URL アドレス指定機能を使用すると、ユーザーは、IBM® FileNet® P8 クライアント・ユーザー・インターフェース全体をナビゲートしなくても、オブジェクトに直接アクセスできます。Workplace XT などの FileNet P8 クライアントにサインオンした後で、ユーザーは、オブジェクトの URL をブラウザーのアドレス・バーに入力できます。(管理者は、フォルダーまたはバージョン管理可能なオブジェクトを取得するためのブックマークまたはお気に入りを作成できます。)
URL アドレス可能度によって、次のことが可能になります。
- ドキュメント、フォルダー、保管済み検索、検索テンプレート、ワークフロー定義、および、パブリッシュ・テンプレートを取得します。
- ドキュメント、保管済み検索、検索テンプレート、パブリッシュ・テンプレート、およびワークフロー定義の各オブジェクト・タイプをダウンロードし、ローカル PC に保存します。
- パス・ベースまたは ID ベースの URL を以下のように入力します。
パス・ベースの URL は、コンテナー・パスを使用して、オブジェクト・ストア内のオブジェクトのロケーションを指定します。例えば、Transportation オブジェクト・ストアの Projects フォルダー内にある Current Works という名前のドキュメントを取得するには、ユーザーは以下の例のような URL を入力します。
http://P8_client_server_name/application_name:port/getContent/Transportation/Projects/Current+Works
パス・ベースの URL を使用してオブジェクトを取得するには、「パス・ベースの URL を使用する」サイト設定を指定する必要があります。
ID ベースの URL は、
GUID を使用して、オブジェクト・ストア内のオブジェクトのロケーションを指定します。ドキュメントのロケーションは、ドキュメントが置かれているオブジェクト・ストアの GUID およびドキュメントの GUID によって指定されます。例えば、ドキュメントを取得するには、ユーザーは以下の例のような URL を入力します。
http://P8_client_server_name/application_name:port/getContent?objectStoreName={84A4A727-37E2-4994-B060-8531FAF75612}&objectType=document&id={559946a8-2007-4096-AC67-773A8540AE6}
通常、ID ベースのアドレスのほうがパス・ベースのアドレスよりも高速ですが、ドキュメント内の相対参照を解決できるのはパス・ベースの URL だけです。例えば、パス・ベースの URL を使用してファイル「example.html」を要求した場合は、ファイルが取得され、example.html 内で必要なすべての追加 URL (<script>、<img>、<link> タグなど)がブラウザーによって解決されます。ユーザーがリンクをクリックすると、すべてのリンク (<a href=...>) がブラウザーによって解決されます。
次の表は、URL 内で指定できるさまざまなオブジェクト・タイプに対するデフォルト応答のリストです。
オブジェクト型 |
応答 |
フォルダー |
フォルダー名を表示するページを返します。 |
ドキュメント |
ドキュメントにコンテンツがある場合、コンテンツが返されます。ドキュメントに外部参照がある場合、FileNet P8 クライアントはクライアントを必要に応じてリダイレクトします。ドキュメントにコンテンツがない場合、FileNet P8 クライアントはエラーを報告します。 |
ワークフロー定義 |
Process Designer アプレットを開きます。 |
保管済み検索 |
保管済み検索の名前を表示するページを返します。 |
検索テンプレート |
検索テンプレートを表示するページを返します。 |
パブリッシュ・テンプレート |
パブリッシュ・テンプレートのコンテンツを XML として返します。 |
パス・ベースの URL の構文規則
パス・ベースの URL には、オブジェクト・ストア ID およびコンテナー・パス名が必要です。
mode=download パラメーターはオプションです。例:
http://server/web_application/getContent/objectStoreID/pathName?mode=download
パス・ベースの URL の例
以下の URL では、指定された検索テンプレートを含む Workplace XT ページが表示されます。オブジェクト・ストアは名前 (Forms) によって識別されます。
http://server1/WorkplaceXT/getContent/Forms/Claims/Home?mode=download
以下の URL では、オブジェクト・ストア Forms がそのドメイン名 Midwest で修飾されています。
http://server1/WorkplaceXT/getContent/Forms@midwest/Claims/Home?mode=download
ID ベースの URL の構文規則
ID ベースの URL では、フォルダー・オブジェクトの 3 つの必須照会文字列パラメーター (objectStoreName、objectType、および id) を使用します。次に例を示します。
http://server/web application/getContent?objectStoreName={objectStoreGUID}&objectType=type&id={objectGUID}
ドキュメント、保管済み検索、検索テンプレート、パブリッシュ・テンプレート、およびワークフロー定義の各オブジェクトの場合、URL では、objectStoreName、objectType、id、および fsld パラメーターを使用します。
mode=download パラメーターはオプションです。次に例を示します。
http://server/web_application/getContent?objectStoreName={objectStoreGUID}&objectType=type&id={objectGUID}&mode=download
または
http://server/web_application/getContent?objectStoreName={objectStoreGUID}&objectType=type&vsId={versionSeriesGUID}
または
http://server/web_application/getContent?objectStoreName={objectStoreGUID}&objectType=type&id={objectGUID}&vsId={versionSeriesGUID}&mode=download
ここで
- server は、FileNet クライアント・アプリケーションが実行されている Application Engine または Workplace XT サーバーの名前です。
- web_application は、FileNet P8 クライアント・アプリケーションの名前です。
- objectStoreName=objectStoreGUID は、オブジェクトが置かれているオブジェクト・ストアの GUID です。中括弧が含まれます。
- objectType=type は、取得するオブジェクトのタイプです。該当する objectType 値を入力します。
タイプ |
objectType= |
ドキュメント |
ドキュメント |
フォルダー |
folder |
保管済み検索 |
storedsearch |
検索テンプレート |
searchtemplate |
ワークフロー定義 |
ドキュメント |
パブリッシュ・テンプレート |
publishtemplate |
- id=objectGUID は、オブジェクト・ストア内のオブジェクトを識別する GUID です。これは、フォルダー・オブジェクトの必須パラメーターです。ドキュメント、保管済み検索、検索テンプレート、ワークフロー定義、およびパブリッシュ・テンプレートの各オブジェクトの場合、id はオプションであり、特定のバージョンを取得するために使用されます。中括弧が含まれます。
- vsId=versionSeriesGUID は、ドキュメント、保管済み検索、検索テンプレート、ワークフロー定義、およびパブリッシュ・テンプレートの各オブジェクトのバージョン・シリーズの中から最新のバージョンを取得するための GUID です。
注: URL 内に id と vsId が両方とも存在する場合、FileNet P8 クライアント・アプリケーションは、id を使用して、指定されたバージョンを取得します。指定されたバージョンが見つからない場合、FileNet P8 クライアント・アプリケーションはエラーを報告し、vsId パラメーターで指定された最新のバージョンを取得するオプションをユーザーに提示します。
- mode=download パラメーターはオプションであり、コンテンツをローカルに保存できます。
注: ドキュメント要求に対してパス・ベースの URL を使用するように、FileNet P8 クライアント・アプリケーションを構成できます。そのため、ID ベースの URL を入力した場合、FileNet P8 クライアント・アプリケーションは、可能であれば ID ベースの URL をパス・ベースの URL に変換して、ドキュメント・コンテンツ内に埋め込まれたすべての相対 URL 参照の整合性を維持できるようにします。