WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: AIX、HP-UX、i5/OS、Linux、Solaris、Windows


エクスポート・バインディングでの関数セレクター

関数セレクターは、要求メッセージのデータに対して実行すべき操作を指示するために使用します。 関数セレクターは、エクスポート・バインディングの一部として構成されます。

インターフェースを公開する SCA エクスポートを例として考えてみます。このインターフェースには、作成および更新の 2 つの操作が組み込まれています。エクスポートの JMS バインディングは、キューから読み取られます

メッセージがキューに到着すると、エクスポートには関連するデータが渡されますが、ワイヤリングされたコンポーネントで、エクスポートのインターフェースからどの操作を呼び出すべきかの情報は渡されません。その操作は、関数セレクターとエクスポート・バインディング構成によって決まります

関数セレクターはネイティブの関数名 (メッセージを送信したクライアント・システムの関数名) を返します。ネイティブの関数名は、エクスポートが関連付けられたインターフェースの操作名または関数名にマップされます。 例えば以下の図で、関数セレクターは着信メッセージからネイティブの関数名 (CRT) を返し、ネイティブの関数名は作成操作にマップされ、ビジネス・オブジェクトは作成操作を持つ SCA コンポーネントに送信されます。
図 1. 関数セレクター
関数セレクターがネイティブの関数名を返し、次にネイティブの関数名が作成オブジェクトにマップされる方法を示す図。

インターフェースに 1 つの操作しかない場合には、関数セレクターを指定する必要はありません。

複数の関数セレクターがプリパッケージされています。以降のセクションで、これらの関数セレクターをリストします。

JMS バインディング

次の表は、以下のバインディングで使用できる関数セレクターの一覧です。
  • JMS バインディング
  • 汎用 JMS バインディング
  • WebSphere MQ JMS バインディング
表 1. JMS バインディング用の事前定義関数セレクター
関数 セレクター 説明
単純な JMS データ・バインディング用 JMS 関数セレクター メッセージの JMSType プロパティーを使用して操作名を選択します。
JMS ヘッダー・プロパティー関数セレクター ヘッダーの JMS ストリング・プロパティー、TargetFunctionName の値を返します。
JMS サービス・ゲートウェイ関数セレクター クライアントによって設定された JMSReplyTo プロパティーを調べ、要求が片方向操作と両方向操作のどちらであるかを判別します。

WebSphere MQ バインディング

次の表は、WebSphere MQ バインディングで使用できる関数セレクターの一覧です。

表 2. WebSphere MQ バインディング用の事前定義関数セレクター
関数 セレクター 説明
MQ handleMessage 関数セレクター handleMessage を値として返します。この値は、エクスポート・メソッド・バインディングを使用してインターフェースの操作名にマップされています。
MQ が JMS デフォルト関数セレクターを使用 MQRFH2 ヘッダーのフォルダーの TargetFunctionName プロパティーからネイティブ操作を読み取ります。
MQ がメッセージ本体のフォーマットをネイティブ関数として使用 最後のヘッダーの Format フィールドを検索し、そのフィールドをストリングとして返します。
MQ タイプ関数セレクター MQRFH2 ヘッダーで検出した Msd、Set、Type、および Format プロパティーを含む URL を取得して、エクスポート・バインディング内にメソッドを作成します。
MQ サービス・ゲートウェイ関数セレクター MQMD ヘッダー内の MsgType プロパティーを使用して操作名を判断します。

HTTP バインディング

次の表は、HTTP バインディングで使用できる関数セレクターの一覧です。

表 3. HTTP バインディング用の事前定義関数セレクター
関数 セレクター 説明
TargetFunctionName ヘッダーに基づく HTTP 関数セレクター クライアントからの TargetFunctionName HTTP ヘッダー・プロパティーを使用して、実行時にエクスポートから呼び出す操作を判断します。
URL および HTTP メソッドに基づく HTTP 関数セレクター クライアントからの HTTP メソッドに付加された URL の相対パスを使用して、エクスポートに定義されたネイティブ操作を判断します。
操作名が設定された URL に基づく HTTP サービス・ゲートウェイ関数セレクター 要求 URL に「operationMode = oneWay」が付加されている場合、その URL に基づいて呼び出すメソッドを判断します。
注: WebSphere Integration Developer を使用して固有の関数セレクターを作成することもできます。関数セレクターの作成に関する詳細情報については、WebSphere Integration Developer インフォメーション・センターを参照してください。例えば、WebSphere MQ バインディング用の関数セレクターの作成に関する説明は、『MQ 関数セレクターの概要』に記載されています。

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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