ソーシャル・コラボレーション
Social Collaboration Base Extensions アドオンは以下のクラスを提供します。
ドキュメント・コメント
コメントは、ユーザーが作成できるオブジェクトであり、ClbDocumentComment クラスによって表されます。コメントは、標準ファクトリー・メソッドを使用して作成されます。
バージョン・シリーズ内の各バージョンに対して複数のコメント・オブジェクトを作成できます。同じユーザーがバージョン・シリーズ内の 1 つのバージョンに複数のコメントを関連付けることができます。関連付けられているバージョン・シリーズが削除されると、すべてのコメント・オブジェクトが削除されます。
AccessRight.VIEW-CONTENT 権限を持つユーザーは、Document オブジェクト上でコメントを作成できます。コメント・オブジェクトは、ClbSummaryData オブジェクトを通じて、ドキュメントからセキュリティーを継承します。ClbSummaryData からのセキュリティーの継承は、ClbSecuringVersion プロパティーからのフローです。
コメントを削除できるのは、そのコメントを作成したユーザーか、ドキュメントが属しているチーム・スペースでの AccessRight.DELETE 権限を持つユーザーのみです。
推奨
推奨は、ユーザーが作成できるオブジェクトであり、ClbRecommendation クラスによって表されます。推奨は、標準ファクトリー・メソッドを使用して作成されます。
各ユーザーがバージョン・シリーズ上で 1 つの推奨オブジェクトを作成できます。関連付けられているバージョン・シリーズが削除されると、すべての推奨オブジェクトが削除されます。
AccessRight.VIEW-CONTENT 権限を持つユーザーは、Document オブジェクト上で推奨を作成できます。推奨は、個別に保護可能なオブジェクトですが、ClbSummaryData オブジェクトを通じて、推奨された Document オブジェクトからもセキュリティーを継承します。ClbSummaryData からのセキュリティーの継承は、ClbSecuringVersion プロパティーからのフローです。
推奨を削除できるのは、その推奨を作成したユーザーか、ドキュメントが属しているチーム・スペースでの AccessRight.DELETE 権限を持つユーザーのみです。
ダウンロード・レコード
ダウンロード・レコードは、ClbDownloadRecord クラスによって表されます。認証済みユーザーがバージョン・シリーズ内のドキュメントを最初にダウンロードするときに、サーバーでダウンロード・レコード・オブジェクトが生成されます。 同じユーザーがその後でダウンロードするときには、そのダウンロード・レコード・オブジェクトが更新されます。ダウンロード・レコードをアプリケーションによって作成、変更、削除することはできません。
ダウンロード・レコード・オブジェクトは、ClbSummaryData オブジェクトを通じて、Document オブジェクトからセキュリティーを継承します。ClbSummaryData からのセキュリティーの継承は、ClbSecuringVersion プロパティーからのフローです。
サーバーは、ドキュメント・ダウンロードに対して以下のように応答します。
- ドキュメントのバージョンをダウンロードする認証済みユーザーごとに、1 つのダウンロード・レコード・インスタンスを作成します。
- 認証済みユーザーまたは匿名ユーザーによるダウンロードごとに、関連付けられている ClbSummaryData オブジェクトでのダウンロード・カウントを増やします。ClbSummaryData クラスには 2 つの別個のカウンター・プロパティーがあることに注意してください。1 つは認証済みユーザーによるダウンロード用、もう 1 つは匿名ユーザーによるダウンロード用です。
- 認証済みユーザーのダウンロード・レコードでは、ドキュメントの最も高いメジャーおよびマイナー・バージョン、およびそのバージョンがダウンロードされた時刻を記録します。
- 匿名ユーザーの場合は、単にダウンロードをカウントします。サーバーは、匿名ユーザー用のダウンロード・レコード・オブジェクトを生成しません。
- ClbCollaborationConfiguration オブジェクト内で設定されたセキュリティー認証情報に基づいて、ダウンロード・レコードの生成を抑止します。
- 関連付けられているドキュメント・バージョン・シリーズの存続時間に基づいて、ダウンロード・レコードの存続時間を制御します。ドキュメント・バージョン・シリーズが削除されると、すべての子ダウンロード・オブジェクトも削除されます。
要約データ
要約データ・オブジェクトは ClbSummaryData クラスによって表されます。 要約データ・オブジェクトは、ソーシャル・コラボレーション・アクションが呼び出されるときに、サーバーによって作成されます。このオブジェクトは、ドキュメント・バージョン・シリーズに関連付けられていて、その内部には、そのバージョン・シリーズに関連付けられているすべてのソーシャル・コラボレーション・オブジェクトの列挙とカウンターが含まれています。アプリケーションが要約データ・オブジェクトを作成、削除、変更することはできません。
要約データ・オブジェクトの作成をトリガーするアクションは、以下のとおりです。
- ユーザーがドキュメントをダウンロードします。
- ユーザーがドキュメントを推奨します。
- ユーザーがドキュメントにタグを付けます。
- ユーザーがドキュメントにコメントを付けます。
- ユーザーがチーム・スペース内でドキュメントをファイリングします。
要約データ・オブジェクトは、ClbSecuringVersion プロパティーからセキュリティーを継承します。サーバーは、このプロパティーを更新して、プロパティーが常にドキュメントのリリース済みバージョン (リリース済みバージョンを使用できない場合は現在のバージョン) に設定されるようにします。
要約データ・オブジェクトは、それに関連付けられているドキュメントのすべてのバージョンが削除されると、削除されます。要約データ・オブジェクトが削除されると、ドキュメントに関連付けられているすべてのダウンロード・レコード、タグ、推奨、およびコメントがカスケード削除されます。
コラボレーション構成
コラボレーション構成オブジェクトは、ClbCollaborationConfiguration クラスによって表されます。 このオブジェクトはダウンロードの記録操作を制御します。
コラボレーション構成オブジェクトは、Social Collaboration Base Extensions アドオンがオブジェクト・ストア内にインポートされるときにサーバーによって作成されます。インポートされたインスタンスには固定オブジェクト ID が付けられ、インスタンスの取得はその固定オブジェクト ID を使用して行われます。サーバーによって生成されたインスタンスは削除しないでください。
コラボレーション構成オブジェクトは、管理のための使用のみを目的としています。通常、このオブジェクトへのアクセスは、カスタム・アプリケーションではなく、IBM® Administration Console for Content Platform Engine によって行われます。
タグ
タグは、ユーザーが作成できるオブジェクトであり、ClbTag クラスによって表されます。タグは、標準ファクトリー・メソッドを使用して作成されます。
バージョン・シリーズ内の各バージョンに対して 1 つのタグ・オブジェクトを作成できます。同じユーザーがバージョン・シリーズ内の 1 つのバージョンに複数のタグを関連付けることはできません。関連付けられているバージョン・シリーズが削除されると、すべてのタグ・オブジェクトが削除されます。
ドキュメントのタグを作成するには、ユーザーは、そのドキュメントに対する AccessRight.WRITE 権限を持っている必要があります。
タグを作成したユーザーは、そのタグを削除できます。別のユーザーによって作成されたタグを削除するには、ユーザーは、リリース済みドキュメント・バージョン (リリース済みバージョンを使用できない場合は現在のバージョン) に対する AccessRight.DELETE 権限と AccessRight.WRITE 権限を両方とも持っている必要があります。
タグ・オブジェクトは、個別に保護可能なオブジェクトで、タグ付けされた Document オブジェクトから ClbSummaryData オブジェクトを通じてセキュリティーを継承します。ClbSummaryData からのセキュリティーの継承は、ClbSecuringVersion プロパティーからのフローです。チーム・スペース内のドキュメントのセキュリティーは、チーム・スペース自体とは異なることがあります。そのため、ドキュメントまたはタグに対する表示権限を持っているチーム・スペース・メンバーがいない可能性もあります。