「リソース使用状況 (Resource Utilization)」グラフについて

キャパシティー・プランニングを行い、ランタイム環境の正常性を理解するために、「リソース使用状況 (Resource Utilization)」グラフが示すデータをどのように使用するかを説明します。

「リソース使用状況 (Resource Utilization)」グラフは、以下の変数を追跡します。これを使用して、ランタイムの全体的な正常性を分析し、追加のプロジェクトおよびオーケストレーション用に使用可能な容量を計算することができます。
  • ディスク使用率 (%) (% Disk Used)
  • 使用メモリー (%) (% Memory Used)
  • GC アクティビティー (GC Activity)
  • 実行中のジョブ数 (# Running Jobs)

ディスク使用率 (%) (% Disk Used)

この変数は、オーケストレーション・ジョブ変数と履歴データが使用しているディスク・スペースの割合を追跡します。

オーケストレーション・ジョブを実行すると、ランタイムは、そのジョブの変数データを保管するためにディスクを使用します。パーシスタンスを有効にすると、統合アプライアンスでランタイムの再始動が必要な障害が発生した場合に、保管されているジョブの変数データによって、統合アプライアンスがオーケストレーション・ジョブのポイント・イン・タイム・リカバリーを提供することができます。

ランタイムは、オーケストレーション・ジョブに関する履歴データも保管します。これは、Web 管理コンソール (WMC) の「ジョブ・ログ (Job Log)」ページに表示されます。

使用可能なディスク・スペースの量が少なすぎる状態になった場合、統合アプライアンスはアラートを生成します。これにより、指定されたユーザーに通知が送られます。

使用メモリー (%) (% Memory Used)

統合アプライアンスには、オーケストレーションを実行するための固定量の使用可能メモリーがあります。「使用メモリー (%) (% Memory Used)」変数は、この固定メモリーのうち、オーケストレーション・ジョブとそれに対応する変数データが使用する量を追跡します。オーケストレーション・ジョブと変数データに割り振られたメモリーが使用されなくなると、そのメモリーは、ガーベッジ・コレクションというプロセスを使用して、使用可能メモリーのプールに戻されます。

使用されるメモリーの量と、ガーベッジ・コレクション・サイクルの間には直接の関係があります。ただし、メモリー使用量が多い場合に、必ずフル・ガーベッジ・コレクション・サイクルが増加するわけではありません。

使用されるメモリーの量に影響する要因について詳しくは、メモリー管理のベスト・プラクティスを参照してください。

GC アクティビティー (GC Activity)

ガーベッジ・コレクションは、完了したジョブおよび変数データによって確保されているメモリーを、すべてのオーケストレーション・ジョブによって使用されるメモリーのプールに戻すプロセスです。このガーベッジ・コレクション・プロセスにより、統合アプライアンスで、新規オーケストレーション・ジョブが使用する空きメモリーが継続的に提供されるようになります。

「GC アクティビティー (GC Activity)」変数は、1 分間にフル・ガーベッジ・コレクションが行われる割合を追跡します。この割合は、フル・ガーベッジ・コレクションの回数を 6 で除算して計算します。理想的には、GC アクティビティーは 50% (1分間に 3 回のフル・ガーベッジ・コレクション) 以下とする必要があります。1 分間に 6 回以上のフル・ガーベッジ・コレクションが行われると、オーケストレーションのパフォーマンスは著しく低下します。

ガーベッジ・コレクションと、ガーベッジ・コレクションに影響する要因について詳しくは、メモリー管理のベスト・プラクティスを参照してください。

実行中のジョブ数 (# Running Jobs)

統合アプライアンス上で現在実行中のジョブの数を表示します。