WebSphere® ESB のインストールにグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用しない場合は、応答ファイルというファイルを使用して、分散システムでサイレント・インストール (バックグラウンド・インストール) を実行できます。サイレント・インストールでは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースまたは「ウィザード」は表示されず、インストール・プログラムが指定されたファイルからすべての応答を読み取ります。応答ファイルの例として responsefile.wesb.txt が付属しており、デフォルト値が設定されています。この応答ファイルは、WebSphere ESB のサイレント・インストールに使用できます。
応答ファイル (オプション・ファイルともいいます) は、コマンド行オプションをインストール・プログラムに受け渡すために使用されます。
始める前に
Windows® Vista™ および Windows 2008 オペレーティング・システム: これらのオペレーティング・システムで
WebSphere ESB バージョン 6.2 のサイレント・インストールを実行するには、
管理者権限が必要です。標準のユーザー権限を使用してサイレント・インストールを実行した場合、管理者権限への変更を求めるプロンプトが表示されます。以下の手順に従ってコマンド・プロンプト・ウィンドウからサイレント・インストールを実行すると、このプロンプトは表示されません。
- コマンド・プロンプトのショートカットを右クリックします。
- 「管理者として実行 (Run As Administrator)」をクリックします。
重要: AIX® プラットフォームの場合: AIX でのサイレント・インストール用の
ファイルを準備する場合は、UNIX® の行終了文字 (0x0D0A) を
応答ファイルの各行の末尾に指定します。ファイルを作成する最も安全な方法は、
ターゲットのオペレーティング・システムでファイルを編集することです。
コマンド行からのインストールについて詳しくは、WebSphere ESB 技術情報の『WebSphere Process Server のサイレント・インストールに関する追加情報 (Additional Information for Silent Installation of WebSphere Process Server)』を参照してください。
手順
応答ファイルを使用してサイレント・インストールを行うには、以下のステップを実行します。
- オペレーティング・システムにログオンします。

Linux® および UNIX プラットフォームの場合: ドライブに DVD を挿入後、一部の Linux および
UNIX オペレーティン
グ・システムではドライブをマウントする必要が
あります。
- サンプル応答ファイル responsefile.wesb.txt を、WebSphere Enterprise Service Bus V6.2 DVD というラベルの付いたディスクの WBI ディレクトリーからシステム上の見つけやすい場所にコピーし、myoptionsfile.txt などの新しい名前を付けて保存します。
- ターゲット・オペレーティング・システム上で、選択したフラット・ファイル・エディターを使用してファイルを編集し、ご使用のシステム用のパラメーターを使用してカスタマイズします。応答ファイル内の指示を読み、今回のサイレント・インストールのために設定する必要のあるすべてのオプションに適切な値を選択します。
応答ファイル内のパラメーターはすべて変更できますが、以下のオプションと値には注意してください。
重要: 必ず、ファイル内のご使用条件への同意に関する記述において、
値を "true" に変更してください。値を "false" のままにすると、インストールが失敗します。
例えば、ご使用条件への同意として -OPT silentInstallLicenseAcceptance="true" にしてください。
- wpsInstallType オプションの値を変更して、以下のいずれかのインストール・タイプを指定します。
- 標準的インストールの場合は、操作可能な WebSphere ESB 環境を作成するためにプロファイルが必要です。
インストール処理中にプロファイルを作成するように応答ファイルで値を指定することにより、プロファイルを自動的に作成できます。オプション profileType の値を以下のいずれかの値に変更します。
- deploymentManager - デプロイメント・マネージャーでプロファイルを作成します。例:
-OPT profileType="deploymentManager"
- standAlone - スタンドアロン・サーバーでプロファイルを作成します。例:
-OPT profileType="standAlone"
- custom - 空のノードでプロファイルを作成します。この空のノードは、インストール後に構成できます。
-OPT profileType="custom"
- none - インストール中にプロファイルを作成しません。この値を使用するのは、サイレント・インストール処理中にプロファイルを作成しない場合です。
インストール後にプロファイル管理ツールを実行してプロファイルを作成する必要があります。
-OPT profileType="none"
responsefile.wesb.txt ファイル内にあるプロファイル関連のすべてのオプションは、PROF_ という文字列で始まります。
(オプションは manageprofiles コマンドのパラメーターと同じですが、応答ファイル内では、プロファイル・オプションであることを示すために接頭部 PROF_ が先頭に付加されます。) profileType の指定によっては、これらのプロファイル・オプションを変更できます。詳しくは、応答ファイルの説明を参照してください。
注: 応答ファイルを使用して、既存のインストールのための新規プロファイルを作成する場合は、応答ファイルの
-OPT installType="installNew" セクションをコメント化し、応答ファイルの
-OPT createProfile セクションからコメントを外し、オプション
-createProfile の値を
true に変更します。
例:
#-OPT installType="installNew"
-OPT createProfile="true"
- デプロイメント環境のインストール (-OPT wpsInstallType="ndGuided") を指定した場合は、追加のオプションも指定して、インストールを定義する必要があります。ndGuidedInstallType オプションの値を以下のいずれかの値に変更します。
デプロイメント環境について詳しくは、『WebSphere ESB の計画』およびデプロイメント環境の実装を参照してください。
注: どの時点でも WBI ディレクトリーの WebSphere Enterprise Service Bus V6.2 の DVD に戻り、応答ファイル例 responsefile.wesb.txt を参照してデフォルトのオプションと値を確認することができます。
- コピーした応答ファイルに変更内容を保存します。
- コマンドを実行し、カスタム応答ファイルを使用して WebSphere ESB をインストールします。ここに示すコマンドでは、応答ファイルを一時ディレクトリーにコピーし、myoptions.txt に名前変更した後にファイルをカスタマイズしたと想定します。
製品 DVD から以下のコマンドを実行するか、
Passport Advantage®の電子イメージの内容を一時的に保存した場所から以下のコマンドを実行します。

Linux および UNIX プラットフォームの場合: install
-options /tmp/WBI/myoptions.txt -silent
Windows プラットフォームの場合: install.exe
-options "C:¥temp¥WBI¥myoptions.txt" -silent
次の作業
log.txt のログ・ファイルを調べて、インストールが正常に終了していることを確認します。ログ・ファイルの場所は以下のとおりです。ここで、
install_root は
WebSphere ESB の場所を表します。

Linux および UNIX プラットフォームの場合: install_root/logs/wbi/install/log.txt
Windows プラットフォームの場合: install_root¥logs¥wbi¥install¥log.txt
このログ・ファイルの最後の行に INSTCONFSUCCESS というストリングが含まれている場合、インストールは正常に終了しています。INSTCONFPARTIALSUCCESS、INSTCONFFAILED などの別の用語がファイル内の別の行に (あるいは最後の行にも) 出現する場合がありますが、INSTCONFSUCCESS が最後の行に含まれていれば、インストールは正常に終了しています。
ストリン
グ INSTCONFPARTIALSUCCESS または INSTCONFFAILED がファイルの最後の行に出現し、INSTCONFSUCCESS が含まれていない場合、インストール中に問題が検出されています。INSTCONFPARTIALSUCCESS
は、インストールは完了したがエラーが生成されたことを示します。INSTCONFFAILED は、インストールが完全に失敗したことを示します。
すべてのログ・ファイルの説明については、インストールとプロファイル作成のログ・ファイルを参照してください。
トラブルシューティングに役立つ情報は以下のトピックにも記載されています。
スタンドアロン・プロファイルまたはデプロイメント・マネージャー・プロファイルの作成を選択した場合は、インストールが正常に終了したら、ファースト・ステップ・コンソールからサーバーまたはデプロイメント・マネージャーを始動し、インストールした環境が機能することを確認します。
詳細については、ファースト・ステップ・コンソールのオプションを参照してください。インストール検査ツールを使用してインストールの検査を行うこともできます。詳しくは、『インストールの検査』を参照してください。