レコードの保存と廃棄を管理するために、廃棄スケジュールを定義してレコード・コンテナーおよびレコード・タイプに関連付けます。 廃棄スケジュールでは、レコードの保存ルールや、保存期間終了時のレコードの廃棄インストラクションを指定します。
廃棄インストラクションには次の種類があります。
- 確認
- 永続的に保存するためアーカイブに転送
- 別の場所にエクスポート
- 破棄
廃棄スケジュールには、レコードが経由するいくつかのフェーズを定義します。 各フェーズには定義された保存期間があります。 各フェーズの最後に特定のアクションがレコードに対して実行されてから、レコードは次のフェーズに移行します。 エンティティーに保留が適用されていると廃棄スケジュールは中断し、 すべての保留が解除された後で再開します。
レコードの廃棄を開始できる時期を計算するには、廃棄スイープを実行します。 詳しくは、スイープ・プロセスに関するトピックを参照してください。 廃棄スケジュールは、ファイル・プランのインポートおよびエクスポート・ツールを使用するときに、インポートおよびエクスポートされます。
廃棄スケジュールのパラメーター
廃棄スケジュールには、次のいずれかのパラメーターが含まれます。
- イベント: カットオフの開始をトリガーします。 カットオフとは、エンティティーを閉じて廃棄を開始できるようにすることです。 カットオフにより、古いレコードをアクティブに使用できなくなります。
- カットオフ・アクション: カットオフがトリガーされ、指定したオフセット期間が経過した後に、エンティティーに対して自動的に実行されるアクション。
- オフセット: カットオフの開始からカットオフ・アクションの起動までの間隔。
- 廃棄フェーズ: 特定の期間に特定の状態にあるレコードの保存を管理するために定義されるフェーズ。
- フェーズの廃棄インストラクション/アクション: フェーズの保存期間が終了したときに手動で開始する必要があるアクション。 各フェーズには特定の廃棄アクションが関連付けられています。 フェーズの廃棄アクションは、レビュー、永続的に保存するためアーカイブに転送、エクスポート、または破棄です。
- 廃棄ワークフロー: 廃棄アクションには、それぞれ関連付けられたワークフローがあります。 アクションが開始されると、システムは関連付けられたワークフローを実行し、レコードに対して事前に定義された一連の指示を実行します。
廃棄スケジュールの継承
廃棄スケジュールは、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、またはレコード・タイプと関連付けることができます。 レコード・フォルダーには、そのフォルダー固有の廃棄スケジュールを関連付けるか、または親レコード・カテゴリーと関連付けられている廃棄スケジュールを継承させることが可能です。
レコードは、デフォルトではそのレコードが宣言されたフォルダーの廃棄スケジュールを継承します。 ただし、
別の廃棄スケジュールをレコードに関連付ける場合は、レコード・タイプを作成することができます。 その後、そのレコード・タイプと必要な廃棄スケジュールを関連付けて、このレコード・タイプをレコードに割り当てます。 レコードのカテゴリー、フォルダー、およびタイプに異なる廃棄スケジュールを関連付けた場合、レコードはレコード・タイプの廃棄スケジュールを継承します。 レコード・カテゴリーの直下に作成したレコードの場合は、そのレコード・カテゴリーの廃棄スケジュールを継承します。
原則としては、レコードの階層で最下位レベルにある廃棄スケジュールが適用されます。 次の図は、異なる状態にあるさまざまなエンティティーが継承する廃棄スケジュールを示しています。

レコード・カテゴリーまたはレコード・フォルダーを移動する場合は、そのコンテナーに廃棄スケジュールを割り当てます。
また、この割り当てにより影響を受けるコンテナー内のエンティティーを指定します。 エンティティーの移動方法について詳しくは、場所の変更に関するトピックを参照してください。
コンテナーの場所を変更するときに廃棄スケジュールを割り当てない場合は、次のことが成り立ちます。
- 親エンティティーの廃棄スケジュールを継承するコンテナーは、場所の変更後に新しい親の廃棄スケジュールを継承する。
- 親エンティティーとは異なる廃棄スケジュールをもつコンテナーは、場所の変更後も独自のスケジュールを保持する。
廃棄プロセス
廃棄スケジュールをレコード・カテゴリーまたはレコード・フォルダーに関連付けると、そのコンテナー内に作成されたすべてのレコードは、デフォルトでその廃棄スケジュールを継承します。 カットオフ・アクションがレコードで実行されると、レコードは廃棄期限を迎えて廃棄フェーズに移行します。 廃棄可能な状態として識別されたエンティティーには、「廃棄準備完了」アイコン
が表示されます。
権限のあるユーザーが廃棄を開始できます。
レコード管理者の承認を受けると、承認されたエンティティーに対して関連付けられた廃棄アクションが実行されます。 廃棄スケジュールの各フェーズには、次のいずれかの廃棄アクションを割り当てることができます。
- レビュー: 権限のあるユーザーがエンティティーの廃棄状況を確認し、次のステップに進めるかどうかを決定します。 レビュー・アクションは、必要に応じて何度でも割り当てることができます。
- エクスポート: エンティティーは、別のシステムやオブジェクト・ストアにコピーまたはエクスポートされます。 その後、別のアクションで、元の場所からレコードを削除できます。
- マッピングを使用したエクスポート: カスタム・プロパティーを使用したエンティティーは、米国国立公文書館などの DoD V3 スキーマを使用する組織にコピーまたはエクスポートされます。 別のアクションで、元の場所からレコードを削除できます。
- 2 段階転送: エンティティーは、保存期限の終了時に指定した場所に転送されます。 エンティティーが正常に転送され、破棄の準備ができたことをレコード・マネージャーが確認した場合、転送から破棄に移ります。
- マッピングを使用した 2 ステップ転送: カスタム・プロパティーを使用したエンティティーは、保存期限の終了時に、DoD V3 スキーマを使用する組織に転送されます。 そのような組織の例には、米国国立公文書館 (NARA) があります。
エンティティーが正常に転送され、破棄の準備ができたことをレコード・マネージャーが確認した場合、転送から破棄に移ります。
- 破棄: エンティティーはリポジトリーから完全に削除されます。 このアクションは、エンティティーに対して 1 回しか割り当てられません。
レコードに関連付けられていたリンクは、レコードと一緒に削除されます。
- マッピングを使用した暫定転送: カスタム・プロパティーを使用したエンティティーは、DoD V3 スキーマを使用する組織に一時的に転送されます。
破棄ワークフローが何らかの理由により失敗した場合、エンティティーは「廃棄中」のままとなります。 このようなエンティティーに対しては、廃棄を再度開始する必要があります。 詳しくは、廃棄スケジュールの開始に関するトピックを参照してください。
スイープ・プロパティー
一部のプロパティーは、廃棄スイープによって動的に更新されます。 これらのプロパティーが代替保存期間の保存ベースとして使用される場合、更新された廃棄スイープの保存期間が長くなります。 次のプロパティーは、代替保存期間の保存ベースとして使用しないでください。
- 現在のフェーズの実行日付
- 現在のフェーズ・アクション
- 最終スイープ日付
- 現在のフェーズの判断日付
- 現在のフェーズ・レビューの判断
- 現在のフェーズ ID
- フェーズ保存の再計算
- 現在のフェーズの実行状況
- DisposalPhases
- CycleYears
- CycleMonths
- CycleDays
- CurrentActionType
- VitalWorkflowStatus
- VitalSweepDate
- VitalRecordReviewDate
- 重要レコードの次回レビュー日付
- CurrentPhaseId
- AlternateRetentions
- RetentionBase
- RetentionPeriodYears
- RetentionPeriodMonths
- RetentionPeriodDays
- CurrentPhaseExportFormat
- ExportFormat
- CurrentPhaseDecisionDate