エクスポート経由で SCA モジュールに取り込まれるデータには、COBOL や EDI などさまざまなフォーマットのデータがあります。これらのデータは、サーバー・コンポーネントで処理する前に、 データ・オブジェクトに変換する必要があります。同様に、サーバーからインポートを介して渡されるデータは、外部システムが認識できる形式に変換する必要があります。WebSphere® Transformation Extender でこのような変換を実行できます。
モジュールと外部の境界に位置するエクスポートとインポートにより、ネイティブ・データとデータ・オブジェクトの間の変換が処理されます。エクスポートとインポートには、変換のためのデータ・ハンドラーとデータ・バインディングが含まれます。
インポートとエクスポート内でネイティブ・データをさまざまなデータ・フォーマットに変換するには、プリパッケージされたデータ・ハンドラーやデータ・バインディングを使用するか、独自のデータ・バインディングを作成するか、または WebSphere Transformation Extender データ・ハンドラーを使用して、モジュールの境界でネイティブ・データとデータ・オブジェクト間の変換を実行します。
WebSphere Transformation Extender は、トランザクション指向のデータ統合ソリューションであり、ハンド・コーディングを必要とせずに、大容量の複雑なトランザクションの変換を自動化します。企業内に分散する複数のアプリケーション、データベース、メッセージング・ミドルウェア、通信テクノロジーからのデータを、 リアルタイムに統合することができます。WebSphere Transformation Extender は、メタデータを利用したツール指向の 手法でデータを変換します。
WebSphere Transformation Extender は独立したライセンス製品であり、WebSphere ESB には含まれていません。
WebSphere ESB と WebSphere Transformation Extender を連携させるには、WebSphere Transformation Extender for WebSphere ESB のインストーラーを使用する必要があります。
クライアントは、任意のネイティブ・フォーマットでデータをエクスポートに渡します。 データを受信したエクスポートは、WebSphere Transformation Extender データ・ハンドラーを介して、同じネイティブ・フォーマットでこのデータを WebSphere Transformation Extender に渡します。WebSphere Transformation Extender は、このデータをデータ・オブジェクト・フォーマットに変換して エクスポートに戻します。 エクスポートは、このデータ・オブジェクトを該当する SCA コンポーネントに 渡します。
SCA コンポーネントは、データ・オブジェクトをインポートに送信します。インポートは、WebSphere Transformation Extender データ・ハンドラーを介して、このデータ・オブジェクトを WebSphere Transformation Extender に渡します。WebSphere Transformation Extender は、この情報をクライアントのネイティブ・フォーマットに変換してインポートに戻します。インポートは、このネイティブ・データをクライアントに送信します。