CLI の手引きおよび解説書

DB2 CLI の背景情報

DB2 CLI または呼び出し可能 SQL インターフェースを理解するには、それが何に基づいているのかを理解し、それを既存のインターフェースと比較するとわかりやすくなります。

X/Open Company と SQL アクセス・グループは共同で、 X/Open コール・レベル・インターフェース と呼ばれる呼び出し可能 SQL インターフェースの仕様を開発しました。このインターフェースの目標は、アプリケーションがいずれか 1 つのデータベース・ベンダーのプログラミング・インターフェースから独立できるようにすることによって、アプリケーションの可搬性を高めることです。 X/Open コール・レベル・インターフェース仕様のほとんどは、 ISO コール・レベル・インターフェース国際規格 (ISO/IEC 9075-3:1995 SQL/CLI) の一部として受け入れられています。

Microsoft 社は、X/Open CLI の準備草案に基づいて、 Microsoft オペレーティング・システム用のオープン・データベース・コネクティビティー (ODBC) と呼ばれる呼び出し可能 SQL インターフェースを開発しました。

バージョン 3 の ODBC は、ISO SQL/CLI のほとんどに適合しています。 ODBC 3.0 には、国際規格となっていない機能もかなり含まれていますが、この多くは次回の規格草案に加えられることになっています。

また、ODBC 仕様には、接続要求時に与えられるデータ・ソース (データベース名) に基づいて、ドライバー・マネージャーによってデータベース特定の ODBC ドライバーが実行時に動的にロードされる操作環境が含まれています。アプリケーションは、各 DBMS のライブラリーではなく、単一のドライバー・マネージャーのライブラリーに直接リンクされます。ドライバー・マネージャーは、アプリケーションの関数呼び出しを実行時に仲介して、それが該当する DBMS 特定の ODBC ドライバーに確実に宛てられるようにします。 ODBC ドライバー・マネージャーは、ODBC 特定の関数だけを認識しているので、 DBMS 特定の関数は ODBC 環境ではアクセスできません。 DBMS 特定の動的 SQL ステートメントは、 ベンダー・エスケープ文節の使用で説明されているエスケープ文節と呼ばれるメカニズムによってサポートされます。

ODBC は、Microsoft オペレーティング・システムに限られるものではなく、他のインプリメンテーションをさまざまなプラットフォームで利用できます。

DB2 CLI ロード・ライブラリーは、 ODBC ドライバーとして ODBC ドライバー・マネージャーによってロードできます。 ODBC アプリケーションの開発の際には、 ODBC ソフトウェア開発キットを (Microsoft プラットフォームの場合は Microsoft から、 Microsoft 以外のプラットフォームの場合はその他のベンダーから) 入手してください。 DB2 サーバーに接続可能な ODBC アプリケーションを開発する場合、このマニュアル (DB2 特定の拡張に関する情報および診断情報) と、 ODBC 3.0 Programmer's Reference and SDK Guide を併せてご使用ください。

DB2 CLI に対して直接記述されたアプリケーションは、DB2 CLI ロード・ライブラリーに直接リンクします。 DB2 CLI では、DB2 特定の関数はもとより、複数の ODBC および ISO SQL/CLI 関数のサポートが含まれています。サポートされる関数のリストについては、DB2 CLI 関数の要約を参照してください。

DB2 CLI と ODBC との関連の詳細については、付録 C, DB2 CLI と ODBC を参照してください。

次の DB2 機能は、ODBC と DB2 CLI の両方のアプリケーションで利用可能です。

また DB2 CLI には、 ODBC アプリケーションによってアクセスできない DB2 機能にアクセスするための次の拡張が含まれています。


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