問題判別の手引き

DB2 データ・リンク・マネージャーに関する考慮事項

DB2 データ・リンク・マネージャーを使用する前に、 ご使用の環境が DLFM をサポートしていることを確認しておく必要があります。 以下の部分では、DB2 データ・リンク・マネージャーの動作条件を要約しています。

DB2 データ・リンク・マネージャー

DB2 データ・リンク・マネージャーは次の 2 つのコンポーネントから成っています。

データ・リンク・ファイル・マネージャー
データ・リンク・ファイル・マネージャーは、特定のデータ・リンク・マネージャー・サーバー上にある、DB2 データベース内の DATALINK 列によって参照されるすべてのファイルを登録します。 このコンポーネントはメタデータ (管理情報) を追跡して、リンク・ファイルを見つけます。 また、以前にリンクされたファイルを追跡して、時刻指定ロールフォワード回復を行います。

データ・リンク・ファイル・システム・フィルター
データ・リンク・ファイル・システム・フィルターはファイル・システム・コマンドをフィルター操作して、 登録されているファイルが削除されたり、名前が変更されたりしていないか確かめます。 またオプションで、コマンドをフィルター操作して、 適切なアクセス権限があるかどうか確かめます。 オペレーティング・システムのファイル・システムの拡張も行います。 このようにして、ファイル API が DB2 サーバー上のデータとデータ・リンク・マネージャーが管理する外部ファイルとの間の保全性を損なわないようにします。
注:DLFF は DATALINK 列によって参照されるすべてのファイル・システムに適用する必要があります。

DB2 データ・リンク・マネージャーを使用する際には、いくつかの重要な考慮事項があります。

データ・アクセス・トークン

ファイル・アクセス制御は、DB2 とデータ・リンク・マネージャーを組み合わせたもので提供されます。 DB2 は DATALINK 列で SELECT ステートメントを使ってアクセス・トークンを動的に割り当て、 ファイル・パス名に結果を組み込みます。

ファイル・アクセス制御が正しく機能するには、いくつかの準備が必要です。

注:データ・アクセスおよび許可の詳細については、DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール を参照してください。

データ・リンク・マネージャー環境の回復

この節では、データ・リンク・マネージャーの回復状況について説明します。

DB2 データベース回復

DLFS ファイル・システム回復

以下の表では、回復操作が必要な状況として考えられるものを示しています。
環境 条件 処置と解決策
DB2 Database Server 上の DB2 データベースがなくなった DB2 バックアップおよびログ・ファイルが使用可能です。 DB2 Database Server 上で、
  • データベースを復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
  • そのデータベース内の、DATALINK 値があるすべての表を調整します。
データ・リンク・サーバー上の DLFM_DB がなくなった バックアップおよびログ・ファイルが使用可能です。 データ・リンク・サーバー上で、
  • データベースを復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
  • データベース DLFM_DB を復元し、ログの終わりにロールフォワードします。
DLFM サーバー上のディスクの破損からの回復 DLFM と対話する DB2 アプリケーションがハングした可能性があります。                       FORCE APPLICATION コマンドを使用して、 アプリケーションを強制的にシステムから遮断します。
DLFM サーバー上のマシンの破損からの回復 DLFM と対話する DB2 アプリケーションがハングした可能性があります。                       それによって影響を受けた DB2 データ・リンク・マネージャーを、 dlfm shutdown コマンドを使って遮断する必要があります。 そうすると、もう一度立ち上げることができます。
DLFM サーバー上のディスクまたはマシンの破損からの回復 アプリケーションがハングした可能性があります。 データ・リンク・サーバー上で、
  • DLFS ファイル・システムを復元します。
DB2 Database Server 上で、
  • すべての表 (破損したディスクを含む) で db2_reconcile_aid コマンドを呼び出して、 調整を実行します。 これにより、ディスクの障害後に、 ファイル・マネージャー・サーバー上のリンク・ファイルと矛盾している可能性のある表を検査し、調整が行われます。
DLFM バックアップ・ディレクトリーの回復
DLFM バックアップ・ディレクトリーを回復します。

リンクした状態のファイル (RECOVERY NO オプションを設定):
許可 ファイル・システム上のファイルの状況 処置 結果

見つかりません。
DATALINK の値が NULL に設定されます。
READ および WRITE PERMISSION FS 見つかりました。 詳しい検査を行わないと、ファイルの正確さの妥当性が検査されます。
WRITE PERMISSION BLOCKED 見つかりました。 変更時刻とファイルのサイズが検査されます。 値にミスマッチがある場合は、DATALINK の値が NULL に設定されます。

リンクした状態のファイル (RECOVERY YES オプションを設定):
許可 ファイル・システム上のファイルの状況 処置 結果

見つかりました。 ファイルの変更時刻がリンク時のファイルの変更時刻より前になっています。 正しいバージョンのファイルがアーカイブ・サーバーから復元されます。


ファイルの変更時刻がリンク時のファイルの変更時刻より後になっています。 DATALINK の値が NULL に設定されます。

データ・リンク・マネージャー環境のバックアップ

データ・リンク・ファイル・マネージャー環境全体のバックアップを実行するには、以下の点を考慮してください。

注:これまでの説明は、一般的な解説としてのみ使用できます。 バックアップおよび復元操作は複雑であるため、 操作を実行する前に必ず DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール の該当する節を参照してください。

エクスポート操作

データ・リンク・サーバー上で DLFM_EXPORT を使用してエクスポート操作を実行すると、 以下の 2 つのデータをエクスポートすることができます。

DATALINK 列を含む表のエクスポートが成功すると、以下のものが作成されます。

注:

  1. DLFM_EXPORT 操作が成功するためには、root 権限が必要です。 それは、アーカイブを必要とするものの、DLFM 管理者がアクセスできないファイルがあるからです。

  2. DLFM_EXPORT を実行するために、DB2 データ・リンク・マネージャーを実行する必要はありません。

インポート操作

DLFM_IMPORT ユーティリティーを使用してデータをインポートするステップは、 DB2 データ・リンク・マネージャー 概説およびインストール に説明されています。 しかし、データのインポートが成功するには特定の条件があるため、 問題判別の際にそれらの条件を検討することは役立ちます。

DB2 Database Server 上では、表が別の DB2 Database Server 上にインポートされる場合、DB2 Database Server を構成するための正しいステップを実行する必要があります。

ロードに関する考慮事項

ロード・ユーティリティーを呼び出す前に、 サポートされていないオプションがいくつかあることを覚えておく必要があります。

FILE LINK CONTROL として定義された DATALINK 列を含む表にデータをロードする場合、 ロード・ユーティリティーを呼び出す前に以下のステップを実行してください。

データ・リンク・マネージャー (Windows NT 版)

DB2 データ・リンク・マネージャーをクリーン・マシンにインストールする場合、 インストール・プログラムは DLFM 用に DB2 ユニバーサル・データベース パーソナル・エディションのコンパクト・バージョンもインストールします。

この DB2 ユニバーサル・データベースを使用すると、DB2 サーバーを同じマシンに追加インストールできなくなります。 しかし、DB2 データ・リンク・マネージャーをシステムにインストールする前に、DB2 ユニバーサル・データベース パーソナル・エディション、 ワークグループ・エディション、またはエンタープライズ・エディションがすでにインストールされている場合、DLFM は既存の DB2 ユニバーサル・データベース製品を使用します。


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