問題判別の手引き
初期障害データ捕そく機能 (FFDC) 情報とは、エラー発生時に、
そのエラーに関して DB2 によって自動的に捕そくされた診断情報のことです。
この情報により、診断情報を得るためにエラーを再生成する必要がなくなります。
FFDC が捕そくする情報には、次のものがあります。
- db2diag.log
- エラーが発生すると、db2diag.log はエラーに関する情報によって更新されます。
詳細については、db2diag.log の解釈を参照してください。
また、DIAGLEVEL 設定については、FFDC に影響を与える構成パラメーターの設定を参照してください。
この設定は、ファイルに記録済みの情報がどのくらいあるかを判別します。
- db2alert.log
- アラートが必要なエラーの場合、db2alert.log ファイル、
およびオペレーティング・システムまたはネイティブ・ログ機能にログが追加されます。
詳細については、アラートを参照してください。
- ダンプ・ファイル
- エラーの状態によっては、
失敗したプロセス ID の名前が付いた外部 2 進ダンプ・ファイルに追加情報が記録されます。
これらのファイルは、DB2 カスタマー・サポート用です。
詳細については、ダンプ・ファイルを参照してください。
- トラップ・ファイル
- データベース管理プログラムは、トラップやセグメンテーション違反、
例外などにより処理が続行できない時、トラップ・ファイルを生成します。
トラップ・ファイルには、問題発生前に実行された最後のステップの関数の流れが含まれています。
詳細については、トラップ・ファイルを参照してください。
この診断情報は、一か所 (データベース管理プログラム構成で指定された DIAGPATH) にまとめられています。
ここには、内部のトレースとダンプが含まれており、
問題を診断し、修正するのに役立つ大切な情報が収められています。
次のデータベース・マネージャーの構成パラメーターによって、FFDC 情報の収集量と収集箇所に影響が現れます。
以下に詳細を示します。
- DIAGLEVEL は、受け取る診断情報のレベルを指定します。
DIAGLEVEL のそれぞれの値は次のようなデータを表示します。
- DIAGLEVEL (0) - 診断データは取り込まれません (このレベルはお勧めしません)
- DIAGLEVEL (1) - 重大エラーのみ
- DIAGLEVEL (2) - すべてのエラー (重大エラーおよび非重大エラー)
- DIAGLEVEL (3) - すべてのエラーおよび警告 (デフォルト値)
- DIAGLEVEL (4) - すべてのエラー、警告、通知メッセージ、およびその他の内部診断情報
DIAGLEVEL のデフォルトは 3 ですが、
初期セットアップ時や問題が生じた時に 4 に変更できます。
- NOTIFYLEVEL では、
書き込まれるエラーのタイプを指定します。
このパラメーターに有効な値は次のとおりです。
- NOTIFYLEVEL (0) - 診断データは取り込まれません (このレベルはお勧めしません)
- NOTIFYLEVEL (1) - 重大エラーのみ
- NOTIFYLEVEL (2) - すべてのエラー (重大エラーおよび非重大エラー) (デフォルト値)
- NOTIFYLEVEL (3) - すべてのエラーおよび警告
- NOTIFYLEVEL (4) - すべてのエラー、警告、通知メッセージ、およびその他の内部診断情報
NOTIFYLEVEL のデフォルトは 2 です。
サテライト・サーバーの場合、エラーは instance.nfy という通知ファイルに書き込まれます。
ここで instance は DB2 のインスタンス名です。
その他のデータベース・サーバーの場合、
Windows NT プラットフォームでは NOTIFYLEVEL パラメーターだけが使用できます。
このとき、エラーは Windows NT イベント・ログに書き込まれます。
エラー情報は、DB2、レプリケーションに関連した収集プログラムと変更適用プログラム、
およびユーザー・アプリケーションが書き込むことができます。
ユーザー・アプリケーションが通知ファイルや Windows NT イベント・ログに書き込みを行う場合は、db2AdminMsgWrite API を使用する必要があります。
この API の詳細については、管理 API 解説書 を参照してください。
- DIAGPATH は、DB2 が診断情報を書き込む完全修飾パスを指定します。
このディレクトリーは自動的に作成されるもので、
ダンプ・ファイル、エラー・ログ、通知 (.nfy) ファイル (サテライト構成で作業する場合)、
およびアラート・ログ・ファイルを含んでいます。
注: | Windows NT では、
イベント・ログにある他の DB2 診断情報を Windows NT イベント・ビューアーで表示して検討することができます。
|
DIAGPATH のデフォルトはヌル・ストリングです。
複数のデータベース・インスタンスがある場合は、
デフォルト値または中央ロケーションを使用することをお勧めします。
デフォルトでは、FFDC 情報は次のロケーションにあります。
- Windows および OS/2 の場合:
- DB2INSTPROF 環境変数が設定されていない場合、
db2path\db2instance
(db2path は DB2PATH 環境変数で参照されているパスを表し、db2instance はインスタンス所有者の ID を含む環境変数を表します。)
- DB2INSTPROF 環境変数が設定されている場合、
x:\db2instprof\db2instance
(x は DB2PATH 環境変数で参照されているドライブを表し、
db2instprof はインスタンス・プロファイル・ディレクトリーを表し、
db2instance はインスタンス所有者の ID を含む環境変数を表します。)
- UNIX ベースの環境の場合、
$HOME/sqllib/db2dump ($HOME はインスタンス所有者のホーム・ディレクトリーを表します。)
注: | DIAGPATH ディレクトリーの内容は、定期的に削除してください。
|
これらの構成パラメーターを設定するには、
コマンド行プロセッサーから UPDATE DATABASE MANAGER CONFIGURATION コマンドを使用します。
重要:
DB2 を停止し、再起動させてから、構成変更を行ってください。
- 最大量の診断情報を得るためには、次のように入力します。
db2 "UPDATE DATABASE MANAGER CONFIGURATION USING DIAGLEVEL 4"
- 診断パスを x:\tmp\errors という新しいディレクトリーに設定するためには、
次のように入力します。
db2 "UPDATE DATABASE MANAGER CONFIGURATION USING DIAGPATH x:\tmp\errors"
- 診断パスをデフォルトにリセットするためには、次のように入力します。
db2 "UPDATE DATABASE MANAGER CONFIGURATION USING DIAGPATH NULL"
データベース管理プログラムの管理コマンドの詳細については、管理の手引き: インプリメンテーション、コマンド解説書、
および管理 API 解説書 を参照してください。
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