トランザクション (tranlog) ログ・ファイルには、データベースに書き込まれる重大なトランザクション・データが保管されます。これは、WebSphere® Application Server が未完了トランザクションの管理に使用し、万一サーバーが破損した場合は、リカバリーを試みるために使用する内部ファイルです。
実稼働環境からトランザクション・ログ・ファイルを削除しないでください。このファイルを削除すると、未完了トランザクションに関する情報が
WebSphere ESB のメモリーから除去されます。
トランザクション・ログ・ファイルがないと、トランザクション情報を回復する手段がありません。さらに、長期実行プロセスが不整合状態のままで残り、稼働中のインスタンスを削除する以外にプロセス・フローを完了できなくなります。稼働中のインスタンスを削除すると、操作データやビジネスに不可欠のデータを失うおそれがあり、データベースがメッセージの宛先と整合しなくなります。それ以外に、トランザクション・ログ・ファイルの削除が原因で起きる不整合には、以下のようなものがあります。
- 開始されたトランザクションがロールバックもコミットもされなくなります。
- 成果物が Java™ 仮想マシン (JVM) 内に残ります。成果物はトランザクションによって参照されるか割り振られますが、ガーベッジ・コレクションが決して行われないからです。
- プロセス・ナビゲーションおよびトランザクションに属する Service Component Architecture (SCA) メッセージが SCA 関連キューの中に残ります。
注: 開発環境からトランザクション・ログを削除した場合も、同じ問題が起きます。それらのファイルをテスト環境から削除しても、ビジネス・プロセスを再作成できるため、実稼働環境から削除した場合ほどの損害はありません。