ネットワーク・イントロスペクション・コマンド

ネットワーク・イントロスペクション (Netspect) コマンドを使用すると、ネットワーク構成を管理できる他、ネットワークで DHCP サーバー、DNS サーバー、ゲートウェイ、および経路情報を照会できます。

注: ユーザー名、ホスト名、またはファイル名には予約語を使用しないでください。予約語には、ftp、sftp、export、ibm、port、user、および file などがあります。
表 1.
コマンド名 アクション 構文
netspect arp

指定した IP アドレスの ARP 要求を発行し、ARP 応答の結果を表示するか、ARP キャッシュの内容を表示します。

netspect arp<lookup ipv4-address|show cache>
netspect capture clean 既存のすべてのパケット取り込みファイルを削除します。 netspect capture clean
netspect capture show 取り込まれたパケットを表示します。このコマンドを発行すると、実行中のすべてのパケット取り込みの停止も行われます。 netspect capture show
netspect capture start

パケット・トレースを開始し、gzip (.gz) ファイルを作成します。パケット・トレースは、ネットワーク接続のエラーをデバッグするのに便利なことがあります。

同時に実行できるパケット・トレース取り込みは、1 つのみです。取り込みは、ユーザーが <CTRL + C> を使用して停止するか、またはパケットの最大数に達するまで続行されます。

注: パケット・サイズ・パラメーターをフルに設定して (pktsize full) 取り込みを開始すると、取り込まれるパケットの数が少なくなることがあります。

netspect export コマンドを使用して、別のホストにパケット・トレースを転送できます。

注: パケット・トレースを取り込むと、前の取り込みが上書きされます。
netspect capture start [interface <emgmt|edata|all>] [pktsize <header|full>] [find <hostname|network>]

ここで、

  • hostname - 指定されたホスト (nn.nn.nn.nn) との間で取り込みを行います。
  • network - 特定のネットワークとの間で CIDR で取り込みを行います。
注: interface パラメーターに emgmtedata も指定しない場合、統合アプライアンスはデフォルト値である all を使用するため、両方のインスタンスに対して取り込みが開始されます。
例 1: 両方のインターフェースでパケット・ヘッダーを取り込みます。

netspect capture start

例 2: パケット全体を edata で取り込みます。

netspect capture start interface edata pktsize full

例 3 特定のネットワークとの間でパケット・ヘッダーを edata で取り込みます。

netspect capture start interface edata find 123.12.0.0/24

例 4: 特定のホストとの間でパケット全体を emgmt で取り込みます。

netspect capture start interface emgmt pktsize full find 123.12.0.123

netspect connect

このコマンドは、指定したプロトコルを使用してネットワーク・ホストのポートへの接続確立を試行し、その接続試行の結果を表示します。接続が確立された場合、その接続はこのコマンドから応答が返される前に閉じられます。

netspect connect host <host-id> <protocol>「ポート」<port-num>。それぞれの説明は次のとおりです。
  • host-id - ネットワーク・ホストの名前または IP アドレスです。
  • protocol - 接続に使用するプロトコルです。「tcp」にする必要があります。
  • port-num - 任意の有効な tcp ポート番号です。
netspect dhcp

指定したネットワーク・インターフェース上の DHCP サーバーをネットワークで照会します。また、DHCP サーバーが提供するネットワーク構成情報と、指定された IP アドレス、およびそのリース期間も表示します。

netspect dhcp interface<emgmt|edata>
netspect dns

システムで構成された DNS サーバーで、指定したネットワーク・ホストを照会し (指定したホスト名の IP アドレスを返すフォワード・ルックアップを実行するか、指定した IP アドレスのホスト名を返すリバース・ルックアップを実行し)、そのルックアップの結果を表示します。

netspect dns lookup host<ホスト ID>
netspect export

パケット取り込みファイルを FTP サーバーにエクスポートします。パケット・トレースの取り込みについて詳しくは、netspect capture start コマンドを参照してください。

netspect export <ftp|sftp> host <host-id> [port <number>] [user <user>] [file <filename>]
ここで、
  • host-id - ネットワーク・ホストの名前または IP アドレスです。
  • port - 接続先となる指定されたネットワーク・ホストの有効なポート。
  • user - ホストにログインするために使用されるユーザー名を指定します。
    注: sftp を使用する場合には、このパラメーターを指定する必要があります。sftp では匿名ログインは許可されていません。
  • filename - 宛先ホストでのファイル・パス。
例 1: netspect エクスポート ftp。

netspect export ftp host 123.12.12.123

例 2: netspect エクスポート sftp。

netspect export sftp host 123.12.12.123 user myname file /home/myname/mycap.gz

netspect gateways

指定した IP プロトコル・ファミリーのゲートウェイおよび経路を照会し、そのゲートウェイが照会/ping に応答したかどうか報告します。IP プロトコル・ファミリーには、ipv4 (デフォルト) または ipv6 を指定できます。

netspect gateways<IP プロトコル>
netspect help

指定した netspect コマンドのヘルプ・テキストを表示します。コマンドが指定されない場合、すべての netspect コマンドのヘルプの要約が表示されます。

netspect help <command>
netspect ifconfig

指定したインターフェースのネットワーク・インターフェース構成情報を表示します。ネットワーク・インターフェース名を指定しない場合、すべてのネットワーク・インターフェースのインターフェース構成情報が表示されます。

netspect ifconfig interface<emgmt| edata>
netspect ping

指定したネットワーク・ホストの照会を試行し、その照会試行の結果を表示します。

netspect ping host<ホスト ID>
netspect routes

指定した IP プロトコル・ファミリーに対して現在構成されている経路を表示します。IP プロトコル・ファミリーには、IPv4 (何も指定しない場合のデフォルト) または IPv6 を指定できます。

netspect routes[<IP プロトコル> ]
netspect summary

ネットワーク構成情報の要約を表示します。

netspect summary
netspect traceroute

指定したネットワーク・ホストへの経路の決定を試行し、指定したネットワーク・ホストに到達するために使用した経路パケットを表示します。

netspect traceroute host<ホスト ID>