WebSphere Enterprise Service Bus for z/OS バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: z/OS


ロール、製品、および技術に関する課題

ビジネス・インテグレーション・プロジェクトの成功は、特化した開発ロール、プログラミング手法、およびツール・スイートの組み合わせによって左右されます。

ビジネス・インテグレーション・プロジェクトには、以下の基本要素が必要です。

以降のセクションでは、上記の構成要素のそれぞれについて詳しく説明します。

明確なロールの分離

ビジネス・インテグレーション・プロジェクトには、互いに協調しながらも明確に分離したロールを持つ担当者が必要です。これらのロールには以下があります。
  • ビジネス・アナリスト: ビジネス・アナリストはドメイン・エキスパートとして、プロセスのビジネスの側面を捉え、プロセス自体を的確に表現するプロセス・モデルを作成します。 このロールが焦点とするのは、プロセスの財務的パフォーマンスを最適化することです。 ビジネス・アナリストは、プロセス実装の技術的な側面には関与しません。
  • コンポーネント開発者: コンポーネント開発者は、個々のサービスとコンポーネントの実装を担当します。 このロールが焦点とするのは、実装に使用する特定のテクノロジーです。 このロールには、プログラミングの経歴を積んでいることが必要となります。
  • 統合スペシャリスト: これは比較的新しいロールで、このロールが表すのは、既存の一連のコンポーネントをまとめて 1 つの大きなビジネス・インテグレーション・ソリューションにアセンブルするという職務を課せられた担当者です。 統合開発者は、再使用およびワイヤリングするコンポーネントやサービスそれぞれの技術詳細を知る必要はありません。理想的には、統合開発者は、アセンブルしているサービスのインターフェースについて理解することだけに専念します。 統合開発者は、アセンブル・プロセス用の統合ツールに依存する必要があります。
  • ソリューション・デプロイヤー: ソリューション・デプロイヤーおよび管理者が対象とするのは、エンド・ユーザーが使用可能なビジネス・インテグレーション・ソリューションの作成です。 理想的には、ソリューション・デプロイヤーは主にソリューションを作動準備の整った物理リソース (データベース、キュー・マネージャーなど) にバインドすることに専念し、ソリューションの内部構造を深く理解することはしません。 ソリューション・デプロイヤーが焦点とするのは、サービスの品質 (QoS) です。

共通ビジネス・オブジェクト・モデル

前述のとおり、ビジネス・インテグレーション・プロジェクトの重要な側面には、複数のコンポーネントの呼び出しを調整できること、そしてこれらのコンポーネントの間でのデータ交換を処理できることが含まれます。 これは特に、複数のコンポーネントがそれぞれに異なる手法で、注文や顧客情報に含まれるデータなどのビジネス・アイテムを表現する可能性があるからです。例えば、Enterprise Java™Bean (EJB) エンティティーを使用してビジネス・アイテムを表す Java アプリケーションと、COBOL コピーブックで情報を編成している既存のアプリケーションを統合しなければならない場合も考えられます。そのため、統合ソリューションの作成を単純化することを意図するプラットフォームは、バックエンド・システムがデータ処理に使用する手法とは関係なくビジネス・アイテムを表現する汎用方法も提供しなければなりません。 この目標は、WebSphere® Process Server および WebSphere Enterprise Service Bus では、ビジネス・オブジェクト・フレームワーク によって達成されています。

ビジネス・オブジェクト・フレームワークは、開発者が XML スキーマを使用してビジネス・データの構造を定義し、これらのデータ構造 (ビジネス・オブジェクト) のインスタンスに XPath または Java コードでアクセスして操作することを可能にします。 ビジネス・オブジェクト・フレームワークは、サービス・データ・オブジェクト (SDO) 標準に基づきます。

Service Component Architecture (SCA) プログラミング・モデル

SCA プログラミング・モデルは、WebSphere Process Server および WebSphere Enterprise Service Bus で開発されるすべてのソリューションの基盤となります。 SCA は、開発者にサービス実装を再使用可能コンポーネントにカプセル化する方法を提供します。 これによって、開発者はテクノロジーにとらわれない方法でインターフェース、実装、参照を定義できるようになるため、エレメントを任意のテクノロジーにバインドすることが可能になります。 また、これらのコンポーネントの呼び出しを可能にする SCA クライアント・プログラミング・モデルもあります。 このモデルは具体的には、Java ベースのランタイム・インフラストラクチャーが Java 以外のランタイムと対話することを可能にします。 SCA は、サービスを呼び出すためにビジネス・オブジェクトをデータ項目として使用します。

ツールおよび製品

IBM® WebSphereIntegration Developer は、上述のテクノロジーをベースとしたビジネス・インテグレーション・ソリューションを作成および構成するために必要なすべてのツールを備えた統合開発環境です。 これらのソリューションは通常、WebSphere Process Server にデプロイされますが、場合によっては WebSphere Enterprise Service Bus にデプロイされることもあります。


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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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