ビジネス・インテリジェンス チュートリアル

レッスン 15. ビジネス・メタデータの処理

このレッスンでは、情報カタログ・マネージャー (Windows NT、Windows 95、および Windows 98 で稼働する) をインストールするために、データウェアハウス・マネージャー・パッケージが必要です。さらに、スタースキーマの残りの部分の定義 (オプション) で次元表とファクト表を定義していなければなりません。

このレッスンでは、情報カタログ内の発行されたメタデータを表示し、カタログをカスタマイズします。情報カタログでは、メタデータがオブジェクト の形式をとります。これは、情報の単位または分類を示すものの、実際の情報は含まれていない項目です。このカタログ内にオブジェクトのコレクションを作成します。 コレクション とは、簡単にアクセスするためにオブジェクトを収集することを目的として定義するオブジェクトのコンテナーです。ファイルを表すオブジェクトからプログラムを立ち上げ、実際のファイル・データを表示します。


情報カタログのオープン

情報カタログをオープンするには、以下の手順に従ってください。

  1. 「スタート」をクリックします。
  2. 「プログラム」>「IBM DB2」-->「情報カタログ・マネージャー (Information Catalog Manager)」-->「TBC_MD ユーザー (TBC_MD User)」をクリックします。

    TBC_MD ユーザーは、 レッスン 14, エンド・ユーザーのためのウェアハウス・データのカタログ化でメタデータを追加した情報カタログを表します。

  3. 「ユーザー ID (User ID)」フィールドで、情報カタログを作成するのに使用したユーザー ID を入力します。
  4. 「パスワード (Password)」フィールドで、 「ユーザー ID (User ID)」フィールドで入力したユーザー ID のパスワードを入力します。

    パスワードは、大文字と小文字を区別します。

  5. 「オープン (Open)」をクリックします。

    「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウがオープンします。


サブジェクトのブラウズ

情報カタログ内のサブジェクトをブラウズするには、以下の手順に従ってください。

  1. 「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウで、 「サブジェクト (Subjects)」アイコンをダブルクリックします。

    情報カタログ内のオブジェクトのリストを表示する「サブジェクト (Subjects)」ウィンドウがオープンします。これらのオブジェクトは他のオブジェクトを含みますが、他のオブジェクトに含まれることはありません。「サブジェクト (Subjects)」は、デフォルトによってアイコン・ビューでオープンしますが、リスト・ビューでオープンすることもできます。
    「SQL ステートメント (SQL Statement)」ページ上の GEOGRAPHIES SELECT ステートメント

  2. オブジェクトに含まれる情報を表示するには、オブジェクトを右クリックして 「オープン方式 (Open as)」->「ツリー (Tree)」をクリックします。


    「SQL ステートメント (SQL Statement)」ページ上の GEOGRAPHIES SELECT ステートメント

    ツリー・ビューでは、特定のグループに属するオブジェクトの関連が表示されます。ツリー・ビューのオブジェクトの横には、正符号 (+) が付いています。これは、このビューのすべてのオブジェクトが、他のオブジェクトを含むグループ・オブジェクトであることを示します。


情報カタログの検索

この練習では、レッスン 8, データの変換および移動の定義で指定した次元表に対応するオブジェクトを検索します。

情報カタログ内のオブジェクトを検索するには、以下の手順に従ってください。

  1. 「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウで、 「新規検索 (New search)」アイコンをダブルクリックします。

    「検索の定義 (Define Search)」ウィンドウがオープンします。

  2. 「使用可能オブジェクト・タイプ (Available object types)」リストをスクロールします。このリストには、情報カタログで定義したすべてのオブジェクトが表示されます。
  3. 「リレーショナル表と視点 (Relational tables and views)」オブジェクト・タイプを選択します。
  4. 「>」 をクリックして、選択したオブジェクト・タイプを 「オブジェクト・タイプの検索 (Search for object types)」リストに追加します。
  5. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リストから、 「名前 (Name)」をクリックします。
  6. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、次の値を入力します。
     LOOKUP
    
  7. 「入力 (Enter)」をクリックします。値が「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リストの 「値 (Value)」列に表示されます。
  8. 大文字小文字に関係なく、値のすべての出現箇所を検索するために、 「大文字小文字を無視する (Ignore case)」チェック・ボックスを選択します。
  9. 「検索オプション (Search options)」リストから、 「先頭文字列 (beginning with)」をクリックします。

    この場合、「値 (Value)」列で指定した値で始まるオブジェクトが検索されます。


    「SQL ステートメント (SQL Statement)」ページ上の GEOGRAPHIES SELECT ステートメント

  10. 「検索 (Search)」をクリックします。情報カタログ・マネージャーにより、指定したタイプのオブジェクトが検索され、「検索結果 (Search Results)」ウィンドウに結果が表示されます。



    「SQL ステートメント (SQL Statement)」ページ上の GEOGRAPHIES SELECT ステートメント


オブジェクトのコレクションの作成

オブジェクトに簡単にアクセスできるように、さまざまなオブジェクトをグループ化するコレクションを作成することができます。コレクションは、「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウで表示されるアイコンによって表されます。この練習では、 レッスン 8, データの変換および移動の定義で指定した次元表に対応するオブジェクトのコレクションを作成します。

コレクションを作成するには、以下の手順に従ってください。

  1. 「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウから 「カタログ (Catalog)」->「コレクションの作成 (Create collection)」をクリックします。「コレクションの作成 (Create Collection)」ウィンドウがオープンします。
  2. 「コレクション名 (Collection name)」フィールドで、新規コレクションの名前を入力します。
    Tutorial Star Schema
    

    コレクションを表すデフォルトのアイコンを受け入れます。
    「SQL ステートメント (SQL Statement)」ページ上の GEOGRAPHIES SELECT ステートメント

  3. 「作成 (Create)」をクリックします。新規コレクションのアイコンが表示されます。これで、コレクションへのオブジェクトの追加と、コレクションからのオブジェクトの削除を行うことができるようになります。
  4. 「検索結果 (Search Results)」ウィンドウから、 LOOKUP_MARKET オブジェクトを右クリックします。
  5. 「コレクションへのコピー (Copy to collection)」をクリックします。

    「コレクションへのコピー (Copy to Collection)」ウィンドウがオープンします。

  6. 「コレクションの選択 (Select a collection)」リストから、「Tutorial Star Schema」コレクションを選択します。
  7. 「コピー (Copy)」をクリックします。選択したオブジェクトのコレクションにオブジェクトがコピーされます。
  8. LOOKUP_PRODUCT、LOOKUP_SCENARIO、LOOKUP_TIME オブジェクトについて、 47 のステップを繰り返します。

    これらのステップを完了した後、「情報カタログ (Information catalog)」ウィンドウで「Tutorial Star Schema」コレクションをダブルクリックすると、「検索結果 (Search Results)」ウィンドウで表示されたのと同じ表のリストが表示されます。


プログラムの開始

情報カタログ・マネージャーを使用すると、オブジェクトが記述する実際のデータを検索できるプログラムを簡単に開始できます。たとえば、グラフィック図表を記述するオブジェクトがある場合、 CorelDRAW! などのグラフィック・プログラムをセットアップして、実際の図表を取り出して編集、コピー、印刷を実行できます。

情報カタログ・マネージャーは、ご使用の Windows プラットフォームで実行する任意のプログラム、または、MS-DOS コマンド・プロンプトから開始できる任意のプログラムを開始できます。プログラムは、クライアント・ワークステーションにインストールしなければなりません。

単一オブジェクト・タイプで、複数のプログラムを開始できます (たとえば、オブジェクト・タイプのスプレッドシートには、Lotus 1-2-3(R) と Microsoft Excel の両方を関連付けることができます)。

オブジェクトを使用可能にしてプログラムを開始するには、プログラム・オブジェクトと、プログラムとして分類されていない任意のオブジェクト・タイプとの関連を設定します。この練習では、Microsoft メモ帳のプログラム・オブジェクトを定義します。ここでは、メモ帳プログラム・オブジェクトとファイル・オブジェクト・タイプとの関連を設定します。

プログラム・オブジェクトの作成

プログラム・オブジェクトを作成するには、オブジェクトのプロパティーを定義してから、プログラム・パラメーターとして使用されるプロパティーを指定します。

この練習では、プログラム・オブジェクトを作成します。

  1. 「スタート」-->「プログラム」-->「IBM DB2」-->「情報カタログ・マネージャー (Information Catalog Manager)」-->「TBC_MD 管理者 (TBC_MD Administrator)」をクリックします。
  2. 「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウから、 「オブジェクト・タイプ (Object types)」アイコンを右クリックします。
  3. 「オープン方式 (Open as)」->「アイコン・リスト (Icon list)」をクリックします。
  4. 「ファイル (Files)」オブジェクト・タイプのアイコンを右クリックします。
  5. 「プログラムの関連付け (Associate programs)」をクリックします。

    「プログラム (Programs)」ウィンドウには、選択されているオブジェクト・タイプに現在関連付けられているプログラムのリストが表示されます。

  6. 「追加 (Add)」をクリックします。

    「ファイル - プログラム追加 (Files-Add Program)」ウィンドウがオープンします。 「名前 (Name)」プロパティーが選択されています。

  7. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムの説明を入力します。

    View files using Microsoft Notepad
    
  8. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。

    「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドに入力した値を消去しようとする場合には、 「クリア (Clear)」押しボタンをクリックします。

  9. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスから、 「クラス (Class)」プロパティーをクリックします。
  10. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドでは、プログラムの種別を入力します。

    Word processor
    
  11. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。
  12. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスから、 「修飾子 1 (Qualifier 1)」プロパティーをクリックします。
  13. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムの修飾子を入力します。

    Notepad
    
  14. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。
  15. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスから、 「修飾子 2 (Qualifier 2)」プロパティーをクリックします。
  16. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムの修飾子を入力します。

    Windows
    
  17. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。
  18. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスから、 「修飾子 3 (Qualifier 3)」プロパティーをクリックします。
  19. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムの修飾子を入力します。

    -
    
    ハイフンは、デフォルトの非適用記号です。
  20. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。
  21. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスから、 「ID (Identifier)」プロパティーをクリックします。
  22. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムの識別子を入力します。

    notepad.exe
    
  23. 「入力 (Enter)」押しボタンをクリックして、値を「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスにある「値 (Value)」列に移動します。

    ファイル・オブジェクトは、 「このプログラムが扱うオブジェクト・タイプ (Object type that this program handles)」プロパティーにすでに定義されています。

  24. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リスト・ボックスでは、 「呼び出しで開始 (Start by invoking)」プロパティーをクリックします。
  25. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、プログラムを開始するコマンドを入力します。

    START X:\path\notepad.exe
    
    ここで、X:\path は、 Microsoft Notepad がインストールされたパスです。 C:\WINNT\system32 のようになります。
ヒント:クラス、修飾子 1、2、3、および識別子プロパティーの組み合わせは、情報カタログのすべてのオブジェクトで固有でなければなりません。オブジェクト・タイプの各インスタンスは、異なっていなければなりません。


Figure db2tu055 not displayed.

この練習では、プログラム・パラメーターとして使用する値のプロパティーを指定します。

  1. 「ファイル - プログラム追加 (Files-Add Program)」ウィンドウから、 「パラメーター (Parameters)」押しボタンを押します。「ファイル - 呼び出しパラメーター (Files-Invocation Parameters)」ウィンドウがオープンされ、ファイル・オブジェクト・タイプのプロパティーのリストが表示されます。
  2. 「プロパティー (Property)」リスト・ボックスから、 「名前 (Name)」をクリックします。
  3. 「付加 (Append)」をクリックします。

    %NAME% が、「プログラム呼び出しパラメーターの入力 (Enter program invocation parameters)」リスト・ボックスに表示されます。


    Figure db2tu056 not displayed.

  4. 「了解 (OK)」をクリックします。
  5. 「ファイル - プログラム追加 (Files-Add Program)」ウィンドウから、 「追加 (Add)」押しボタンをクリックします。
  6. 「ファイル - プログラム (Files-Programs)」ウィンドウをクローズします。

ファイル・オブジェクトからのプログラムの開始

この練習では、デモグラフィック・ファイルのファイル・オブジェクトから Microsoft メモ帳を開始します。オブジェクトを検索してから、このプログラムを開始します。

ファイル・オブジェクトからプログラムを開始するには、次のようにします。

  1. 「TBC_MD ユーザー (TBC_MD User)」から、「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウの「新規検索 (New search) 」アイコンをダブルクリックします。

    「検索の定義 (Define Search)」ウィンドウがオープンします。

  2. 「使用可能オブジェクト・タイプ (Available object types)」リストをスクロールします。このリストには、情報カタログで定義したすべてのオブジェクトが表示されます。
  3. 「ファイル (Files)」オブジェクト・タイプを選択します。
  4. 「>」 をクリックして、選択したオブジェクト・タイプを 「オブジェクト・タイプの検索 (Search for object types)」リストに追加します。
  5. 「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リストから、 「名前 (Name)」をクリックします。
  6. 「選択済みプロパティーに値を入力 (Enter value for selected property)」フィールドで、次の値を入力します。
     demographics.txt
    
  7. 「入力 (Enter)」をクリックします。値が「プロパティー / 値 (Properties/Values)」リストの 「値 (Value)」列に表示されます。
  8. 大文字小文字に関係なく、値のすべての出現箇所を検索するために、 「大文字小文字を無視する (Ignore case)」チェック・ボックスを選択します。
  9. 「検索オプション (Search options)」リストから、 「任意一致 (anywhere in)」をクリックします。

    情報カタログ・マネージャーは、 「値 (Value)」列で指定した値を含むオブジェクトを検索します。

  10. 「検索 (Search)」をクリックします。情報カタログ・マネージャーは指定したタイプのオブジェクトを検索し、「検索結果 (Search Results)」ウィンドウに結果を表示します。
  11. 「検索結果 (Search Results)」ウィンドウから、X:\sqllib\samples\db2sampl\dwc\demographics.txt オブジェクトを右クリックします。ここで、X は、サンプルをインストールしたドライブのことです。
  12. 「プログラムの開始 (Start program)」を選択します。

    Microsoft メモ帳プログラムが立ち上がります。 Microsoft メモ帳で表示されるのと同じデータが レッスン 3, ソース・データのブラウズにも表示されています。


このレッスンで行ったこと

このレッスンでは、情報カタログをオープンし、データウェアハウスセンターから転送したメタデータをブラウズしました。 LOOKUP* 表と一致するオブジェクトを検索し、それらをコレクションにグループ化しました。 レッスン 16, データウェアハウスセンター内からのスタースキーマの作成では、LOOKUP* 表からスタースキーマを作成します。 Microsoft メモ帳のプログラム・オブジェクトを定義し、 demographics.txt ファイルのオブジェクトから Microsoft メモ帳を開始しました。


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