IBM Books

管理およびプログラミングの手引き


XML 文書

コンピューター産業には多数のアプリケーションがあり、それぞれに固有の長所と短所があります。 今日のユーザーは、個々のタスクに最適なアプリケーションを選択することができます。 しかし、別々のアプリケーションでデータが共用されることはよく行われており、 データを他のアプリケーションにインポートするために、 別の形式に複製、変換、エクスポート、または保管するという課題が絶えず発生しています。 その場合、そのような変換プロセスの多くで、データの部分的な喪失が不可避であったり、 またはデータの整合性を保つための面倒なプロセスの実行が最低限必要であったりするので、 ビジネス・アプリケーションにおける重大な問題を生じることがあります。 これは、時間と経費の浪費につながります。

今日、この問題に対処する方法の 1 つは、アプリケーション開発者がオープン・データベース・コネクティビィティー (ODBC) アプリケーションを作成して、 データをデータベース管理システムに保管するようにすることです。 そこからデータを操作して、他のアプリケーションの規定の形式で提供することができます。 短期間で変更されてすぐに古くなってしまうアプリケーションの場合でも、 その規定の形式にデータを変換できるように、 データベース・アプリケーションを作成しておく必要があります。 データを HTML に変換するアプリケーションでは表示ソリューションが用意されていますが、 その表示用のデータを、他の用途に使えることはまずありません。 データを表示から分離する何らかの手段があったら、その手段を使って、 アプリケーション相互でデータをやりとりすることができるはずです。

XML は、この問題に対処するために開発されました。 XML は、eXtensible Markup Language (拡張可能マークアップ言語) の頭字語です。 拡張可能と呼べるのは、その言語自体がメタ言語であり、 企業の必要に応じて独自の言語を作成できるからです。 XML を使用すると、特定のアプリケーション用のデータだけでなく、 データ構造をも取り込むことができます。 XML は唯一の交換形式というわけではありません。 しかし、XML はデータ交換のための受け入れられる規格となってきました。 この規格に従えば、それぞれのアプリケーションは、 プロプライエタリーな形式を使ったデータ変換を行わなくても、 互いにデータを共用できるようになります。


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]