高可用性ペアのセットアップ

このタスクについて

高可用性ペアをセットアップするには、以下の手順を実行します。

手順

  1. 9005 アプライアンスを使用して HA ペアをセットアップする場合は、ステップ 1a の手順に従います。9004 アプライアンスを使用する場合は、ステップ 1b の手順に従います。
    注: 同種のアプライアンスを接続する場合に限り、高可用性を実現できます。異種のアプライアンス (例えば 9005 アプライアンスと 9004 アプライアンス) を相互に接続して高可用性を実現しようとしないでください。
    1. 9005 アプライアンスの場合 - HA ペアを作成するには、推奨されるシリアル・コンソール・ケーブルに加えて、合計 6 本のイーサネット・ケーブルが必要です。 2 つのアプライアンスの複製インターフェースを、2 本のイーサネット・ケーブルで直接接続します。
      1 x ethernet cable for emgmt of Appliance A
      1 x ethernet cable for emgmt of Appliance B
      1 x ethernet cable for edata of Appliance A
      1 x ethernet cable for edata of Appliance B
      1 x ethernet cable for repl1 between Appliance A and Appliance B
      1 x ethernet cable for repl2 between Appliance A and Appliance B
      以下のように接続します。
      Appliance 1             Appliance 2
      Repl 1 <--------------> Repl 1
      MGMT 	                MGMT
      Data 1                  Data 1
      Data 2                  Data 2
      Data 3                  Data 3
      Repl 2 <--------------> Repl 2
      両方のアプライアンスの MGMT および Data 1 を、それぞれ対応する管理ネットワークおよびデータ・ネットワークに接続します。Data 2 および Data 3 は、切断したままにしてください。
    2. 9004 アプライアンスの場合 - Cast Iron アプライアンスのネットワーク・インターフェースは、内部では、外側のラベルとは異なるインターフェースにマップされていることに注意してください。
      External Label 		Internal designation
      MGMT          		emgmt
      ETH0		        		r1
      ETH2          		edata
      ETH1		        		r2
      アプライアンスを 2 本のイーサネット・ケーブルで以下のように接続します。
      Appliance 1                           Appliance 2
      MGMT   (internal:emgmt)               MGMT (internal:emgmt)
      ETH0   (internal:r1)    ----------->  ETH0 (internal:r1)
      ETH1   (internal:r2)    ----------->  ETH1 (internal:r2)
      ETH2   (internal:edata)               ETH2 (internal:edata)
      両方のアプライアンスの MGMT (emgmt) および ETH2 (edata) は、それぞれに対応する管理ネットワークおよびデータ・ネットワークに接続してください。
  2. 初期のアクティブ・ピアにするアプライアンスを選択します。2 つ目のアプライアンスはスタンバイ・ピアになります。
  3. 選択した Cast Iron アプライアンスにシリアル・コンソールを接続します。 アクティブ・ピア・アプライアンスで、Cast Iron コマンド・ライン・インターフェース (CLI) にユーザー admin としてログインします。 デフォルトの管理パスワードは、!n0r1t5@C です。none/Standalone> のようなコマンド・プロンプトが表示されます。
  4. 静的に割り当てられた IP アドレスを使用するように、管理ネットワークおよびデータ・ネットワークを構成します。それには以下のように、CLI で net set interface コマンドを実行し、続いて net restart コマンドを実行します。
    appliance name/Standalone> net set interface emgmt address <MGMT IP 
    ADDRESS> mask <MGMT NETMASK> bcast <MGMT BROADCAST>
    
    appliance name/Standalone> net set interface edata address <DATA IP 
    ADDRESS> mask <DATA NETMASK> bcast <DATA BROADCAST>
    appliance name/Standalone> net restart
  5. 問題を防ぐために、Cast Iron アプライアンスをソフトウェアの最新バージョンでアップグレードします。このソフトウェアは、IBM Fix Central Web サイト (http://www.ibm.com/support/fixcentral/) にあります。アップグレード対象の Cast Iron アプライアンスからアクセスできるマシンに、このソフトウェアをダウンロードしてください。 Cast Iron ソフトウェアをアップグレードするには、Cast Iron Web 管理コンソール (WMC) を使用できます。あるいは、コマンド・ライン・インターフェースでコマンドを実行してアップグレードすることもできます。 ソフトウェア・レベルを確認するには、選択した Cast Iron アプライアンスにシリアル・コンソールを接続し、アクティブ・ピア・アプライアンスで Cast Iron コマンド・ライン・インターフェースにユーザー admin としてログインします。 デフォルトの管理パスワードは、!n0r1t5@C です。 以下のコマンドを実行して、ソフトウェア・レベルを確認します。
    none/standalone>system show version
    更新が必要な場合は、ftp ロケーションおよび必要なユーザー資格情報を指定して、更新コマンドを実行します。以下に例を示します。
    none/standalone>system update cios image from ftp 10.10.17.166 user 
    billbloggs file Downloads/fixcentral/castiron/myciupdate
    アップグレード・プロセスの実行中に、アプライアンスがリブートします。
  6. スタンバイ・アプライアンスで、ステップ 3 とステップ 5 を繰り返します。アップグレード中には、アプライアンスに一時的に 2 つの IP アドレスが必要になるため、スタンバイ・ピアでもステップ 4 の実行が必要になることがあります。
    注: HA のセットアップが完了した後は、HA ペアに必要な IP アドレスは 2 つのみ (1 つは管理用で、もう 1 つはデータ用) となります。 このステップでスタンバイ・ピアに使用した IP アドレスは、HA のセットアップ完了時に廃棄され、ネットワーク環境の他の場所で使用できるようになります。
  7. 以下のコマンドを両方のピアで実行し、両方に同じレベルのソフトウェアがインストールされていることと、それが必要なソフトウェア・レベルであることを確認します。
    none/standalone>system show version
  8. アクティブ・アプライアンスを HA として構成します。
    none/standalone> system haconfig enable active
    アプライアンスがリブートし、アクティブ・アプライアンスとして再始動します。
  9. アクティブ・アプライアンスにログインします。コマンド・プロンプトに、このアプライアンスがアクティブであることが示されます。
    none/Active>
    or
    appliance name/Active>
  10. 選択したスタンバイ・アプライアンスにシリアル・コンソールを接続し、スタンバイ・ピアにログインします。以下のコマンドを実行して、スタンバイ・アプライアンスを HA として構成します。
    none/standalone> system haconfig enable standby 
  11. スタンバイ・アプライアンスに再度ログインします。コマンド・プロンプトに、このアプライアンスがスタンバイであることが示されます。
    none/Standby>
  12. アクティブ・アプライアンスで、HA ペアの状況を確認します。
    appliance name/Active>ha show pairstatus
    出力に、アプライアンスが高可用性であるかどうかが示されます。 以下に例を示します。
    appliance name/Active>ha show pairstatus
    
    Pair Status
    ----------------
    NOT Highly Available
    Local State: ACTIVE_2
    Peer  State: STANDBY
    Sync Status: 74%
    
    
    Appliance Services
    -------------------
    Network: Up
    Runtime: Starting
    
    Command complete
    この例では、ディスクの同期化が 74% しか完了していないため、HA ペアは高可用性ではありません。コマンドを再度実行すると、状況が変わります。
    appliance name/Active>ha show pairstatus
    
    Pair Status
    ----------------
    Highly Available
    Local State: ACTIVE_2
    Peer  State: STANDBY
    Sync Status: Synced
    
    Appliance Services
    -------------------
    Network: Up
    Runtime: Up
    
    Command complete
  13. 同期化が完了した後は、必要に応じて HA ペアが正しく役割を切り替えられることを確認することが重要です。ha show pairstatus を使用して、ペアが高可用性であることと、ネットワークおよびランタイム・アプライアンス・サービスが有効であることを確認します。現在アクティブであるアプライアンスのシリアル番号を特定します。
    appliance name/Active> system show version
    以下のコマンドを実行して、HA ペアの役割を切り替えます。
    appliance name/Active> ha switch
    スタンバイ・ピアがテークオーバーして、アクティブになります。(一般に、このプロセスには約 2 分間かかります)。以前にアクティブであったピアが、スタンバイになります。コマンド system show version を使用して、アクティブ・アプライアンスのシリアル番号を表示し、シリアル番号が変化していることを確認します。コマンド "ha show pairstatus" を使用して、HA ピアが高可用性の状態に戻っていることを確認します。
  14. HA ペアが一方の方向 (例えば、ピア A -> ピア B) で役割を切り替えられることを確認した後は、ステップ 13 を再度実行して、HA ペアが反対方向 (ピア B -> ピア A) でも役割を切り替えられることを確認します。
    注: 高可用性ペアとハイブリッド・クラウド統合 (HCI) のサポートに関する注記 – HCI 機能を使用して 2 つの統合アプライアンスを HA に変換しようとしても、HCI 機能はサポートされなくなります。