インポートは、Service Component Architecture (SCA) モジュールと
サービス・プロバイダー間の対話を定義します。
SCA モジュールは、インポートを使用することにより、コンポーネントがローカルの表記を使用して外部サービス (SCA モジュールの外部にあるサービス) にアクセスすることを許可します。インポート・バインディングは、外部サービスがアクセスされる具体的な方法を定義します。
SCA モジュールは、外部サービスにアクセスする必要がない場合は、インポートを持つ必要はありません。メディエーション・モジュールは通常、メッセージまたは要求を意図したターゲットに渡すために使用される、1 つ以上のインポートを保持しています。
インターフェースとバインディング
SCA モジュール・インポートは、少なくとも 1 つのインターフェースを必要とし、また、
SCA モジュール・インポートはバインディングを 1 つ備えています。
- インポート・インターフェースは、Web サービスを記述するための XML 言語である Web サービス記述言語 (WSDL) を使用して、一連の操作を定義する抽象定義です。1 つの SCA モジュールは多
くのインポート・インターフェースを持つことができます。
- インポート・バインディングとは、SCA モジュールが外部サービスへのアクセスに使用する物理メカニズムを指定する具象定義です。
サポートされるインポート・バインディング
WebSphere® ESB は、以下のインポート・バインディングをサポートします。
- Web サービス・バインディングにより、コンポーネントが Web サービスを起動することが許可されます。サポートされるプロトコルは、SOAP/HTTP と SOAP/JMS です。
SOAP/JMS を使用する Web サービス・バインディングは、デフォルトの WebSphere Application Server の
デフォルトのメッセージング・プロバイダーを point-to-point 構成で使用することにより JMS をサポートします。
SOAP/JMS バインディングは、汎用 JMS、MQ JMS、または JMS ブロードキャスト・モードをサポートしません。
- SCA バインディングは、SCA モジュールを他の SCA モジュールに接続します。SCA バインディングは、デフォルトのバインディングともいわれます。
- Java™ Message
Service (JMS) 1.1 バインディングにより、WebSphere Application
Server のデフォルト・メッセージング・プロバイダーとの相互運用が許可されます。JMS は、TCP/IP と HTTP または HTTPS を含むさまざまなトランスポート・タイプを活用します。JMS メッセージ・クラスとその 5 つのサブタイプ (テキスト、バイト、オブジェクト、ストリーム、およびマップ) が自動的にサポートされます。
- WebSphere MQ JMS バインディングにより、WebSphere MQ ベースの JMS プロバイダーとの相互運用が許可されます。
JMS メッセージ・クラスとその 5 つのサブタイプ (テキスト、バイト、オブジェクト、ストリーム、およびマップ) が自動的にサポートされます。WebSphere MQ を JMS プロバイダーとして使用する場合、WebSphere MQ JMS バインディングが必要です。
- WebSphere MQ バインディングにより、WebSphere MQ との相互運用が許可されます。WebSphere MQ バインディングを使用できるのは、WebSphere MQ クライアント接続経由のリモート・キュー・マネージャーを使用する場合のみです。ローカル・キュー・マネージャーと共に使用することはできません。ネイティブ WebSphere MQ アプリケーションと通信する場合、WebSphere MQ バインディングが必要です。
- 汎用 JMS バインディングにより、JMS Application Server Facility (ASF) を使用して WebSphere Application Server を統合するサード・パーティーの JMS プロバイダーとの相互運用が許可されます。
- WebSphere Adapter バインディングによって、エンタープライズ情報システム (EIS) との対話が許可されます。
- HTTP バインディングでは、HTTP プロトコルを使用したアプリケーションへのアクセスが許可されます。
サービスの動的呼び出し
サービスは、サポートされるどのインポート・バインディングを使用しても呼び出すことができます。通常の場合、サービスはインポート内で指定されたエンドポイントにあります。このエンドポイントは静的エンドポイントと呼ばれます。静的エンドポイントをオーバーライドすることにより、異なるサービスを呼び出すこともできます。静的エンドポイントを動的にオーバーライドすれば、サポートされるあらゆるインポート・バインディングを使用して、別のエンドポイントでサービスを呼び出すことができます。またサービスの動的起動によって、サポートされるインポート・バインディングが静的エンドポイントを持たない場所でサービスを呼び出すことが許可されます。
サービスの動的起動の動作方法を制御するには、特定の構成が使用されます。この構成はモデル・インポート・バインディングを使用して定義するか、または呼び出し時に定義することができます。
呼び出しターゲットのタイプはエンドポイント URL から識別します。sca URL は SCA モジュール を表します。
http または jms URL は Web サービスを表します。
URL 内に http を使用しても、エンドポイントが HTTP サービスであるという意味ではありません。同様に、URL 内に jms を使用しても、エンドポイントが JMS サービスであるという意味ではありません。