JES メンバー名と MVS システム名が一致しない場合のディスカバー

ディスカバリー操作を実行すると、ディスカバーされたシステム情報が CICS® DA プロジェクトにインポートされます。 プロジェクトに含まれるシステム情報は、システム・モデル と呼ばれます。 ご使用の MVS™ システム名と JES メンバー名が一致せず、 実行中の z/OS® のバージョンが 1.11 より古い場合は、 このタスクを実行してディスカバリー・プロセスを完了する必要があります。

このタスクについて

ディスカバリーとホスト名:

MVS イメージでディスカバリーを実行すると、TCPIP スタックの名前が照会され、そのスタックの 1 次 IP アドレスが取得されます。 ドメイン・ネーム・サーバーを照会して IP アドレスを名前に解決する場合は、USS「ホスト」サービスが使用されます。 名前が返されると、この名前が CICS DA クライアントに渡されます。 名前が返されない場合は、IP アドレスが CICS DA クライアントに渡されます。

ディスカバリー・プロセスのこの部分は MVS イメージ上で実行されるので、1 次 IP アドレスの名前はローカルに管理され、クライアントからは見えない場合があります。 その場合は、CICS DA のディスカバリー・フェーズが完了できるようにするために、(例えばクライアントの hosts ファイルを変更するという方法で) クライアントがその TCP/IP 構成を変更する必要が生じる可能性があります。ディスカバーされた IP アドレスがサーバー上の名前に解決されず、 ディスカバーされた IP アドレスがクライアント・ワークステーションに到達できない場合、ディスカバリー・プロセスは正常に完了しません。

ディスカバリーを実行すると、CICS DA は FTP 経由でジョブを実行依頼して、ディスカバリー・プログラムを実行します。

ディスカバリー・プログラムでは、まず最初にシスプレックス内のすべての MVS システムを確認します。そこから、 ディスカバリー・プロセスの次のステージを実行する MVS イメージを選択します。 次にディスカバリー・プログラムは、選択された個々の MVS イメージで実行されている領域を調べ、CICS、および実行中の他のインスタンス (CICSPlex® SM CMAS、Web ユーザー・インターフェース・サーバー、DB2® サーバー、WebSphere® MQ サーバー、CICS 一時ストレージ・サーバー、CFDT サーバー、NC サーバーなど) のサポートされているリリースを確認します。

ご使用の JES メンバー名とシステム名が一致せず、 実行中の z/OS のバージョンが 1.11 より古い場合は、 以下の手順を実行して、システム・リソースをディスカバーし、モデルにデータを入れる必要があります。 ディスカバーされるシスプレックス内の MVS イメージの数やサブシステムの数によっては、ディスカバリーに時間がかかる場合があります。

注: システム、CICS 領域、あるいは他のインスタンスの いずれかがアクティブでない場合、それはディスカバーされず、アクティブ・インスタンスのみがディスカバーされます。 CICS DA は、管理対象 CICS 領域と非管理対象 CICS 領域をどちらもディスカバーしますが、非管理対象 CICS 領域の関連リソースはディスカバーしません。

このタスクでは、CICS DA プロジェクトを作成し、ディスカバリー操作を実行して、システム情報をプロジェクト内のモデルにインポートします。 CICS DA 接続が定義されている必要があります。

手順

  1. 「CICS Deployment Assistant」ウィザードを開きます。 これを行うには、以下のアクションのいずれかを実行してください。
    • 新規」アイコン 「新規」アイコン をクリックします。 「CICS Deployment Assistant」ツリーを展開して、「CICS Deployment Assistant プロジェクト」をクリックします。
      「新規」ウィザードの画面取り。「CICS Deployment Assistant」項目が展開され、
「CICS Deployment Assistant プロジェクト」項目が表示されています。
    • CICS Explorer™ メニュー・バーの「Deployment Assistant プロジェクトの作成」アイコン 「シスプレックス・プロジェクトの作成」アイコン をクリックします。
    • 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューの空白部分を右クリックします。 「新規」>「プロジェクト」を選択し、「新規プロジェクト」ウィンドウで「CICS Deployment Assistant」ツリーを展開して、「CICS Deployment Assistant プロジェクト」を選択します。 オプションで、「プロジェクト」ウィザードを見つける手助けとして、テキスト・フィールドに deployment と入力できます。 「次へ」をクリックします。
  2. 「CICS Deployment Assistant プロジェクトの作成」ウィザードで、プロジェクト名を入力します。 デフォルトでは、作成したプロジェクトは、ローカル・ワークステーション上の CICS Explorer ワークスペースに保存されます。 プロジェクトは別の場所に保存することもできます。 例えば、プロジェクトをネットワーク・ドライブに保存すると、複数のユーザーが情報を参照できます。 デフォルトのプロジェクトの場所は、「場所 (Location)」フィールドに表示されます。 別の場所にプロジェクトを作成する場合は、「デフォルトの場所を使用 (Use default location)」チェック・ボックスのチェック・マークを外し、新しい場所を指定してください。
    注: 新しい場所を指定する前に、選択する場所にプロジェクト用の固有のフォルダーを作成する必要があります。 Eclipse は、指定された場所はプロジェクトが入っているフォルダーであると想定します。 あとでそのプロジェクトを削除することにした場合、Eclipse はそのフォルダーと中身のすべてを削除します。 選択したフォルダーに他のファイルが含まれている場合は、CICS DA プロジェクト・ファイルとともにそのファイルも削除されます。
  3. アクティブな CICS DA システム接続がある場合は、接続フィールドにシステム名が表示されます。接続アイコンは緑色です。 接続がアクティブではない場合、または別のシステムに接続する場合は、システム接続アイコンの横にある下矢印をクリックし、DA システム接続名をクリックします。 これが、このセッションでのシステムに対する初めての接続である場合は、パスワードの入力を求めるプロンプトが出されます。
  4. MVS イメージのディスカバー (Discover MVS Images)」をクリックします。 CICS DA がシステム・ディスカバリーの第 1 ステージを開始し、シスプレックス内のすべての MVS イメージが検索されます。 CICS DA は、すべての MVS イメージを検出すると、そのイメージと JES メンバー名をウィザードに表示します (以下の画面を参照)。 アイコンに赤い「x」印が付いているイメージは、そのイメージへのアクセス権限がないことを示しています。
    「CICS Deployment Assistant プロジェクトの作成」ウィザードにディスカバーされたシステムが表示されている画面取り。
ディスカバーされたイメージのうち 3 つで、JES メンバー名が MVS 名と一致していません。
リストの最後のイメージにはアイコンに赤い x 印が付いていて、このイメージへのアクセスが許可されていないことを示しています。
  5. 必要に応じて、JES メンバー名を上書きして値を変更することができます。 システム・モデルに組み込む MVS イメージの名前を 1 つ以上選択し、 「追加」をクリックします。 イメージ名が、ダイアログの右側に移動します。
  6. 終了」をクリックします。 「DA プロジェクト」ビューにモデルが作成されます。 この時点で、モデルにはシスプレックスと選択した MVS イメージのみが含まれています。
  7. 「DA プロジェクト」ビューで MVS イメージの 1 つをダブルクリックし、 そのイメージを MVS イメージ・エディターで開きます。「JES メンバー名 (Jes Member Name)」フィールドに、そのイメージの JES メンバー名を入力して、変更を保存します。
    MVS イメージ・エディターの画面取り。「JES メンバー名 (Jes Member Name)」フィールドが表示されています。
この例では、JES メンバー名はシステム ID と同じです。
  8. モデル内のすべての MVS イメージで、ステップ 7 を繰り返します。
  9. 「DA プロジェクト」ビューで、MVS イメージ名を右クリックし、「サブシステムのディスカバー (Discover Subsystems)」をクリックします。CICS DA はディスカバリーを実行して、 MVS イメージ上にあるすべての CICS リソースとサブシステムを検出します。 結果はダイアログに表示されます。
    MVS イメージで検出されたリソースが表示されている画面取り。
    ディスカバリーがすべて完了したら、「終了」をクリックして、ディスカバーされたシステムをプロジェクト内のシステム・モデルにインポートします。
  10. すべての MVS イメージで、ステップ 9 を繰り返します。
  11. 「DA プロジェクト」ビューで、プロジェクトと、 「CICSPlex SM Web ユーザー・インターフェース・サーバー」ツリーを展開します。 WUI の名前を右クリックして、「CICSplex リソースのディスカバー (Discover CICSplex resources)」をクリックします。CICS DA はディスカバリーを実行して、 WUI にあるすべての CICSplex およびグループを検出します。 結果はダイアログに表示されます。「終了」をクリックして、その変更内容をモデルに追加します。
  12. すべての WUI サーバーでステップ 11 を繰り返します。

タスクの結果

モデルが作成され、「DA プロジェクト」ビューに表示されます。 「DA プロジェクト」ビューについて詳しくは、トピック『「DA プロジェクト」ビュー』を参照してください。