コマンド解説書

BACKUP DATABASE

データベースまたは表スペースのバックアップ・コピーを作成します。

効力範囲

このコマンドは、それが実行されたノードに対してだけ影響を与えます。

許可

以下のどれかが必要です。

必須接続

データベース。 このコマンドは指定されたデータベースへの接続を自動的に確立します。
注:指定したデータベースへの接続がすでに存在している場合、 それはバックアップ操作用に使用されます。 接続は、バックアップの完了時に終了します。

コマンド構文

>>-BACKUP----+-DATABASE-+---database-alias---------------------->
             '-DB-------'
 
>-----+---------------------------------------+----------------->
      '-USER--username--+------------------+--'
                        '-USING--password--'
 
>-----+--------------------------------------------+------------>
      |                .-,------------------.      |
      |                V                    |      |
      '-TABLESPACE--(-----tablespace-name---+---)--'
 
>-----+---------+----------------------------------------------->
      '-ONLINE--'
 
>-----+-------------------------------------------------------+->
      +-USE TSM--+-------------------------------+------------+
      |          '-OPEN--num-sessions--SESSIONS--'            |
      |     .-,--------.                                      |
      |     V          |                                      |
      +-TO----+-dir-+--+--------------------------------------+
      |       '-dev-'                                         |
      '-LOAD--library-name--+-------------------------------+-'
                            '-OPEN--num-sessions--SESSIONS--'
 
>-----+-----------------------------+--------------------------->
      '-WITH--num-buffers--BUFFERS--'
 
>-----+----------------------+---+-----------------+------------>
      '-BUFFER--buffer-size--'   '-PARALLELISM--n--'
 
>----+-------------------+-------------------------------------><
     '-WITHOUT PROMPTING-'
 

コマンド・パラメーター

DATABASE database-alias
バックアップを取るデータベースの別名を指定します。

USER username
データベースのバックアップを取るユーザー名を識別します。

USING password
ユーザー名を承認するために使用するパスワード。 パスワードを省略すると、ユーザーに入力を求めるプロンプトが出ます。

TABLESPACE tablespace-name
バックアップを取る表スペースを指定するときに使用する名前のリスト。

ONLINE
オンライン・バックアップを指定します。 省略時値はオフライン・バックアップです。 オンライン・バックアップは、logretain または userexit を使用可能にして構成されたデータベースにのみ、使用可能です。

注:オンライン・バックアップ操作は、 sysibm.systables に IX ロックがある場合、タイムアウトになる可能性があります。 それは DB2 バックアップ・ユーティリティーが、 LOB を含むオブジェクト上に S ロックを必要とするためです。

USE TSM
バックアップには Tivoli Storage Manager (以前は ADSM と呼ばれる) 出力を使用することを指定します。

OPEN num-sessions SESSIONS
DB2 と TSM または他のバックアップ・ベンダー製品との間で作成される入出力セッションの数。

注:このパラメーターは、テープ、ディスク、または他のローカル装置にバックアップする場合には効果はありません。

TO dir/dev
ディレクトリーまたはテープ装置名のリストです。

ディレクトリーが常駐する完全パス名を指定しなければなりません。 宛先は、データベース・サーバーに常駐していなければなりません。 このパラメーターは、バックアップ・イメージが複数の宛先ディレクトリーや装置にわたる場合に、 それらを指定するために繰り返すことができます。 宛先が複数指定されている場合 (たとえば、宛先 1、宛先 2、および宛先 3)、 宛先 1 が最初にオープンされます。 媒体ヘッダーおよび特殊ファイル (構成ファイル、表スペース表、および活動記録ファイルを含む) は、宛先 1 にあります。 他の残りの宛先は、オープンされており、これらはバックアップのときに並列で使用されます。

テープ装置やフロッピー・ディスクを使用することにより、 メッセージやユーザー入力のプロンプトを生成できます。 有効な応答オプションは、次のとおりです。

c
続行。 警告メッセージを生成した装置の使用を続けます (たとえば、新しいテープをマウントしたときなど)。

d
装置の終了。 警告メッセージの原因となった装置の使用だけ を停止します (たとえば、これ以上テープがない場合など)。

t
終了。 バックアップまたは復元ユーティリティーを打ち切ります。

テープは OS/2 ではサポートされていません。 OS/2 の場合、0 または 0: を指定すると、 ユーザー出口プログラムが呼び出されて、 バックアップ操作が起きます (管理の手引き を参照)。 このオプションは、他のプラットフォームでは無効です。

LOAD library-name
使用するバックアップおよび復元 I/O 関数を含む共用ライブラリー (OS/2 または Windows オペレーティング・システムでは DLL) の名前。 フルパスで指定することができます。 フルパスを指定していない場合、省略時値はユーザー出口プログラムが常駐しているパスになります。

WITH num-buffers BUFFERS
使用するバッファーの数です。 省略時値は 2 です。 ただし、バックアップを複数の場所に作成する場合は、 パフォーマンスを向上させるために多数のバッファーを使用することができます。

BUFFER buffer-size
バックアップ・イメージを構築するときに使用する、 数ページに渡るバッファーのサイズです。 このパラメーターの最小値は 8 ページです。省略時値は 1024 ページです。 バッファー・サイズがゼロに指定されている場合、 データベース・マネージャー構成パラメーターの値 backbufsz が、バッファー割り振りサイズとして使用されます。

テープ装置を使用するには、SCO UnixWare 7 上の DB2 ユーザーは、 バッファー・サイズを 16 に指定する必要があります。

PARALLELISM n
バックアップ・ユーティリティーによって同時に読み取り可能な表スペースの数を決定します。 省略時値は 1 です。

WITHOUT PROMPTING
バックアップは、管理されることなく実行されるため、 通常はユーザーの介入を必要とするアクションでエラー・メッセージが戻されるように指定されます。

   db2 backup database sample use tsm open 2 sessions with 4 buffers
 
   db2 backup database payroll tablespace syscatspace, userspace1 to
      /dev/rmt0, /dev/rmt1 with 8 buffers without prompting

使用上の注意

データベースおよび表スペースの両方のバックアップで、 バックアップ・ユーティリティーは、複数の表スペースから同時に読み取り、 複数の場所にある装置に同時に書き込むことができます。

データベース・レベル・バックアップ
注:それぞれのデータベースのバックアップは、通常の基準で行われます。 データベースが損傷を受けたり、破壊されたりした場合、 バックアップ済み複写状態に戻すことができます (RESTORE DATABASEを参照)。

バックアップ操作のときに、 正常に格納されたデータベースでロールフォワード回復を行うことが可能である場合、 障害が起こる前の状態にまでデータベースを戻すことができます (ROLLFORWARD DATABASEを参照)。

このバックアップは、ハード・ディスク、ディスケット、テープ、TSM ユーティリティー、 または他の、DB2 で使用可能なベンダー製品に直接接続することができます。

UNIX ベースのシステムでは、 バックアップ・ファイル名がピリオドにより分離されているいくつかの情報単位が連結してできています。

dbname.type.instance.nodexxxx.catnxxxx.yyyymmddhhmmss.seq

dbname
1〜8 文字のデータベースの別名です。

type
実行するバックアップのタイプです (完全データベースには 0、 または表スペース・レベル・バックアップには 3 です)。

instance
1〜8 文字のデータベース・インスタンス名です。

nodexxxx
ノードの番号。 非区分データベース・システムでは、この値は常にゼロです (NODE0000)。 区分データベース・システムでは、この値は NODExxxx です。 xxxx は、 db2nodes.cfg ファイル中でノードに割り当てられている数です。

catnxxxx
データベース用のカタログ・ノードの数です。 非区分データベース・システムでは、 この値は常にゼロです (CATN0000)。 区分データベース・システムでは、この値は CATNxxxx です。 xxxx は、 db2nodes.cfg ファイル中でノードに割り当てられている数です。

yyyymmdd
日付 (年、月、日) です。

hhmmss
時刻 (時間、分、秒) です。

seq
3 桁の順序番号です。

ハード・ディスク、テープ、TSM および他のベンダーに加えて、 バックアップを直接ディスケットに取ることができます。 OS/2 または Windows オペレーティング・システムの場合、 汎用テープ装置はサポートされていないので、 テープ装置のタイプごとに固有のデバイス・ドライバーが必要です。

OS/2 および Windows オペレーティング・システムの FAT ファイル・システムにバックアップを取るには、 ユーザーは 8.3 命名規則に適合するようにしなければなりません。 ファイルは、5 レベル・サブディレクトリー・ツリーにあります。 このことを以下に示します。

dbname.type\db2instance.nodexxx\catnxxx\yyyymmdd\hhmmss.seq

dbname
1〜8 文字のデータベースの別名です。

type
実行するバックアップのタイプです。 完全データベースには 0、 表スペース・レベル・バックアップには 3、 表ロードからのコピーには 4 です。

db2instance
1〜8 文字のデータベース・インスタンス名です。

nodexxx
ノードの番号。 非区分データベース・システムでは、この値は常にゼロです (NODE000)。 区分データベース・システムでは、この値は NODExxx です。 xxx は、 db2nodes.cfg ファイル中でノードに割り当てられている数です。

catnxxx
データベース用のカタログ・ノードの数です。 非区分データベース・システムでは、この値は常にゼロです (CATN000)。 区分データベース・システムでは、この値は CATNxxx です。 xxx は、 db2nodes.cfg ファイル中でノードに割り当てられている数です。

yyyymmdd
日付 (年、月、日) です。

hhmmss
時刻 (時間、分、秒) です。

seq
3 桁の順序番号です。

ロールフォワード回復が可能である場合は、オンライン・バックアップは許可されます。

ユーティリティーがアクセスされており、 他のアプリケーションにより修正されている場合は、 このユーティリティーはオンライン・バックアップを実行することが可能です。

オフライン・バックアップを実行するには、 ユーティリティーは排他モードでデータベースを接続することができなければなりません。 呼び出しアプリケーションを含む、 アプリケーションのどれかがすでにデータベースに接続されている場合は、 BACKUP は失敗します。 接続に成功した場合、このバックアップが完了するまでは BACKUP により他のアプリケーションは締め出された状態になります。

現在データベースを必要としない場合は、BACKUP DATABASE をオフラインで実行します。

データベースの状態が一貫していない場合、オフライン・バックアップ操作は失敗します。 データベースが矛盾している場合、 破損回復によって一貫した状態に戻すためにデータベースを再始動してから、 BACKUP を実行する必要があります ( RESTART DATABASE、および管理の手引きautorestart 構成パラメーターの説明を参照)。 回復時にシステムが失敗した後で、データベースが部分的に復元された状態にある場合、 バックアップを実行する前に復元操作を再び実行して、完了させなければなりません。 データベースが復元され、ロールフォワード操作が必要である場合、 バックアップを取る前にデータベースを下方にロールして一貫した状態にしなければなりません。

データベースがロールフォワード使用不能状態からロールフォワード使用可能状態に変わった場合、 logretain または userexit データベース構成オプションを使用可能にしてからデータベースのバックアップを取る必要があります ( GET DATABASE CONFIGURATIONを参照)。

表スペース・レベル・バックアップ

表スペース・レベル・バックアップには、 データベースの表スペースが 1 つまたは複数含まれています。 これはコマンドを実行するときに指定することができます。 表スペース・レベル・バックアップは、オンラインでもオフラインでも行えますが、 データベースはロールフォワードする回復を使用可能にして構成する必要があります。

表スペース・レベル・バックアップは、 特定の表スペースのみに影響する問題を回復するときに使用します。 この回復を実行するときは、他のすべての表スペースで処理をすることが可能です。

復元した表スペースが、他のデータベースと同期化されていることを確認するには、 ログの最後まで (または表スペースを最後に使用したところまで) 表スペースの下方ロールを行わなければなりません。 このため、表スペース・レベルのバックアップおよび復元が行えるのは、 ロールフォワード回復が可能な場合のみです。 表スペース・レベル・バックアップを実行した後に、 ロールフォワード回復が行えない場合、バックアップから復元することができないため、 早めに現時点まで表スペースの下方ロールを行ってください。 この場合、 その時点より前に取った表スペース・レベルのバックアップはすべて復元できなくなります。 そのようなバックアップを復元しようとすると、復元操作は失敗します。 バックアップが無効である (たとえば、新しいログ順序列を作成して、 データベースが復元およびロールフォワードされている場合) かを判別することができない場合には、その復元は、正常に行われますが、 ロールフォワード回復処理中に、壊れた復元セットが検出されることになります。

ユーザーは、データ、索引、ロング・フィールド (LONG)、 およびラージ・オブジェクト (LOB) を別々の表スペースに入れることも可能です。 同じ表のロング・フィールドおよび LOB データは、 同じ表スペースに存在していなければなりません。

表のそれぞれの構成要素は、同じ表の他の構成要素からは独立させて、 常駐している表スペースでバックアップを取り、復元させることが可能です。

一時表のために、システムまたはユーザーの表スペースのバックアップを取る必要はありません。 バックアップを取る表スペースのリストに、このような表スペースがある場合、BACKUP は失敗します。

表スペース・レベルのバックアップと復元は、同時に実行することはできません。

以下も参照

MIGRATE DATABASE

RESTORE DATABASE

ROLLFORWARD DATABASE


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