serviceDeploy コマンドを使用して、Service Component Architecture (SCA) 対応モジュールを、サーバーにインストール可能な Java™ アプリケーションとしてパッケージできます。このコマンドは、wsadmin を介してバッチ・インストールを実行する場合に役立ちます。
目的
serviceDeploy コマンドにより、サービス・コンポーネントを含む .jar または .zip ファイルから .ear ファイルが作成されます。
注: パラメーターの大文字小文字は区別されません。
ロール
このコマンドを発行できるのは、次のロールを持つユーザーです。
構文

>>-serviceDeploy-- --inputarchive------------------------------->
>--+---------------------------------+-------------------------->
'- -workingDirectory-- --temppath-'
>--+-------------------------------------------------+---------->
'- -outputApplication-- --+-inputarchiveApp.ear-+-'
'-outputpathname.ear--'
>--+----------------+--+------------+--------------------------->
'- -noJ2eeDeploy-' '- -freeform-'
>--+-----------------------+--+--------+--+----------------+---->
'- -cleanStagingModules-' '- -keep-' '- -ignoreErrors-'
>--+-----------------------------------------------------+------>
'- -classpath-- --jarpathname--;--rarpathname--;--...-'
>--+----------------------------+--+-------------+-------------->
'- -fileEncoding-- --charset-' '- -javaDebug-'
>--+----------------+--+----------------+--+--------+----------><
'- -noJavaSource-' '- -uniqueCellID-' '- -help-'
パラメーター
- inputarchive
- 必須の定位置パラメーター。デプロイするアプリケーションを含む .jar、.zip、または .ear ファイルを指定します。ファイルが置かれているパスからコマンドが実行されない場合、ファイルの絶対パスにする必要があります。.zip ファイルは、ネストされたアーカイブ形式または Eclipse Project Interchange 形式のどちらかにすることができます。
- -classpath
- 必要なリソース・ファイル (.jar および .rar) の場所を指定するオプション・パラメーター。各ファイルへのパスは、スペースを入れずにセミコロン (;) で区切った完全修飾パスにします。
- -fileEncoding
- デプロイしているアプリケーションが Java 仮想マシン (JVM) のデフォルトのファイル・エンコードでサポートされていない文字セット (文字セット) を使用する場合、必要となる文字セット を指定するオプション・パラメーター。
注: z/OS® 上では、serviceDeploy コマンドはデフォルトのファイル・エンコードとして ASCII を常に使用します。
例えば、アプリケーションに日本語文字を含むビジネス・ルール・テーブルが含まれる場合、2 バイト文字をサポートしている文字セット (UTF-8 など) を指定して、生成した Java ファイルおよびクラス・ファイルでデータ破壊が起こらないようにする必要があります。
-fileEncoding の有効な値については、http://java.sun.com/j2se/1.4.2/docs/api/java/nio/charset/Charset.htmlに記載されています。
指定しないと、このパラメーターのデフォルトは、Java Development Kit (JDK) でサポートされているデフォルトの文字セットとなります。
重要: このパラメーターは、serviceDeploy で生成されるファイルにのみ影響を与えます。
既存のファイルでは、現行のエンコードが保持されます。
制約事項: serviceDeploy コマンドを実行しているオペレーティング・システムでサポートされない文字セット を指定した場合、システムは -fileEncoding が指定されていないものとしてアーカイブを処理し、メッセージがシステム・ログに書き込まれます。
- -freeform
- service.jar の J2EE サブディレクトリーを指定するオプション・パラメーターは、フリー・フォーム・プロジェクトとして処理されます。
- -help
- このコマンドのパラメーターを表示するために使用されるオプション・パラメーター。
- -ignoreErrors
- アプリケーションの作成または検証中に発生するエラーに関係なく、serviceDeploy コマンドによって .ear ファイルを作成するよう指定するオプション・パラメーター。デフォルトでは、アプリケーションにエラーがあると、serviceDeploy コマンドを実行しても .ear ファイルは生成されません。
- -javaDebug
- 生成されたクラス・ファイルにすべてのデバッグ情報を組み込むかどうかを指定するオプション・パラメーター。
- -noJavaSource
- 生成された EAR ファイルから Java ソース・ファイルを除外するかどうかを指定するオプション・パラメーター。デフォルトの場合、Java ソース・ファイルは組み込まれます。
- -cleanStagingModules
- 入力 .ear ファイル内のステージング・モジュールをデプロイメントの前に削除するかどうかを指定するオプション・パラメーター。デフォルトでは、serviceDeploy コマンドにより、既存のステージング・モジュールとそのコンテンツがインポートされます。
- -keep
- デプロイメントの後に生成される一時ファイルを保管するかどうかを指定するオプション・パラメーター。デフォルトでは、serviceDeploy コマンドにより、一時ワークスペースが削除されます。
- -noJ2eeDeploy
- アプリケーションが .ear ファイルの生成後に EJB のデプロイメントを必要とするかどうかを指定するオプション・パラメーター。デフォルトでは、serviceDeploy コマンドにより、アプリケーションの J2EE デプロイヤーが実行されます。
- -outputApplication
- serviceDeploy コマンドによって作成される .ear ファイルの名前を指定するオプション・パラメーター。デフォルトは、inputarchiveApp.ear です。inputarchive は、入力 .jar ファイルに指定された拡張子をファイル名から取り除いたものです。
- -outputApplicationMigratedApp.ear
- 入力アーカイブが、WebSphere® Interchange Server からマイグレーションした .jar ファイルであることを指定するオプション・パラメーター。
- -uniqueCellID
- アプリケーションの固有インスタンスの作成に使用するストリング ID を指定するオプション・パラメーター。
ID は、セルのコンテキストで固有である必要があります。
- -workingDirectory
- 一時ファイルを書き込むために serviceDeploy コマンドによって使用されるディレクトリーを指定するオプション・パラメーター。
入力
次のファイル・タイプを
serviceDeploy コマンドの入力として使用できます。
- jar
- 単純なアプリケーションに最適なファイル・タイプです。この結果生成される .ear ファイルには、1 つの .jar ファイルおよび必要とされる生成ステージング・モジュールが含まれています。
.jar ファイルに、service.module ファイルが含まれるようにする必要があります。
- ZIP (プロジェクト交換)
- WebSphere Integration Developer から、プロジェクト交換形式のアーカイブ・ファイルをエクスポートできます。この形式は、Eclipse 開発特有のものです。
エクスポートされた ZIP ファイルには、service.module ファイルを持つプロジェクトが必ず 1 つだけ含まれている必要があります。この結果生成される .ear ファイルには、プロジェクト交換の実際の内容に応じた数のモジュールが含まれています。
- zip
- ユーザーは、.jar ファイル、.war ファイル、および .rar ファイルを含む ZIP ファイルを作成できます。service.module ファイルが含まれる .jar ファイルは、1 つのみでなければなりません。含まれているすべてのアーカイブは、最終的にエクスポートされる .ear ファイルのメンバーになります。
- ear
- .ear ファイル内で、service.module を含む .jar ファイルが 1 つだけである限り、.ear ファイルに対していつでも serviceDeploy コマンドを実行することができます。
出力
serviceDeploy が処理を完了すると、-outputApplication パラメーターが指定されていない限り、コマンドの実行元ディレクトリーに .ear ファイルが作成されます。
serviceDeploy コマンドの例
以下にコマンド例を示します。
- MyValueModule.jar ファイルから、MyValueModule.ear というアプリケーション・ファイルを作成します。
- リソースが、c:¥java¥myvaluemoduleres.rar ディレクトリーと c:¥java¥commonres.jar ディレクトリーにあることを指定します。
- .jar ファイル内の Java サブディレクトリーをフリー・フォームとして使用可能にします。
- デプロイメント中に生成される一時ファイルを保持します。
servicedeploy MyValueModule.jar
-classpath "c:¥java¥myvaluemoduleres.rar;c:¥java¥commonres.jar"
-noj2eedeploy -freeform true -keep