ドキュメントとレコード管理

レコード管理は、自社の企業レコードとして保存する必要があるドキュメントの識別、レコードを保管する理由を示す保有スケジュールの作成、レコードの保管期間および最終的な廃棄の許可者の決定のプロセスです。レコード管理により、社内ユーザーまたは外部監査人は一定の期間中に保管される重要なレコードを参照できます。また、レコード管理でドキュメント (およびそのプロパティー) の追加セキュリティーを設定することにより、承認されたユーザーのみに業務上の基幹データを開示し、レコードとなったデータの変更を禁止することもできます。ほとんどの場合、政府の準拠規制や企業のガイドラインでは、レコードとする必要があるアイテム、レコードの編成方法、分類方法、および保管方法が定められています。

サイト管理者は、オプションの IBM InfoSphere Enterprise Records アプリケーションで作業するために、Workplace XT を構成することができます。(IBM InfoSphere Enterprise Records は、以前は IBM FileNet Records Manager と呼ばれていました。)Workplace XT では、企業レコードにするドキュメントを識別できます。IBM InfoSphere Enterprise Records では、追加のプロパティーとセキュリティーをドキュメントに適用し、「レコードとして宣言」の手順で指定した別のフォルダーの場所にドキュメントをファイリングします。ドキュメントの元のオーナーとその他のユーザーは、レコードとなったドキュメントに対して同じ権限を持つことができない場合があります。

レコードをすばやく正確に識別するため、管理者は「レコードとして宣言」エントリー・テンプレートをサイトで作成できます。テンプレートには、レコードの識別プロセスを簡素化するための定義済みのレコード・カテゴリー、レコードの場所、プロパティー値を指定できます。

ドキュメントに複数のバージョンがある場合、ドキュメント・シリーズのレコードを作成する複数の方法があります。

サイトに IBM InfoSphere Enterprise Records を構成すると、「レコードとして宣言」アクセス・ロールのメンバーであるユーザーには、ドキュメントを追加またはチェックインするときに、「レコードとして宣言」ボタンが「確認」ページに表示されます。また、「情報」ページおよびレコードとしてまだ宣言されていないドキュメント・バージョンのポップアップ・メニューに、「レコードとして宣言」と「バージョンをレコードとして宣言」の各アクションがリストされます。

ドキュメントのバージョンは 1 回のみレコードとして宣言できます。バージョンがレコードとして宣言済みかどうかを判別するには、次のいずれかの操作を実行します。

注意: 宣言したドキュメントのポップアップ・メニューに「レコードとして宣言」が表示される場合は、パスの最後のアイテムをクリックして、メニューを更新してください。

複合ドキュメント (DITA ドキュメントを含む)

ドキュメントを宣言する際は、ドキュメントが複合ドキュメントの一部である場合に問題が発生することがあります。子ドキュメントを親ドキュメントに追加する場合、関連するドキュメントの通常の廃棄スケジュールに干渉する設定を指定することができます。ただし、ドキュメント (親または子) の削除を防止する設定により、ドキュメントの削除予定時に、ドキュメントの通常の削除スケジュールが干渉される場合があります。同様に、親ドキュメントの削除時に子ドキュメントを削除するよう指定すると、子ドキュメントの通常の廃棄プロセスが干渉される場合があります。さまざまな構成によって生じる結果については、「IBM InfoSphere Enterprise Records の構成」を参照してください。

注意  DITA ファイル機能を使用するすべてのアプリケーションは、コンポーネントを複合ドキュメントとして作成します。そのため、複合ドキュメントに適用されるルールは、DITA ファイルにも適用されます。

複合ドキュメントの親には特別なアイコンが表示されるので、容易に親を特定でき、その子やリンクを参照してから、子ドキュメントをレコードとして宣言できます。プロパティーの適切な変更権限がある場合は、レコードとして宣言した後でも、さらに子ドキュメントを親ドキュメントに追加できます。また、子ドキュメントに関連付けられた設定を変更することもできます。これを行うには、次に示す手順で「リンク情報」の代わりに「子の変更」を選択します。

子ドキュメントに特別なアイコンは表示されません。予期しない結果が生じるのを防止するために、次の操作を実行することをお勧めします。

  1. 他の既存のドキュメントをレコードとして宣言する前に、これらのドキュメントの「情報の取得」アイコンをクリックします。
  2. 親のドキュメント」ビューを選択します。
  3. 親ドキュメントがある場合は、「情報の取得」アイコンをクリックします。
  4. 子のドキュメント」ビューを選択します。
  5. レコードとして宣言する子ドキュメントのアクション・メニューから「リンク情報」を選択します。
  6. 親の削除時に削除」と「削除しない」の設定を確認します。
  7. 目的のドキュメントをレコードとして宣言するかどうかを決定するにあたっては、「IBM InfoSphere Enterprise Records の構成」を参照してください。
ドキュメントをレコードとして宣言するには

次の操作の 1 つを実行して「レコードとして宣言」ウィザードを開始します。

手順を正常に実行するには、必要に応じて「ヘルプ」をクリックしてください。