CICS® はアプリケーションからのイベントの生成をサポートします。
イベントの生成は、特定の EXEC CICS コマンドが実行されたとき、または特定のシステム条件が発生したときに行われます。
例えば、ファイル状況が変化したときや、未処理のトランザクション異常終了が発生したときなどです。
これらのイベントは、さまざまなイベント利用者によって使用されます。
CICS イベント処理のワークフロー
CICS イベント処理は、4 つのユーザー・クラス間の作業フローをサポートします。
- ビジネス管理ユーザー
- このユーザーは、ビジネスのニーズを把握していますが、ビジネスをサポートしているプログラムおよびコンピューター・システムについては必ずしも認識していません。
このユーザーは、新しい CICS ツールを使用して、ビジネス・ニーズの概要を高位語で表現します。
例えば、オンラインのカメラ小売ビジネスのニーズは、「2000 ポンドを超える望遠鏡のすべてのオーダーをマーケティング部門に知らせてほしい」などが考えられます。
これは、そうしたお客様が、高スペックのデジタル・カメラの販売の対象になり得るからということが考えられます。
- アプリケーション分析者またはプログラマー
- このタイプのユーザーは、既存アプリケーションの設計方法を把握しているか、または調査することができます。
アプリケーション分析者やプログラマーは、ビジネス管理者のニーズを満たすために拡張する必要があるアプリケーションの部分を特定することができます。
上記の例では、アプリケーション分析者またはプログラマーは、望遠鏡のオーダーを検出するプログラムの部分、そのオーダーの金額が分かる場所、およびビジネス・ニーズを満たすために有用になる可能性がある他のデータが見つかる場所を把握していなければなりません。
- CICS システム・プログラマー
- このタイプのユーザーは、プログラムが CICS と対話する方法を把握しており、アプリケーション分析者またはプログラマーが新しいイベント処理リソースを配置できるようにサポートすることが可能です。システム・プログラマーは、システムとそのアプリケーションをモニターするためのビジネス・イベントを定義することができます。
システム・プログラマーはさらに、アプリケーションとそのイベントに関連する問題を診断し、デバッグすることもできます。
- IT アーキテクト
- CICS システムにおけるイベント処理について把握し、保証されたイベント出力を使用することの利点、要件、コストを把握しています。
IT アーキテクトは、イベント出力のリカバリー可能トランスポート/リソースに対する書き込み権限がアプリケーション・ユーザーに必要であることを
認識しています。
また、IT アーキテクトは、EP アダプターに関する出力モード (同期)、トランザクション・モード、およびリカバリー可能トランスポートの
さまざまな組み合わせも把握しています。
組織によっては、これらのクラスのユーザーの一部またはすべてを組み合わせて、1 人がその役割を兼ねる場合もあります。
すべてのユーザーが使用するツールは CICS event binding editor (CICS Explorer® の一部) です。
このツールは、異なるクラスのユーザーがチームとして作業して、イベント処理を実装できるように設計されています。
CICS イベント・バインディング・エディターを CICS Explorer で使用して、CICS で出力するイベントを指定します。
イベント・バインディングの内容は、以下のとおりです。
- イベントに組み込まれるデータを記述する、イベント仕様。
- 条件を定義するキャプチャー仕様。
その条件の下で、イベントがキャプチャーされ、そのキャプチャーされたデータがイベント仕様にマップされます。
- イベントのフォーマット方法と出力方法を定義する、アダプター情報。