「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティー

実行時に、「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーは FTP サーバーに接続し、指定された正規表現を使用して、指定されたディレクトリーの場所からのファイルのリストを生成します。 「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーは、directoryListing または fileListing 出力パラメーターのいずれかを使用して、ファイルのリストをオーケストレーションに返します。

ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスがクリアされている場合、ディレクトリー許可、タイム・スタンプ、および所有権を含む完全なディレクトリー・リストが、directoryListing 出力パラメーターで単一ストリングとして返されます。 完全なディレクトリー・リストがストリングとして返されると、「フラット・ファイルの読み取り」アクティビティーでフラット・ファイル・スキーマを使用して、ディレクトリー・リストを解析する必要があります。 「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスが選択されていて、 「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーが FTP サーバーのディレクトリー・リストのフォーマットをサポートしている場合は、fileListing 出力パラメーターで、ファイル名だけの反復構造が返されます (FTP サーバーでサポートされている場合)。ファイル名の反復構造が返された場合は、ディレクトリー・リストを解析する必要はなく、 「For Each」アクティビティーまたは「while ループ」アクティビティーを使用してリスト全体を繰り返すだけでかまいません。接続先の FTP サーバーが NLST コマンドをサポートしている必要があります。FTP サーバーによって提供された応答が返されます。

場合によっては、FTP ディレクトリー内で検出されたファイルのセットを処理するために、「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーを、「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」「FTP ファイルの書き込み (FTP Put File)」「FTP ファイルの削除 (FTP Delete File)」、および「FTP ファイル名の変更 (FTP Rename File)」アクティビティーと共に使用する必要があります。あるいは「FTP ディレクトリーのポーリング (FTP Poll Directory)」アクティビティーしか使用できない場合もあります。

以下の条件のいずれかが当てはまる場合は、FTP ディレクトリー内で検出されたファイルのセットを処理するために、「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーを、「FTP ファイルの取得 (FTP Get File)」、「FTP ファイルの書き込み (FTP Put File)」、「FTP ファイルの削除 (FTP Delete File)」、および「FTP ファイル名の変更 (FTP Rename File)」アクティビティーとともに使用します。

シンボリック・リンク

実行時の「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーによるシンボリック・リンクのサポートは、以下の要素に依存しています。 特定のオペレーティング・システムでの特定の FTP サーバーの特定のシンボリック・リンクのサポートを判断するには、オペレーティング・システムおよび FTP サーバーの資料を参照してください。

Microsoft FTP エンドポイントによるサブディレクトリーの処理

Microsoft IIS (インターネット・インフォメーション・サービス) FTP エンドポイントの場合、サブディレクトリーとサブディレクトリー内のファイルを処理する際の「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーのランタイム動作は、以下のケースで説明するように、アクティビティーの「構成」タスクの「ファイル名」フィールドに指定された正規表現に依存したものになります。

「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーのオーケストレーションへの追加

  1. オーケストレーションを作成するか、または開きます。 オーケストレーションのグラフィカル表現が表示されます。
  2. アクティビティー」タブを選択し、FTP フォルダーを展開します。
  3. ファイルのリスト」アクティビティーをオーケストレーション上にドラッグします。
  4. アクティビティーを選択します。 チェックリストが表示されます。

FTP エンドポイントの作成、選択、または編集

  1. チェックリスト」から「エンドポイントの選出」タスクをクリックし、次のいずれかのアクションを選択します。
    • 既存のエンドポイントを選択します。
      1. 参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
        重要: 元の FTP エンドポイントと異なるディレクトリー構造で新規 FTP エンドポイントを指定すると、 実行時にオーケストレーション・ジョブが失敗することがあります。 元の指定された FTP サーバーのディレクトリー構成に一致する新規 FTP サーバーを指定するか、以下の「アクティビティーの構成」手順に記載されているように「参照」をクリックして「ディレクトリー」フィールドの構成ディレクトリーを変更することが必要です。
      2. 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。 『アクティビティーの構成』手順までスキップします。
    • 既存のエンドポイントを選択し、そのエンドポイントを編集します。
      1. 参照」を選択します。 「プロジェクト・エクスプローラー」が表示されます。
      2. 既存のエンドポイントを選択し、「OK」をクリックします。
        重要: 元の FTP エンドポイントと異なるディレクトリー構造で新規 FTP エンドポイントを指定すると、 実行時にオーケストレーション・ジョブが失敗することがあります。 元の指定された FTP サーバーのディレクトリー構成に一致する新規 FTP サーバーを指定するか、以下の「アクティビティーの構成」手順に記載されているように「参照」をクリックして「ディレクトリー」フィールドの構成ディレクトリーを変更することが必要です。
      3. 編集」をクリックします。 「エンドポイントの編集」ペインが表示されます。
    • 新しいエンドポイントを作成します。「新規作成」を選択します。 「エンドポイントの作成」ペインが表示されます。
  2. FTP エンドポイントの作成または編集に従って、FTP エンドポイントを作成するか、または編集します。

アクティビティーの構成

  1. チェックリスト」から、「構成」タスクを選択します。 「構成」ペインが表示されます。
  2. 以下の表で説明されているように、このペインにあるすべてのフィールドを構成します。
    表 2.
    フィールド 説明
    ディレクトリー 統合アプライアンスがディレクトリー内のファイルのリストを生成する場所である FTP サーバー上のディレクトリーを指定します。 以下のいずれかのオプションを使用して、ディレクトリーを指定できます。
    • フィールドをクリックして以下のディレクトリー・パスの 1 つをタイプすることにより、ディレクトリー・パスを直接入力します。
      • 相対ディレクトリー・パス。例: /process (FTP ホームは、FTP サーバーに接続するユーザー・アカウントに構成されていると見なします。 詳しくは、以下の注を参照してください。)
      • 完全ディレクトリー・パス。例えば UNIX マシンの場合: /home/user/process
    • 参照...」をクリックして、使用可能なディレクトリーのドロップダウン・リストを取り込みます。 ドロップダウン・リストから適切なディレクトリーを選択します。
    注: UNIX: UNIX マシン上で FTP サーバーに接続するときに相対ディレクトリー・パスを指定する場合は、FTP サーバーに接続するユーザー・アカウントについて、FTP ホーム・ディレクトリーが /etc/password ファイルに正しく指定されていることを確認してください。
    ファイル名 FTP サーバーから取得する必要があるファイル名を定義するグロブ・パターンを指定します。グロブ・パターンの処理は、FTP サーバーにより実行されます。 詳しくは、グロブ・パターンに関する FTP サーバーの資料を参照してください。
    ファイルのみをリスト (NLST) ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスは、「テスト」ボタンの使用時や実行時に戻されるディレクトリー・リストのタイプを決定します。 さらに、このチェック・ボックスは、fileListing または directoryListing 出力パラメーターが「出力のマップ」タスクに表示されるかどうか、および実行時にアクティビティーにより返されるかどうかを決定します。
      図 1 に示すように、「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスが選択されている場合、「テスト」ボタンをクリックするとファイル名だけが返されます (FTP サーバーによってサポートされている場合)。 さらに、「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスが選択されている場合、fileListing 出力パラメーターが「出力のマップ」タスクにリストされます。 実行時に、ファイルのセットは fileListing 出力パラメーターの fileName 反復ノードに返されます。接続先の FTP サーバーが NLST コマンドをサポートしている必要があります。FTP サーバーによって提供された応答が返されます。
      ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスがクリアされている場合、「テスト」ボタンをクリックすると、ディレクトリー許可、タイム・スタンプ、および所有権を含む完全なディレクトリー・リストが返されます。これについては図 2で示します。 さらに、「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスが選択されている場合、directoryListing 出力パラメーターが「出力のマップ」タスクにリストされます。 実行時に、完全なディレクトリー・リストが単一ストリングとして提供され、directoryListing 出力パラメーターを使用して返されます。
    図 1. 「ファイルのみをリスト (NLST)」が選択されている場合のリストの例。
    bidAcmeInc.txt
    bidBudgetManufacture.txt
    bidCrankCo.txt
    bidSamAndSons.txt
    bidWidgetRUs.txt
    図 2. 「ファイルのみをリスト (NLST)」がクリアされている場合のリストの例。
    -rw-r--r--  1 551    551      65 May  3 11:39 bidAcmeInc.txt
    -rw-r--r--  1 551    551     43 May  3 11:39 bidBudgetManufacture.txt
    -rw-r--r--  1 551    551       0 May  3 11:39 bidCrankCo.txt
    -rw-r--r--  1 551    551      73 May  3 11:39 bidSamAndSons.txt
    -rw-r--r--  1 551    551      33 May  3 11:39 bidWidgetRUs.txt

再試行オプションの指定

  1. チェックリスト」から、「再試行」タスクを選択します。 「再試行」ペインが表示されます。
  2. FTP サーバーに接続するための再試行オプションを構成します。 以下の表は、FTP サーバーに接続するための再試行オプションを定義したものです。
    表 3.
    フィールド 説明
    再試行  
    1) 再試行ごとに __ 秒待機します。 統合アプライアンスが FTP サーバーへの接続の確立を試行するまでに待機する秒数。
    2) 失敗するまで __ 回の接続を試みます。 再試行回数を指定します。 つまり、統合アプライアンスが FTP サーバーへの接続の確立を試行する最大回数を指定します。 この回数を超えると、統合アプライアンスはエラーを発行します。

    FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーから開始されるオーケストレーションがデプロイされる場合に、統合アプライアンスは指定の FTP サーバーに接続できないと、再試行回数値に達するまでシステム・ログに接続エラーを警告として記録します。 再試行回数に達した場合、統合アプライアンスはシステム・ログにエラーを記録し、 接続エラー回数をゼロにリセットして、FTP サーバーへの接続を引き続き確立しようとします。

    例えば、再試行回数を 3 に設定すると、第 1、第 2、第 3 の接続エラーはシステム・ログに警告として表示されます。 統合アプライアンスは、第 4 の接続エラーをエラーとしてログに記録し、 接続エラー回数をゼロにリセットします。 そのため、第 5 の接続エラーは、システム・ログに警告として表示されます。 統合アプライアンスは、FTP サーバーへの接続を引き続き確立しようとします。

アクティビティーの入力のマッピング

  1. チェックリスト」から、「入力のマップ」タスクを選択します。 「再試行」ペインが表示されます。 このアクティビティーの入力パラメーターが、 「アクティビティーへ」ペインに表示されます。
  2. FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーの入力パラメーターのマップはオプションです。 「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーには、以下のオプション入力パラメーターがあります。
    • directory
    • connection

    次の表にリストされている入力パラメーターが「入力のマップ」ペインの「アクティビティーへ」ペインに表示されない場合は、ツールバー・メニューから「マップ」 > 「オプション・パラメーターの表示」を選択するか、または「アクティビティーへ」ペインで右クリックして「オプション・パラメーターの表示」オプションを選択します。 ツールバー・メニューで「マップ」 > 「オプション・パラメーターの表示」オプションを 選択できない場合は、「入力のマップ」ペイン内のノードをクリックして、このオプションをアクティブにします。

    オプションで、次の表に定義されている入力パラメーターを使用して、 チェックリストの「構成」および「エンドポイントの選出」タスクで 指定した設定を実行時に動的に指定変更できます。

    例えば、統合アプライアンスがファイルのリストを取得する FTP サーバー上のディレクトリーは、「構成」タスクで input と呼ばれるディレクトリーに設定できます。 実行時に、directory 入力パラメーターを使用して、ディレクトリー名 inputXML をアクティビティーに渡すことができます。 実行時に動的に指定されるディレクトリー名が、「構成」ペインで指定された元の設定を指定変更します。 この例では、ファイルのリストは inputXML ディレクトリーから生成されます。

表 4.
入力パラメーターの名前/ノード 説明 タスクで設定を指定変更するかどうか
directory 統合アプライアンスがこのアクティビティー内のファイルのリストを生成する場所である FTP サーバー上のディレクトリーを指定します。 directory 入力パラメーターは、「構成」タスクの「ディレクトリー」フィールドを指定変更します。
接続/タイムアウト 統合アプライアンスがエンドポイントへの接続の確立を試行してから、エンドポイントが接続要求に応答するまでに要する時間の間で、タイムアウトが発生するまでの時間 (秒単位) を指定します。 「FTP ファイルの削除 (FTP Delete File)」アクティビティーの場合、統合アプライアンスがタイムアウトになる前に FTP サーバーへの接続の確立を試行していた時間です。   接続入力パラメーターのタイムアウト・ノードは、FTP エンドポイントの「接続タイムアウト - エンドポイントへの接続を確立しているとき、___ 秒後にタイムアウトになります」フィールドを指定変更します。  
接続/ホスト FTP サーバーのホスト名または IP アドレスを指定します。 接続入力パラメーターのホスト・ノードは、FTP エンドポイントの「ホスト名」フィールドを指定変更します。
接続/ポート 指定されたホスト名のポート番号を指定します。 FTP トラフィックの標準ポートは 21 です。 SFTP トラフィックのデフォルト・ポートは 22 です。 接続入力パラメーターのポート・ノードは、FTP エンドポイントの「ポート」フィールドを指定変更します。
接続/ユーザー名 FTP サーバーに接続するために使用するアカウントのユーザー名を指定します。 接続入力パラメーターのユーザー名ノードは、FTP エンドポイントの「ユーザー名」フィールドを指定変更します。
接続/パスワード FTP サーバーに接続するために使用するアカウントのパスワードを指定します。 接続入力パラメーターのパスワード・ノードは、FTP エンドポイントの「パスワード」フィールドを指定変更します。

アクティビティーの出力のマッピング

  1. チェックリスト」から、「出力のマップ」タスクを選択します。 「アクティビティーから」ペインに directoryListing または fileListing 出力パラメーターが表示されます。
  2. directoryListing または fileListing 出力パラメーターを変数にマップします。 マッピングの一般的な説明については、『マップの作成』を参照してください。

実行時に、 「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーは、directoryListing または fileListing 出力パラメーターを使用して、ファイルのリストをオーケストレーションに返します。

構成」タスクで「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスがクリアされている場合は、directoryListing 出力パラメーターで、ディレクトリーのアクセス権、タイム・スタンプ、所有権を含む完全なディレクトリー・リストが単一のストリングとして返されます。 完全なディレクトリー・リストがストリングとして返されると、「フラット・ファイルの読み取り」アクティビティーでフラット・ファイル・スキーマを使用して、ディレクトリー・リストを解析する必要があります。 フラット・ファイル・スキーマは、フラット・ファイル・スキーマ・エディターで作成できます。 フラット・ファイル・スキーマを使用してディレクトリー・リストを解析するオーケストレーションの例については、 ディレクトリー・リストの解析の例 (ディレクトリー・リストの解析の例) を参照してください。

「ファイルのみをリスト (NLST)」チェック・ボックスが選択されていて、「FTP ファイルのリスト (FTP List Files)」アクティビティーが FTP サーバーのディレクトリー・リストのフォーマットをサポートしている場合は、fileListing 出力パラメーターで、ファイル名だけの反復構造が返されます (FTP サーバーでサポートされている場合)。ファイル名の反復構造が返された場合は、ディレクトリー・リストを解析する必要はなく、 「For Each」アクティビティーまたは「while ループ」アクティビティーを使用してリスト全体を繰り返すだけでかまいません。




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タイム・スタンプ・アイコン 最終更新: 2013年11月7日 (木曜日)


http://pic.dhe.ibm.com/infocenter/wci/v7r0m0/topic/com.ibm.wci.doc/ftp_list_files_activity.html