WebSphere Enterprise Service Bus for z/OS バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: z/OS


バインディングの操作

サービス指向アーキテクチャーの中核をなすのは「サービス」の概念で、これはコンピューター・デバイス間での対話によって実行される機能単位のことです。「エクスポート」はモジュールの外部インターフェース (またはアクセス・ポイント) を定義し、これによってモジュール内の SCA コンポーネントは外部クライアントにサービスを提供できます。「インポート」はモジュール外部のサービスへのインターフェースを定義し、これによってサービスはモジュール内部から呼び出すことができます。インポートおよびエクスポートと共にプロトコル固有の「バインディング」を使用して、データをモジュールの内部または外部に移送する方法を指定します。

エクスポート

外部クライアントがインテグレーション・モジュール内の SCA コンポーネントを呼び出すとき、さまざまなプロトコル (HTTP、JMS、MQ、および RMI/IIOP など) を経由して、さまざまなデータ・フォーマット (XML、CSV、COBOL、および JavaBean など) が使用されます。エクスポートはこれらの要求を外部ソースから受信し、SCA プログラミング・モデルを使用して WebSphere® ESB コンポーネントを呼び出すコンポーネントです。

例えば以下の図で、エクスポートはクライアント・アプリケーションから HTTP プロトコルを経由して要求を受信します。 データは SCA コンポーネントによって使用されるフォーマットであるビジネス・オブジェクトに変換されます。そのコンポーネントはそのデータ・オブジェクトによって呼び出されます。
図 1. HTTP バインディングを持つエクスポート
HTTP バインディングを持つエクスポートを経由したコンポーネントへの HTTP メッセージ・フローを示す図。

インポート

SCA コンポーネントから、SCA とは異なるフォーマットのデータを要求する SCA 以外の外部サービスを呼び出すことが必要な場合があります。インポートは SCA プログラミング・モデルを使用して外部サービスを呼び出すために、SCA コンポーネントによって使用されます。インポートは次に、ターゲット・サービスが要求する方法でサービスを呼び出します。

例えば以下の図で、SCA コンポーネントからの要求がインポートによって外部サービスに送信されます。SCA コンポーネントによって使用されるフォーマットであるビジネス・オブジェクトは、サービスが要求するフォーマットに変換され、サービスが呼び出されます。
図 2. HTTP バインディングを持つインポート
HTTP バインディングを持つインポートを経由した外部サービスへの HTTP メッセージ・フローを示す図。

バインディングのリスト

インポートまたはエクスポートのバインディングを生成して、バインディングを構成するには、WebSphere Integration Developer を使用します。使用可能なバインディングのタイプを以下の一覧に記載します。
  • SCA

    SCA バインディングはデフォルトのバインディングで、使用するサービスを他の SCA モジュールのサービスと通信させることができます。インポートと SCA バインディングを使用して、別の SCA モジュールのサービスにアクセスします。エクスポートと SCA バインディングを使用して、別の SCA モジュールにサービスを提供します。

    SCA バインディングについて詳しくは、『SCA バインディング』を参照してください。

  • Web サービス

    Web サービス・バインディングを使用すれば、相互運用可能な SOAP メッセージおよびサービス品質を使用して外部サービスにアクセスすることができます。Web サービス・バインディングでは SOAP/HTTP (SOAP over HTTP) または SOAP/JMS (SOAP over JMS) のいずれかのトランスポート・プロトコルを使用できます。Web サービス・バインディングを使用すると、参照されていない添付ファイルを SOAP メッセージの一部として組み込むこともできます。

  • HTTP

    HTTP バインディングを使用すれば、SOAP 以外のメッセージが使用されている場合、または直接 HTTP アクセスが必要な場合に、HTTP プロトコルを使用して外部サービスにアクセスすることができます。このバインディングは、HTTP モデルに基づく Web サービス (GET、PUT、DELETE などのよく知られた HTTP インターフェース操作を使用するサービス) を処理するときに使用されます。

  • EIS

    EIS (エンタープライズ情報システム) バインディングを JCA リソース・アダプターと一緒に使用すると、エンタープライズ情報システム上のサービスにアクセスしたり、またはサービスを EIS で使用可能にすることができます。

  • JMS バインディング

    Java™ Message Service (JMS)、汎用 JMS、および WebSphere MQ JMS (MQ JMS) バインディングは、メッセージ・キューを経由した非同期通信が信頼性の維持に欠かせない場合に、メッセージング・システムとの対話に使用されます。

    これらの JMS バインディングのいずれかを使用するエクスポートは、キューにメッセージが到着するのを監視し、応答 (該当する場合) を応答キューに非同期に送信します。 これらの JMS バインディングのいずれかを使用するインポートは、メッセージを構築して JMS キューに送信し、キューに応答 (該当する場合) が到着するのを監視します
    • JMS

      JMS バインディングを使用すれば、WebSphere 組み込み JMS プロバイダーにアクセスすることができます。

    • 汎用 JMS

      汎用 JMS バインディングを使用すれば、IBM 以外のベンダーのメッセージング・システムにアクセスできます。

    • MQ JMS

      MQ JMS バインディングを使用すれば、WebSphere MQ メッセージング・システムの JMS サブセットにアクセスできます。ご使用のアプリケーションにとって JMS サブセットの機能で十分な場合、このバインディングを使用します。

  • MQ

    WebSphere MQ バインディングを使用すれば、MQ ネイティブ・アプリケーションと通信できるようになるため、これらのアプリケーションがサービス指向アーキテクチャー・フレームワークに組み込まれ、MQ 固有のヘッダー情報にアクセスできるようになります。MQ のネイティブ機能を使用する必要がある場合に、このバインディングを使用します。

  • Enterprise Java Bean

    Enterprise Java Bean (EJB) インポート・バインディングを使用すれば、SCA コンポーネントが、J2EE サーバー上で実行中の J2EE ビジネス・ロジックによって提供されたサービスを呼び出すことができます。


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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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