WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: AIX、HP-UX、i5/OS、Linux、Solaris、Windows


メディエーション・モジュール

メディエーション・モジュールは、サービス要求のフォーマット、内容、またはターゲットを変更できる Service Component Architecture (SCA) モジュールです。

メディエーション・モジュールは、サービス・リクエスターとサービス・プロバイダー間で伝送中のメッセージに対して操作します。 メッセージを異なるサービス・プロバイダーにルーティングでき、またメッセージの内容またはフォームを修正することもできます。メディエーション・モジュールは、ユーザーの要件に合わせて調整したメッセージ・ログイン、およびエラー処理のような 機能を提供できます。

メディエーション・モジュールの一部を、モジュールを再デプロイすることなく、WebSphere® ESB 管理コンソールから変更することができます。

メディエーション・モジュールのコンポーネント

メディエーション・モジュールには、以下のアイテムが含まれています。
  • インポート。SCA モジュールとサービス・プロバイダー間の対話を定義します。これにより、SCA モジュールは、ローカルであるかのように外部サービスを呼び出すことができます。メディエーション・モジュール・インポートを WebSphere ESB から表示し、バインディングを変更することができます。
  • エクスポート。SCA モジュールとサービス・リクエスター間の対話を 定義します。 エクスポートにより、SCA モジュールでサービスを提供し、SCA モジュールの外部インターフェース (アクセス・ポイント) を定義することが可能になります。 WebSphere ESB で、メディエーション・モジュールのエクスポートを表示することができます。
  • SCA コンポーネント。メディエーション・モジュールなどの SCA モジュール用のビルディング・ブロックです。 WebSphere Integration Developer を使用して、SCA モジュールと コンポーネントをグラフィカルに作成およびカスタマイズすることができます。 メディエーション・モジュールをデプロイした後、モジュールを再デプロイしなくても、WebSphere ESB 管理コンソールからそのモジュールの一部をカスタマイズできます。

    一般に、メディエーション・モジュールは、メディエーション・フロー・コンポーネントと呼ばれる特定のタイプの SCA コンポーネントを含みます。 メディエーション・フロー・コンポーネントは、メディエーション・フローを定義します。

    メディエーション・フロー・コンポーネントには、メディエーション・プリミティブを 1 つまたは複数含めることができますが、まったく含めないことも可能です。WebSphere ESB は、メッセージ・ルーティングおよび変換のための機能を提供する、あらかじめ準備されたメディエーション・プリミティブ・セットをサポートしています。より柔軟性の高いメディエーション・プリミティブを求める場合、カスタム・メディエーション・プリミティブを使用して、カスタム・ロジックを呼び出すことができます。

    メディエーション・フロー・コンポーネントを含まないメディエーション・モジュールの 目的は、1 つのプロトコルから別のものへとサービス要求を変換することです。 例えば、サービス要求は SOAP/JMS を使用して作成される可能性がありますが、送信前に SOAP/HTTP への変換が必要になることがあります。

    注: WebSphere ESB で、メディエーション・モジュールを表示して、任意の変更を加えることができます。ただし、WebSphere ESB モジュール内で SCA コンポーネントを表示または変更することはできません。 WebSphere Integration Developer を使用して、SCA コンポーネントをカスタマイズします。
    図 1. メディエーション・モジュールの単純化された例. メディエーション・モジュールには、メディエーション・プリミティブが含まれた 1 つのメディエーション・フロー・コンポーネントが含まれています。
    このメディエーション・モジュールには、1 つのメディエーション・フロー・コンポーネントが含まれています。このメディエーション・フロー・コンポーネントには複数のメディエーション・プリミティブが含まれています。
  • プロパティー

    メディエーション・プリミティブにはプロパティーがあり、その一部を SCA モジュールの追加プロパティーとして管理コンソールに表示できます。

    メディエーション・プリミティブのプロパティーを WebSphere ESB 管理コンソールで表示するには、統合開発者はこのプロパティーをプロモートする必要があります。一部のプロパティーは管理上の構成に適しています。これらのプロパティーは統合サイクルから管理サイクルへプロモートすることが可能であるため、WebSphere Integration Developer はこれらのプロパティーをプロモート可能なプロパティーとして記述します。他のプロパティーは、変更すると メディエーション・モジュールの再デプロイが必要になるような影響をメディエーション・フローに与えるおそれがあるため、管理構成には適しません。WebSphere Integration Developer は、メディエーション・プリミティブのプロモートされるプロパティーの下に、プロモートを選択できるプロパティーを示します。

    WebSphere ESB 管理コンソールを使用して、メディエーション・モジュールを再デプロイしたり、サーバーやモジュールを再始動することなく、プロモートされるプロパティーの値を変更することができます。

    一般的に、メディエーション・フローはプロパティーの変更を即時に使用します。ただし、デプロイメント・マネージャー・セル内でプロパティーの変更が生じた場合、各ノードで同期化が行われるとそのノード上で変更が有効になります。また、処理中のメディエーション・フローでは、前の値が引き続き使用されます。

    注: 管理コンソールではプロパティー値のみ変更でき、プロパティーのグループ、名前、またはタイプは変更できません。プロパティーのグループ、名前、またはタイプを変更する必要がある場合、WebSphere Integration Developer を使用する必要があります。
  • また、メディエーション・モジュールや従属ライブラリーにより、サブフローを定義することもできます。サブフローにより、統合論理の再使用可能部分として共にワイヤリングされたメディエーション・プリミティブのセットがカプセル化されます。メディエーション・フローにプリミティブを追加して、サブフローを呼び出すことができます。

メディエーション・モジュールのデプロイ

メディエーション・モジュールは、WebSphere Integration Developer を使用して作成され、一般にエンタープライズ・アーカイブ (EAR) ファイル内で WebSphere ESB にデプロイされます。

プロモートされたプロパティーの値は、デプロイメント時に変更できます。

WebSphere Integration Developer からメディエーション・モジュールをエクスポートして、WebSphere Integration Developer によりメディエーション・モジュールを Java アーカイブ (JAR) ファイル内にパッケージ化し、その JAR ファイルを EAR ファイル内にパッケージ化できます。この後、管理コンソールから新規アプリケーションをインストールして、EAR ファイルをデプロイすることができます。

メディエーション・モジュールは 1 つのエンティティーと考えられます。ただし、SCA モジュール は、1 つの JAR ファイルに保管されたいくつかの XML ファイルによって定義されます。

図 2. メディエーション・モジュールを含んでいる EAR ファイルの単純化された例. この EAR ファイルは JAR を含みます。このユーティリティー JAR ファイルは、メディエーション・モジュールを含みます。
この EAR ファイルは JAR を含みます。このユーティリティー JAR ファイルは、メディエーション・モジュールを含みます。

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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