システム・イベント

システム・イベントは、一種のビジネス・イベントであり、システム・アクティビティーの結果生成され、システム・データが含まれます。 システム・イベントには、リソース状態変更、超過したしきい値、またはシステムの異常な状態またはアクションを含めることができます。 システム・イベントを使用することは、システム・リソースまたはシステム・ヘルスの状態に生じている変化を把握するのに役立ちます。

これらの条件に関するイベントをキャプチャーすることによって、特定の CICS® システム条件が発生した場合にアラートを受けることができます。 システム・リソースの状態が変化すると通知が出されるので、変化が起きた後に情報をポーリングする必要がなくなり、さらにこうしたシステム・イベントに迅速に対応できるという利点もあります。

イベント処理でサポートされているシステム・イベントは、以下のとおりです。

キャプチャー・ポイント

以下の表は、システム・イベントでサポートされているキャプチャー・ポイントを示しています。
表 1. システム・イベントのキャプチャー・ポイント
キャプチャー・ポイント プライマリー述部 フィルター述部コンテキスト フィルター述部イベント・オプション キャプチャー・データ・イベント・オプション 説明
DB2 CONNECTION STATUS なし

トランザクション
ID
ユーザー ID

FROM_CONNECTST
TO_CONNECTST

DB2ID
DB2GROUPID
DB2RELEASE
FROM_CONNECTST
TO_CONNECTST

DB2CONN 接続状況に変化があった時点で、イベントをキャプチャーできます。1

FILE ENABLE STATUS FILE

トランザクション
ID
ユーザー ID

FILE
FROM_ENABLESTATUS
TO_ENABLESTATUS
OPENSTATUS

FILE
DSNAME
FROM_ENABLESTATUS
TO_ENABLESTATUS
OPENSTATUS

ファイルの ENABLESTATUS が変化すると、イベントをキャプチャーできます。1

FILE OPEN STATUS FILE

トランザクション
ID
ユーザー ID

FILE
FROM_OPENSTATUS
TO_OPENSTATUS

FILE
DSNAME
FROM_OPENSTATUS
TO_OPENSTATUS
ENABLESTATUS

ファイルの OPENSTATUS が変化すると、イベントをキャプチャーできます。1

MESSAGE MESSAGE_ID

トランザクション
ID
ユーザー ID

MESSAGE_ID
INSERT1 から INSERT22 2

MESSAGE_ID
INSERT1 から INSERT22

CICS が DFHxxnnnn 3 メッセージを出力するか、または CPSM が EYUxxnnnn メッセージを出力すると、イベントをキャプチャーできます。

TASK THRESHOLD なし なし PERCENT_MAXTASKS

FROM_TASKS
TO_TASKS
MAXTASKS
PERCENT_MAXTASKS

タスクしきい値を超えると、イベントをキャプチャーできます。 しきい値は、事前定義済みのリスト (50%、60%、70%、80%、90%、または 100%) から選択されます。

TRANCLASS TASK THRESHOLD TRANCLASS なし

TRANCLASS
PERCENT_MAXACTIVE

TRANCLASS
FROM_ACTIVE
TO_ACTIVE
MAXACTIVE
PERCENT_MAXACTIVE

TRANCLASS タスクしきい値を超えると、イベントをキャプチャーできます。 しきい値は、事前定義済みのリスト (50%、60%、70%、80%、90%、または 100%) から選択されます。

TRANSACTION ABEND (未処理) TRANSACTION ユーザー ID

TRANSACTION
ABCODE

TRANSACTION
ABCODE

トランザクションにより未処理の異常終了が検出されると、イベントをキャプチャーできます。

注:
  1. 変更は、オペレーターによる明示的なアクションによるか、EXEC CICS SET コマンドによるか、あるいは CICS 内部処理の結果として暗黙的に行われる可能性があります。
  2. メッセージ挿入フィルターは 10 個まで選択できます。使用可能な挿入を必ず使用するようにしてください。CICS イベント・バインディング・エディターでは、使用不可の挿入に対するフィルターをユーザーが定義しようとしても阻止されず、エラーのフラグが立てられないためです。その代わりに、実行時例外トレースとなり、述部は false と評価されて、イベントは何も出力されません。例えばメッセージ DFHFC0200 では、7 つの挿入があります。INSERT 8 から 22 に対してフィルターを定義すると、イベントは出力されません。メッセージ挿入は、個々のメッセージに関するトピックに示されています (CICS TS 5.1 インフォメーション・センター内の『参照』にある CICS メッセージ を参照してください)。
  3. 以下のメッセージは、イベントを使用可能にすることができません。
    • イベント処理が開始する前に発行されるすべての CICS 初期設定メッセージ。 イベント処理が開始されるのは、フェーズ 2 の初期設定 PLT プログラムが実行される直前です。
    • イベント処理が停止した後に発行されるすべての CICS 終了メッセージ。 イベント処理が停止するのは、シャットダウン PLT プログラムがすべて実行された後です。
    • CICS ユーザーに送信されるすべてのメッセージ。例えば、CEMT や CEDA などの CICS 提供トランザクションによって発行されるメッセージ。
    • EC コンポーネントによって発行されるすべてのメッセージ。例えば、すべての DFHECnnnn メッセージ。
選択可能なキャプチャー・ポイントについて詳しくは、CICS イベント・バインディング・エディターの「キャプチャー・ポイント」タブおよび「情報源」タブを参照してください。