ビジネス・インテグレーション・プロジェクトの成功は、特化した開発ロール、プログラミング手法、およびツール・スイートの組み合わせによって左右されます。
ビジネス・インテグレーション・プロジェクトには、以下の基本要素が必要です。
以降のセクションでは、上記の構成要素のそれぞれについて詳しく説明します。
前述のとおり、ビジネス・インテグレーション・プロジェクトの重要な側面には、複数のコンポーネントの呼び出しを調整できること、そしてこれらのコンポーネントの間でのデータ交換を処理できることが含まれます。 これは特に、複数のコンポーネントがそれぞれに異なる手法で、注文や顧客情報に含まれるデータなどのビジネス・アイテムを表現する可能性があるからです。例えば、Enterprise Java™Bean (EJB) エンティティーを使用してビジネス・アイテムを表す Java アプリケーションと、COBOL コピーブックで情報を編成している既存のアプリケーションを統合しなければならない場合も考えられます。そのため、統合ソリューションの作成を単純化することを意図するプラットフォームは、バックエンド・システムがデータ処理に使用する手法とは関係なくビジネス・アイテムを表現する汎用方法も提供しなければなりません。 この目標は、WebSphere® Process Server および WebSphere Enterprise Service Bus では、ビジネス・オブジェクト・フレームワーク によって達成されています。
ビジネス・オブジェクト・フレームワークは、開発者が XML スキーマを使用してビジネス・データの構造を定義し、これらのデータ構造 (ビジネス・オブジェクト) のインスタンスに XPath または Java コードでアクセスして操作することを可能にします。 ビジネス・オブジェクト・フレームワークは、サービス・データ・オブジェクト (SDO) 標準に基づきます。
SCA プログラミング・モデルは、WebSphere Process Server および WebSphere Enterprise Service Bus で開発されるすべてのソリューションの基盤となります。 SCA は、開発者にサービス実装を再使用可能コンポーネントにカプセル化する方法を提供します。 これによって、開発者はテクノロジーにとらわれない方法でインターフェース、実装、参照を定義できるようになるため、エレメントを任意のテクノロジーにバインドすることが可能になります。 また、これらのコンポーネントの呼び出しを可能にする SCA クライアント・プログラミング・モデルもあります。 このモデルは具体的には、Java ベースのランタイム・インフラストラクチャーが Java 以外のランタイムと対話することを可能にします。 SCA は、サービスを呼び出すためにビジネス・オブジェクトをデータ項目として使用します。
IBM® WebSphereIntegration Developer は、上述のテクノロジーをベースとしたビジネス・インテグレーション・ソリューションを作成および構成するために必要なすべてのツールを備えた統合開発環境です。 これらのソリューションは通常、WebSphere Process Server にデプロイされますが、場合によっては WebSphere Enterprise Service Bus にデプロイされることもあります。