このセクションでは、浮動小数点数値または整数値に適用される関数について簡単に説明します。
関数 | 動作 |
---|---|
abs | 数値関数の絶対値を返します。 |
bitor、bitand、bitnot | ビットのブール操作を提供します。 |
convert | 数値を別のデータ型に変換する、または別のデータ型を数値に変換します。 |
err_encode | 3 パートから成る FileNet® P8 エラー要素を 1 パートの整数に変換します。 |
int | 小数点以下をすべて切り捨てて、数式の整数値を返します。 |
max | サポートされるデータ型の式のリストから最大値を返します。 |
min | サポートされるデータ型の式のリストから最小値を返します。 |
mod | 除算後の剰余を返します (モジュロ関数)。 |
numbertostring | 指定されたマスクを使用して、数式を文字列式に変換します。 |
random | 指定された範囲の乱整数を返します。 |
sizeof | 配列のサイズを返します。 |
abs (num_expr)
ここで、num_exp は、結果が整数型または浮動小数点型である式です。 次に例を示します。abs (SalePrice - PurchasePrice)
ビットのブール操作を提供します。これらの関数を使用して、設定のマスキングやビットの抽出など、多くのタスクを実行します。これらの各関数は、同時に最大 32 個のアイテムのブール演算を実行できます。
bitand、bitor、bitnot は、それぞれ C プログラミング言語の論理積 (&)、論理和 (|)、論理否定 (~) に対応します。C 言語をよく知らない場合は、数値をバイナリー値と考えてください (例えば、123 は 1111011 になります)。
bitand (expr1, expr2)
bitor (expr1, expr2)
bitnot (expr)
ここで、expr1 と expr2 は 32 ビットの整数です。bitand
(00000000000000000000000001111011,
00000000000000000000000011110000)
結果は、次のようになります。
00000000000000000000000001110000
bitor
(00000000000000000000000001111011,
00000000000000000000000011110000)
結果は、次のようになります。
00000000000000000000000011111011
bitnot 関数は整数を「論理否定」します。 このビットごとの分析の結果は、新しい整数への出力になります。新しい整数の各位置には逆のビット値が入ります。例えば、入力整数の所定の位置に 1 が入っている場合、新しい整数の同じ位置には 0 が入ります。
bitnot
(00000000000000000000000001111011
結果は、次のようになります。
11111111111111111111111110000100
この関数は、小数点以下をすべて切り捨てることで浮動小数点数式の整数値を計算します。例えば、浮動小数点数値 6.2 と 6.8 は整数値 6 に変換されます。数値の符号は変更されません。
int (num_expr)
ここで、num_expr は、結果が浮動小数点型である式です。 次に例を示します。int (365 / 7)
この関数は、除算後の剰余を返します (モジュロ関数)。値を 0 (ゼロ) で除算しようとすると、ランタイム・エラーが発生します。
mod (num1, num2)
ここで、num1 と num2 は浮動小数点型または整数型の変数です。負の値を入れることもできます。mod (NumberOfDays, 7)
num2 > 0 の場合は、次のようになります。
0 <= mod (num1, num2) < num2
num2 < 0 の場合は、次のようになります。
num2 < mod (num1, num2) <= 0
アプリケーションによっては、ランダム・サンプリングを実行する手段として、乱整数を生成する方法が必要です。この関数は、指定された範囲の乱整数を返します。範囲を決定するには整数をパラメーターとして指定する必要があります。
random (num)
ここで、num は 2 から 32768 (2 と 32768 を含む) の整数です。範囲は 0 から num - 1 です。この例で、num が 23 の場合、乱整数の範囲は 0 から 22 になります。この関数は、3 パートから成る FileNet P8 エラー要素を整数値に変換します。この整数値は、WorkFlo Application Libraries (WAL) 項目ポイント呼び出しから返された結果コードと比較できます。WAL は、通常の処理で例外条件が発生した場合 (単純なデータ処理でのファイルの終わりなど)、またはエラーが発生した場合に結果コードを返します。
err_encode の主な使い方は、WAL を呼び出す演算から返された結果に基づいて、ワーク・アイテムの後続の処理を決めることです。一般に、このような演算の後にはブランチ・システム・インストラクションが続きます。ブランチが実行されると、ワーク・アイテムは、直前の演算から返された結果コードによって決まる処理パスにしたがいます。例えば、ブランチ定義で err_code 関数を使用することで、ワーク・アイテムが <return code> = err_encode (80, 0, 2) の場合と <return code> = err_encode (80, 0, 5) の場合に従う処理パスを分けることができます。
err_encode (mod_num, func_num, err_num)
ここでパラメーター | 説明 |
---|---|
mod_num | 結果コードの 1 つ目のパートです。このパートは、エラーの発生源であるサービス、ライブラリー、またはアプリケーションを示す整数式 (0 から 255 の範囲) です。 |
func_num | 結果コードの 2 つ目のパートです。 このパートは、エラーの発生源である関数またはモジュール、またはエラーが属するカテゴリーを示す整数式 (0 から 255 の範囲) です。 |
err_num | 結果コードの 3 つ目のパートです。 このパートは、エラー番号を示す整数式 (0 から 65535 の範囲) です。 |