コマンド解説書

db2look - DB2 統計および DDL 抽出ツール

要求された DDL ステートメントを抽出して、 テスト・データベース上の実動データベースのデータベース・オブジェクトを再生成します。 このツールを使用すると、 テスト・データベース内のオブジェクトの統計を複製するために使用される必須 UPDATE ステートメントを生成するだけでなく、 更新データベース構成パラメーターと更新データベース・マネージャー構成パラメーター、および db2set ステートメントも生成して、 テスト・データベースの登録変数および構成パラメーター設定を、実動データベースの設定に適合させることができます。

テスト・システムに実動システムのデータのサブセットを含めておくと、 便利なことが多くあります。 しかし、そのようなテスト・システム用に選択したアクセス・プランが、 必ずしも実動システム用に選択したアクセス・プランと同じであるとは限りません。 テスト・システム用のカタログ統計と構成パラメーターの両方が、 実動システムのものと一致するように更新されていなければなりません。 このツールを使用すると、アクセス・プランが、 実動システムで使用するものと類似しているテスト・データベースを作成することが可能になります。

許可

システム・カタログに対する SELECT 特権

必須接続

なし。 このコマンドは、データベース接続を確立します。

コマンド構文

>>-db2look---d--DBname----+--------------+---------------------->
                          '--u--Creator--'
 
>-----+-------------------------------------------------+------->
      '-+----+--+----+--+----+--+----+--+----+--+----+--'
        '--s-'  '--g-'  '--a-'  '--h-'  '--r-'  '--c-'
 
>-----+---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------+>
      '-+----+---o--Fname--+-------------------+---+-------------------+---+---------------------------------------------------------+--'
        '--p-'             '--e--+----------+--'   '--m--+----------+--'   '-+----+--+----+--+-----------+--+-------------+--+----+--'
                                 '--t Tname-'            '--t Tname-'        '--l-'  '--x-'  '--i userid-'  '--w password-'  '--f-'
 
>--------------------------------------------------------------><
 

コマンド・パラメーター

-d DBname
照会する実動データベースの別名。 DBname は、DB2 UDB (UNIX 版、Windows 版、OS/2 版)、または DB2 UDB (OS/390 版) データベースの名前にすることができます。 DBname が DB2 UDB (OS/390 版) データベースの場合には、 db2look ユーティリティーは、 OS/390 オブジェクト用の DDL および UPDATE 統計ステートメントを抽出します。 これらの DDL および UPDATE 統計ステートメントは、 DB2 UDB データベースには適用できますが、 DB2 (OS/390 版) データベースには適用できません。 これは、OS/390 オブジェクトを抽出して、 それらを DB2 UDB データベースで再作成しようとするユーザーに役立ちます。

DBname が OS/390 データベースの場合、 db2look 出力は以下のものに制限されます。

-u Creator
作成者 ID。 出力をこの作成者 ID があるオブジェクトだけに制限します。 オプション -a を指定した場合、このパラメーターは無視されます。 -u-a のどちらも指定しない場合には、 環境変数 USER が使用されます。

-s
ポストスクリプト・ファイルを生成します。

注:

  1. このオプションは、すべての LaTeX ファイルと .tmp ポストスクリプト・ファイルを除去します。

  2. 必要な非 IBM 製のソフトウェアは LaTeX と dvips です。

  3. psfig.tex ファイルは、LaTeX 入力パスに置いておくことが必要です。

-g
索引の取り出しページ・ペアを示すためにグラフを使用します。

注:

  1. このオプションは、LaTeX ファイルだけでなく、 filename.ps ファイルを生成します。

  2. 必要な非 IBM 製のソフトウェアは Gnuplot です。

  3. psfig.tex ファイルは、LaTeX 入力パスに置いておくことが必要です。

-a
このオプションが指定されている場合には、 特定の作成者 ID で作成されたオブジェクトだけに出力が制限されることはありません。 すべてのユーザーによって作成されたすべてのオブジェクトが対象になります。 たとえば、このオプションと -e オプションが共に指定される場合、 データベース内のすべてのオブジェクト用の DDL ステートメントが抽出されます。 このオプションと -m オプションが共に指定される場合、 データベース内のすべてのユーザー作成表および索引用の UPDATE 統計ステートメントが抽出されます。

注:-u-a のどちらも指定しない場合には、 環境変数 USER が使用されます。 UNIX ベースのシステムでは、この変数を明示的に設定する必要はありません。 しかし Windows NT の場合、USER 環境変数に省略時値がありません。 このプラットフォームでは、SYSTEM 変数の中のユーザー変数を設定するか、 または set USER=<username> をセッションに発行する必要があります。

-h
ヘルプ情報を表示します。 このオプションを指定すると、他のすべてのオプションは無視され、 ヘルプ情報だけが表示されます。

-r
このオプションと -m オプションを共に指定する場合には、 db2look は RUNSTATS コマンドを生成しません。 省略時アクションでは、RUNSTATS コマンドを生成します。 -m オプションを指定しない場合、 -r オプションは無視されます。

-c
このオプションを -m オプションと共に指定する場合には、 db2look は COMMIT、CONNECT、および CONNECT RESET ステートメントを生成しません。 省略時アクションでは、これらのステートメントを生成します。 -m オプションを指定しない場合、 -c オプションは無視されます。

-t Tname
表名。 特定の表への出力を制限します。

-p
平文テキスト形式を使用します。

-o Fname
LaTeX 形式を使用する場合、 filename.tex に出力を書き込みます。 平文テキスト形式を使用する場合、 filename.txt に出力を書き込みます。 このオプションを指定しない場合、出力は標準出力に書き込まれます。

-e
データベース・オブジェクト用の DDL ステートメントを抽出します。 このオプションは、-m オプションと一緒に使用できます。 -e オプションを使用する場合には、 以下のデータベース・オブジェクト用の DDL を抽出します。

注:db2look によって生成される DDL を使用して、 ユーザー定義関数を正常に再作成することができます。 ただし、ユーザー定義関数が使用可能であるためには、 特定のユーザー定義関数 (EXTERNAL NAME 節など) が参照するユーザー・ソース・コードが使用可能でなければなりません。

-m
必要な UPDATE ステートメントを生成して、 表、列、および索引についての統計を複製します。 -p-g、および -s オプションは、 -m オプションが指定された場合は無視されます。

-l
このオプションを指定すると、 db2look ユーティリティーは、 ユーザー定義表スペース、 ノード・グループ、およびバッファー・プール用の DDL を生成します。 以下のデータベース・オブジェクト用の DDL は、 -l オプションを使用すると抽出されます。

-x
このオプションを指定すると、 db2look ユーティリティーは、 権限 DDL (GRANT ステートメントなど) を生成します。

-i userid
リモート・データベースで作業する場合には、このオプションを使用してください。

-w password
-i オプションと共にこのパラメーターを使用すると、 リモート・システムに常駐するデータベースに対して db2look が実行可能になります。 db2look では、リモート・システムにログオンするために、 ユーザー ID およびパスワードが使用されます。

-f
このオプションは、構成パラメーターおよび登録変数を抽出するために使用します。

注:DB2 照会最適化プログラムに影響を与える構成パラメーターおよび登録変数だけが抽出されます。

データベース DEPARTMENT でユーザー walid によって作成されたオブジェクト用の DDL ステートメントを生成します。 db2look の出力は、 以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -u walid -e -o db2look.sql

UPDATE ステートメントを生成して、 データベース DEPARTMENT でユーザー walid によって作成された表および索引の統計を複製します。 出力は、以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -u walid -m -o db2look.sql

ユーザー walid によって作成されたオブジェクト用の DDL ステートメントおよび UPDATE ステートメントの両方を生成して、 同じユーザーによって作成された表および索引についての統計を複製します。 db2look の出力は、 以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -u walid -e -m -o db2look.sql

データベース DEPARTMENT ですべてのユーザーによって作成されたオブジェクトの DDL ステートメントを生成します。 db2look の出力は、 以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -a -e -o db2look.sql

すべてのユーザー定義のノード・グループ、 バッファー・プール、および表スペース用の DDL ステートメントを生成します。 db2look の出力は、 以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -l -o db2look.sql

データベースおよびデータベース・マネージャー構成パラメーター用の UPDATE ステートメント、 およびデータベース DEPARTMENT にある登録変数用の db2set ステートメントを生成します。 db2look の出力は、 以下のようにしてファイル db2look.sql に送信します。

   db2look -d department -f -o db2look.sql

データベース DEPARTMENT にあるすべてのオブジェクト用の DDL、 データベース DEPARTMENT にあるすべての表および索引についての統計を複製するための UPDATE ステートメント、 GRANT 権限ステートメント、 データベースおよびデータベース・マネージャー構成パラメーター用の UPDATE ステートメント、 登録変数用の db2set ステートメント、 およびデータベース DEPARTMENT にあるすべてのユーザー定義のノード・グループ、バッファー・プール、および表スペース用の DDL を生成します。 出力は、ファイル db2look.sql に送信されます。

   db2look -d department -a -e -m -l -x -f -o db2look.sql


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