプロパティーは「自動」、「いいえ」、または「はい」にすることができます。 このプロパティーは、バインディング・タイプが MQ の場合のみ使用可能になります。 |
プロパティー | M | C | デフォルト | 説明 |
---|---|---|---|---|
イベント | いいえ | いいえ | なし | ノードに対して定義したイベントが、このタブに表示されます。 デフォルトでは、メッセージ・フローのどのノードに対してもモニター・イベントは定義されません。 ノードのモニター・イベントを作成、変更、または削除するには、「追加」、「編集」、および「削除」を使用します。詳しくは、モニター・プロパティーを使用したモニター・イベント・ソースの構成を参照してください。 「使用可能」チェック・ボックスを選択またはクリアすることによって、ここに表示されているイベントを使用可能および使用不可に設定できます。 |