ここでは、標準的な DB2 クエリー・パトローラー環境の概要を示します。
DB2 クエリー・パトローラー環境は、3 つのコンポーネントで構成されます。
![]() | DB2 クエリー・パトローラーのすべてのツールは Java で作成されているため、これらのツールを使用するには、
Java Run-Time Environment (JRE) をインストールして構成する必要があります。
Windows NT と Windows 2000 の場合は、インストール時に JRE も必ずインストールされます。 AIX では、サーバーに JRE が存在していない場合に限り、インストール時に JRE もインストールされます。その他の UNIX ベースのオペレーティング・システムの場合は、自分で JRE をインストールする必要があります。
DB2 クエリー・パトローラー・ツールを使用できるように JRE を構成する手順は、コントロール・センターを使用するために JRE を構成する手順と同じです。必要な構成手順と、それぞれのプラットフォームでサポートされている JRE の詳細については、 インストールおよび構成 補足 を参照してください。 |
DB2 クエリー・パトローラー・サーバーは、 DB2 エンタープライズ拡張エディションまたは DB2 エンタープライズ・エディションを実行している DB2 サーバーにインストールします。 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーをインストールすると、対応する DB2 クエリー・パトローラー・エージェントもインストールされます。 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーでは、データウェアハウスに対して実行される照会の受け入れ、分析、優先順位付け、スケジュール設定を行います。このサーバーは、照会の完了をユーザーに通知する機能も備えています。
区分データベース環境の場合、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーと、それに対応する DB2 クエリー・パトローラー・エージェントは、 1 つのデータベース区画サーバーにインストールします。これは、データベース区画サーバーの調整役を果たすサーバーとなり、クライアントは照会を実行するためにこのサーバーに接続します。作業負荷のバランスを考えて、 DB2 クエリー・パトローラー・エージェントを区分データベース・システム内のその他のデータベース区画サーバーにインストールすることも可能です。これらのエージェントは、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーに送られた要求の処理を支援し、サーバーの作業負荷のバランスを保つのに一役買います。対称マルチプロセッシング (SMP) ワークステーションのクラスターを使用するハードウェア環境で、DB2 クエリー・パトローラー・エージェントを使用することも可能です。
DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーション
DB2 クライアントを DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションとして設定できます。 DB2 クライアントを Windows NT または Windows 2000 にインストールする場合は、 カスタム ・インストールを実行し、 「DB2 クエリー・パトローラー・クライアント (DB2 Query Patroller Client)」コンポーネントの 「トラッカー・ツール (Tracker Tool)」と 「QueryAdmin ツール (QueryAdmin Tool)」というサブコンポーネントを選択して、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの管理用ワークステーションとして設定します。インストール方法として標準 または カスタム を選択した場合は、デフォルトで、 「DB2 クエリー・パトローラー・クライアント (DB2 Query Patroller Client)」が選択状態になります。
DB2 クライアントから DB2 クエリー・パトローラー・サーバーに照会を送信する場合は、 「QueryEnabler ツール (QueryEnabler Tool)」 サブコンポーネントをインストールする必要があります。このサブコンポーネントと「QueryMonitor ツール (QueryMonitor Tool)」 サブコンポーネントの詳細については、 DB2 クライアント の説明を参照してください。 DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションのインストールでは、選択可能なすべてのコンポーネントをインストールすることをお勧めします。
DB2 クエリー・パトローラー・クライアントを UNIX ベースのクライアントにインストールする場合は、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの管理に必要なすべてのコンポーネントがインストール時に組み込まれます。 UNIX ベースのシステムの場合、インストール時にこれらのコンポーネントを個別に選択することはできません。 UNIX ベースのクライアントにインストールした DB2 クエリー・パトローラー・クライアントはいずれも、 DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションになります。
![]() | UNIX ベースの環境では、すでに DB2 クライアントをインストールしてあるワークステーションに、 DB2 クエリー・パトローラー・クライアントをインストールする必要があります。 DB2 クライアントをインストールする方法の詳細については、 インストールおよび構成 補足 を参照してください。 |
一般に、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションは、 QueryAdmin ツール と トラッカー・ツール で構成されます。 QueryAdmin ツールは、管理担当者が DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの構成を管理し、ユーザー・プロファイルの作成と削除や、照会と結果宛先の管理を行うためのツールです。トラッカー・ツールは、データベースの使用状況履歴のモニタリングを行うためのツールです。
![]() | DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションと、 DB2 クエリー・パトローラー環境に組み込まれている他の DB2 クライアントとの違いは、この QueryAdmin ツールがあるかないかという点です。 |
DB2 クライアントを Windows NT または Windows 2000 にインストールする場合、 標準 インストールでは、 「DB2 クエリー・パトローラー・クライアント (DB2 Query Patroller Client)」 コンポーネントのサブコンポーネントである 「QueryMonitor ツール (QueryMonitor Tool)」と 「QueryEnabler ツール (QueryEnabler Tool)」がインストールされます。インストール方法として標準 または カスタム を選択した場合は、デフォルトで、 「DB2 クエリー・パトローラー・クライアント (DB2 Query Patroller Client)」 コンポーネントが選択状態になります。照会を取り込むクライアントでは、 「QueryEnabler ツール (QueryEnabler Tool)」 サブコンポーネントだけが必要です。
DB2 クエリー・パトローラー・クライアントを UNIX ベースのプラットフォームにインストールする場合は、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの管理に必要なすべてのコンポーネントがインストール時に組み込まれ、コンポーネントを個別に選択することはできません。したがって、UNIX ベースのワークステーションに DB2 クエリー・パトローラー・クライアントをインストールする場合は、いずれも DB2 クエリー・パトローラー・システム管理ワークステーションとしてインストールされることになります。つまり、その DB2 クライアントからは、照会の実行や、 DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの管理ができるという意味です。
Windows NT または Windows 2000 の環境では、標準インストールで QueryEnabler ツールと QueryMonitor ツールが DB2 クライアントにインストールされます。 QueryEnabler ツールは、 DB2 クライアントから送られる照会をトラップし、その照会を DB2 クエリー・パトローラー・サーバーの制御下に入れます。 QueryMonitor ツールは、照会を実行するユーザーが、送信済みの照会を一覧表示したり、照会のステータスを変更したり、処理済みの照会の結果セットを削除したりするために使用するツールです。
DB2 クエリー・パトローラー・ツールを使用する方法の詳細については、 DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き と DB2 クエリー・パトローラー 使用者の手引き を参照してください。
それぞれの企業で DB2 クエリー・パトローラー・サーバーをインストールする方法は、データウェアハウスやデータ・マートに使用する DB2 サーバーのタイプによって異なります。 DB2 エンタープライズ拡張エディションのサーバーに対して照会を実行するのであれば、図 1 の図にあるような環境になるでしょう。
図 1. DB2 エンタープライズ拡張エディション環境の DB2 クエリー・パトローラー。
DB2 エンタープライズ・エディションのサーバーに対して照会を実行するのであれば、図 2 の図にあるような環境になるでしょう。
図 2. DB2 エンタープライズ拡張エディション環境の DB2 クエリー・パトローラー。
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該当する DB2 クエリー・パトローラー・サーバーについて説明している項を参照してください。 |