WebSphere® ESB の WBIPreUpgrade コマンドを使用して、前にインストールされたバージョンの WebSphere ESB の構成をマイグレーション固有のバックアップ・ディレクトリーに保存します。
詳細
WBIPreUpgrade コマンドは、選択されたファイルを install_root および profile_root ディレクトリーから、指定したバックアップ・ディレクトリーに保存します。profile_root のデフォルトは、profiles/profile_name です。コピーされたファイルはさまざまなサブディレクトリーにあり、すべて WBIPreUpgrade によって、指定されたバックアップ・ディレクトリーにコピーされたものです。 また、logs サブディレクトリーが作成され、ここには
WBIPreUpgrade コマンド実行の現在のインスタンスに対応する新規のログ・ファイルが含まれます。
マイグレーション元のバージョンに応じて、
WBIPreUpgrade コマンドは、
WebSphere Enterprise Service Bus にある既存プロファイルを一度に全部、または 1 つずつバックアップします。
- バージョン 6.0.2.x からマイグレーションする場合、
WBIPreUpgrade コマンドは、
WebSphere Enterprise Service Bus にある既存プロファイルを一度に全部バックアップします。
- バージョン 6.1.x からマイグレーションする場合、
WBIPreUpgrade コマンドは、既存プロファイルを 1 つずつ、
-profileName パラメーターを使用して識別されたプロファイルのみをバックアップします。
制約事項
- バージョン 6.1.x からマイグレーションする場合、
WBIPreUpgrade コマンドは、
WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.1 backupConfig ユーティリティーから以下の制限を継承します。
- デフォルトでは、バックアップが行われる前にノード上のすべてのサーバーが停止します。そのため、同期された情報が一部保管されません。
- マイグレーションの実行には root 権限が必要です。
- UNIX® 環境または Linux® 環境の場合、backupConfig コマンドを実行しても、ファイル
許可情報や所有権情報は保管されません。
- ファイルの復元時、restoreConfig コマンドは、
現在の umask および実効ユーザー ID (EUID) を使用して、許可および所有権を設定します。
- マイグレーション開始前にソース・デプロイメント・マネージャーを停止する必要があります。
ソース・デプロイメント・マネージャーを停止しない場合、
WBIPreUpgrade コマンドによって自動的に停止されます。
i5/OS プラットフォームでマイグレーションを実行する場合、ターゲット・プロファイル名は、マイグレーション対象のソース・プ
ロファイルのプロファイル名と一致する必要があります。
i5/OS プラットフォームでマイグレーションを実行する場合、backUpConfig を実行しても、ソース・プロファイルに対して構成されたファイルやディレクトリーに対するいかなる専用権限も保存されません。そのため、ソース・プロファイルの構成ツリー下のファイルとディレクトリーに存在する可能性のある専用権限をメモし、WBIPostUpgrade コマンドを実行してプロファイルをマイグレーションしてから、ターゲット・プロファイルにこれらの専用権限を
手動で復元する必要があります。
ロケーション
このコマンド・ファイルは、install_dir/bin ディレクトリーにあり、
そこで実行される必要があります。
権限
このコマンド・スクリプトを実行するには、
ユーザー・プロファイルに *ALLOBJ 権限が必要です。
パラメーター
パラメーターは以下のとおりです。
- backupDirectory
- 必須パラメーターです。第 1 パラメーターとして指定する必要があります。値 backupDirectory には、
保管された構成および WBIPreUpgrade と WBIPostUpgrade 実行時に作成されたログをコマンド・スクリプトが格納する先のディレクトリー名を指定します。
また、
このディレクトリーから WBIPostUpgrade コマンドにより構成が読み取られます。
ディレクトリーが存在しない場合、WBIPreUpgrade コマンド・スクリプトによりディレクトリーが作成されます。
- currentWebSphereDirectory
- 必須パラメーターです。第 2 パラメーターとして指定する必要があります。
マイグレーションがサポートされる任意の版の WebSphere ESB を指定できます。

値
currentWebSphereDirectory には、
マイグレーション対象の既存
の
WebSphere ESB プロファイルのプロファイル・ルート・ディレクトリーの名前を指定します。
i5/OS の場合、このディレクトリー・パスの形式は
user_data_root/profiles/profile_name になります。
この
profile_name はプロファイル名で、
user_data_root は
WebSphere ESB のデフォルト・ユーザー・データ・ディレクトリーです (
WebSphere ESB の場合は
/QIBM/UserData/WebSphere/ESB)。製品をインストールすると、profiles および profileRegistry サブディレクトリーがこのディレクトリーの下に作成されます。
注: i5/OS プラットフォームは、バージョン 6.1.x から バージョン 6.2 にマイグレーションするときにのみサポートされます。


値 currentWebSphereDirectory には、
既存の WebSphere ESB インストール済み環境のインストール・ルート・ディレクトリーの名前を指定します。
以下のディレクトリーが
WebSphere ESB バージョン 6.1.x のデフォルトとなります。
デフォルトでない、別のパスがインストールで使用される場合があります。
- 以前のインストールで、WebSphere Application Server と WebSphere ESB が同じインストール・プロセスで共にインストールされた場合は、
/QIBM/UserData/WebSphere/ProcServer/profiles/profile_name になります。
- 以前のインストールで、WebSphere Application Server が既にインストール済みで、
WebSphere ESB が上書きでインストールされた場合、
/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V61/ND/profiles/profile_name になります。
- -password
- これはオプション・パラメーターで、管理セキュリティーが前バージョン
の WebSphere ESB で構成されている
場合に必須です。password 値で現在
の WebSphere ESB (マイグレーション前) インストール済み環境の管理ユーザー名のパスワードを指定します。
- -profileName


注: このパラメーターは、
i5/OS プラットフォームでサポートされません。
使用された場合、無効なパラメーター例外がスローされます。
これは、特定のプロファイルからマイグレーションする場合のオプション・パラメーターです。値 profile_name には、前バージョンの WebSphere ESB で作成され、スクリプトが構成をマイグレーションする元となるプロファイルの名前を指定します。-profileName パラメーターを指定しない場合には、デフォルト・プロファイルが使用されます。
デフォルト・プロファイルが見つからない場合、システムはエラーを報告します。
注: 確実に正しいプロファイルをマイグレーションするために、
このパラメーターを使用してプロファイル名を指定し、デフォルト値には依存しないでください。
- -traceFile
注: このパラメーターは、WebSphere ESB バージョン 6.1.x か
ら バージョン 6.2 へのマイグレーションでは無視されます。
これはオプション・パラメーターです。値 file_name には、
トレース情報の出力ファイル名を指定します。重要: このパラメーターを指定する場合は、-traceString パラメーターも指定する必要があります。-traceFile パラメーターを指定し -traceString パラメーターを指定しない場合、コ
マンドはデフォルトのトレースの深さを使用し、指定したロケーションにトレース・ファイルを保管します。
- -traceString
注: このパラメーターは、WebSphere ESB バージョン 6.1.x か
ら バージョン 6.2 へのマイグレーションでは無視されます。
これはオプション・パラメーターです。値 trace_spec には、
収集するトレース情報を指定します。すべてのトレース情報を収集するには、"*=all=enabled" (引用符付き) を指定します。
重要: このパラメーターを指定する場合は、-traceFile パラメーターも指定する必要があります。
-traceString パラメーターを指定し -traceFile パラメーターを指定しない場合、
コマンドによりデフォルトでトレース・ファイルが作成され、backupDirectory/logs ディレクトリーに配置されます。
- -username
- これはオプション・パラメーターで、管理セキュリティーが前バージョン
の WebSphere ESB で構成されている
場合に必須です。userID 値で現在
の WebSphere ESB (マイグレーション前) インストール済み環境の管理ユーザー名を指定します。
ロギング
WBIPreUpgrade コマンドでは、実行中に、画面に状況が表示されます。その際、
さらに詳細なログ情報が、WBIPreUpgrade.timestamp.log ファイルに保存されます (このファイルは、backupDirectory/logs ディレクトリーに格納されます)。
この backupDirectory は、backupDirectory パラメーターで指定した値です。WBIPreUpgrade.profileName.timestamp.log ファイルはテキスト・エディターで表示できます。