HTTP インポートおよびエクスポート・バインディングを使用すると、HTTP ヘッダーを構成し、その値をアウトバウンド・メッセージに使用できます。HTTP インポートはそれらのヘッダーを要求に使用し、HTTP エクスポートは応答に使用します。
静的に構成されたヘッダーと制御情報は、実行時に動的に設定される値よりも優先されます。しかし、動的オーバーライド URL、バージョン、およびメソッド制御の値は、静的な値をオーバーライドします。それ以外の場合、静的な値がデフォルト値と見なされます。
バインディングは、実行時に HTTP ターゲットの URL、バージョン、およびメソッド値を判断することにより、HTTP インポート URL の動的性をサポートします。 これらの値は、エンドポイント参照、バージョン、メソッドの値を抽出して判別されます。
HTTP エクスポートおよびインポート・バインディングのアウトバウンド・メッセージに関する制御およびヘッダー情報は、次の順序で処理されます。
コンテキスト・サービスは、コンテキスト (HTTP ヘッダーなどのプロトコル・ヘッダーや、アカウント ID などのユーザー・コンテキストを含む) を Service Component Architecture (SCA) 呼び出しパスに沿って伝搬します。 コンテキスト・サービスは、WebSphere Integration Developer の開発中に、インポートおよびエクスポート・プロパティーに設定できます。 詳しくは、WebSphere Integration Developer インフォメーション・センターのインポートおよびエクスポート・バインディングに関する情報を参照してください。
表 1 に、HTTPImport と HTTPExport の要求および応答の要求/応答パラメーターを項目別に示します。
制御名 | HTTPImport 要求 |
HTTPImport 応答 |
HTTPExport 要求 |
HTTPExport 応答 |
---|---|---|---|---|
URL | 無視される | 設定されない | 要求メッセージから読み取られる。 注: 照会ストリングも URL 制御パラメーターの一部です。
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無視される |
バージョン (可能な値: 1.0、1.1。デフォルトは 1.1) | 無視される | 設定されない | 要求メッセージから読み取られる | 無視される |
メソッド | 無視される | 設定されない | 要求メッセージから読み取られる | 無視される |
動的オーバーライド URL | データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングに設定された場合、HTTP Import URL をオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。 注: 照会ストリングも URL 制御パラメーターの一部です。
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設定されない | 設定されない | 無視される |
動的オーバーライド・バージョン | 設定された場合、HTTP Import バージョンをオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。 | 設定されない | 設定されない | 無視される |
動的オーバーライド・メソッド | 設定された場合、HTTP Import メソッドをオーバーライドする。要求行のメッセージに書き込まれる。 | 設定されない | 設定されない | 無視される |
メディア・タイプ (この制御パラメーターは、Content-Type HTTP ヘッダーの値の一部を搬送します。) | 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。 注: この制御エレメント値は、データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングによって提供してください。
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応答メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる | 要求メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる | 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。 注: この制御エレメント値は、データ・ハンドラーまたはデータ・バインディングによって提供してください。
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文字セット (デフォルト: UTF-8) | 存在する場合、メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。 注: この制御エレメント値は、データ・バインディングによって提供してください。
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応答メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる | 要求メッセージ、Content-Type ヘッダーから読み取られる | サポート対象。メッセージに Content-Type ヘッダーの一部として書き込まれる。 注: この制御エレメント値は、データ・バインディングによって提供してください。
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転送エンコード (可能な値: chunked、 identity。デフォルトは identity) | 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、メッセージ変換のエンコードの方法を制御する。 | 応答メッセージから読み取られる | 要求メッセージから読み取られる | 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、メッセージ変換のエンコードの方法を制御する。 |
コンテンツ・エンコード (可能な値: gzip、 x-gzip、 deflate、 identity。 デフォルトは identity) | 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、ペイロードのエンコードの方法を制御する。 | 応答メッセージから読み取られる | 要求メッセージから読み取られる | 存在する場合、メッセージにヘッダーとして書き込まれ、ペイロードのエンコードの方法を制御する。 |
Content-Length | 無視される | 応答メッセージから読み取られる | 要求メッセージから読み取られる | 無視される |
StatusCode (デフォルト: 200) | サポート対象外 | 応答メッセージから読み取られる | サポート対象外 | 存在する場合、応答行のメッセージに書き込まれる。 |
ReasonPhrase (デフォルト: OK) | サポート対象外 | 応答メッセージから読み取られる | サポート対象外 | 制御値は無視される。メッセージ応答行の値は StatusCode から生成される。 |
認証 (複数のプロパティーを含む) | 存在する場合、基本認証ヘッダーの作成に使用される。 注: このヘッダーの値は、HTTP プロトコル上でのみエンコードされます。SCA では、これはデコードされ、平文として渡されます。
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該当なし | 要求メッセージの基本認証ヘッダーから読み取られる。
このヘッダーの存在は、ユーザーが認証済みであることを示すものではありません。
認証は、サーブレット構成で制御する必要があります。 注: このヘッダーの値は、HTTP プロトコル上でのみエンコードされます。SCA では、これはデコードされ、平文として渡されます。
|
該当なし |
プロキシー (次のような複数のプロパティーを含む: Host、 Port、 Authentication) | 存在する場合、プロキシーによる接続を確立するために使用される。 | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
SSL (次のような複数のプロパティーを含む: Keystore、 Keystore Password、 Trustore、 Trustore Password、 ClientAuth) | 入力され、宛先 URL が HTTPS の場合、これは SSL による接続を確立するために使用される。 | 該当なし | 該当なし | 該当なし |