インストールおよび構成 補足

DB2 シン・クライアントまたは DB2 シン・コネクト環境のインストールの実行

シンのインストールを実行することは非常に簡単なプロセスです。 このタイプの環境をセットアップするには、 以下のステップを実行します。

ステップ 1. コード・サーバーの構成要素を使用した DB2 アドミニストレーション・クライアントまたは DB2 コネクト パーソナル・エディションのインストール

DB2 アドミニストレーション・クライアントまたは DB2 コネクト パーソナル・エディションは、 シン・クライアントまたはシン・コネクト・ターゲット・ワークステーションのためにコード・サーバーとして機能するワークステーションにインストールする必要があります。 DB2 シン・クライアントは、 DB2 シン・クライアント・コード・サーバーからでないとコードをロードできません。 また、DB2 シン・コネクト・ワークステーションは、 DB2 シン・コネクト・コード・サーバーからでないとコードをロードできません。
注:DB2 クライアントをインストールするときは、 カスタム・インストールを実行してください。 インストールしたい構成要素は、 「構成要素の選択 (Select Components)」ウィンドウから選択できます。 シン・クライアントのセットアップに必要なファイルをインストールするためには、 「シン・クライアント・コード・サーバー (Thin Client Code Server)」を選択しなければなりません。

DB2 アドミニストレーション・クライアントのインストールについては、 DB2 クライアントのインストールを参照してください。 DB2 コネクト パーソナル・エディションのインストールについては、 概説およびインストール を参照してください。

ステップ 2. コード・サーバーでのプラットフォーム共通セットアップのサポート (任意選択)

このステップでは、 Windows NT および Windows 2000 コード・サーバー (このセクションでは Windows コード・サーバーと呼びます) をセットアップして、 Windows 9x シン・クライアント・ワークステーションにサービスを提供する方法について説明します。

簡略操作

環境内で Windows NT、Windows 2000、 および Windows 9x シン・ワークステーションが混合するのをサポートしない場合は、 このステップを省略できます。

コード・サーバーが提供できるのは、 同じオペレーティング・システムのファミリーに属するシン・ワークステーションのコードだけです。 つまり、Windows NT または Windows 2000 コード・サーバーは Windows 9x ベースのシン・ワークステーションをサポートできませんし、 Windows 9x コード・サーバーは Windows NT または Windows 2000 ベースのシン・ワークステーションをサポートできません。

構成が異なる複数の Windows 32 ビット・オペレーティング・システムを社内に展開する場合は、 Windows NT または Windows 2000 ベースのシン・ワークステーションと、 Windows 9x ベースのシン・ワークステーションの両方がサポートされるコード・サーバーをセットアップする必要があります。 そのためには、以下のステップを実行します。
注:この後に紹介する例では、 Windows NT ベースのコード・サーバーを構成して Windows 9x シン・ワークステーションにサービスを提供するという前提で話を進めます。

Windows 9x マシン上のシン・ワークステーションが Windows コード・サーバーを利用できるようにするには、 以下のステップを実行します。

  1. md d:\sqllib9x コマンド (d: はローカルのハード・ディスク) を入力して、 Windows 9x シン・ワークステーションにサービスを提供するために利用するディレクトリーを、 Windows NT または Windows 2000 コード・サーバー上に作成します。
  2. 次のようなコマンドを入力して、 作成したディレクトリーにコード・サーバー上の DB2 製品ディレクトリー (たとえば、 c:\sqllib) をコピーします。
       xcopy c:\sqllib\*.* d:\sqllib9x /s /e
    

    ここで、

  3. プラットフォーム共通コード・サーバー用に作成したディレクトリーにフォーカスを変更します。 たとえば、cd d:\sqllib9x コマンドを入力します。 このディレクトリーは、 Windows 9x で実行されているシン・ワークステーションにサービスを提供するために使用されます。
  4. d:\sqllib9x\bin\db2thn9x.bat target_platform コマンドを入力して、 このマシンがプラットフォーム共通シン・ワークステーションにサービスを提供できるようにします。

    ここで、

これで、コード・サーバーには 2 つのコード・ベースが用意されました。 シン・ワークステーションを Windows NT または Windows 2000 マシンに作成する場合、 残りのステップでは Windows NT または Windows 2000 コード・ベース (たとえば、 c:\sqllib) を使用します。 シン・ワークステーションを Windows 9x マシンに作成する場合で、 Windows NT または Windows 2000 コード・サーバーから提供されたコードがあるときは、 残りのステップでは Windows 9x コード・ベース (たとえば、 d:\sqllib9x) を使用します。
注:Windows NT コード・サーバーのものであるコードを実行している Windows 2000 シン・クライアント・ワークステーションにログオンする場合、 Windows 9x ワークステーションにログオンするユーザー・アカウントが、 Windows NT または Windows 2000 コード・サーバーでローカル定義されていることを確認する必要があります。

ステップ 3. DB2 クライアントまたは DB2 コネクト パーソナル・エディションがインストールされている場所でのコード・サーバー・ディレクトリーの共有

シン・ワークステーションが必要なコードをコード・サーバーからロードできるようにするためには、 各ターゲット・シン・ワークステーションが、 DB2 クライアントまたは DB2 コネクト パーソナル・エディションのコードがインストールされているディレクトリーを読み取れなければなりません。 すべてのシン・ワークステーションが読み取りモードでコード・ディレクトリーを使用できるようにするには、 以下のステップを実行します。

  1. 「スタート」をクリックし、 「プログラム --> Windows エクスプローラ」を選択します。
  2. DB2 製品をインストールしたディレクトリーを選択します。 Windows NT または Windows 2000 で実行されているシン・ワークステーションの場合は、 c:\sqllib ディレクトリーを使用します。 Windows 9x で実行されているシン・ワークステーションをセットアップする場合は、 d:\sqllib9x ディレクトリーも共用できるようにする必要があります。
  3. メニュー・バーから「ファイル --> プロパティ」を選択します。
  4. 「共用 (Sharing)」タブをクリックします。
  5. 「名前を付けて共用 (Shared As)」ラジオ・ボタンを選択します。
  6. 「共用名 (Share Name)」フィールドに、共用名を入力します。 たとえば、NTCODESERVER と入力します。
  7. すべてのターゲット・シン・ワークステーションにおいて、 すべてのユーザーがこのディレクトリーへ READ アクセス (読み取りアクセス)できるようにする必要があります。 Windows NT または Windows 2000 ベースのコード・サーバーをセットアップする場合、 すべてのユーザーが READ アクセスを得られるようにするためには、次のようにします。
    1. 「認可 (Permissions)」ボタンをクリックします。 「共用許可によるアクセス (Access Through Share Permissions)」ウィンドウがオープンします。
    2. 「名前 (Name)」ボックスで、 「全ユーザー (Everyone)」を選択します。
    3. 「アクセスのタイプ (Type of Access)」ドロップダウン・ボックスをクリックし、 「読み取り (Read)」を選択します。
    4. 「OK」を何回かクリックして、 すべてのウィンドウをクローズします。

    注:Windows 9x ベースのコード・サーバーをセットアップする場合は、 共用をセットアップするときにこのタイプのアクセスを指定する必要はありません。 デフォルトでは、全員に読み取りアクセスが許可されています。

ステップ 4. ターゲット・シン・ワークステーション用の応答ファイルの作成

コード・サーバーのインストール時には、対話式のインストールを実行しました。 今回のインストールでは、 セットアップ・プログラムから出されるプロンプトに手動で応答しなければ、 製品をインストールできません。 この応答によって、DB2 製品のインストールや環境の構成に必要な情報が提供されます。 分散インストールでは、 キーワードと値という形式で応答ファイルにこの情報を入力します。 そのため、 分散インストールのことを自動インストールまたは無音インストールと呼ぶ場合があります。 分散インストールの詳しい説明、 およびこのインストールをターゲット・シン・ワークステーションの場合に実行する方法については、 分散インストールの概要を参照してください。

DB2 シン・クライアントまたは DB2 シン・コネクトのインストールの場合、 db2thin.rsp というすぐに使える応答ファイルがあります。 このファイルは、どちらのシン・ワークステーションのインストールにも使えます。 ほとんどのインストール・タイプのデフォルト設定が、 このファイルには提供されています。 この応答ファイルは、 c:\sqllib\thnsetup ディレクトリーにあります。 ここで、c: は DB2 製品のインストール先ドライブです。

応答ファイルには、以下のものが含まれています。

応答ファイルにおいて、アスタリスク (*) はコメントのような役割を果たします。 先頭にアスタリスクが置かれた行は、インストール時には無視されます。 キーワードを指定しなかった場合や、コメント化された場合は、 デフォルト値が使用されます。 パラメーターを使用可能にするには、アスタリスクを取り除きます。

たとえば、ODBC のサポートをインストールするとしましょう。 このキーワードの応答ファイルでのデフォルト入力は、次のとおりです。

   *COMP		=ODBC_SUPPORT

この構成要素をインストールするには、 次のようにこの行からアスタリスクを取り除かなければなりません。

   COMP		=ODBC_SUPPORT

キーワードによっては、値を設定することが必要なものもあります。 そのようなキーワードを使用可能にするには、同じようにアスタリスクを取り除きますが、 等号の右側にある内容をそのパラメーターに適用した値に置き換えることも必要です。

たとえば、次のようなキーワードがあるとしましょう。

   *DB2.DIAGLEVEL	= 0 - 4

このキーワードのパラメーターを 4 に変更したい場合は、次のようにします。

   DB2.DIAGLEVEL	= 4

以下に、db2thin.rsp サンプル応答ファイルのセクションを示します。

   * Required Global DB2 Registry Variable
   * -------------------------------------
	DB2INSTPROF                   = C:\CFG
   * General Options
   * ---------------
   *TYPE                          = 0,1,2  (0=compact, 1=typical, 2=custom)
   *COMP                          = ODBC_SUPPORT
   *COMP                          = CONTROL_CENTER
   *COMP                          = EVENT_ANALYZER
   *COMP                          = WEB_ADMINISTRATION
   *COMP                          = QUERYMONITOR
   *COMP                          = TRACKER
   *COMP                          = QUERYADMIN
   *COMP                          = CLIENT_CONFIGURATION_ASSISTANT
   *COMP                          = COMMAND_CENTER
   *COMP                          = DOCUMENTATION
   *CREATE_ICONS                  = YES or NO (default=YES)
   *REBOOT                        = YES or NO

これらのパラメーターの詳しい説明については、 使用可能なサンプル応答ファイルを参照してください。

たとえば、次のように設定できます。

   DB2INSTPROF                   = C:\CFG
 	   TYPE                          = 1
   REBOOT							     = YES

このファイルの編集が完了したら、 別名保管してサンプルの保全性を維持できるようにします。 このファイルに test.rsp という名前を付け、 直前のステップで共用したのと同じディレクトリー (c:\sqllib) に保管します。

ステップ 5. コード・サーバーからターゲット・シン・ワークステーションへのアクセス可能化

コード・サーバーがアクセス可能にならないと、 ターゲット・ワークステーションをシン・ワークステーションとしてセットアップすることはできません。 ネットワーク・ドライブが thnsetup ディレクトリー (コード・サーバー上に作成した共用ディレクトリーの下にある) にアクセスするように割り当てることもできます。

  1. 「スタート」をクリックし、 「プログラム」-->「Windows エクスプローラ」を選択します。
  2. 「ツール」メニューから、 「ネットワーク ドライブの割り当て」を選択します。
  3. 「ドライブ」ドロップダウン・リストで、 コード・サーバーのアクセス先として割り当てたいドライブを選択します。
  4. 「パス」に、共用の場所を次の形式で入力します。
         \\computer_name\share_name
    

    ここで、

    computer_name
    コード・サーバーのコンピューター名を表します。

    share_name
    コード・サーバー上の共用ディレクトリーの共用名を表します。 このセクションの例では、NTCODESERVER でした。
  5. 「ログオン時に再接続」ボックスをチェックして、 共用を永続的なものとします。

Windows NT または Windows 2000 を実行している場合は、 「入力」フィールドにコネクトのユーザー情報を指定することもできます。 その場合の形式は、次のとおりです。

     domain\username

ここで、

domain
ユーザー・アカウントが定義されているドメインを表します。 このパラメーターは、アカウントがドメイン・アカウントで、 かつリモート・コード・サーバーに対する READ アクセスを所持しているユーザー・アカウントによってシステムにログオンしなかった場合にのみ必須です。

username
このマシンにアクセスできるユーザーを表します。 このパラメーターは、リモート・コード・サーバーに対する READ アクセスを所持しているユーザー・アカウントによってシステムにログオンしていない場合や、 domain パラメーターを指定した場合にのみ必須です。

注:Windows 9x ワークステーションでは、 コード・サーバーへの共用ディレクトリー・アクセスを所持している有効なユーザーとして、 ワークステーションにログオンしなければなりません。

DB2 (Windows NT または Windows 2000 版) コード・サーバーが Windows 9x シン・ワークステーションにサービスを提供できるように計画している場合は、 必ず、その目的で作成したディレクトリーの共用名を入力してください。

ステップ 6. ターゲット・シン・ワークステーションの作成

このステップを完了するためには、 thnsetup コマンドを実行する必要があります。 このコマンドを実行すると DB2 シン・クライアントまたは DB2 シン・コネクト・ワークステーションがセットアップされ、 コード・サーバーへの必要なリンクが確立されます。 thnsetup コマンドは、 以下のパラメーターと一緒に入力できます。


thnsetup コマンドの構文は次のとおりです。
ここで、

/P
DB2 コードをコード・サーバー上にインストールしたパスを指定します。 直前のステップで付け加えたパスを使用して、このパラメーターを指定してください。 これが Windows NT または Windows 2000 コード・サーバーであり、 ターゲット・ワークステーションが Windows 9x で実行されている場合は、 Windows 9x 用にセットアップしたディレクトリーを指定する必要があることに注意してください。 このパラメーターは必須です。
注:ステップ 5. コード・サーバーからターゲット・シン・ワークステーションへのアクセス可能化で説明されている手順に従って、 永続ネットワーク・ドライブをまだコード・サーバーに割り当てていない場合は、 このパラメーターをドライブ文字にする必要があります。 このドライブ文字が、その後ネットワーク・ドライブを表すために使用されます。

/U
完全修飾応答ファイル名を指定します。 このパラメーターは必須です。 このセクションの例では、 test.rsp という名前でリモート・コード・サーバーに保管した応答ファイルを使用しています。

/L
完全修飾ログ・ファイル名を指定します。 このファイルには、設定情報および設定中に生じたエラーが記録されます。 ログ・ファイル名を指定しないと、 デフォルトの db2.log というファイル名が使用されます。 このファイルは、 オペレーティング・システムがインストールされているドライブの db2log というディレクトリーで作成されます。 このパラメーターは任意選択です。

/M
コード・サーバーのコンピューター名を表します。 このパラメーターを指定する必要があるのは、 ステップ 5. コード・サーバーからターゲット・シン・ワークステーションへのアクセス可能化で永続ネットワーク・ドライブを割り当てなかった場合だけです。

/S
DB2 製品がインストールされているコード・サーバーの共用名を指定します。 このパラメーターを指定する必要があるのは、 ステップ 5. コード・サーバーからターゲット・シン・ワークステーションへのアクセス可能化で永続ネットワーク・ドライブを割り当てなかった場合だけです。

たとえば、シン・ワークステーションを作成し、 その中では myserver という名前のコード・サーバー上にある共用 NTCODESERVER ディレクトリーをローカルの x: ドライブへ割り当てるとともに、 名前が test.rsp で、 コード・サーバーと同じディレクトリー内に存在する応答ファイルを作成するには、 次のコマンドを入力します。

   x:\thnsetup\thnsetup /P x:\ /U x:\thnsetup\test.rsp

thnsetup コマンドが完了したら、 ログ・ファイルのメッセージをチェックします。 シン・ワークステーションのセットアップが完了したら、 いったんマシンをリブートするよう設定されているため、 マシンがリブートされなかった場合はエラーになります。


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