初期 Network Deployment 構成に含まれているデプロイメント・マネージャー・サーバーには、デプロイメント・マネージャーが稼働する z/OS® システムのデーモンが含まれています。Network Deployment セルの作成後に、アプリケーション・サーバー・ノードを追加できます。追加するには、新しい空の管理対象ノードを作成して統合するか、またはスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードを Network Deployment セルに統合します。
WebSphere® ESB を Network Deployment 環境にインストールするには、統合前に、デプロイメント・マネージャー・ノードと空の管理対象ノードの両方を構成する必要があります。その後統合を実行するため、ジョブ BBOWMNAN を実行します。デプロイメント・マネージャーに統合された空のノードは、デプロイメント・マネージャーにより管理されるため、管理対象ノードになります。管理対象ノードにはノード・エージェントが含まれていますが、アプリケーション・サーバーは含まれていません。管理コンソールからアプリケーション・サーバーまたはクラスターをノードに追加できます。
デプロイメント・マネージャーは管理コンソール・アプリケーションを実行します。また、デプロイメント・マネージャーは集中管理タスク (セル内のすべての管理対象ノードの構成管理や、セル内で選択されたサーバーおよびクラスターへのアプリケーションのデプロイなど) に使用されます。デプロイメント・マネージャーとアプリケーション・サーバーはそれぞれ異なるノードで実行されます。
基本的な Network Deployment 構成は、以下のコンポーネントで構成されます。
- 個別のノードで実行されるデプロイメント・マネージャー・サーバー。このサーバーで管理コンソール・アプリケーションが実行され、管理コンソール・アプリケーションではアプリケーションをデプロイできます。
- z/OS セルの一部分をホストする各 z/OS® ターゲット・システム上の 1 つ以上のアプリケーション・サーバー・ノード。各ノードは、1 つのノード・エージェントの 1 つ以上のアプリケーション・サーバーで構成されます。各ノードをデプロイメント・マネージャー・セルに統合する必要があります。
- 各 z/OS システムの単一ロケーション・サービス・デーモン。セルごとに、サーバーのワークロードを検査して分散する 1 つのデーモン・サーバーが常時稼働している必要があります。
- DB2® データベース。DB2® Universal Database™ バージョン 8.1 は、Network Deployment 環境のデフォルトのデータベース・タイプです。
次の図に示す Network Deployment 構成では、デプロイメント・マネージャー・サーバーに、デプロイメント・マネージャーが稼働する z/OS システムのためのデーモンが備わっています。デプロイメント・マネージャーは、2 つのノード・エージェントを介して 4 つのサーバー A、B、C、および D を管理します。
Network Deployment トポロジーを作成する前に、以下のコンポーネントを構成しておく必要があります。
- デプロイメント・マネージャー・ノードおよびデプロイメント・マネージャーに統合されていない空の管理対象ノードを使用して、サーバー上の WebSphere Application Server for z/OS を構成しておく必要があります。インストール・スクリプトの実行前に、空の管理対象ノードが統合されていないことが重要です。
ノードを拡張し、WebSphere ESB for z/OS 構成データを組み込んだ後でノードを統合します。
- 使用する UNIX® ユーザー ID に、UNIX® シェルへのアクセス権限が付与されている必要があります。これは、インストール・スクリプトと拡張スクリプトをこのシェルで実行するためです。アクセス権限を付与するときには、RACF® (セキュリティー) プロファイルを変更し、UNIX シェル内にホーム・ディレクトリーを作成します。このホーム・ディレクトリーは、UNIX セッションを開始し、プログラムの実行に必要な環境変数ファイルを格納するディレクトリーです。また、作業データを保存するためのルート・ディレクトリーとしてホーム・ディレクトリーを使用することもできます。
- WebSphere ESB for z/OS 製品コードをテープからシステムに読み込んでおく必要があります。これにより、製品コードを使用して WebSphere ESB for z/OS をインストールおよび構成できます。
デプロイメント・マネージャー・ノードの構成時には、以下の点に注意してください。
- ターゲット・データ・セットを割り振るときに、スタンドアロン・アプリケーション・サーバー・ノードで使用したターゲット・データ・セットを使用することができますが、この操作は推奨されていません。各構成のジョブ名は非常に似ているため、同じターゲット・データ・セットを使用する場合、2 つのジョブ・セットを常に切り離しておくことが難しい可能性があります。したがって、デプロイメント・マネージャー・ノード用のターゲット・データ・セットを新規に作成し、2 つのジョブ・セットをそれぞれ切り離して維持します。
- 汎用システム・マウント・ポイントのファイル・システムのデプロイメント・マネージャーの構成以外は、すべてのプロセッサーでファイル・システムのルートを共有します。
WebSphere Process Server for z/OS の構成を開始する前にこの構成について計画しておくことが非常に重要です。これは、Network Deployment セルの構成時に特に該当します。さまざまな選択肢があるため、インストール・プロセスで正しい決定を行うには、これらの選択肢に影響する要因を理解しておく必要があります。
Network Deployment 構成の利点- Network Deployment 構成の主な利点の 1 つが、可用性です。
複数の LPAR を含んでいる構成では、単一障害点が減り、計画停止時と計画外の停止時に可用性を維持することができます。
- メッセージの配信方法を構成できます。例えば、確実に安全な配信 (メッセージが失われないことが保証されており、保護された状態でメッセージが転送される) またはベストエフォート (システム障害発生時にはメッセージが失われる可能性がある) を指定できます。
- Network Deployment セルに、メディエーション・モジュールをホストするサーバーが複数配置できます。メディエーション・モジュールにより、スケーラビリティー (多数のクライアント接続を処理できる能力) が実現し、メッセージ・スループットが向上します。
- サーバー・クラスターを作成できます。サーバー・クラスターでは、複数のサーバーを一括に管理し、これらのサーバーをワークロード管理に使用することができます。
- 部門別にそれぞれ個別の管理ドメインを使用したり、テスト機能と実働機能を切り離したりするために、バス環境が複数のスタンドアロン・プロファイルとデプロイメント・マネージャー・プロファイルで構成されていることがあります。各プロファイルには、それぞれ固有の SCA.SYSTEM サービス統合バスがあります。