IBM Enterprise Records, バージョン 5.1.+            

IBM Enterprise Records クラス

IBM® Enterprise Records は、クラス、サブクラス、オブジェクト、およびプロパティーの階層構造を使用して、ユーザーがレコード管理アクティビティーを実行できるようにしています。

IBM Enterprise Records 内のすべてのクラスが、IBM Enterprise Records オブジェクト・ストアの下にあるフォルダー・クラスから派生しています。フォルダー・クラスは、IBM Enterprise Records のすべてのコンテナー・クラスを派生させるために使用されます。RM フォルダー・クラスは、フォルダー・クラスのサブクラスです。RM フォルダー・クラスには、IBM Enterprise Records 内でレコードを保守するために役立つクラスとサブクラスが含まれています。任意の数のサブクラスを作成して、電子レコード・フォルダー・クラス、ハイブリッド・レコード・フォルダー・クラス、物理コンテナー・クラス、ボックス・クラス、および物理レコード・フォルダー・クラスに追加することができます。

Enterprise Manager を使用して、オブジェクト・ストアの IBM Enterprise Records クラス階層構造を表示できます。

IBM Enterprise Records コンテナー・クラス

以下のリストでは、IBM Enterprise Records クラスを説明し、各クラスおよびサブクラスの簡単な説明も示します。

フォルダー

フォルダー・クラスは、IBM Enterprise Records 内の他のすべてのクラスの親クラスです。IBM Enterprise Records の基本的な機能は、レコード管理処理で役立つすべてのプロパティーを持つ、このフォルダー・クラスによって決まります。

RM フォルダー

RM フォルダーは、IBM Enterprise Records アプリケーションで作成されたすべてのフォルダー・クラスの基本クラスです。RM フォルダー・クラスは、フォルダー親クラスから派生します。以下に説明する分類スキーム・ルート、ファイル・プラン、ロケーション・コンテナー、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、およびボリュームの各コンテナー・クラスは、RM フォルダー・クラスのサブクラスです。

分類スキーム・ルート

分類スキーム・ルート・クラスは、ルート・フォルダーの IBM Enterprise Records ファイル・プラン・オブジェクトを表します。オブジェクト・ストア内にある分類スキーム・オブジェクトのオブジェクトは 1 つのみです。すべての分類スキーム・オブジェクトは、分類スキーム・ルート・フォルダーの下にファイリングされます。

ファイル・プラン

ファイル・プラン・クラスによって、ファイル・プラン内部のレコード・カテゴリーおよびレコード・フォルダーなど、さまざまなタイプのフォルダーを、階層的にグループ化することができます。ファイル・プランの下に、多数のレコード・カテゴリーおよびレコード・フォルダーを作成することができます。

ロケーション・コンテナー

ロケーション・コンテナー・クラスは、チャージアウトされたレコードのアクセスおよび使用を追跡するために使用されます。このクラスを使用して、多数のロケーションを作成できます。

レコード・カテゴリー

レコード・カテゴリー・クラスは、通常は階層構造で、組織のビジネス・アクティビティーを反映してサポートするように調整されています。レコード・フォルダーおよびレコード・カテゴリーを、このクラスのサブフォルダーとすることができます。レコード・カテゴリー・クラスは、PRO 要件に準拠して、レコード・カテゴリーまたはレコード・フォルダーを第 1 レベルの子として保持できるコンテナーとして機能します。ただし、DoD 要件に従うと、RecordInfo もレコード・カテゴリー・クラスの第 1 レベルの子として含めることができます。

レコード・フォルダー

レコード・フォルダー・クラスは、ElectronicRecordFolder、PhysicalContainer、 PhysicalRecordFolder、および HybridRecordFolder などのサブクラスを作成するために使用されます。以下に、RecordFolder クラスから派生したクラスの簡単な説明を示します。

ボリューム

ボリューム・クラスは、レコードのホルダーとして機能します。

ドキュメント・クラスおよびレコード・クラス

上述のクラスの使用とは別に、IBM Enterprise Records は、ドキュメント・クラスとそのサブクラス (レコード・クラスおよびトランスクリプト・クラス) も使用します。電子レコードおよびマーカー・レコードは、レコード・クラスから派生します。以下の図に、ドキュメントおよびレコード・クラス階層を示します。

ドキュメントとレコードの関係

以下のリストでは、ドキュメントとレコードの階層を設定するために使用される IBM Enterprise Records クラスを説明し、各クラスおよびサブクラスの簡単な説明も示します。

ドキュメント・クラス

ドキュメント・クラスは、Application Engine または Workplace XT 内のすべてのドキュメントの親クラスです。ドキュメントをレコードとして宣言することができます。ドキュメントの RecordInformation プロパティーの DeletionAction メタデータは「削除の防止」に設定されます。これは、RecordInformation プロパティーが指すレコードが削除されるまでドキュメントが削除されないことを意味します。ドキュメント・クラスは、他のすべてのドキュメント関連サブクラス (レコード、電子レコード、E メール・レコード、マーカー・レコード、およびトランスクリプト) が派生する基本クラスです。

レコード

レコードは、ファイル・プラン内のすべてのタイプのレコードの基本クラスです。レコード・クラスは、ドキュメント・クラスのサブクラスです。ファイル・プラン内のすべてのレコードは、ドキュメントとして表されます。レコードの RecordedDocuments プロパティーには、オブジェクト値プロパティーがあり、そのプロパティーが参照するオブジェクトでは、DeletionAction メタデータが「段階的に削除する」に設定されています。これは、レコードが削除された場合に、RecordedDocuments プロパティーが指すドキュメントも削除されることを意味します。

電子レコード

電子レコード・クラスは、レコード・クラスからプロパティーを継承します。電子的に発生したすべてのドキュメントは、このクラスを使用して電子レコードとして宣言されます。Application Engine または Workplace XT を使用して、電子ドキュメントをレコードとして宣言することができます。

デジタル写真レコード

デジタル写真レコード・クラスは、電子レコード・クラスから継承します。デジタル写真レコード・クラスには、デジタル写真レコード用の追加的なメタデータが含まれています。

E メール・レコード

E メール・レコード・クラスは、電子レコード・クラスから継承します。E メール・レコード・クラスには、E メール・レコード用の追加的なメタデータが含まれています。

マーカー・レコード

マーカー・レコード・クラスは、レコード・クラスから継承します。マーカー・レコードには、レコードの物理ロケーションを示すメタデータが含まれています。マーカー・レコードは、電子レコード・フォルダーまたは物理レコード・フォルダーにファイリングできます。マーカー・レコードをチャージアウトすることができます。

PDF レコード

PDF レコード・クラスは、電子レコード・クラスから継承します。PDF レコード・クラスには、PDF レコード用の追加的なメタデータが含まれています。

スキャンされたレコード

スキャンされたレコード・クラスは、電子レコード・クラスから継承します。スキャンされたレコード・クラスには、スキャンされたレコード用の追加的なメタデータが含まれています。

トランスクリプト

トランスクリプト・クラスは、ドキュメント・クラスのサブクラスです。これにはトランザクション XML が含まれます。トランザクション XML は、ワークフローを通じて更新され、最終的な廃棄後に CE に格納された .xml ファイルの形で廃棄証明書として機能します。このファイルを使用して、廃棄されたエンティティーに関連するメタデータを表示することができます。

Web レコード

Web レコード・クラスは、電子レコード・クラスから継承します。Web レコード・クラスには、Web レコード用の追加的なメタデータが含まれています。

RM リンク・クラス

IBM Enterprise Records では、リンクは、IBM Enterprise Records のエンティティーと Application Engine または Workplace XT の他の Content Engine オブジェクトとの間で作成できます。レコードは、他のレコード、ドキュメント、レコード・フォルダーとリンクを共有できます。同様に、レコード・フォルダーは、レコードや、IBM Enterprise Records および Application Engine または Workplace XT の両方のレコード・フォルダーとリンクを共有できます。リンクを作成すると、関連するレコードや、メモ、添付ファイル、E メールの返信先などの情報を参照したり、特定のレコードに関連付けたりできます。IBM Enterprise Records で使用可能なすべてのリンクは、弱いリンクです。例えば、2 つのエンティティーがリンクされており、一方のエンティティーが削除された場合、もう一方のエンティティーが一緒に削除されることはありません。カスタム・リンク・クラスを作成し、それらが強いリンクとして動作するように設定することができます。エンティティーが強いリンクでリンクされている場合、一方を削除すると、リンクされたエンティティーも削除されます。

RM リンク・クラスは、リンク親クラスから派生したものです。RM リンク・クラスは、さらに他のサブクラスを表すサブクラスを作成します。以下の図に、RM リンク・クラスとサブクラスを示します。

リンク・クラス階層

以下のリストでは、RM リンク親クラスの子のサブクラスを、各サブクラスの簡単な説明と共に示します。

RM リンク

RM リンク・クラスは、RM リンク・クラスの N 対 N の関係に使用されるリンク・クラスのサブクラスです。

抽出リンク

「抽出リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。抽出物と元のレコードとを関連付けます。抽出リンクは、レコード間、およびレコードとドキュメントの間で作成できます。抽出リンクは、レコードのコンテンツ全体ではなく、レコードのコンテンツの選択した部分を参照する場合に使用します。

ハイブリッド・フォルダー・リンク

「ハイブリッド・フォルダー・リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。ハイブリッド・レコード・フォルダーまたは電子レコード・フォルダーを関連付けます。

レコード・コピー・リンク

「レコード・コピー・リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。元のレコードと、そのレコードの別のコピーを関連付けます。このリンクは、レコードのコピーの作成時に、システムでレコードに対して自動的に作成されます。レコード・コピー・リンクは、弱いリンクです。2 つのレコードがリンクされていて、レコードのコピーを削除した場合、レコードのリンクされたコピーが一緒に削除されることはありません。

レコード・フォルダー, リンクも参照

「レコード・フォルダー, リンクも参照」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。2 つの関連するフォルダーを関連付けます。「レコード・フォルダー, リンクも参照」は、IBM Enterprise Records のレコード・フォルダー間、または IBM Enterprise Records レコード・フォルダーと IBM Enterprise Records 外部の他のフォルダーとの間で作成できます。

レコード保留リンク

「レコード保留リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。保留中のレコード・エンティティーと保留自体を関連付けます。このリンクは、内部処理に使用され、IBM Enterprise Records UI には表示されません。

レコード, リンクも参照

「レコード, リンクも参照」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。関連性のあるコンテンツが格納されたレコード同士を関連付けます。

レンディション・リンク

「レンディション・リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。レコードとそのレンディションを関連付けます。レンディションは、コンテンツを失わずに、別のソフトウェアの形式にレンダリングされるレコードのインスタンスを参照します。コンテンツとほとんどのメタデータは同じです。レンディションは、保存やアクセス、表示の目的で使用します。

参照リンク

「参照リンク」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。レコードとその参照を関連付けます。参照リンクは、関連付けられたコンテンツが格納されている他のレコード、ドキュメント、またはレコード・フォルダーを基に作成できます。

RM フォルダー, リンクの保留

「RM フォルダー, リンクの保留」は、RM リンク・クラスのサブクラスです。保留中の IBM Enterprise Records フォルダー・エンティティーと保留自体を関連付けます。このリンクは、内部処理に使用され、IBM Enterprise Records UI には表示されません。



フィードバック

最終更新日: 2011 年 8 月


© Copyright IBM Corp. 2011.
このインフォメーション・センターでは Eclipse テクノロジーが採用されています。(http://www/eclipse.org)