IDOC ドメインを使用して、WebSphere® MQ Link for R3 経由で SAP R3 クライアントからブローカーに送られるメッセージを処理することができます。 このようなメッセージは、SAP ALE IDocs として知られています。
注: IDOC ドメインは非推奨のドメインであり、新しいメッセージ・フローの開発にはお勧めしません。 それに代えて、TDS 物理フォーマットの MRM ドメインを使用します。
MRM パーサーおよびドメインを参照してください。
SAP から WebSphere MQ Link for R3 に送信された標準的な ALE IDoc メッセージは、MQMD ヘッダー、MQSAPH ヘッダー、および ALE IDoc そのもので構成されます。 IDoc は、以下のような固定サイズの構造で構成されます。
- 最初の構造は制御構造 (DC) です。 これは、長さが 524 バイトの複合エレメントであり、そこには SAP 定義のシンプル・エレメントの固定セットが入っています。
- 1 つ以上のデータ構造 (DD)。 各 DD は、長さが 1063 バイトの複合エレメントであり、そこには SAP 定義のシンプル・エレメントの固定セットが入っています。このセットは、63 バイトと、その後に続く 1000 バイトのユーザー定義のセグメント・データを占有します。
WebSphere Message
Broker は、IDOC パーサーを使用して、IDOC ドメインに属する ALE IDoc の読み取りおよび書き込みを行います。 メッセージを読み取るときは、IDOC パーサーはビット・ストリームからメッセージ・ツリーを構成します。
メッセージを書き込むとき、IDOC パーサーはメッセージ・ツリーからビット・ストリームを作成します。
IDOC パーサーは、DC 内の SAP 定義エレメントを処理してから、各 DD ごとに、IDOC パーサーは SAP 定義エレメントを処理し、次に MRM パーサーを呼び出して、その CWF 物理フォーマットを使ってユーザー定義のセグメント・データを処理します。 したがって、IDOC パーサーはモデル駆動型パーサーであり、このパーサーでは、IDoc メッセージをモデル化してブローカーにデプロイするためのメッセージ・セットを作成する必要があります。
IDOC ドメインで特定のメッセージを解析するには、以下を行う必要があります。
- CWF 物理フォーマットを使って新規のメッセージ・セットを作成するか、または既存のメッセージ・セットを見つけ出します。
- メッセージ・セットが、「デフォルト・メッセージ・ドメイン」プロジェクトを IDOC に設定しているか、または「IDOC」チェック・ボックス (「サポートされているメッセージ・ドメイン」の下の) が選択されていて、そのメッセージ・セットが IDOC ドメインをサポートすることが示されていることを確認します。
- メッセージを表すメッセージ定義ファイルを、メッセージ・セット内に作成します。 これに関係するステップの詳細は、IDOC パーサー用のメッセージ・モデルの作成を参照してください。
- メッセージ・セットをブローカー・アーカイブ (BAR) ファイルに追加して、MRM パーサーが使用するメッセージ・ディクショナリーを生成し、BAR ファイルをブローカーにデプロイします。
- メッセージ・フロー内の該当するノード上で、IDOC として「メッセージ・ドメイン」を選択します。
- さらに、このノード上で「メッセージ・セット」および「メッセージ形式」も選択します。 (「メッセージ・タイプ」を選択する必要はありません。)