z/OS® 上での SAP メッセージの処理時に高可用性を得るには、SAP アダプター・イベント・ストア用に共用キューをセットアップします。
始める前に:使用を計画しているキュー共用グループ名が、
SYS1.PARMLIB(IEFSSNxX) に存在しないことを確認します。 その名前が存在する
場合は、新規グループとして別の名前を選択してください。
以下のステップで取り上げるデータ・セット・メンバーは、
特に記述のない限り、thlqual.SCSQPROC ライブラリー内の
サンプルとして見つかります。 ライブラリーは、WebSphere® MQ for z/OS に付属しています。
- DB2® データ共用要件を検討します。 キュー共用グループは、DB2 データ共有グループの支援を
受けます。 以下のステップを完了して、DB2 に WebSphere MQ の項目を追加します。
- CSQ4INSS データ・セット・メンバーを構造名でカスタマイズし、キュー共用グループ内の 1 つのキュー・マネージャーの CSQINP2 DD 連結にこれが必ず組み込まれるようにします。
- QSGDATA システム・パラメーターを修正するために、CSQ4ZPRM サンプルを (Qsgname,Dsgname,Db2name,Db2servers) の形式で修正して、再実行します。
- 以下のサンプル JCL をコピーおよびカスタマイズして実行します。
これらのジョブは、DB2 サブシステムまたはデータ共用グループごとに 1 回のみ実行する必要があります。
- サンプル JCL CSQ45CSG をカスタマイズして実行し、WebSphere MQ データベース、表スペース、および表で使用されるストレージ・グループを作成します。
- サンプル JCL CSQ45CDB をカスタマイズして実行し、この DB2 データ共用グループ
に接続するすべてのキュー・マネージャーで使用されるデータベースを作成します。
- サンプル JCL CSQ45CTS をカスタマイズして実行し、(ステップ i で作成した) キュー共用グループで使用されるキュー・マネージャー表およびチャネル・イニシエーター表を入れる表スペースを作成します。
- サンプル JCL CSQ45CTB をカスタマイズして実行し、12 の DB2 表と、
関連する索引を作成します。
行名や属性を変更しないでください。
- サンプル JCL CSQ45BPL をカスタマイズして実行し、キュー・マネージャー、ユーティリティー、およびチャネル・イニシエーター
の DB2 計画をバインドします。
- サンプル JCL CSQ45GEX をカスタマイズして実行し、キュー・マネージャー、
ユーティリティー、およびチャネル・イニシエーターが使用するユーザー ID に、
個々の計画に対する実行権限を付与します。 キュー・マネージャーおよび
チャネル・イニシエーターのユーザー ID は、それらの開始済みタスク・プロシージャー
の実行に使用されるユーザー ID です。 ユーティリティーのユーザー ID は、
バッチ・ジョブの実行依頼に使用できるユーザー ID です。 適切な計画の名前について詳しくは、WebSphere MQ バージョン 7 インフォメーション・センター・オンラインを参照してください。
- 以下のステップを完了して、キュー共用グループを作成します。
- キュー共用グループ内のキュー・マネージャーが使用するカップリング・ファシリティー構造を定義します。
キュー共用グループをホストする
z/OS シスプレックスのカップリング・ファシリティー・リソース管理 (CFRM) ポリシー・データ・セットで、管理構造およびアプリケーション構造を、以下の例に示すように定義します。
ここで、
MQPU はキュー共用名です。
STRUCTURE NAME(MQPUCSQ_ADMIN)
SIZE(20000)
INITSIZE(10000)
PREFLIST(PUCF01)
STRUCTURE NAME(MQPUAPPLICATION1)
SIZE(20000)
INITSIZE(10000)
PREFLIST(PUCF01)
カップリング・ファシリティーのセットアップについて
詳しくは、
WebSphere MQ バージョン 7 インフォメーション・センター・オンラインを参照してください。
- キュー共用グループ・ユーティリティー (CSQ5PQSG) の ADD QSG 関数を
使用して、各キュー共用グループを DB2 に定義します。 サンプル CSQ45AQS が SCSQPROC ライブラリーで提供されています。 このサンプルを、キュー共用グループごとに 1 回実行します。
- キュー共用グループ・ユーティリティー CSQ5PQSG の ADD QMGR 関数を使用して、
各キュー・マネージャーを DB2 に定義します。 サンプル CSQ45AQM が SCSQPROC ライブラリーで提供されています。 このサンプルを、キュー共用グループのメンバーごとに実行します。
- 加えた変更をアクティブにするには、グループ内のすべてのキュー・マネージャーを
停止した後に開始します。
- キュー共用グループで SAP イベント・ストア・キューを定義します。
通常、イベント・ストア・キューを作成することが、最も有効な方法です。 以前のブローカーからマイグレーション
している場合、新規トポロジーに移行する前に、すべての未解決の SAP 要求が
解決されていることを確認してください。
- 共用キューを作成するには、以下のコマンドを
いずれか 1 つのキュー・マネージャーでのみ実行します。
DEFINE QL(SYSTEM.BROKER.ADAPTER.SHARED)
LIKE(SYSTEM.BROKER.ADAPTER.PROCESSED) CFSTRUCT(NEW) QSGDISP(SHARED) SHARE DEFSOPT(SHARED)
- グループに追加された他のキュー・マネージャーに対して共用キューの使用を許可するには、それらがローカルで定義したキューを削除するため、キューごとに以下のコマンドを実行します。
DELETE QLOCAL(SYSTEM.BROKER.ADAPTER.PROCESSED) QSGDISP(QMGR)
- ブローカーを構成します。
- mqsicreateconfigurableservice コマンドを使用して、
.inadapter コンポーネント用の SAPConnection 構成可能サービスを作成します。
- sharedTidStoreQueueManager パラメーターをブローカーのキュー・マネージャーの名前に設定します。
このパラメーターの詳細は、SAPConnection 構成可能サービスを参照してください。
- セットアップを検証します。
これらの手順が完了した後、ユーザー・トレースを検査して、ブローカーが共用 TID ストアとしてキューを使用していることを確認できます。 セットアップが正常に完了していれば、ブローカーが TID ストア
として使用しているキュー・マネージャーが指定されたメッセージ BIP3470 が発行されます。
WebSphere Message
Broker は最初に SYSTEM.BROKER.ADAPTER.SHARED キューを開こうとします。 そのキューが使用不可の場合、WebSphere Message
Broker は代わりに、
SYSTEM.BROKER.ADAPTER.PROCESSED キューを開きます。 SYSTEM.BROKER.ADAPTER.SHARED キューが使用可能な場合、それは z/OS 高可用性環境で操作が実行されていることを示します。