問題判別の手引き

データベース・システム・モニター

データベース管理プログラムには、 それ自体およびそれを使用しているアプリケーションの操作とパフォーマンスに関するデータを収集する機能があります。 データベース管理プログラムが収集したモニター・データは、 次の 2 つの方法でアクセスすることができます。

この章では、 システムやアプリケーションのパフォーマンスを低下させた原因の診断に役立つ方式を、 簡単に説明しています。 データベース・システム・モニターに関するさらに専門的な情報については、 システム・モニター 手引きおよび解説書 を参照してください。

スナップショット・モニターの使用

スナップショットでは、特定の時点での情報を得ることができます。 スナップショットとは、特定のオブジェクトやオブジェクトのグループに対する、 データベース管理プログラムの現在の活動状況をグラフィカルに示すものです。 スナップショット・モニターを使用すると、 特定のスナップショット要求を出して、問題判別に役立てることができます。 この節では、 スナップショット・モニターを使用して情報を取り込む方法について説明します。

スナップショット・モニターは、 モニターする各レベルにおいて、以下の 2 つのカテゴリーの情報を提供します。

多様なスナップショットの要求のタイプや論理データのグループが作成できます。 スナップショットは、データベース管理プログラムを通して、 表の中のさまざまなレベルから要求することができます。 詳細については、システム・モニター 手引きおよび解説書 を参照してください。 スナップショットの要求のタイプと論理データのリストは、 システム・モニター 手引きおよび解説書 の『スナップショット要求』を参照してください。

スナップショットの要求を作成するには、db2GetSnapshot() コマンドを使用するか、GetSnapshot() API を起動します。 API を起動すると、いくつかのスナップショットの要求を指定することができます。 db2GetSnapshot() のコーディングの例は、システム・モニター 手引きおよび解説書 の『スナップショット要求の作成』で参照することができます。

スナップショットは、データを自己記述ストリームとして、 ユーザーが割り当てたバッファーに戻します。 データは、論理グループで戻されます。 スナップショットの要求によって戻される項目には、 プロセスのサイズやタイプを指定するフィールドが含まれます。 詳細については、システム・モニター 手引きおよび解説書 の『スナップショットの読み取り』を参照してください。

イベント・モニターの使用

特定のイベントが発生した時、 データベース管理プログラムが自動的にデータのログを記録するように要求することができます。 イベント・モニターは、次のいずれかのイベントが発生した時に、 データベース・システム・モニターのデータを、 ファイルまたは名前付きパイプに書き出します。

イベント・モニターを使用すると、 効果的にデータベースでの活動のトレースを取得することができます。 この節では、 イベント・モニターで作成されたトレースの内容と形式を検討する方法について、 簡単に説明しています。 CREATE EVENT MONITOR ステートメントを使用すると、 問題を診断するためのトレースを変更することができます。

出力レコード

イベント・モニターの出力は論理データ・グループのバイナリー・ストリームで、 パイプに書き出すイベント・モニターでも、 ファイルに書き出すイベント・モニターでも、まったく同じものです。 このトレースの形式は、 db2evmon 生産性向上ツールを使用して設定することができます。

トレース内のレコードは、次のタイプに分類することができます。

各レコードには、アプリケーション・ハンドルとアプリケーション ID が含まれています。 これらによって、 各レコードと、生成されたレコードを使用するアプリケーションとを関連付けることができます。 アプリケーション・ハンドル (agent_id) は、 そのアプリケーションの実行期間中はシステム全体で固有です。 アプリケーション ID は、タイム・スタンプを含むストリング ID で、 データベース管理プログラムを停止して再始動した後も固有であることが保証されています。

より具体的な情報については、 システム・モニター 手引きおよび解説書 の『出力レコード』を参照してください。

イベント・モニターは、自己記述形式でデータを戻します。 これによって、次のようないくつかの便利なタスクを実行することができます。

詳細については、システム・モニター 手引きおよび解説書 の『イベント・モニター・トレースを読み取る』を参照してください。


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]