WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: AIX、HP-UX、i5/OS、Linux、Solaris、Windows


Service Component Architecture のアプリケーション応答測定 (ARM) 統計

Service Component Architecture レベルでモニターできるパフォーマンス統計は 25 種類あります。これらのアプリケーション応答測定統計 (カウンターまたはタイマー) を使用すると、サービスの呼び出しまたはサービスからの応答をさまざまなパターンで測定できます。

以下の表に示すアプリケーション応答測定 (ARM) 統計は、Service Component Architecture (SCA) 層に対する呼び出し元による呼び出しおよびサービスから戻される結果の、時間およびカウントの測定 (非常に単純な方法での測定) です。実際には、据え置き応答、結果の取得、コールバックおよび片方向呼び出しの同期実装および非同期実装間で異なるサービス呼び出しパターンがいくつかあります。 ただし、これらはすべて呼び出し元の呼び出しと、サービス、サービスからの応答、または場合によってはデータ・ソースとの間のやり取りであり、これらの間には SCA 層が存在します。

モニターする ARM 統計を指定するには、管理コンソールで「モニターおよびチューニング」>「要求メトリック」パネルを開きます。要求メトリック情報は、後で検索や分析を行うためにログ・ファイルに保存されるか、ARM エージェントに送られます。その両方が行われる場合もあります。WebSphere® ESB には ARM エージェントは同梱されていませんが、ARM 4.0 に準拠したエージェントの使用はサポートされています。独自の ARM 実装プロバイダーを選択して、ARM 実装ライブラリーを取得できます。 ARM プロバイダーからの指示に従い、ARM プロバイダーにある ARM API Java™ アーカイブ (JAR) ファイルをクラス・パス上に置くようにして、WebSphere ESB が必要なクラスをロードできるようにします。その後、サーバーを再始動する前に、管理コンソールで「アプリケーション・サーバー」>「server_name」>「プロセス定義」>「Java 仮想マシン」>「カスタム・プロパティー」を選択することにより、以下の項目をシステム・プロパティーに追加する必要があります。
  • Arm40.ArmMetricFactory - ARM 実装プロバイダーのメトリック・ファクトリーの完全 Java クラス名。
  • Arm40.ArmTranReportFactory - ARM 実装プロバイダーのトランザクション・レポート・ファクトリーの完全 Java クラス名。
  • Arm40.ArmTransactionFactory - ARM 実装プロバイダーのトランザクション・ファクトリーの完全 Java クラス名。
サーバーを構成して ARM 統計を収集する方法について詳しくは、WebSphere Application Server の資料を参照してください。
表 1. ARM 統計を生成できるイベント・タイプおよびエレメント
イベント・タイプ エレメント
セレクター Operation
マップ Map
Transformation
メディエーション OperationBinding
ParameterMediation
リソース・アダプター InboundEventRetrieval
InboundEventDelivery
Outbound
表 2. 共通. すべてのサービス呼び出しパターンに共通する統計です。
統計名 タイプ 説明
GoodRequests カウンター 例外が発生しなかったサービス呼び出しの数。
BadRequests カウンター 例外が発生したサーバー呼び出しの数。
ResponseTime タイマー サーバー・サイドで測定される、要求が受信されてから結果が計算されるまでの時間。
TotalResponseTime タイマー 呼び出し側で測定される、呼び出し側がサービスを要求してから呼び出し側に結果が戻るまでの時間。呼び出し側による結果の処理は含まれません。
RequestDeliveryTime タイマー 呼び出し側で測定される、呼び出し側がサービスを要求してからサーバー・サイドの実装環境に要求が受け渡されるまでの時間。分散環境では、この測定の正確性は、システム・クロックの同期の正確性に依存します。
ResponseDeliveryTime タイマー 結果がクライアントに戻るまでに必要な時間。遅延応答の場合、この時間には結果取得時間は含まれません。分散環境では、この測定の正確性は、システム・クロックの同期の正確性に依存します。
表 3. 参照. 以下の統計が実行されるのは、呼び出し元が、サービスからの応答を受けずに SCA 層またはデータ・ソースへの呼び出しを行った場合です。
統計名 タイプ 説明
GoodRefRequests カウンター 例外を発生させない、SCA 層への呼び出し側による呼び出しの数。
BadRefRequests カウンター 例外を発生させる、SCA 層への呼び出し側による呼び出しの数。
RefResponseTime タイマー 呼び出し側で測定される、呼び出し側が SCA 層に要求を出してから呼び出し側に呼び出しの結果が戻るまでの時間。
BadRetrieveResult カウンター 呼び出し元によるデータ・ソースへの呼び出しのうち、例外が発生した呼び出しの回数。
GoodRetrieveResult カウンター 呼び出し元によるデータ・ソースへの呼び出しのうち、例外が発生しなかった呼び出しの回数。
RetrieveResultResponseTime タイマー 呼び出し元がデータ・ソースへの要求を出してから、データ・ソースの応答が呼び出し元に返されるまでの所要時間 (呼び出し元側で測定)。
RetrieveResultWaitTime タイマー タイムアウトが発生した場合に、呼び出し側で測定される時間。
表 4. ターゲット. 以下の統計が実行されるのは、サービスと SCA 間またはサービスとデータ・ソース間で要求が発生した場合です。
統計名 タイプ 説明
GoodTargetSubmit カウンター 例外を発生させない、サービスへの SCA 呼び出しの数。
BadTargetSubmit カウンター 例外を発生させる、サービスへの SCA 呼び出しの数。
TargetSubmitTime タイマー サーバー・サイドで測定される、SCA がサービスに要求を出してからその呼び出しの結果が SCA に戻るまでの時間。
GoodResultSubmit カウンター データ・ソースへのサービス呼び出しのうち、例外が発生しなかった呼び出しの回数。
BadResultSubmit カウンター データ・ソースへのサービス呼び出しのうち、例外が発生した呼び出しの回数。
ResultSubmitTime タイマー サービスがデータ・ソースへの要求を出してから、その呼び出しの結果がサービスに返されるまでの所要時間 (サーバー側で測定)。
表 5. コールバック. 以下の統計は、呼び出し側にコールバック (元の呼び出しの「兄弟」) が存在する場合に作成されます。
統計名 タイプ 説明
GoodCB カウンター 例外を発生させない、コールバックへの SCA 呼び出しの数。
BadCB カウンター 例外を発生させる、コールバックへの SCA 呼び出しの数。
CBTime タイマー SCA がコールバックに要求を出してからコールバックからの結果が SCA に戻るまでの時間。
GoodCBSubmit カウンター サービスからコールバックを処理する SCA への呼び出しのうち、例外を発生させない呼び出しの数。
BadCBSubmit カウンター サービスからコールバックを処理する SCA への呼び出しのうち、例外を発生させる呼び出しの数。
CBSubmitTime タイマー サービスがコールバックを処理する SCA に要求を出してから、SCA からの結果がサービスに戻るまでの時間。

以下のトピックでは、これらの統計がさまざまな実装環境でどのように使用されるかを示します。


reference 参照トピック

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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