コマンド解説書

db2batch - ベンチマーク・ツール

フラット・ファイルまたは標準入力のどちらかから SQL ステートメントを読み取り、 ステートメントを動的に準備および記述し、応答セットを戻します。

このユーティリティーには、EEE 環境での並列エクスポート機能もあります。 この機能では、エクスポートするデータを定義する照会を簡単に実行でき、 個々の区画で、その区画にあるエクスポート・データの部分が入るファイルを作成することができます。

許可

読み取られる SQL ステートメントが必要とするものと同じ権限レベル。

並列モードでは、 ユーザーは db2_all を実行する権限がなければなりません。 詳しくは、管理の手引き を参照してください。

必須接続

なし。 このコマンドは、データベース接続を確立します。

コマンド構文

>>-db2batch----d--dbname----+----------------+------------------>
                            '--f--file_name--'
 
>-----+--------------------+---+-------------+------------------>
      '--a--userid/passwd--'   '--t--delcol--'
 
>-----+-----------------------------+---+--------------+-------->
      '--r--outfile--+-----------+--'   |     .-on--.  |
                     '-,outfile2-'      '--c--+-off-+--'
 
>-----+-------------------+---+--------------+------------------>
      |     .-short----.  |   '--o--options--'
      '--i--+-long-----+--'
            '-complete-'
 
>-----+---------------+---+--------------+---+---------------+-->
      |     .-off--.  |   |     .-on--.  |   |     .-off--.  |
      '--v--+-on---+--'   '--s--+-off-+--'   '--q--+-on---+--'
                                                   '-del--'
 
>-----+--------+---+--------------------+----------------------->
      '--l--x--'   '--p--+-s---------+--'
                         +-t--table--+
                         '-d---------'
 
>-----+------------------------+---+-----+---------------------><
      '--cli--+-------------+--'   '--h--'
              '-cache-size--'
 

コマンド・パラメーター

-d dbname
SQL ステートメントが適用されるデータベースの別名。 省略時値は、DB2DBDFT 環境変数の値です。

-f file_name
SQL ステートメントが入っている入力ファイルの名前。 省略時は標準入力です。

注釈テキストは、 各行の先頭に 2 つのハイフンを付けて -- <注釈> で表します。 注釈を出力にも含めるときは、次のように注釈にマークを付けます。 --#COMMENT <注釈>

ブロック は、 一まとまりとして処理されるいくつかの SQL ステートメントからなっています。 つまり、ステートメントで使用する情報を 1 つずつ収集するのではなく、 すべてのステートメントに必要な情報を一度に収集します。 照会ブロックの開始は、--#BGBLK で表します。 照会ブロックの終了は、--#EOBLK で表します。

1 つまたは複数の制御オプションを指定するには、次のようにします。 --#SET <制御オプション> <>。 有効な制御オプションは、以下のとおりです。

ROWS_FETCH
応答セットから取り出す行数。 有効な値は -1n です。 省略時値は -1 (すべての行を取り出す) です。

ROWS_OUT
取り出された行のうち出力へ送られる行数。 有効な値は -1n です。 省略時値は -1 (取り出された行をすべて出力へ送る) です。

PERF_DETAIL
戻されるパフォーマンス情報のレベルを指定します。 有効な値は以下のとおりです。

0
時間情報を戻さない。

1
経過時間のみ戻す。

2
経過時間と CPU 時間を戻す。

3
モニター情報の要約を戻す。

4
データベース・マネージャー、データベース、アプリケーション、 およびステートメントのスナップショットを戻す。 (自動コミットがオフになっており、 かつステートメント・ブロックではなく単一ステートメントを処理している場合は、 ステートメントのスナップショットが戻されます。)

5
データベース・マネージャー、データベース、アプリケーション、 およびステートメントのスナップショットを戻す。 (自動コミットがオフになっており、 かつステートメント・ブロックではなく単一ステートメントを処理している場合は、 ステートメントのスナップショットが戻されます。) バッファー・プール、表スペース、 および FCM も戻します (FCM スナップショットは複数モード環境でのみ使用可能)。

省略時値は 1 です。 2 以上の値は、DB2 バージョン 2 サーバーでのみ有効です。

DELIMITER
1 文字か 2 文字のステートメント終結区切り文字です。 省略時値はセミコロン (;) です。

SLEEP
スリープの秒数。 有効な値は 1n です。

PAUSE
継続するかどうかの入力を要求するプロンプトをユーザーに出します。

TIMESTAMP
タイム・スタンプを生成します。

-a userid/passwd
データベースへの接続に使用する名前およびパスワード。 斜線 (/) を含めなければなりません。

-t delcol
1 文字の列区切り記号を指定します。

注:タブの列区切り文字を含めるには、-t TAB を使用します。

-r outfile
照会結果が入る出力ファイル。 任意指定の出力ファイル 2 には、 結果の要約が入ります。 省略時値は標準出力です。

-c
各 SQL ステートメントの実行による変更を自動的にコミットします。

-i
経過時間の間隔 (秒単位)。

short
カーソルのオープン、取り出しの完了、 およびカーソルのクローズの所要時間です。

long
ある照会の開始から次の照会の開始までの経過時間です。 PAUSE と SLEEP の時間、およびコマンド・オーバーヘッドを含みます。

complete
準備、実行、および取り出しの時間。 別個に表示します。

-o options
制御オプション。 有効なオプションは以下のとおりです。

f rows_fetch
応答セットから取り出す行数。 有効な値は -1n です。 省略時値は -1 (すべての行を取り出す) です。

r rows_out
取り出された行のうち出力へ送られる行数。 有効な値は -1n です。 省略時値は -1 (取り出された行をすべて出力へ送る) です。

p perf_detail
戻されるパフォーマンス情報のレベルを指定します。 有効な値は以下のとおりです。

0
時間情報を戻さない。

1
経過時間のみ戻す。

2
経過時間と CPU 時間を戻す。

3
モニター情報の要約を戻す。

4
データベース・マネージャー、データベース、アプリケーション、 およびステートメントのスナップショットを戻す。 (自動コミットがオフになっており、 かつステートメント・ブロックではなく単一ステートメントを処理している場合は、 ステートメントのスナップショットが戻されます。)

5
データベース・マネージャー、データベース、アプリケーション、 およびステートメントのスナップショットを戻す。 (自動コミットがオフになっており、 かつステートメント・ブロックではなく単一ステートメントを処理している場合は、 ステートメントのスナップショットが戻されます。) バッファー・プール、表スペース、 および FCM も戻します (FCM スナップショットは複数モード環境でのみ使用可能)。

o query_optimization_class
照会最適化クラスを設定する。 有効な値の詳細については、 管理の手引き を参照してください。

e explain_mode
db2batch 実行時の explain モードを設定する。 このコマンドを使用する前に、 Explain 表を作成しておく必要があります。 有効な値は以下のとおりです。

0
照会のみ実行 (省略時値)。

1
Explain 表のみ移植。 このオプションは、Explain 表を移植し、Explain スナップショットを取得させます。

2
Explain 表を移植し、照会を実行する。 このオプションは、Explain 表を移植し、Explain スナップショットを取得させます。

-v
冗長。 照会処理中に標準エラーに情報を送信します。 省略時値は OFF です。

-s
要約表。 照会または照会のブロックごとに、要約表を提供します。 その表には、経過時間 (選択時)、CPU 時間 (選択時)、取り出された行数、 印刷された行数が含まれます。 経過時間および CPU 時間が収集された場合、その算術平均および幾何平均が算出されます。

-q
照会の出力。 有効な値は以下のとおりです。

on
照会の区切られていない 出力のみを印刷する。

off
照会と関連情報すべての出力を印刷する。 これが省略時値です。

del
照会の区切られた 出力のみを印刷する。

-l x
終了文字を指定します。

-p
並列 (EEE のみ)。 このモードでは SELECT ステートメントしかサポートされていません。 出力名には、完全修飾パスがなければなりません。 有効な値は以下のとおりです。

s
単一表または照合結合照会。 SELECT ステートメントには列関数だけを含めることはできません。 これは、照会に追加される NODENUMBER 関数の要件です。 このオプションを指定すると、NODENUMBER 関数が照会の WHERE 節に追加され、 一時表は作成されません。 このオプションは、照会の FROM 節に単一表が入っている場合、 または FROM 節に含まれる単一表が連結されている場合にのみ有効です。

このオプションが指定され、照会に GROUP BY 節が含まれる場合、 GROUP BY に指定された列は、表区分キーのスーパーセットでなければなりません。

t table
エクスポートを取り込むステージング表として使用する既存の表の名前を指定します。 照会に FROM 節の複数の表が入っていて、その表が連結されていない場合、 結果セットは指定した表に挿入され、SELECT が同時にすべての区画に対して発行され、 エクスポート・データが入るファイルが生成されます。

d
INSERT INTO ステートメントで使用するシステム表を IBMDEFAULTGROUP に作成します。 照会に FROM 節の複数の表が入っていて、その表が連結されていない場合、 結果セットは指定した表に挿入され、SELECT が同時にすべての区画に対して発行され、 エクスポート・データが入るファイルが生成されます。

ローカル 出力ファイルを指定した (-r オプションを使用する) 場合、 各ノードからの出力は、各ノードで同じ名前を持つ別々のファイルに入れられます。 NFS マウント・ファイル・システム上のファイルが指定された場合、 出力はすべてこのファイルに入れられます。

-cli
CLI モードで db2batch を実行する。 省略時では、組み込み動的 SQL を使用するようになっています。 ステートメント・メモリーは、 cache-size パラメーターを使用して、手動で設定できます。

cache-size
ステートメント・メモリーのサイズ。 ステートメントの数で表されます。 省略時値は 25 です。 ユーティリティーがすでに準備済みになっている SQL ステートメントを検出した場合、 古いプランを再利用します。 このパラメーターは、db2batch を CLI モードで実行する場合だけ設定できます。

-h
ヘルプ情報を表示します。 このオプションを指定すると、他のすべてのオプションは無視され、 ヘルプ情報だけが表示されます。

使用上の注意

SQL ステートメントの長さは、65 535 文字まで可能です。 入力ファイル中ではテキスト行が 3 898 文字を超えることはできないので、 長いステートメントは数行に分割する必要があります。 ステートメントの末尾は区切り文字 (省略時値はセミコロン) にしなければなりません。

SQL ステートメントは、反復可能読取り (RR) 分離レベルで実行されます。

以下も参照

db2batch の使用の詳細については、 管理の手引き を参照してください。

並列エクスポートの詳細な説明については、データ移動ユーティリティー 手引きおよび解説書 を参照してください。

db2sql92 - SQL92 準拠 SQL ステートメント・プロセッサー


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]