WebSphere Enterprise Service Bus バージョン 6.2.0 オペレーティング・システム: AIX、HP-UX、i5/OS、Linux、Solaris、Windows


手動による Cloudscape のアップグレード

WebSphere® ESB バージョン 6.2 のアップグレード中に、マイグレーション・ツールは、組み込みフレームワークのみを経由してアクセスする Cloudscape のインスタンスをアップグレードしようとします。(新しいバージョンの Cloudscape はバージョン 10.1.x で、Derby をベースにしています。) 自動アップグレードでは、ネットワーク・サーバー・フレームワークを経由してアプリケーションとの間で処理を行う Cloudscape インスタンスは除外されます。このように除外することで、WebSphere ESB と同じデータベース・インスタンスにアクセスするサード・パーティー・アプリケーションを破損するリスクがなくなります。ネットワーク・サーバー・フレームワーク経由でアクセスするデータベース・インスタンスは手動でアップグレードする必要があります。自動マイグレーションに失敗したデータベースについても、同じ操作を行います。

始める前に

Cloudscape v10.1.x を実動データベースとして使用しないでください。これは開発およびテスト目的としてのみ使用してください。

詳細情報: 新しいバージョンの Cloudscape は、 IBM® Quality Assurance (QA) および各国語サポート (NLS) などの追加のサービスを Derby ランタイムと組み合わせています。
  • Cloudscape v10.1.x オープン・ソース・コード・ベースについての情報は、Cloudscape 製品 Web ページを 参照してください。
  • Cloudscape v10.1.x と v5.1.60x (および v5.1.60x 以前のバージョン) との非互換性についての情報は、 「Migrating IBM Cloudscape to Version 10」を参照してください。
組み込みフレームワーク経由でアクセスする Cloudscape のインスタンスについては、どのインスタンスが自動アップグレード・プロセスで完全に失敗したか、また部分的にアップグレードされたかを判別してください。Cloudscape v10.1.x 自動マイグレーションの検査のトピックでは、データベース・エラーおよび診断データを、各種マイグレーション・ログから見つける方法が説明されています。ログ・メッセージには、手動マイグレーションの実行に使用する必要がある正しい新旧のデータベース・パス名が含まれています。これらの新しいパス名を正しくメモします。

自動マイグレーション・プロセス中に部分的にアップグレードされたデータベースについて、マイグレーション・エラーのリスクを最小限にするには、新しいデータベースを削除します。 ログ診断データに従って元のデータベースをトラブルシューティングした後、元のデータベースで手動マイグレーションを実行します。

このタスクについて

以下のセクションでは、両方のフレームワーク (組み込みフレームワークとネットワーク・サーバー・フレームワーク) を経由してアクセスする Cloudscape インスタンスをマイグレーションするためのステップを示します。Cloudscape ネットワーク・サーバー・フレームワークにのみ適用されるステップには、それを示すマークが付けられています。マイグレーションのベスト・プラクティスとして、使用するユーザー ID が以下のいずれかの権限を持つようにしてください。 権限がない場合、データベース・インスタンスが読み取り専用であることを示すランタイム・エラーが表示されることがあります。
手順
  1. ネットワーク・サーバー・フレームワークのみ: Cloudscape データベースのすべてのクライアントが Cloudscape v10.1.x をサポートできるようにします。
    データベースの WebSphere ESB クライアントが実行する WebSphere ESB は、バージョン 6.0.1.x またはそれ以上である必要があります。
  2. ネットワーク・サーバー・フレームワークのみ: データベースをオフラインにします。 クライアントはマイグレーション・プロセス中にデータベースにアクセスできません。
  3. WebSphere ESB が提供するサンプルの Cloudscape マイグレーション・スクリプトを検査します。 使用しているオペレーティング・システムに応じて、WebSphere ESB には次のいずれかのマイグレーション・スクリプトが用意されています。
    • For Linux operating systemFor UNIX operating system Linux® および UNIX® プラットフォームの場合: 以下のディレクトリーにある db2jmigrate.sh スクリプトを使用します: install_root/derby/bin/embedded/...
    • For Windows operating system Windows® プラットフォームの場合: 以下のディレクトリーにある db2jmigrate.bat スクリプトを使用します: install_root¥derby¥bin¥embedded¥...
    使用中の環境の要件に応じて、スクリプトを変更できます。 スクリプトで使用できるオプションについては、「Migrating IBM Cloudscape to Version 10」を参照してください。例えば、オプション -DB2j.migrate.ddlFile=filename を使用して、新しいデータベースの DDL ファイルを指定できます。
  4. マイグレーション・スクリプトを実行するときにデータベース・デバッグ・ログを生成するには、デバッグ・マイグレーション・トレース がアクティブであるか確認します。 デフォルトでは、このトレース機能は有効になっています。デバッグ・トレースが使用不可になっている場合、再アクティブ化します。
    1. 管理コンソールでトレース・オプションを設定するには、コンソール・ナビゲーション・ツリーで「トラブルシューティング」 > 「ロギングおよびトレース」をクリックします。
    2. サーバー名を選択します。
    3. 「ログ・レベルの詳細の変更 (Change Log Level Details)」をクリックします。
    4. オプション: 「すべてのコンポーネント」が有効にされている場合、これをオフにして特定のコンポーネントを使用可能に設定することが必要な場合もあります。
    5. オプション: コンポーネントまたはグループ名を選択します。詳細については、WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.1 インフォメーション・センターの『ログ・レベル設定』を参照してください。選択されたサーバーが実行中でない場合、グラフィック・モードで個別のコンポーネントを表示できません。
    6. トレース・ストリング・ボックスにトレース・ストリングを入力します。 この場合、以下のいずれか 1 つを入力します。
      • all traces*=all
      • com.ibm.ws.migration.WASUpgrade=all

      トレースについては、WebSphere Application Server Network Deployment バージョン 6.1 インフォメーション・センターの『トレースによる処理』を読んでください。

    7. 「適用」を選択し、次に「OK」を選択します。
  5. スクリプトを実行するときに、古いデータベース名と、新しいデータベース名のマイグレーション後の絶対パスを指定します。 例: E:¥WebSphere¥ProcServer¥derby¥bin¥embedded>db2jMigrate.bat myOldDB myNewDB 自動マイグレーションで生成されたログには、古いデータベースとターゲット・データベースの両方を指定するための正確なパス名が記載されています。新しいデータベースを指定するには、このターゲット・データベース名を使用する必要があります。なぜなら、マイグレーション済みの Cloudscape データ・ソース (WebSphere ESB マイグレーション・ユーティリティーによって更新されたもの) は、 このターゲット・データベース名を指すようになっているためです。ログ・メッセージにターゲット・データベース名がどのように表示されるかを以下のサンプル・テキストで示します。
    Cloudscape migration of database instance C:¥temp¥migration2¥profiles¥Srv01¥
    installedApps¥ghongellNode01Cell¥DynamicQuery.ear¥EmployeeFinderDB to
    new database instance C:¥WebSphere¥ESB
    ¥profiles¥Srv01¥databases¥C__WAS602_ProcServer_profiles_ProcSrv01_
    installedApps_ghongellNode01Cell_DynamicQuery.ear_
    EmployeeFinderDB failed, reason: java.sql.SQLException: 
    Failure creating target db
    ネットワーク・サーバー・フレームワーク経由でアクセスする Cloudscape のインスタンスの場合は、新しいデータベースに付ける任意の名前を入力します。新しいデータベース名を指すように、既存のデータ・ソースを変更するようにしてください。
  6. マイグレーション・プロセスが終了したら、データベース・マイグレーション・ログを確認して、結果を検査してください。 各データベース・マイグレーション・ログのパス名は、install_root/logs/derby/myFulldbPathName_migrationLog.log です。
    マイグレーションが正常な場合、データベース・マイグレーション・ログには、以下のテキストに似たメッセージが表示されます。
    Check E:¥WebSphere¥ESB¥derby¥myOldDB_migrationLog.log for progress
    Migration Completed Successfully 
    E:¥WebSphere¥ESB¥derby¥bin¥embedded>
    そうでない場合、ログには以下の例のような形式のエラー・メッセージが表示されます。
    Check E:¥WebSphere¥ESB¥derby¥myOldDB_migrationLog.log for progress
    ERROR: An error occurred during migration. See debug.log for more details.
    ERROR XMG02: Failure creating target db
    java.sql.SQLException: Failure creating target db
        at com.ibm.db2j.tools.migration.MigrationState.getCurrSQLException(Unknown 
        Source)
        at com.ibm.db2j.tools.migration.MigrateFrom51Impl.handleException(Unknown
        Source)
        at com.ibm.db2j.tools.migration.MigrateFrom51Impl.go(Unknown Source)
        at com.ibm.db2j.tools.migration.MigrateFrom51Impl.main(Unknown Source)
        at com.ibm.db2j.tools.MigrateFrom51.main(Unknown Source)
  7. マイグレーション・エラーに関する詳細なデータについては、データベース・マイグレーション・ログに対応するデバッグ・ログを確認してください。 デバッグ・ログ・ファイルの絶対パス名は install_root/logs/derby/myFulldbPathName_migrationDebug.log です。
    以下の行は、デバッグ・テキストのサンプルです。
    sourceDBURL=jdbc:db2j:E:¥WebSphere¥myOldDB
     newDBURL=jdbc:derby:e:¥tempo¥myNewDB
     ddlOnly=false
    connecting to source db <jdbc:db2j:E:¥WebSphere¥myOldDB>
    connecting to source db <jdbc:db2j:E:¥WebSphere¥myOldDB> took   0.611 seconds
    creating target db <jdbc:derby:e:¥tempo¥myNewDB>
    creating target db <jdbc:derby:e:¥tempo¥myNewDB> took   6.589 seconds
    initializing source db data structures
    initializing source db data structures took   0.151 seconds
    recording DDL to create db <E:¥WebSphere¥myOldDB>
    recording DDL to create db <E:¥WebSphere¥myOldDB> took   5.808 seconds

タスクの結果

前のステップに示したように、データベース・マイグレーション・ログには Migration Completed Successfully メッセージか、またはマイグレーション失敗の例外を含むメッセージのいずれかが表示されます。

次のタスク


task タスク・トピック

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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: 2010/07/05


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