WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: AIX、HP-UX、i5/OS、Linux、Solaris、Windows



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チュートリアル: WSRR でのメディエーション・ポリシーの作成

メディエーション・ポリシーを使用して、サービス要求元とサービス・プロバイダー間のメッセージ・フローを制御することができます。このチュートリアルでは、SCA モジュール (および関連したメディエーション・ポリシー) を WebSphere® Service Registry and Repository (WSRR) にロードする方法と、メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加する方法を説明します。

また、メディエーション・ポリシーを使用してメッセージ・フローを制御できるように、WSRR を構成する方法についても説明します。チュートリアルは (教育) モジュールという情報の塊に分割され、それぞれのモジュールは 1 つ以上のレッスンで構成されています。
注: さらに、独自のメディエーション・ポリシーを作成して条件を設定する方法についても説明します。メディエーション・ポリシー・パターンの「相互に排他的なゲート条件 (Mutually exclusive gate conditions)」 を実装する場合は、このチュートリアルを参照してください。もっとも単純なメディエーション・ポリシー・パターンである「デフォルトのメディエーション・ポリシー・パターンのみ (Default mediation policies only)」 を使用する場合は、モジュール 1、2、4 だけを実行してください。WSRR ガバナンスのみを利用する場合に読む必要があるのは、ガバナンス・モジュールのみです。

概要

メディエーション・ポリシーは SCA モジュールに関連付けられているため、メディエーション・ポリシーを使用することによりメディエーションの動的プロパティーを制御することができます。

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WebSphere Integration Developer を使用してメディエーション・フローが含まれる SCA モジュールを作成する場合は、プロモートする (ランタイムに対して可視化する) モジュール・プロパティーも動的プロパティーになります。動的プロパティーは、レジストリー内のメディエーション・ポリシーを使用して実行時にオーバーライドできます。

SCA モジュールをエクスポートすると、 WebSphere Integration Developer により、SCA モジュール内のプロパティー・グループごとにデフォルト・メディエーション・ポリシーが生成されます。デフォルト・メディエーション・ポリシーを使用すると、すべての動的プロパティーに対して指定された値を開発時に参照することができます。WebSphere Integration Developer によってデフォルトのメディエーション・ポリシーが生成されますが、このメディエーション・ポリシーは SCA モジュールには付加されません。

通常、条件付きメディエーション・ポリシーを設定する場合は、条件が関連付けられていないデフォルトのメディエーション・ポリシーを使用して、独自のメディエーション・ポリシーを作成する必要があります。

学習目標

  • SCA モジュールとメディエーション・ポリシーの相互の関連について理解します。
  • SCA モジュール (およびシステム定義のメディエーション・ポリシー) を WSRR にロードする方法を学習します。
  • メディエーション・ポリシーを作成する方法を学習します。
  • メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加する方法を学習します。
  • メディエーション・ポリシーのゲート条件を作成する方法を学習します。
このチュートリアルの所要時間は約 1 時間です。 このチュートリアルに関連して他の概念も調べる場合は、さらに時間がかかります。

スキル・レベル

中級。

対象読者

統合開発者。

管理者。

システム要件

  • WebSphere Integration Developer バージョン 6.2
  • WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2 または WebSphere Process Server バージョン 6.2
  • WebSphere Service Registry and Repository バージョン 6.2.0.2.

前提条件

メディエーション・ポリシーのシナリオを読み、概要についての説明と、開発者、ランタイム管理者、WSRR 管理者がどのように協力すべきかについて理解してください。



モジュール 1: SCA モジュールと関連したメディエーション・ポリシーのロード

メディエーション・ポリシーは、SCA モジュールのレベルで制御します。ここでは、SCA モジュールを WSRR にロードする方法について説明します。この説明を参照することにより、メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加できるようになります。

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SCA モジュールを WSRR にロードする方法を学習します。
5 分。

レッスン : SCA モジュールのロード

EAR ファイルの SCA モジュールを、ローカルのファイル・システムからロードします。EAR ファイルにメディエーション・ポリシーが含まれている場合は、このポリシーもロードされます。

  1. オプション: クラスターへのデプロイが必要なバージョン管理された SCA モジュールが存在する場合は、CreateVersionedSCAModule を実行して、バージョン管理された SCA モジュールの固有のインスタンスが含まれている新しい EAR ファイルを作成する必要があります。その際、デプロイ先のクラスターごとに 1 つのモジュール・インスタンスを作成し、バージョン管理された SCA モジュールを新しい EAR ファイルから WSRR にロードする必要があります。
  2. WSRR の Web ユーザー・インターフェースにログオンします。
SCA モジュールが格納されている EAR ファイルをロードすると、WSRR によって SCA モジュール文書が作成されます。WSRR により、システム生成メディエーション・ポリシーもロードされます。
手順
  1. WSRR の Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「SCA 統合モジュール (SCA Integration Modules)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「SCA 統合モジュール (SCA Integration Modules)」 ページが表示されます。
  2. コンテンツ・ペインで、「文書のロード (Load Documents)」をクリックします。 「文書タイプ (Document type)」が SCA インテグレーション・モジュールに設定された状態で、「文書のロード (Load Documents)」ページが表示されます。
  3. 「参照」をクリックして、ロードする SCA インテグレーション・モジュールを検索します。
  4. ロードする SCA モジュールが格納されている EAR ファイルを選択します。 EAR ファイルへのパスが表示されます。
  5. 文書の説明を入力します。
  6. オプション: バージョンを入力します。 このパネルに表示されるバージョンは WSRR 文書のバージョンであり、SCA モジュールのバージョンではありません (すべての WSRR 文書にバージョン ID を指定できます)。 バージョン管理された SCA モジュールをロードする場合、ランタイム・レジストリー照会により、正しくバージョン管理された SCA モジュールを検索する必要があります (ここでは、WSRR 文書のバージョンは関係ありません)。必要であれば、SCA モジュールのバージョンと WSRR 文書のバージョンを同じ値にすることができます。両方のバージョン ID を同じ値にするには、SCA モジュール番号を手動で入力する必要があります。例えば、EAR ファイルが CreditHistory_v1_0_0App.ear という名前で、SCA モジュールが CreditHistory_v1_0_0 という名前の場合、バージョン番号には v1_0_0 を入力する必要があります。
    注: SCA モジュールのロード後に WSRR バージョン ID を変更することはできません。
  7. 「OK」をクリックします。
WSRR によって SCA モジュール文書が作成されます。

WSRR により、WebSphere Integration Developer によって生成されたデフォルト・メディエーション・ポリシーもロードされます。モジュール内のすべての動的プロパティーを動的に上書きする場合は、すべてのデフォルトの (システムによって生成された) メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加します。

例: SCA インテグレーション・モジュールのロード

この図は、文書タイプに SCA インテグレーション・モジュールが入力されている「文書のロード (Load Documents)」ページを示しています。



モジュール 2: メディエーション・ポリシーの表示

SCA インテグレーション・モジュールを WSRR にロードすると、システムによって生成された (デフォルトの) メディエーション・ポリシーが SCA モジュールと共にロードされます。ここでは、通常のメディエーション・ポリシーを表示する方法と、デフォルトのメディエーション・ポリシーを識別する方法について説明します。

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メディエーション・ポリシーを表示する方法と、WebSphere Integration Developer によって生成されたメディエーション・ポリシーを識別する方法を学習します。
5 分。
デフォルト・メディエーション・ポリシーが格納されている SCA モジュールをロードします。

レッスン : デフォルトのメディエーション・ポリシーの表示

SCA モジュール用に生成されたデフォルトのメディエーション・ポリシーを表示します。

ポリシー解決メディエーション・プリミティブが含まれている SCA インテグレーション・モジュールには、通常、WebSphere Integration Developer によって生成された 1 つ以上のデフォルト・メディエーション・ポリシーが含まれています (プロパティー・グループごとに 1 つのメディエーション・プロパティー)。ただし、システムによって生成されたメディエーション・ポリシーは、関連する SCA モジュールには自動的に付加されません。オーバーライドする動的プロパティーと、SCA モジュールに付加するメディエーション・ポリシーを指定する必要があります。
注: SCA モジュール内の動的プロパティーは、WSRR によって作成されたメディエーション・ポリシー文書内で、メディエーション・ポリシー・アサーションとして表示されます。

メディエーション・ポリシーには名前空間があります。この名前空間は、http://www.ibm.com/wbi/mediation/200812/ に付加されるプロパティーのグループ名で構成されています。統合開発者がプロパティー・グループを指定すると、プロパティー・グループのモジュール・プロパティーが管理コンソールに表示されます。名前空間は、WSRR により、メディエーション・ポリシー文書 (xmlns_sibx) の追加のプロパティーとして表示されます。

手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「ポリシー文書 (Policy Documents)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「ポリシー文書 (Policy Documents)」ページが表示されます。
  2. メディエーション・ポリシー文書をクリックします。 通常、システムによって生成されたメディエーション・ポリシー文書の名前は、application-group という形式になります。 例えば、EAR ファイル名が SimpleApp.ear で、グループ名が groupA および groupB の場合、メディエーション・ポリシー文書名は SimpleApp-groupA.xml および SimpleApp-groupB.xml になります。
  3. 「ポリシー (Policy)」タブをクリックします。

メディエーション・ポリシー文書の内容が表示されます。 デフォルトのメディエーション・ポリシーの場合、各アサーションは動的プロパティーに関連しています。メディエーション・ポリシーを使用すると、アサーション値によってメディエーション・フロー内の動的プロパティーが実行時にオーバーライドされます。

例: SCA モジュールのメディエーション・ポリシーの表示

以下の図は、groupA の 3 つのプロパティーが表示されたメディエーション・ポリシー文書を示しています。プロパティー名は、それぞれ propA1、propA2、propA3 です。
図 1. SimpleApp の groupA のメディエーション・ポリシー文書この図は、3 つのアサーションが設定されたメディエーション・ポリシー文書を示しています。アサーションは、propA1、propA2、propA3 に対してそれぞれ 1 つずつ定義されています。



モジュール 3: SCA モジュール用の独自のメディエーション・ポリシーの作成

SCA モジュールのすべての動的プロパティーをオーバーライドするだけでは不十分な場合は、WSRR で独自のメディエーション・ポリシーを作成します。 ここでは、メディエーション・ポリシーを作成する方法を説明します。

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メディエーション・ポリシーを作成する方法を学習します。
15 分。

レッスン : メディエーション・ポリシーの作成

独自のメディエーション・ポリシーを作成します。

SCA モジュールの特定の動的プロパティーをオーバーライドする場合は、独自のメディエーション・ポリシーを作成します。通常、ゲート条件に従ってメディエーション・ポリシーを条件付きで適用する場合は、独自のメディエーション・ポリシーを作成します。
手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「ポリシー文書 (Policy Documents)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「ポリシー文書 (Policy Documents)」ページが表示されます。
  2. 「新規」をクリックします。
  3. 「WS Policy Framework 1.5」を選択します。
  4. 「次へ」をクリックします。
  5. メディエーション・ポリシーの名前を入力します。
  6. 説明を入力します。
  7. 「ポリシー (Policy)」をクリックします。
  8. 「プロパティーの追加」をクリックします。 「オプションのプロパティー (Optional Properties)」「ポリシー ID (Policy Identifier)」と表示されます。
  9. 「追加」をクリックします。
  10. 固有の ID を入力します。 WSRR のこのインスタンス内で重複しない ID を入力する必要があります。ID を urn: の後ろに追加します (urn:UniqueIdentifier など)。
  11. 「ポリシー・ドメインの選択 (Select Policy Domain)」をクリックします。 ポリシー・ドメインがリスト表示されます。メディエーション・ポリシー・ドメインは、すべて Mediation Domain [xxx] という形式になります。この xxx は、ドメイン名を表します。例えば、Mediation Domain [groupA] のようになります。
  12. メディエーション・ポリシーのポリシー・ドメインを選択します。
  13. 「適用」をクリックします。
  14. 「ポリシー・タイプの選択 (Select Policy Type)」をクリックします。 ポリシー・タイプが、WebSphere Integration Developer で定義したプロパティー・グループに関連付けられます。
  15. 「選択」をクリックします。
  16. 「アサーションの追加 (Add Assertion)」をクリックします。
  17. オーバーライドするプロパティーのメディエーション・ポリシー・アサーションを選択します。 各アサーションは、特定のプロパティー・グループの動的プロパティーに関連しています。そのため、特定のプロパティー・グループの任意の動的プロパティーのアサーションを選択することができます。
  18. 「追加」をクリックします。
  19. アサーションの値を入力します。
  20. メディエーション・ポリシーで必要な他のアサーションと値を入力します。
    注: 指定する必要があるのはオーバーライドするプロパティーの値だけで、すべてのアサーションに値を指定する必要はありません。
  21. 「公開」をクリックします。

WSRR により、指定したプロパティーのオーバーライドが含まれているメディエーション・ポリシーが作成されます。このオーバーライドを使用するには、事前にメディエーション・ポリシーを SCA モジュールに追加しておく必要があります。

例: SCA モジュール用のユーザー生成メディエーション・ポリシー

次の図は、新規のメディエーション・ポリシー文書に追加されるアサーションを示しています。メディエーション・ポリシーには、値が All に設定された groupA プロパティー (propA1) が含まれます。
図 2. SimpleApp の groupA のメディエーション・ポリシーこの図は、SCA モジュールの単一プロパティー・グループのメディエーション・ポリシーを示しています。
以下の図は、管理コンソールに表示される groupA の同じ 3 つのプロパティーを示しています。管理コンソールで値を調整することができます。 ただし、適切なメディエーション・ポリシーが使用されている場合は、そのメディエーション・ポリシーの値が優先的に使用されます。
図 3. SCA モジュール SimpleApp のプロパティーこの図は、SimpleApp の SCA モジュール・プロパティーを示しています。プロパティーのグループと名前が、メディエーション・ポリシーに表示されています。



モジュール 4: SCA モジュールへのメディエーション・ポリシーの付加

メディエーション・ポリシーを使用するには、SCA モジュールに付加する必要があります。ここでは、SCA モジュールにメディエーション・ポリシーを付加する方法について説明します。

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メディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加する方法を学習します。
10 分。

レッスン : メディエーション・ポリシーの付加

SCA モジュールへのメディエーション・ポリシーの付加追加

SCA インテグレーション・モジュールを WSRR にロードすると、SCA モジュールと一緒にデフォルトのメディエーション・ポリシーがロードされます。ただし、デフォルトのメディエーション・ポリシーは SCA モジュールには付加されません。 どのメディエーション・ポリシーを使用するかは、任意に指定することができます。
手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「SCA 統合モジュール (SCA Integration Modules)」 > 「SCA モジュール文書 (SCA Module Documents)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「SCA モジュール文書 (SCA Module Documents)」(SCA Module Documents)ページが表示されます。
  2. SCA モジュールを選択します。 SCA モジュールの詳細情報が表示されます。
  3. モジュールを (「リレーションシップ」 > 「モジュール」で) 選択します。 モジュールの詳細情報が表示されます。
  4. 「ポリシー (Policy)」をクリックします。 メディエーション・ポリシーの詳細情報が表示されます。
  5. 「ポリシー・アタッチメントの編集 (Edit Policy Attachments)」をクリックします。
  6. 「ポリシーの付加 (Attach Policy)」をクリックします。 「ポリシー・アタッチメントの追加 (Add Policy Attachment)」情報が表示されます。
  7. 「検索」をクリックします。
  8. SCA モジュールに付加するメディエーション・ポリシーを選択します。
  9. 「適用」をクリックします。
  10. 「終了」をクリックします。
WSRR により、選択したメディエーション・ポリシーを SCA モジュールに付加するポリシー・アタッチメント文書を作成します。

例: メディエーション・ポリシー・アタッチメント

以下の図は、SCA モジュール SimpleApp の 1 つのメディエーション・ポリシー・アタッチメントを示しています。
図 4. SimpleApp のメディエーション・ポリシー・アタッチメントこの図は、ユーザー定義メディエーション・ポリシーのメディエーション・ポリシー・アタッチメントを示しています。



モジュール 5: 条件付きメディエーション・ポリシーの作成

WSRR で、独自のメディエーション・ポリシーのゲート条件を作成することができます。ここでは、メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件を作成する方法について説明します (メディエーション・ポリシー・アタッチメントにより、SCA モジュールにメディエーション・ポリシーが付加されます)。

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WSRR でメディエーション・ポリシー・アタッチメントの条件を作成する方法を学習します。
10 分。

レッスン : メディエーション・ポリシーの条件の作成

メディエーション・ポリシーのゲート条件を作成します。メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件が WSRR に作成されます。

  1. WebSphere Integration Developer で、ポリシー解決メディエーション・プリミティブの条件を作成します。
  2. WSRR で、独自のメディエーション・ポリシーを作成します。
SCA モジュールにメディエーション・ポリシーを付加すると、WSRR によって生成されたメディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件を作成できるようになります。

ユーザー・プロパティーをメディエーション・ポリシー・アタッチメントに追加することにより、ゲート条件を作成します。ランタイムは、一部のユーザー・プロパティーを必要条件 (ゲート条件) と解釈するため、メディエーション・ポリシーを使用するにはこの条件を満たす必要があります。medGate_ というストリングで始まるユーザー・プロパティーだけが、メディエーション・ポリシーのゲート条件として使用されます。

通常、ゲート条件を作成する必要があるのは、システムによって生成されたメディエーション・ポリシーではなく、独自に作成したメディエーション・ポリシーについてのみです。

手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「ポリシー文書 (Policy Documents)」 > 「ポリシー・アタッチメントのある文書 (Documents with Policy Attachments)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「ポリシー・アタッチメントのある文書 (Documents with Policy Attachments)」ページが表示されます。
  2. 更新するポリシー・メディエーション・アタッチメント文書を選択します。 アタッチメント文書の詳細情報が表示されます。
  3. 「リレーションシップ」 > 「アタッチメント (Attachments)」で、アタッチメントを選択します。
  4. 「プロパティーの編集」をクリックします。
  5. 「プロパティーの追加」をクリックします。 これでプロパティー名を追加することができます。
  6. ゲート条件名を入力します。 ゲート条件名は medGate_ で開始し、その後ろにユーザー定義ストリング (medGate_Condition1 など) を指定します。
  7. 「追加」をクリックします。
  8. ゲート条件値を入力します。 ゲート条件の構文は、<policy condition name><operation><gate value> です。<policy condition name> はポリシー解決メディエーション・プリミティブで指定し、<operation> には =、!=、>、<、<=、>= のいずれかを指定します。<gate value> は、比較対象の値です。この値がストリングの場合は、単一引用符または二重引用符で囲む必要があります)。例えば、serviceLevel = "Gold"age > 59 のようにします。この例では、ポリシー解決メディエーション・プリミティブの Policy condition nameserviceLevelage の両方を指定する必要があります。
  9. 「適用」をクリックします。
WSRR により、メディエーション・ポリシーの条件が作成されます。

メディエーション・ポリシーの処理モデルでは、ゲート条件が設定されたメディエーション・ポリシーの優先順位が最も高くなります。したがって、これらのメディエーション・ポリシーで定義されるプロパティー値の優先順位が最も高くなります。ゲート条件が設定されていないメディエーション・ポリシーの優先順位は低くなります。そのため、これらのメディエーション・ポリシーで定義されるプロパティー値の優先順位は低くなります。メディエーション・ポリシーに適切なプロパティーがない場合は、管理コンソールの値が使用されます。

例: メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件

次の図は、ゲート条件が追加された後 (変更が適用される前) のメディエーション・ポリシー・アタッチメントの追加プロパティーを示しています。ゲート条件は medGate_Condition1 という名前で、値には age > 59 が設定されています。
図 5. メディエーション・ポリシー・アタッチメントのゲート条件
この図は、メディエーション・ポリシーの 1 つのゲート条件を示しています。



モジュール 6: メディエーション・ポリシーの管理

WSRR 種別システム (ライフ・サイクル種別を含む) を使用して、メディエーション・ポリシーの可視性をフィルタリングすることができます。 このモジュールでは、WSRR ライフ・サイクル種別を使用してメディエーション・ポリシーを管理する方法を説明します。

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メディエーション・ポリシーを WSRR で管理する方法を学習します。
15 分。

レッスン 6.1: 種別 URI の検出

メディエーション・ポリシーを実行時に可視にするためには、統合時に定義するすべての種別が、実行時のメディエーション・ポリシーの種別と一致していなければなりません。SCA モジュールを開発するときには、WSRR に示された種別 URI を使用する必要があります。

  • メディエーション・ポリシーに必要なガバナンス状態、および WSRR に適切な既存のライフ・サイクル状態があるかどうかを判断します。デフォルトのガバナンス・ライフ・サイクル (ライフ・サイクル種別のセット) はありますが、独自のライフ・サイクルを定義して、組織に必要なカテゴリーを含めることができます。
WSRR は多数の種別システムをサポートします。これには、メディエーション・ポリシーの管理に使用できるライフサイクル種別も含まれます

WSRR でポリシー文書を管理対象にすると、WSRR のガバナンス機能を利用できます。例えば、ポリシー文書を管理対象にすると、ガバナンス状態は、あらゆる関連ポリシーにパーコレートされます。WSRR ガバナンスに種別を使用するほか、その他のタイプの WSRR 種別を使用して、(ポリシー文書にではなく) 関連 WSRR ポリシーに直接、種別を追加することもできます。

WSRR では、使用する種別の URI を見つける必要があります。 その URI を使用して、WebSphere Integration Developer でポリシー解決の Classification プロパティーを作成する必要があります。

WSRR で種別の URI を見つけるには、さまざまな方法があります。以下のステップは、方法の一例です。

手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「ポリシー文書 (Policy Documents)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「ポリシー文書 (Policy Documents)」ページが表示されます。
  2. メディエーション・ポリシー文書をクリックします。
  3. 「種別の編集 (Edit Classifications)」をクリックします。 「種別」ページが表示されます。
  4. 使用する「ライフ・サイクル種別 (Life Cycle Classification)」状態のチェック・ボックスを選択します。 ポリシー文書に、目的の URI を持つ種別が既にある場合、このステップは不要です。
  5. 「追加」>>>をクリックします。 ポリシー文書に、目的の URI を持つ種別が既にある場合、このステップは不要です。
  6. 目的の URI を持つ種別を選択 (強調表示) します。 ページ下部の表に、種別の URI が表示されます。
  7. 「キャンセル」をクリックします。 「種別の編集 (Edit Classifications)」メソッドを使用してガバナンス種別を追加しないでください。
ポリシー解決メディエーション・プリミティブの Classification プロパティーで、URI を再使用できるようになりました。

例: ライフサイクル状態の URI

以下の図に、ライフサイクル状態の URI を示します。SCA モジュールを開発する際には、この URI を使用する必要があります。
図 6. 種別 URI
この図は、管理対象種別の URI を示したものです。

レッスン 6.2: WSRR でメディエーション・ポリシーを管理対象にする

WSRR ガバナンスを使用するには、ポリシー文書を管理対象にしてから、その状態を移す必要があります。

  • メディエーション・ポリシーに必要なガバナンス状態、および WSRR に適切な既存のライフ・サイクル状態があるかどうかを判断します。デフォルトのガバナンス・ライフ・サイクル (種別のセット) はありますが、独自のライフ・サイクルを定義して、組織に必要なカテゴリーを含めることができます。
WSRR では、デフォルトのメディエーション・ポリシーも、ユーザーが生成したメディエーション・ポリシーも管理できます。
手順
  1. WSRR Web ユーザー・インターフェースのナビゲーション・ペインで、「サービス文書 (Service Documents)」 > 「ポリシー文書 (Policy Documents)」をクリックします。 コンテンツ・ペインに「ポリシー文書 (Policy Documents)」ページが表示されます。
  2. メディエーション・ポリシー文書をクリックします。 通常、システムによって生成されたデフォルトのメディエーション・ポリシー文書の名前は、application-group という形式になります。 例えば、EAR ファイル名が SimpleApp.ear で、グループ名が groupA および groupB の場合、メディエーション・ポリシー文書名は SimpleApp-groupA.xml および SimpleApp-groupB.xml になります。
  3. 「ガバナンス (Governance)」タブをクリックします。
  4. 「管理する (Govern)」をクリックします。 ライフサイクルにエンティティーがあると、(関連する種別を使用して) ガバナンス制御を適用することができます。
    注: 管理対象エンティティーは、あるライフサイクル状態から、別のライフサイクル状態に移ります。管理対象エンティティーが同時に複数のライフサイクル状態を持つことはありません。
  5. ガバナンス状態を変更するには、「遷移」をクリックします。 ポリシー文書が管理されている場合、ポリシー文書を別のライフ・サイクル状態に移すと、関連付けられたすべてのポリシー (リレーションシップ・ターゲット) のライフ・サイクル種別の状態も変更されます (同じ管理対象コレクションに含まれるため)。
メディエーション・ポリシーが WSRR で管理されるようになりました。

例: 管理対象メディエーション・ポリシー

以下の図は、管理対象になった後のポリシー文書を示しています。
図 7. 管理対象メディエーション・ポリシー
この図は、管理対象ポリシー文書を示したものです。


チュートリアルのまとめ

このメディエーション・ポリシーのチュートリアルでは、SCA モジュールとメディエーション・ポリシーの WSRR 文書を作成する方法について説明しました。さらに、メディエーション・ポリシーのゲート条件を作成する方法についても説明しました。

ランタイム環境をまだ構成していない場合は、構成してください。その際、SCA モジュール用の適切な WSRR 定義が存在することを確認してください。

ランタイム環境を構成してこのチュートリアルを完了したら、SCA モジュールに関連付けられたアプリケーションを実行できるようになります。処理されるメッセージやゲート条件および種別によっては、メディエーション・ポリシーを使用してメディエーション・フローを調整してもかまいません。

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05





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