DB2 クエリー・パトローラー インストールの手引き

インストールの実行

ここでは、DB2 クエリー・パトローラー・サーバーを UNIX ベースのワークステーションにインストールするために必要なあらゆる情報を提供します。この項で説明する手順を実行する前に、 始める前にの情報を確認してください。

ヒント

db2setup ユーティリティーの実行中に、画面表示に関する問題が発生することがあります。その種の問題が起きた場合は、 CTRL+L または F5 を押して、現行画面を最新表示してください。

画面表示に関する問題をなるべく回避するために、仮想コンソール・セッションで DB2 製品をインストールすることをお勧めします。仮想コンソール・セッションとは、標準的なグラフィカル・インターフェースの外部にある端末ウィンドウであり、 UNIX ベースのワークステーションではインストールされている場合が少なくありません。

DB2 クエリー・パトローラー・サーバーをインストールするための手順は次のとおりです。

ステップ 1.

root 権限を持ったユーザーとしてワークステーションにログオンします。

ステップ 2.

製品の CD-ROM を差し込んでマウントします。オペレーティング・システムに CD-ROM ドライブをマウントする方法がよく分からない場合は、 DB2 サーバーの概説およびインストール にある付録『基本タスクの知識』を参照してください。

ステップ 3.

CD-ROM がマウントされているディレクトリーに移動します。次のコマンドを入力してください。

   cd cdrom

なお、cdrom は、CD-ROM ドライブのマウント・ポイントです。

ステップ 4.

./db2setup コマンドを入力します。 DB2 セットアップ・ユーティリティーが起動します。



ヒント

インストール中に発生したエラーを記録するためのトレース・ログ /tmp/db2setup.trc を生成できます。このログ・ファイルを生成するには、次のようにして db2setup コマンドを入力してください。
   db2setup -d

ステップ 5.

「インストール (Install)」を選択し、 Enter を押します。「DB2 V7 のインストール (Install DB2 V7)」ウィンドウがオープンします。

ステップ 6.

製品リストから、「DB2 クエリー・パトローラー・サーバー (DB2 Query Patroller Server)」 を選択します。

Tab を押して、強調表示されているオプションとフィールドの間を移動しながら、 Enter を押して、オプションを選択したり選択解除したりします。画面や各オプションの詳細を知りたい場合は、 「ヘルプ (Help)」を選択してください。

インストールの内容をカスタマイズするには、項目の右側にある「カスタマイズ (Customize)」 オプションを選択してください。

ステップ 7.

db2setup ユーティリティーで表示される残りのウィンドウのフィールドを完全に記入します。

インストールが終了すると、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバー・ソフトウェアが、サーバー上の DB2 ソフトウェアと同じ位置にインストールされているはずです。すべての DB2 ソフトウェアのインストール・パスは、オペレーティング・システムによって、次のようになります。

          /usr/lpp/db2_07_01  (AIX)
          /opt/IBMdb2/V7.1    (HP-UX、NUMA-Q/(DYNIX/ptx), Solaris)

移行のためのインストール後作業



高速経路

以前にインストールした DB2 クエリー・パトローラーから移行するのでない 場合は、インストール後作業を実行する必要はありません。 インストールの検証を参照してください。

以前にインストールした DB2 クエリー・パトローラーから移行する場合は、インストールを完了するためにいくつかの作業を実行しなければなりません。

まず、すべてのインスタンスとデータベースがバージョン 7 の形式に変換されていることを確認する必要があります。移行手順を実行する前に DB2 サーバーと DB2 クエリー・パトローラーの両方をインストールした場合は、 概説およびインストール を参照して、 DB2 製品の移行のための手順を確認してから、下記の dqpsetup コマンドを実行してください。

DB2 クエリー・パトローラーのインストール前に DB2 サーバーのインストールと移行を済ませた場合は、 DB2 クエリー・パトローラーで使用する各インスタンスに対して、 db2iupdt コマンドを実行する必要があります。このコマンドを実行するには、サーバー上で root 権限が必要です。このコマンドの詳細については、 コマンド解説書 を参照してください。

DB2 製品の移行が完了したら、 dqpsetup コマンドを実行して、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバー用のパラメーターを設定します。このコマンドを実行するには、 必ず DB2 クエリー・パトローラー・インスタンスの所有者として、システムにログオンしなければなりません。インストール中に別のユーザーを指定していない限り、 iwm ユーザーになっているはずです。

ヒント

以前のリリースの DB2 クエリー・パトローラーから移行する場合に、移行前の設定をそのまま使用するには、パラメーターなしで dqpsetup コマンドを入力します。

dqpsetup コマンドの構文は以下のとおりです。

>>-dqpsetup----+-----------------------+-----------------------><
               +-| setup parameters |--+
               '--h--------------------'
 
setup parameters
 
|----d--database_name-----g--nodegroup_group-------------------->
 
>------n--node_number-----t--tablespace_name-------------------->
 
>------l--tablespace_path----+---------------+------------------>
                             '--s--size_DMS--'
 
>------r--result_tablespace_name----+-----+---instance_name-----|
                                    '--o--'
 

説明:

-d database_name
データベースの名前。このデータベースで実行される照会が、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバー上でトラップやモニタリングの対象となります。このパラメーターは必須です。

-g nodegroup_name
ノードグループの名前。このノードグループに、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーのメタデータ表スペースが入ります。 DB2 エンタープライズ拡張エディションを使用している場合、このパラメーターは必須です。 DB2 エンタープライズ・エディションの場合、このパラメーターは無視されます。

-n node_number
区分データベース・サーバーのノード番号。この区分データベース・サーバー上で、 -g フラグで指定したノードグループが定義されます。 DB2 エンタープライズ拡張エディションを使用している場合、このパラメーターは必須です。 DB2 エンタープライズ・エディションの場合、このパラメーターは無視されます。

-t tablespace_name
DB2 クエリー・パトローラーのメタデータ表スペースの名前。 db2setup ユーティリティーが作成するデフォルトの表スペースは、 SMS 表スペースです。この表スペースが存在しない場合は、 dqpsetup によってその表スペースが作成されます。 DB2 エンタープライズ拡張エディションの環境では、この表スペースを単一区分ノードグループに入れる必要があります。 SMS 表スペースと DMS 表スペースの違いについては、 管理の手引き を参照してください。このパラメーターは必須です。

-l tablespace_path
-t フラグで定義した表スペースの絶対パスまたは相対パス。絶対ディレクトリーを指定するには、先頭に / を付けてください。たとえば、/SMSA のようにします。インスタンス所有者のホーム・ディレクトリーからの相対ディレクトリーを指定する場合は、ディレクトリー名をそのまま入力します。たとえば、SMSA のようにします。このパラメーターは必須です。

-s size_DMS
DMS 表スペースのサイズ。 -t フラグで定義した表スペースが SMS 表スペースでは ない 場合に限り、このパラメーターは必須です。 SMS 表スペースと DMS 表スペースの違いについては、 管理の手引き を参照してください。

-r result_tablespace
DB2 クエリー・パトローラーの結果表スペースの名前。 db2setup ユーティリティーが作成するデフォルトの結果表スペースは、 SMS 表スペースです。この表スペースが存在しない場合は、 dqpsetup によってその表スペースが作成されます。 DB2 エンタープライズ拡張エディションの環境では、この表スペースを単一区分ノードグループまたは複数区分ノードグループのいずれに入れても構いません。 SMS 表スペースと DMS 表スペースの違いについては、 管理の手引き を参照してください。このパラメーターは必須です。

-o
既存の DB2 クエリー・パトローラーのスキーマ・オブジェクトを上書きします。このパラメーターは任意指定です。

instance_name
インスタンスの名前。このインスタンスに、照会を実行するデータベースが入ります。

-h
このコマンドの詳細なヘルプを表示します。

たとえば、DB2 エンタープライズ・エディションを実行する DB2 クエリー・パトローラー・サーバーを設定する場合、照会を実行するデータベースの名前が SAMPLE、そのデータベースを入れるインスタンスの名前が db2inst1、表スペースの名前が SMSA、その表スペースのディレクトリーが /SMSA、結果表スペースの名前が RESULTS だとすると、次のようなコマンドを入力することになります。

   dpqsetup -d SAMPLE -t SMSA -r RESULTS -l /SMSA db2inst1

インストールの検証

DB2 クエリー・パトローラー・サーバーのインストールが済んだら、インストールの検証を行います。そのためには、 DB2 クエリー・パトローラーによってモニタリングするように設定したデータベースに照会を発行して、そのステータスをチェックします。

DB2 クエリー・パトローラーのインストールを検証するための手順は次のとおりです。

ステップ 1.

インストールの前または最中に作成した iwm ユーザーとして、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーにログオンします。

ステップ 2.

DB2 クエリー・パトローラーのサービスを開始します。そのためには、dqpstart コマンドを入力します。以下のような出力が表示されるはずです。

   DB29997I "DB2 Query Patroller" started successfully.

ステップ 3.

DB2 クエリー・パトローラー・サーバーで取り込む照会を発行します。そのためには、以下のコマンドを入力します。

   iwm_submit -S "select count(*) from sysibm.systables"

以下のような出力が表示されるはずです。

   DB2 Query Patroller Version "7.1" (c) Copyright International Business Machines
   Corp. 1998, 2000. All rights reserved.
   DB2-09973-I Job "1" queued. (Cost = "1").

これで、その照会が DB2 クエリー・パトローラー・サーバーに渡されたことが確認できます。ジョブの処理のために数分待ってください。

ステップ 4.

発行した照会のステータスをチェックします。そのためには、以下のコマンドを入力します。

   iwm_cmd

ジョブが正常に完了していたら、以下のような出力が表示されるはずです。

   DB2 Query Patroller Version "7.1" (c) Copyright International Business Machines
   Corp. 1998, 2000. All rights reserved.
   
   Job      Status (user "iwm")
   ---      ----------------------------------------------------------------------
   
   1        Done at "2000-02-07 15:16:03.015001" : "1" rows in "iwm.JOB0000001_RES

ジョブの処理がまだ続いている場合は、次のような出力になります。

DB2 Query Patroller Version "7.1" (c) Copyright International Business Machines
   Corp. 1998, 2000. All rights reserved.
   
   Job      Status (user "iwm")
   ---      ------------------------
   
   1        Queued: Priority is "500"

ステップ 5.

DB2 クエリー・パトローラーのサービスを停止します。そのためには、 dqpstop コマンドを入力します。以下の出力が表示されるはずです。

   DB29998I "DB2 Query Patroller" stopped successfully.

DB2 クエリー・パトローラーが開始しなかったり、照会が実行されなかったりした場合は、 syserr.log ファイルを調べてください。このファイルは、 INSTHOME/sqllib/instance_name/log ディレクトリーにあります。

syserr.log ファイルには、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーでの照会の失敗や操作の失敗に関するエラー・メッセージが入っている可能性があります。詳細については、 DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き または問題判別の手引き を参照してください。

これで、DB2 クエリー・パトローラー・サーバーで必要なインストール手順と検証手順が終了しました。 DB2 クエリー・パトローラーのインストール後に、作成したデータベースの照会を管理する方法については、 DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き を参照してください。

DB2 クエリー・パトローラー・エージェントのインストール

DB2 エンタープライズ拡張エディションの環境で DB2 クエリー・パトローラー・サーバーをインストールした場合は、必要に応じて、インスタンス内のすべてのデータベース区画サーバーに DB2 クエリー・パトローラー・エージェントをインストールできます。複数のエージェントをインストールしておけば、区分データベース・システムで作業負荷のバランスを保つのが容易になります。これはちょうど、クライアント接続のために複数の調整データベース区画を設定した場合に、作業負荷のバランスが保たれるのと同じです。

DB2 エンタープライズ・エディションの環境で DB2 クエリー・パトローラー・サーバーをインストールした場合は、 DB2 クエリー・パトローラー・エージェントのインストールは不要です。

DB2 クエリー・パトローラー・エージェントをインストールには、データベース区画サーバーにログオンして、 インストールの実行の場合と同じように、 db2setup ユーティリティーを実行します。ただし、今回は、 「DB2 クエリー・パトローラー・サーバー (DB2 Query Patroller Server)」 ソフトウェアではなく、 「DB2 クエリー・パトローラー・エージェント (DB2 Query Patroller Agent)」 ソフトウェアを選択します。 DB2 エンタープライズ拡張エディションの環境では、各インスタンスにそれぞれ 1 つの DB2 クエリー・パトローラー・サーバーしかインストールできません。

データベース区画サーバーに DB2 クエリー・パトローラー・エージェントをインストールする場合、サーバーの起動時にエージェントが開始されるようにするには、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの dqpnodes.cfg ファイルに 1 つの項目を追加しなければなりません。この項目では、 DB2 クエリー・パトローラー・エージェントをインストールしたサーバーを記述します。エージェントを開始しなくてもよいデータベース区画サーバーについては、そのファイルに項目を追加する必要はありません。 dpqstart コマンドと dpqstop コマンドの実行時には、 dqpnodes.cfg ファイルが読み込まれて、そこに記述されているデータベース区画サーバーの開始 / 停止プロセスとの同期が取られることになります。詳細については、 DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き を参照してください。

DB2 クエリー・パトローラー・クライアントのインストール

UNIX 環境において、それぞれのユーザーが照会をトラップしたり、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーに照会を送付したり、あるいは DB2 クエリー・パトローラー・サーバーを管理したりすることができるように設定するには、 DB2 クライアント・ワークステーションに DB2 クエリー・パトローラー・クライアントをインストールする必要があります。

DB2 クエリー・パトローラー・クライアントをインストールするには、 DB2 クライアント・ワークステーションにログオンして、 インストールの実行の場合と同じように、 db2setup ユーティリティーを実行します。ただし、今回は、 「DB2 クエリー・パトローラー・クライアント (DB2 Query Patroller Client)」ソフトウェアを選択します。


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