概説およびインストール (UNIX 版)

手動による DB2 (AIX 版) のインストール

DB2 (AIX 版) をインストールするには、 db2setup ユーティリティーを使用することをお勧めします。このユーティリティーを使用しない場合は、 AIX のシステム・マネージメント・インターフェース・ツール (SMIT) を使って手動で DB2 をインストールできます。

SMIT を使用すれば、ソフトウェア・バンドルをインストールしたり、 DB2 製品およびファイル・セットのサブセットをインストールすることができます。ソフトウェア・バンドル機能を使って DB2 をインストールする方が、個々のファイル・セットをインストールするよりも簡単です。これは、1 つのバンドルを選択すれば、長大なリストから必要なファイル・セットをすべて選択する必要がなくなるためです。

SMIT のソフトウェア・バンドル機能を使って DB2 をインストールするには、次のようにします。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。
  3. smit コマンドを入力します。
  4. 「ソフトウェアのインストールおよび保守 (Software Installation and Maintenance)」--> 「ソフトウェアのインストールと更新 (Install and Update Software)」-->「ソフトウェア・バンドルのインストール (簡易インストール) (Install Software Bundle (Easy Install))」を選択します。
  5. インストール・メディアの入力装置またはディレクトリーを指定するか、「リスト (List)」をクリックしてすべての入力装置またはディレクトリーを表示します。
  6. マウントした CD-ROM ドライブを選択し、Enter を押します。
  7. インストールしたいバンドルを選択し、Enter を押します。「ソフトウェア・バンドルのインストール (Install Software Bundle)」ウィンドウが開きます。
  8. バンドル・インストール・パラメーターを確認します。特に、「ソフトウェアの更新のコミット (COMMIT software updates)」および「必要なソフトウェアの自動インストール (AUTOMATICALLY install requisite software)」が、 yes に設定されていることを確認してください。再び「OK」をクリックして、インストールを開始します。
  9. このシステムに DB2 Media-Defined ソフトウェア・バンドルをインストールしていない場合は、以下の手順にしたがってこれをインストールします。
    1. インストールするバンドル (Bundle to Install)」メニューで「Media-Defined」オプションを選択し、 Enter を押します。
    2. インストールするバンドルの内容 (Install Bundle Contents)」メニューで Enter を押して、インストールを続けます。インストールの状況を示すメッセージが表示されることがあります。 Enter を押して続行してください。
    3. F3 を押すと、「インストールするバンドルの内容 (Install Bundle Contents)」メニューに戻ります。
    4. F4 を押すと、ソフトウェア・バンドルのリストを再表示します。インストールしたいバンドルを選択し、 Enter を押してインストール・プロセスを開始します。 DB2 が /usr/lpp/db2_07_01/ にインストールされます。

他のマシンにソフトウェア・バンドルをインストールする場合は、このセクションのステップを繰り返してください。
注:ソフトウェア・バンドル機能を使って DB2 をインストールする場合、 DB2 製品ライブラリー (HTML) ファイル・セットは自動的にインストールされません。また、英語以外の DB2 製品メッセージもインストールされません。以下の方法で、これらのファイル・セットを別々にインストールする必要があります。

SMIT を使って DB2 製品またはファイル・セットのサブセットをインストールするには、次のようにします。

  1. root 権限のあるユーザーとしてログインします。
  2. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。
  3. smit install_latest コマンドを入力します。
  4. DB2 の INPUT device/directory を指定して、 Enter を押します。

    たとえば、 CD-ROM マウント・ディレクトリーが /cdrom であれば、 INPUT 装置として /cdrom/db2 と入力します。

  5. F4 を押すと、インストールするソフトウェアのリストを表示します。
  6. F7 を押すと、 1 つまたは複数のファイル・セットをインストールするようマークを付けます。英語以外の DB2 製品ライブラリー (HTML) ファイル・セットをインストールする場合には、英語の DB2 製品ライブラリー (HTML) ファイル・セットも自動的にインストールされます。
  7. Enter を押して、選択したファイル・セットをインストールします。 DB2 が /usr/lpp/db2_07_01/ にインストールされます。
  8. コマンドが「OK」を表示したら、 F10 を押して終了します。

他のマシンに DB2 製品またはファイル・セットのサブセットをインストールする場合は、このセクションのステップを繰り返してください。

DB2 製品ライブラリー (HTML) ファイル・セットをインストールした場合、 /usr/lpp/db2_07_01/doc/db2insthtml locale コマンドを実行して、 HTML 形式の文書を tar ファイル解凍する必要があります (locale はインストールしたファイル・セットの言語識別子)。英語以外の DB2 製品ライブラリー・ファイル・セットをインストールした場合、まず英語ファイル・セットに対してこのコマンドを実行し、その後、インストールした英語以外のすべてのファイル・セット・ロケールに対してこのコマンドを再実行します。

ディスク容量を回復するには、圧縮 tar ファイルおよび製品ライブラリー・ファイル・セットをインストール後に除去することもできますが、 tar ファイルまたはファイル・セットが除去された後も、 HTML ブックをこれまでどおり表示できます。

DB2 ツールをインストールしなかった場合は、 SAMPLE データベースを作成してこれに接続することによって、インストールを検査できます。詳細については、インストールの検査を参照してください。

DB2 (AIX 版) のインストール後のタスク

手動で DB2 製品をインストールした後、インスタンス所有者、管理サーバー、および分離ユーザー定義関数 (UDF) や分離ストアード・プロシージャーのための 1 つのグループと複数のユーザー ID を作成する必要があります。いったんこれらの ID を設定すれば、インスタンスを作成し、管理サーバーを作成し、ライセンス・キーをインストールして、 DB2 ファイルのリンクを作成できます。
注:db2setup ユーティリティーを使って DB2 をインストールした場合は、これらのタスクを実行する必要はありません。

インスタンス所有者、管理サーバー、 UDF 用のグループおよびユーザー ID の作成

インスタンス所有者、管理サーバー、および UDF やストアード・プロシージャー用のグループとユーザー ID を作成する必要があります。既存のユーザーまたはグループ ID を使用するのであれば、このセクションはスキップして、インスタンスの作成に進んでください。

ユーザー名とグループに関してオペレーティング・システムで定められている規則の他に、 付録 E, 命名規則に説明のある規則にも従わなければなりません。

インスタンス所有者用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 以下のコマンドを入力して、新しいグループを作成します。
    mkgroup id=999 dbadmin1
    

    ここで、 999 はグループ ID を、 dbadmin1 はグループ名を表しています。この新しいグループは、インスタンス用の SYSADM グループです。

  3. 以下のコマンドを入力して、新しいユーザーを作成します。
    mkuser id=1004 pgrp=dbadmin1 groups=dbadmin1 home=/home/db2inst1 db2inst1
     passwd db2inst1
    

    1004 はユーザー ID、 dbadmin1 は前のステップで作成したグループ、 /home/db2inst1 はユーザーのホーム・ディレクトリー、および db2inst1 はユーザー名またインスタンス名です。

ユーザー ID は、作成するインスタンスごとに固有のものを使用しなければなりません。それによって、システム・エラーが発生したとき、より簡単にエラーから回復できます。

管理サーバー用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。管理サーバーとインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用しなければなりません。セキュリティー上の理由から、管理サーバーとインスタンス所有者には異なるグループ ID を使用するようにお勧めします。

UDF 用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。セキュリティー上の理由から、 UDF とインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用するようにお勧めします。 DB2 インスタンスを作成するときに、 UDF ユーザー ID を指定するように指示されます。

インスタンスの作成

DB2 インスタンスは、データを保管したりアプリケーションを実行したりする環境です。インスタンスを作成するには、 db2icrt コマンドを使います。このコマンドを入力するためには、root 権限が必要です。データベース・インスタンスの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

db2icrt コマンドは、以下のパラメーターで実行されます。

   DB2DIR/instance/db2icrt -a AuthType -u FencedID InstName

ここで、

管理サーバーの作成

管理サーバーは、 DB2 データベースへの接続の構成の自動化を行うツールをサポートするサービスを提供します。また、管理サーバーは、コントロール・センターを使用して、自分のサーバー・システムからまたはリモート・クライアントから DB2 を管理するツールもサポートします。管理サーバーの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

管理サーバーを作成するには、DB2DIR/instance/dasicrt ASName コマンドを使用します。



ここで、DB2DIR は /usr/lpp/db2_07_01 (AIX の場合)


/opt/IBMdb2/V7.1 (HP-UX、DYNIX/ptx、SGI IRIX、または Solaris の場合)


/usr/IBMdb2/V7.1 (Linux の場合)

および ASName は、作成する管理サーバーの名前を示します。

ライセンス・キーの更新

権利証 またはライセンス情報 ブックレットを見れば、ユーザーがライセンスを受けている製品が分かります。

DB2 製品のライセンス・キーを更新する場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 以下のコマンドを使用して、 DB2 製品のライセンスを更新します。
       /usr/lpp/db2_07_01/adm/db2licm -a filename
    

    filename はご購入の製品に対応するライセンスの全パス名およびファイル名です。

    DB2 製品のライセンス・キーが /var/ifor/nodelock ファイルに追加されます。

    それらの製品のライセンス・ファイルの名前を以下に示します。

    db2udbee.lic
    DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ・エディション

    db2conee.lic
    DB2 コネクト エンタープライズ・エディション

    db2udbwe.lic
    DB2 ユニバーサル・データベース ワークグループ・エディション

    db2dlm.lic
    DB2 ユニバーサル・データベース データ・リンク・マネージャー

    db2udbeee.lic
    DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディション

    db2udbwm.lic
    DB2 ウェアハウス・マネージャー

    db2relc.lic
    DB2 リレーショナル・コネクト

    たとえば、 CD-ROM のマウント先が /cdrom ディレクトリーで、ライセンス・ファイル名が db2dlm.lic であれば、コマンドを以下のように入力します。

       /usr/lpp/db2_07_01/adm/db2licm -a /cdrom/db2/license/db2dlm.lic
    

DB2 ファイル用のリンクの作成

DB2 ファイルでの /usr/lib ディレクトリーへのリンクと、特定のバージョンおよびリリース・レベルの製品の組み込みファイルの /usr/include ディレクトリーへのリンクを作成することができます。

このようなリンクを作成した方がよいのは、アプリケーションを開発または実行するときに、製品ライブラリーおよび組み込みファイルのフルパスを指定しなくて済むようにしたい場合です。

DB2 ファイル用のリンクを作成するには、 root 権限を持つユーザーとしてログインし、 /usr/lpp/db2_07_01/cfg/db2ln コマンドを実行します。

旧バージョンの DB2 からの /usr/lib および /usr/include ディレクトリーへのリンクが現存する場合、 db2ln コマンドを入力して現バージョンの DB2 用のリンクを作成すると、旧リンクは自動的に除去されます。旧バージョンのライブラリーへのリンクを再確立したい場合、旧バージョンから db2rmln コマンドを実行してから、旧バージョンの DB2 から db2ln コマンドを実行しなければなりません。リンクは、1 つのシステムにつき 1 つのバージョンの DB2 に対してしか確立できません。

次のステップ

手動で DB2 をインストールした後は、インスタンスと管理サーバーを構成してインバウンド・クライアント・アプリケーションを受け入れるようにしなければなりません。詳細については、サーバー通信のセットアップを参照してください。

DB2 の旧バージョンから移行する場合は、DB2 インストール後の移行作業も参照してください。


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]