EP アダプターおよびディスパッチャー情報の指定

CICS がイベント・バインディングによって生成されたイベントを出力する方法を制御する情報をイベント・バインディングで指定します。

このタスクについて

ディスパッチャー情報を使用して、当該バインディングによって発生したイベントに対して実行される内容を定義します。 イベントを出力する EP アダプターを選択してから、EP アダプターに関するオプションを選択します。

手順

  1. CICS® イベント・バインディング・エディター「アダプター」タブをクリックして、 当該イベント・バインディングで使用する EP アダプター構成、EP アダプターのパラメーター、および任意の拡張情報を指定します。
  2. 「アダプター」リストから EP アダプター・タイプを選択します。 以下の EP アダプター・タイプを指定できます。
    TS キュー
    指定された CICS TS キューに、イベントを出力します。正しいイベントが正しいデータでキャプチャーされていることを検証し、 TS キューから読み取りを行う任意のコンシューマーにイベントを出力する場合は、この EP アダプターを使用します。
    トランザクション開始
    指定された CICS トランザクションにイベントを出力します。 データは、コンテナー・ベースのイベントの形式でトランザクションに渡されます。 トランザクションを実行する CICS システムを指定できます。 イベント・データが必要でない場合には、既存のトランザクションが使用できます。
    カスタム (ユーザー作成)
    必要な形式でイベントを出力します。 カスタム EP アダプターは、CICS 提供の EP アダプターでサポートされていないイベントの形式設定とルーティングの組み合わせを指定するためにユーザーが作成する CICS プログラムです。 カスタム EP アダプターは、イベントのコンシュームなど、その他の処理を実行してはなりません。
    WMQ キュー
    イベントを WebSphere® メッセージ・キューに XML 形式 (WebSphere Business Events が コンシュームする場合) または Common Base Event (CBE) 形式 (WebSphere Business Monitor の場合)、 または XML 以外の形式で出力します。
    変更の始まりHTTP変更の終わり
    変更の始まりWebSphere Business EventsWebSphere Business Monitor などの 製品がコンシュームできるように XML 形式で HTTP POST によって HTTP 1.1 対応サーバーにイベントを出力します。変更の終わり
  3. 選択した EP アダプター・タイプのオプションを指定します。
    • TS キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
      • CICS キュー名を指定します。キュー名は必ず指定する必要があります。
      • ターゲット・キューがリモートである場合には、システム ID を指定します。
      • 必要に応じて、「補助一時ストレージの使用」を選択します。
    • トランザクション開始 EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
      • イベントの結果として実行される CICS アプリケーションのトランザクション ID を指定します。 トランザクション ID は必ず指定する必要があります。
      • トランザクション・ユーザー ID を指定します。トランザクション開始 EP アダプターによって開始されるトランザクションは、 このユーザー ID を使用して実行されます。
    • カスタム (ユーザー作成) EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
      • イベントの形式設定、ルーティング、および出力を行うユーザー作成 CICS アプリケーションのトランザクション ID を指定します。
      • カスタム EP アダプターに渡すデータを記述します。このデータは、カスタム EP アダプターが処理します。
    • WMQ キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
      • 当該イベント・バインディングで出力されたイベントが配置される、WebSphere MQ キューのキュー名を指定します。 キュー名は必ず指定する必要があります。
      • メッセージを永続的なものにするかどうかを指定します。 「永続」リストから以下のいずれかの値を選択します。
        いいえ
        WMQ EP アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは非永続になります。
        はい
        WMQ EP アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは永続になります。
        キューのデフォルト
        キューに書き込まれるメッセージは、指定されたキューのデフォルトの永続性を継承します。
      • メッセージ優先順位を指定します。「キューのデフォルト」を選択するか、「優先順位」フィールドに WebSphere MQ メッセージ優先順位の値 (0 から 9) を入力します。
      • 有効期限時刻を指定します。「有効期限なし」を選択するか、「有効期限時刻」フィールドに WebSphere MQ メッセージの有効期限の値を入力します。 この時刻は 10 分の 1 秒単位で表されます。 メッセージは、この期間が経過する前に宛先キューから除去されなかった場合は破棄の対象となります。
      • イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
        CFE (CICS Flattened Event) 形式 (CICS Flattened Event (CFE) format)
        イベント・データは非 XML 形式となります。
        WebSphere Business Event XML 形式 (WebSphere Business Events XML format)
        メッセージは、WebSphere Business Events で必要な XML 形式でキューに書き込まれます。
        WebSphere Business Monitor 用 CBE (Common Base Event) 形式 (Common Base Event format for WebSphere Business Monitor)
        メッセージは、WebSphere Business Monitor で必要な CBE イベント形式でキューに書き込まれます。
    変更の始まり
    • HTTP EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
      • URIMAP を指定します。これは、HTTP 1.1 対応サーバーへの接続を表す URIMAP リソースの名前です。
      • イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
        WebSphere Business Monitor 用 CBER (Common Base Event REST) 形式 (Common Base Event REST format for WebSphere Business Monitor)
        イベントは、WebSphere Business Monitor で必要な XML 形式で HTTP 1.1 対応サーバーに送信されます。
        WebSphere Business Event XML 形式 (WebSphere Business Events XML format)
        イベントは、WebSphere Business Events で必要な XML 形式で HTTP 1.1 対応サーバーに送信されます。
        任意のコンシューマー用の CBE (Common Base Event) 形式 (Common Base Event format for any consumer)
        イベントは、Common Event Infrastructure をサポートするいずれの製品でもコンシューム可能な CBE イベント形式で HTTP 1.1 対応サーバーに 送信されます。
    変更の終わり
  4. オプション: 当該イベント・バインディングの 1 つ以上のイベント仕様をエクスポートできます。
    イベント仕様をエクスポートするには、次のようにします。
    • TSQ EP アダプターまたは WMQ EP アダプターを使用し、CFE 形式を選択してイベントをバイナリー形式で出力します。 この場合、COBOL コピーブック (.cpy) が提供されます。
    • 任意の他の EP アダプターと形式を使用して XML スキーマ定義 (.xsd) を提供します。
    1. 「イベント仕様のエクスポート」をクリックします。イベント仕様のエクスポート」ウィンドウが表示されます。
    2. エクスポートするイベント仕様を選択します。
    3. イベント仕様をエクスポートするために、「宛先ディレクトリー」フィールドにディレクトリーを指定します。
    4. 「エクスポート」をクリックします。
    選択した各イベント仕様の指定したディレクトリーに、ファイルが作成されます。
    いくつかの指定例を以下に示します。
    • 例えば、WMQ キュー・アダプターと CBE (Common Base Event) 形式を指定して、example1example2 という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、2 つの XML スキーマ・ファイル (example1.xsdexample2.xsd) が作成されます。 これらのスキーマ・ファイルは、WebSphere Business Monitor にインポートして、インバウンド・イベントの定義に役立てることができます。
    • WMQ キュー EP アダプターと WebSphere Business Events (XML) 形式を指定して、example1 という名前のイベント仕様を選択した場合には、 XML スキーマ・ファイル (example1.xsd) が作成されます。 このスキーマ・ファイルを WebSphere Business Events Design Data ツールで使用して、イベントを定義できます。
    • 変更の始まりHTTP EP アダプターと CBER (Common Base Event REST) 形式を指定して、 example1example2 という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、 2 つの XML スキーマ・ファイル (example1.xsdexample2.xsd) が作成されます。 これらのスキーマ・ファイルは、WebSphere Business Monitor にインポートして、インバウンド・イベントの定義に役立てることができます。変更の終わり
    • 変更の始まりHTTP EP アダプターと WebSphere Business Events (XML) 形式を指定して、example1 という名前のイベント仕様を選択した場合には、 XML スキーマ・ファイル (example1.xsd) が作成されます。 このスキーマ・ファイルを WebSphere Business Events Design Data ツールで使用して、インバウンド・イベントを定義できます。変更の終わり
    • 変更の始まりHTTP EP アダプターと CBE (Common Base Event) 形式を指定して、 example1example2 という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、 2 つの XML スキーマ・ファイル (example1.xsdexample2.xsd) が作成されます。 これらのスキーマ・ファイルは、CBE 形式を受け入れる任意のコンシューマーにインポートして、 インバウンド・イベントの定義に役立てることができます。変更の終わり
    • TS キュー EP アダプターを指定して、example1example2 という名前の 2 つのイベント仕様を選択した場合には、2 つの COBOL コピーブック (example1.cpyexample2.cpy) が作成されます。 このコピーブックを使用して、ユーザー作成のイベント・コンシューマー・プログラムでデータを処理できます。

    イベント仕様をエクスポートしてから、同じイベント仕様を同じディレクトリーに再度エクスポートすると、既存のファイルを上書きするか、あるいは、エクスポート操作を取り消すかを尋ねるプロンプトが CICS イベント・バインディング・エディターから出ることに注意してください。

  5. オプション: 必要な拡張ディスパッチャー・オプションを指定します。 これらのオプションは、上級者用であり、CICS システムで EP アダプターが実行される方法を制御するものです。
    注: 通常は CICS で EP アダプターがディスパッチャー・スレッドで実行されるようにしたほうが効果的です。しかし、 EP アダプターを個別のトランザクションとして実行する必要がある場合もあります。例えば、 WebSphere MQ キューへの書き込み権限を持つ特定のユーザー ID の下で EP アダプターを実行する必要がある場合や、 TRANCLASS 設定を使用することによって EP アダプターの並行タスク数を制御する必要がある場合などです。
    1. ディスパッチング優先順位を指定します。通常」または「」優先順位を指定して、イベント・ディスパッチャーが当該イベント・バインディングに関連したイベントを処理する方法を制御できます。 高優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます。 通常優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます (ただし、すべての高優先順位のイベントが処理された後)。
    2. 変更の始まりトランザクション ID を指定します (CICS トランザクション EP アダプターで使用できない)。変更の終わり EP アダプター・プログラムは、このトランザクション ID を使用して実行されます。

      変更の始まりトランザクション ID が指定されず、ユーザー ID も指定されない場合、 HTTP EP アダプターは、デフォルト・トランザクションである CEPH を使用して接続され、実行されます。 他のすべての EP アダプターは、ディスパッチャー・トランザクションを使用してリンクされます。変更の終わり

    3. ユーザー ID を指定します。 ユーザー ID を指定すると、EP アダプター・トランザクションはそのユーザー ID で実行されます。 「コンテキスト・ユーザー ID を使用」が選択された場合、 EP アダプターは、イベントをキャプチャーしたユーザー ID を使用して実行されます。
      ユーザー ID が指定され、トランザクション ID が指定されない場合、EP アダプターは、EP アダプター・タイプの デフォルト・トランザクションを使用して実行されます。
      • WMQ Queue EP アダプターでは、CEPQ トランザクションが使用されます。
      • 変更の始まりHTTP EP アダプターでは、CEPH トランザクションが使用されます。変更の終わり
      • TS Queue EP アダプターでは、CEPT トランザクションが使用されます。
    4. システム ID を指定します (これは、トランザクション EP アダプターでのみ使用可能)。 EP アダプター・トランザクションは、このシステム ID を使用して CICS システムで実行されます。
    5. イベントがトランザクションかどうかを指定します。 イベントに関連付けられたビジネス作業単位 (UOW) が正常に完了した場合のみ CICS がイベントをキャプチャーするようにするには、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスを選択します。

      CICS でこのイベント・バインディングに関連したイベントをトランザクション外で処理する場合には、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスをクリアします。 イベントは生成されたときに出力されます。

タスクの結果

これで、イベント・バインディングのアダプターおよびディスパッチャー情報の指定が完了しました。