WebSphere Enterprise Service Bus for z/OS バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: z/OS


HTTP ヘッダー

HTTP インポートおよびエクスポート・バインディングを使用すると、HTTP ヘッダーを構成し、その値をアウトバウンド・メッセージに使用できます。HTTP インポートはそれらのヘッダーを要求に使用し、HTTP エクスポートは応答に使用します。

静的に構成されたヘッダーと制御情報は、実行時に動的に設定される値よりも優先されます。しかし、動的オーバーライド URL、バージョン、およびメソッド制御の値は、静的な値をオーバーライドします。それ以外の場合、静的な値がデフォルト値と見なされます。

バインディングは、実行時に HTTP ターゲットの URL、バージョン、およびメソッド値を判断することにより、HTTP インポート URL の動的性をサポートします。 これらの値は、エンドポイント参照、バージョン、メソッドの値を抽出して判別されます。

HTTP エクスポートおよびインポート・バインディングのアウトバウンド・メッセージに関する制御およびヘッダー情報は、次の順序で処理されます。

  1. HTTP 動的オーバーライド URL、バージョン、およびメソッドを SCA メッセージから除外するヘッダーおよび制御情報 (最低の優先順位)
  2. エクスポート/インポート・レベルでの管理コンソールからの変更
  3. エクスポート/インポートのメソッド・レベルでの管理コンソールからの変更
  4. エンドポイント参照または SMO ヘッダーからの HTTP 動的オーバーライド URL
  5. Service Component Architecture (SCA) メッセージからのバージョンおよびメソッド
  6. データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングからのヘッダーおよび制御情報 (最高の優先順位)
HTTP エクスポートおよびインポートは、contextPropagationEnabled が True に設定されている場合、インバウンド方向のヘッダーと制御パラメーターに、着信メッセージからのデータ (HTTPExportRequest および HTTPImportResponse) の取り込みのみを行います。逆に、アウトバウンドのヘッダーと制御パラメーター (HTTPExportResponse および HTTPImportRequest) については、contextPropagationEnabled が True に設定されている場合、HTTP エクスポートおよびインポートは読み取りと処理のみを行います。
注: インポート応答またはエクスポート要求のなかでデータ・ハンドラーまたはデータ・バインディングがヘッダーまたは制御パラメーターに変更されても、インポートまたはエクスポート・バインディング内でのメッセージの処理命令が変更されることはありません。そのため、データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングは、変更された値をダウンストリームの SCA コンポーネントに伝搬する目的のみで使用する必要があります。

コンテキスト・サービスは、コンテキスト (HTTP ヘッダーなどのプロトコル・ヘッダーや、アカウント ID などのユーザー・コンテキストを含む) を Service Component Architecture (SCA) 呼び出しパスに沿って伝搬します。 コンテキスト・サービスは、WebSphere Integration Developer の開発中に、インポートおよびエクスポート・プロパティーに設定できます。 詳しくは、WebSphere Integration Developer インフォメーション・センターのインポートおよびエクスポート・バインディングに関する情報を参照してください。

提供される HTTP ヘッダー構造とサポート

表 1 に、HTTPImport と HTTPExport の要求および応答の要求/応答パラメーターを項目別に示します。

表 1. 提供される HTTP ヘッダー情報
制御名 HTTPImport
要求
HTTPImport
応答
HTTPExport
要求
HTTPExport
応答
URL 無視される 設定されない 要求メッセージから読み取られる。
注: 照会ストリングも URL 制御パラメーターの一部です。
無視される
バージョン (可能な値: 1.0、1.1。デフォルトは 1.1) 無視される 設定されない 要求メッセージから読み取られる 無視される
メソッド 無視される 設定されない 要求メッセージから読み取られる 無視される
動的オーバーライド URL データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングに設定された場合、HTTP Import URL をオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。
注: 照会ストリングも URL 制御パラメーターの一部です。
設定されない 設定されない 無視される
動的オーバーライド・バージョン 設定された場合、HTTP Import バージョンをオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。 設定されない 設定されない 無視される
動的オーバーライド・メソッド 設定された場合、HTTP Import メソッドをオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。 設定されない 設定されない 無視される
メディア・タイプ (この制御パラメーターは、Content-Type HTTP ヘッダーの値の一部を搬送します。) 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。
注: この制御エレメント値は、データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングによって提供してください。
応答メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる 要求メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。
注: この制御エレメント値は、データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングによって提供してください。
文字セット (デフォルト: UTF-8) 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。
注: この制御エレメント値は、データ・バインディングによって提供してください。
応答メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる 要求メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる サポート対象。メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。
注: この制御エレメント値は、データ・バインディングによって提供してください。
転送エンコード (可能な値: chunked、 identity。デフォルトは identity) 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、メッセージ変換のエンコードの方法を制御する。 応答メッセージから読み取られる 要求メッセージから読み取られる 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、メッセージ変換のエンコードの方法を制御する。
コンテンツ・エンコード (可能な値: gzip、 x-gzip、 deflate、 identity。 デフォルトは identity) 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、ペイロードのエンコードの方法を制御する。 応答メッセージから読み取られる 要求メッセージから読み取られる 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、ペイロードのエンコードの方法を制御する。
Content-Length 無視される 応答メッセージから読み取られる 要求メッセージから読み取られる 無視される
StatusCode (デフォルト: 200) サポート対象外 応答メッセージから読み取られる サポート対象外 存在する場合、応答行のメッセージに書き込まれる。
ReasonPhrase (デフォルト: OK) サポート対象外 応答メッセージから読み取られる サポート対象外 制御値は無視される。メッセージ応答行の値は StatusCode から生成される。
認証 (複数のプロパティーを含む) 存在する場合、基本認証ヘッダーの作成に使用される。
注: このヘッダーの値は、HTTP プロトコル上でのみエンコードされます。SCA では、これはデコードされ、平文として渡されます。
該当なし 要求メッセージの基本認証ヘッダーから読み取られる。 このヘッダーの存在は、ユーザーが認証済みであることを示すものではありません。 認証は、サーブレット構成で制御する必要があります。
注: このヘッダーの値は、HTTP プロトコル上でのみエンコードされます。SCA では、これはデコードされ、平文として渡されます。
該当なし
プロキシー (次のような複数のプロパティーを含む: Host、 Port、 Authentication) 存在する場合、プロキシーによる接続を確立するために使用される。 該当なし 該当なし 該当なし
SSL (次のような複数のプロパティーを含む: Keystore、 Keystore Password、 Trustore、 Trustore Password、 ClientAuth) 入力され、宛先 URL が HTTPS の場合、これは SSL による接続を確立するために使用される。 該当なし 該当なし 該当なし

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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