WebSphere Enterprise Service Bus for z/OS バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: z/OS


アップグレード・プロセスについて

WebSphere® ESB for z/OS® のアップグレードは、複数のロールが関わる可能性がある複数フェーズ・プロセスです。

WebSphere ESB for z/OS 製品をアップグレードするには、次のいずれかの方法を使用します。

シナリオ 1: 既存のインストール・ファイル・システムに新しいバージョンをオーバーレイする

このシナリオでは、WebSphere ESB for z/OS をアップグレードするため、SMP/E を使用して既存のインストール・ファイル・システムの上に製品の新しいバージョンを読み込みます (次の図を参照)。
注: 構成では、その構成ファイル・システムにのみアクセスできます。構成ファイル・システムのシンボリック・リンクにより、インストール・ファイル・システムのコードにアクセスできます。
その後、サーバー・コントローラーが始動したら applyPTF.sh スクリプトが実行されます。このスクリプトは、構成ファイル・システムのレベルを、インストール・ファイル・システムのレベルと突き合わせて検査します。 2 つのファイル・システムの保守レベルが同一であると、サーバーが始動します。 構成ファイル・システムのレベルがインストール・ファイル・システムのレベルよりも低い場合は、applyPTF.sh スクリプトが、インストール・ファイル・システムの保守レベルで指定される変更を構成ファイル・システムに加え、サーバーを開始します。
注: 構成ファイル・システムのレベルがインストール・ファイル・システムのレベルよりも高い場合、例えば保守適用前の状態に戻されている場合、サーバーは開始できません。

追加情報については、『製品保守の適用』および『ファイル・システム構成方針 (file system configuration strategy)』を参照してください。

図 1. 既存のインストール・ファイル・システムのオーバーレイによる WebSphere ESB for z/OS 製品のアップグレード
この図は、既存のインストール・ファイル・システムに新しいバージョンをオーバーレイしてアップグレードを実行する方法を示しています。

シナリオ 2: アップグレード・スクリプトを使用する

このシナリオでは、WebSphere ESB for z/OS をアップグレードするため、SMP/E を使用して既存のインストール・ファイル・システムとは別に製品の新しいバージョンを読み込みます (次の図を参照)。

その後、アップグレードするアプリケーション・サーバーごとにアップグレード・スクリプトを実行できます。アップグレード・プロセスにより、サービス・レベル・シンボリック・リンクが、アプリケーション・サーバーの既存のインストール・ファイル・システムから新しいインストール・ファイル・システムに変更されます。

その後、サーバー・コントローラーが始動したら applyPTF.sh スクリプトが実行されます。このスクリプトは、構成ファイル・システムのレベルを、インストール・ファイル・システムのレベルと突き合わせて検査します。 この場合、構成ファイル・システムのレベルがインストール・ファイル・システムより低い ため、applyPTF.sh スクリプトが、インストール・ファイル・システムの保守レベルにより指定される変更を構成ファイル・システムに加え、サーバーを開始します。

次の図では、新しいバージョンの WebSphere ESB for z/OS がアプリケーション・サーバー A にインストールされ、このサーバーで実行するよう構成されます。アプリケーション・サーバー B をアップグレードするには、システム・プログラマーがアップグレード・スクリプトを実行します。このスクリプトでは、アプリケーション・サーバー B の構成ファイル・システムのサービス・レベル・シンボリック・リンクが、アプリケーション・サーバー A に関連付けられている新しいインストール・ファイル・システムを指し示すように設定され、これによりアプリケーション・サーバー B の構成ファイル・システムが更新されます。applyPTF.sh スクリプトの実行時には、インストール・システムのアップグレードが完了しています。

図 2. アップグレード・スクリプトを使用した WebSphere ESB for z/OS 製品のアップグレード
この図は、アップグレード・スクリプトを使用したアップグレード方法を示しています。

アップグレード・スクリプトと中間シンボリック・リンクの使用

この例は前の図のシナリオと似ていますが、インストール・ファイル・システムと構成ファイル・システム間の直接シンボリック・リンクではなく、中間シンボリック・リンクが使用されている点が異なります。中間シンボリック・リンクは、インストール・ファイル・システムを指し示す標準シンボリック・リンクであり、構成ファイル・システムがこの中間シンボリック・リンクを指し示します。ノードのサービス・レベルを変更しても、1 つの中間シンボリック・リンクが変更されるだけです。

これで、アップグレードするアプリケーション・サーバーごとにアップグレード・スクリプトを実行できます。このスクリプトでは、新しいバージョンのインストール・ファイル・システムを使用して、更新する構成ファイル・システムのシンボリック・リンクが更新されます。構成ファイル・システムは中間シンボリック・リンクを指し示します。この中間シンボリック・リンクにより、間接化が強化されます。

図 3. アップグレード・スクリプトを使用した WebSphere ESB for z/OS 製品のアップグレード
この図は、アップグレード・スクリプトと中間シンボリック・リンクを使用したアップグレード方法を示しています。

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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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