コマンド解説書

db2move - データベース移動ツール

このツールは、ワークステーション上にある DB2 データベース間で、大量の表の移動を容易にします。 また、特定のデータベースのシステム・カタログ表を照会し、 すべてのユーザー表のリストをコンパイルします。 そして、これらの表を PC/IXF 形式でエクスポートします。 PC/IXF ファイルは、同じシステム上の別のローカル DB2 データベースにインポートまたはロードするか、 または別のワークステーション・プラットフォームに転送し、 そのプラットフォームで DB2 データベースにインポートまたはロードすることができます。
注:構造型列がある表は、このツールを使用しても移動しません。

許可

このツールは、ユーザーから要求されるアクションにしたがって、 DB2 エクスポート、インポート、およびロード API を呼び出します。 したがって、要求元ユーザー ID には、 これらの API に求められる正しい権限がなければなりません。 この権限がないと、要求は失敗します。

コマンド構文

                              .----------------------------.
                              V                            |
>>-db2move--dbname--action-------+----------------------+--+---><
                                 +--tc--table-creators--+
                                 +--tn--table-names-----+
                                 +--io--import-option---+
                                 +--lo--load-option-----+
                                 +--l--lobpaths---------+
                                 +--u--userid-----------+
                                 '--p--password---------'
 

コマンド・パラメーター

dbname
データベースの名前。

action
EXPORT、IMPORT、または LOAD のどれかです。

-tc
表の作成者。 省略時値はすべての作成者です。

これは EXPORT アクションのみです。 指定されると、このオプションでリストされる作成者が作成する表のみがエクスポートされます。 指定されない場合、省略時ではすべての作成者を使用します。 複数の作成者を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 作成者 ID 間にブランクを入れることはできません。 指定できる作成者の最大数は 10 です。 このオプションは、エクスポートするために表を選択する場合に、 "-tn" 表名オプションを指定して使用することができます。

アスタリスク (*) は、 ストリング中のどこにでも入れられるワイルドカード文字として使用できます。

-tn
表名。 省略時値はすべてのユーザー表です。

これは EXPORT アクションのみです。 指定されると、 指定されたストリング中の名前と完全に一致する名前を持つ表のみがエクスポートされます。 指定されない場合、省略時ではすべてのユーザー表を使用します。 複数の表名を指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 表名間にブランクを入れることはできません。 指定できる表名の最大数は 10 です。 このオプションは、エクスポートするために表を選択する場合に、 "-tc" 表作成者オプションを指定して使用することができます。 db2move は、名前が指定された表名と一致し、 かつ作成者が指定された表作成者と一致する表のみをエクスポートします。

アスタリスク (*) は、 ストリング中のどこにでも入れられるワイルドカード文字として使用できます。

-io
インポート・オプション。 省略時値は REPLACE_CREATE です。

有効なオプションは、 INSERT、 INSERT_UPDATE、 REPLACE、 CREATE、 および REPLACE_CREATE です。

-lo
ロード・オプション。 省略時値は INSERT です。

有効なオプションは、INSERT および REPLACE です。

-l
LOB パス。 省略時値は現行ディレクトリーです。

このオプションは、LOB ファイルが (EXPORT の一部として) 作成されるか、 または (IMPORT または LOAD の一部として) 検索される絶対パス名を指定します。 複数の LOB パスを指定する場合、それぞれをコンマで区切る必要があります。 LOB パス間にブランクを入れることはできません。 最初のパスでスペースを使い尽くした場合 (EXPORT 中)、 またはパスでファイルが見つからない場合 (IMPORT または LOAD 中)、 2 番目のパスが使用される、という方法でパスが使用されます。

アクションが EXPORT で LOB パスが指定される場合、 LOB パス・ディレクトリーのすべてのファイルが削除され、 ディレクトリーは除去され、新しいディレクトリーが作成されます。 指定されない場合、現行ディレクトリーが LOB パスに使用されます。

-u
ユーザー ID。 省略時値はログオン・ユーザー ID です。

ユーザー ID とパスワードはどちらも任意指定です。 しかし、一方を指定した場合、他方も必ず指定する必要があります。 コマンドがリモート・サーバーに接続するクライアント上で実行される場合、 ユーザー ID とパスワードを指定することが必要です。

-p
パスワード。 省略時値はログオン・パスワードです。

ユーザー ID とパスワードはどちらも任意指定です。 しかし、一方を指定した場合、他方も必ず指定する必要があります。 コマンドがリモート・サーバーに接続するクライアント上で実行される場合、 ユーザー ID とパスワードを指定することが必要です。

使用上の注意

このツールはユーザーが作成した表をエクスポート、インポート、またはロードします。 データベースが、 あるオペレーティング・システムから別のオペレーティング・システムに複製される場合、 db2move によって表の移動が容易になります。 表と関連する他のすべてのオブジェクト、たとえば別名、視点、 トリガーなども移動する必要があります。 db2look - DB2 統計および DDL 抽出ツール によって、 データベースからデータ定義言語 (DDL) ステートメントを抽出することにより、 これらのオブジェクトのいくつかを容易に移動することができます。

エクスポート、インポート、またはロード API が db2move によって呼び出されると、 FileTypeMod パラメーターが lobsinfile に設定されます。 つまり、LOB データが PC/IXF ファイルとは別に保持されます。 LOB ファイルでは、26 000 のファイル名が使用可能です。

LOAD アクションは、 データベースおよびデータ・ファイルが常駐するマシンでローカルに実行する必要があります。 ロード API が db2move によって呼び出されると、 CopyTargetList パラメーターが NULL に設定されます。 つまり、コピーは行われません。 logretain がオンである場合、 ロード操作を後でロールフォワードすることはできません。 ロードされた表が常駐する表スペースはバックアップ保留状態にされ、アクセスできません。 表スペースをバックアップ保留状態から解除するには、 全データベースのバックアップまたは表スペースのバックアップが必要です。

バージョン 5.2 クライアントからバージョン 6 データベースに対して発行される場合、 このツールは、長さが 18 文字を超える表名または列名はサポートしません。

EXPORT 使用時に必要とされるファイル / 生成されるファイル

IMPORT 使用時に必要とされるファイル / 生成されるファイル

LOAD 使用時に必要とされるファイル / 生成されるファイル


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