WebSphere Enterprise Service Bus for z/OS バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: z/OS


EIS バインディングの主な特徴

EIS インポートとは、Service Component Architecture (SCA) モジュール内のコンポーネントが SCA モジュール外部で定義された EIS アプリケーションを使用できるようにする SCA インポートです。EIS インポートは、SCA コンポーネントから外部 EIS へのデータ転送に使用されます。EIS エクスポートは、外部 EIS から SCA モジュールへのデータ転送に使用されます。

インポート

EIS インポートのロールは、SCA コンポーネントと外部 EIS システムの間のすき間を埋めることです。外部アプリケーションを EIS エクスポートとして取り扱うことができます。この場合、外部アプリケーションはそのデータを定期的な通知という形で送信します。

EIS インポートは、SCA コンポーネントがモジュール外部のアプリケーションを統一された形式で認識できるようにします。これにより、コンポーネントは、SAP、 Siebel、PeopleSoft などの外部 EIS と、一貫性のある SCA モデルを使用して通信できます。

インポートのクライアント側には、EIS インポート・アプリケーションによって公開されるインターフェースがあります。ここには、1 つ以上のメソッドがあり、それぞれがデータ・オブジェクトを引数および戻り値として受け入れます。実装側には、リソース・アダプターによって実装される共通クライアント・インターフェース (CCI) があります。

EIS インポートのランタイム実装は、クライアント側のインターフェースとこの CCI を接続します。インポートにより、インターフェース上のメソッドの呼び出しが CCI 上の呼び出しにマップされます。

バインディングは 3 つのレベルで作成されます (インターフェース・バインディングがそれに含まれるメソッド・バインディングを使用し、さらにそのメソッド・バインディングがデータ・バインディングを使用します)。

インターフェース・バインディングは、インポートのインターフェースを、アプリケーションを提供する EIS システムとの接続に関連付けます。これは、インターフェースによって表されるアプリケーション・セットが EIS の特定のインスタンスによって提供されていて、このインスタンスには接続を介してアクセスできるという事実を反映しています。バインディング・エレメントは、接続を作成するための十分な情報を指定したプロパティーを持ちます (このプロパティーは、javax.resource.spi.ManagedConnectionFactory インスタンスの一部です)。

メソッド・バインディングは、メソッドを、EIS システムとの特定の対話に関連付けます。J2C では、この対話の特徴は、javax.resource.cci.InteractionSpec インターフェース実装のプロパティー・セットによって記述されます。メソッド・バインディングの対話エレメントには、これらのプロパティーと共にクラスの名前が含まれています。これにより、対話を実行するための十分な情報を提供します。メソッド・バインディングは、データ・バインディングを使用して、インターフェース・メソッドの引数と結果の EIS 表現へのマッピングを記述します。

EIS インポートのランタイム・シナリオを以下に示します。
  1. インポート・インターフェースのメソッドが、SCA プログラミング・モデルを使用して呼び出されます。
  2. EIS インポートに送信される要求には、メソッド名と引数が指定されています。
  3. インポートは最初にインターフェース・バインディングの実装を作成し、次にインポート・バインディングのデータを使用して ConnectionFactory を作成し、この 2 つを関連付けます。したがって、インポート により、インターフェース・バインディングの setConnectionFactory が呼び出されることになります。
  4. 呼び出されたメソッドと一致するメソッド・バインディングの実装が作成されます。
  5. javax.resource.cci.InteractionSpec インスタンスが作成され、データが取り込まれます。次に、データ・バインディングを使用して、リソース・アダプターが認識できるフォーマットにメソッド引数がバインドされます。
  6. CCI インターフェースを使用して対話が実行されます。
  7. 呼び出しが戻されたら、データ・バインディングによって 呼び出しの結果が作成され、結果が呼び出し元に戻されます。

エクスポート

EIS エクスポートのロールは、SCA コンポーネントと外部 EIS の間のすき間を埋めることです。外部アプリケーションを EIS エクスポートとして取り扱うことができます。この場合、外部アプリケーションはそのデータを定期的な通知という形で送信します。EIS エクスポートは、EIS からの外部要求を listen するサブスクリプション・アプリケーションであると考えることができます。EIS エクスポートを利用する SCA コンポーネントは、EIS エクスポートをローカル・アプリケーションとして認識します。

EIS エクスポートは、SCA コンポーネントがモジュール外部のアプリケーションを統一された形式で認識できるようにします。これにより、コンポーネントは、SAP、 Siebel、PeopleSoft などの EIS と、一貫性のある SCA モデルを使用して通信できます。

エクスポートは、EIS から要求を受け取るリスナー実装を特徴としています。リスナーは、JMS エクスポート用の javax.jms.MessageLister インターフェースまたはリソース・アダプター固有のリスナー・インターフェースのいずれかを実装します。また、エクスポートには、エクスポートを介して EIS に公開されるインターフェースを実装するコンポーネントも含まれます。

EIS エクスポートのランタイム実装は、インターフェースを実装するコンポーネントにリスナーを接続します。エクスポートにより、EIS 要求が、コンポーネント上の該当する操作の呼び出しにマップされます。 バインディングは 3 つのレベルで作成されます (リスナー・バインディングがそれに含まれるネイティブ・メソッド・バインディングを使用し、さらにそのネイティブ・メソッド・バインディングがデータ・バインディングを使用します)。

リスナー・バインディングは、要求を受け取るリスナーを、エクスポートを介して公開されるコンポーネントに関連付けます。エクスポート定義には、コンポーネントの名前が含まれています。これにより、ランタイムがコンポーネントを検索し、コンポーネントに要求を転送します。

ネイティブ・メソッド・バインディングは、ネイティブ・メソッドまたはリスナーが受け取ったイベント・タイプを、エクスポートを介して公開されたコンポーネントによって実装される操作に関連付けます。リスナーで呼び出されるメソッドとイベント・タイプの間に関係はなく、すべてのイベントはリスナーの 1 つ以上のメソッドを使用して受信されます。ネイティブ・メソッド・バインディングは、エクスポートで定義された関数セレクターを使用してインバウンド・データからネイティブ・メソッド名を取り出し、データ・バインディングを使用して EIS のデータ・フォーマットをコンポーネントが認識できるフォーマットにバインドします。

EIS エクスポートのランタイム・シナリオを以下に示します。
  1. EIS 要求は、リスナー実装のメソッドの呼び出しをトリガーします。
  2. リスナーは エクスポートを検出して呼び出し、すべての呼び出し引数を渡します。
  3. エクスポートは、リスナー・バインディングの実装を作成します。
  4. エクスポートは、関数セレクターをインスタンス化してリスナー・バインディング上に設定します。
  5. エクスポートは、ネイティブ・メソッド・バインディングを初期化してリスナー・バインディングに追加します。各ネイティブ・メソッド・バインディングについて、データ・バインディングも初期化されます。
  6. エクスポートは、リスナー・バインディングを呼び出します。
  7. リスナー・バインディングは、エクスポートされたコンポーネントを検出し、関数セレクターを使用してネイティブ・メソッド名を取得します。
  8. この名前を使用して、ネイティブ・メソッド・バインディングを検出します。その後、ネイティブ・メソッド・バインディングによってターゲット・コンポーネントが呼び出されます。

アダプターの対話スタイルでは、EIS エクスポート・バインディングで、ターゲット・コンポーネントを非同期方式 (デフォルト) または同期方式のどちらでも呼び出すことができます。

リソース・アダプター

外部サービス・ウィザードを使用してインポートやエクスポートを開発する際に、リソース・アダプターを組み込みます。WebSphere Integration Developer に付属するリソース・アダプターは、 CICS、IMS、JD Edwards、PeopleSoft、SAP、Siebel の各シ ステムへのアクセスに使用され、 開発とテストのみを目的としています。これらのリソース・アダプターを、アプリケーションの開発とテスト以外の目的では使用しないでください。

デプロイしたアプリケーションを実行するには、ライセンスが交付されたランタイム・アダプターが必要になります。ただし、サービスを構築する際に、このアダプターをサービスに組み込むことができます。 アダプターのライセンス交付により、組み込まれたアダプターを、ライセンスが交付されたランタイム・アダプターとして使用することができます。これらのアダプターは、Java Connector Architecture (J2C 1.5) に 準拠しています。オープン・スタンダードである J2C は、EIS 接続の ための J2EE 標準です。J2C は、管理されたフレームワークを提供します。つまり、サービスの品質 (QoS) がアプリケーション・サーバーによって提供され、それによってライフ・サイクル管理とセキュリティーがトランザクションに対して提供されます。また、これらのアダプターは、Enterprise Metadata Discovery 仕様にも準拠しています (IBM CICS ECI リソース・アダプターおよび IBM IMS Connector for Java を除く)。

以下の IBM WebSphere アダプターが WebSphere Integration Developer でサポートされています。
  • IBM CICS ECI リソース・アダプター、バージョン 7.1.0.2
  • IBM IMS TM リソース・アダプター、バージョン 9.1.0.2
  • IBM WebSphere Adapter for Email バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for FTP バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for Flat Files バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for IBM バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for JDBC™ バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for JD Edwards EnterpriseOne® バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for Oracle® E-Business Suite バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for PeopleSoft Enterprise バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for SAP® Software バージョン 6.2.0
  • IBM WebSphere Adapter for Siebel® Business Applications バージョン 6.2.0

従来のアダプターのセットである WebSphere Business Integration Adapters もウィザードでサポートされています。

J2EE リソース

EIS モジュール (EIS モジュール・パターンに準拠する SCA モジュール) は、J2EE プラットフォームにデプロイできます。

EIS モジュールを J2EE プラットフォームにデプロイすると、アプリケーションが EAR ファイルとしてパッケージされ、サーバーにデプロイされるので、アプリケーションを実行する準備が整います。 すべての J2EE 成果物およびリソースが作成され、アプリケーションが構成され、実行の準備が整います。


reference 参照トピック

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タイムスタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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