「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティー
実行時に、「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは FTP サーバーに接続し、指定された場所にある単一のファイルの取得を試行します。 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーを構成して、ファイルの内容を返してオーケストレーションの変数に入れることができます。 さらに、「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーを構成して、FTP サーバーにより返されるファイルのタイム・スタンプを、オーケストレーションの変数に入れることができます。
- 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは、指定されたディレクトリー内のファイルをポーリングしません。 その代わりに、「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは、ファイルを一回だけ検査します。ファイルが見つからない場合は、エラーをスローして、オーケストレーション・ジョブは処理を続行します。
- 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは、スターター・アクティビティーではないため、オーケストレーションの最初のアクティビティーにすることはできません。
- 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは、FTP サーバー上でファイルを移動させたり削除したりしません。
シンボリック・リンク
実行時の「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーによるシンボリック・リンクのサポートは、以下の要素に依存しています。- FTP サーバーをホストするオペレーティング・システムによりサポートされるシンボリック・リンクのタイプ。
- FTP サーバーそのものによりサポートされるシンボリック・リンクのタイプ。
- 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーによりサポートされるシンボリック・リンクのタイプ。これについては以下の表にリストします。
表 1. シンボリック・リンクの対象 ハード・シンボリック・リンク ソフト・シンボリック・リンク 注 ファイル サポートされない サポートされない 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーは、ファイルへのシンボリック・リンクをファイルとは解釈しません。したがって、ファイルへのシンボリック・リンクは、実行時には「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーにより処理されません。 ディレクトリー サポートされる サポートされる
「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーのオーケストレーションへの追加
- オーケストレーションを作成するか、または開きます。 オーケストレーションのグラフィカル表現が表示されます。
- 「アクティビティー」タブを選択し、FTP フォルダーを展開します。
- 「ファイルの取得」アクティビティーをオーケストレーション上にドラッグします。
- アクティビティーを選択します。 チェックリストが表示されます。
FTP エンドポイントの作成、選択、または編集
- 「チェックリスト」から「エンドポイントの選出」タスクをクリックし、次のいずれかのアクションを選択します。
- 既存のエンドポイントを選択します。
- 「参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。重要: 元の FTP エンドポイントと異なるディレクトリー構造で新規 FTP エンドポイントを指定すると、 実行時にオーケストレーション・ジョブが失敗することがあります。 元の指定された FTP サーバーのディレクトリー構造に一致する新規 FTP サーバーを指定するか、『アクティビティーの構成』手順に記載されているように「参照」をクリックして「ディレクトリー」フィールドの構成ディレクトリーを変更する必要があります。
- 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。 『アクティビティーの構成』手順までスキップします。
- 「参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
- 既存のエンドポイントを選択し、そのエンドポイントを編集します。
- 「参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
- 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。
重要: 元の FTP エンドポイントと異なるディレクトリー構造で新規 FTP エンドポイントを指定すると、 実行時にオーケストレーション・ジョブが失敗することがあります。 元の指定された FTP サーバーのディレクトリー構成に一致する新規 FTP サーバーを指定するか、「アクティビティーの構成」手順に記載されているように「参照」をクリックして「ディレクトリー」フィールドの構成ディレクトリーを変更することが必要です。
- 「編集」をクリックします。 「エンドポイントの編集」ペインが表示されます。
- 新しいエンドポイントを作成します。「新規作成」を選択します。 「エンドポイントの作成」ペインが表示されます。
- 既存のエンドポイントを選択します。
- FTP エンドポイントを作成するか、または編集します。FTP エンドポイントの作成または編集
配信ルールの指定
- 「チェックリスト」から、「配信ルール」タスクを選択します。 「配信ルール」ペインが表示されます。 FTP エンドポイントでセキュリティーが有効になっていない場合は、 「テキストとして転送 (ASCII)」オプションと「バイナリーとして転送 (BINARY)」オプションが使用可能になっています。 FTP エンドポイントでセキュリティーが有効になっている場合は、 ファイル転送のタイプは常にバイナリーです。
- 統合アプライアンスと FTP サーバー間のファイル転送のタイプを、次のオプションから 1 つ選択します。
- テキストとして転送 (ASCII) - 統合アプライアンスから FTP サーバーに転送されるのは、ファイル内の各文字の 7 ビットだけです。 このオプションは、HTML ファイルやテキスト・ファイルなどの ASCII ファイルの転送に使用します。 注意:バイナリー・ファイルでこのオプションを使用すると、データが失われることがあります。
- バイナリーとして転送 (BINARY) - ファイル内の各バイトの 8 ビットすべてが、統合アプライアンスによって FTP サーバーに転送されます。 このオプションは、バイナリー・ファイルの転送に使用します。
注: 「配信ルール」タスクで転送モードを設定することは、FTP サーバーのコマンド・ライン・セッションから以下のコマンドで転送モードを設定することと同じです。- ascii
- binary
- テキストとして転送 (ASCII) - 統合アプライアンスから FTP サーバーに転送されるのは、ファイル内の各文字の 7 ビットだけです。 このオプションは、HTML ファイルやテキスト・ファイルなどの ASCII ファイルの転送に使用します。
アクティビティーの構成
- 「チェックリスト」から、「構成」タスクを選択します。 「構成」ペインが表示されます。
- 以下の表で説明されているように、このペインにあるすべてのフィールドを構成します。
表 2. フィールド 説明 ファイル名 このフィールドはこのアクティビティーには使用されません。 出力ファイルの名前は、「入力のマップ」タスクの filename 入力パラメーターで指定します。 元のディレクトリー 統合アプライアンスがこのアクティビティーで生成されたファイルを置く、FTP サーバーのディレクトリーを指定します。 以下のいずれかのオプションを使用して、ディレクトリーを指定できます。 - フィールドをクリックして以下のディレクトリー・パスの 1 つをタイプすることにより、ディレクトリー・パスを直接入力します。
- 相対ディレクトリー・パス。例: /output (FTP ホームは、FTP サーバーに接続するユーザー・アカウントに構成されていると見なします。 詳しくは、『注』を参照してください。)
- 完全ディレクトリー・パス。例えば UNIX マシンの場合: /home/user/output
- 「参照...」をクリックして、使用可能なディレクトリーのドロップダウン・リストを取り込みます。 ドロップダウン・リストから適切なディレクトリーを選択します。
注: UNIX: UNIX マシン上の FTP サーバーに接続するときに相対ディレクトリー・パスを指定した場合は、FTP サーバーに接続するユーザー・アカウントに対して、FTP ホーム・ディレクトリーが /etc/password ファイルに正しく指定されていることを確認してください。タイプ ファイル内容の読み取り方法 (バイナリー・データまたはエンコード済みテキスト) を指定します。 「テキスト」オプションを選択した場合は、以下のオプションのいずれかを選択してエンコード・タイプを設定します。 - 「エンコード方式」ドロップダウン・リストから、デフォルト・エンコード・タイプを 1 つ選択します。
- 「エンコード方式」フィールドをクリックしてエンコード・タイプを入力することにより、エンコード・タイプを直接入力します。
重要: FTP エンドポイントとの間でデータを ASCII モードで転送中に、テキスト・データを操作するエンドポイントの FTP サーバーでテキスト・ファイルを取得および配置する場合は、FTP アクティビティーに「テキストとして転送 (ASCII)」オプションを指定する必要があります。 例えば、メインフレームと DOS の FTP エンドポイントでは、データを ASCII モードで渡す際に ASCII データを操作します。例えば、ご使用のオーケストレーションが「FTP ディレクトリーのポーリング (FTP Poll Directory)」アクティビティーを使用して ASCII ファイルを取得し、「FTP ファイルの書き込み (FTP Put File)」アクティビティーを使用して ASCII ファイルをメインフレーム FTP サーバーに置く場合は、Studio の以下のタスクでオプションを指定する必要があります。- 「FTP ポーリング・ディレクトリー」アクティビティーの「構成」タスクでは、 「タイプ」フィールドで「テキスト」オプションを選択します。
- 「FTP ポーリング・ディレクトリー」アクティビティーの「配信ルール」タスクでは、 「ファイル転送タイプ」フィールドで「テキストとして転送 (ASCII)」オプションを選択します。
- 「FTP ファイルの書き込み (FTP Put File)」アクティビティーの「構成」タスクでは、 「タイプ」フィールドで「テキスト」オプションを選択します。
- 「FTP ファイルの書き込み (FTP Put File)」アクティビティーの「配信ルール」タスクでは、 「ファイル転送タイプ」フィールドで「テキストとして転送 (ASCII)」オプションを選択します。
- フィールドをクリックして以下のディレクトリー・パスの 1 つをタイプすることにより、ディレクトリー・パスを直接入力します。
再試行オプションの指定
- 「チェックリスト」から、「再試行」タスクを選択します。 「再試行」ペインが表示されます。
- FTP サーバーに接続するための再試行オプションを構成します。 以下の表は、FTP サーバーに接続するための再試行オプションを定義したものです。
表 3. フィールド 説明 再試行 1) 再試行ごとに __ 秒待機します。 統合アプライアンスが FTP サーバーへの接続の確立を試行するまでに待機する秒数。 2) 失敗するまで __ 回の接続を試みます。 再試行回数を指定します。 つまり、統合アプライアンスが FTP サーバーへの接続の確立を試行する最大回数を指定します。 この回数を超えると、統合アプライアンスはエラーを発行して現行オーケストレーション・ジョブの処理を停止します。 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーが含まれているオーケストレーションがデプロイされる場合に、統合アプライアンスは指定の FTP サーバーに接続できないと、再試行回数値に達するまでシステム・ログおよびオーケストレーション・ログに接続エラーを警告として記録します。 再試行回数に達した場合、統合アプライアンスがシステムおよびオーケストレーションのログにエラーを記録し、 現在のオーケストレーション・ジョブの処理を停止します。
例えば、再試行回数を 3 に設定したとします。そうすると、第 1、第 2、第 3 の接続エラーはシステム・ログに警告として表示されます。 統合アプライアンスは、第 4 の接続エラーを「エラー」としてログに記録し、現行オーケストレーション・ジョブの処理を停止します。
アクティビティーへの入力のマッピング
- 「チェックリスト」から、「入力のマップ」タスクを選択します。 このアクティビティーの入力パラメーターが、 「アクティビティーへ」ペインに表示されます。
- filename パラメーターは、このアクティビティーで値を指定する必要がある唯一のパラメーターです。 他のパラメーターはすべてオプションです。 filename パラメーターは、FTP サーバーから取得するファイルの名前を指定します。 filename パラメーターへの値の指定は、filename 入力パラメーターから変数へのリンクを作成するか、または filename 入力パラメーターのデフォルト値を定義するかのいずれかによって行います。
次の表にリストされているオプション入力パラメーターが「入力のマップ」ペインの「アクティビティーへ」ペインに表示されない場合は、ツールバー・メニューからオプション・パラメーターの表示」オプションを選択します。 ツールバー・メニューで オプションを 選択できない場合は、「入力のマップ」ペイン内のノードをクリックして、このオプションをアクティブにします。
を選択するか、または「アクティビティーへ」ペインで右クリックして「オプションで、次の表に定義されている入力パラメーターを使用して、 チェックリストの「構成」および「エンドポイントの選出」タスクで 指定した設定を実行時に動的に指定変更できます。
例えば、統合アプライアンスがファイルを取得する FTP サーバー上のディレクトリーは、「構成」タスクで input と呼ばれるディレクトリーに設定できます。 実行時に、directory 入力パラメーターを使用して、ディレクトリー名 inputXML をアクティビティーに渡すことができます。 実行時に動的に指定されるディレクトリー名が、「構成」ペインで指定された元の設定を指定変更します。 この例では、統合アプライアンスはファイルを inputXML ディレクトリーから取得しようとします。
入力パラメーターの名前/ノード | 説明 | タスクで設定を指定変更するかどうか |
---|---|---|
directory | 統合アプライアンスがこのアクティビティーで生成されたファイルを置く、FTP サーバーのディレクトリーを指定します。 | directory 入力パラメーターは、「構成」タスクの「元のディレクトリー」フィールドを指定変更します。 |
encoding | 出力データをファイルに書き出す方法を指定します。
|
encoding 入力パラメーターは、 「構成」タスクの「タイプ」フィールドで指定したエンコードをオーバーライドしますが、 「構成」タスクの「タイプ」フィールドで「Binary」オプションが選択されていると、encoding 入力パラメーターで指定したエンコードは無視されます。 |
connection/timeout | 接続タイムアウト、つまり統合アプライアンスがエンドポイントへの接続の確立を試行してから、エンドポイントが接続要求に応答せずにタイムアウトになるまでの秒数を指定します。 「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」アクティビティーの場合、統合アプライアンスがタイムアウトになる前に FTP サーバーへの接続の確立を試行していた時間です。 | connection 入力パラメーターの timeout ノードは、FTP エンドポイントの「接続タイムアウト - エンドポイントへの接続を確 立しているとき、___ 秒後にタイムアウト」フィールドを指定変更します。 |
connection/host | FTP サーバーのホスト名または IP アドレスを指定します。 | connection 入力パラメーターの host ノードは、FTP エンドポイントの「ホスト名」フィー ルドを指定変更します。 |
connection/port | 指定されたホスト名のポート番号を指定します。 FTP トラフィックの標準ポートは 21 です。 SFTP トラフィックのデフォルト・ポートは 22 です。 | connection 入力パラメーターの port ノードは、FTP エンドポイントの「ポート」フィール ドを指定変更します。 |
connection/username | FTP サーバーに接続するために使用するアカウントのユーザー名を指定します。 | connection 入力パラメーターの username ノードは、FTP エンドポイントの「ユーザー名 」フィールドを指定変更します。 |
connection/password | FTP サーバーに接続するために使用するアカウントのパスワードを指定します。 | connection 入力パラメーターの password ノードは、FTP エンドポイントの「パスワード 」フィールドを指定変更します。 |
アクティビティーの出力のマッピング
- 「チェックリスト」から、「出力のマップ」タスクを選択します。 このアクティビティーの出力パラメーターが、以下の表で説明するとおり、「アクティビティーから」ペインに表示されます。
表 5. 出力パラメーター名 説明 data ファイルの内容が含まれます。 timestamp FTP サーバーから返されるファイルのタイム・スタンプが入ります。これは一般に、ファイルの作成日付または最終変更日付です。 - 希望する出力パラメーターを変数にマップします。