IBM FileNet P8, バージョン 5.2.1            

サムネイル

Content Engine API は、ドキュメントのサムネイルの保管、生成、および管理をサポートします。サムネイルは、コンテンツ・エレメントの最初のページの小さなビットマップ・イメージです。サムネイルにより、ユーザーは、ドキュメントをダウンロードまたはチェックアウトする前に素早くコンテンツを確認できます。コードの例については、「サムネイルの操作」を参照してください。

Content Engine には、サムネイル・イメージを自動的に表示するためのサムネイル生成サービスが組み込まれています。サムネイルは、ユーザーが生成することもできます。つまり、イメージは、サード・パーティー・アプリケーションによって生成されることはできますが、Content Engine で保持されます。

重要: Content Engine でのサムネイル生成には Thumbnail Extension Addon が必要です。ユーザーによって生成されるサムネイルを保持するためには、このアドオンは必要ありません。

サムネイル要求の処理

Content Engine のサムネイル生成サービスは、ドキュメントのコンテンツ・エレメントからサムネイル・イメージを表示します。アノテーションのサムネイルを生成することはできません。サムネイルを自動的に生成するプロセスは、サムネイル要求で始まります。要求が作成される方法は、実装する自動生成オプションによって異なります。

要求は、CmThumbnailRequest オブジェクトによって表され、ThumbnailRequest キュー・テーブルに入れられます。このオブジェクトは、サムネイル生成のために送信されるドキュメント・バージョン内の単一のコンテンツ・エレメントを参照します。

キュー・スイープ・ジョブが ThumbnailRequest キュー・テーブルを処理し、ドキュメントのコンテンツ・エレメントをサムネイル生成サービスに渡します。キュー・スイープ・ジョブは、フォーマットやサイズなどのサムネイル属性を制御する CmThumbnailRequestSweep オブジェクトによって表されます。CmThumbnailRequestSweep インスタンスが Thumbnail Extensions アドオンによって作成されます。このクラスのインスタンスをそれ以上作成することはできません。

サムネイル生成サービスがサムネイル・イメージを正常に表示すると、CmThumbnail オブジェクトが作成されます。このオブジェクトは、サムネイル・イメージを収容して、生成されたイメージのソース・ドキュメントとコンテンツ・エレメントを参照します。1 つのドキュメントに、そのドキュメントの CmThumbnails プロパティーによって参照される複数のサムネイルを設定することができます。

システムは、正常に完了したサムネイル要求を ThumbnailRequest キュー・テーブルから削除し、システムが要求を処理できない例外や、管理者が修正できない例外も削除します。要求が失敗して、管理者が修正できる場合は、構成可能な回数まで自動的に再試行されます。再試行が失敗する場合、要求はキュー・テーブル内に残されます。CmThumbnailRequest オブジェクトが失敗の情報を提示して、管理者が失敗した要求の再試行を手動で再開できるようにします。

自動生成オプション

サムネイルは、次のようにして、Content Engine のサムネイル生成サービスによって自動的に生成できます。

  • イベント・ベースの生成。新規ドキュメントのサムネイルを自動的に生成するクラス・サブスクリプション・メカニズム。クラスのサブスクリプションは、CmThumbnailGenerationSubscription であり、Document のターゲット・クラスまたはサブクラスを持ちます。管理者は、CmThumbnailGenerationSubscription オブジェクトを作成して、SubscribedEvents プロパティーを CheckinEvent に設定し、EventAction プロパティーを Thumbnail Extensions AddOn によって作成されるイベント・ハンドラーに設定して、必要な場合は FilterExpression プロパティーを追加のフィルター基準に設定します。該当するドキュメントがチェックインされると、イベント・ハンドラーは、CmThumbnailRequest オブジェクトを作成して ThumbnailRequest キュー・テーブルに挿入します。

    イベント・ベースの生成は、ドキュメントに複数のコンテンツ・エレメントが設定されている場合は最初のコンテンツ・エレメントにのみ適用されます。

  • スイープ・ベースの生成。既存のドキュメントのサムネイルを自動的に生成するドキュメント照会メカニズム。FilterExpression プロパティーで設定されているフィルター基準に基づいて、永続化された Document インスタンスの一回限りのスイープを実行するために、CmThumbnailGenerationJob クラスが用意されています。基準と一致するドキュメントの場合、CmThumbnailGenerationJob オブジェクトは CmThumbnailRequest オブジェクトを作成して ThumbnailRequest キュー・テーブルに挿入します。

    CmThumbnailGenerationJob オブジェクトはバックグラウンド・スレッドとして実行されます。タイム・スロットを指定して 1 つ以上の CmThumbnailGenerationJob オブジェクトを構成し、各ジョブの開始時と実行時間の長さを指定できます。 ジョブが FilterExpression 基準と一致するすべての Document インスタンスを処理した後、ジョブは終了します。既存のサムネイルのフォーマットまたはサイズを変更するか、前回のスイープで対象にされなかった新規セットのドキュメントを処理するために、通常は追加のスイープ・ジョブが実行されます。

    CmThumbnailGenerationJob オブジェクトには、失敗結果レコードを生成できるようにして、それらを取得するためのプロパティーが含まれています。それぞれの失敗結果レコードは、失敗が発生したスイープ済みオブジェクトを識別して、失敗の理由を記述します。詳細については、CmSweepResult を参照してください。

    スイープ・ベースの生成は、ドキュメントに複数のコンテンツ・エレメントが設定されている場合は最初のコンテンツ・エレメントにのみ適用されます。

  • アドホック生成。ドキュメント・バージョンの任意のコンテンツ・エレメントのサムネイルを生成するための直接的なユーザー要求をサポートします。指定されたコンテンツ・エレメントのサムネイルを生成するためのユーザーからの要求後に、クライアント・アプリケーションは、フィルターを行わずに CmThumbnailRequest オブジェクトを作成して保存します。サーバーは、そのオブジェクトを ThumbnailRequest キュー・テーブルに挿入します。

    イベント・ベースまたはスイープ・ベースの生成とは異なり、アドホック方式は、最初のコンテンツ・エレメントだけのサムネイル生成に制限されません。例えば、ユーザーは、2 つのコンテンツ・エレメントを含むドキュメント・バージョンの 2 つのサムネイルを要求でき、結果として、同じ入力ドキュメントの 2 つの CmThumbnailRequest オブジェクトが作成されます。

ユーザー生成オプション

Content Engine サービスがサムネイル・イメージをレンダリングする自動生成オプションとは異なり、ユーザー生成オプションは、サード・パーティー・アプリケーションによって生成されたイメージを使用するサムネイルの永続性をサポートします。このシナリオでは、クライアント・アプリケーションは、直接的に CmThumbnail オブジェクトを作成し、そのオブジェクトに対して外部で生成されたサムネール・イメージを設定します。



最終更新日: 2015 年 10 月
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