WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

SCARequest ノード

SCARequest ノードを使用して、WebSphere® Process Serverに要求を送信します。 このノードは同期要求/応答ノードであり、要求の送信後、応答を受信するまではブロックします。 このノードは、片方向要求も送信できます。

注: バージョン 7.5 以降、WebSphere Process Server の名前が IBM® Business Process Manager Advanced に変更されています。 このトピックで WebSphere Process Server バージョン 7.0 に言及している情報は、IBM Business Process Manager Advanced バージョン 7.5 にも当てはまります。

目的

SCARequest ノードは同期アウトバウンド両方向 (要求応答) 要求と片方向 (要求のみ) 操作を、WebSphere Process Server 上のビジネス・プロセスに送信します。

SCARequest ノードを構成するには、アウトバウンド・ブローカー SCA 定義 (.outsca) ファイルが必要です。 ブローカー SCA 定義には、SCA エクスポート・コンポーネントが使用するバインディングに関連した特定のデータが含まれています。

SCARequest ノードはパレットの「SCA」ドロワーに入っていて、WebSphere Message Broker Toolkit 内では次のアイコンによって表されます。

SCARequest ノード・アイコン

メッセージ・フロー内でのこのノードの使用

このノードは、WebSphere Process Server で実行されているアプリケーションを呼び出す必要のあるどのメッセージ・フローにおいても使用できます。

ローカル環境の次の場所で値を変更することにより、SSL クライアント認証鍵別名を変更できます。
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.WebServices.Transport.HTTP.KeyAlias

ローカル環境の次の場所で値を変更することにより、タイムアウトを変更できます。

LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Timeout

ローカル環境の次の場所で値を変更することにより、タイムアウトを変更できます。

LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Timeout

Web サービス・バインディングの場合は、要求の送信先 URL を変更できます。 ローカル環境の次の場所で、値を変更してください。

LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.WebServices.Transport.HTTP.WebServiceURL

MQ バインディングの場合は、次の場所で値を変更することにより、 要求キュー・マネージャーおよび要求キューを変更できます。

LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.MQ.queueManagerName
LocalEnvironment.Destination.SCA.Request.Binding.MQ.queueName

SCARequest ノードの構成

メッセージ・セットに、拡張子が .outsca のブローカー SCA 定義が含まれていることを確認してください。この定義を使用して SCARequest ノードを構成します。

SCARequest ノードのインスタンスをメッセージ・フローに挿入する方法は 2 つあります。ノード・パレットからノードのインスタンスをメッセージ・フロー・エディターのキャンバスにドラッグするか、メッセージ・セットから拡張子が .outsca のブローカー SCA 定義をそのキャンバスにドラッグできます。

ノードをキャンバスにドラッグする
ノードのインスタンスをパレットからキャンバスにドラッグした場合、以下のいずれかの方法で構成を開始できます。
  • 拡張子 .outsca のブローカー SCA 定義をノードにドラッグします。
  • ノードの「プロパティー」ビューにある「SCA ファイル名」オプションにファイル名を入力します。
  • ファイルを参照します (ノードの「プロパティー」ビューの「SCA ファイル名」オプション)。
.outsca ファイルをキャンバスにドラッグする
  • .outsca ファイルに単一の片方向操作だけが定義されている WSDL が含まれている場合、SCARequest ノードが作成されます。
  • .outsca ファイルに要求応答操作だけが入っている WSDL が含まれている場合、最初にその操作を選択してから、アウトバウンド要求の送信を同期的に行うか非同期的に行うかを指定します。 同期要求の場合、SCARequest ノードが作成され、構成されます。 非同期要求の場合、SCAAsyncRequest ノードと SCAAsyncResponse ノードのペアが作成され、構成されます。
  • .outsca ファイルに片方向操作と要求応答操作が混合されて定義されている WSDL が含まれている場合に、片方向操作を選択すると、SCARequest ノードが作成されます。

要求に両方向操作が含まれていると、ノードは応答メッセージを受信するまで、またはタイムアウト・プロパティーによって定義されている時間 (デフォルトでは 120 秒) ブロックされます。 タイムアウト期間を過ぎると、SCARequest の入力ターミナルで受信されたメッセージは、Failure ターミナルに伝搬されます。

SOAP、XMLNSC、XMLNS、MRM、MIME、JSON、DFDL、および BLOB の各ドメインを使用して応答を解析できます。
  • バインディング・タイプ「Web サービス」の場合、メッセージ・ドメインは SOAP です。
  • バインディング・タイプ「MQ」の場合、いずれかの操作に XML 以外のデータのバインディングが含まれるとデフォルト・ドメインは BLOB です。 すべての操作が XML データのバインディングの場合には、デフォルト・ドメインは XMLNSC です。 SCA エクスポートが com.ibm.websphere.sca.mq.data.impl.mqdatabindingimplxml または com.ibm.wbiserver.datahandler.xml.XMLDataHandler を使用する場合、データ・バインディングは XML として識別されます。

要求に片方向操作が含まれる場合、ノードは要求メッセージを送信してから、入力メッセージを Out ターミナルを経由するようにルーティングします。 この場合、「応答メッセージの構文解析」タブ内のプロパティーは使用できません。

ノードの多くのプロパティーの値は、ブローカー SCA 定義によって提供されます。 ノードのプロパティーが、「プロパティー」ビューに表示されます。 値を入力する必要のあるすべての必須プロパティー (デフォルト値が定義されていないプロパティー) には、アスタリスクが表示されます。

SCAAsyncRequest ノードで SSL を使用するように構成する方法について詳しくは、Public Key Infrastructure のセットアップを参照し、SOAPAsyncRequest ノードに関連する情報を確認してください。

ターミナルおよびプロパティー

SCARequest ノードのターミナルについては、次の表に説明されています。

名前 タイプ 説明
In 入力データ ノードは、In ターミナルに着信するメッセージにより駆動されます。
Out 出力データ メッセージが外部リソースに送信されると、Out ターミナルに送られます。状況情報が追加される以外、変更されません。
Failure 出力データ ノードでの失敗は failure ターミナルに送信されます。
障害 出力データ 外部システムからの SOAP 障害は、このターミナルに送信されます。 このターミナルが使用されるのは、バインディング・タイプが Web サービスの場合のみです。

以下の表は、ノード・プロパティーについて説明しています。 M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力することが必要なら、アスタリスクのマークが付きます)。 C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 (メッセージ・フローを BAR ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できる) かどうかを示します。

SCARequest ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。

プロパティー M C デフォルト 説明
ノード名 いいえ いいえ ノード・タイプ ノードの名前。
簡略説明 いいえ いいえ なし ノードの簡単な説明
詳細説明 いいえ いいえ なし メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト
SCARequest ノードの基本プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
ブローカー SCA 定義 はい いいえ なし SCA 要求ノードの構成プロパティーを含む、ブローカー SCA 定義の名前。 「参照」ボタンをクリックして、現在のワークスペース内にある関連するブローカー SCA 定義すべてをリスト表示します。
SCARequest ノードの「バインディング」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
バインディング・タイプ はい いいえ なし SCA エクスポートで検出されたバインディング・タイプ。
要求タイムアウト いいえ はい 120 要求が WebSphere Process Server からの応答を待機してタイムアウトになるまでの秒数。 タイムアウト期間を過ぎると、SCARequest の入力ターミナルで受信されたメッセージは、Failure ターミナルに伝搬されます。 ブローカー SCA 定義 (インバウンド) に片方向操作のみが含まれる場合には、このプロパティーは無効になります。
以下の表に、Web サービス・プロパティーについて説明します。 これらのプロパティーが表示されるのは、バインディング・タイプが Web サービスの場合のみです。
プロパティー M C デフォルト 説明
WSDL ファイル名 はい いいえ <なし> このプロパティー・タイプはストリングです。 「WSDL ファイル名」フィールド用の WSDL ファイルを選択すると、それが WS-I 準拠であることを確認するために WSDL が検証されます。 SCA ノードを構成する場合、デプロイ可能 WSDL のみを使用することができます。 有効な WSDL ファイルが選択されると、参照が存在していないのであれば、WSDL ファイルが所属しているメッセージ・セット・プロジェクトが、対応するフロー・プロジェクトに参照先プロジェクトとして追加されます。
ポート・タイプ はい いいえ WSDL から取得 このプロパティー・タイプはストリングです。 このフィールドには、「WSDL ファイル名」プロパティーで選択された WSDL ファイルに定義されているすべてのポート・タイプがリストされます。
エラー条件:
  • 選択したポート・タイプに少なくとも 1 つの操作が入っていない場合。

ゲートウェイ・モードで作動するようにノードが構成されると、WSDL プロパティーは無効になります。

インポートされたバインディング はい いいえ WSDL から取得 このプロパティー・タイプはストリングです。

このプロパティーは、ポート・タイプの値が変更されるたびに更新されます。 このフィールドでは、HTTP または JMS のトランスポートを使用するインポート済みの SOAP バインディングのうち、選択したポート・タイプに関連したバインディングのリストが生成されます。 バインディングを選択すると、関連するトランスポートのプロパティー・タブが有効になります。そうでない場合は、無効になります。

バインディングは、WSDL ファイルでの出現順と同じ順序でリストされます。 選択されるバインディングは、ポートと操作の両方を持つバインディングです。 そのようなバインディングがない場合には、ポートのあるバインディングが選択されます。 ポートを持つバインディングがない場合には、リストの最初のバインディングが選択されます。

エラー条件:
  • WSDL ファイル内の SOAP バインディング (HTTP または JMS トランスポートによる) が、ポート・タイプに関連付けられていない場合。
  • 選択されたバインディングに操作がない。

ゲートウェイ・モードで作動するようにノードが構成されると、WSDL プロパティーは無効になります。

操作 はい いいえ WSDL から取得 このプロパティー・タイプはストリングです。

「バインディング操作」ボックスには、選択されたバインディングによって定義されているすべての操作が含まれています。 デフォルトでは、リスト中の最初の操作が選択されます。 このプロパティーは、選択されたバインディングの値が変更されるたびに更新されます。

ゲートウェイ・モードで作動するようにノードが構成されると、WSDL プロパティーは無効になります。

サービス・ポート はい いいえ WSDL から取得 このプロパティー・タイプはストリングです。 このフィールドは、選択されたバインディングが更新される度に更新されます。 このフィールドには、選択されたバインディングを指す WSDL ポートのすべてがリストされます。 デフォルトでは、バインディングの最初のサービス・ポートが選択されます。 このプロパティーは、選択されたバインディングの値が変更されるたびに更新されます。
エラー条件:
  • 選択されたバインディングを指すポートがない場合。

ゲートウェイ・モードで作動するようにノードが構成されると、WSDL プロパティーは無効になります。

ターゲット・ネーム・スペース はい いいえ WSDL から取得 「ターゲット・ネーム・スペース」は読み取り専用フィールドとしてインプリメントされます。

この非表示プロパティーのタイプはストリングです。 これは、WSDL ファイル名の構成時に、WSDL ファイルのターゲット・ネーム・スペースを使って更新されます。

ゲートウェイ・モードで作動するようにノードが構成されると、WSDL プロパティーは無効になります。

Web サービス URL はい はい なし 選択された SOAP アドレスの URL。 このプロパティーは、選択された「サービス・ポート」<soap:address> エレメントから自動的に派生されます。 選択されたポートが更新されるたびに、Web サービス URL もそれに従って更新されます。 ただし、この値をオーバーライドすると、オーバーライドした値が保持され、URL はサービス・ポートから更新されなくなります。
このプロパティーをオーバーライドすることを選択した場合は、それを http://<hostname>[:<port>]/[<path>] という形式で指定する必要があります。ここでそれぞれの部分は次のとおりです。
  • http://<hostname> が指定される必要があります。
  • <port> のデフォルトは 80 です。 値を指定する場合、ポート番号の前のコロン : を組み込む必要があります。
  • <path> のデフォルトは / です。 値を指定する場合は、パスの前に / を組み込む必要があります。

このプロパティーの指定変更の方法について詳しくは、SOAPRequest ノードまたは SOAPAsyncRequest ノードの要求のデフォルト URL の変更を参照してください。

SOAP 本体だけを伝搬 (XMLNSC ドメインの所有) いいえ いいえ false 選択すると、SOAP 本体だけが伝搬されます。選択しない場合には、SOAP メッセージ全体が伝搬されます。
WS-Addressing の使用 いいえ いいえ false WS-Addressing を使用する場合は、このチェック・ボックスを選択します。
SSL クライアント認証鍵別名 いいえ はい "" (空ストリング) keyAlias プロパティーでは、SCA 接続のクライアント・サイドの SSL 認証別名を指定します。デフォルト値が設定されると、最初の適切な鍵が自動的に選択されます。
以下の表に、MQ プロパティーについて説明します。 これらのプロパティーが表示されるのは、バインディング・タイプが MQ の場合のみです。
プロパティー M C デフォルト 説明
操作 はい いいえ WSDL から取得 WSDL ファイル内で選択したバインディングからの選択対象操作。 この WSDL は表示されません。この WSDL はブローカー SCA 定義ファイルにあります。
キュー名 はい はい なし WebSphere Message Broker から要求メッセージを受け取るキュー。
キュー・マネージャー名 はい はい なし WebSphere Message Broker から要求を受け取るキュー・マネージャー。
応答先キュー名 はい はい なし WebSphere Process Server から応答メッセージを受け取るキュー。
応答先キュー・マネージャー名 いいえ はい なし WebSphere Process Server から応答を受け取るキュー・マネージャー。
応答メッセージ相関 はい いいえ FromMsgId このプロパティーは、WebSphere Message Broker が応答メッセージ内の相関 ID 情報をどのように完成させるかを示します。

SCARequest ノードの「応答メッセージの構文解析」プロパティーについては、次の表に説明されています。 このノードはこうしたプロパティーを自動的に設定します。どのような場合に変更できるのかを表に記述します。 .

プロパティー M C デフォルト 説明
メッセージ・ドメイン いいえ いいえ 対応するノード内で定義されているバインディングに従って自動的に設定 応答メッセージの構文解析に使用されるドメイン。 この値は、バインディング・タイプに従って決まります。 バインディング・タイプが MQ の場合は、このプロパティーを変更できます。 バインディング・タイプが Web サービスの場合は、このプロパティーは読み取り専用です。
メッセージ・モデル いいえ いいえ 対応するノード内で選択されているブローカー SCA 定義に従って自動的に選出 応答メッセージが定義されているメッセージ・モデルの名前または場所。 「メッセージ・モデル」は、対応するノード上で構成される SCA ファイルが入っているメッセージ・モデルに自動的に設定されます。 このプロパティーは読み取り専用です。
メッセージ いいえ いいえ 対応するノード内で選択されているブローカー SCA 定義に従って自動的に選出 ノードはメッセージを自動的に検出します。 バインディング・タイプが MQ でメッセージ・ドメインが MRM の場合は、このプロパティーを変更できます。 バインディング・タイプが Web サービスの場合は、このプロパティーは変更できません。
物理形式 いいえ いいえ   応答メッセージの物理フォーマットの名前。バインディング・タイプが MQ でメッセージ・ドメインが MRM の場合は、このプロパティーを変更できます。 バインディング・タイプが Web サービスの場合は、このプロパティーは変更できません。
以下の表に、妥当性検査プロパティーについて説明します。 詳しくは、妥当性検査プロパティーを参照してください。
プロパティー M C デフォルト 説明
妥当性検査 いいえ はい 内容と値 このプロパティーは、妥当性検査を行うかどうかを制御します。 有効な値は、「なし」「内容と値」、および 「内容」です。
失敗時の処置 いいえ いいえ 例外 このプロパティーは、妥当性検査が失敗した場合の動作を制御します。 「妥当性検査」「内容」 または 「内容と値」 に設定した場合にのみ、このプロパティーを設定できます。 有効な値は、「ユーザー・トレース」「ローカル・エラー・ログ」「例外」、および「例外リスト」です。
ノードのモニター・プロパティーが、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
イベント いいえ いいえ なし ノードに対して定義したイベントが、このタブに表示されます。 デフォルトでは、メッセージ・フローのどのノードに対してもモニター・イベントは定義されません。 ノードのモニター・イベントを作成、変更、または削除するには、「追加」「編集」、および「削除」を使用します。詳しくは、モニター・プロパティーを使用したモニター・イベント・ソースの構成を参照してください。

「使用可能」チェック・ボックスを選択またはクリアすることによって、ここに表示されているイベントを使用可能および使用不可に設定できます。

特記事項 | 商標 | ダウンロード | ライブラリー | サポート | フィードバック

Copyright IBM Corporation 1999, 2014Copyright IBM Corporation 1999, 2014.

        
        最終更新:
        
        最終更新: 2015-02-28 17:48:46


参照トピック参照トピック | バージョン 8.0.0.5 | bc34002_