レッスン 2: 設計モード入門
このレッスンでは、レッスン 1 で作成したダイアグラムを基に、基本的な自動車ローン申請ワークフローを作成します。ダイアグラム内の説明やその他の情報は、ビジネス・アナリストがワークフローを実装する際に役立ちます。
構成設定を保存するには、SysConfigG グループまたは SysAdminG グループのいずれかのメンバーである必要があります。また、Workplace および Workplace XT のコンテキストでは、設計モードまたは構成機能にアクセスするためのアクセス・ロール・メンバーシップが必要になることがあります。詳細については、『Process アプリケーションを使用するためのアクセス・ロール (Workplace および Workplace XT) (Access roles for using Process applications (Workplace and Workplace XT))』を参照してください。
- さまざまなステップのデータを指定する
- アクティビティー・タイプとして参加者またはキューを指定する
- ルーティング条件を追加する
- キューを構成する
自動車ローン申請のワークフローを実装するには
- Process Designer で、「設定」 > 「モード」 > 「設計」を選択します。
- 「ファイル」 > 「開く」をクリックし、CarLoanApplication.pep を指定します。
- データ・パラメーターと、このワークフローを処理する参加者を次のように考慮します。
- データ:
- クレジット情報をチェックするための申請者の名前と納税者番号
- ローン金額
- 頭金の金額
- アクティビティー・タイプ:
- この例では、架空の業務として、任意のクレジット担当者が一部のステップ (CheckCredit および VerifyIncome) を処理します。
- それ以外のステップは、特定の参加者が処理します。
このワークフローに必要なアイテムをすべて特定する必要はありません。これらのアイテムは手順の途中で作成できます。
- データ:
- 任意のユーザーが処理可能なステップについては、担当者が実際に処理を行うまでワークを保持しておくために、ワーク・キューを作成します。以下のステップは、ワーク・キューの作成方法を示しています。
- 「表示」メニューの「構成」をクリックします。
構成ウィンドウから、アイソレート・リージョン構成にアクセスできます。ここでは、キュー、ロスター、イベント・ログ、開示データ・フィールドなどのオプションを構成できます。アイソレート・リージョンとは、ワーク・アイテム、イベント・ログ、ロスター、およびその他の構成情報に関するキューを格納するワークフロー・データベースの論理的な下位区分です。また、転送されたすべてのワークフローと実行中のワーク・アイテムも格納されています。
- ツリーで、アイソレート・リージョンをクリックして、ワーク・キュー、コンポーネント・キュー、ユーザー・キューなどのアイテムを表示します。
- 「ワーク・キュー」をクリックし、既存のキューを表示します。
「ワーク・キュー」を右クリックし、「新規」をクリックします。
キュー名として「Credit」と入力します。「作成」をクリックします。
- 新しい Credit キューを右クリックして、「プロパティー」をクリックします。
「キュー・プロパティー」ウィンドウが開きます。このキューに対し、ワークフロー・タスクの検索とソートに使用する開示フィールドを定義します。開示フィールドは、複数のワークフロー間でフィールド定義を標準化するのにも役立ちます。
「データ・フィールド」タブを選択し、最初の空のフィールド名をダブルクリックして、次のフィールドを定義します。
フィールド名 フィールド・タイプ 長さ ApplicantName ストリング 25 TaxID ストリング 9 LoanAmount 整数 DownPayment 整数 開示フィールドの定義が完了したら、「OK」をクリックして「キュー・プロパティー」ウィンドウを閉じます。
- 「アクション」バーの「変更のコミット」をクリックし、構成変更を保存します。
- キューの作成が完了したら、「CarLoanApplication」タブをクリックし、ワークフロー・マップに戻ります。
- 「表示」メニューの「構成」をクリックします。
- 「アクション」メニューの「ワークフローのプロパティー」をクリックし、このワークフローで使用するデータ・フィールド、添付、ワークフロー・グループを構成します。
- 「一般」タブで、レッスン 1 で指定したこのワークフローの名前 CarLoanApplication を確認します。
このワークフローの件名 (CarLoan) を入力します。ワークフローの実行中には、参加者が選択できるように、ワーク・アイテムのリストにこの件名が表示されます。
- 「データ・フィールド」タブをクリックし、「開示データ・フィールド」をクリックして、このアイソレート・リージョンに開示されるデータ・フィールドを開示します。
作成したフィールドを選択し、「選択されたフィールド」列に移動します。このアクションにより、現在のワークフロー定義でこれらのフィールドが定義されます。「OK」をクリックして、選択されたデータ・フィールドを保存します。
- ステップを処理する特定のユーザーを割り当てることもできますが、ワークフロー・グループを使用して、必要に応じて実際のユーザーを容易に変更できるようにした方が便利です。 このレッスンでは、このワークフローの大半のステップで、処理担当者を自分にすることができます。
- 「ワークフロー・グループ」タブで、空の「名前」フィールド (F_Trackers の下) をダブルクリックし、「CreditClerks」と入力します。
- 「参加者」バーの「変更」をクリックして、CreditClerks ワークフロー・グループのメンバーとなるユーザーを選択します。「参加者の選択」ダイアログが表示されます。
- 「参加者の選択」ダイアログで、「ユーザー」を選択し、「開始文字列」フィールドにユーザー名の最初の数文字を入力して「検索」をクリックします。自分の名前をこのワークフロー・グループの「選択したユーザー」列に移動し、「OK」をクリックします。
- 同じ手順を使用して、承認者を追加し、自分自身を割り当てます。
- 「一般」タブで、レッスン 1 で指定したこのワークフローの名前 CarLoanApplication を確認します。
- マップで LaunchStep をクリックし、次の手順を実行して、このステップを構成します。LaunchStep の実行時には、起動ユーザーに対して、ワークフローに必要な初期データ値を入力する指示が表示されます。
- 「一般」タブの「プロパティー」ペインで、このワークフローを起動するユーザーに対する指示を入力します。このレッスンでは、ユーザーに、各自の名前、納税者番号、ローン金額、頭金の金額を入力し、自分自身をこのワークフローのトラッカーとして指定するように指示します。
- このステップで使用できるようにするデータ・フィールドを指定します。
リストから、ApplicantName、DownPayment、LoanAmount、TaxID を選択し、これらを「選択されたパラメーター」列に移動します。
- CheckCredit ステップをクリックします。このステップは、いずれも Credit キューで作業するアクセス権を持つ数人のクレジット担当者のうちの 1 人によって処理されます。
- 「プロパティー」ペインの「一般」タブの「アクティビティー・タイプ」で、「ワーク・キュー」をクリックし、Credit キューを選択します。
- 「パラメーター」タブをクリックし、ApplicantName と TaxID を選択して、このステップで申請者のクレジット情報チェックに使用されるパラメーターのリストにこれらを追加します。
- クレジット・スコアを保持する別のデータ・フィールドも必要です。 選択された「パラメーター」バーで、以下を実行します。
読み取り/書き込みアクセス権を付与して、CreditScore (整数型) を追加します。「式」フィールドをクリックし、CreditScore を選択し、データ・フィールドを作成します。「閉じる」をクリックします。
データ・フィールドは必要なときに作成できます。
CheckCredit ステップから DownPayment ステップへのルート条件はありません。
- DownPayment ステップをクリックします。
- 「プロパティー」ペインの「一般」タブで、「アクティビティー・タイプ」を空白のままにします。このステップは、ワークフロー・システム・サーバーによって処理されます。
- DownPayment ステップから選択できるルートは 2 つあります。次の手順を実行して、どちらのルートを取るかを決定する条件を指定します。
- DownPayment から SetRate ステップへの第 1 ルート (1 Yes) を選択します。 (このルートは 1、すなわち、このステップから作成される最初のルートとして識別する必要があります。ワークフロー・システムはルートを順番に評価します。)
- 「プロパティー」ペインの「ルーティング」で、このルートを取るための条件を以下のように指定します。
フィールド: CreditScore、演算子: より大きい、値: 650。「追加」をクリックします。「OK」をクリックします。
フィールド: DownPayment、演算子: より大きい、値: 1000。「追加」をクリックします。
- ルートが適切なルート・シーケンスで識別されない場合 (すなわち、1 ではなく 2 として識別される場合)、次の手順を実行してルート・シーケンスを変更できます。
- ルートの起点となる Activity ステップを選択します。この例では、DownPayment ステップをクリックします。
- 「プロパティー」ペインで、「ルーティング」タブをクリックします。
- 「発信ルーティング情報」で「最初の合致条件」を選択します。ルートを選択し、上下矢印をクリックして、ルート・シーケンスを変更します。
ワークフロー・システムは第 1 ルートを最初にチェックするため、DownPayment から VerifyIncome ステップへの第 2 ルートの条件を指定する必要はありません。第 1 ルートの条件に満たないアイテムは、第 2 ルートに向かいます。このルーティングは、クレジット・スコアの低い申請者や頭金のない申請者は VerifyIncome ステップに進むことを意味します。
- VerifyIncome ステップをクリックします。この Submap ステップは CheckIncome サブマップを呼び出します。実行時には、このサブマップの処理が完了すると、ワークフローがメイン・マップに戻り、Submap ステップからのルーティングによって指定されたとおりに続行します。
- ツールバーのマップ・セクションで「CheckIncome」を選択します。
- 「CheckIncome」 サブマップで、ContactEmployer ステップをクリックします。
- 「一般」タブの「アクティビティー・タイプ」で、「ワーク・キュー」を選択し、Credit を選択します。Credit キューへのアクセス権を持つ担当者がこのステップを処理します。
- 「パラメーター」タブで、このステップのパラメーターとして ApplicantName と IncomeAmount を選択します。
IncomeAmount が存在しない場合は、ステップ 7c の手順に従ってこのデータ・フィールドを作成できます。
- このステップでは所得の源泉についての追加情報を申請者から得る必要があります。「アクション」メニューで「ワークフローのプロパティー」を開き、データ・フィールド IncomeSource (文字列型) を作成します。
この情報は起動ステップで申請者から得る必要があります。「ワークフローのプロパティー」の「データ・フィールド」タブで「フィールドの使用」をクリックし、LaunchStep を追加します。「フィールドの使用」を閉じます。
- ツールバーのマップ・セクションで「ワークフロー (メイン・マップ)」を選択し、メイン・ワークフローに戻ります。
- メイン・マップで、VerifyIncome から SetRate への第 1 ルート (1 Hi) を選択し、第 1 ルートを取るための条件を指定します。
- 「プロパティー」ペインで、「データ・フィールド」タブをクリックします。
- フィールド: CreditScore、演算子: より大きい、値: 650 を選択します。「追加」をクリックします。「OK」をクリックします。
- フィールド: IncomeAmount、演算子: より大きい、値: 50000 を選択します。「追加」をクリックします。
VerifyIncome からの第 2 ルートの条件を指定する必要はありません。クレジット・スコアや所得の低い (さらに頭金のない) 申請者は拒否されます。
- SetRate ステップをクリックし、アクティビティー・タイプとパラメーターを指定します。
- 「一般」タブで、「参加者」Approver を選択します。
- 「パラメーター」では、ApplicantName、CreditScore、DownPayment、IncomeAmount を選択します。
- DenyApp ステップをクリックし、アクティビティー・タイプとパラメーターを指定します。
- 「一般」タブで、「参加者」Approver を選択します。
- 「パラメーター」では、すべてのパラメーターを選択します。
SetRate と DenyApp のどちらのステップも自動プロセス (定型レターを送信するプロセスなど) で実行できます。しかし、このレッスンでは、これらのステップを受信トレイ内で開くことができるようにするとよいでしょう。この方法で、意図したとおりにワークフローが実行されたことを確認できます。またこれら 2 つのステップのパラメーターにすべてのデータ・フィールドを追加すると、データの内容を確認できて便利です。
- 「ファイル」 > 「保存」をクリックして、ワークフロー定義をローカル・ファイル・システムに保存します。
- (レッスン 3 での) ワークフローの起動を準備するには、以下のステップを実行します。
- 「ファイル」メニューの「ワークフロー・コレクションを検証」をクリックします。エラーが検出された場合は、各エラーをクリックして、エラーが発生したステップを強調表示します。検出されたエラーはすべて訂正してください。
- 「ファイル」メニューで、「ワークフロー・コレクションを転送 (Transfer Workflow Collection)」をクリックします。このアクションにより、ワークフロー・システム・サーバー上のアイソレート・リージョンに、このワークフロー定義の実行可能バイナリー・バージョンが作成されます。
最終更新日: 2016 年 3 月
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