BPMN (ビジネス・プロセス用の標準形状を使用したグラフィカルな表記法) と XPDL へのマッピングをサポートするダイアグラミング・ツールによって、ビジネス・ユーザーはプロセスを実装する開発者に対して、拡張プロセス・モデリング・アプリケーション (例えば、Process Designer など) を用いることで、プロセスのマッピングを受け渡すことができるようになります。
XML for Process Definition Language (XPDL) は、ツール間でプロセス・モデルを交換する場合に使用できる、標準化された XML ファイル形式を提供します。この直接的な受け渡しによって、プロセス・モデリング・アプリケーションを使用してステップとルートを再作成するといった、多大な時間を要する作業が軽減されます。
ダイアグラミング・ツールの中には、プロセス内のさまざまなステップにデータを関連付けたプロセス・ダイアグラムを作成するものもありますが、実行可能な自動化プロセスに必要な、すべての処理ロジックを実装するようには設計されていません。ワークフローの作成者は、こうしたダイアグラムを Process Designer で開く際、各ステップに適切な参加者やキュー、ルートに条件、適切なシステム関数、他のアイテムを指定して、実行可能なワークフロー定義を作成する必要があります。
BPMN 標準では、一連のグラフィカル・エレメントを提供します。これらのグラフィカル・エレメントを使用すれば、ビジネス・ユーザーは、他のユーザーと、直接または XPDL 形式で交換するための、理解しやすいダイアグラムを作成できます。高度なプロセス・モデリング・アプリケーションでは、エレメント・リストのサブセットがサポートされます。次の表では、標準の BPMN 形状を Process Designer のオブジェクトへマッピングする方法を示します。
XPDL 2.0 の仕様では、非常に柔軟にプロセスが表現されます。Process Designer は、XPDL 2.0 形式のプロセス・マップを開き、表示し、保存できますが、BPMN アプリケーションの XPDL ドキュメントは完全に表現できない場合があります。次の表で「マッピングされない」と記されたアイテムは、Process Designer では表示されません。Process Designer でプロセス・マップを編集し、XPDL 形式で保存すると、次の表で「マップされない BPMN 構成体」と記されたアイテムは失われます。したがって、マップがオリジナルまたは別の BPMN アプリケーションで開かれると、外観とコンテンツの両方が変更されるかもしれません。
BPMN 形状 | BPMN エンティティー | Process Designer の場合 | 注 |
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開始 および数種類の他の開始エンティティー |
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XPDL ファイルに複数の開始エンティティーがある場合は、最初の開始エンティティーが Launch ステップ、または Start ステップへマッピングされ、残りの開始エンティティーはすべて General ステップまたは System ステップへマッピングされます。 |
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タスク | ![]() ![]() |
General ステップまたは System ステップ |
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サブプロセス (省略されている状態) | ![]() |
System ステップ Call (サブマップ) XPDL 標準ではサブプロセスが省略された状態の形状をアクティビティーとして定義しませんが、Process Designer では、このエンティティーを Call システム関数へマッピングします。 |
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サブプロセス (展開されている状態) | サブマップ | サブマップ |
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排他的決定 - マージ (XOR) | ![]() ![]() |
分岐タイプ OR または結合タイプ OR |
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包含的決定 - マージ (OR) | ![]() ![]() |
結合タイプ AND (分岐タイプへはマッピングされない) |
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並列 fork-join (AND) | ![]() ![]() |
分岐タイプ AND または結合タイプ AND |
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テキスト・アノテーション | ![]() |
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接続シーケンス ノーマル・フロー |
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条件なしルート |
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接続シーケンス 条件付きフロー |
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条件付きルート |
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接続シーケンス デフォルトのフロー |
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条件なしルート (ステップの最後のルートでなければならない) |
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接続の関連付け | ![]() |
テキスト・アノテーションの関連付け |
次の BPMN エンティティーは、さまざまなトリガー付きのイベントと結果のタイプを表し、Process Designer のオブジェクトに直接マッピングできません。XPDL ファイル内に含まれる場合には、次の表で示すようにマッピングされます。
BPMN 形状 | BPMN エンティティー | Process Designer の場合 | 注 |
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各種の中間イベント | ![]() ![]() |
General ステップまたは System ステップ |
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各種の終了イベント | ![]() ![]() |
これらは General ステップまたは System ステップへマッピングされます。 BPMN モデリング・アプリケーションの中には終了イベントを必要とするものもありますが、Process Designer では、対応するステップにマッピングされません。 |
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複合的決定によるマージおよびイベント・ベースの排他的交換 (XOR) | ![]() ![]() |
これらは General ステップまたは System ステップへマッピングされます。 分岐タイプまたは結合タイプへはマッピングされません。 |
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プールとスイムレーン | プールおよびスイムレーンの情報は、Process Designer の中に保存されていますが、マッピングはされません。 |
次の BPMN エンティティーは、オブジェクトにはマッピングされません。
BPMN 形状 | BPMN エンティティー |
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各種のタスク・エンティティー |
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成果物のデータ・オブジェクト |
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各種のサブプロセス・エンティティー |
テスト | オフページ・コネクター |
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グループおよびトランザクション・エンティティー |