問題判別の手引き
以下の各節では、
データベース管理タスクおよび DB2 問題判別を実行する際に利用できる便利なツールの一部を概説します。
その他のパフォーマンス関連のツールについては、
データベース・パフォーマンスの改善を参照してください。
以下のグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) ツールは、
OS/2 では「DB2」フォルダーから、
Windows 95、Windows 98、および Windows NT オペレーティング・システムでは
「スタート」-->「プログラム」 メニュー選択項目から利用できます。
UNIX プラットフォームにも GUI ツールがあります。
これらのツールについては、
各プラットフォームのオンライン・ヘルプおよび管理の手引き を参照してください。
- インフォメーション・センター
- ヘルプ、関連資料、
および最新の World Wide Web 情報にアクセスして検索する際の中心部分になります。
- コントロール・センター
- ローカルおよびリモート・データベース・オブジェクト (データベース、
表、パッケージ、および表スペースなど) を表示し、
それらのオブジェクトに対して操作を実行することができます。
データベースの構成、ディレクトリーの管理、
データベースのバックアップおよび回復、ジョブのスケジューリング、
データの統計の収集、およびメディアの管理などの管理タスクを実行するには、
コントロール・センターを使用してください。
グラフィカル・インターフェースを使用することにより、以下のタスクを実行できます。
- SQL ステートメントおよびパッケージ用に DB2 最適化プログラムが選択したアクセス・プランの解析。
その際に Visual Explain を使用します。
Visual Explain を呼び出すには、コントロール・センターにあるデータベース・オブジェクト上で左マウス・ボタンをクリックして、
ポップアップ・メニューから「SQL の解釈 (Explain SQL)」を選択します。
データベース・パフォーマンスの改善も参照してください。
注: | IBM DB2 ユニバーサル・データベース バージョン 7 では、
Visual Explain をコマンド行から呼び出すことができなくなりました。
しかし、コントロール・センターの様々なデータベース・オブジェクトから呼び出すことはできます。
このバージョンでは、引き続き Visual Explain という名前が使用されます。
|
- データベース管理プログラムのパフォーマンスのモニター。
一定間隔で一時点の情報を取り込み、
パフォーマンスが所定の範囲外になったときに警報を送信することができます。
モニター・オプションを呼び出すには、データベース・オブジェクト上で左マウス・ボタンをクリックして、
ポップアップ・メニューから「スナップショット・モニター (Snapshot monitoring)」を選択します。
- 持続期間中の特定イベント (接続など) の情報を記録する。
この機能を呼び出して情報を記録するには、データベース・オブジェクト上で左マウス・ボタンをクリックして、
ポップアップ・メニューから「事象のモニター (Monitor events)」を選択します。
- DB2 ウィザード
- DB2 ウィザードは、コントロール・センターのポップアップ・メニューから呼び出します。
DB2 ウィザードを使用すれば、以下の単調なジョブを簡単に行えます。
- データベース、表スペース、および表の作成。
- データベースのバックアップ作成と復元。
- データベース構成の最適化によるデータベース・パフォーマンスの調整。
- 索引の作成。
DB2 ウィザードでは、ステップ形式のプロンプトにより、
実行しようとしているタスクにとって必要な情報を記入する方法が示されます。
入力した情報に基づいて、ウィザードは計算して推奨事項を示します。
上記のツールはすべて DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディション (EEE) 環境に適用されます。
また、ダウンしているデータベース・ノードの識別、ユーザー出口の実行、または警報の表示を行うことができます。
問題判別用のスタンドアロン・ツールがあります。
これらのツールは、
sqllib ディレクトリーの bin、misc、
および adm サブディレクトリーにあります。
UNIX ベースのシステムでは、
sqllib ディレクトリーは、
インスタンス所有者のホーム・ディレクトリーのサブディレクトリーです。
他のオペレーティング・システムでは、
sqllib ディレクトリーを入れるディレクトリーを指定できます。
通常このディレクトリーは、DB2 をインストールするドライブの下に作成します。
これらのツールには構文ヘルプが備わっています。
コマンドの次に疑問符を付けて入力すると、この構文ヘルプにアクセスできます。
(例: db2look ?)
利用可能なツールの一部を、以下にリストします。
- db2bfd
- バインド・ファイル記述を提供します。
バインドの詳細については、アプリケーション開発の手引き、
コマンド解説書、または管理 API 解説書 を参照してください。
- db2cat
- 表用に圧縮された記述子の内容をダンプし、読み取り可能形式に形式設定します。
注: | 圧縮された記述子とは、DB2 がデータベース・オブジェクトの詳細を識別するために使用する、
システム・カタログ表の列のことです。
|
- db2dart
- データベースの体系上の保全性が正しいことを検査します。
たとえば、このツールを使って以下のことを確認します。
- 制御情報が正しいこと
- データの形式に矛盾がないこと
- データ・ページが正しいサイズであり、
含まれている列タイプが正しいこと
- 索引が有効であること
注: | db2dart が索引に問題があることを報告した場合には、
このツールの /MI オプションを使用してその索引を無効なものとします。
索引は、
indexrec データベースおよびデータベース管理プログラム (DBM) 構成パラメーターの値に基づいて再構築されます (詳細については、管理の手引き: パフォーマンス を参照)。
|
データベースがある DB2 サーバー上でこのツールを実行しなければなりません。
また、データベースへの活動中の接続がないことを確認する必要があります。
(LIST APPLICATIONS FOR DATABASE database-alias コマンドを
使用して、リストされているアプリケーションを切断してください。)
DB2 UDB エンタープライズ拡張エディション (EEE) 環境の場合は、
db2dart を個々のデータベース区分サーバー上で実行しなければなりません。
db2dart オプションについては、
オプションを指定せずに db2dart を入力します。
- db2flsn
- 指定したログ順序番号 (LSN) で識別されるログ・レコードを含んでいるファイルの名前を戻します。
ログのヘッダー制御ファイル sqlogctl.lfh を現行ディレクトリーに入れてからでなければ、
このツールは使用できません。
また、このツールは logfilsiz データベース構成パラメーターも使用します。
このツールを使用できるのは、回復可能なデータベースだけです。
- db2ipxad
- DB2 サーバーの IPX/SPX インターネットワーク・アドレスを戻します。
このコマンドは、DB2 サーバー・マシンからローカルで発行しなければなりません。
このコマンドをリモート・クライアントから発行する方法はサポートされていません。
- db2level
- 現在インストールされている DB2 ユニバーサル・データベースのコードのレベル (修正パックのレベルも含む) に関する詳細な出力を表示します。
- db2look
- データベースまたはデータベース・オブジェクトを再作成するために必要な DDL を抽出します。
たとえば、このツールを使用してテスト・データベース上で実動データベースを模擬テストできます。
テスト・データベースのカタログ統計と実動データベースのカタログ統計を一致させる更新ステートメントを生成するには、
実動データベースに対して -m オプションを使用します。
データベース・カタログから 1 つまたは複数の表用の DDL を生成するには、
-e オプションを使用します。
db2look の初歩的な情報を知りたい場合には、db2look と入力してください。
詳細については、db2look -h と入力してください。
db2look の使用可能なオプションの詳細については、
コマンド解説書 を参照してください。
- db2recr
- データベース再始動中に不整合としてマークされた索引を再作成するか、
または db2dart ツールを使用します。
- db2sql92
- フラット・ファイルか標準入力からの SQL ステートメントの読み取り、
ステートメントの動的な記述と準備、および応答セットの戻しを行います。
複数のデータベースへの同時接続をサポートします。
このコマンドには、いくつかの関連パラメーターがあります。
追加情報については、コマンド解説書 を参照してください。
- db2tbst
- 表スペース状態のテキスト記述を提供します。
- db2untag
- 表スペース・コンテナーから DB2 タグを除去します。
このタグは、DB2 が 1 つのコンテナーを複数の表スペースに使うことがないようにするためのものです。
ある表スペースまたはデータベースが破壊されても、
このタグは残るため、以後 DB2 がそのリソースを使用できなくなってしまう可能性もあります。
このツールは、DROP TABLESPACE コマンドが実行しない場合に使用してください。
通常、SQL0294N メッセージを受け取ります。
注意: このツールは必ず DB2 カスタマー・サポートにご相談の上で使用し、
かつ経験を積んだデータベース管理者の方以外はお使いにならないでください。
このコマンドを使用するとコンテナーの除去と同じ結果になるので、
コンテナーが他のデータベースによって使用されていないことを十分に確認してください。
データを含むコンテナーに対してこのコマンドを実行すると、
そのコンテナーからデータがすべて失われます。
DB2 データベース管理プログラムは、実行時にその操作とパフォーマンスに関するデータを保守します。
このデータに、重要な問題判別情報が含まれていることがあります。
たとえば、以下の情報が含まれています。
- データベースに接続されたアプリケーションの数、それらのアプリケーションの状況、
各アプリケーションが実行している SQL ステートメント (もしあれば)。
- データベース管理プログラムの構成状況を示すカウント。
- 特定のデータベースにデッドロックが起こった場合、
デッドロックに関係しているアプリケーション、および競合状態にあるロックに関する情報。
- アプリケーションまたはデータベースが保持しているロックのリスト。
アプリケーションがロックを待機しているために先に進まない場合、
どのアプリケーションがロックを保持しているかを含むロックに関する追加情報があります。
このデータの一部を収集すると、DB2 の操作に関するオーバーヘッドが導入されるため、
どの情報を収集するかを制御するにはモニター・スイッチ を使用できます。
モニター・スイッチを明示的に設定するには、
UPDATE MONITOR SWITCHES コマンドか sqlmmon() API を使用してください。 (SYSADM、
SYSCTRL、または SYSMAINT 権限を持っている必要があります。)
データベース管理プログラムが保守しているデータにアクセスするには、次の 2 つの方法があります。
-
スナップショットを取る。
コマンド行で GET SNAPSHOT コマンドを使用するか、
あるいは OS/2、Windows 95、Windows 98、および Windows NT オペレーティング・システムでコントロール・センターを使用します。
sqlmonss() を使用して独自のアプリケーションを作成することもできます。
-
イベント・モニターの使用。
イベント・モニターは、
特定のイベントが起こった後 (トランザクションの終わり、
ステートメントの終わり、
またはデッドロックの検出) にシステム・モニター情報を取り込みます。
この情報は、ファイルまたは名前付きパイプに書き込まれます。
イベント・モニターを使用するには、以下のようにします。
- コントロール・センターまたは SQL ステートメント CREATE EVENT MONITOR を使用して、
イベント・モニターを定義します。
このステートメントは、データベース・システム・カタログにその定義を保管します。
- コントロール・センターまたは次の SQL ステートメントで、イベント・モニターを活動化します。
SET EVENT MONITOR evname STATE 1
名前付きパイプに書き込む場合、
名前付きパイプからのアプリケーション読み取りを開始してから、
イベント・モニターを活動化してください。
これを行うには、独自のアプリケーションを作成するか、
または db2evmon を使用することができます。
イベント・モニターがアクティブであり、パイプにイベントを書き込み始めると、
db2evmon は、それらのイベントの生成中に読み取って、
標準出力に書き込みます。
- ファイル・イベント・モニターを使用している場合、
イベント・モニターが作成した 2 進トレースを以下のいずれかの方法で表示することができます。
- db2evmon ツールを使用して、
トレースを形式設定して標準出力に出力します。
- コントロール・センターで「イベント・アナライザー」アイコンをクリックし、
トレースの表示、キーワードの検索、不要なデータの洗い出し (フィルター) を行います。
システム・データベース・モニターおよびイベント・モニターについては、
システム・モニター 手引きおよび解説書 を参照してください。
これらの機能をコントロール・センターから使用する方法については、
管理の手引き: インプリメンテーション を参照してください。
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