アプリケーション・イベント

アプリケーション・イベントとは、アプリケーション・プログラムのアクティビティーの結果であるビジネス・イベントの一種であり、アプリケーション・データを含みます。

イベントが使用可能な EXEC CICS API コマンドのいずれかがアプリケーションによって発行されるときに、イベントが発行されるように指定できます。 また、アプリケーション・プログラムが開始されるときに発行されるように指定することもできます。 イベントが使用可能な EXEC CICS® コマンドはキャプチャー・ポイントに示されています。 限られた一連の CICS モジュールもイベントが使用可能です。 そのため、例えば、Atom サポートから出されるファイルや一時ストレージのコマンド、 CICS WebSphere® MQ ブリッジ・プログラムによって発行された EXEC CICS LINK コマンド、CICS サンプルおよび CECI トランザクションのコマンドから、イベントをキャプチャーすることができます。

キャプチャー仕様は、フィルター (トランザクション ID、プログラム名、EXEC CICS コマンド・オプション値など) を使用して、イベント出力の基準を定義します。 このキャプチャー仕様は、コマンドに関連付けられたアプリケーション・データをフィルター処理することでさらに詳細化できます。 例えば、10,000 を超えていなければならないオーダー値を含む COMMAREA フィールドを指定できます。 また、キャプチャー仕様では、キャプチャーされるデータの場所も定義されます。

アプリケーション・ロジック内のイベントの位置は、指定方法に依存します。 CICS アプリケーションに同じ EXEC CICS API コマンドの 2 つのインスタンスが含まれていて、フィルター仕様で 2 つのコマンドが区別されない場合、 イベントは、両方のコマンドが実行されたときに出力されます。同じ EXEC CICS API コマンドが 2 つのアプリケーションで発生し、トランザクション ID やプログラム名にフィルターが存在しない場合には、イベントは、両方のアプリケーションが実行されたときに出力されます。

キャプチャー・ポイント

イベントはプログラム開始時 (PGMINIT) に、および以下の EXEC CICS API コマンドでキャプチャーできます。 以下の表に指定可能なキャプチャー・ポイントを示します。

表 1. アプリケーション・イベントのキャプチャー・ポイント
キャプチャー・ポイント プライマリー述部 フィルター述部 キャプチャー・データ
コンテキスト イベント・オプション イベント・オプション アプリケーション・データ
CONVERSE なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード
EIBAID
EIBPOSN

なし

FROM
INTO-SET

なし
DELETE FILE FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE FILE RIDFLD
DELETEQ TD QUEUE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QUEUE QUEUE なし
DELETEQ TS QNAME

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QNAME QNAME なし
INVOKE SERVICE SERVICE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

SERVICE
OPERATION
URI
CHANNEL
URIMAP

SERVICE
OPERATION
URI
CHANNEL
URIMAP

CHANNEL
SCOPE

LINK PROGRAM PROGRAM

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

PROGRAM
CHANNEL

PROGRAM
CHANNEL

COMMAREA
CHANNEL

PROGRAM INIT PROGRAM

トランザクション ID
ユーザー ID
応答コード

PROGRAM
CHANNEL

なし

COMMAREA
CHANNEL

PUT CONTAINER CONTAINER

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

CONTAINER
CHANNEL

CONTAINER
CHANNEL

FROM
READ FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE
UPDATE

FILE

RIDFLD
INTO-SET

READNEXT FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE
UPDATE

FILE

RIDFLD
INTO-SET

READPREV FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE
UPDATE

FILE

RIDFLD
INTO-SET

READQ TD QUEUE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QUEUE QUEUE INTO-SET
READQ TS QNAME

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QNAME QNAME INTO-SET
RECEIVE なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード
EIBAID
EIBPOSN

なし なし INTO-SET
RECEIVE MAP MAP

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード
EIBAID
EIBPOSN

MAP
MAPSET

MAP
MAPSET

INTO-SET
RETRIEVE なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

なし なし INTO-SET
RETURN なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

TRANSID
CHANNEL

TRANSID
CHANNEL

COMMAREA
CHANNEL

REWRITE FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE FILE FROM
SEND なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

なし なし FROM
SEND MAP MAP

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

MAP
MAPSET
ALARM

MAP
MAPSET

FROM
SEND TEXT なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

ALARM なし FROM
SIGNAL EVENT 1 EVENT

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

EVENT
FROMCHANNEL

EVENT
FROMCHANNEL

FROM
FROMCHANNEL

START TRANSID

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

TRANSID
CHANNEL

TRANSID
CHANNEL

FROM
CHANNEL

WEB READ

FORMFIELD
HTTPHEADER
QUERYPARM

なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

なし なし

FORMFIELD
INTO-SET
VALUE

WEB READNEXT

FORMFIELD
HTTPHEADER
QUERYPARM

なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

なし なし

FORMFIELD
VALUE

WRITE FILE FILE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

FILE FILE RIDFLD FROM
WRITE OPERATOR なし

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

なし なし TEXT 2
WRITEQ TD QUEUE

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QUEUE QUEUE FROM
WRITEQ TS QNAME

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

QNAME QNAME FROM
XCTL PROGRAM

トランザクション ID
現行プログラム
ユーザー ID
応答コード

PROGRAM
CHANNEL

PROGRAM
CHANNEL

COMMAREA
CHANNEL

すべてのキャプチャー・ポイントは、同じコンテキスト・キャプチャー項目 PROGRAM、TRANSID、および USERID を定義します。

注: 1 SIGNAL EVENT API コマンドの目的は、イベントのデータを提供することだけです。 イベントは、CICS システム内で一致するキャプチャー仕様が使用可能である場合にのみ出力されます。
注: 2「情報源」タブにアプリケーション・データを指定する場合、0 という長さはデータ域またはコンテナーの最後までのキャプチャーを意味します。 この値は、EXEC CICS WRITE OPERATOR の内容を出力する場合に便利です。 詳しくは、「情報源」タブを参照してください。
選択可能なキャプチャー・ポイントについて詳しくは、CICS イベント・バインディング・エディターの「キャプチャー・ポイント」タブおよび「情報源」タブを参照してください。