WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

共存とマイグレーション

WebSphere® Message Broker バージョン 8.0 は、以前のバージョンとの共存が可能です。

WebSphere Message Broker バージョン 8.0 を、前のバージョンがインストールされている コンピューターにインストールできますが、いずれのバージョンも install_dir として 参照される固有のディレクトリーにインストールする必要があります。 異なるバージョンが共存可能であり、独立して実行できます。 また、適切な場合には、ブローカーをあるバージョンから別のバージョンに マイグレーションできます。 ブローカー・コンポーネント、およびWebSphere Message Broker Toolkitの場合、同一バージョンの複数インスタンスを、同一コンピューター上の個別のディレクトリーにインストールできます。 例えば、ブローカー・コンポーネント は、異なるフィックスパック・レベルと共存できます ( バージョン 7.0.0.0 バージョン 7.0.0.1 など)。 同一バージョンの ブローカー・コンポーネントおよび WebSphere Message Broker Toolkit の複数インスタンスを同一コンピューター上にインストールできますが、WebSphere Message Broker Explorer は 1 つのバージョンしか許可されません。

以下のセクションで、詳しく説明します。

共存

以下のように WebSphere Message Broker バージョン 8.0 を以前のバージョンと共存させることが可能です。
  • ブローカー・コンポーネントは、バージョン 7.0 のランタイム・コンポーネントと共存可能です。
  • WebSphere Message Broker Toolkitは、バージョン 7.0 のツールキットと共存可能です。

以下のセクションでは、共存を実現する方法と、適用される制限について説明します。

分散システム上のブローカー・コンポーネント

ブローカー・コンポーネント を分散システムにインストールする場合、インストール・ウィザードによるデフォルト・アクションでは、ブローカー・コンポーネントをデフォルト・ディレクトリーにインストールする「標準インストール」が実行されます。 標準インストール用のデフォルト・ディレクトリーが備わっていますが、これは任意に変更できます。

インストール時にデフォルトのロケーションを受け入れた場合、このディレクトリーは以下のようになります。 デフォルト・ディレクトリーには、 インストールしている製品のバージョン、リリース、モディフィケーション、およびフィックス「v.r.m.f (バージョン.リリース.モディフィケーション.フィックス)」の形式で含まれています。
Linux
/opt/ibm/mqsi/v.r.m.f
UNIX
/opt/IBM/mqsi/v.r.m.f
Windows 32 ビット
C:¥Program Files¥IBM¥MQSI¥v.r.m.f
Windows 64 ビット
C:¥Program Files¥IBM¥MQSI¥v.r.m.f (WebSphere Message Broker の 64 ビット・バージョンの場合)
C:¥Program Files (x86)¥IBM¥MQSI¥v.r.m.f (WebSphere Message Broker の 32 ビット・バージョンの場合)
これらのロケーションは、各プラットフォームの install_dir のデフォルト値を定義します。

したがって、製品の固有のバージョン、リリース、モディフィケーション、およびフィックスは、それぞれ異なるデフォルト・ロケーションにインストールされます。

インストール・ウィザードは、バージョン、リリース、モディフィケーション、およびフィックス・レベルで区別可能なため、異なるモディフィケーション・レベルおよびフィックスパック・レベルを区別できます。 現在の修正レベルは 0 (バージョン 8.0.0) です。その後の修正レベルが使用可能になると、そのインストール先は別のデフォルトの場所になります。そのため、バージョン 8.0.0 がより高位の修正レベル (例えば、バージョン 8.0.1) にアップグレードされることはありません。

ウィザードは、フィックスパックを以前のフィックスパックの上にインストールしません。また、以前の修正やフィックスパックをより最近のものの 上にインストールすることは禁止します。

同じバージョンおよびリリースの製品を、複数回インストールできます。 その際に、インストールの修正レベルやフィックスパック・レベルは、同じであっても、 異なっていてもかまいません。 同時インストールを行うには、「カスタム・インストール」オプションを 選択し、インストールごとに固有のディレクトリー (いずれか一方にはデフォルト・ディレクトリーを 指定可) を指定する必要があります。

カスタム・インストールを使用して、デフォルト以外のディレクトリーにインストールすることも可能です。

カスタム・インストールを選択したコンピューター上で、一度も 製品の標準インストールを実行していない場合、ディレクトリーは デフォルト・ディレクトリーに初期設定されていますが、このデフォルト値は 選択した値に変更できます。

以前のバージョンのブローカー・コンポーネントのインストールが既に含まれているディレクトリーにブローカー・コンポーネントをインストールしようとすると、インストールを続行するかどうかを確認するプロンプトが出されます。これは、インストールによって既存のインストールが上書きされるためです。 既存の構成を保存するには、インストールを取り消し、別のディレクトリーを選択します。

同一のバージョンおよびリリースを複数回インストールする場合、 ネイティブ・インストーラーのサポートではこれらのインストールを 通常の方法で管理できません。 詳しくは、ブローカー・コンポーネント の複数のインストールをアンインストールする方法を参照してください。

修正レベルやフィックスパック・レベルが異なる複数のインストールを 使用して、修正や新機能をテストしたり、新規フィックスパック・レベルの 段階的な導入を行ったりすることができます。 詳しくは、サービスの適用を参照してください。

インストールの間および完了後には、自分が現在ログオンに使用している ユーザー ID に関連付けられた作業ディレクトリーにもファイルが保管されます。 ロケーションは、オペレーティング・システムに応じて異なります。

Linux および UNIX
/var/mqsi
Windows
%ALLUSERSPROFILE%\IBM¥MQSI
環境変数 %ALLUSERSPROFILE% は、システム作業ディレクトリーを 定義します。 デフォルトのディレクトリーは、オペレーティング・システムによって異なります。
  • Windows XP および Windows Server 2003 の場合: C:¥Documents and Settings¥All Users¥IBM¥MQSI
  • Windows 7 以降のオペレーティング・システムの場合: C:¥ProgramData¥IBM¥MQSI
実際の場所はコンピューターによって異なる場合があります。

単一のコンピューターに複数のインストールがある場合、作業ディレクトリーの ルートに保管されている install.properties ファイルの 内容を検討できます。 バージョン 6.1 以降の各インストールについて、 ファイルのロケーションおよびレベルが更新されています。

次の例では、単一のインストールが完了した Windows 32 ビット オペレーティング・システムの install.properties の内容が示されています。

C\:\\Program\ Files\\IBM\\MQSI\\8.0=8.0.0.0

(円記号 ¥ はエスケープ文字として解釈されます。 これは、文字を保存するために、ストリング内の非英字と非数値の各文字の前に挿入されます。 この例では、コロン、スペース、およびいくつかの円記号がエスケープされます。)

何らかの理由で、最新のインストールから以前のレベルに戻す場合は、 現在のバージョンをアンインストールしてから、以前のレベルの製品を インストールする必要があります。 アンインストールする前に、 前の状態に戻すすべてのリソースのバックアップをとります。

標準インストールの完了時には、バージョンおよびリリースがディレクトリー構造に組み込まれるため、WebSphere Message Broker の以前のリリースを既にインストールしているコンピューターに、バージョン 8.0 以降のリリースをインストールすることもできます。バージョン 8.0 のインストールは、 既存のインストールと共存可能です。これら 2 つの構成は、独立して操作可能です。

バージョン 8.0 以降のリリースのカスタム・インストールを使用する場合、 リリースごとに固有のインストール・ディレクトリーを指定可能であり、 そうすることにより単一コンピューターにおけるリリースの共存を実現します。

バージョン 8.0 以降のインストール回数は、システム・リソースが使用可能かどうかに よってのみ制限されます。

異なるバージョンおよびリリースが共存可能であるため、制御された方法で旧バージョンからバージョン 8.0 にマイグレーションできます。その際には、すべてのブローカーを同時にマイグレーションする必要はありません。詳しくは、マイグレーションを参照してください。

z/OS 上の ブローカー・コンポーネント

z/OS® では、ブローカー・コンポーネントの複数のコピーを同一コンピューターにインストールすることが可能です。その場合は、コピーごとに異なるインストール・ロケーションを指定します。 インストールは、相互に独立して実行できます。 コードのバージョンとリリース・レベルは同じでも、異なっていてもかまいません (バージョン 6.0バージョン 6.1バージョン 7.0および バージョン 8.0)。 インストール回数は、システム・リソースが使用可能かどうかによってのみ制限されます。

場所、ライブラリー、およびファイル・システム・パスの詳細については、WebSphere Message Broker ライブラリー Web ページで「Program Directory for WebSphere Message Broker for z/OS」を参照してください。

同じバージョンのコンポーネントとの共存

複数のバージョンのブローカー・コンポーネントを同じシステムにインストールすることは可能ですが、同じバージョン番号の x86 および x86-64 バージョンの両方を同じシステム上にインストールするべきではありません。 ブローカー・コンポーネントによって使用されるデータ・ファイルのいくつかは各バージョンに固有であり、正しくないバージョンのファイルをブローカーで使用すると、予期しない結果になる可能性があります。 この警告は、全製品バージョンおよび全プラットフォームに当てはまります。

Linux (x86)Linux (x86-64)、および Windows 上の WebSphere Message Broker Toolkit

Linux
WebSphere Message Broker Toolkit をインストールする場合、 インストール・ウィザードによるデフォルト・アクションでは、 Installation Manager ファイル、共有ファイル、および製品固有のファイルが以下のディレクトリーにインストールされます。
  • Installation Manager のインストール・ディレクトリー:
    /opt/IBM/InstallationManager
  • 共有リソース・ディレクトリー:
    /opt/IBM/SDPShared/
  • パッケージ・グループ・ディレクトリー:
    /opt/IBM/WMBT800

    このロケーションは、このプラットフォームの install_dir のデフォルト値を定義します。

これらのディレクトリーの説明については、WebSphere Message Broker Toolkit のインストールを参照してください。

WebSphere Message Broker Toolkit バージョン 8.0 の複数の インスタンス (修正レベルやフィックスパック・レベルは、同じであっても、 異なっていてもかまいません) を、単一のコンピューターにインストールできます。それぞれのインストール済み環境は別個のパッケージ・グループに属する必要があります。パッケージ・グループについての詳しい説明は、IBM Installation Managerを参照してください。

Windows
WebSphere Message Broker Toolkit をインストールする場合、 インストール・ウィザードによるデフォルト・アクションでは、 Installation Manager ファイル、共有ファイル、および製品固有のファイルが以下のディレクトリーにインストールされます。
  • Installation Manager のインストール・ディレクトリー:
    • C:¥Program Files¥IBM¥InstallationManager (32 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)
    • C:¥Program Files (x86)¥IBM¥InstallationManager (64 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)
  • 共有リソース・ディレクトリー:
    • C:¥Program Files¥IBM¥SDPShared¥ (32 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)
    • C:¥Program Files (x86)¥IBM¥SDPShared¥v.r (64 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)
  • パッケージ・グループ・ディレクトリー:
    • C:¥Program Files¥IBM¥WMBT800 (32 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)
    • C:¥Program Files (x86)¥IBM¥WMBT800 (64 ビット版の WebSphere Message Broker の場合)

    このロケーションは、このプラットフォームの install_dir のデフォルト値を定義します。

これらのディレクトリーの説明については、WebSphere Message Broker Toolkit のインストールを参照してください。

WebSphere Message Broker Toolkit の複数の インスタンス (修正レベルやフィックスパック・レベルは、同じであっても、 異なっていてもかまいません) を、単一のコンピューターにインストールできます。それぞれのインストール済み環境は別個のパッケージ・グループに属する必要があります。パッケージ・グループについての詳しい説明は、IBM Installation Managerを参照してください。

WebSphere Message Broker ToolkitWindows にインストールする場合、独自のディレクトリー・ロケーションを指定する際には、Windows ファイル・システムによって課される 256 文字のファイル・システム制限に注意してください。 この制限によりリソース (例えばメッセージ・フロー) へのパス指定に 制約事項が生じることがあり、パスとリソース名の組み合わせがこの制限を 超えるとアクセスの問題が発生することがあります。 この制約事項に関連した問題が生じないようにするには、インストール場所とリソース名を短くするようにしてください。

インストールのための環境の設定

単一のコンピューターに複数のインストールを保持できるので、 そのようなコンピューターでコマンドを発行する際には、宛先とする インストール・コードのバージョンが正しいことを確認する必要があります。

  • Linux および UNIX システムでは、プロファイル・ファイル mqsiprofile を実行して正しい環境をセットアップしてから、mqsicreatebroker などの他の WebSphere Message Broker コマンドを実行する必要があります。 プロファイル・ファイルは、install_dir/bin に保管されています。

    システム・ログオン・プロファイルにプロファイル・ファイルを追加すると、 ログオンするたびにそのファイルが自動的に実行されます。

  • Windows システムでは、インストールごとにコマンド・コンソールが用意されます。 そのため、特定のインストールについて、正しいウィンドウでコマンドを実行する必要があります。

    希望に応じて、install_dir¥bin に 保管されている mqsiprofile.cmd ファイルを実行できます。

同じコンピューターにこの製品の旧バージョンをインストール している場合は、現在のユーザー ID に旧プロファイルが設定されていない ことを確認してください。 2 つのプロファイルは非互換であり、予測不能 な結果を生じる可能性があります。 バージョンごとに異なるユーザー ID を 使用し、各ユーザー ID に正しいプロファイルを関連付けることで、潜在的な問題を回避することを検討してください。

この要件は、z/OS システムには適用されません。

mqsiprofile について詳しくは、 コマンド環境のセットアップを参照してください。

WebSphere Message Broker Explorer

WebSphere Message Broker Explorer については、1 つのシステムに同時にインストールできるのは、1 つのコピーに限られます。したがって、WebSphere Message Broker Explorer の最新レベルがインストールされていることを確認する必要があります。 例えば WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.0WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.2 が同じシステムにインストールされている場合は、WebSphere Message Broker Explorer 8.0.0.4 がインストールされていることを確認する必要があります。このことは、WindowsLinux (x86)、および Linux (x86-64) システムのみに適用されます。 ただし WebSphere Message Broker Explorer の最新バージョンを使用して、以前のバージョンのブローカーに接続することができます。

マイグレーション

WebSphere Message Broker バージョン 8.0 は、旧バージョンや バージョン 8.0 の他のインストールと同じコンピューターにインストール可能 なので、バージョン 8.0 をインストールする前にマイグレーション・タスクを 実行する必要はありません。

WebSphere Message Broker バージョン 8.0 で、現在使用しているバージョンよりも新しいバージョンの WebSphere MQ が必要な場合は、WebSphere Message Broker バージョン 8.0 をインストールする前に、バージョン 8.0 でサポートされるバージョンの WebSphere MQ を使用するように既存のインストール済み環境をすべて更新する必要があります。

ハードウェアおよびソフトウェアのすべてのサポート・レベルの最新の詳細情報については、WebSphere Message Broker 要件 Web サイトにアクセスしてください。

WebSphere Message Broker バージョン 8.0 へのマイグレーションについて詳しくは、 マイグレーションを参照してください。

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        最終更新:
        
        最終更新: 2015-02-28 17:49:06


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