IBM FileNet P8, バージョン 5.2.1            

選択リスト

選択リストは、事前定義された選択肢のリストを格納します。このリストが設定可能なプロパティーに関連付けられると、プロパティーに保持できる値の個別のセットが提供されます。プロパティーを選択リストに関連付けることにより、プロパティー値に制約を適用して、ユーザー入力を簡潔にし、入力エラーを防ぐことができます。

選択リストの各選択肢は、それを識別するローカライズ可能な表示名と選択値で構成されています。ある Content Platform Engine のインストール済み環境で使用するデータベースが大文字と小文字を区別する場合、選択リスト内の選択値の表示名も大文字と小文字を区別します。選択値は、プロパティーに割り当てることができる単一の整数または文字列値を保持できます。また、グループ・ノードとして動作して、選択リストを保持することもできるため、関連する選択値をネスト・グループに編成できます。選択肢は 4 つの型の値を表すことができます。すなわち、単一の整数値、単一の文字列値、整数型の選択肢のリストのグループ・ノード、文字列型の選択肢のリストのグループ・ノードです。

選択リストには整数と文字列 の 2 つの型があります。選択リスト内の各選択肢は、整数または文字列のいずれか同じデータ型である必要があり、これは、選択リストの型に一致する必要があります。整数型の選択リストには整数型の選択肢のみが含まれ、文字列型の選択リストには文字列型の選択肢のみが含まれる必要があります。さらに、グループ・ノードとして機能する選択リスト内の選択肢が正しい選択型であり (整数型選択リストの場合は MIDNODE_INTEGER、文字列型選択リストの場合は MIDNODE_STRING)、同じ選択型の選択肢のリストを参照する必要もあります。例えば、整数型選択リストでは、各選択肢の ChoiceType プロパティーの値が INTEGER (単一の選択値を表す場合) または MIDNODE_INTEGER である必要があります (グループ・ノードとして機能する場合。この場合は、ChoiceType プロパティーの値が INTEGER または MIDNODE_INTEGER の選択肢値のリストを参照する必要があります)。

選択リストをプロパティーに関連付けるには、リストのプロパティー定義を使用してプロパティーに直接割り当てるか、プロパティー・テンプレートに割り当てることができます。選択リストがプロパティー・テンプレートに割り当てられた後に、そのプロパティー・テンプレートから派生したすべてのプロパティーがその選択リストに自動的に関連付けられるため、複数のプロパティーで単一の選択リストを使用できます。選択リストを関連付けることができるのは、同じデータ型のプロパティー定義またはプロパティー・テンプレートのみです。すなわち、整数型の選択リストには PropertyDefinitionInteger オブジェクトか PropertyTemplateInteger オブジェクトのみを関連付けることができ、文字列型の選択リストには PropertyDefinitionString オブジェクトか PropertyTemplateString オブジェクトのみを関連付けることができます。

階層型の選択リストは、1 つ以上の選択肢がグループ・ノードを指定するもので、ネストされた選択のリストを格納します。このネスト・グループ内の各選択肢も、ネストされた選択のリストのグループ・ノードを指定でき、それ以降も同様です。階層型の選択リストを使用すると、カテゴリーに従って選択肢を編成できます。例えば、各選択肢が国名を表し、これらの選択肢がそれぞれ、その国の市町村名を表す選択肢を含むネストされた選択のリストを格納する選択リストを想定してください。

選択リスト・オブジェクト

選択リストの機能は、主に、次の 3 種類のオブジェクトを通じて提供されます (ChoiceList という名前のオブジェクトは 2 つあり、別々の 2 つのパッケージに含まれていることに注意してください)。

  • com.filenet.api.admin.ChoiceList: オブジェクト・ストア内の単一の選択リストを表す、独立かつ永続化可能なオブジェクト。各 ChoiceList オブジェクトは、Choice オブジェクトの com.filenet.api.collection.ChoiceList リスト・コレクションを指定します。
  • com.filenet.api.collection.ChoiceList: Choice オブジェクトの単純なリスト・コレクション。これは、com.filenet.api.admin.ChoiceList オブジェクトまたは Choice オブジェクトの ChoiceValues プロパティーによって返されます。
  • Choice: 選択リスト内の個々の選択肢を表す、依存かつ永続化可能なオブジェクト。1 つの Choice オブジェクトは、指定可能である整数値または文字列値を 1 つのみ保持することも、ネストされた選択のリストを保持することもできます。後者の場合、Choice オブジェクトは、選択リスト内の選択肢の com.filenet.api.collection.ChoiceList リスト・コレクションを定義します。Choice オブジェクトは依存かつ永続化可能であるため、そのステータスは、それが属する独立かつ永続化可能な ChoiceList オブジェクトが保存されるまでは保存されません。

選択リスト関連オブジェクトの作成および使用方法を示すコード例については、選択リストの操作を参照してください。



最終更新日: 2015 年 10 月
choicelist_concepts.htm

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