* COMPONENT_NAME: IBM C and C++ Compilers、バージョン 3.6.5、 * フィックスパック 2 * * FUNCTIONS: README for Windows NT * * (C) COPYRIGHT International Business Machines Corp. 1994,1998,2000 * * All Rights Reserved. * Licensed Materials - Property of IBM * * US Government Users Restricted Rights - Use, duplication or * disclosure restricted by GSA ADP Schedule Contract with IBM Corp. ********************************************************************** インストール ------------ このフィックスパックをインストールするには、以下の操作をします。 (1) マシンをリブートする。 (2) フィックスパックを解凍して一時ディレクトリーに入れる。解凍した フィックスパックのサイズは、約 78M バイトです。 (3) 現在、解凍済みのフィックスパックが入っているディレクトリーの中に いることを確認する。 (4) 次のコマンドを実行する。 SETUP (5) 画面の指示に従って慎重に操作を進める。このフィックスパックでは、 インストールの前に旧プロダクトのアンインストールが実行されます。 (6) マシンをリブートする。 重要な情報 ---------- このファイルには、IBM C and C++ Compliers 製品に関する重要な情報が含 まれています。この製品をインストールしてご使用になる前に、以下の情報 をお読みください。このファイルの第 2 部には、HTML ヘルプ・システムと サーチ機能のための追加構成が含まれています。 1. デバッガー ------------- o この製品に同梱のデバッガーは Windows 2000 ではサポートされてい ません。同梱のデバッガーでなく、IBM 分散デバッガー V8.5 を使用し てください。 o Alt-F4 を使用してプロセス・リスト・ダイアログをクローズすると、 デバッガーを損傷する原因になります。プロセス・リスト・ダイアロ グは、「取り消し (Cancel)」ボタンをクリックしてクローズする必要 があります。 リモート・デバッガーのインストール (Windows 95、Windows 98) ----------------------------------------------------------- Windows 95 と Windows 98 の場合にサポートされるのは、リモート・デ バッグのみです。Windows 95 または Windows 98 でローカルに実行され ているプログラムはデバッグできません。 リモート Windows 95 マシンまたはリモート Windows 98 マシン上のプロ グラムをデバッグするには、ファイルをそのリモート・マシンにコピーす ることによってリモート・デバッガーを手動でインストールする必要があ ります。ファイルのコピーは、IBM C and C++ Compilersをインストール 済みの Windows NT システムからからのみ行うことができます。 リモート・デバッガーを Windows 95 または Windows 98 マシンにインス トールするには、次のようにします。 1. PATH 環境変数の中でリモート・デバッガー・ファイルのインストール 先にするディレクトリーを選択する。新規ディレクトリー (たとえば C:\remdbg) を作成して、PATH 環境変数に追加することもできます。 2. リモート・デバッガー・ディレクトリーの中に、「msg」というディレ クトリーを作成する (たとえば C:\remdbg\msg)。 3. 次のすべてのファイルを、IBM C and C++ Compilersの「bin」ディレ クトリー (たとえば C:\ibmcxxw\bin) からリモート・デバッガー・ ディレクトリーにコピーする。 CPPYB35I.DLL CPPYM35I.DLL CPPYU35I.DLL CPPDUNF1.DLL CPPDDLE1.DLL CPPDXCX1.DLL CPPDTCP1.DLL DEMANGLI.DLL CPPDFSRV.EXE IRMTDBG.EXE 4. 次の言語固有ファイルの 1 つを、IBM C and C++ Compilersの「bin」 ディレクトリーからリモート・デバッガー・ディレクトリーにコピー する。 +-----------------------+--------------+ | 言語 | ファイル名 | +-----------------------+--------------+ | 中国語 (簡体字) | CPPDMGC1.DLL | | 日本語 | CPPDMGJ1.DLL | | その他のすべての言語 | CPPDMG1.DLL | +-----------------------+--------------+ 5. IBM C and C++ Compilers の「msg」ディレクトリー (たとえば C:\ibmcxxw\msg) から、CPPDCC1.CAT ファイルをリモート・デバッガー ・ディレクトリー (「msg」ディレクトリー) にコピーする。 6. 次のコマンドを実行して、リモート・マシンに NLSPATH 環境変数を 設定する。 set NLSPATH=full_path_of_debugger_directory\cat_file_directory\%N たとえば、リモート・デバッガー・ディレクトリーが C:\remdbg で、 メッセージ・カタログ・ファイル (.cat) が \msg の中にあるとすれ ば、次のようにコマンドを入力します。 set NLSPATH=C:\remdbg\msg\%N これで、オンライン・ヘルプの「デバッガーとリモート・プログラムの 開始 (Start the Debugger and the Remote Program)」ページに表示され る指示に従って、リモートの Windows 95 または Windows 98 マシンで、 プログラムのデバッグを開始することができます。 2. コンパイラー --------------- a) /qarch オプション (実行可能プログラムを実行するアーキテクチャー の指定) のデフォルト設定が、/qarch=x86 (任意の 32 ビット x86 ア ーキテクチャー) から /qarch=486 (486 命令セットをサポートする任 意のアーキテクチャー) に変更されました。 b) /Gi オプション (高速整数コードの生成) のデフォルト設定が、/Gi- から /Gi+ に変更されました。 c) スタックを強制的にチェーニングするためにこれまで /Op- オプショ ン (スタック・ポインターの最適化の禁止) を使用していた場合は、 スタック・チェーニングを特に制御するための新規オプション (/Oq) が追加されたことに留意してください。スタックのチェーニングが必 要な場合は、/Op+ /Oq+ を使用すると、/Op- の場合より効率の高い コードを作成することができます。 3. リンカー / ライブラリアン ---------------------------- a) IBM VisualAge C++ プロフェッショナル V4.0 では、最大 64000 文字の長さの関数名および記号名を使用できます。IBM C and C++ Compilers V3.6.4 では、ILink および ILIB ユーティリティーが 拡張され、これらの長い名前のオブジェクトとライブラリーを取り 扱うことができるようになりました。 b) リンカーは、一度に 1 つだけ、リソース・ファイル (.res) を処理し ます。ユーザーが 1 つのアプリケーションに複数のリソース・ファイ ルをリンクしようとすると、エラー・メッセージが表示されます。 c) システムの制限により、Windows 95 ユーザーは、実行可能プログラム を生成する場合、0x400000 より下位の基底アドレスは指定できません。 /base:0xADDRESS オプションを使用するときは (ADDRESS < 0x400000 になる場合に備えて)、リンカー・オプション /NOFIXed も使用する必 要があります。そうすれば、指定された基底アドレスが使用不能な場 合にシステムがアプリケーションを再配置することができます。 d) この製品で作成された dll を別のコンパイラーで作成された dll と リンクさせるときに、次の例のような単一の icc コマンドを使用した とします ( この例では、「ibm.obj」は「ibm.dll」のソース・オブジェ クトで、「 microsoft.lib」は「microsoft.dll」のインポート・ライ ブラリーです)。 icc /ge- ibm.obj microsoft.lib このとき、次のエラー・メッセージが戻されることがあります。 "Fatal error : invalid object 'microsoft.dll' at offset xxxx xxxx" (致命的エラー : 無効なオブジェクト 'microsoft.dll' がオフセット xxxx xxxx にあります。) この問題が起きないようにするには、次のような対応策を使用できます。 i. すべての Microsoft インポート・ライブラリーの直前にリンカー ・フラグ「/B」を追加する。これで、icc はこれらのライブラリー を ilink に渡すだけになります。 ii. dll をリンクするためのエクスポート・オブジェクト・ファイル を作成する。この場合、icc は、xxx.exp ファイルを生成するため に ilib を呼び出すことはありません。 iii. icc でなく ilink を使用して、xxx.dll をリンクする。 e) dll をリンクするときは、リンカー・オプション /base:0x1000000 を使用することをお勧めします。このオプションを使用しないと、デ フォルト値 0x400000 を超えるアドレスを指定した場合、Windows 98 が dll を他のアドレスに再ロードしようとしたときに問題が発生すること があります。異なる dll には異なる基底アドレスを使用すると、ロー ダーの実行時間のオーバーヘッドを削減するのに効果があります。 f) dll を生成する icc コマンドの一部として、Microsoft Visual C++ V6.0 以降で生成されたインポート・ライブラリーを指定する場合は、 a.exp ファイルも指定する必要があります。 次の例を見てください。 icc /ge- a.c ADVAPI32.lib ここで、ADVAPI32.lib は Microsoft Visual C++ V6.0 で生成された ライブラリーです。この場合、次のエラー・メッセージが戻されます。 fatal error : Invalid object "ADVAPI32.dll" at offset 69237 (致命的エラー : 無効なオブジェクト "ADVAPI32.dll" がオフセット 69237 にあります。) なぜなら、icc は ilib を呼び出してリンカー用の a.exp ファイルを 生成する必要があるからです。 この問題への対応策として考えられるのは次の 2 つの方法です。 1) ライブラリー名の前に「/B」を付けて、そのライブラリーをリンカ ー (ilink.exe) のみに渡すことを icc に指示する。つまり、次の ように指定します。 icc /ge- a.c /B"ADVAPI32.lib" 2) ilib.exe で生成された a.exp ファイルを icc に与える。つまり、 次のように指定します。 icc /ge- a.c a.exp ADVAPI32.lib 4. C++ ランタイム・ライブラリー ------------------------- a) iostream ライブラリー (IBM C and C++ Compilers 3.6.0 の一部だっ たもの) は、以前の製品 (VisualAge for C++ 3.5 など) と互換性が ありませんでした。現在、これは修正されました。 5. IBM Open Class ライブラリー ------------------------------ a) Motif: このリリースの Open Class ライブラリーには、IToolBar、 IToolBarButton、ICustomButton、その他の関連ツールバーやカスタム ・ボタン・クラスに対する Motif サポートが含まれています。 b) ソース・ファイル : Open Class ソース・ファイルは、参照用およびデバッグ用としてのみ 提供されています。現在は、これらのソースやこのリリースで提供さ れるコンパイラーから Open Class ライブラリーを再生成することは できません。 c) DLL 以下のようにして Open Class DLL をプリロードしておくと、アプリ ケーションを最初に開始するときの所要時間を短縮することができま す。 i) Hello1 IOC サンプル用のプログラム・オブジェクトを作成する。 (...\samples\iclui\hello1\hello1.exe) ii) このプログラム・オブジェクトをシステムの始動フォルダーに入 れる。 プログラム・オブジェクトの構成時に「始動時に最小化 (start minimized)」を指定しておくと、システムの始動時にサンプル・ウィ ンドウは表示されません。 d) ilistcvw.hpp および icombovw.hpp の通知 ID の移動 : 下記の通知 ID が移動されました。 - ilistcvw.hpp から ilistbas.hpp へ : ICollectionViewListBox itemChangedId, itemsId, extendedSelectChangedId; IBaseListBox へ移動 - icombovw.hpp から icombobs.hpp へ : ICollectionViewComboBox itemChangedId itemsId IBaseComboBox へ移動 この移動の理由は、通知 ID がテンプレート・クラスに常駐している と問題が生じるためです (静的データ・メンバーをテンプレートに入 れると問題の原因になります。テンプレートを使用したときに、アプ リケーション内で同じデータ・メンバーの複数のインスタンスが生じ る場合があるからです。) これらの通知 ID は基本クラスに移動され たので、同じアプリケーションで生成される通知 ID のインスタンス は 1 つだけになりました。ただし、これらの通知を送信できるのは、 基本クラスでなく、コレクション・リスト・ボックス・クラスとコン ボ・ボックス・クラスだけです。したがって、コレクション・リスト ・ボックスまたはコンボ・ボックスを使用しない場合は、これらの通 知も使用しないでください。 e) IBM Open Class ライブラリーの両方向サポート Open Class 提供の両方向サポートとオペレーティング・システム提供 の両方向サポートの間に競合が生じるため、次のような制約があります。 o IContainerControl、INotebook、IProgressIndicator、 IBaseSpinButton の各クラスの pmCompatible スタイルを使用して作 成されたコントロールは両方向 (bidi) 対応ではありません。 o その他の IContainerControl ウィンドウでは、右から左への表示動 作に一部制限があります。たとえば、詳細ビューの列の表示は、右か ら左へではありません。アイコンのグループ化も、右から左へではあ りません。 o その他の INotebook ウィンドウでは、右から左への表示動作に一部 制限があります。たとえば、タブ表示は、右から左へではありません。 o IHelpWindow::ipfCompatible スタイルを使用して作成された IHelpWindow オブジェクトから表示されるヘルプ・ウィンドウは、 両方向対応ではありません。 o その他のヘルプ・ウィンドウでは、右から左への表示動作に一部制限 があります。 o ICircularSlider は両方向対応ではありません。 IBM Open Class ライブラリーの両方向言語サポートに関する詳細は、 VisualAge C++ の Web サイトにあるサポート・ページを参照してくだ さい。 f) IString+= 操作を最適化するために、IBuffer/IDBCSBuffer クラスは 32 バイト単位でメモリーを割り振るようになりました。この最適化 機能をオフにするには、静的ブール関数 IBuffer::is32BytesAligned を偽に設定します。デフォルトでは、IBuffer::setDefaultBuffer() が呼び出されると、このブール関数は無条件で偽に設定されます。 g) Windows 2000 に関する変更と説明 IFileDialog このファイル・ダイアログは、Windows 2000 では外観が異なり、 ツールバーがウィンドウの左端に表示されます。ユーザーは、この ツールバーを使用して、オペレーティング・システムから表示される 共通保管域を簡単に選択できます。 Windows 2000 では、オープン / 保管ダイアログ用のデフォルトの 作業ディレクトリーは、SHGetFolderPath APIから戻される CSIDL_PERSONAL フォルダー・パスによって指定されます。 CSIDL_PERSONAL フォルダー・パスは、現行ユーザーのドキュメント を入れる共通リポジトリーとして機能するファイル・システム・ディ レクトリーと見なされます。したがって、IFileDialog への初期パス を指定しなかった場合は、そのダイアログで使用されるデフォルト・ ディレクトリーは CSIDL_PERSONAL フォルダー・パスになります。 他の Windows フォルダーにアクセスしなければならないアプリケー ションは、オペレーティング・システムに照会して正しいパスを入手 し、それを IFileDialog::Settings::setInitialDrive に渡す必要が あります。 IFileDialog::Settings::setInitialDrive Windows 2000 で実行しているとき、この関数を呼び出さないと、 IFileDialog は CSIDL_PERSONAL フォルダー・パスを初期ドライブと して使用します。CSIDL_PERSONAL フォルダー・パスは、現行ユーザ ーのドキュメントを入れる共通リポジトリーとして機能するファイル ・システム・ディレクトリーと見なされます。 IProfile の変更 下記のコンストラクターがこのクラスに追加されました。 public: IProfile( const char* profileName, EType type, EAccess access ) これは Windows のみでサポートされます。 これは、コンストラクターに渡された EType 値と EAccess 値に応じ て、読み取り専用アクセス権または読み取り / 書き込みアクセス権 によってシステム・プロファイルまたはユーザー・プロファイルを作 成またはオープンする IProfile オブジェクトを構成します。 このコンストラクターは、ユーザー・プロファイルをオープンまたは 作成するときに使用すると便利です。Windows では、プロファイル名 のみが指定されたコンストラクターは、読み取り / 書き込みアクセ スによりシステム・プロファイルをオープンします。Windows 2000 では、読み取り / 書き込みアクセス権を使用してシステム・プロファ イルをオープンできるのは管理者だけであることに注意してください。 profileName オープンまたは作成するプロファイルの名前。 type このプロファイルがユーザー・プロファイルであるか、システム・ プロファイルであるかを指定します。 access プロファイルを読み取り専用アクセスによりオープンするか、また は、読み取り / 書き込みアクセスにより作成またはオープンするか を指定します。 例外 IInvalidParameter IProfile オブジェクトは構成されませんでした。プロファイル名が 欠落しています。 IAccessError IProfile オブジェクトは構成されませんでした。プロファイル名が 無効か、ユーザーに指定のタイプのプロファイルを作成またはオー プンするための権限がありません。 次の列挙型が追加されました。 EAccess enum EAccess { kReadOnly, kReadWrite } これは Windows のみでサポートされます。 この列挙型は、プロファイルのアクセス・モードを指定するために使用 します。 kReadOnly プロファイルが存在していれば、読み取り専用アクセス権によりその プロファイルをオープンします。 kReadWrite 読み取り / 書き込みアクセス権によりプロファイルを作成またはオー プンします。 EType enum EType { kSystem, kUser } これは Windows のみでサポートされます。 この列挙型は、プロファイル・タイプを指定するために使用します。 kSystem Windows レジストリーの HKEY_LOCAL_MACHINE\Software の下で、プロ ファイルを作成またはオープンします。Windows 2000 では、この操作 ができるのは管理者アクセス権を持つユーザーのみであることに注意 してください。 kUser Windows レジストリーの HKEY_CURRENT_USER\Software の下で、プロ ファイルを作成またはオープンします。 IWindow::setFocus Windows 2000 では、フォアグラウンドで実行中別のアプリケーショ ンがある場合は、この関数はフォアグラウンド・ウィンドウを変更し ません。この場合、その別のアプリケーションはキーボード入力の受 け取りを続けることができます。 システム・オブジェクト Windows Terminal Server プログラムには、システム・オブジェクト 用に使用できる 2 つのネーム・スペースがあります。セッション・ ネーム・スペースとグローバル・ネーム・スペースです。IOC クラス ISharedResource と ISharedCondition は、どちらもシステム・オブ ジェクトを作成します。これらのクラスがシステム・オブジェクトを グローバルとセッションのどちらのネーム・スペースに作成するか をコンストラクターに渡す名前によって明示的に指定することができ ます。 ネーム・スペースを指定するには、ISharedResource オブジェクトま たは ISharedCondition オブジェクトを作成するときに渡す名前に、 「 Global\」または「Local\」という接頭部を追加します。接頭部 「Global\」を付けると、システム・オブジェクトがグローバル・ネ ーム・スペース内に作成されます。接頭部「Local\」を付けると、オ ブジェクトはセッション・ネーム・スペース内に作成されます。 Terminal Services を実行していない Windows 2000 システムでは、 接頭部「Global\」も「Local\」も無視されます。 次の例を見てください。 ISharedCondition("Global\\keyName") グローバル・ネーム・スペースに名前が作成されます。 ISharedCondition("Local\\keyName") セッション・ネーム・スペースに名前が作成されます。 ISharedCondition("keyName") デフォルトの (つまりセッション) ネーム・スペースに名前が 作成されます。 h) Windows SDK に関する変更と説明 STRICT によるコンパイルをサポートするための変更 Windows SDK は、ハンドル型 (HWND、HICON、HDC など) のためのさ らに強力な型検査機能をサポートしています。したがって、コンパイ ラーはこれらのハンドル型を void* と互換可能な等価オブジェクト とはみなしません。SDK がこの強力な型検査を提供するのは、コンパ イル時に STRICT マクロが定義されている場合です。この強力な型検 査を使用しなければ、HICON を必要とする API に HWND 値を渡すこ とはできません。 SDK の旧バージョンでは、デフォルトで NO_STRICT が定義されてい ました。IBM Open Class ライブラリーは、旧バージョンの SDK で定 義された STRICT を含むコンパイルをサポートしていませんでした。 更新済みの SDK では、現在は STRICT がデフォルトになっています。 したがって、再コンパイルするだけで、SDK ハンドル型を直接使用す るコード (SDK ハンドル型を取得するかまたは戻す Windows API を 呼び出すアプリケーション・コードなど) に対する強力な型検査機能 を利用できるようになります。SDK ハンドル型の強力な型検査によっ て、コンパイルに使用されたコードの中のエラーを明確に識別できる ようになります。ハンドル関連の新しいコンパイラー・エラーを検出 したときは、そのエラーの原因になったコードを訂正するか、あるい は、構成を変更してコンパイル時に NO_STRICT マクロを定義する必 要があります。 IBM Open Class ライブラリーのハンドル・クラスが拡張され、新し く Windows 専用のコンストラクターと演算子が追加されたので、 STRICT と NO_STRICT のどちらが定義されているアプリケーションでも コンパイルできるようになりました。ただし、既存のコードに無用の コンパイラー・エラーを招いてしまう事態を避けるために、STRICT が 定義されているときは、IOC ハンドル・クラスは強力型検査を実行し ません。 IOC ハンドル・クラスで強力な型検査を実行したい場合は、SDK ハン ドル型で利用できる強力な型検査の場合と同様に、アプリケーション ・コードのコンパイル時に IC_WIN_STRICT_HANDLES を定義し、 NO_STRICT を定義せずに、コンパイルを実行する必要があります。 この強力型検査では、IWindowHandle オブジェクトは HWND 値からの み作成可能です。HDC 値からも void* 値からも作成できません。 IFont SDK ファイルの ocidl.h の COM IFont クラスは、IBM Open Class ライブラリーが提供する ifont.hpp の中の IFont クラスと競合する ことがあります。この競合は以前の SDK にも見られましたが、更新 済みの SDK ではさらに多数の SDK ヘッダー・ファイルに ocidl.h が組み込まれたため、競合の可能性が大きくなりました。このよう な競合を避けるために、IBMでは、COM IFont クラスを __IWinFon に再定義しました。COM IFont クラスを使用する既存コードがある場 合は、下記のどちらかの操作をして、IBM Open Class ライブラリー の中のバージョンでなく、既存のバージョンの IFont クラスを参照 するように修正する必要があります。 - コンパイル時にマクロ __WIN_IFONT__ を定義する。 または - 既存コードの中の IFont のすべてのオカレンス (COM バージョ ンの IFont に対する参照) を __IWinFont で置き換える。 COM IFont クラスと IOC IFont クラスを同じコンパイル単位の中で 使用できるのは、__IWinFont を使用して COM クラスを参照した場合 だけであることに注意してください。 i) その他の変更または説明 IGImage ファイルのサポート オンライン・リファレンスのタスクおよび概念のセクションに、 IGImage クラスが PCX ファイルと TIFF ファイルをサポートすると いう記述がありますが、この記述は誤りです。 IThreadFn オブジェクトの削除 IBM Open Class は、IThreadFn オブジェクトを実行するスレッドが 完了したときに、この関数オブジェクトを削除するようになりました。 これは、旧バージョンの IOC の動作とのマッチングのためです。 このフィックスパック以前には、IOC が誤って IThreadFn オブジェ クトをリークするエラーがありました。 このフィックスパックを適用した後は、コードに誤りのあるアプリケ ーションは次の場合に失敗することがあるので注意してください。 - IOC がすでに削除したかまたは削除しようとしている IThreadFn オブジェクトを、アプリケーションが削除しようとした場合。 - アプリケーションが、新規演算子を使わずに、スタック上に IThreadFn オブジェクトを作成しようとした場合。 - IOC がすでに削除した IThreadFn オブジェクトを使用する別の スレッドを、アプリケーションが開始しようとした場合。 IWindow 属性の削除 IWindow オブジェクトが削除された後、または IWindow::addOrReplaceAttribute への別の呼び出しによってこの属 性が置換された後は、IWindow::addOrReplaceAttribute から戻され るポインターはもう無効です。 6. 追加コンポーネントのインストール ----------------------------------- 追加コンポーネントをインストールするには、以下の操作をします。 1. IBM C and C++ Compilers、バージョン 3.6 の CD-ROM を CD-ROM ドラ イブに入れる。 2. 「自動再生 (Autoplay)」が使用可能になっていない場合は、CD-ROM アイコンをクリックして開き、setup.exe を起動する。 3. 「IBM C and C++ Compilers、バージョン 3.6 (IBM C and C++ Compilers, Version 3.6)」を選択し、機能選択パネルに進む。 4. 現在のシステムに追加したい新規機能を選択する。現在どの機能がイ ンストールされているかは、Windows インストール・プログラムに記 憶されています。 5. 必ず、元のインストール時に選択したものと同じターゲット・ドライブ とディレクトリーを選択する。 6. この後は、画面の指示に従ってインストール操作を完了する。 DBCS (2 バイト文字ストリング) に関する注 ----------------------------------------- o 英語版の VisualAge C++ を DBCS 言語環境で使用するときは、 SETENV.CMD の中の LANG 環境変数を手動で変更する必要があります。 (この変更をしないと、コンパイラーでは英語環境と見なされるので、 DBCS アプリケーションを正しく作成することができません。) o UDB ODBC ドライバーを使用してグラフィック・データ型にアクセスす るには、db2cli.ini の PATCH1 と PATCH2 を設定する必要があります。 詳しくは、次の Web サイトを参照してください。 http://www.software.ibm.com/data/db2/java/dbcsjava.html ====================================================================== 第 2 部 ヘルプ・システム・サーチ・サーバー ====================================================================== 1.0 HTML ヘルプのサーチ ----------------------- サーチ・システムはサーチ・エンジンとサーチ・サーバーで構成されてい ます。サーチ・システムは、他の製品でも使用されることがあるため、専 用のディレクトリーに格納されています。 2.0 HTML サーチ・システムの使用 ------------------------------- 2.1 ブラウザー要件 IBM HTML ヘルプを表示するには、フレームをサポートするブラウザー (たとえば、Netscape バージョン 3.01 以上または Internet Explorer バージョン 3.02 以上) が必要です。 ご使用のブラウザーでは、ローカル・ホスト (localhost) ポートの ためのプロキシー処理をアクティブにしてはなりません。ご使用の ブラウザーで、ローカル・ホスト用のプロキシー処理を必ずオフに してください。 2.2 サーバーの開始と停止 サーチ・サーバーが停止した場合 (またはタスク・マネージャーを使 用してそれを停止した場合) は、「スタート」メニューから表示され る製品フォルダーの中の「ヘルプ・ホーム・ページ (Help Home Page)」 アイコンをダブルクリックすることで、サーチ・サーバーを再始動す ることができます。 2.3 プロキシー・サーバーを使用可能にしたサーチ (Netscape または Internet Explorer 使用時) Netscape または Internet Explorer を使用している場合は、手動で プロキシーを使用可能にし、プロキシー情報を変更することで、サー チを大幅にスピードアップすることができます。 Netscape 3 の場合 : ---------------- a) 「オプション ... ネットワーク・プリファレンス ... (Options... Network Preferences...)」を選択する。 b) 「プロキシー (Proxies)」タブをクリックする。 c) 「手動プロキシー構成 (Manual Proxy Configuration)」選択で 「表示 (View)」をクリックする。 d) 「プロキシーなし (No proxies for)」ボックスに、次のように入 力する。 localhost:49213 このボックスにすでに他のエントリーがある場合は、コンマで区 切って新規エントリーを入力してください。 e) 「OK」をクリックし、もう一度「OK」をクリックして「プロキシー (Proxies)」タブを終了する。 Netscape 4 (Communicator) の場合 : ---------------------------------- a) 「編集 ... プリファレンス .. (Select Edit... Preferences..)」 を選択する。 b) 「カテゴリー (Category)」ツリーの「詳細 (Advanced)」をダブ ルクリックする。 c) 「詳細 (Advanced)」サブツリーの「プロキシー (Proxies)」をク リックする。 d) 「手動プロキシー構成 (Manual Proxy Configuration)」選択で 「表示 (View)」をクリックする。 e) 「例外 ... 次で始まるドメインにはプロキシサーバーを使用しな い (Exceptions... Do not use proxy servers for domains beginning with)」ボックスに、次のように入力する。 localhost:49213 このボックスにすでに他のエントリーがある場合は、コンマで区 切って新規エントリーを入力してください。 f) 「OK」をクリックし、もう一度「OK」をクリックして「プリファ レンス (Preferences)」ウィンドウを終了する。 Internet Explorer 3 および 4 の場合 : ------------------------------------- a) 「表示 ... オプション (View... Options)」を選択する。 b) 「接続 (Connection)」を選択する。 e) 「例外 ... 次で始まるアドレスにはプロキシを使用しない (Exceptions... Do not use proxy servers for addresses beginning with) 」ボックスに、次のように入力する。 localhost:49213 このボックスにすでに他のエントリーがある場合は、コンマで区 切って新規エントリーを入力してください。 d) 「ローカルアドレスにはプロキシ サーバーを使用しない (Do not use proxy server for local (intranet) addresses)」ボックス を選択する。 e) 「OK」をクリックする。 Internet Explorer 4.0 HTTP 1.1 の設定 ------------------------------------- 現在、Internet Explorer のデフォルト設定は、サーチ・サーバーと 競合する原因になっています。1 つの対応策としては、Internet Explorer の「詳細設定 (advanced)」オプションの「HTTP 1.1 設定 (HTTP 1.1 settings)」のチェック・ボックスで、この設定を使用不 可にします。システムをリブートすれば新しい設定が有効になります。 Socks サーバーとプロキシー -------------------------- Netscape 3 で、保護サイトにダイヤルインしてプロキシー・サーバ ーまたは Socks サーバー経由でインターネットにアクセスしている 場合は、これらの設定を Netscape で削除してからでないと、サーチ は行えません。これは Netscape 3 のバグです。この設定のチェック マークを外しさえすれば、Netscape Communicator は正しく機能しま す。 3.0 Windows でサーチ・システムがアンインストールされない場合 ------------------------------------------------------------ Windows NT でサーチ・システムがアンインストールされない場合は、次 の原因が考えられます。 a) 別の製品がサーチ・システム・ランタイムを使用しているために、除 去できない。 b) サーチ・システムのアンインストール・プログラムが予期されたとお りの処理を実行しなかった。 サーチ・システムを使用中の他の製品があるかどうかを調べるには、次の コマンドを実行します。 nqcounti <サーチ・システムのディレクトリー>. サーチ・システムがどこにインストールされているかを見付けるには、環 境変数 IMNINSTSRV をエコー・バックさせます。たとえば、Windows NT でサーチ・システムが D:\IMNNQ_NT にインストールされている場合は、 次のコマンドを実行します。 nqcounti D:\IMNNQ_NT. このコマンドは、サーチ・エンジン・ランタイムにまだ登録されているイ ンデックス (つまり製品) の数を戻します。戻り値に、アクティブなイン デックスがまだ 1 つ以上あることが示されている場合は、他の製品がま だ登録されているので、サーチ・システムを除去することはできません。 サーチ・システムから「0 indices active (アクティブなインデックスは 0 個です)」というメッセージが戻された場合は、アンインストール処理 自体が失敗しています。 3.1 製品のアンインストール後のリブート IBM C および C++ をアンインストールした後は、次のインストール を行う前にリブートすることが非常に重要です。理由は、サーチ・シ ステムの一部のランタイム DLL がオペレーティング・システムによっ て保留にされていることがあり、このような DLL は次のリブートま では除去されずに残っているからです。リブートする前にサーチ・シ ステム・ランタイムをインストールすると、新規にインストールした サーチ・システム・ランタイム DLL が次のリブート時に削除されて しまい、サーチ・システム・ランタイムが使用不可能になります。 3.2 Windows 2000 では、Netscape を使用してヘルプ・サーチを実行すると 速度が非常に遅くなります。 4.0 その他の変更 ----------------- このバージョンでは、新規バージョンの Microsoft SDK を使用します。 したがって、サポートされているツールが変更されました。 Win32 SDK オンライン・ヘルプ : オンライン・ヘルプについては、「Microsoft Platform SDK」の 「Platform SDK Documentation」を参照してください。