DB2 は、オブジェクト指向をサポートしています。 この概念は、具象または抽象のいずれであれ、すべてのものがアプリケーションの中でオブジェクト (操作とデータ値の集合で構成される) として表現できるというものです。 たとえば、文書は、文書データと、その文書に対して行う操作 (ファイリング、送信、印刷など) からなる文書オブジェクトによって表すことができます。 ビデオ・クリップは、ビデオ・データと、ビデオ・クリップの再生や特定のビデオ・フレームの検索などの操作からなるビデオ・オブジェクトとして表すことができます。 実世界の対象物の場合と同じように、何かを表すオブジェクトには属性があります。 たとえば、ビデオ・オブジェクトには、圧縮タイプやサンプリング率などの属性を与えることができます。
オブジェクトは、タイプごとにグループ化することができます。 同じタイプのオブジェクトは、同じ属性を持ち、同じように動作します。 つまり、同じ操作に対応しています。 たとえば、あるビデオ・タイプに、ある圧縮タイプ属性を定義すると、そのビデオ・タイプのすべてのオブジェクトがその属性をもちます。 そのビデオ・タイプのあるオブジェクトが再生可能であれば、そのビデオ・タイプのすべてのオブジェクトが再生可能です。
DB2 のオブジェクト指向のサポートでは、オブジェクト・タイプのインスタンスを表の列に保管し、それらを SQL ステートメントの関数によって操作することが可能です。 たとえば、ビデオ・オブジェクトを表の列に保管し、それらを SQL 関数を使って操作することができます。 また、保管したオブジェクトの属性と動作は、アプリケーションの間で共用することができます。 すべてのアプリケーションでは、同じオブジェクト・タイプは、同じ属性と動作の組み合わせとして「認識」されます。
ビデオ・オブジェクトは大きくて複雑であるのが普通です。 画像オブジェクトや音声オブジェクトも同様です。 DB2 では、オブジェクト指向サポートの一環として、ラージ・オブジェクト (LOB) をデータベースに保管することが可能です。 さらに、これらの LOB を、ユーザー定義タイプ (UDT)、ユーザー定義関数 (UDF)、およびトリガーを使って定義および操作することができます。