権限のあるユーザーが、廃棄スケジュールを定義し、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、またはレコード・タイプと関連付けます。廃棄スケジュールは、レコード・マネージャーまたはレコード管理者だけが定義できます。PRO データ・モデルでは、レコード・マネージャー、レコード管理者、またはレビューアーが廃棄スケジュールをエンティティーに割り当てることができます。Base および DoD データ・モデルでは、レコード・マネージャーまたはレコード管理者が廃棄スケジュールをエンティティーに割り当てることができます。
廃棄スケジュールには複数のフェーズが存在する場合があります。その場合、対象エンティティーは、レビュー、エクスポート、転送、破棄などの廃棄手順に従って処理されます。廃棄スケジュールにはフェーズが複数ある必要はありませんが、通常、次の 2 つのフェーズが含まれます。
- エンティティーの生存期間を終了するカットオフ・フェーズ。
- カットオフ後に最終的な廃棄を指定するフェーズ。
「
ユーザー設定」で、「
廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「
簡易」に設定されている場合 (
IBM Enterprise Records ユーザー設定および
IBM Enterprise Records のサイト設定を参照)、スケジュールはデフォルトで、保存を行わずに自動破棄アクションを使用する単一のフェーズに設定されます。
廃棄スケジュールを定義するには、次のようにします。
- 「廃棄」 タブを選択します。
- 「廃棄スケジュール」をクリックします。
- 「廃棄スケジュールの追加」をクリックします。
制約事項: 「ユーザー設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、「ステップ」パネルには「フェーズの設定」が表示されません。
- スケジュールの名前と説明を入力します。 この説明はオプションです。
- エンティティーを廃棄する廃棄権限の名前を入力し、「次へ」をクリックします。 このフィールドはオプションです。
- 該当するラジオ・ボタンをクリックし、カットオフを開始するトリガーを選択します。 「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、使用可能なトリガーは「内部イベント」トリガーのみとなります。
- カレンダーの日付の場合、日付を入力するか、カレンダー・コントロールを使用します。これは、標準廃棄スケジュール用です。
- 「事前定義日」、「内部イベント」、「外部イベント」、「繰り返しイベント」の場合、メニューからアイテムを選択します。各アイテムは、IBM Enterprise
Records の「構成」タブで事前に作成されています。
トリガーの詳細を表示するには、「詳細の表示」をクリックします。トリガーの追加については、事前定義日の追加、内部イベントの追加、外部イベントの追加、または繰り返しイベント・トリガーの追加を参照してください。
- カットオフ・オフセットを設定します。 詳しくは、このトピック内の後の方にあるカットオフおよびカットオフ・オフセットについてのセクションを参照してください。
- エンティティーのカットオフをトリガーする条件を設定します。 カットオフは、自動的に行われるようにすることも、承認を必要とするようにすることもできます。承認を必要とする場合、廃棄カットオフ・アクションを指定します。自動カットオフにする場合、廃棄カットオフ・アクションは指定しないでください。「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、「廃棄カットオフ・アクション」は表示されません。
- 各カットオフ・アクションは IBM Enterprise
Records の「構成」タブで事前に追加されており、それぞれにワークフローが関連付けられています。廃棄スイープでは、カットオフおよびオフセット後にワークフローが自動的に起動します。標準廃棄スケジュールの場合、「廃棄カットオフ・アクション」メニューには、「カットオフ」アクション・タイプに属するアクションのみが含まれます。アクションの詳細については、アクションを参照してください。
- 必要に応じて、「カットオフ・ベース」を変更してカットオフ・ベース日を指定します。 「カットオフ・ベース」メニューには、個々の IBM Enterprise
Records エンティティー・プロパティーに基づいてカットオフ日を計算する IBM Enterprise
Records 日付プロパティーのセットが表示されます。
カットオフ・オフセットを設定します。詳しくは、このトピック内の後の方にあるカットオフおよびカットオフ・オフセットについてのセクションを参照してください。
- 「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「詳細」に設定されている場合は、「次へ」をクリックして、現行スケジュールに 1 つ以上の保存期間 (フェーズと呼ばれます) を作成します。「終了」をクリックした場合、廃棄スケジュールに関連付けられるエンティティーには特定の保存期間が設定されません。「ユーザー設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合は、「終了」をクリックします。これで、「RMAutoDestroyAction」という自動破棄アクションを使用する単一のフェーズのみとなります。「画面の必要性 (Is Screen Required)」は「FALSE」に設定され、「デフォルト保存期間」は 0 年 0 月 0 日間となります。自動的に作成される「代替保存」はありません。
カットオフおよびカットオフ・オフセットの設定
IBM Enterprise
Records では、フェーズに保存を設定するか、またはカットオフ・オフセットを設定することによって、保存期間を定義できます。
カットオフ・オフセットは指定されておらず、保存期間がフェーズで設定されている場合、スイープがエンティティーでカットオフを行うのは、イベント条件が真になった場合となります。カットオフされるエンティティーがコンテナーの場合には、新しいレコードが追加されないように、コンテナーはカットオフされるだけでなく、閉じられます。次に、フェーズに定義された保存期間がカットオフ日付に加算されて、保存が計算されます。カットオフ日付の計算には、各種のスケジュール構成に応じて、以下のルールが適用されます。
カットオフ・イベント・オフセットを使用する場合、エンティティーは、このオフセット期間の終わりに達するまでカットオフされません。したがって、コンテナーは保存期間中は開いたままになります。カットオフ日付の計算には、各種のスケジュール構成に応じて、以下のルールが適用されます。
- 内部イベント・トリガーおよびエンティティーのプロパティーに設定されたカットオフ・ベース日の使用 -
カットオフ日付は、カットオフ・ベース日にカットオフ・オフセットを足した値です。
- イベント・トリガーの日付タイプ (外部イベント、事前定義日) および「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用 -
カットオフ日付は、イベント・トリガーの日付にカットオフ・オフセットを足した値です。
- 内部イベント・トリガーおよび「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用 -
カットオフ日付は、スイープが実行される日付にカットオフ・オフセットを足した値です。
重要: この最後の構成は、使用しないようにしてください。スケジュールを更新すると (スケジュール名の変更など)、カットオフ日付のスイープ再計算がトリガーされ、新しいスイープ日付にオフセットが加算されるため、カットオフが延期されます。カットオフ・ベース日に使用できるレコード・プロパティーがない場合には、フェーズに設定した保存を使用することをお勧めします。
「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、スケジュールでは、フェーズでの保存を行わず (デフォルト設定)、代わりにオフセット・メカニズムを利用して保存を定義します。
フェーズの設定
廃棄スケジュールにフェーズを関連付けると、エンティティーに対して異なる間隔でさまざまな操作を実行できます。各フェーズでは、そのエンティティーの廃棄アクションと保存期間を指定します。例えば、廃棄前にエンティティーをレビューするには、廃棄スケジュールに 2 つのフェーズを追加する必要があります。第 1 フェーズではエンティティーのレビューを指定し、第 2 フェーズではエンティティーの廃棄を指定します。廃棄スケジュールに含まれる複数のフェーズは、IBM Enterprise
Records により、そのスケジュールに追加した順に実行されます。
また、複数の「代替保存期間」をフェーズの中に定義できます。代替保存期間は、プロパティー値に基づく可変の保存期間です。代替保存条件のいずれも True ではない場合、IBM Enterprise
Records により、デフォルト保存期間が使用されます。複数の代替保存条件が True の場合、IBM Enterprise
Records により、保存期間が最も長い代替保存期間が適用されます。
重要: 代替保存期間の数や保存期間条件の複雑さは、保存期間の計算時のパフォーマンスに影響します。
IBM Enterprise
Records によるエンティティーのカットオフ・アクションの適用後、廃棄スケジュールの第 1 フェーズがエンティティーに適用されます。第 1 フェーズの保存期間の最後に、そのフェーズに関連付けられている廃棄アクションが実行されます。IBM Enterprise
Records により関連付けられている廃棄アクションが完了すると、権限ユーザーによる承認後に廃棄スケジュールの次のフェーズが開始されます。
廃棄スケジュールに新しいフェーズを追加するには、次のようにします。
- 「追加」をクリックして、「フェーズ・プロパティー」ページを開きます。
- フェーズの名前と説明を入力します。
- メニューから「フェーズ・アクション」を選択します。
- アクションは、IBM Enterprise
Records の「構成」タブで事前に作成されています。
- エンティティーのアクションは、IBM Enterprise
Records により、フェーズの最後に実行されます。
- 各アクションには定義済みのワークフローが含まれており、アクションに合わせて IBM Enterprise
Records により起動されます。
制約事項: エンティティーの転送または破棄を行うフェーズは最終フェーズです。このタイプのアクションの後には別のフェーズを追加できません。
- フェーズに関連付けられているワークフローの起動前にエンティティーのレビューが必要な場合、「要スクリーニング」フィールドで「True」を選択します。スクリーニングが不要である場合、「False」を選択します。
- フェーズに対し「転送」、「エクスポート」、または「暫定転送」アクションを選択した場合、「エクスポート先」フィールドにロケーションを入力します。ロケーションの候補は次の通りです。
- リモート・サーバー上。例えば ¥¥server name¥folder
name です。
- ローカル・ドライブ上のフォルダー。例えば local
drive:¥folder name です。
- このフェーズにおけるエンティティーの「デフォルト保存期間」を指定します。代替保存期間を割り当てない場合、この値を指定する必要があります。
- 条件を設定して、エンティティーの保存期間をプロパティーに基づいてより長く、または短くする場合、次の手順を実行して代替保存期間を定義します。
- 「追加」をクリックします。「代替保存期間」ウィンドウが表示されます。
- メニューからプロパティー名を選択します。
- リストから演算子を選択します。
- プロパティー値を指定します。入力する値は、プロパティーによって異なります。
- 保存期間の開始日として「保存ベース」を選択します。
- 「保存期間」を年、月、および日で指定します。ここで指定する値が IBM Enterprise
Records により「保存ベース」に追加されます。最終的な日付に、フェーズ・アクションが IBM Enterprise
Records によりエンティティーに適用されます。
- 「承認」をクリックして代替保存期間を現在のスケジュールに追加し、「フェーズ・プロパティー」ウィンドウに戻ります。
- 条件ごとに代替保存期間を追加するには、「追加」をクリックします。すべてのフィールドには前の代替保存期間のデータが IBM Enterprise
Records により入力されているので、必要なフィールドを変更します。必要な場合、代替保存期間の「削除」チェック・ボックスを選択し、「適用」をクリックしてその条件を削除します。
- 「承認」をクリックしてフェーズを終了します。スケジュールのフェーズ・リストにフェーズとその詳細が IBM Enterprise
Records により追加されます。
- フェーズをさらに追加するには、「追加」をクリックします。それ以外の場合は、「終了」をクリックして廃棄スケジュールを完了します。