キャプチャー仕様は、特定のイベントをキャプチャーできる CICS アプリケーション内の位置 (例えば、レコード・キーが特定の値を持つファイルの EXEC CICS READ FILE コマンド) を定義します。
アプリケーション分析者は、定義されたビジネス・イベントを受け取り、CICS® イベント・バインディング・エディターを使用して 1 つ以上のキャプチャー仕様に変換します。
キャプチャー・ポイントとして使用可能にできる CICS アプリケーション内の位置は、多くの EXEC CICS API コマンドとプログラム開始から成ります。 キャプチャー・ポイントとして指定可能な EXEC CICS コマンドは、表 1 のとおりです。
キャプチャー仕様は、フィルター・データ (トランザクション ID やプログラム名など) を使用して、イベント出力の基準をさらに詳細化します。 キャプチャー仕様は、イベントをフィルタリングするために使用するデータおよびキャプチャーするデータの位置を定義します。
例えば、10,000 を超えていなければならないオーダーの金額のフィールド名があります。 位置は、COMMAREA、コンテナー、または 3270 データ・ストリームのフィールドにすることができます。 キャプチャー仕様は、イベントで出力するデータの位置を定義します。 また、値が 10,000 を超えている場合にのみイベントが出力されるように、データ項目もフィルター述部で指定できます。
キャプチャー仕様は、イベントに関係するキャプチャー・ポイント (EXEC CICS API コマンドなど)、およびイベントが発生する単一または複数の正確な位置に対する精度を上げるフィルター述部から成ります。
各キャプチャー・ポイントには、プライマリー述部があります。 プライマリー述部に対しては等価演算子を選択して値を指定することにより、キャプチャー・ポイントで他のキャプチャー仕様を追加したときにパフォーマンスに影響が及ばないようにすることを強くお勧めします。 各コマンドのプライマリー述部キーワードは、 表 1 に示すとおりです。コマンドが、 表 1 に指定されているプライマリー述部キーワードを持たない場合は、 アプリケーション・コンテキストのプログラム名がプライマリー述部として使用されます。
アプリケーション・ロジック内のイベントの位置は、指定方法に依存します。 CICS アプリケーションに同じ EXEC CICS API コマンドの 2 つのインスタンスが含まれていて、フィルター仕様で 2 つのコマンドが区別されない場合には、 イベントは、両方のコマンドが実行されたときに出力されます。
コマンド | プライマリー述部 |
---|---|
CONVERSE | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
DELETE FILE | FILE |
DELETEQ TD | QUEUE |
DELETEQ TS | QNAME |
INVOKE SERVICE | SERVICE |
LINK PROGRAM | PROGRAM |
PUT CONTAINER | CONTAINER |
READ | FILE |
READNEXT | FILE |
READPREV | FILE |
READQ TD | QUEUE |
READQ TS | QNAME |
RECEIVE | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
RECEIVE MAP | MAP |
RETRIEVE | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
RETURN | TRANSID |
REWRITE | FILE |
SEND | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
SEND MAP | MAP |
SEND TEXT | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
SIGNAL EVENT | EVENT |
START | TRANSID |
WEB READ | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
WEB READNEXT | アプリケーション・コンテキストの現行プログラム |
WRITE FILE | FILE |
WRITEQ TD | QUEUE |
WRITEQ TS | QNAME |
XCTL | PROGRAM |