IBM InfoSphere Enterprise Records 環境を設定するには、次の構成タスクを実行します。
1 つのオブジェクト・ストアを、ファイリング計画構造用のファイリング計画オブジェクト・ストア (FPOS) として構成し、別のオブジェクト・ストアを、レコードとして宣言したドキュメント用のレコード対応オブジェクト・ストア (ROS) として構成する必要があります。通常、ROS にアクセスするユーザーの多くは、FPOS のファイリング計画を構成するエンティティーにアクセスする必要がありません。1 つの FPOS に複数の ROS を関連付けることができます。
一部の構成タスクは IBM InfoSphere Enterprise Records のインストールおよび構成手順の一部として実行されますが、ファイリング計画の作成後に設定し直して、実稼働環境向けに IBM InfoSphere Enterprise Records ソリューションを構成できます。
IBM InfoSphere Enterprise Records インストールおよび構成手順の詳細については、『Records Manager Installation and Upgrade Guide』を参照してください。
ファイリング計画の作成に関連する構成タスク (ボリューム名サフィックスの構成など) の詳細については、「ファイリング計画の作成」を参照してください。
レコードとして宣言するドキュメントに対して「ドキュメント」クラスを作成する必要があります。
「ROS ドキュメント」クラスは「宣言可能」プロパティーを備えており、IBM InfoSphere Enterprise Records はこれを使用してドキュメントがレコードとして宣言できるかどうかを判別します。IBM InfoSphere Enterprise Records のインストールおよび構成で、基本の「ドキュメント」クラスのプロパティーあるいは 1 つまたは複数の「ドキュメント」サブクラスのプロパティーが True に設定され、そのクラスのインスタンスがレコードとして宣言可能になります。IBM InfoSphere Enterprise Records 実稼働環境を準備する場合、該当するすべての「ROS ドキュメント」クラスに対し、このプロパティーの値が True に設定されていること (またはサブクラスがスーパークラスからこの設定を継承していること) を確認します。また、該当するクラスの「デフォルト・インスタンス・セキュリティー」に「マイナー・バージョン管理」と「メジャー・バージョン管理」の権限が設定されており、適切なアクセス権を持つユーザーがクラスのバージョン管理を実行できることを確認します。
詳細については、『Records Manager Installation and Upgrade Guide』の「Set the Can Declare property in the ROS (ROS の「宣言可能」プロパティーの設定)」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records アプリケーションでは、常に 1 つのファイリング計画階層だけが表示されます。IBM InfoSphere Enterprise Records インストールおよび構成手順の一部として、Workplace のサイト設定でこのデフォルト・ファイリング計画が指定されます。しかし、IBM InfoSphere Enterprise Records のインストールおよび構成時、サイトには 1 つ以上のファイリング計画を設定できます。このサイト設定を変更して、希望のデフォルトを指定することができます。各 IBM InfoSphere Enterprise Records ユーザーは、ユーザー設定を設定して、このデフォルト・サイト設定を上書きできます。
詳細については、「デフォルトのファイリング計画の設定」を参照してください。
「廃棄スイープ」処理は、管理者により IBM InfoSphere Enterprise Records インストールおよび構成手順中に構成されます。ここで、「廃棄スイープ」構成が適切に構成されているか確認することができます。たとえば、サイトでレコード・タイプを使用しない場合、「レコード・タイプに基づいて実行」が False に設定されていることを確認します。
詳細については、「廃棄スイープの構成」を参照してください。
レコード・タイプとはレコードに、親レコード・カテゴリーまたはレコード・フォルダーに関連付けられた廃棄スケジュールと異なる廃棄スケジュールを関連付ける手段です。IBM InfoSphere Enterprise Records ソリューションがレコード・タイプを使用する場合、「レコード・タイプに基づいて実行」を True に設定することによって、廃棄スイープを構成してレコード・タイプ処理を実行します。詳細については、「廃棄スイープの構成」を参照してください。
また、レコード・タイプがレコードにどのように関連付けられるかも検討します。特定のレコード・クラスのすべてのレコードがデフォルトで特定のレコード・タイプに割り当てられるように指定できます。詳細については、「デフォルト・レコード・タイプの構成」を参照してください。
また、レコードが Workplace で宣言される場合、レコード・タイプ・メタデータを表示してユーザーがレコード・タイプを選択できるように設定できます。詳細については、「宣言中のレコード・タイプ・メタデータ表示の構成」を参照してください。
さらに、これらの 2 つの方法を組み合わせることによって、デフォルトを指定すると同時に、ユーザーがレコード・タイプを選択してデフォルトを上書きできるように設定することもできます。
注:
適切なアクセス権のあるユーザーが IBM InfoSphere Enterprise Records エンティティーを削除すると、そのエンティティーはオブジェクト・ストアから永久に削除されます。しかし、このオプションを構成すると、削除されるレコード・カテゴリー、レコード・フォルダー、ボリューム、およびレコードのメタデータをファイリング計画レベルで保持できます。管理者によりメタデータ保持オプションが有効に設定されている場合、上記のエンティティーはオブジェクト・ストアに残りますが、削除としてマーキングされ、IBM InfoSphere Enterprise Records アプリケーションには表示されなくなります。削除されたエンティティーとそのすべてのメタデータは、定期的に XML ファイルにエクスポートして、オブジェクト・ストアから永久に削除することができます。このオプションの構成方法の詳細については、「メタデータ保持の構成」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records を構成して、ユーザーが特定の操作 (ドキュメントの作成など) を完了したときに自動的にドキュメントをレコードとして宣言できます。自動宣言を構成するには、次の手順を実行します。
プロパティーの同期化を構成すると、ドキュメント・プロパティーの更新時にドキュメントのプロパティー値を関連レコードと自動的に同期する、あるいは逆に、レコード・プロパティーの更新時にレコードのプロパティー値を関連ドキュメントと自動的に同期することができます。詳細については、「プロパティー同期化の構成」を参照してください。
デフォルトでは、IBM InfoSphere Enterprise Records は廃棄前のレビューまたは承認のために最大 10 個のワーク・アイテムをワークフロー・バッチに格納しますが、構成設定によって格納最大数を変更できます。詳細については、「ワークフロー・バッチ・サイズの構成」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records には、「レコード・フォルダーの作成」ワークフローが用意されており、ユーザーはレコード・マネージャーにレコード・フォルダー作成の要求を送信することができます。通常、ユーザーの多くは、レコード・フォルダーを作成するのに必要な権限を持っていません。このワークフローをユーザーが利用できるようにするには、「レコード・フォルダーの要求」サイト設定を構成する必要があります。この設定は、IBM InfoSphere Enterprise Records インストールおよび構成手順の間に実行されている場合があります。このワークフローの使い方の詳細については、「「レコード・フォルダーの作成」ワークフローの使用」を参照してください。
「レコード・フォルダーの要求」サイト設定の設定方法の詳細については、「「レコード・フォルダーの要求」サイト設定の設定」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records には、関連するレコードとフォルダーを結び付けるためのリンクが用意されています。IBM InfoSphere Enterprise Records でリンクを作成して維持するには、Workplace を使用して「編集可能なリンク・クラス」サイト設定を設定する必要があります。IBM InfoSphere Enterprise Records リンクの詳細については、「リンク」を参照してください。
「編集可能なリンク・クラス」サイト設定の設定方法の詳細については、「「リンク・クラス」サイト設定の設定」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records には、PRO または DoD コンプライアンス用のイベントがいくつか用意されています (メタデータを設定するイベントなど)。これらのイベントの処理はパフォーマンスに影響を与えるため、構成はオプションとなっています。パフォーマンスを最適化するために、実際のレコード管理操作に関連するイベントだけを構成してください。イベントの構成方法の詳細については、『IBM InfoSphere Enterprise Records Installation and Upgrade Guide』の「Optional Tasks」を参照してください。
DoD および PRO データ・モデルでは、ファイル・ストアはドキュメントを削除するパージ・メソッドを使用する必要があります。ドキュメントの内容が空白で三度上書きされてからファイルが削除されます。ファイルは修復不可能になります。詳細については、「削除方法としてのパージの使用」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records ソリューションでオプションの Content Federation Services for Image Services (CFS-IS) 機能を使用する場合、IS システム管理者と協力して、IS ドキュメントの変更と削除に関する IS セキュリティーを適切に設定します。そして、IS ドキュメント・クラス保存期間パラメーターを適切に設定し、レコードとして宣言された IS ドキュメントが IS 保存期間の設定によって削除されないようにします。詳細については、「レコードとしての IS ドキュメントの管理」を参照してください。
IBM InfoSphere Enterprise Records ソリューションに保護ストレージ・デバイス (EMC Centera、NetApp SnapLock、Tivoli Storage Manager など) の使用が含まれている場合は、IBM InfoSphere Enterprise Records の保存設定とストレージ・デバイス上で構成された保存設定が競合しないことが重要です。このため、ストレージ・デバイスの保存設定をオフにし、IBM InfoSphere Enterprise Records で保存を制御するようにしてください。
Tivoli Storage Manager デバイスでは、いくつかのパラメーターによって保存が制御されます。これらのパラメーターの設定の詳細については、「About IBM Tivoli Storage Manager」トピックの「 Retention schemes」セクションを参照してください。IBM InfoSphere Enterprise Records システムが完全構成されている場合は、IBM InfoSphere Enterprise Records アプリケーションが保存と削除の全制御権を保持します。