メディエーション・ポリシーを使用して、サービス要求元とサービス・プロバイダー間のメッセージ・フローを制御することができます。このチュートリアルでは、SCA モジュール (および関連したメディエーション・ポリシー) を WebSphere® Service Registry and Repository (WSRR) にロードする方法と、メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加する方法を説明します。
メディエーション・ポリシーは SCA モジュールに関連付けられているため、メディエーション・ポリシーを使用することによりメディエーションの動的プロパティーを制御することができます。
WebSphere Integration Developer を使用してメディエーション・フローが含まれる SCA モジュールを作成する場合は、プロモートする (ランタイムに対して可視化する) モジュール・プロパティーも動的プロパティーになります。動的プロパティーは、レジストリー内のメディエーション・ポリシーを使用して実行時にオーバーライドできます。
SCA モジュールをエクスポートすると、 WebSphere Integration Developer により、SCA モジュール内のプロパティー・グループごとにデフォルト・メディエーション・ポリシーが生成されます。デフォルト・メディエーション・ポリシーを使用すると、すべての動的プロパティーに対して指定された値を開発時に参照することができます。WebSphere Integration Developer によってデフォルトのメディエーション・ポリシーが生成されますが、このメディエーション・ポリシーは SCA モジュールには付加されません。
通常、条件付きメディエーション・ポリシーを設定する場合は、条件が関連付けられていないデフォルトのメディエーション・ポリシーを使用して、独自のメディエーション・ポリシーを作成する必要があります。
統合開発者。
管理者。
メディエーション・ポリシーは、SCA モジュールのレベルで制御します。ここでは、SCA モジュールを WSRR にロードする方法について説明します。この説明を参照することにより、メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加できるようになります。
EAR ファイルの SCA モジュールを、ローカルのファイル・システムからロードします。EAR ファイルにメディエーション・ポリシーが含まれている場合は、このポリシーもロードされます。
WSRR により、WebSphere Integration Developer によって生成されたデフォルト・メディエーション・ポリシーもロードされます。モジュール内のすべての動的プロパティーを動的に上書きする場合は、すべてのデフォルトの (システムによって生成された) メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加します。
SCA インテグレーション・モジュールを WSRR にロードすると、システムによって生成された (デフォルトの) メディエーション・ポリシーが SCA モジュールと共にロードされます。ここでは、通常のメディエーション・ポリシーを表示する方法と、デフォルトのメディエーション・ポリシーを識別する方法について説明します。
SCA モジュール用に生成されたデフォルトのメディエーション・ポリシーを表示します。
メディエーション・ポリシーには名前空間があります。この名前空間は、http://www.ibm.com/wbi/mediation/200812/ に付加されるプロパティーのグループ名で構成されています。統合開発者がプロパティー・グループを指定すると、プロパティー・グループのモジュール・プロパティーが管理コンソールに表示されます。名前空間は、WSRR により、メディエーション・ポリシー文書 (xmlns_sibx) の追加のプロパティーとして表示されます。
メディエーション・ポリシー文書の内容が表示されます。 デフォルトのメディエーション・ポリシーの場合、各アサーションは動的プロパティーに関連しています。メディエーション・ポリシーを使用すると、アサーション値によってメディエーション・フロー内の動的プロパティーが実行時にオーバーライドされます。
SCA モジュールのすべての動的プロパティーをオーバーライドするだけでは不十分な場合は、WSRR で独自のメディエーション・ポリシーを作成します。 ここでは、メディエーション・ポリシーを作成する方法を説明します。
独自のメディエーション・ポリシーを作成します。
WSRR により、指定したプロパティーのオーバーライドが含まれているメディエーション・ポリシーが作成されます。このオーバーライドを使用するには、事前にメディエーション・ポリシーを SCA モジュールに追加しておく必要があります。
メディエーション・ポリシーを使用するには、SCA モジュールに付加する必要があります。ここでは、SCA モジュールにメディエーション・ポリシーを付加する方法について説明します。
SCA モジュールへのメディエーション・ポリシーの付加追加
WSRR で、独自のメディエーション・ポリシーのゲート条件を作成することができます。ここでは、メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件を作成する方法について説明します (メディエーション・ポリシー・アタッチメントにより、SCA モジュールにメディエーション・ポリシーが付加されます)。
メディエーション・ポリシーのゲート条件を作成します。メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件が WSRR に作成されます。
ユーザー・プロパティーをメディエーション・ポリシー・アタッチメントに追加することにより、ゲート条件を作成します。ランタイムは、一部のユーザー・プロパティーを必要条件 (ゲート条件) と解釈するため、メディエーション・ポリシーを使用するにはこの条件を満たす必要があります。medGate_ というストリングで始まるユーザー・プロパティーだけが、メディエーション・ポリシーのゲート条件として使用されます。
通常、ゲート条件を作成する必要があるのは、システムによって生成されたメディエーション・ポリシーではなく、独自に作成したメディエーション・ポリシーについてのみです。
メディエーション・ポリシーの処理モデルでは、ゲート条件が設定されたメディエーション・ポリシーの優先順位が最も高くなります。したがって、これらのメディエーション・ポリシーで定義されるプロパティー値の優先順位が最も高くなります。ゲート条件が設定されていないメディエーション・ポリシーの優先順位は低くなります。そのため、これらのメディエーション・ポリシーで定義されるプロパティー値の優先順位は低くなります。メディエーション・ポリシーに適切なプロパティーがない場合は、管理コンソールの値が使用されます。
WSRR 種別システム (ライフ・サイクル種別を含む) を使用して、メディエーション・ポリシーの可視性をフィルタリングすることができます。 このモジュールでは、WSRR ライフ・サイクル種別を使用してメディエーション・ポリシーを管理する方法を説明します。
メディエーション・ポリシーを実行時に可視にするためには、統合時に定義するすべての種別が、実行時のメディエーション・ポリシーの種別と一致していなければなりません。SCA モジュールを開発するときには、WSRR に示された種別 URI を使用する必要があります。
WSRR でポリシー文書を管理対象にすると、WSRR のガバナンス機能を利用できます。例えば、ポリシー文書を管理対象にすると、ガバナンス状態は、あらゆる関連ポリシーにパーコレートされます。WSRR ガバナンスに種別を使用するほか、その他のタイプの WSRR 種別を使用して、(ポリシー文書にではなく) 関連 WSRR ポリシーに直接、種別を追加することもできます。
WSRR では、使用する種別の URI を見つける必要があります。 その URI を使用して、WebSphere Integration Developer でポリシー解決の Classification プロパティーを作成する必要があります。
WSRR で種別の URI を見つけるには、さまざまな方法があります。以下のステップは、方法の一例です。
WSRR ガバナンスを使用するには、ポリシー文書を管理対象にしてから、その状態を移す必要があります。
このメディエーション・ポリシーのチュートリアルでは、SCA モジュールとメディエーション・ポリシーの WSRR 文書を作成する方法について説明しました。さらに、メディエーション・ポリシーのゲート条件を作成する方法についても説明しました。
ランタイム環境をまだ構成していない場合は、構成してください。その際、SCA モジュール用の適切な WSRR 定義が存在することを確認してください。
ランタイム環境を構成してこのチュートリアルを完了したら、SCA モジュールに関連付けられたアプリケーションを実行できるようになります。処理されるメッセージやゲート条件および種別によっては、メディエーション・ポリシーを使用してメディエーション・フローを調整してもかまいません。