どのようなシナリオの場合でもそうであるように、 シン・ワークステーションにも利点と欠点があります。 この点を十分に考慮して、 このタイプの構成がニーズに合っているかどうかを判断する必要があります。 しかし、たいていの場合は、 DB2 クライアントや DB2 コネクト パーソナル・エディションをサポートするこのメソッドが、 ほとんどのビジネス・モデルに非常に適していることにお気付きになるでしょう。
シン環境の利点には、以下のようなものがあります。
シン・クライアントをインストールした場合の欠点は、 システム・パフォーマンスが低下する可能性があることです。 それは、プログラムの呼び出し時に、 DB2 プログラムがクライアント・マシンからではなく、 コード・サーバーからロードされるためです。 ただし、低下は、ネットワーク負荷、ネットワーク速度、 およびコード・サーバーの速度と負荷によって異なります。
このコードがシン・ワークステーションによってロードされると、 シン・ワークステーションが存在しているという事実はユーザーには分からなくなります。 シン・ワークステーションは必要に応じてライブラリーを動的にロードしなければならないため、 別の DB2 アプリケーションを開始した場合には、 その新しいアプリケーションをロードしているときに、 多少パフォーマンスが低下することがあります。
たとえば、データベースに接続するときには、 コードがローカルにインストールされているクライアントと比較すると、 短時間ではありますがパフォーマンスが低下します。 このコードのロードが完了すれば、 パフォーマンスはローカルにインストールされたクライアントと同じレベルに戻ります。 データベースへの接続後にクライアント構成アシスタント (CCA) を開始することにした場合は、 この接続ツールに関連したコードをコード・サーバーからロードするときにパフォーマンスが低下します。 実際には、CCA や他の構成要素はそれほど頻繁にロードするものではないため、 ランタイム環境を主に使用することになります。
考えられる他の欠点はカタログ・ファイルを保管する場所です。 カタログ・ファイルには、 ワークステーションがデータベースへ接続するために必要な情報がすべて含まれています。 ご使用の環境内で Lightweight Directory Access ProtocoL (LDAP) を使用するのでない限り、 カタログ情報は通常のインストールと同じようにワークステーション単位で保守しなければなりません。
LDAP を使用しない場合は、この問題を解決する方法がいくつかあります。 CCA に付属しているプロファイルのエクスポート / インポート・オプションを使用すれば、 カタログ・データベースをすべてのシン・ワークステーションに配置しなくても済みます。 たとえば、電子メール・メッセージを各ワークステーションに送信して、 各マシンを正しいカタログ情報によって更新するようにすれば簡単です。