WebSphere® Message Broker バージョン 7.0 リソースは、個別に手動でアプリケーションおよびライブラリーに変換できます。あるいは、「アプリケーションおよびライブラリーへのプロジェクトの変換」ウィザードを実行することもできます。 この例は、WebSphere Message Broker バージョン 7.0 で作成したリソースをアプリケーションおよびライブラリーにどのように手動で変換できるかを示します。
バージョン 7.0 では、「MyFirstSolution」および「MyOtherSolution」という 2 つのソリューションを実装するリソースが作成されています。
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バージョン 7.0 の WebSphere Message Broker Toolkit のリソースの編成では、どのプロジェクトがどのソリューションに適用されるかが明確ではありません。
同様に、デプロイ済みリソースは WebSphere Message Broker Toolkit の「ブローカー」ビュー、および WebSphere Message Broker Explorer でフラット・リストとして表示されます。 ソリューションをデプロイする時点で、ブローカー・アーカイブ (BAR) ファイルにどのリソースを追加するかを正確に知る必要があります。
この例では分離の欠如も問題です。 両方のソリューションでメッセージ・セット・プロジェクト SharedMessageSet を使用しています。 新しい SharedMessageSet メッセージ・セット・プロジェクトをデプロイする場合、その変更が両方のソリューションに影響します。 それぞれのソリューションで別のバージョンの SharedMessageSet プロジェクトを使用するには、各ソリューションをそれぞれ独自の実行グループにデプロイできますが、これは使用している環境では適さない場合もあります。
このような問題を解決するため、MyFirstSolution が必要とするすべてのリソースをカプセル化するためのアプリケーションを 1 つ使用し、MyOtherSolution 用のリソースをすべて入れるためもう 1 つのアプリケーションを使用することができます。 他のソリューションが使用するリソース (CommonSubFlows メッセージ・フロー・プロジェクト、および SharedMessageSet メッセージ・セット・プロジェクト) を入れるためは、ライブラリーを使用できます。
変換手順 | 結果 | |
---|---|---|
1. | バージョン 7.0 リソースをバージョン 8.0 の WebSphere Message Broker Toolkit にインポートします。 | バージョン
7.0 リソースをアプリケーションおよびライブラリーに変換するには、まずバージョン
7.0 の WebSphere Message
Broker Toolkit からエクスポートして、バージョン
8.0 の WebSphere Message
Broker Toolkit にインポートします。
インポートされたリソースは、最初、バージョン
8.0 の WebSphere Message
Broker Toolkit の「独立リソース」カテゴリーの下にリストされます。
メッセージ・フロー・プロジェクトはバージョン
8.0 には存在しません。
それで、バージョン
7.0 メッセージ・フロー・プロジェクトはインポート時に自動的にメッセージ・ブローカー・プロジェクトに変換されます。![]() この段階で「アプリケーションおよびライブラリーへのプロジェクトの変換」ウィザードを使用して「独立リソース」カテゴリー内のすべてのプロジェクトを分析し、それらの変換方法を決定できます (例: ウィザードの支援による、バージョン 7.0 リソースからアプリケーションおよびライブラリーへの変換を参照してください)。 このウィザードは、変換が適切かどうか判断できるようにするため、リソースがどのように変換されるかを説明します。 例えば、いずれかのメッセージ・セット・プロジェクトが今後他のプロジェクトで必要になる場合、ウィザードはすべてのメッセージ・セット・プロジェクトをライブラリーに変換することを決定する可能性があります。 それでも、メッセージ・セット・プロジェクトが 1 つのソリューションのみで使用されることがわかっている場合、このメッセージ・セット・プロジェクトを別個のライブラリーにするのではなく、アプリケーションに含めることを選択できます。 この例の目的の場合、リソースは個別に変換されます。 |
2. | 共用プロジェクトをライブラリーに変換します。 | 最初に従属リソースが変換されます。
バージョン
7.0 メッセージ・フロー・プロジェクト MyFirstSolution は、CommonSubFlows メッセージ・フロー・プロジェクトに依存します。これはバージョン
8.0 にインポートしたときに自動的にメッセージ・ブローカー・プロジェクトに変換されました。
アプリケーションはメッセージ・ブローカー・プロジェクトを参照できません。
それで、CommonSubFlows が変換されるまで MyFirstSolution をアプリケーションに変換することはできません。
CommonSubFlows と SharedMessageSet は両方のソリューションで使用されるので、これらはライブラリーに変換されます。![]() |
3. | メインプロジェクトをアプリケーションに変換します。 | メッセージ・セット・プロジェクト MyFirstSolutionMessageSet と MyOtherSolutionMessageSet を今後他のソリューションで使用する可能性がある場合、この時点でこれらをライブラリーに変換します。
この例では、メッセージ・セット・プロジェクトが関連ソリューションのみで使用されるものとします。
それでここでは、MyFirstSolution と MyOtherSolution のメッセージ・ブローカー・プロジェクトはアプリケーションに変換できます。
以下の画像から、ライブラリーに変換されなかったメッセージ・セット・プロジェクトが関連アプリケーションに組み込まれたことがわかります。
ライブラリーに変換されたプロジェクトは各アプリケーションに参照としてリストされます。![]() |
変換後、各ソリューションでどのリソースが使用されるかが、より明確にわかるようになります。 デプロイメント時には、ソリューションでどのリソースを必要とするかを正確に把握しておく必要ありません。 以下の画像に、BAR ファイル・エディターの「準備」タブでアプリケーションを選択する方法と、必要なすべてのリソースがどのようにデプロイされるかを示します。
同様に、リソースの編成は、WebSphere Message Broker Explorer でブローカーを管理する際にも明確に示されます。