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ドキュメントをパブリッシュすると、元ドキュメントと別の、表示対象者、プロパティー、コンテナーの場所、特定のファイル形式および表示形式 (元のソース・ドキュメントと異なる場合と異ならない場合があります) を定義できます。パブリッシング・オブジェクトは Content Engine API によって開示されます。
パブリッシュ・スタイル・テンプレート
パブリッシュ・スタイル・テンプレートは、特定の種類の変換用のテンプレートとして機能し、特定のオブジェクト・ストアの特定の変換エンジン に関連付けられます。パブリッシュ・スタイル・テンプレートは、変換エンジンが単にソース・ドキュメントを変換せずにコピーするのではなく、ソース・ドキュメントを別の形式にどのように変換するかを記述します。(変換エンジンには、複数のスタイル・テンプレートを関連付けることができます。) スタイル・テンプレート内には、その変換エンジンにとって意味のあるあらゆる情報を含めることができます。例えば、スタイル・テンプレートに、そのスタイル・テンプレートで実行する変換の XML ベースの記述を含めることができます。また、スタイル・テンプレートは、そのスタイル・テンプレートでサポートされる入力フォーマット (MIME タイプ) のリストと、そのスタイル・テンプレートの適用時に生成される出力フォーマット (MIME タイプ) も指定します。
スタイル・テンプレートは、管理アプリケーション (Publishing Style Template Manager など) または Content Engine API のいずれかを使用して作成します。
スタイル・テンプレートに関する情報を提供する PublishStyleTemplate オブジェクトのプロパティーを設定し、取得することができます。例えば、あるプロパティーは、変換可能な有効なソース・ドキュメントの MIME タイプ (InputFormats プロパティー) と、作成されるドキュメントの MIME タイプ (OutputFormat プロパティー) を指定します。スタイル・テンプレートの ProviderID プロパティーは、変換エンジンを指定し、TransformationOptions プロパティーにはドキュメントの処理に関する変換エンジン固有の指示が含まれます。
パブリッシュ・テンプレート
パブリッシュ・テンプレートは、パブリッシング要求オプションの選択の自動化に使用するテンプレート情報が含まれるドキュメントです。こうしたオプションには、使用するオプションのスタイル・テンプレートや、宛先ドキュメントに適用するプロパティーとセキュリティーが含まれます。パブリッシュ・テンプレートでは、ドキュメントの再パブリッシングに関する指示 (既存の宛先ドキュメントをバージョン管理するか、置き換えるか、など) も指定します。パブリッシュ・テンプレートは Publishing Designer アプリケーションで作成します。
また、パブリッシュ・テンプレートで依存関係も指定できます。すなわち、パブリッシュ・ドキュメントはソース・ドキュメントに依存することができます。この依存関係によってカスケード削除操作が制御され、ソース・ドキュメントが削除されると自動的にパブリッシュ・ドキュメントも削除されます。(依存関係を指定する XML タグは <issourcedependent> であり、値 true または false を指定します。) コード・サンプルについては、「PublishTemplate オブジェクトの作成」を参照してください。
テンプレート情報は XML ドキュメントであり、PublishTemplate オブジェクトのコンテンツを表します。PublishTemplate クラスのバージョン管理が有効となっているため、XML コンテンツもバージョン管理されます。また、PublishTemplate は Document クラスを拡張するため、ユーザーはドキュメントを操作するのと同じようにパブリッシュ・テンプレートを操作できます (パブリッシュ・テンプレートのチェックアウト、コンテンツの設定、再チェックイン、フォルダーへのファイリング、削除など)。
パブリッシュ要求
PublishRequest オブジェクトは、ドキュメントのパブリッシュ要求を表し、Document オブジェクトの publish または republish メソッドを呼び出すときに作成されます。PublishRequest オブジェクトの InputDocument プロパティーは、パブリッシュする特定のドキュメントのバージョンを参照します。また、PublicationDocument プロパティーは、再パブリッシュの場合に既存のパブリッシュ・ドキュメントを参照できます。(要件としては、InputDocument プロパティーで示されたのと同じバージョン・シリーズ内のソース・ドキュメントからこのドキュメントをパブリッシュする必要があります。)
パブリッシュ操作で使用するパブリッシュ・テンプレートでのオプションの構成方法に応じて、既存のパブリッシュ・ドキュメントをバージョン管理して、新規ドキュメント・バージョンを作成することも、新規バージョン・シリーズ内に独立したパブリッシュ・ドキュメントを作成することもできます。どちらの場合も、パブリッシュ・テンプレートに構成されているオプションに応じて、パブリッシュ操作の最後に既存のパブリッシュ・ドキュメント・バージョンを削除できます。PublishRequest オブジェクトの PublishTemplate プロパティーは、使用されるパブリッシュ・テンプレートを追跡します。
パブリッシュ・テンプレートにオプションのパブリッシュ・スタイル・テンプレート (オプション) がある場合、PublishRequest オブジェクトは Content Engine サーバーに永続化され、PublishRequest オブジェクトの PublishStyleTemplate プロパティーが設定されます。パブリッシュ・スタイル・テンプレートを指定しない場合、変換エンジンは指定されないため、変換は行われません。 このとき、PublishRequest オブジェクトは、完了した状況を反映し、永続化された要求は表しません。
パブリッシュ操作中にターゲット・ドキュメントが作成され、これが最終的にパブリッシュ・ドキュメントになります。
PublishRequest オブジェクトの OutputFolder プロパティーは、宛先ドキュメントを格納するフォルダーを指定します。既存の外部の場所にパブリッシュする場合、その場所は宛先ドキュメント内で外部コンテンツ参照エレメントとして参照され、宛先ドキュメントは指定した出力フォルダーにファイリングされます。
PublishRequest オブジェクトの状態に関する情報を取得するには、そのプロパティーの照会を行います。PublishingStatus プロパティーは、パブリッシュ要求が inQueue、inWork、inError、Complete、または Deleting のどの状態かを示します。パブリッシュ要求が inError 状態である場合、ErrorCode および ErrorDescription プロパティーでエラー状態に関する情報を調べることができます。PublishRequest オブジェクトの各プロパティーの詳細については、「PublishRequest Properties」を参照してください。