IBM Enterprise Records バージョン 5.1.2    

廃棄スケジュールの定義

権限のあるユーザーが、廃棄スケジュールを定義し、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、またはレコード・タイプと関連付けます。 廃棄スケジュールは、レコード・マネージャーまたはレコード管理者だけが定義できます。 PRO データ・モデルでは、レコード・マネージャー、レコード管理者、またはレビューアーが廃棄スケジュールをエンティティーに割り当てることができます。 Base および DoD データ・モデルでは、レコード・マネージャーまたはレコード管理者が廃棄スケジュールをエンティティーに割り当てることができます。

このタスクについて

廃棄スケジュールには複数のフェーズが存在する場合があります。その場合、対象エンティティーは、レビュー、エクスポート、転送、破棄などの廃棄手順に従って処理されます。 廃棄スケジュールにはフェーズが複数ある必要はありませんが、通常、次の 2 つのフェーズが含まれます。ユーザー設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、スケジュールはデフォルトで、保存を行わずに自動破棄アクションを使用する単一のフェーズに設定されます。 詳しくは、ユーザー設定およびサイト設定に関するトピックを参照してください。

手順

廃棄スケジュールを定義するには、次のようにします。

  1. 「廃棄」 タブを選択します。
  2. 「廃棄スケジュール」をクリックします。
  3. 「廃棄スケジュールの追加」をクリックします。
    制約事項: 「ユーザー設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、「ステップ」パネルには「フェーズの設定」が表示されません。
    1. スケジュールの名前と説明を入力します。 この説明はオプションです。
    2. エンティティーを廃棄する廃棄権限の名前を入力し、「次へ」をクリックします。 このフィールドはオプションです。
    3. 該当するラジオ・ボタンをクリックし、カットオフを開始するトリガーを選択します。ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、使用可能なトリガーは「内部イベント」トリガーのみとなります。
      • カレンダーの日付の場合、日付を入力するか、カレンダー・コントロールを使用します。 このアクションは、標準廃棄スケジュール用です。
      • 「事前定義日」「内部イベント」「外部イベント」「繰り返しイベント」の場合、メニューからアイテムを選択します。 各アイテムは、IBM® Enterprise Records「構成」タブで事前に作成されています。 トリガーの詳細を表示するには、「詳細の表示」をクリックします。 トリガーの追加について詳しくは、日付とイベントの追加に関するトピックを参照してください。
    4. カットオフ・オフセットを設定します。 詳しくは、このトピック内の後の方にあるカットオフおよびカットオフ・オフセットについてのセクションを参照してください。
    5. エンティティーのカットオフをトリガーする条件を設定します。 カットオフは、自動的に行われるようにすることも、承認を必要とするようにすることもできます。 承認を必要とする場合、廃棄カットオフ・アクションを指定します。 自動カットオフにする場合、廃棄カットオフ・アクションは指定しないでください。 「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、「廃棄カットオフ・アクション」は表示されません。
      • 各カットオフ・アクションは IBM Enterprise Records「構成」タブで事前に追加されており、それぞれにワークフローが関連付けられています。 廃棄スイープでは、カットオフおよびオフセット後にワークフローが自動的に開始します。 標準廃棄スケジュールの場合、「廃棄カットオフ・アクション」メニューには、「カットオフ」アクション・タイプに属するアクションのみが含まれます。 アクションの詳細については、アクションに関するトピックを参照してください。
    6. 必要に応じて、「カットオフ・ベース」を変更してカットオフ・ベース日を指定します。 「カットオフ・ベース」メニューには、個々の IBM Enterprise Records エンティティー・プロパティーに基づいてカットオフ日を計算する IBM Enterprise Records 日付プロパティーのセットが表示されます。

      カットオフ・オフセットを設定します。 詳しくは、このトピック内の後の方にあるカットオフおよびカットオフ・オフセットについてのセクションを参照してください。

    7. ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「詳細」に設定されている場合は、「次へ」をクリックします。 このアクションは、現行スケジュールに 1 つ以上の保存期間 (フェーズと呼ばれます) を作成します。 「終了」をクリックした場合、廃棄スケジュールに関連付けられるエンティティーには特定の保存期間が設定されません。 「ユーザー設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合は、「終了」をクリックします。 これで、「RMAutoDestroyAction」という自動破棄アクションを使用する単一のフェーズのみとなります。 「画面の必要性 (Is Screen Required)」「FALSE」に設定されます。 「デフォルト保存期間」は 0 年 0 月 0 日間となります。 自動的に作成される「代替保存」はありません。

タスクの結果

カットオフおよびカットオフ・オフセットの設定

IBM Enterprise Records では、フェーズに保存を設定するか、またはカットオフ・オフセットを設定することによって、保存期間を定義できます。

カットオフ・オフセットは指定されておらず、フェーズ保存期間が設定されている場合、スイープがエンティティーでカットオフを行うのは、イベント条件が真になった場合となります。 カットオフされるエンティティーがコンテナーの場合には、新しいレコードが追加されないように、コンテナーはカットオフされるだけでなく、閉じられます。 次に、フェーズに定義された保存期間がカットオフ日付に加算されて、保存が計算されます。 カットオフ日付の計算には、各種のスケジュール構成に応じて、以下のルールが適用されます。
  • 内部イベント・トリガーおよびエンティティーのプロパティーに設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、カットオフ・ベース日の値です。

  • イベント・トリガーの日付タイプ (外部イベント、事前定義日) および「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、イベント・トリガーの日付です。

  • 内部イベント・トリガーおよび「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、スイープが実行される日付です。

  • イベント・トリガーの日付タイプ (外部イベント、事前定義日) およびエンティティーのプロパティーに設定されたカットオフ・ベース日の両方の使用

    カットオフ日付は、2 つの日付のうち、後の方の日付です。

カットオフ・イベント・オフセットを使用する場合、エンティティーは、このオフセット期間の終わりに達するまでカットオフされません。 したがって、コンテナーは保存期間中は開いたままになります。 カットオフ日付の計算には、各種のスケジュール構成に応じて、以下のルールが適用されます。
  • 内部イベント・トリガーおよびエンティティーのプロパティーに設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、カットオフ・ベース日にカットオフ・オフセットを足した値です。

  • イベント・トリガーの日付タイプ (外部イベント、事前定義日) および「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、イベント・トリガーの日付にカットオフ・オフセットを足した値です。

  • 内部イベント・トリガーおよび「イベントの日付」に設定されたカットオフ・ベース日の使用

    カットオフ日付は、スイープが実行される日付にカットオフ・オフセットを足した値です。

重要: この最後の構成は、使用しないでください。スケジュールを更新すると (スケジュール名の変更など)、カットオフ日付のスイープ再計算がトリガーされ、新しいスイープの実行日付にオフセットが加算されるため、カットオフが延期されます。 カットオフ・ベース日に使用できるレコード・プロパティーがない場合には、フェーズに設定した保存を使用することをお勧めします。

「ユーザー設定/サイト設定」で、「廃棄スケジュール・ウィザード」の表示設定が「簡易」に設定されている場合、スケジュールでは、フェーズでの保存を行いません (デフォルト設定)。 スケジュールでは、代わりにオフセット・メカニズムを利用して保存を定義します。

フェーズの設定

廃棄スケジュールにフェーズを関連付けると、エンティティーに対して異なる間隔でさまざまな操作を実行できます。 各フェーズでは、そのエンティティーの廃棄アクションと保存期間を指定します。 例えば、廃棄前にエンティティーをレビューするには、廃棄スケジュールに 2 つのフェーズを追加する必要があります。 第 1 フェーズではエンティティーのレビューを指定し、第 2 フェーズではエンティティーの廃棄を指定します。 廃棄スケジュールに含まれる複数のフェーズは、IBM Enterprise Records により、そのスケジュールに追加した順に実行されます。

また、複数の代替保存期間をフェーズの中に定義できます。 代替保存期間は、プロパティー値に基づく可変の保存期間です。 代替保存条件のいずれも True ではない場合、IBM Enterprise Records により、デフォルト保存期間が使用されます。 複数の代替保存条件が True の場合、IBM Enterprise Records により、保存期間が最も長い代替保存期間が適用されます。

重要: 代替保存期間の数や保存期間条件の複雑さは、保存期間の計算時のパフォーマンスに影響します。

IBM Enterprise Records によるエンティティーのカットオフ・アクションの適用後、廃棄スケジュールの第 1 フェーズがエンティティーに適用されます。 第 1 フェーズの保存期間の最後に、そのフェーズに関連付けられている廃棄アクションが実行されます。 IBM Enterprise Records により関連付けられている廃棄アクションが完了すると、権限ユーザーによる承認後に廃棄スケジュールの次のフェーズが開始されます。

廃棄スケジュールにフェーズを追加するには、次のようにします。

  1. 「追加」をクリックして、「フェーズ・プロパティー」ページを開きます。
  2. フェーズの名前と説明を入力します。
  3. メニューから「フェーズ・アクション」を選択します。
    • アクションは、IBM Enterprise Records「構成」タブで事前に作成されています。
    • エンティティーのアクションは、IBM Enterprise Records により、フェーズの最後に実行されます。
    • 各アクションには定義済みのワークフローが含まれており、アクションに合わせて IBM Enterprise Records により開始されます。
    制約事項: エンティティーの転送または破棄を行うフェーズは最終フェーズです。 このタイプのアクションの後には別のフェーズを追加できません。
  4. フェーズに関連付けられているワークフローの開始前にエンティティーのレビューが必要な場合、「要スクリーニング」フィールドで「True」を選択します。 スクリーニングが不要である場合、「False」を選択します。
  5. フェーズに対し「転送」「エクスポート」、または「暫定転送」アクションを選択した場合、「エクスポート先」フィールドにロケーションを入力します。 ロケーションの候補は次の通りです。
    • リモート・サーバー上。 例えば ¥¥server name¥folder name です。
    • ローカル・ドライブ上のフォルダー。 例えば local drivefolder name です。
  6. このフェーズにおけるエンティティーの「デフォルト保存期間」を指定します。 代替保存期間を割り当てない場合、この値を指定する必要があります。
  7. 条件を設定して、フェーズにおけるエンティティーの保存期間をプロパティーに基づいてより長く、または短くする場合、次の手順を実行します。 この手順を実行することで、代替保存期間が定義されます。
    1. 「追加」をクリックします。「代替保存期間」ウィンドウが表示されます。
    2. メニューからプロパティー名を選択します。
    3. リストから演算子を選択します。
    4. プロパティー値を指定します。 入力する値は、プロパティーによって異なります。
    5. 保存期間の開始日として「保存ベース」を選択します。
    6. 「保存期間」を年、月、および日で指定します。 ここで指定する値が IBM Enterprise Records により「保存ベース」に追加されます。 最終的な日付に、フェーズ・アクションが IBM Enterprise Records によりエンティティーに適用されます。
    7. 「承認」をクリックして代替保存期間を現在のスケジュールに追加し、「フェーズ・プロパティー」ウィンドウに戻ります。
    8. 条件ごとに代替保存期間を追加するには、「追加」をクリックします。 すべてのフィールドには前の代替保存期間のデータが IBM Enterprise Records により入力されているので、必要なフィールドを変更します。 必要な場合、代替保存期間の「削除」チェック・ボックスを選択し、「適用」をクリックしてその条件を削除します。
  8. 「承認」をクリックしてフェーズを終了します。 スケジュールのフェーズ・リストにフェーズとその詳細が IBM Enterprise Records により追加されます。
  9. フェーズをさらに追加するには、「追加」をクリックします。 それ以外の場合は、「終了」をクリックして廃棄スケジュールを完了します。


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最終更新: 2013 年 11 月
define_a_disposal_schedule.htm

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