IBM FileNet P8, バージョン 5.2.1            

Component Integrator ベースのワーク・パフォーマーの開発

Java™ または Java Message Service (JMS) コンポーネント・キューをベースにしたワーク・パフォーマーを作成することができます。いずれのタイプのワーク・パフォーマーの場合でも、何らかの準備作業が必要になります。

Component Integrator ベースのワーク・パフォーマーを開発するには、次の操作を実行します。

JMS コンポーネント・キューを作成する前に、JMS キューへのアクセスを設定します。

  1. Java Naming and Directory Interface (JNDI) InitialContextFactory 情報を見つけます。
  2. JMS 用のコンポーネント・キューを構成する前に、ワークフロー・メッセージを送信する JMS キューの名前を把握しておく必要があります。

Java コンポーネント・キューを作成する前に、カスタム Java クラスをデプロイします。

  1. Java クラスは、次の要件を満たす必要があります。
  2. (オプション) 以下の手順で、Java 認証・承認サービス (JAAS) 認証モジュール、および使用するクラス用のログイン構成ファイルを作成します。
    1. クラスがアクセスするシステム用の LoginModule クラスを作成します。LoginModule クラスの作成と使用については、JAAS ドキュメント (セキュリティー情報) を参照してください。
    2. カスタム Java クラスと対応する LoginModule クラスを保持する、JAR ファイルを作成します。
    3. アプリケーション・サーバーの管理ツールを使用して、LoginModule クラスを指定する LoginContext セクションを含む JAAS ログイン構成ファイルを構成します。

      認証および JAAS」を参照してください。

  3. カスタム・コンポーネントに必要なすべてのアイテムを含んだ JAR ファイルを格納するコード・モジュールを作成します。
  4. デプロイ済みのカスタム Java クラスまたは JMS キュー用のコンポーネント・キューを作成および構成します。1 つのクラスまたは JMS キューのみを、1 つのワークフロー・システム・コンポーネント・キューに関連付けることができます。ただし、追加のコンポーネント・キューに別の名前を割り当てることで、特定のクラスまたは JMS キュー用に複数のコンポーネント・キューを構成できます。コンポーネント・キューの作成については、コンポーネント・キューの作成を参照してください。
    • Java コンポーネント・キューを構成する場合:
      • キュー・オペレーションをデプロイ済みのカスタム Java コンポーネントのパブリック・メソッドに関連付けます。
      • 必要であれば Java クラス・メソッドの各パラメーターを、コンポーネント・キュー用に定義された対応するオペレーション・パラメーターに関連付けます。(この関連付けは、メソッドにパラメーターが指定されていない場合は該当しません。)
    • ポーリング・レートを指定する場合:

      ポーリング・レートは、実行可能なワークがある場合のデフォルトのポーリング・レートを示します。ポーリング・レート設定は、Component Manager がコンポーネント・キューでサービスを要求しているワーク・アイテムをポーリングするレートを決定します。このレートは、通常、数秒 (ミリ秒で指定) に設定されます。

    • バッチ・サイズを指定する場合:

      バッチ・サイズは、実行時に照会する、バッチあたりのステップ・エレメントの数を指定します。推奨される最小値は 10 です。

    • オペレーション・パラメーターのタイプを指定する場合:

      コンポーネント・メソッドに誤ったパラメーター・タイプをインポートしようとすると、インポートが失敗します。特定のタイプのマッピング情報については、「コンポーネントのオペレーション・パラメーターのタイプ」を参照してください。

    重要: 必ず変更内容をコミットしてください。
  5. ワークフローを作成します。Process Designer ツールを使用して、次の操作を実行します。
    1. 少なくとも 1 つの Java または JMS コンポーネントを含む、ワークフロー・ステップを追加します。これで、コンポーネント・キューのオペレーションがステップに関連付けられます。
    2. 各操作のパラメーター値を式として定義します。この式には、コンポーネント・キューから取得したワーク・アイテムのフィールド値を含めることができます。

      例については、「Content-Extended Operations の例」を参照してください。

    3. 統合されたコンポーネント・ステップを使用し、コンポーネントのオペレーションをテストするワークフローを起動します。

コンポーネント・キューの処理方法

Component Manager は、ワークフロー・システムと Java または JMS サービス・アダプター間の処理を管理します。サービス・アダプターが初期化されると、コンポーネントの認証が実行されます。

Java コンポーネント・キュー

ワーク・アイテムが Java コンポーネント・キューを使用するステップに渡されると、Java サービス・アダプターは次の操作を実行します。

  • Java コンポーネント・クラスをロードします。
  • Java コンポーネントに関連付けられているインターフェースを実行します。

    Java サービス・アダプターは、オペレーション・パラメーターの値をオペレーションに関連付けられているメソッドに渡します。オペレーション・パラメーターの値は、次の項目によって定義されます。

    • 関連するコンポーネント・キューの構成。
    • ワークフローに (Process Designer を使用して) 指定された式。式には、取得されたワーク・アイテムのフィールド値を含めることができます。
  • Java コンポーネントが Java コンポーネント・インターフェースを実行するのを待機してから、サービス・アダプターに応答します。
  • ワーク・アイテムのフィールド値を更新します。
  • ワーク・アイテムをディスパッチします。このディスパッチには、以下の操作が含まれます。
    1. 更新されたフィールド値を保存します。
    2. ワーク・アイテムを後続のステップにディスパッチすることで、ステップを完了します。詳細については、ステップの完了を参照してください。

JMS コンポーネント・キュー

ワーク・アイテムが JMS コンポーネント・キューを使用するステップに渡されると、JMS サービス・アダプターは次の操作を実行します。

  • オペレーション・パラメーターの値を設定します。これらの値は、次の項目によって定義されます。
    • 関連するコンポーネント・キューの構成。
    • ワークフローに (Process Designer を使用して) 指定された式。式には、取得されたワーク・アイテムのフィールド値を含めることができます。
  • オペレーション・パラメーターの値を stepElement オブジェクトに渡します。
  • 該当するステップの stepElement オブジェクトに対して Marshal を実行して、stepElement オブジェクトを表す XML 文字列に変換します。
    注: フォーマットされた XML 文字列エレメントによる JMS コンポーネント・ステップ値の表現方法については、「StepElement XML スキーマ定義」を参照してください。
  • stepElement オブジェクトを表す XML 文字列をサービス・アダプター用に構成されている外部 JMS キューに送信します。
  • ワーク・アイテムは更新されません。JMS コンポーネント・キュー処理の場合、ワーク・アイテムのフィールド値は読み取り専用で利用できます。
  • ワーク・アイテムを後続のステップにディスパッチすることで、ステップを完了します。詳細については、ステップの完了を参照してください。


最終更新日: 2016 年 3 月
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