概説およびインストール、EEE (Windows** 版)

DB2 データの処理

DB2 は、機能が豊富なリレーショナル・データベース・システムで、多くの機能にリモートからアクセスすることができます。 DB2 では、データを保管するためのリレーショナル・データベースが提供される他に、ローカルまたはリモートのクライアント・アプリケーションのデータを管理、照会、更新、挿入、または削除するための要求を発行することもできます。

リモート・クライアントからの DB2 データへのアクセス

DB2 クライアントは、クライアント・アプリケーションから 1 つ以上のリモート・データベースにアクセスするための実行時環境を提供します。 DB2 アドミニストレーション・クライアントを使用して、 DB2 サーバーまたは DB2 コネクト・サーバーを遠隔管理することができます。すべてのアプリケーションは、DB2 クライアントを介してデータベースにアクセスしなければなりません。 Java アプレットは、Java 対応ブラウザーを介してリモート・データベースにアクセスすることができます。

DB2 バージョン 7 クライアントは、次の環境でサポートされます。

図 5 は、ローカルおよびリモート・アプリケーションがアクセスしているサーバーを示します。リモート・アプリケーションには、アプリケーションがリモート・サーバー上でデータにアクセスできるように、適切な DB2 クライアントをインストールしておく必要があります。

図 5. ローカル・アプリケーションとリモート・クライアントを持つ DB2 サーバー


この図は、DB2 ユニバーサル・データベース に接続できるすべてのリモート・クライアントを表します。

複数の DB2 サーバーへのアクセス

ネットワークが操作可能になり、ワークステーションでプロトコルが機能するようになったら、 DB2 サーバーとクライアントとの間の LAN から LAN への接続には、追加ソフトウェアは必要ありません。

たとえば、LAN に接続されている Windows NT にサーバーを置き、そして LAN に接続されている UNIX ワークステーションに別のサーバーを置くことができます。 2 つの LAN の間に接続がある限り、どちらのネットワークのクライアントでも、どちらのサーバーにでもアクセスできます。 図 6を参照してください。

図 6. 複数のサーバーのデータへのアクセス


複数の DB2 サーバーに接続するクライアントを示した図

1 つのトランザクションにおいては、両方のサーバーのデータベースがアクセスされ更新されても、それぞれのデータの整合性は保たれます。一般に、これを 2 フェーズ・コミットまたは分散作業単位アクセスと呼びます。詳細については、管理の手引き を参照してください。

DB2 コネクト エンタープライズ・エディションを使用しての、デスクトップからホストまたは AS/400 DB2 データへのアクセス

DB2 コネクト サーバー・サポート機能をインストールした DB2 サーバー、または DB2 コネクトのサーバーを使用して、LAN 上の DB2 クライアントから、ホストまたは AS/400 システムに保管されるデータにアクセスすることができます。

多くの大規模な組織では大量のデータが、DB2 (AS/400 版)、 DB2 (MVS/ESA 版)、DB2 (OS/390 版)、または DB2 (VSE および VM 版) によって管理されます。サポートされている任意のプラットフォームでアプリケーションを実行した場合、あたかもローカル・データベース・サーバーがそのデータを管理しているかのように、データを透過的に処理することができます。 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションは、ホストまたは AS/400 データにアクセスし、トランザクション・モニター (たとえば、IBM TxSeries CICS、Encina Monitor、Microsoft Transaction Server、BEA Tuxedo) や、 Java アプレットとして実装されるアプリケーションを開発するアプリケーションをサポートするのに必要です。

さらに、広範囲の既製またはカスタム開発されたデータベース・アプリケーションを、 DB2 コネクトとその関連ツールと共に使用することができます。たとえば、DB2 コネクト・プロダクトを次のものと一緒に使用できます。

DB2 コネクト エンタープライズ・エディションは、次のような環境に最も適しています。

これにより、分散データ管理用の標準アーキテクチャーを介して、ホスト・データまたは AS/400 データに透過的にアクセスできます。この標準規格は、分散関係データベース体系 (DRDA) と呼ばれます。アプリケーションは、DRDA の使用によって、高価なホスト構成要素や専用のゲートウェイを使わずにホストおよび AS/400 データベースに迅速に接続することができます。

DB2 コネクトはしばしば、DB2 クライアントからホストまたは AS/400 データベースに接続するために、中間サーバー・マシンにインストールされますが、複数のローカル・ユーザーがホストまたは AS/400 サーバーに直接アクセスするマシン上にもインストールされます。たとえば、DB2 コネクトは、たくさんのローカル・ユーザーを持つ大規模なマシンにインストールされることがあります。

また、DB2 コネクトは、Web サーバー、トランザクション・プロセッサー (TP) モニター、または複数のローカル SQL アプリケーション・プロセスおよびスレッドを持つ、他の 3 層アプリケーション・サーバー・マシンにもインストールされることがあります。この場合、簡素化のために DB2 コネクトを同じマシン上にインストールするか、またはオフロード CPU 循環のために別のマシンにインストールするかを選択できます。

DB2 コネクトの機能をインストールした DB2 サーバー、または DB2 コネクト・サーバーにより、複数のクライアントからホスト・データまたは AS/400 データに接続することができ、さらにエンタープライズ・データへのアクセスを確立して維持するために必要な手間を大幅に省きます。 図 7 は、 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションを介して、ホストまたは AS/400 データベース・サーバーへの間接接続を行う、 DB2 クライアントを使用する環境のための、IBM のソリューションを図示しています。

この例では、DB2 コネクト・サーバーを、 DB2 コネクト・サーバー・サポート構成要素をインストールした DB2 サーバーに置き換えることができます。

図 7. DB2 コネクト エンタープライズ・エディション


DB2 コネクト エンタープライズ・エディションを介した、 ホストおよび AS/400 データベースへのクライアント接続を示した図

Java を使用した Web から DB2 データへのアクセス

DB2 には Java データベース・コネクティビティー (JDBC) および Java Embedded SQL (SQLJ) が備えられており、 Web から DB2 データベース内のデータにアクセスするアプリケーションを作成できます。

組み込み SQL を含むプログラム言語は、ホスト言語と呼ばれます。 Java は、SQL を組み込む方法に大きな影響を与えるという意味で、従来のホスト言語 C、COBOL、および FORTRAN とは異なります。

DB2 JDBC アプレット・サーバーと DB2 クライアントは、 Web サーバーと同じマシンに常駐しなければなりません。 DB2 JDBC アプレット・サーバーは DB2 クライアントを呼び出して、ローカル、リモート、ホスト、および AS/400 データベースに接続します。アプレットが DB2 データベースへの接続を要求した場合、 JDBC クライアントは、Web サーバーが実行されるマシン上の DB2 JDBC アプレット・サーバーへの TCP/IP 接続をオープンします。リモート DB2 データベースからデータにアクセスする Java 対応ブラウザーの例については、 図 8 を参照してください。

図 8. JDBC を使用しての、DB2 上のデータへのアクセス


Web ブラウザーを使って DB2 ユニバーサル・データベース に接続するクライアントを示した図

JDBC および SQLJ アプリケーションは、 DB2 クライアントがインストールされている任意のシステムから実行できます。 Web ブラウザーと Web サーバーは不要です。

Java の使用可能性についての詳細は、 http://www.ibm.com/software/data/db2/java/ にある、 DB2 Java Enablement Web ページを参照してください。

JDBC API の詳細については、 http://splash.javasoft.com/ を参照してください。

Net.Data を使用した Web から DB2 データへのアクセス

DB2 には Net.Data が備えられており、 Web から DB2 データベース内のデータにアクセスするアプリケーションを作成できます。 Web サーバーに保管され、任意の Web ブラウザーから見ることのできるアプリケーションを作成するには、 Net.Data を使用することができます。この文書の表示中にユーザーは、自動照会を選択するか、または新しい照会を定義して、 DB2 データベースから指定の情報を直接取り出すことができます。

自動照会ではユーザー入力は必要ありません。この照会は HTML 文書内のリンクであり、これを選択すると、既存の SQL 照会が起動されて DB2 データベースから結果が戻されます。このリンクを繰り返してトリガーすると、現行の DB2 データにアクセスできます。カスタマイズ照会では、ユーザー入力が必要です。ユーザーが Web ページに検索特性を定義するには、リストでオプションを選択するか、またはフィールドに値を入力します。次に、押しボタンをクリックして探索を実行要求します。 Net.Data は、ユーザーから提供された情報を使って、完全な SQL ステートメントを動的に作成してから、データベースにその照会を送信します。

Net.Data アプリケーションの例については、 IBM ソフトウェア Net.Data ページ (http://www.ibm.com/software/data/net.data) を参照してください。

Net.Data は、以下のものと一緒にインストールすることができます。

どちらの場合も、Net.Data と Web サーバーは同じシステムにインストールしなければなりません。リモート DB2 データベースからデータにアクセスするために使用されている、 Net.Data については、図 9 を参照してください。

図 9. DB2 上のインターネット・データへの、Net.Data を使用したアクセス


Web ブラウザーを使って DB2 ユニバーサル・データベース に接続するクライアントを示した図

ホストおよび AS/400 クライアント・マシンから DB2 データへのアクセス

DRDA アプリケーション・サーバー (DRDA AS) の機能性によって、ホストおよび AS/400 マシン上のクライアントまたはアプリケーションは、 LAN ベースの DB2 ユニバーサル・データベースのサーバーに保管されるデータに、透過的にアクセスすることができます。このアクセスは、データ管理のための標準体系である、分散リレーショナル・データベース体系 (DRDA) を介して提供されます。ホストおよび AS/400 クライアントまたはアプリケーション用の DRDA AS として動作するようにサーバーを構成できます。これらのクライアントまたはアプリケーションは、DRDA リクエスター (DRDA AR) と呼ばれます。

ヒント

DRDA AS 機能は、次のプロダクトで使用可能です。
  • DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディション
  • DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ・エディション
  • DB2 ユニバーサル・データベース ワークグループ・エディション

DB2 ユニバーサル・データベースのサーバーを DRDA AS としてセットアップする方法の詳細については、 インストールおよび構成 補足を参照してください。


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