IBM FileNet P8, バージョン 5.2.1            

カスタム・オブジェクト

カスタム・オブジェクトは、CustomObject オブジェクトによって表される汎用オブジェクトです。このオブジェクトはサブクラス化可能で、個別に保護可能であり、オブジェクト・ストアで永続化可能です。

CustomObject クラスには、最小限のプロパティー・セットが用意されています。基本的に、サブクラス化が可能でカスタム・プロパティーを追加できる、単純でカスタマイズ可能なクラスとして存在します。Document オブジェクトとは異なり、CustomObject オブジェクトはコンテンツを格納せず、バージョン管理できず、ライフ・サイクル機能をサポートしていません。コンテンツの格納やバージョン管理を行う必要がなく、プロパティーの格納のみを行うためのオブジェクトが必要な場合は、コンテンツのない Document オブジェクトよりも CustomObject オブジェクトの方が適しています。その方が、プロパティーの数が少なく、使用するリソースの数も少ないためです。

カスタム・オブジェクトには次のような特性があります。

ヒント: CustomObject インスタンスの包含可能動作またはこれらのインスタンスを全文検索用に索引付けする機能が不要の場合は、CmAbstractPersistable カスタム・ルート・クラスを代わりに使用することを考慮してください。カスタム・ルート・クラスのインスタンスのパフォーマンスとスケーラビリティーは、CustomObject インスタンスより優れています。『カスタム・ルート・クラス』を参照してください。

カスタム・オブジェクトの作成方法と使用法を示すコード例については、カスタム・オブジェクトの操作を参照してください。

Name プロパティー

柔軟性を高めるため、( の大半のクラスとは異なり) CustomObject クラスには名前プロパティーとして指定された特定のシステム・プロパティーがありません。したがって、CustomObject クラスやそのサブクラスにカスタム名プロパティーを追加しない限り、CustomObject オブジェクトの Name プロパティーのデフォルト値は、ID プロパティーの値に設定されます。

CustomObject クラスまたはそのいずれかのサブクラスのカスタム名プロパティーを作成するには、次の手順で操作します。

  1. 特定のカスタム・オブジェクト・クラスを定義するクラス定義に、カスタム・文字列値プロパティーを追加します。
  2. カスタム・プロパティーのプロパティー定義 (PropertyDefinitionString オブジェクト) の IsNameProperty プロパティーを true に設定します。

新しい CustomObject オブジェクトのインスタンスを作成し、そのカスタム名プロパティーの値を設定すると、CustomObject オブジェクトの Name プロパティーが、ID プロパティーではなく自動的にカスタム名プロパティーの値に設定されます。



最終更新日: 2015 年 10 月
customobject_concepts.htm

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