イメージ、オーディオ、およびビデオ・エクステンダー 管理およびプログラミングの手引き

QBIC カタログ

QBIC カタログは、画像の視覚的な特徴を示すデータが入っているファイルの集合です。 イメージ・エクステンダーは、このデータを使って画像を内容に応じて照会します。

ユーザー表内の画像の列 (欄) ごとに QBIC カタログを作成して、それを内容による探索で使用できるようにします。 QBIC カタログを作成する際には、イメージ・エクステンダーによってデータを分析、保管、照会する対象の特徴を指定します。 これらの特徴は、カタログを作成した後でも、QBIC カタログへ追加したり、そこから削除したりすることができます。

QBIC カタログには、画像の特徴を表す次のデータを入れることができます。

平均色
画像の全ピクセルの色値の合計を画像のピクセル数で除算したもの。 (ピクセルとは、色や輝度を割り当てることのできる画像の最小要素です。) たとえば、画像の 50% が青いピクセルで、残りの 50% が赤いピクセルであれば、画像の平均の色値は紫です。

平均色は、優勢な色をもつ画像を探索するときに使用します。 画像が優勢な色を持っていれば、その平均色はその優勢な色と類似したものになります。

ヒストグラム色
画像の色の分散を 64 色のスペクトルに対して測ります。 ヒストグラム色では、64 色のそれぞれについて、その色をもつピクセルの割合を識別します。 たとえば、画像のヒストグラム色が 40% の白と 50% の青と 10% の赤であれば、ヒストグラム・スペクトルの他の色をもつピクセルはありません。 ヒストグラム色は、さまざまな色をもつ画像を探索するときに使用します。

定位置色
画像の特定のエリアにあるピクセルの平均の色値。 たとえば、画像の右上に明るい黄色の太陽があれば、このエリアの定位置色は明るい黄色です。 定位置色は、特定のエリアに優勢な色がある画像を探索するときに使用します。

テクスチャー
画像のきめの粗さ、コントラスト、方向性を示します。 きめの粗さは、画像に繰り返し現れる対象の大きさを示します (たとえば、小石か大石か)。

コントラストは、画像における輝度の変化を示します (淡い色か、濃い色か)。

方向性は、画像の中で方向性が重要であるか (棒塀の場合、縦方向)、ないか (砂の画像など) を示します。

テクスチャーは、特定のパターンをもつ画像を探索するときに使用します。

画像を内容で探索できるようにするには、その画像をカタログする必要があります。 画像をカタログすると、イメージ・エクステンダーが、 その画像の特徴を表す値 (フィーチャー値) を計算することによってその画像を分析し、その値を QBIC カタログに保管します。

画像を内容で探索する際には、1 つまたは複数のフィーチャー (平均色など)、それぞれのフィーチャーを示すソース (例示する画像など)、ターゲットとしてのカタログ・イメージ群をその照会に指定します。 イメージ・エクステンダーは、ソースのフィーチャー値を計算し、それをターゲット・イメージのカタログされたフィーチャー値と比較します。 次にイメージ・エクステンダーは、ターゲット・イメージのフィーチャー値がソースのそれにいかに似ているかを示す点数を計算します。

これによって、特徴がソースに最も類似した画像をイメージ・エクステンダーから受け取ることができます。 イメージ・エクステンダーからは、各画像のハンドルと画像の点数が戻されます。 イメージ・エクステンダーから、単一画像の点数だけを受け取ることもできます。


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