アプリケーションのコンポーネントの CICS® バンドルに変更を加えるときは、CICS バンドル、アプリケーション・バンドル、およびアプリケーション・バインディングのバージョンを更新し、新しいバージョンをプラットフォームにデプロイします。
始める前に
プラットフォームにデプロイされているアプリケーションを更新する際には、CICSplex 内にインストールされている、旧バージョンのアプリケーションの APPLCTN リソースを使用不可にして破棄してから、新しい APPLDEF リソース定義をインストールして新しいバージョンのアプリケーションを使用可能にするまで、ユーザーがそのアプリケーションを使用できなくなります。安全に更新を実行できる時間を設けるか、更新を実行する間、そのアプリケーションのユーザーのために代替ソリューションを用意してください。
アプリケーションを更新するには、アプリケーション・プロジェクトおよびアプリケーション・バインディング・プロジェクトを編集する必要があります。プロジェクトを前のバージョンに復元できるようにするバージョン管理されたバックアップ・システムがない場合、以下の指示で説明されているように既存のプロジェクトを直接編集する代わりに、それらのプロジェクトを別のプロジェクトにコピーしてから新規コピーを編集することをお勧めします。
このタスクについて
バージョン管理を使用して、アプリケーションへの変更を管理します。
各 CICS バンドル、アプリケーション・バンドル、およびアプリケーション・バインディングには、それらを一意的に識別するために ID とバージョン情報があります。バージョンでは、メジャー、マイナー、およびマイクロという識別子を使用して、変更の重要性を示したり、バンドル間の依存関係を管理したりできます。
この概念はセマンティック・バージョン管理 と呼ばれるもので、OSGi Alliance に由来します。
これは Java™ パッケージに焦点を合わせたものですが、同じ原則をバンドル一般に適用して使用することができます。
セマンティック・バージョン管理は、以前のバージョンのバンドルに対する互換性や非互換性があるかどうかを示すために、バージョンのメジャー/マイナー/マイクロの部分を増やす方法を提供します。
例えば、バグ修正はバージョンのマイクロ部分を増やし、互換性のある変更はバージョンのマイナー部分を増やし、互換性のない変更はバージョンのメジャー部分を増やすといった方法です。
セマンティック・バージョン管理について詳しくは、Semantic Versioning Technical Whitepaperを参照してください。
CICS 環境での更新をデプロイおよび管理するために、CICS バンドルおよび管理バンドルにバージョン管理ポリシーを適用する必要があります。アプリケーション・バンドルの既存のバージョンを使用して、アプリケーションの CICS バンドルの新しいバージョンをインストールすることはできません。また、アプリケーション・バインディングの既存のバージョンをアプリケーション・バンドルの新しいバージョンとともに使用することはできません。アプリケーションの CICS バンドルを更新するときは必ず、アプリケーション・バンドルおよびアプリケーション・バインディングを更新する必要があります。
セマンティック・バージョン管理の原則に従って管理バンドルのバージョンを変更するときは、新しいバージョンは、管理バンドルに組み込まれる CICS バンドルでの最も大きい変更を反映する必要があります。例えば、アプリケーションの 1 つの CICS バンドルをバージョン 1.0.1 からバージョン 1.0.2 に変更 (これはマイクロ・バージョン変更) し、アプリケーションの別の CICS バンドルをバージョン 1.2.0 からバージョン 1.3.0 に変更 (これはマイナー・バージョン変更) するとします。これら 2 つの CICS バンドルを含むアプリケーション・バンドルには、マイナー・バージョン変更を含める必要があります。つまり、アプリケーション・バンドルの前のバージョンが 2.5.1 だった場合、バージョン 2.6.0 に変更する必要があります。
手順
- をクリックして、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューを開きます。
- アプリケーション・プロジェクトを見つけ、そのアプリケーション・プロジェクトの META-INF フォルダーを展開し、application.xml ファイルまたは bundles.xml ファイルをダブルクリックします。 アプリケーション・エディターが開きます。アプリケーション・エディターを使用するためのガイドは、アプリケーション・エディターを参照してください。
ヒント: CICS Explorer® がアプリケーション・バンドルの XML ファイルのエラーまたは別の重要な問題を検出した場合、エラーや問題に関する情報は「問題」ビューに表示されます。
- 追加の CICS バンドルをアプリケーション・バンドルに組み込むには、「追加」をクリックします。 ワークスペースで使用可能な CICS バンドルのリストから適切な CICS バンドルを選択します。
- アプリケーション・バンドルに現在組み込まれている CICS バンドルを削除するには、CICS バンドルを選択して「削除」をクリックします。
- アプリケーション・バンドルに含まれるいずれかの CICS バンドルを編集するには、アプリケーション・エディターのリストで CICS バンドルの名前をダブルクリックして、バンドル・マニフェスト・エディターを開きます。
- バンドル・マニフェスト・エディターを使用して、依存関係の CICS バンドルへの追加や削除、新規アプリケーション入り口点の作成、およびポリシー・スコープの定義を実行します。
- CICS バンドルで定義されているリソースを編集するには、CICS バンドル・プロジェクトで定義されたリソースの編集で説明されているように、リソース・エディターを使用します。
- CICS バンドルを更新したら、バンドル・マニフェスト・エディターを使用し、バージョン管理ポリシーに従って CICS バンドルのメジャー、マイナー、またはマイクロ・バージョン番号を大きくして、変更を保存します。
- CICS バンドルの古いバージョンを選択し、アプリケーション・エディターの「削除」をクリックして、そのバンドルをアプリケーション・バンドルから削除します。 CICS バンドルのバージョン番号を更新すると、CICS Explorer はアプリケーション・エディターの古いバージョンにエラーのマークを付けます。
- アプリケーション・エディターで「追加」をクリックして、ワークスペースで使用可能な CICS バンドルのリストから CICS バンドルの新しいバージョンを選択することによって、更新済みの CICS バンドルをアプリケーション・バンドルに組み込みます。
- アプリケーションの入り口点を編集するには、アプリケーション・エディターのリストでアプリケーション入り口点の名前をダブルクリックして、バンドル・マニフェスト・エディターを開きます。 アプリケーション入り口点を更新したら、バンドル・マニフェスト・エディターを使用し、バージョン管理ポリシーに従って CICS バンドルのメジャー、マイナー、またはマイクロ・バージョン番号を大きくして、変更を保存します。 アプリケーション入り口点を含む更新済み CICS バンドルをアプリケーション・バンドルに組み込み、古いバージョンを削除します。
- アプリケーションへの更新を完了したら、アプリケーション・エディターの「バージョン」フィールドを使用し、バージョン管理ポリシーに従ってアプリケーションのメジャー、マイナー、またはマイクロ・バージョン番号を大きくして、変更を保存します。
- 次に、既存のアプリケーション・バインディングを更新してアプリケーションの新しいバージョンを指定するか、アプリケーションの新しいバージョンの新規アプリケーション・バインディングを作成することができます。
- アプリケーションの新しいバージョンの新規アプリケーション・バインディングを作成するには、アプリケーション・エディターで「アプリケーション・バインディングの作成 (Create an application binding)」をクリックしてアプリケーション・バインディング・ウィザードを開き、ウィザードの手順に従います。
- 既存のアプリケーション・バインディングを更新するには、「プロジェクト・エクスプローラー」ビューで、アプリケーションの既存のアプリケーション・バインディングを見つけて、アプリケーション・バインディング・プロジェクトの META-INF フォルダーを展開し、application.xml ファイル、bundles.xml ファイル、または deployment.xml ファイルをダブルクリックします。アプリケーション・バインディング・エディターが開きます。アプリケーション・エディターを使用するためのガイドは、アプリケーション・バインディング・エディターを参照してください。
- アプリケーション・バインディング・エディターで、アプリケーション名の近くにある「参照」をクリックし、アプリケーションの新しいバージョンを選択します。
- アプリケーション・バインディングとともにデプロイする CICS バンドルに必要なすべての変更を加えます。
- 「追加」または「削除」をクリックして、アプリケーション・バインディングとともにデプロイする CICS バンドルの選択内容を変更します。
- CICS バンドルをダブルクリックして、そのバンドルを編集します。アプリケーションの CICS バンドルに関する 5 で説明されている方法と同じようにして、CICS バンドルを更新およびリバージョンし、新しいバージョンをアプリケーション・バインディングに追加します。
- アプリケーション・バインディングと共にデプロイされるポリシーを編集するには、アプリケーション・エディターのリストでポリシーの名前をダブルクリックして、バンドル・マニフェスト・エディターを開きます。 ポリシーを更新したら、バンドル・マニフェスト・エディターを使用し、バージョン管理ポリシーに従って CICS バンドルのメジャー、マイナー、またはマイクロ・バージョン番号を大きくして、変更を保存します。 ポリシーを含む更新済み CICS バンドルをアプリケーション・バインディングに組み込み、古いバージョンを削除します。
- アプリケーション・バインディング・エディターの「デプロイメント (Deployment)」タブで、アプリケーションの各 CICS バンドルと、アプリケーション・バインディングとともにデプロイされた各 CICS バンドルが適切な領域タイプにバインドされていることを確認します。 切り替えボタン
を使用して、領域タイプの操作と CICS バンドルの操作とを切り替えます。- 領域タイプにまだバインドされていない CICS バンドルはすべて、X 文字でマークが付けられます。CICS バンドルに関する操作で、新規 CICS バンドルをそれぞれ選択し、チェック・ボックスを使用して、デプロイする領域タイプを指定します。
- アプリケーション・バインディングで指定されているのに、アプリケーション・バインディングに関連付けられたプラットフォーム・プロジェクトの現行バージョンで見つからない領域タイプにはすべて、感嘆符でマークが付けられます。正しいバージョンのプラットフォーム・プロジェクトで作業していることを確認してください。プラットフォームから領域タイプを削除した場合、または領域タイプを含まないプラットフォームに変更した場合、アプリケーション・バインディング・プロジェクトをクリーンアップします。領域タイプに関する操作で、不要な領域タイプを選択し、その領域タイプに指定したすべての CICS バンドルのチェックを外します。
- アプリケーション・バインディングへの更新を完了したら、アプリケーション・バインディング・エディターの「バージョン」フィールドを使用し、バージョン管理ポリシーに従ってアプリケーション・バインディングのメジャー、マイナー、またはマイクロ・バージョン番号を大きくして、変更を保存します。
ヒント: アプリケーション・バインディングのバージョン番号は、アプリケーションのバージョン番号と同じである必要はありません。ただし、セマンティック・バージョン管理の原則に従って、アプリケーション・バインディングのバージョン番号を更新して、アプリケーションまたはアプリケーション・バインディングとともにデプロイされた CICS バンドルでの最も大きい変更を反映する必要があります。
- アプリケーション・エディターまたはアプリケーション・バインディング・エディターの「エクスポート・ウィザード」をクリックして、更新済みアプリケーションおよびアプリケーション・バインディングを z/OS® UNIX のプラットフォーム・ホーム・ディレクトリーにデプロイします。 ディレクトリーの名前の一部として、新しいバージョン番号が使用されます。そのため、アプリケーションおよびアプリケーション・バンドルの前のバージョンはプラットフォーム・ホーム・ディレクトリーに残ります。
- 新しい APPLDEF リソース定義を作成して、更新されたアプリケーション・ディレクトリーを指すようにします。 エクスポート処理中に APPLDEF リソース定義を作成するには、エクスポート・ウィザード内のチェック・ボックスを選択します。
- アプリケーションの前のバージョンを表すものとしてインストールされている APPLCTN リソースを使用不可にして破棄します。
- 新しい APPLDEF リソース定義をインストールします。
タスクの結果
アプリケーションの新しいバージョンがプラットフォームにデプロイされます。
新しいバージョンのアプリケーション・バンドルに組み込まれた CICS バンドルが適切な CICS 領域にインストールされ、CICS バンドル内で定義されているリソースが CICS 領域に動的に作成されます。