ALE 処理中に、アダプターはビジネス・オブジェクトを SAP アプリケーションと交換します。 ビジネス・オブジェクトは個々の IDoc または IDoc パケットを表しています。 このビジネス・オブジェクトは、1 つ以上の IDoc の子オブジェクトを含む最上位のラッパー・オブジェクトであり、それぞれは単一の IDoc と対応しています。 同じビジネス・オブジェクト形式が、インバウンドとアウトバウンドの処理用に使用されます。
ラッパー・ビジネス・オブジェクトには、トランザクション ID、キュー名、および 1 つ以上の IDoc ビジネス・オブジェクトが含まれています。 トランザクション ID (SAPTransactionID) は、ビジネス・オブジェクトが一度限り送達されるようにするときに使用されます。また、キュー名 (qRFCQueueName) は、IDoc の送達先となる SAP サーバー 上のキューの名前を指定します。 トランザクション ID やキューを使用しない場合、これらのプロパティーはブランクになります。
個々の IDoc に対して、ラッパー・ビジネス・オブジェクトには 1 インスタンスの IDoc ビジネス・オブジェクトのみが含まれます。 IDoc パケットに対して、ラッパー・ビジネス・オブジェクトには複数インスタンスの IDoc ビジネス・オブジェクトが含まれます。
tRFC または qRFC フィーチャーを使用していなくても、ビジネス・オブジェクトにはトランザクション ID とキュー名の属性が存在します。
生成するビジネス・オブジェクト名を SAP XI 標準に合わせるには、「SAP 命名規則に従ってビジネス・オブジェクトを生成」を選択します。 詳しくは、「アダプター接続」ウィザードの SAP 接続のプロパティーを参照してください。
制御レコードは、SAP フィールドの名前または説明から生成できます。制御レコードのプロパティーを構成する際に、制御レコードを SAP フィールド名から生成するか、SAP フィールドの説明から生成するかを指定できます。制御レコードをフィールド名から生成する場合には、属性名を生成するために SAP フィールド名を使用するチェック・ボックスにチェックを入れます。
構文解析された IDoc にはデータ・レコード・ビジネス・オブジェクトが生成されます。このデータ・レコード・ビジネス・オブジェクトには、IDoc のすべてのセグメントが含まれています。各セグメントの中には子ビジネス・オブジェクトが含まれています。各セグメントの属性も、SAP フィールドの名前または説明を使用して生成できます。属性の名前は、SAP フィールドの名前から生成できます。
IDoc のデータ部分がアダプターによって構文解析されていない未解析 IDoc では、 IDoc ビジネス・オブジェクトにはダミー鍵、制御レコード、および IDoc データが含まれます。 IDoc データは、hexBinary 型のデータで、セグメントを含めたデータ・レコード全体をバイナリー・コンテンツで表します。