IBM FileNet P8, バージョン 5.2.1            

ルーティング

ある 1 つのステップから次のステップへ作業がどのように進行するかを指定するには、ワークフロー定義内のステップ間でルートを定義します。マップの最後のステップを除き、すべてのステップから 1 つ以上のルートが分岐します。

ルートに指定したラベル (つまり、名前) は、ディスプレイのサイズによっては名前全体が表示されないことがあります。名前がどのように表示されるかをテストして、長さを適宜調節してください。

ルート・フロー 詳細

常に合致

条件なしのルーティング

あるステップから次のステップへと線形状に進むのは、最も単純なワークフローのみです。左側の図のそれぞれのルートについては条件はないため、常に合致します。

ヒント: ステップからの唯一のルートに条件を定義する場合、そのステップの完了時に条件が合致しなければ、ワークフロー、またはワークフローの特定のブランチは停止します。

ルート条件

OR 条件を持つルート

大部分のワークフローは参加者の応答の結果、または 1 つ以上のフィールド値に基づき、さまざまなポイントでブランチします。左図では、起動ステップからのルートは「常に合致」です。Eval ステップからのルートは、Eval ステップにおける参加者の応答の値によって分岐します。ルート条件は、式の値によって異なります。複数のルートのうち、1 つのルートのみが選択されます。

  • 参加者の応答。例えば、Eval ステップで OK または NO という二者択一の参加者の応答が必要であれば、ステップ 1 ルートから 2 つのルートを定義し、一方のルートを Ok 応答用、もう一方のルートを No 応答用として設定することができます。
  • ワークフロー内の 1 つ以上のフィールドを参照する式。例えば、LoanAmount というデータ・フィールドに対して、LoanAmount が 100,000.00 以上の場合のルートと、LoanAmount が 99,999.99 以下の場合のルートを定義します。

すべての合致条件

AND 条件を持つルーティング

1 つのステップから複数のルートが引かれていて、そのうちの複数のルートを「合致」と評価できる場合、ルーティングの処理には次の 2 つのオプションを使用できます。

  • 真と評価される最初のルートをとる。ルートを評価する順序を指定できます。このオプションを指定すると、ワークは、合致ルートの数に関係なく、単一パスを進みます。
  • 真と評価されるすべてのルートをとる。これを選択すると、同時に複数のパス (具体的には、合致するすべてのルート) をたどってワークを続行することができます (左図は、このオプションを選択した場合を示しています)。

「すべての合致ルートを取る」オプション (AND 分割と呼ばれる) を指定すると、ワークは複数の子ワーク・アイテムに分かれます。左図では、Graphics へのルートは「常に合致」で、ルート A とルート B のいずれかが合致します。すなわち、実行時には、「Graphics へ至るワーク・アイテム」と、「ReviewA あるいは ReviewB のいずれかに至るワーク・アイテム」の 2 つの別々のワーク・アイテムが存在するということです。有効なマップを作成するには、Edit ステップで示すように、すべての合致ルートの最後にワークを単一パスに戻す collector ステップを定義します。

処理は collector ステップ (Edit) の直前で待機しており、すべて (この例では 2 つ) の子プロセスがこの段階に到達するまで実行されないことに注意してください。

AND 分割の特殊なケース

AND 分割の特殊なケース 詳細
AND 条件式を使用するルーティング

アプリケーションによっては、同時処理 (AND 分割) を指定する必要はあるが、すべての子プロセスが collector ステップに到達しないと処理を続行できないのは不便な場合があります。左に示したワークフローで、ワークフロー作成者は、ワークが Archive ステップの処理が終了するのを待たずに ProcessA ステップ、Approve ステップ、およびワークフローの残りに進むように設定しています。

左の図の Submap1 には、StartStep で 2 つの別個のワーク・アイテムを作成する AND 分割が含まれています。

  • ProcessA ステップにルーティングされたワーク・アイテムは、サブマップの処理の完了後に呼び出し元のマップに戻り、ワークフローの先へ進みます。
  • Archive ステップへルーティングされたワーク・アイテムは、キュー内で処理を待機し、TerminateBranch ステップで終了します。すなわち、このワーク・アイテムは、呼び出し元マップに返されることはありません。

Archive ステップが完了するまで待機しないように、ProcessA ステップが collector ステップとして定義されています。ProcessA パスのワーク・アイテムを親 (続行する) として指定し、TerminateBranch ステップで終了する子ワーク・アイテム (Archive パス) を解放します。

注: Archive と TerminateBranch のいずれかのステップが collector ステップとして定義されている場合は、ProcessA と Archive のワーク・アイテムは両方とも、サブマップの完了後に続行されます。この場合、ReviewDocs のワーク・アイテムは 2 つとなり、ワークフローの残りで続行されます。

手順の詳細については、次の該当するトピックを選択してください。

目的の処理 以下を参照してください。
ステップ間のルートを定義する ステップ間のルートの作成
ルートが「常に合致」であるか条件があることを指定する ルートのプロパティーの指定
ステップに対して可能な応答を指定する 応答の指定
応答に基づいてルートを決定するように指定する ルートへの応答の関連付け
ルートに条件式を指定する ルーティング式の指定
ステップをたどるワークが 1 つのパスのみを取るか、合致する複数のパスを取るかを指定する 発信ルーティングの指定
ステップを collector ステップとして指定する 着信ルーティングの指定
ワークフロー・マップを有効なものにする 有効なワークフロー・マップの作成


最終更新日: 2016 年 3 月
bpfdh019.htm

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