サービス・アプリケーションではバージョン管理をサポートしています。モジュールおよびその成果物のバージョンを 1 つ以上開発して、特定のクライアントが使用できるようにランタイム環境にデプロイすることができます。
バージョン管理の可能な範囲
モジュールはバージョン番号を持つことができ、これはモジュール内の SCA インポート・バインディングおよびエクスポート・バインディングについても同じです。SCA バインディングは関連付けられたモジュールからバージョン情報を継承します。
注: 現時点では、SCA バインディングのタイプだけがバージョン管理可能です。
バージョン管理は 6.2.x モジュールについてのオプションです。
WebSphere® Integration Developer および
WebSphere ESB 6.1.x で開発およびデプロイしたモジュールはバージョンを持つことができず、現行の性質で機能し続けます。詳しくは、マイグレーションのトピックを参照してください。
ライブラリーもバージョン管理できます。ライブラリーを使用するモジュールは、そのライブラリーの特定のバージョンに依存し、ライブラリーも他のライブラリーの特定のバージョンに依存することもあります。ライブラリーのバージョン管理について詳しくは、WebSphere Integration Developer インフォメーション・センターを参照してください。
バージョン指定したモジュールをデプロイするときの考慮事項
バージョン指定したモジュールを 6.2.x ランタイムにデプロイして、管理コンソールの「SCA モジュール」ページから管理できます。
WebSphere ESB では以下に示すバージョン指定のデプロイメント・シナリオがサポートされています。
- バージョン管理されたモジュールを、セル内のサーバーまたはクラスターにインストールする
- あるモジュールの同一バージョンを、セル内の 1 つ以上のサーバーまたはクラスターにそれぞれ 1 回インストールする
- あるモジュールの異なるバージョンを同一サーバーまたは同一クラスターにインストールする
モジュールの新規バージョンをデプロイしても、モジュールの以前のバージョンは置換されません。セルを対象範囲としたアプリケーション成果物 (このケースではビジネス・ルール) の以前のバージョンは上書きされます。
バージョンを変更せずにアプリケーションを更新する (例えば、小さな修正または改良を加える) 場合、更新されたアプリケーションおよびその成果物は既存のアプリケーションおよび成果物を置換しますが、定義済みのセキュリティー・ポリシーについては例外です。すべてのセキュリティー・ポリシー成果物はアプリケーション更新中に保持されます。
バージョン管理情報を保持するために、インストール・プロセスではモジュール名が (
serviceDeploy または
createVersionedSCAModule コマンドによって) 自動的に変更され、モジュール名がセル内で固有であるようにします。この変更は、バージョン番号、固有のセル ID、またはその両方を元のモジュール名に追加することによって行われます。
moduleName_vversionValue_uniqueCellID
バージョン指定したモジュールをバインドするときの考慮事項
あるモジュールの複数バージョンを 1 つのサーバーにデプロイするか、またはあるモジュールの複数インスタンスをクラスター全体にデプロイした後、モジュールの特定バージョンをクライアント (バージョンの指定ありまたはなし) にどのようにバインドするかについて検討します。
- 静的バインディング: 静的バインディングを使用している場合、単に既存の管理ツールを使用して、バージョン指定したモジュールをクライアントにバインドします。静的バインディングではモジュールのバージョン番号を指定する必要があります。
- 動的バインディング: バージョン指定されたモジュールで動的バインディングを使用するには、モジュール・バージョンのメタデータ (versionValue および versionProvider) およびサービス・バージョンを認識するルーティング機能を含む、メディエーション・フロー・コンポーネントを使用します。サービス・バージョンを認識するルーティング機能を使用して、バージョン指定したモジュールを動的にバインドするには、すべてのモジュールを WebSphere Service Registry and Repository
(WSRR) で登録しておく必要があります。