問題判別の手引き
DB2 データ・リンク・マネージャーを使用する前に、
ご使用の環境が DLFM をサポートしていることを確認しておく必要があります。
以下の部分では、DB2 データ・リンク・マネージャーの動作条件を要約しています。
- DATALINK 列と DLFM には最大 256 の固有の組み合わせがあります。
たとえば、構成された DLFM の数が 2 つの場合、
表には最大 128 の DATALINK 列を含めることができます。
- データ・リンク・マネージャーは DRDA サーバーと交換できません。
- データ・リンク・マネージャーは、以下のものがインストールされているシステムにインストールできます。
- DB2 UDB EE (AIX)
- DB2 PE、WE、EE (NT)
- データ・リンク・マネージャーは、以下のものと一緒には使用できません。
- DB2 エンタープライズ拡張エディション (EEE) (AIX 版)
- DB2 エンタープライズ拡張エディション (EEE) (Windows NT 版)
- DATALINK の値は DB2 EEE システムを指すことができません。
- DB2 データ・リンク・マネージャーにあるファイルを参照するために、DB2 EEE システムで DATALINK のデータ・タイプを使用することはできません。
- DATALINK 列が含まれている表は任意の DB2 UDB サーバー上で作成できます。
- DB2 サーバーとデータ・リンク・マネージャーのリリース・レベルは同じでなければなりません。
- DB2 V6 - データ・リンク・マネージャー V6 のサポートのみ
- DB2 V5.2 - データ・リンク・マネージャー V5.2 のサポートのみ
- DATALINK 列は固有索引、基本キー、または外部キーを構成することができません。
DB2 データ・リンク・マネージャーは次の 2 つのコンポーネントから成っています。
- データ・リンク・ファイル・マネージャー
- データ・リンク・ファイル・マネージャーは、特定のデータ・リンク・マネージャー・サーバー上にある、DB2 データベース内の DATALINK 列によって参照されるすべてのファイルを登録します。
このコンポーネントはメタデータ (管理情報) を追跡して、リンク・ファイルを見つけます。
また、以前にリンクされたファイルを追跡して、時刻指定ロールフォワード回復を行います。
- データ・リンク・ファイル・システム・フィルター
- データ・リンク・ファイル・システム・フィルターはファイル・システム・コマンドをフィルター操作して、
登録されているファイルが削除されたり、名前が変更されたりしていないか確かめます。
またオプションで、コマンドをフィルター操作して、
適切なアクセス権限があるかどうか確かめます。
オペレーティング・システムのファイル・システムの拡張も行います。
このようにして、ファイル API が DB2 サーバー上のデータとデータ・リンク・マネージャーが管理する外部ファイルとの間の保全性を損なわないようにします。
注: | DLFF は DATALINK 列によって参照されるすべてのファイル・システムに適用する必要があります。
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DB2 データ・リンク・マネージャーを使用する際には、いくつかの重要な考慮事項があります。
- DB2 Database Server の修正パックのレベルは、データ・リンク・ファイル・マネージャー (DLFM) コンポーネントと同じでなければなりません。
- DB2 サーバーと DLM が同じマシンにインストールされている場合、
データ・リンク・ファイル・マネージャー (DLFM) によって使用されるデータベースは、DB2 Database Server データベース (アプリケーションが使用する DATALINK 列を含むデータベース) とは別のインスタンスになければなりません。
たとえば、DB2 サーバーの役割を意味するインスタンス名を "dlfm" にすることはできません。
なぜなら、この名前はデータ・リンク・ファイル・マネージャーによって使用されるからです。
ファイル・アクセス制御は、DB2 とデータ・リンク・マネージャーを組み合わせたもので提供されます。
DB2 は DATALINK 列で SELECT ステートメントを使ってアクセス・トークンを動的に割り当て、
ファイル・パス名に結果を組み込みます。
ファイル・アクセス制御が正しく機能するには、いくつかの準備が必要です。
- ファイル・アクセス制御は、表の作成時に DATALINK 列に READ PERMISSION DB オプションが指定されている場合に限り提供されます。
- ユーザーが特定のメタデータ (SQL ビューなど) を照会できる場合は、
対応するファイルにアクセスできます。
- 任意のファイル・システム API またはコマンドを使用して、ファイルを読み取ることができます。
- 規則は任意の SQL 式になります。
- アクセス・トークンの生成は、DB2 とデータ・リンク・ファイルシステム・フィルター (DLFF) の間で内密に共有されます。
- アクセス・トークンを有効にするには、データ・リンク・アクセス・トークン終了インターバル (dl_expint) データベース構成パラメーターで定義された指定の時間間隔内で生成し、使用しなければなりません。
- アクセス (選択) するたびに、新しいトークンが生成され、dl_expint で指定された時間内は有効になります。
- オペレーティング・システムのたいていのファイル・アクセス制御機構では、
ファイルごとの規則に基づくアクセスを許可することはできません。
- アプリケーションがファイルにアクセスするには、組み込みアクセス・トークンを含んだ Web アドレスを使用する必要があります。
アクセス・トークンを含む Web アドレスを使用してファイルのオープン、読み取り、
またはそれ以外の操作を試行しようとすると、アクセス違反になります。
注: | データ・アクセスおよび許可の詳細については、DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール を参照してください。
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この節では、データ・リンク・マネージャーの回復状況について説明します。
- DB2 データベース回復
- データベースのバックアップを復元し、ログの終わりをロールフォワードします。
- DATALINK 列があるすべての表で RECONCILE コマンドを実行します。
- DLFS ファイル・システム回復
- DLFS ファイル・システムを復元します。
- ファイル・システムが参照するデータベースに対して db2_reconcile_aid ユーティリティーを実行します。
- db2_reconcile_aid コマンドは、RECONCILE を検査し、実行するメカニズムを備えています。
以下の表では、回復操作が必要な状況として考えられるものを示しています。
環境
| 条件
| 処置と解決策
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DB2 Database Server 上の DB2 データベースがなくなった
| DB2 バックアップおよびログ・ファイルが使用可能です。
| DB2 Database Server 上で、
- データベースを復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
- そのデータベース内の、DATALINK 値があるすべての表を調整します。
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データ・リンク・サーバー上の DLFM_DB がなくなった
| バックアップおよびログ・ファイルが使用可能です。
| データ・リンク・サーバー上で、
- データベースを復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
- データベース DLFM_DB を復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
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DLFM サーバー上のディスクの破損からの回復
| DLFM と対話する DB2 アプリケーションがハングした可能性があります。
| FORCE APPLICATION コマンドを使用して、
アプリケーションを強制的にシステムから遮断します。
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DLFM サーバー上のマシンの破損からの回復
| DLFM と対話する DB2 アプリケーションがハングした可能性があります。
| それによって影響を受けた DB2 データ・リンク・マネージャーを、
dlfm shutdown コマンドを使って遮断する必要があります。
そうすると、もう一度立ち上げることができます。
|
DLFM サーバー上のディスクまたはマシンの破損からの回復
| アプリケーションがハングした可能性があります。
| データ・リンク・サーバー上で、
DB2 Database Server 上で、
- すべての表 (破損したディスクを含む) で db2_reconcile_aid コマンドを呼び出して、
調整を実行します。
これにより、ディスクの障害後に、
ファイル・マネージャー・サーバー上のリンク・ファイルと矛盾している可能性のある表を検査し、調整が行われます。
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DLFM バックアップ・ディレクトリーの回復
|
| DLFM バックアップ・ディレクトリーを回復します。
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リンクした状態のファイル (RECOVERY NO オプションを設定):
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許可
| ファイル・システム上のファイルの状況
| 処置
| 結果
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| 見つかりません。
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| DATALINK の値が NULL に設定されます。
|
READ および WRITE PERMISSION FS
| 見つかりました。
| 詳しい検査を行わないと、ファイルの正確さの妥当性が検査されます。
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WRITE PERMISSION BLOCKED
| 見つかりました。
| 変更時刻とファイルのサイズが検査されます。
| 値にミスマッチがある場合は、DATALINK の値が NULL に設定されます。
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リンクした状態のファイル (RECOVERY YES オプションを設定):
|
許可
| ファイル・システム上のファイルの状況
| 処置
| 結果
|
| 見つかりました。
| ファイルの変更時刻がリンク時のファイルの変更時刻より前になっています。
| 正しいバージョンのファイルがアーカイブ・サーバーから復元されます。
|
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| ファイルの変更時刻がリンク時のファイルの変更時刻より後になっています。
| DATALINK の値が NULL に設定されます。
|
データ・リンク・ファイル・マネージャー環境全体のバックアップを実行するには、以下の点を考慮してください。
- すべてのデータ・リンク・サーバーが実行を開始していることを確認する (DATALINK 定義で NO LINK CONTROL オプションを指定している場合)。
- DB2 Database Server 上の DB2 データベースのバックアップをとる。
- データ・リンク・マネージャーが使用するファイル・システムのバックアップをとる。
- ファイル・システムをいったん取り外して、バックアップをとってから (オペレーティング・システムを使用して)、
もう一度取り付ける。
- 以下のものを含む DLFM バックアップ・ディレクトリーのバックアップをとる。
- DLFM_DB データベースのイメージ
- リンク・ファイルのコピー
- DATALINK 列で RECOVERY OPTION が YES に設定されている場合は、すべての更新。
これにより、時刻指定ロールフォワード回復が行われます (ADSM ではなく DLFM_BACKUP_DIR_NAME=directoryname を設定した場合)。
注: | これまでの説明は、一般的な解説としてのみ使用できます。
バックアップおよび復元操作は複雑であるため、
操作を実行する前に必ず DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール の該当する節を参照してください。
|
データ・リンク・サーバー上で DLFM_EXPORT を使用してエクスポート操作を実行すると、
以下の 2 つのデータをエクスポートすることができます。
DATALINK 列を含む表のエクスポートが成功すると、以下のものが作成されます。
- パラメトリック・データのエクスポート・ファイル
- エクスポート行からの参照ファイルをリストした制御ファイル (関係するサーバーごと)
注:
- DLFM_EXPORT 操作が成功するためには、root 権限が必要です。
それは、アーカイブを必要とするものの、DLFM 管理者がアクセスできないファイルがあるからです。
- DLFM_EXPORT を実行するために、DB2 データ・リンク・マネージャーを実行する必要はありません。
DLFM_IMPORT ユーティリティーを使用してデータをインポートするステップは、
DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール に説明されています。
しかし、データのインポートが成功するには特定の条件があるため、
問題判別の際にそれらの条件を検討することは役立ちます。
- アーカイブ・ファイルが同じサーバー上で復元されていても、別のサーバー上で復元されていても、
インポート・ユーティリティーを使用する必要があります。
- ユーザーが別のファイル・サーバー上でアーカイブ・ファイルを復元することにした場合には、
root 権限が必要です。なぜなら、そのファイル・サーバー上では、DLFM_EXPORT ユーティリティーが実行されたファイル・サーバーと同じディレクトリー構造およびユーザー ID を持っていないことがあるからです。
- ユーザー ID の一部が新しいマシン上にない場合に備えて、
エクスポートされたファイルは root によって所有されます。
- 管理者はすべてのファイルに正しい許可があることを確認する必要があります。
- ファイルが別のデータ・リンク・マネージャー・サーバー、ファイル・システム名、
またはディレクトリーにインポートされる場合、ファイル・システムと DB2 Database Server を登録するために、
データ・リンク・サーバー上で正しいステップを実行する必要があります。
DB2 Database Server 上では、表が別の DB2 Database Server 上にインポートされる場合、DB2 Database Server を構成するための正しいステップを実行する必要があります。
- サーバー名またはファイル・パスが変更された場合、
インポート・コマンドで DL_URL_REPLACE_PREFIX という接頭部の句を使用します。
これにより、DATALINK 値のすべてのパス (URL にある) が変更されます。
- インポート・ユーティリティーをターゲット・データベース上で実行すると、DATALINK 列に関連するデータは SQL INSERT を使用して基礎表にロードされます。
- INSERT 時に、DATALINK 列は該当するファイル・サーバー上のファイルにリンクされます。
ロード・ユーティリティーを呼び出す前に、
サポートされていないオプションがいくつかあることを覚えておく必要があります。
- COPY オプションは、DATALINK 列を含む表ではサポートされません。
- REPLACE オプションは、DATALINK 列を含む表ではサポートされません。
- NONRECOVERABLE 文節は、FILE LINK CONTROL 属性を持つ DATALINK 列が表の中にあるか、
または表に追加されると、使用できません。
FILE LINK CONTROL として定義された DATALINK 列を含む表にデータをロードする場合、
ロード・ユーティリティーを呼び出す前に以下のステップを実行してください。
- DB2 データ・リンク・マネージャーが、DATALINK 列の値によって参照されるファイル・サーバー上にインストールされていることを確認する。
- データベースが DLFM に登録されていることを確認する。
- DATALINK の値として挿入されるすべてのファイルを、該当するファイル・サーバーにコピーする。
- 接頭部名 (複数可) をファイル・サーバー上の DLFM に定義する。
詳細については、DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール にある、DLFM へのデータベースの登録に関する説明を参照してください。
- 入力ファイルにある新しいファイル・サーバーを参照しようとしている場合は、
そのファイル・サーバー名 (複数可) を DB2 ファイル・サーバー構成ファイルに追加する。
DB2 データ・リンク・マネージャーをクリーン・マシンにインストールする場合、
インストール・プログラムは DLFM 用に DB2 ユニバーサル・データベース パーソナル・エディションのコンパクト・バージョンもインストールします。
この DB2 ユニバーサル・データベースを使用すると、DB2 サーバーを同じマシンに追加インストールできなくなります。
しかし、DB2 データ・リンク・マネージャーをシステムにインストールする前に、DB2 ユニバーサル・データベース パーソナル・エディション、
ワークグループ・エディション、またはエンタープライズ・エディションがすでにインストールされている場合、DLFM は既存の DB2 ユニバーサル・データベース製品を使用します。
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