mqsimigratecomponents コマンドを使用して、あるバージョンの製品から、同じコンピューター上の別のバージョンにコンポーネントをマイグレーションします。
WebSphere Application Server と WebSphere Message Broker を併用している場合や、SubIdentity オプションを使用するパブリッシュ/サブスクライブ・アプリケーションがある場合は、WebSphere Message Broker バージョン 6.1 をフィックスパック 4 にアップグレードしてから WebSphere Message Broker バージョン 8.0 にマイグレーションする必要があります。
また、mqsimigratecomponents コマンドを使用して、ブローカーを WebSphere Message Broker バージョン 8.0 から WebSphere Message Broker バージョン 7.0 または バージョン 6.1 に戻し、前方マイグレーションの作用を逆転させることができます。 ブローカーを バージョン 6.1 に復元すると、そのブローカーは前方マイグレーションの時点でアクティブだった構成で復元され、マイグレーション後に実行した更新は、前のバージョンのブローカーに関連付けられているデータベースには反映されません。前のバージョンのブローカーを使用できるようにするには、関連するブローカー・データベースを保持しておく必要があります。
ブローカーを バージョン 7.0 に復元すると、ブローカーの状態に加えた変更内容が バージョン 7.0 と互換性のあるものであれば、保持されます。 ただし、バージョン 7.0 と互換性のない変更内容については、復元されたブローカーの状態には反映されず、エラーの原因となる場合があります。
このコマンドは、ソース・バージョンであるかターゲット・バージョンであるかにかかわらず、製品のいずれか新しいほうのバージョンから実行する必要があります。
このコマンドを正常に実行するには、ターゲット・バージョンとソース・バージョンの両方で製品がインストール済みであり、必要なコンポーネント・コードがインストールされている必要があります。
マイグレーションを開始する前に、WebSphere Message Broker Toolkit で、ブローカーおよびすべてのアクティブなデバッグ・セッションを停止してください。 デバッグ中のメッセージ・フローをマイグレーションすることはできません。
マイグレーションするブローカーに対して mqsicreatebroker コマンド上でデータ・ソース・ユーザー ID とパスワードを指定した場合、これらのパラメーターの値もマイグレーションされ、mqsisetdbparms コマンドにより使用される形式で保存されます。 これらの値は、ブローカーにより mqsisetdbparms コマンドを使用して代替値を設定していないユーザー・データベースにアクセスするために使用されます。 マイグレーション後に、ブローカーがユーザー・データベースにアクセスするために使用するユーザー ID またはパスワードを変更する場合は、mqsisetdbparms コマンドしか使用できません。
ユーザー ID とパスワード値を更新し、ブローカーを前のバージョンにマイグレーションして戻す場合、これらの新規の値も元のブローカーにマイグレーションして戻されます。
.-| Move |---. >>-mqsimigratecomponents--+-| Check |--+----ComponentName-------> +-| Undo |---+ '-| Verify |-' >--+-----+----------------------------------------------------->< '- -q-' Check |-- -c --+--------------------+--+--------------------+---------| '- -s--SourceVersion-' '- -t--TargetVersion-' Move .-------------. V | |----+---------+-+--+--------------------+----------------------> +- -1-----+ '- -s--SourceVersion-' +- -2-----+ | (1) | '- -3-----' >--+--------------------+---------------------------------------| '- -t--TargetVersion-' Undo .-------------. V | |-- -u----+- -1-----+-+-- -s--SourceVersion---------------------> +- -2-----+ | (1) | '- -3-----' >-- -t--TargetVersion-------------------------------------------| Verify |-- -v--+--------------------+----------------------------------| '- -t--TargetVersion-'
実行中のコンポーネントを検査できます。 検査は、若干の性能低下が生じることを別にして、コンポーネントには影響を与えません。
検査コマンドは、成功するか失敗するかのどちらかで、マイグレーションが成功するかどうかについてのメッセージを印刷します。しかし、プロセス中に変更は行われません。
パラメーター -c と -v は互いに排他的です。 さらに、このいずれかのパラメーターを指定する場合、このコマンドの実行時にそれ以外のパラメーターを指定することはできません。
パラメーター -c と -v は互いに排他的です。 さらに、このいずれかのパラメーターを指定する場合、このコマンドの実行時にそれ以外のパラメーターを指定することはできません。
(オプション) 操作時に状況メッセージをわずかしか印刷しません。
(オプション) WebSphere MQ の作業のみ行います。
このオプションは、バージョン 8.0 への前方マイグレーションの場合にのみ有効です。 このパラメーターを後方マイグレーションのために指定した場合は無視されます。ブローカーの状態に加えた変更の内容をマイグレーションして元に戻し、前のバージョンのブローカーが所有するデータベースに適用することはできません。
-3 は、バージョン 8.0 への前方マイグレーションの場合にのみ有効です。
(必須) マイグレーションするコンポーネントの名前。
mqsimigratecomponents コマンドは、レジストリー、ファイル・システム、および WebSphere MQ 定義を更新します。
このコマンドを実行するために使用されるユーザー ID に、これらのすべてのステップを実行する権限がない場合は、一度にコマンドの一部だけが実行されます。 異なるユーザーが、自分が権限を持つ部分を実行して、全体的な結果を得ることができます。 このアプローチは分割マイグレーションと呼ばれ、-1、-2、および -3 のパラメーターを使用して実行されます。
分割マイグレーションを実行する場合、ご使用のユーザー ID は常に製品のレジストリーの読み取りができなければなりません。
このコマンドは、さまざまな操作の結果に応じて、考えられる多数の応答を生成することがあります。 このコマンドは、メッセージを生成する方法の点で他のコマンドと異なっています。メッセージは、プログラムの最後にバッチで報告されるのではなく、その生成時に表示されます。
バージョン 6.1 からデータベース表をマイグレーションする場合、z/OS では分散システムよりも多くの出力が生成されます。 表示されるメッセージの数を減らすには、-q パラメーターを使用します。
以下の例は、バージョン 7.0 から バージョン 8.0 への分割マイグレーションを示しています。
mqsimigratecomponents BROKER1 -1
mqsimigratecomponents BROKER1 -2
mqsimigratecomponents BROKER1 -3
以下の例は、バージョン 8.0 から バージョン 7.0 へ戻るマイグレーションを示しています。
mqsimigratecomponents MYBROKER -t 7.0.0.3