CICS® では、新規アプリケーションまたは既存アプリケーションでイベントを生成して、さまざまなイベント・コンシューマーに出力することができます。
CICS イベント処理には、以下の利点があります。
- CICS イベント処理は、ビジネス・アプリケーションを強化するための、リスクのない方法を提供することで、ビジネスの柔軟性を強化します。
イベントは、CICS アプリケーション・ロジックの外部で定義されて制御されるため、ビジネスに影響を与えることなくビジネス・アプリケーションを拡張できます。
- CICS は、単純なアトミック・イベントをサポートしています。
ただし、イベントは、CICS 以外のソースからのイベントと組み合わせることが可能な複雑なイベント処理エンジンでもコンシュームできます。
- CICS イベント処理では、ビジネスに対して重要なイベントに焦点を絞ることで、イベントを使用した追加のシステム管理ツールを提供するのではなく、
ビジネスの柔軟性とビジネス・アプリケーションに対するガバナンスを強化します。
- CICS イベント処理では、キャプチャー・ポイントと呼ぶ、明確に定義された多数のポイントでイベントを出力できます。
キャプチャー・ポイントは、イベントの出力が可能な機会です。
キャプチャー・ポイントは、選択した EXEC CICS API 呼び出しの前後、およびプログラムの開始時点に用意します。
CICS アプリケーション内のすべての重要なポイントで、イベントを出力できます。
CICS イベント処理のワークフロー
CICS イベント処理は、4 つのユーザー・クラス間の作業フローをサポートします。
- ビジネス管理ユーザー
- このユーザーは、ビジネスのニーズを把握していますが、ビジネスをサポートしているプログラムおよびコンピューター・システムについては必ずしも認識していません。
このタイプのユーザーは、新しい CICS ツールを使用して、ビジネス・ニーズの概要を高位語で表現します。
例えば、オンラインのカメラ小売ビジネスのニーズは、「2000 ポンドを超える望遠鏡のすべてのオーダーをマーケティング部門に知らせてほしい」などが考えられます。
これは、そうしたお客様が、高スペックのデジタル・カメラの販売の対象になり得るからということが考えられます。
- アプリケーション分析者またはプログラマー
- このタイプのユーザーは、既存アプリケーションの設計方法を把握しているか、または調査することができます。
こうしたユーザーは、ビジネス管理者のニーズを満たすために拡張する必要があるアプリケーションの部分を特定することができます。
上記の例では、アプリケーション分析者またはプログラマーは、望遠鏡のオーダーを検出するプログラムの部分、そのオーダーの金額が分かる場所、およびビジネス・ニーズを満たすために有用になる可能性がある他のデータが見つかる場所を把握していなければなりません。
- CICS システム・プログラマー
- このタイプのユーザーは、プログラムが CICS と対話する方法を把握しており、アプリケーション分析者またはプログラマーが新しいイベント処理リソースを配置できるようにサポートすることが可能です。
システム・プログラマーは、EP アダプターが動作できるようにすることができます。例えば、WebSphere MQ にキューを定義して、WMQ キュー EP アダプターで使用できるようにします。
また、システム・プログラマーは、システムおよびそのアプリケーションのパフォーマンスを監視して最適化でき、
アプリケーションおよびそのイベントに関する問題をデバッグして診断できます。
組織によっては、これらのクラスのユーザーの一部またはすべてを組み合わせて、1 人がその役割を兼ねる場合もあります。
すべてのユーザーが使用するツールは CICS イベント・バインディング・エディター (CICS Explorer™ の一部) です。
このツールは、異なるクラスのユーザーがチームとして作業して、イベント処理を実装できるように設計されています。