Connect:Direct file transfer サンプルについて
IBM Sterling Connect:Direct file transfer のサンプルは、Connect:Direct ノードを使用して、IBM Sterling Connect:Direct と WebSphere Message Broker を併用する方法を示します。
このサンプルでは、以下のタスクを例示します。
- IBM Sterling Connect:Direct を使用してファイルを送信するように、CDOutput ノードをセットアップする
- IBM Sterling Connect:Direct を使用してファイルを受け取るメッセージ・フローを呼び出すように、CDInput ノードをセットアップする
- LocalEnvironment メッセージ・ツリーを使用して、IBM Sterling Connect:Direct file transfer の宛先システムのプロパティーをオーバーライドする
- LocalEnvironment メッセージ・ツリーを使用して、IBM Sterling Connect:Direct から受け取ったファイル転送に関する情報にアクセスする
- CDOutput ノードを使用して、単一のバッチ・ファイル形式でさまざまなレコードを転送する
- CDInput ノードを使用して、バッチ・ファイル内の単一のレコードを検出して処理する
- MQReply ノードを使用して、応答メッセージをさまざまなキューに送信する
このサンプルは、以下のシナリオに基づいています。
小さな銀行の本部 (HQ) は、Winchester および Eastleigh 支店の銀行口座に関する口座振替の情報すべてを毎日認可します。
HQ は口座振替を WebSphere MQ メッセージとして受け取り、単一のバッチ・ファイル内に保存します。
一日の最後の振替が送信されると、各支店は 1 日の終わりメッセージを HQ に送信します。
HQ は、両方の支店から 1 日の終わりメッセージを受け取ると、IBM Sterling Connect:Direct を使用して外部の認可サービス・プロバイダーにバッチ・ファイルを転送し、振替を検査する方法に関する指示も一緒に転送します。認可が行われた後で、HQ は認可された口座振替レコードを新しいバッチ・ファイルで受け取ります。
それから HQ はこのバッチ・ファイルをアーカイブし、認可された口座振替レコードを個々の支店の WebSphere MQ キューに送信します。
このシナリオは、続くセクションで説明されている 3 つのメッセージ・フローを用いて実装されます。
このメッセージ・フローは、HQ のメッセージ・ブローカー上で稼働し、認可が必要な口座振替を支店から受け取ります。ReplyToQ が口座振替レコードに追加され、バッチ・ファイル内に口座振替レコードが収集されます。その後、IBM Sterling Connect:Direct を使用して、ファイルが外部の認可サービス・プロバイダーへ転送されます。
- MQInput ノードは、Winchester 支店または Eastleigh 支店から個別の口座振替レコードを受け取り、各レコードを Compute ノードへ送信します。
- Compute ノードは、メッセージが 1 日の終わりメッセージかどうかを検出し、1 日の終わりのメッセージの場合はカウンターを増分します。
- このメッセージが 1 日の終わりメッセージでない場合は、Compute ノードは MQMD ヘッダーから ReplyToQ を抽出してレコードに追加します。
- Compute ノードがレコードを CDOutput ノードへ送信します。
- CDOutput ノードがローカル・ファイル内のすべてのレコードをバッチ処理します。
- 両方の支店が 1 日の終わりメッセージを送信した時点で、Compute ノードが CDOutput ノードの Finish File ターミナルにメッセージを送信します。Compute ノードはまた、ローカル環境の Connect:Direct フィールドを値 BlacklistCheck に設定します。
この値は、開始された Connect:Direct 転送のメタデータに組み込まれます。
- CDOutput ノードが、バッチ・ファイルを認可サービス・プロバイダーへ転送します。
このメッセージ・フローは、外部サービス・プロバイダーからの認可システムをエミュレートします。受け取ったバッチ・ファイル内の各口座振替レコードが検査され、認可されて、認可されたレコードが新しいバッチ・ファイル内に収集されます。その後、IBM Sterling Connect:Direct を使用して、ファイルが HQ へ転送されます。
- CDInput ノードは HQ から送信されたファイルを受け取ります。
- CDInput ノードはバッチ・ファイル内のレコードを解析します。
各レコードは口座振替を表しています。
各レコードが Mapping ノードへ転送されます。
- CDInput ノードが、Connect:Direct 転送に含まれているメタデータをローカル環境に取り込みます。
- Mapping ノードが、各口座振替レコードを出力メッセージへ移動します。ブラックリストの口座番号が検出されず、Connect:Direct メタデータ内のローカル環境に値 BlacklistCheck が見つかった場合は、レコードが認可されます。
- 認可されたレコードが CDOutput ノードへ送信されます。
- CDOutput ノードがローカル・ファイル内のすべてのレコードをバッチ処理します。
- CDInput ノードは、バッチ・ファイル内のレコードをすべて処理し終えると、メッセージを End of Data ターミナルから CDOutput ノードの Finish File ターミナルに送信します。
- CDOutput ノードが、認可された振替をバッチ・ファイルとして HQ へ転送します。
このメッセージ・フローは、HQ のメッセージ・ブローカー上で稼働し、認可された口座振替をバッチ・ファイル形式で受け取ります。
バッチ・ファイル内の口座振替ごとに、照会を開始した支店に応答します。
初期照会メッセージ内の MQMD ヘッダー内で ReplyToQ として指定された WebSphere MQ キューに、応答が送信されます。
- CDInput ノードが、認可されたレコードが含まれたバッチ・ファイルを受け取ります。
- CDInput ノードは、バッチ・ファイル内のレコードを解析し、各レコードを MQHeader ノードに送信します。
- MQHeader ノードは、各レコードにデフォルトの MQMD ヘッダーを追加してから、Mapping ノードに送信します。
- Mapping ノードは ReplyToQ 情報をレコードから MQMD ヘッダーに移動します。
- MQReply ノードが、MQMD ヘッダー内の情報を使用して、元の照会を送信した支店へ各レコードを転送します。
- CDInput ノードが、受け取ったバッチ・ファイルの名前にタイム・スタンプを付加して、そのバッチ・ファイルをアーカイブします。
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