レコードは情報への参照で、情報を管理するためのメタデータを提供するものです。レコードは、その作成元のコンテナーから継承を行うことができます。たとえば、親コンテナーの廃棄スケジュールを継承することができます。レコードには、電子レコードと物理レコードがあります。電子レコードと物理レコードはいずれも、重要レコードとして分類したり、パーマネント・レコードとしてマークを付けたりすることができます。DoD (米国国防総省) 第 4 章データ・モデルでは、いずれかのセキュリティー分類 (最高機密、機密、社外秘、または未分類) とともにレコードを宣言することができます。PRO データ・モデルを使用すると、各レコードを最高機密、機密、社外秘、部外秘、未分類のいずれかに分類できます。
Base データ・モデルおよび DoD データ・モデルでは、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダーおよびボリューム内のレコードを宣言することができます。PRO データ・モデルでは、レコード・フォルダーおよびボリューム内のレコードを宣言することができます。
注 未分類レコードをより高い分類 (社外秘、機密、最高機密 など) にアップグレードする場合、新しくアップグレードされたレコードには多くの必須プロパティーが欠落している可能性があります。レコードに正しいプロパティーが割り当てられていることを確認するには、レコードの情報ページにアクセスし、「セキュリティー分類」をクリックします。そのレコードの分類で欠落している「必須」プロパティーをすべて指定したら、「適用」をクリックします。
電子レコードは、電子ドキュメント (Content Engine (CE) ドキュメント、E メール・メッセージなど) を参照します。CE ドキュメントの場合、ドキュメントの各バージョンに対してレコードを個別に作成することも、複数のドキュメント・バージョンに対して 1 つのレコードを作成することもできます。電子レコードは、電子フォルダーとハイブリッド・フォルダーのどちらにも格納できます。詳細については、「ドキュメントとレコードの管理」を参照してください。
物理レコード (マーカーともいう) は、物理ドキュメントや、ペーパー・レコード、テープ、マイクロフィルムなどのオブジェクトに関するメタデータです。物理レコードは、任意タイプのレコード・フォルダーに格納できます。ただし物理レコードの宣言を行えるコンテナーは、電子フォルダーを除けば、ハイブリッド・フォルダー、物理フォルダー、またはボックスのいずれか 1 つに限られます。いったんハイブリッド・フォルダー、物理フォルダー、またはボックスのいずれかで宣言した物理レコードは、電子フォルダー以外のコンテナーにファイリングすることはできません。この制約によって、レコードの物理格納がモデル化されます。例えば、バックアップ・テープが 1 つある場合、そのテープは物理的格納によってのみ 1 つのボックスに格納することができます。
物理レコードの管理に関する詳細については、「物理エンティティー」を参照してください。
DoD 分類データ・モデルでは、レコードが最高機密、機密、社外秘、未分類のいずれかに分類されます。ユーザーは、自身のセキュリティー・クリアランス・レベルに該当するレコードにのみアクセスできます。分類レコードの宣言に関する詳細については、次の項目を参照してください。
重要レコードは、重要な政府機関のレコードであり、緊急時や災害時には管理上の対策が行われる必要があります。これらのレコードの定期的なレビューを確実に行えるよう、レコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、またはボリュームを重要としてマークしてください。これにより、これらのコンテナーで作成されたレコードはすべて、自動的に重要として分類されます。
コンテナーを重要としてマークしたら、重要レコードの定期的なレビューや更新をトリガーする繰り返しイベント、およびレビュー・イベントの発生時に起動されるアクションを選択してください。繰り返しレビュー・イベントが発生するたびに、そのイベントに関連付けられた重要レコード・レビュー・ワークフローが起動されます。詳細については、「重要レコードの設定」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records には、「廃棄期日になる重要レコード」というレポートが含まれています。このレポートには、特定の期間内に廃棄される電子重要レコードが表示されます。レポートの詳細については、「レポートの生成」を参照してください。
パーマネント・レコードは、通常の保管期限以降も、組織によって保管される価値が十分にあると判断されたレコードのことです。レコードは、そのパーマネント・レコード・インジケーター・プロパティーの値を True に設定することにより、パーマネントとしてマークすることができますこのプロパティーは、デフォルトでは IBM InfoSphere Enterprise Records には表示されません。パーマネント・レコード・インジケーター・プロパティーを IBM InfoSphere Enterprise Records で表示する詳細な手順については、「プロパティーの表示のカスタマイズ」を参照してください。
パーマネント・レコード・インジケーター・プロパティーに関連付けられている動作はありません。このプロパティーは情報の参照のみに使用されるもので、パーマネント・レコード・インジケーターが True に設定されている場合でも、レコードを削除することができます。