「E メールの取得」アクティビティー

E メールの取得」アクティビティーは、スターター・アクティビティーです。 「E メールの取得」アクティビティーから開始されるオーケストレーションが統合アプライアンスにデプロイされると、 統合アプライアンスは指定の間隔で指定のアカウントに対して E メール・メッセージについて POP3 サーバーをポーリングします。

注:E メールの取得」アクティビティーを使用するには、POP3 サーバーが TOP および UIDL コマンドをサポートしている必要があります。 これらのコマンドは、POP3 プロトコルではオプションになっていますが、たいていのサーバーではサポートされます。

ポーリングされる POP3 サーバーと E メール・アカウントは、 「E メールの取得」アクティビティーに関連付けられた E メール・エンドポイントに定義されています。

次の図に示すように、実行時に、「E メールの取得」アクティビティーでは、 特定の E メール・アカウントの着信 E メール・メッセージについて POP3 サーバーがポーリングされます。

図 1.

E メール・メッセージが見つかると、E メール・メッセージごとに次のアクションが実行されます: 「件名」フィールドに対して 定義されている正規表現が着信メール・メッセージの件名と照合され、「送信元」フィールドに対して 定義されている正規表現が着信メール・メッセージの送信者 E メール・アカウントと照合されます。 両方の正規表現が適合すると、E メールを処理するためにオーケストレーション・ジョブが作成され、POP3 サーバーで削除のマークが メールに付けられます。 プロセスが完了すると、E メールは POP3 サーバーから削除されます。 正規表現の突き合わせについて詳しくは、アクティビティーの構成の手順を参照してください。
注: 2 つの「E メールの取得」アクティビティーを実行した場合、 アクティビティーの「構成」タスクに指定されている正規表現が異なっていたとしても、 同じ E メール・アカウントで同時に同じ POP3 サーバーからポーリングが行われることはありません。2 つの「E メールの取得」アクティビティーで同じ E メール・アカウントを使用して E メールを取得しようとすると、 最初の「E メールの取得」アクティビティーで POP3 サーバーからの E メールが処理されて、 そのサーバーから E メールが削除されます。 その際、2 番目の「E メールの取得」アクティビティーで E メールを POP3 サーバーから取得する試みが繰り返しなされます。 その場合、次の例外がスローされる場合があります。
プロトコル例外: com.jscape.inet.pop.PopException: TOP 671 0 のエラー: -ERR 要求されたメッセージは現在使用不可です。そのメッセージは削除された可能性があります。(Protocol exception: com.jscape.inet.pop.PopException: Error in TOP 671 0: -ERR The requested message is no longer available; it may have been deleted.)

E メール・メッセージ添付ファイルへのアクセス

着信 E メール・メッセージの添付ファイルにアクセスするには、上記の図に示されているように、 オーケストレーション内で「E メールの取得」アクティビティーの後に「MIME の読み取り」アクティビティーを 追加する必要があります。 また、「E メールの取得」アクティビティーの 2 つの出力パラメーターをオーケストレーション内の変数にマップし、 その変数を「MIME の読み取り」アクティビティーの入力パラメーターにマップする必要があります。 実行時に、「MIME の読み取り」アクティビティーにより、MIME ヘッダー、とメッセージの本文が読み取られ、 メッセージの本文に含まれる添付ファイルが分割され、その結果が parts XML 出力パラメーターに配置されます。 詳しくは、「MIME の読み取り」アクティビティーを参照してください。

「E メールの取得」アクティビティーのオーケストレーションへの追加

  1. オーケストレーションを作成するか、または開きます。 オーケストレーションのグラフィカル表現が表示されます。
  2. アクティビティー」タブを選択して、 「E メール」フォルダーを展開します。
  3. E メールの取得」アクティビティーをオーケストレーション上にドラッグします。
  4. アクティビティーを選択します。 チェックリストが表示されます。

E メール・エンドポイントの作成、選択、または編集

  1. チェックリストで「エンドポイントの選出」タスクをクリックして、 以下のいずれかのアクションを選択します。
    • 既存のエンドポイントを選択します。
      1. 参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
      2. 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。 『アクティビティーの構成』ステップを実行します。
    • 既存のエンドポイントを選択し、そのエンドポイントを編集します。
      1. 参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
      2. 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。
      3. 編集」をクリックします。 「エンドポイントの編集」ペインが表示されます。
    • 新しいエンドポイントを作成します。「新規作成」を選択します。 「エンドポイントの作成」ペインが表示されます。
  2. E メール・エンドポイントを作成するか、または編集します。 詳しくは、『E メール・エンドポイントの作成または編集』を参照してください。

アクティビティーの構成

  1. チェックリスト」から、「構成」タスクを選択します。 「構成」ペインが表示されます。
  2. 以下の表で説明されているように、このペインにあるすべてのフィールドを構成します。 このタスクでは、ポーリング対象の E メール・メッセージの 「件名」フィールドおよび「送信元」フィールドと突き合わせるために使用する 正規表現を指定します。 正規表現は、* (すべてのストリングが適合することを意味する) と同等の場合でも、 これらの両方のフィールドに対して指定する必要があります。 着信メールが処理されるには、メールの「件名」ストリングと「送信元」ストリングの両方が、 それぞれの正規表現に適合しなければなりません。 正規表現の各フィールドでは、以下のワイルドカードがサポートされています。
    • * (アスタリスク) - ゼロ個以上の文字を表します
    • ? (疑問符) - ゼロ個または 1 つの文字を表します
    表 1.
    フィールド 説明
    件名に一致 E メール・メッセージを処理するためにオーケストレーション・ジョブを開始する E メール・メッセージの件名に適合する 正規表現を入力します。 この正規表現では、文字とワイルドカードを組み合わせて指定できます。
    送信元に一致 E メール・メッセージを処理するためにオーケストレーション・ジョブを開始する E メール・メッセージの 送信者 E メール・アドレスを定義する正規表現を入力します。 この正規表現では、文字とワイルドカードを組み合わせて指定できます。
    以下の表に、いくつかの正規表現の例と、 その正規表現をサンプル・テキストに突き合わせたときの結果を示します。
    表 2.
    正規表現 サンプル・テキスト 結果
    *test* test 一致
    *test* ttttesttt 一致
    test test 一致
    test ttttesttt 適合しません。 正規表現のストリングである test と正確に一致しなければなりません。
    test est 適合しません。 正規表現のストリングである test と正確に一致しなければなりません。
    ?est test 一致
    ?est best 一致
    ?est est 一致

配信ルールの指定

  1. チェックリスト」から、「配信ルール」タスクを選択します。 「配信ルール」ペインが表示されます。
  2. 新規 E メール・メッセージについて POP3 サーバーをポーリングするための時間間隔を指定します。
    1. メニューから時間の単位 (「秒」、「分」、「時間」、または「日」) を選択します。
    2. 以下のいずれかの入力オプションを使用して時間を指定します。
      • >変更のポーリング頻度」フィールド内をクリックして、新規の値を入力します。
      • 上矢印と下矢印を使用します。
詳しくは、『ポーリング間隔の動作』を参照してください。

再試行オプションの指定

  1. チェックリスト」から、「再試行」タスクを選択します。 「再試行」ペインが表示されます。
  2. POP3 サーバーに接続するための再試行オプションを構成します。 以下の表は、POP3 サーバーに接続するための再試行オプションを定義したものです。
    表 3.
    フィールド 説明
    再試行  
    1) 再試行ごとに __ 秒待機します。 統合アプライアンスが POP3 サーバーへの接続の確立を試行するまでに待機する秒数を指定します。
    2) 失敗するまで __ 回の接続を試みます。 再試行回数を指定します。 つまり、統合アプライアンスが POP3 サーバーへの接続の確立を試行する最大回数を指定します。 この回数を超えると、統合アプライアンスはエラーを発行します。

    E メールの取得」アクティビティーから開始されるオーケストレーションがデプロイされる場合に、 統合アプライアンスは指定の POP3 サーバーに接続できないと、再試行回数値に達するまで システム・ログに接続エラーを警告として記録します。 再試行回数に達した場合、統合アプライアンスはシステム・ログにエラーを記録し、 接続エラー回数をゼロにリセットして、POP3 サーバーへの接続を引き続き確立しようとします。

    例えば、再試行回数を 3 に設定すると、第 1、第 2、第 3 の接続エラーはシステム・ログに警告として表示されます。 統合アプライアンスは、第 4 の接続エラーをエラーとしてログに記録し、 接続エラー回数をゼロにリセットします。 そのため、第 5 の接続エラーは、システム・ログに警告として表示されます。 統合アプライアンスは、POP3 サーバーへの接続を引き続き確立しようとします。

アクティビティーの出力のマッピング

  1. チェックリスト」から、「出力のマップ」タスクを選択します。 このアクティビティーの出力パラメーターが、 「アクティビティーから」ペインに表示されます。
  2. このタスクでは、mailheader (XML 型) 出力パラメーターおよび body (ストリング型) 出力パラメーターを変数にマップします。 オーケストレーションを有効にするには、アクティビティーの出力パラメーターをマップする必要があります。 マッピングについての一般的な説明は、『マップの作成』を参照してください。 mailheader 出力パラメーターには、E メール・メッセージに関する メタ情報 (メッセージの送信先となる E メール・アドレスや、メッセージ自体の MIME ヘッダーなど) が含まれます。 body 出力パラメーターには、E メール・メッセージの本文、および関連添付ファイルが含まれます。
    注意:
    本文出力での添付ファイルと本文の順序は、 メッセージを送信した E メール・クライアントおよび メッセージのタイプ (プレーン・テキストなのか HTML なのか) によって異なります。
注: 英語以外のペイロードを使用する場合は、mailheadermimeHeader、および otherheaders を、オーケストレーション内の「E メールの取得 (getEmail)」アクティビティーにマップし、オーケストレーションから「メールの送信 (sendMail)」アクティビティーにマップする必要があります。