WebSphere Message Broker バージョン 8.0.0.5 オペレーティング・システム: AIX、HP-Itanium、Linux、Solaris、Windows、z/OS

製品の最新バージョンについては、IBM Integration Bus バージョン 9.0 をご覧ください。

FileOutput ノード

FileOutput ノードを使用して、ファイルにメッセージを書き込みます。

目的

メッセージ・フロー・トランザクションから 1 つ以上のメッセージを、ブローカーのファイル・システム内のファイルに書き込むことができます。 各メッセージは、ファイルへの書き込み時に、レコード という一連のバイトに変換されます。 ファイルの処理を完了し、指定した出力ディレクトリー、またはリモート FTP サーバーまたはリモート SFTP サーバー内のディレクトリーに配置するプロセスがトリガーされるまで、レコードは累積されます。 ノード上のプロパティーは、レコードをファイルに累積する方法と、終了時にそれらのファイルをどこに入れるかを指定します。

FileOutput ノードはパレットの「ファイル」ドロワーに入っていて、ワークベンチでは次のアイコンによって表されます。

FileOutput ノード・アイコン

レコードの処理

FileOutput ノードは、一連の 1 つ以上のレコードとしてファイルを書き込みます。 各レコードは、ノード上の In ターミナルで受信された 1 つのメッセージから生成されます。

デフォルトでは各ファイルに 1 レコードの構成ですが、FileOutput ノードのプロパティーを設定すれば、ファイルが複数のレコードで構成されること、およびファイルにレコードをどのように蓄積するかを指定できます。 複数のレコードが書き込まれる場合、FileOutput ノードは最初に空ファイルを作成し、Finish File ターミナルがメッセージを受信するまでそのファイルにレコードを書き込みます。 このノードは、存在するファイルに新しいレコードを追加しません。 次のような方法で、複数のレコードを 1 つのファイルに累積することができます。
  • 連結: 各メッセージから作成されたレコードが、変更されずにファイルに追加されます。
  • 埋め込み: 各レコードは、特定の長さになるように調整されて、必要があれば埋め込みバイトが埋め込まれたうえで、ファイルに追加されます。
  • 区切り文字で区切られている: ファイルへのレコードの追加時に、区切り文字を使用してレコードを分離または終了します。

In ターミナルまたは Finish File ターミナルのどちらであっても、受信されたメッセージごとに、そのメッセージのエレメントを使用して、出力ディレクトリーと、書き込まれる (または終了される) ファイルの名前を変更することができます。 ノードでそのようなエレメントを指定できますが、デフォルトではこのエレメントは、「要求」 プロパティー・タブ上のローカル環境内のエレメントを識別します。

ファイルの処理

FileOutput ノードは、以下のいずれかの時点で、累積されたメッセージをファイルに書き込んでそれを指定ディレクトリー (出力ディレクトリー) に格納します。
  • ファイルに 1 つのレコードが入る場合には、各レコードの後。 (「レコードおよびエレメント」タブで、「レコードの定義」プロパティーを「レコードはファイル全体です」に設定して、この動作を指定してください。)
  • Finish File ターミナルがメッセージを受信したとき。
出力ディレクトリー名と出力ファイル名は、指定したノード・プロパティーによって、および処理されるメッセージのエレメントによって判別されます。

FileOutput ノードは、処理中および処理後に、出力ディレクトリーのサブディレクトリーを使用してファイルを保管します。 これらのサブディレクトリーすべてには接頭部 mqsi が前につき、mqsitransit (一時ディレクトリー) および mqsiarchive (アーカイブ・ディレクトリー) と呼ばれるサブディレクトリーを含みます。 レコードは、出力ディレクトリー内のファイルに直接累積されるのではなく、一時ディレクトリー内のファイルに累積されます。 ファイルが完成すると、ファイルは一時ディレクトリーから出力ディレクトリーに移動されます。 出力ディレクトリーに移動されるファイルと同じ名前のファイルが既にそこに存在する場合、出力ディレクトリーにある既存のファイルを削除する、アーカイブ・ディレクトリー (mqsiarchive) に移動する、または名前を変更してからアーカイブ・ディレクトリーへ移動する、のいずれかを選択できます。

FileOutput ノードが、ファイル処理の一環としてファイルをリモート FTPまたは SFTP サーバーに転送するように指定できます。 ファイルが正常に転送されると、そのファイルを、ローカル・ファイル・システムから削除するか、またはオプションで、残りのファイル処理の通常の実行に備えて保存しておくことができます。 このサーバーは、ノードの「リモート・サーバーおよびポート」プロパティーで識別されます。 このノードのプロパティーは、ローカル環境で値を設定することによりオーバーライドすることもできます。 また、ローカル環境を使用して、FTP 転送または SFTP 転送の前または終了後に実行するコマンドを指定することもできます。 詳しくは、FileOutput ノード上のリモート・サーバーに関するローカル環境のオーバーライドを参照してください。

ファイル転送オペレーションの際に、FileOutput は宛先ファイルを作成します。 ただし、宛先ファイルはファイル転送が完了する前でも読み取り可能です。 それで、ファイル転送が完了するまでは、リモート・アプリケーションが宛先ファイルを読み取らないようにしてください。

複数のレコードの書き込みでは、ノードの Finish File ターミナルでメッセージが受信されるまで、ファイル処理は発生しません。 Finish File ターミナルでメッセージを受け取ると、一時ディレクトリーから指定の出力ディレクトリーに (あるいはリモート FTP または SFTP ディレクトリーに) ファイルが移動されます。

一時ディレクトリーにファイルが存在しないときにファイル処理が開始しても、エラーではありません。

「レコードおよびエレメント」タブで「レコード定義」プロパティーを「レコードはファイル全体」に設定した場合、Finish File 処理で受信したメッセージは無視されます (ファイルは既に処理済みであるため)。

メッセージの伝搬

In ターミナルでメッセージが受信されてノードで正常に処理されるたびに、コピーが Out ターミナルに伝搬されてさらに処理されます (ターミナルが接続されている場合)。

Finish File ターミナルでメッセージが受信されてノードで正常に処理されるたびに、コピーが End of Data ターミナルに伝搬されてさらに処理されます (ターミナルが接続されている場合)。

FileOutput ノードは、Out ターミナルまたは End of Data ターミナルにメッセージを伝搬するときに、情報を LocalEnvironment.WrittenDestination.File メッセージ・ツリーに格納します。 以下の表は、LocalEnvironment.WrittenDestination.File エレメントを説明しています。
エレメント名 エレメント・データ・タイプ 説明
Directory CHARACTER ブローカーのファイル・システムで使用されるフォームの、出力ディレクトリーの絶対パス。 例えば、Windows システムでは、ディレクトリー・パスはドライブ名接頭部 (C: など) で始まります。
Name CHARACTER 出力ファイルの名前。
Action CHARACTER 指定できる値は以下のとおりです。
  • Replace。同名の出力ファイルが置き換えられる場合。
  • Create。新規の出力ファイルが作成される場合。
  • Append。このメッセージが、出力ファイルに追加されるレコードに関連付けられる場合。
  • Finish。Finish File メッセージが受信されたのに、終了するファイルが見つからない場合 (例えば、「レコードはファイル全体」を指定して、メッセージが Finish File ターミナルに送信された場合)。
  • Transmit。ファイルが FTP または SFTP によって転送され、ファイルが保存されなかった場合。
Timestamp CHARACTER ノードがこのファイルの処理を開始したときの、文字ストリング・フォームの日時。 この値は、「基本」タブの「ファイルが存在する場合のアクション」プロパティーに「既存のファイルのタイム・スタンプ、保存、および置換」と「既存のファイルへ付加」を設定した場合にアーカイブされるファイルの名前の接頭部になります。

複数インスタンス

いくつかのメッセージ・フローを同じファイルに書き込む可能性があるのは、フローの追加インスタンスがある場合か、または FileOutput ノードが入った複数のフローがある場合です。 FileOutput ノードでは、実行グループ内、および複数の実行グループ間でファイルに同時に書き込むことができるのは、1 つのインスタンスだけです。 レコードが書き込まれている間、実行グループ内の他のすべてのインスタンスは待機する必要があります。 インスタンスがアクセス権を取得する順序は、定義されていません。

ファイルが完成すると、最初にアクセス権限を得るインスタンスがそれを処理するため、他のインスタンスではそのファイルは検出されません。 一時ディレクトリー内でファイルを発見できないすべてのインスタンスでは、LocalEnvironment.WrittenDestination.File メッセージ・ツリーの Action エレメントが Finish に設定されます。

メッセージ・フロー内でのこのノードの使用

FileOutput ノードは、ファイルにメッセージを送信するどのメッセージ・フローにおいても使用できます。 ファイルの処理を参照してください。 このノードの使用法については、以下のサンプルも参考になります。

サンプルに関する情報は、WebSphere® Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センター、またはオンライン・インフォメーション・センターを使用する場合にのみ表示できます。 サンプルは、WebSphere Message Broker Toolkit に統合されているインフォメーション・センターを使用する場合にのみ実行できます。

FTP を使用するようにファイル・ノードを構成した場合、リモート FTP サーバーに直接接続する代わりに、ネットワークでファイル・ノードを FTP プロキシー・サーバーに接続する必要がある場合があります。 ファイル・ノードをどのように構成して FTP プロキシーを使用するかは、プロキシーが要求をどう処理するかによって異なります。 一部の FTP プロキシーの場合、mqsisetdbparms コマンドで作成した、ログオン資格情報の中のターゲット FTP サーバーの情報をエンコードする必要があります。 例えば、一部の FTP プロキシーは次の値をサポートしています。
Username: FtpTargetHostUsername@ProxyUserName@TargetFtpHostname 
Password: TargetFtpUserPassword@ProxyUserPassword
別のエンコードが必要なプロキシーもあれば、外部構成が必要なプロキシー、またはファイル・ノードでは使用できないプロキシーもあります。

FileOutput ノードの構成

FileOutput ノードのインスタンスをメッセージ・フローに入れると、JMSReply ノードを構成する必要があります。(詳しくは、メッセージ・フロー・ノードの構成を参照してください。) ノードのプロパティーが、「プロパティー」ビューに表示されます。 値を入力する必要のある (デフォルト値が定義されていないプロパティ) すべての必須プロパティーには、そのビュー内でアスタリスクのマークが付けられます。

ターミナルおよびプロパティー

FileOutput ノードのターミナルについては、次の表に説明されています。

ターミナル 説明
In ノードが処理するメッセージを受け入れる入力ターミナル。
Finish File ファイルの最終処理をトリガーするメッセージを受け入れる入力ターミナル。
Out レコードの書き込みが正常に完了した場合、In ターミナルで受信されたメッセージは、このターミナルに伝搬されます。 Local Environment 内の状況情報を除いて、メッセージは未変更のままになります。
End of Data ファイルが正常に処理された場合、Finish File ターミナルで受信されたメッセージは、このターミナルに伝搬されます。
Failure メッセージが伝搬される際に障害が検出された場合に、メッセージがルーティングされる出力ターミナル。

以下の表は、指定したタブで設定できるノード・プロパティーについて説明しています。 M の見出しの列は、プロパティーが必須 かどうかを示します (デフォルトが定義されていない場合に値を入力することが必要なら、アスタリスクのマークが付きます)。 C の見出しの列は、プロパティーが構成可能 (メッセージ・フローを BAR ファイルに追加してデプロイするとき、値を変更できる) かどうかを示します。

FileOutput ノードの「説明」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
ノード名 いいえ いいえ FileOutput ノードの名前。
簡略説明 いいえ いいえ   ノードの簡単な説明
詳細説明 いいえ いいえ   メッセージ・フロー内のノードの目的を説明するテキスト
FileOutput ノードの「基本」プロパティーについては、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
ディレクトリー いいえ はい なし FileOutput ノードがファイルを配置する出力ディレクトリーを指定します。 絶対または相対のどちらかのディレクトリー・パスとして、ディレクトリーを指定します。 ディレクトリー・パスを相対パスにすると、それは、環境変数 MQSI_FILENODES_ROOT_DIRECTORY に指定されているディレクトリーをベースとします。 以下に例を示します。
  • Windows の場合: C:¥fileoutput
  • UNIX の場合: /var/fileoutput
MQSI_FILENODES_ROOT_DIRECTORY で識別されるディレクトリーにファイルを書き込むには、必ず値 .(ピリオド) をこのプロパティーに指定してください。

使用する出力ディレクトリー・パスは、現在のメッセージ内の値を設定することにより指定変更できます。 詳細については、「要求」タブ・プロパティーの項目を参照してください。

outputDirectory
ファイル名またはパターン いいえ はい なし ファイル名のパターンを指定します。 このプロパティーによって、FileOutput ノードで作成されるファイルの名前が定義されます。 値は、特定のファイル名であるか、またはファイル名に一致する文字シーケンス (パターン) のいずれかです。 このプロパティー・フィールドでは、1 つのワイルドカード文字 (アスタリスク *) を使ったパターンのみを指定できます。 使用するファイル名は、次のようにして判別されます。
  • ファイル名中でワイルドカードが使用されていない場合、このプロパティーの値は、作成されるファイルの名前になります。 この値は、メッセージ・フローのデプロイ先になるブローカーをホストするファイル・システム、または FTP ファイル・システム上で有効なファイル名でなければなりません。
  • ファイル名中で 1 つのワイルドカード文字が使用されている場合、そのワイルドカード文字は、現在のメッセージ中のエレメント LocalEnvironment.Wildcard.WildcardMatch に置き換えられ、その結果の値が、作成されるファイルの名前になります。 この値は、メッセージ・フローのデプロイ先になるブローカーをホストするファイル・システム、または FTP ファイル・システム上で有効なファイル名でなければなりません。 WildcardMatch 値が見つからない場合、ワイルドカード文字は空ストリングに置き換えられます。
ファイルの名前は、現在のメッセージ内の値を設定することにより指定変更できます。 詳細については、「要求」タブ・プロパティーの項目を参照してください。 「ファイル名またはパターン」プロパティーが空の場合、現在のメッセージを使用してこの名前を指定変更する必要があります。 ワイルドカードの置換が起きるのは、このようなやり方でこのプロパティーが指定変更されない場合のみです。

ファイル名は、ブローカーがアクセスできるファイル・システムに渡されます。またファイル名は、そのファイル・システムの規則に準拠していなければなりません。 例えば、Windows システムではファイル名の大/小文字は区別されませんが、UNIX システムでは大/小文字が区別されます。

outputFilename
ファイルに書き込むためのモード はい いいえ 一時ディレクトリーに段階的に書き込みます。 ファイルを段階的に書き込む必要があるのか、または直接書き込むのかを指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 一時ディレクトリーに段階的に書き込み、Finish File で出力ディレクトリーに移動します
  • 出力ファイルに直接書き込みます
 
ファイルが存在する場合のアクション はい いいえ 既存ファイルの置換 完成したファイルをどのように処理するかを指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 「既存ファイルの置換」 (デフォルト値) は、出力ディレクトリー内に同名のファイルが存在する場合に、それを新規のファイルに置き換えることを指定します。
  • 「既存のファイルに追加」は、出力ファイルを一時ディレクトリーに移動して、ファイル内容をファイルに追加します。 ファイルは追加が完了すると、出力ディレクトリーに移動されます。
  • 「ファイルが存在する場合は失敗」を指定すると、ファイルが新規作成され、出力ディレクトリーに同名のファイルが存在する場合は新規ファイルは一時ディレクトリーに置かれたままになり、例外 BIP3307 が生成されます。
  • 「既存ファイルのアーカイブと置換」は、出力ディレクトリー内に同名のファイルが存在する場合は、それをアーカイブ・ディレクトリーに移動してから、新規のファイルを出力ディレクトリーに入れることを指定します。 同じ名前のファイルがアーカイブ・ディレクトリーに存在する場合、例外が生成されます。
  • 「既存のファイルのタイム・スタンプ、保存、および置換」を指定すると、出力ディレクトリー内に同名のファイルが存在する場合、タイム・スタンプ (文字ベース・バージョンの日時) を使ってその名前を拡張してから、アーカイブ・ディレクトリーに移動します。 タイム・スタンプの書式は、UTC 時間で yyyyMMdd_HHmmss_SSSUUU です。 ここで、UUU はタイム・スタンプが固有であるための追加 ID です。
 
重複するアーカイブ・ファイルを置き換える はい いいえ 選択されていない 「ファイルが存在する場合のアクション」「既存のファイルの保存および置換」または「既存のファイルのタイム・スタンプ、保存、および置換」を指定する場合、「重複するアーカイブ・ファイルを置き換える」チェック・ボックスを選択して、アーカイブ・ディレクトリーに移動するファイルによって、そこに既に存在する同じ名前のファイルを置き換えることを指定します。

デフォルトでは、このチェック・ボックスはクリアされています。 このチェック・ボックスを選択しない場合、アーカイブ・ディレクトリーに移動されるファイルと同じ名前のファイルが既にそこに存在するなら、例外が生成されて、新しいファイルは一時ディレクトリーの中に残ります。

 

FileOutput ノードの「要求」プロパティーについては、次の表に説明されています。

これらのプロパティーは、書き込まれるデータのロケーションと、「基本」タブの「ディレクトリー」および「ファイル名またはパターン」プロパティーを指定変更する制御情報を指定します。 このタブ上でプロパティーを XPath または ESQL 式で指定することができます。 コンテンツ・アシストは、「プロパティー」ペインで選択することができ、さらに、各プロパティーの右側にある「編集」 ボタンを使用して起動できる XPath Expression Builder でも選択できます。
プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
データのロケーション はい いいえ $Body 入力データのロケーションを指定します。 これは、出力ファイルに書き込むレコードを格納している入力メッセージ・ツリー内のロケーションです。 デフォルト値は $Body です。これは、メッセージ本体全体 ($InputRoot.Body) を意味します。
このプロパティーを指定するとき、それによって識別されるメッセージ・ツリー内のデータがモデル駆動型パーサー (MRM パーサーや XMLNSC パーサーなど) によって所有される場合には、以下の点を考慮してください。
  • MRM CWF フォーマットを使用する場合、識別されたメッセージ・ツリーが、メッセージ定義として存在することを確認します。 このエレメントがグローバル・エレメントのみと定義されている場合、例外 BIP5180 および BIP5167 が生成されます。
  • MRM TDS フォーマットを使用する場合、識別されたメッセージの直列化が成功するのは、エレメントがグローバル・エレメントまたはメッセージと定義されている場合です。 ただし、識別されたフィールドがグローバル・エレメントまたはメッセージと確認されない場合、次の条件が適用されます。
    • フィールドがメッセージ・ツリー内のリーフ・フィールドである場合、そのフィールドは、自己定義フィールドとして書き込まれます。 妥当性検査が有効になっていても、妥当性検査は実施されません。
    • フィールドが複合エレメントである場合、内部例外 (BIP5522) が生成されます。これは、論理タイプをストリングに変換できないことを示します。
  • MRM XML を使用している場合、イベントは、MRM TDS フォーマットの場合に似通っています。ただし、フィールドが複合エレメントである場合は、自己定義フィールドとして書き込まれることを除きます。
  • XMLNSC パーサーを使用する場合、妥当性検査が有効になっていても、妥当性検査は実施されません。
 
要求ディレクトリー・プロパティーの場所 はい はい $LocalEnvironment/Destination/File/Directory 「基本」タブ上の「ディレクトリー」プロパティーを指定変更する値のロケーションを指定します。 ロケーションを指定しない場合、デフォルト値は $LocalEnvironment/Destination/File/Directory になります。 ロケーションを指定しても、エレメントが空であるかまたは欠落している場合、「ディレクトリー」プロパティーが使用されます。 エレメントはデータ型 CHARACTER を持ち、絶対または相対のどちらかのディレクトリー・パスです。 ブローカーが実行されるファイル・システムに準じたパスの分離文字 (「/」または「¥」) を使用します。 末尾のパス分離文字は無視されます。 相対ディレクトリー・パスは、MQSI_FILENODES_ROOT_DIRECTORY 環境変数の値がベースになります。 requestDirectoryLocation
要求ファイル名プロパティーの場所 はい はい $LocalEnvironment/Destination/File/Name 「基本」タブ上の「ファイル名またはパターン」プロパティーを指定変更する値のロケーションを指定します。 エレメントはデータ型 CHARACTER を持ち、明示的なファイル名です。 この値の場合、ワイルドカードの置換は起きません。メッセージがノードの In ターミナルまたは Finish File ターミナルで受信されたときにこのプロパティーがローカル環境にない場合、デフォルトで、「基本」タブの「ファイル名またはパターン」プロパティーを使用します。 requestNameLocation

FileOutput ノードの「レコード」プロパティーについては、次の表に説明されています。

これらのプロパティーは、FileOutput ノードがメッセージから派生したレコードを書き込む方法を指定します。
プロパティー M C デフォルト 説明
レコード定義 はい いいえ レコードはファイル全体 レコードをどのように出力ファイル内に置くかを指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 「レコードはファイル全体」は、ファイルに 1 つのレコードを入れることを指定します。 このファイルは、レコードの書き込み後にただちに終了します。FileOutput ノードは、Finish File ターミナル上のメッセージを待機しません。 この値はデフォルトです。
  • 「レコードは未変更データ」は、埋め込みや区切り文字を使用しないで、ファイル内にレコードを累積することを指定します。 ファイルが終了するのは、Finish File ターミナルでメッセージが受信された時のみです。
  • 「レコードは固定長データ」は、必要に応じてレコードが指定の長さになるように埋め込みを行って、連結によってレコードをファイル内に累積することを指定します。 その長さは、「長さ」プロパティーに指定します。 レコードが「長さ」に指定された値より長い場合、ノードは例外を生成します。 「埋め込みバイト」プロパティーを使用して、必要な長さに合わせてメッセージに埋め込みを行うのに使用するバイトを指定します。 Finish File ターミナルでメッセージが受信されるまで、レコードがこのファイルに追加されます。
  • 「レコードは区切り文字で区切られたデータ」。レコードを区切り文字で分離し、連結によって累積することを指定します。 区切り文字は、「区切り文字」「カスタム区切り文字」、および「区切り文字タイプ」プロパティーで指定します。 Finish File ターミナルでメッセージが受信されるまで、レコードがこのファイルに追加されます。
長さ はい いいえ 80 「レコード定義」「レコードは固定長データ」を指定した場合のレコードの長さ (バイト数) を指定します。 レコードがこの値より長い場合、例外が生成される原因になります。 この値は、1 バイトから 104857600 バイト (100 MB) まででなければなりません。 デフォルト値は 80 バイトです。
埋め込みバイト はい いいえ X'20' 「レコード定義」「レコードは固定長データ」を指定した場合に、レコードがその長さより短ければ、「埋め込みバイト」プロパティを使用して、指定の長さに合わせてレコードに埋め込みを行うために使用するバイトを指定します。 この値は 2 桁の 16 進数字として指定します。 デフォルト値は X'20' です。
区切り文字 はい いいえ ブローカー・システムの行終了 「レコード定義」「レコードは区切り文字で区切られたデータ」が指定されている場合に使用される区切り文字を指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 「ブローカー・システムの行終了」は、ブローカーが稼働するファイル・システムに適した区切り文字として、行終了バイト・シーケンスを使用することを指定します。 例えば、Windows システムでは区切り文字は「復帰、改行」のペア (X'0D0A') であり、UNIX システムでは単一の「改行」バイト (X'0A') であり、z/OS® システムでは「改行」バイト (X'15') になります。 この値はデフォルトです。
  • 「カスタム区切り文字」「カスタム区切り文字」プロパティーに定義されている明示的な区切り文字シーケンスを使用してレコードを区切ることを指定します。
カスタム区切り文字 いいえ いいえ なし 区切り文字」プロパティーに「カスタム区切り文字」が指定されている場合にレコードを区切るのに使用する区切り文字バイト・シーケンスを指定します。 16 進数字の偶数ストリングでこの値を指定します。 デフォルト値は X'0A' でストリングの最大長は 16 バイトです。
区切り文字タイプ はい いいえ 後置 「レコード定義」プロパティを「レコードは区切り文字で区切られたデータ」に設定した場合は、「区切り文字タイプ」を使用して、区切り文字がどのようにレコードを分離するかを指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 「後置」。書き込まれる各レコードの後に区切り文字を追加することを指定します。 この値はデフォルトです。
  • 「中置」。任意の 2 つの隣接したレコードの間にのみ区切り文字を挿入することを指定します。

FileOutput ノードの「妥当性検査」プロパティーについては、次の表に説明されています。

これらのプロパティーの詳細については、妥当性検査プロパティーを参照してください。
プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
妥当性検査 いいえ はい 継承 妥当性検査を行うかどうかを指定します。 有効な値は以下のとおりです。
  • なし
  • 内容と値
  • 内容
  • 継承
validateMaster
失敗時の処置 いいえ いいえ 例外 妥当性検査が失敗した場合の動作を指定します。 「妥当性検査」「内容」または「内容と値」に設定した場合にのみ、このプロパティーを設定できます。 有効な値は以下のとおりです。
  • ユーザー・トレース
  • ローカル・エラー・ログ
  • 例外
  • 例外リスト
 

FileOutput ノードの「FTP」プロパティーについては、次の表に説明されています。

FTP サーバーまたは SFTP サーバーにファイルを転送するには、「リモート転送」プロパティーを選択し、この表で説明されているプロパティーを設定します。
プロパティー M C デフォルト 説明 mqsiapplybaroverride コマンド・プロパティー
リモート転送 いいえ はい 選択されていない FTP サーバーまたは SFTP サーバーにファイルを転送するには、「リモート転送」を選択し、この表の他のプロパティーを設定します。 fileFtp
転送プロトコル いいえ はい FTP このプロパティーは、リモート転送に使用するプロトコルを指定します。 有効な値は以下のとおりです。
  • FTP
  • SFTP
remoteTransferType
リモート・サーバーおよびポート いいえ はい なし このプロパティーは、以下の以下のいずれかの値を持つことができます。
  • リモート FTP サーバーまたはリモート SFTP サーバーの IP アドレスまたは名前 (およびオプションとしてポート番号)。
  • タイプ type FtpServer の構成可能サービスの名前
次の構文を使用して、使用する FTP サーバーまたは SFTP サーバーの IP アドレスとポート番号を指定します。
  • IP_address_or_URL または
  • IP_address_or_URL:port_number
IPv6 フォーマットの IP アドレスを指定する場合、以下の例のとおり、必ず大括弧で囲んでください。
  • [12a::13bd:24cd] または
  • [12a::13bd:24cd]:123。ただし 123 は、ポート番号です。
FTP を使用する場合にポート番号を指定しなければ、21 が使用されます。 SFTP を使用中にポート番号を指定しない場合、ポート番号 22 が想定されます。 ただし FtpServer 構成可能サービスが定義されている場合、その構成可能サービスの名前をこのフィールドに入力することができます。 構成可能サービス名を指定した場合、その構成可能サービスによって、その他のリモート転送プロパティーのいずれかまたはすべてを指定変更できます。 FtpServer 構成可能サービス定義と、このタブ上のプロパティーがどのように対話するかの詳細は、FtpServer 構成可能サービスを参照してください。

ローカル環境でサーバーの場所を設定することにより、このプロパティーをオーバーライドできます。 詳細については、FileOutput ノード上のリモート・サーバーに関するローカル環境のオーバーライドを参照してください。

fileFtpServer
セキュリティー ID いいえ はい なし mqsisetdbparms コマンドを使用して定義されたセキュリティー ID の名前を指定します。 FTP サーバーまたは SFTP サーバーへのログオンに使用するユーザー ID およびパスワードは、この定義から取得します。 この定義の名前には、接頭部 ftp:: が付いている必要があります。 このプロパティーの値は、FtpServer 構成可能サービス・プロパティー securityIdentity の値 (設定されている場合) によって指定変更されます。 fileFtpUser
サーバー・ディレクトリー いいえ はい "." ファイルの転送先の FTP または SFTP サーバー上のディレクトリーを指定します。 デフォルト値は . (ピリオド) で、これはログオン後のデフォルト・ディレクトリーを意味します。 相対パスを指定すると、FTP または SFTP のログオン後のデフォルト・ディレクトリーに基づくディレクトリーになります。 パスの構文が、FTP または SFTP サーバー内のファイル・システム標準に準拠するよう気を付けてください。 このプロパティーの値は、FtpServer 構成可能サービスの remoteDirectory プロパティーの値 (設定されている場合) によって指定変更されます。 fileFtpDirectory
転送モード いいえ はい バイナリー ファイルの転送方法を指定します。 ファイル内容を変換しない場合は、「バイナリー」を選択します。 ファイルが ASCII として送信される場合は、「ASCII」 を選択します。 このプロパティーの値は、FtpServer 構成可能サービス・プロパティー transferMode の値 (設定されている場合) によって指定変更されます。

このプロパティーは、リモート転送用のプロトコルとして FTP が選択されている場合にのみ有効です。プロトコルに SFTP を指定すると、「転送モード」プロパティーは無視され、バイナリー・エンコードが使用されます。

 
リモート・ファイルが存在する場合のアクション いいえ いいえ ファイルを置換します。 ファイルを作成するか、または既存のファイルに追加するかを指定します。 以下のオプションのいずれかを選択します。
  • 「既存ファイルの置換」 (デフォルト値) は、出力ディレクトリー内に同名のファイルが存在する場合に、それを新規のファイルに置き換えることを指定します。 FTP put 動詞を使用することにより、ファイルが置換されます。
  • 「既存のファイルに追加」は、出力ファイルを一時ディレクトリーに移動して、ファイル内容をファイルに追加します。 FTP append 動詞を使用して、追加の完了後にファイルを出力ディレクトリーに戻すことにより、リモート・マシンにファイルを転送することができます。
 
転送後のローカル・ファイルの保存 いいえ いいえ 選択されていない ファイル転送処理が完了した後に、ファイルのローカル・コピーを保存するには、「転送後のローカル・ファイルの保存」チェック・ボックスを選択します。 このチェック・ボックスを選択すると、ローカル・コピーは、「基本」タブでの指定どおりに、転送の完了後に他の出力ファイルと同様に処理されます。 チェック・ボックスがクリアされていると、ファイルは、正常に転送されても、ローカルで保存されません。  
ノードのモニター・プロパティーが、次の表に説明されています。
プロパティー M C デフォルト 説明
イベント いいえ いいえ なし ノードに対して定義したイベントが、このタブに表示されます。 デフォルトでは、メッセージ・フローのどのノードに対してもモニター・イベントは定義されません。 ノードのモニター・イベントを作成、変更、または削除するには、「追加」「編集」、および「削除」を使用します。詳しくは、モニター・プロパティーを使用したモニター・イベント・ソースの構成を参照してください。

「使用可能」チェック・ボックスを選択またはクリアすることによって、ここに表示されているイベントを使用可能および使用不可に設定できます。

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        最終更新:
        
        最終更新: 2015-02-28 17:45:58


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