エンタープライズ拡張エディション (UNIX 版) 概説およびインストール

インスタンスの移行

管理サーバー・インスタンスを含めたインスタンスを、 DB2 バージョン 7 で使用可能な形式へ移行するには、 db2imigr コマンドを実行する必要があります。

  1. root 権限のあるユーザーとしてログインします。
  2. 次のように、db2imigr コマンドを実行します。

    DB2DIR/instance/db2imigr [-d] [-u fencedID] InstName
    



    ここで DB2DIR は、 = /usr/lpp/db2_07_01 AIX の場合


    = /opt/IBMdb2/V7.1 HP-UX、DYNIX/ptx、または Solaris の場合

    ここで、

    -d
    問題判別に使えるデバッグ・モードを設定します。このパラメーターは任意選択です。

    -u fencedID
    分離ユーザー定義関数 (UDF) およびストアード・プロシージャーが稼働するユーザー。このパラメーターは、DB2 ランタイム・クライアントのインストール時のみ任意選択です。他のすべての DB2 製品では必須です。

    InstName
    インスタンス所有者のログイン名です。



    ヒント

    INSTHOME ディレクトリーはすべてのマシン上で NFS マウントされるので、インスタンス全体を移行するのに db2imigr コマンドを 1 つのマシン上で実行するだけですみます。

  3. すべてのデータベースを移行できるかどうかの検査でエラーが生じた場合、 生じる可能性のある移行エラー・メッセージとユーザー応答を参照し、説明どおりの修正処置をとります。次に、db2imigr コマンドを再入力します。
注:DB2 (AIX 版) インスタンスを移行しており、キーワード SMARTSORT に設定された環境変数 DB2SORT を使用する場合、インスタンスがバージョン 7 に移行された後、レジストリー値 db2sort を設定する必要があります。 db2sort レジストリー値を、次のようにソート・コマンドの実行時ライブラリーに設定してください。

   db2set DB2SORT="/usr/lib/libsort.a"

生じる可能性のある移行エラー・メッセージとユーザー応答

db2imigr コマンドが失敗する場合、以下にリストされているエラー・メッセージを調べ、適切な処置を行ってください。

データベースがバックアップ保留状態にある (A database is in backup pending state)

データベースのバックアップを実行します。

データベースがロールフォワード保留状態にある (A database is in roll-forward pending state)

必要に応じてデータベースを回復します。ログの終わりまでデータベースのロールフォワードを実行または再開してから停止します。

表スペース ID が正常な状態にない (Table space ID is not in normal state)

必要に応じてデータベースおよび表スペースを回復します。ログの終わりまでデータベースのロールフォワードを実行または再開してから停止します。

データベースが不整合な状態である (A database is in an inconsistent state)

データベースを再起動し、整合した状態に戻します。

構造型の名前と関数の名前が同じ (Structured type and function have the same name)

同じスキーマに属している構造型と関数 (引き数をとらない) に同じ名前を付けてはなりません。タイプまたは関数、およびタイプまたは関数を使用するオブジェクトを除去してから、別の名前を使用して再作成する必要があります。このエラーを訂正するには、以下のようにします。

  1. データベースをバックアップします。
  2. 構造型または関数に従属している表からデータをエクスポートします。
  3. 構造型または関数に従属している表をドロップしてから、構造型または関数をドロップします。これらをドロップすると、視点、索引、トリガー、関数など、他のオブジェクトもドロップされる場合があります。
  4. 異なるタイプ名または関数名を使用して構造型または関数を作成し、その新しい構造型または関数名を使用して表を再作成します。ドロップした視点、索引、トリガー、関数なども再作成します。
  5. データをオブジェクトにインポートまたはロードします。

データベースに、ユーザー定義の特殊タイプ (UDT) が含まれており、それらはタイプ名 BIGINT、DATALINK、または REFERENCE を使用している (The database contains user-defined distinct types (UDTs) that use the type name BIGINT, DATALINK, or REFERENCE.)

これらのデータ・タイプ名は、バージョン 7 データベース・マネージャー用に予約済みです。このエラーを訂正するには、以下のようにします。

  1. データベースをバックアップします。
  2. それらのデータ・タイプに従属している表からデータをエクスポートします。
  3. それらのデータ・タイプに従属している表をドロップしてから、データ・タイプをドロップします。これらをドロップすると、視点、索引、トリガー、関数など、他のオブジェクトもドロップされる場合があります。
  4. 異なるタイプ名または関数名を使用してデータ・タイプを作成し、その新しいデータ・タイプ名を使用して表を再作成します。ドロップした視点、索引、トリガー、関数なども再作成します。
  5. データをオブジェクトにインポートまたはロードします。


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