IBM Enterprise Records, バージョン 5.1.+            

継続的なメンテナンスおよび管理タスク

IBM® Enterprise Records に固有のいくつかの継続的なメンテナンスおよび管理タスクに関する多くの情報が用意されています。

追加的な管理情報については、以下の FileNet® P8 管理ヘルプ・システムを参照してください。

Enterprise Manager 使用のガイドライン

Enterprise Manager (EM) を使用して管理者が実行できるいくつかのタスクがあります。これらのタスク (監査の構成など) は、このオンライン・ヘルプ・システムで文書化されています。ただし、Enterprise Manager を使用して実行すべきではないその他のアクションがあります。データ破損またはその他の重大な問題が発生する可能性があるためです。特に、Enterprise Manager を使用して以下のアクションを実行しないでください。

このリストは、すべてを網羅したものではありません。オンライン・ヘルプで文書化されたタスクのみを実行してください。Enterprise Manager を通じて他のアクションを実行すると、データ破損や、その他の重大な問題が発生する可能性があります。

ただし、「IBM Enterprise Records インストールおよびアップグレードのガイド」には、Enterprise Manager を使用して、管理者がインストール/アップグレード時にのみ実行する必要のある操作を実行する手順が含まれていることに注意してください。 以下に例を示します。

オブジェクト・ストア構成

ファイル・プランと、レコードとして宣言されているドキュメントには、別個のオブジェクト・ストアを構成する必要があります。そのため、一方のオブジェクト・ストア (ファイル・プラン・オブジェクト・ストア (FPOS)) には、ファイル・プラン構造が含まれ、他方 (レコード対応オブジェクト・ストア (ROS)) には、ドキュメントが含まれており、それらのドキュメントの一部はレコードとして宣言されています。通常、ROS にアクセスするユーザーの多くは、FPOS のファイル・プランを構成するエンティティーにアクセスする必要がありません。1 つの FPOS に複数の ROS を関連付けることができます。

オブジェクト・ストアの削除

ファイル・プランを構成して、レコードの宣言を開始した後は、実動オブジェクト・ストアへの変更は最小限にする必要があります。レコードの宣言が開始してからオブジェクト・ストアを削除する必要が生じた場合は、新規オブジェクト・ストアでのレコード宣言の問題を避けるために実行する必要のある特定の手順があります。この手順は、Workplace 設定をクリアしてからオブジェクト・ストアを削除する操作からなります。

  1. システム管理者として Workplace にサインインし、左側のサイドバーで「管理」を選択します。
  2. サイト設定」を選択します。
  3. 左側のサイドバーで「オブジェクト・ストア」を選択し、削除するオブジェクト・ストアを選択します。
  4. リストア (Restore)」をクリックしてから「適用」をクリックして、設定を元のすぐに使用可能な設定にリセットします。
  5. これで古いオブジェクト・ストアを削除できます。

オブジェクト・ストアが、もう 1 つのオブジェクト・ストアのサイト設定とユーザー設定をリセットする前に削除された場合、そのオブジェクト・ストアにアクセスしようとしたユーザーに対して、どの FPOS が選択されたか、およびその理由を説明するメッセージが表示されます。必要な FPOS を構成するためのリンクもあります。システムは、以下のガイドラインに従ってオブジェクト・ストアを選択します。

設定をクリアする前にオブジェクト・ストアを削除する場合、すべての設定を消去する必要があります。bootstrap.properties ファイルを削除するか、名前を変更するか、移動する必要があります。これは自動的に再作成されます。

システム・メンテナンス・タスク

以下の IBM Enterprise Records システム・メンテナンス・タスクは、ほとんどのサイトで実行されるタスクのうちでも典型的なものです。IBM Enterprise Records の特定のシステム・メンテナンス・タスクを、いつ実行する必要があるかを判断するための指針として、次の表のチェックリストを使用してください。

表 1. システム・メンテナンス・タスク
毎日 毎週 毎月 必要に応じて
スイープ・ログのモニター 監査ログのエクスポート スイープ・ログのアーカイブ/削除 トラブルシューティングロギングの構成

IS ドキュメントのレコードとしての管理

Content Engine (CE) サーバーで、FileNet Image Services (IS) サーバーを固定コンテンツ・ストレージ・デバイスとして、または高容量キャプチャー・デバイスとして使用できるようにすることができます。(実際面では、このことは、Content Engine ドキュメントのコンテンツを IS サーバー上に IS ドキュメントとして保管できることを意味します。) この機能を有効にするオプション・フィーチャーは、Content Federation Services for Image Services (CFS-IS) と呼ばれます。

CFS-IS システムを IBM Enterprise Records と共に使用する場合は、FileNet Image Services システムで保管されているドキュメントに有効期限を設定しないでください。FileNet Image Services システムの CFS-IS 管理ユーザーが、保留にされており削除できない IBM Enterprise Records ドキュメントと削除可能なドキュメントを、自動的に区別できるような方法はありません。

場合によっては、これらのドキュメントに実行できる操作 (またはこれらの操作で予期される出力) は、FileNet Image Services ドキュメントがシステムに入力された方法と、FileNet Image Services ドキュメントのプロパティーが Content Engine サーバーに伝搬しているかどうかによって異なります。IS サーバーが固定コンテンツ・ストレージ・デバイスとして使用されている場合、ドキュメントの内容は CE アプリケーションを通じて IS サーバーに追加されます。これ以降は、このようなタイプのドキュメントを、略して CE-IS タイプ A ドキュメントと呼びます。IS サーバーが高容量キャプチャー・デバイスとして使用されている場合、ドキュメントの内容は、IS アプリケーションを通じて IS サーバーに追加されます。このようなタイプのドキュメントは、CE-IS タイプ B ドキュメントと呼びます。

IBM Enterprise Records を使用すると、他の CE ドキュメントをレコードとして管理するのとほとんど同じようにして、これらのドキュメントをレコードとして管理することができます。このセクションでは、これらのタイプのドキュメントを処理する際の、いくつかの IBM Enterprise Records 動作の相違点について説明します。また、これらのタイプのドキュメントを管理する場合に知っていなければならない、その他の情報を記載しています。

構成の考慮事項

レコードの自動宣言

IS ドキュメントがオブジェクト・ストアに移行されたとき、それらが自動的にレコードとして宣言されるように、サブスクリプションを定義することができます。これを実行するには、移行したドキュメントのドキュメント・クラスが、レコードの自動宣言の構成のイベント・アクションをサブスクライブしていること、およびイベント・アクションがチェックイン・イベントでトリガーされることを確認してください。

IS ドキュメントのセキュリティー

IS ドキュメントが Image Services アプリケーションまたは API を通じてアクセス可能である場合、ドキュメントがレコードとして宣言されていても、そのドキュメントが変更また削除されないようにする CE メカニズムはありません。そのため、IS システム管理者との共同作業により、IS ドキュメントの変更および削除について、IS セキュリティーが適切に設定されるようにしてください。

IS ドキュメントの保存

IS ドキュメント・クラスには、いつドキュメントを削除すべきかを指定する保存パラメーターが含まれています。IBM Enterprise Records は、これらの IS 保存設定と相互作用することはありません。そのため、レコードとして宣言された IS ドキュメントが IS 保存設定のために削除されないように、IS システム管理者との共同作業により、これらの保存設定が適切にセットアップされるようにしてください。

その他の考慮事項

レコードの宣言

例えば Workplace、MS Office、MS Outlook、イベント・アクション、ワークフロー、および IBM Enterprise Records Java API などから、使用可能な宣言メカニズムのいずれかを使用して、CE でカタログされた IS ドキュメントを宣言できます。ただし、複数エレメントのドキュメントの単一のエレメントを、レコードとするように選択することはできません。複数エレメントのドキュメントがレコードとして宣言された場合、すべてのエレメントが、レコードの一部とみなされます。

ドキュメントにアクセスする権限を持つ非レコード・ユーザーは、レコード・ユーザーがそのドキュメントをレコードとして宣言した後は、ドキュメントの情報ページにアクセスできません。非レコード・ユーザーのアクセスに対するこの制限は、設計上のものです。

レコードのプロパティーの更新

IS サーバーでカタログ化が有効になっている場合、CE ドキュメントのプロパティーにマップされている IS ドキュメントのプロパティーは、IS サーバーと CE サーバーの両方に保管され、IS ドキュメントのプロパティーの更新は、すべて自動的に関連 CE ドキュメントに伝搬します。ただし、CE ドキュメントのプロパティーの更新は、そのドキュメントに関連付けられたレコードのプロパティーに影響しません。

レコードのコンテンツ・ベースの検索の実行

ドキュメントが CE-IS タイプ A ドキュメントである場合、ドキュメントが存在するオブジェクト・ストアで CBR が構成されていれば、コンテンツ・ベースの検索によって、ドキュメントに関連付けられたレコードが検出されます。ただし、ドキュメントが CE-IS タイプ B ドキュメントである場合、コンテンツ・ベースの検索でそのドキュメントは検出されません。

レコードの削除

レコードを削除すると、レコードに対応する CE ドキュメントも削除されます。CE ドキュメントのコンテンツが、ストレージ・メディアではなく IS サーバーの永続キャッシュに格納されている場合、削除を実行すると、IS ドキュメントがキャッシュから削除されます。ただし、CE ドキュメントのコンテンツが IS サーバーのストレージ・メディアに保管されている場合、レコードを削除しても、メディアからコンテンツは削除されません。IS ストレージ・メディアの消去 (消去可能なメディアを使用していることが前提) に関する情報を含め、ドキュメント・データを IS サーバーから削除する方法の詳細については、「IBM FileNet Image Services System Administrator's Handbook」内の『Database Maintenance Overview』セクションの『Expired Documents and Folders』を参照してください。

レコードのコピーおよびインポート

レコードをコピーすると、そのレコードだけでなく、関連付けられた CE ドキュメント (および関連付けられた IS ドキュメント) もコピーされます。すべてのクラスで、レコード・コピー操作を行うと、元のドキュメントが CE-IS タイプ B ドキュメントであった場合でも、CE-IS タイプ A ドキュメントが生成されます。

レコードのインポート時にも同じようになります。インポートされたレコードの関連ドキュメントは、エクスポート時には CE-IS タイプ B ドキュメントであったとしても、常に CE-IS タイプ A ドキュメントになります。

システム・パフォーマンスのモニター

実装環境が可能な限り効率的に実行されるようにするため、開発サイクル中に、システム・パフォーマンスをモニターすることができます。IBM System Dashboard for Enterprise Content Management ツールを利用することをお勧めします。このツールは、オペレーティング・システムに関係なく、インストールされた IBM FileNet ソフトウェア製品でパフォーマンス・データを収集して配布するための、一元管理メカニズムを提供します。管理コンソールを標準としていないサイトで使用するために、収集されたパフォーマンス・データを、デフォルトの IBM System Dashboard for Enterprise Content Management 機能で使用できるようにすることができます。 IBM System Dashboard for Enterprise Content Management の使用については、../../../com.ibm.p8.sysmgr.admin.doc/overview.htmを参照してください。

トラブルシューティング

IBM FileNet P8 Troubleshooting Guide」には、IBM Enterprise RecordsContent EngineApplication EngineProcess Engine、および Workplace などの、P8 プラットフォーム・コンポーネントでの問題のトラブルシューティングに関する情報が含まれています。IBM サポート・ページからマニュアルをダウンロードするには、このトピックの終わりにある外部リンクを参照してください。



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最終更新日: 2011 年 8 月


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