OLAP のセットアップおよび使用者の手引き

SQL アプリケーションでの他の視点の使用

この節では、DB2 OLAP Server 多次元データを照会するため SQL アプリケーションを作成する場合に役立つ、その他の視点について説明します。 視点には、リレーショナル属性、ユーザー定義属性、別名、およびリンク報告オブジェクト (LRO) が組み込まれています。

リレーショナル属性視点の使用

リレーショナル属性列を次元表に追加する際に、 DB2 OLAP Server はその名前、およびその次元のリレーショナル属性表のデータ・タイプと属性を記録します。 リレーショナル属性視点から表にアクセスすることができます。

リレーショナル属性視点名は、キューブ視点の RATViewName 列から得られます。

表 19 は、リレーショナル属性視点の列に関する詳細です。

表 19. リレーショナル属性視点の内容
名前 タイプ 最大サイズ 内容
RATCOLUMNNAME VarChar 20 リレーショナル属性列の名前。単一引用符によって囲まれていることがある。
RATCOLUMNTYPE 整数
リレーショナル属性列のデータ・タイプを示す数。
  • 1 = 文字 (CHAR)
  • 4 = 整数 (INT)
  • 5 = 短精度整数 (SMALLINT)
  • 12 = 変数文字 (VARCHAR)
RATCOLUMNSIZE 整数
RATCOLUMNTYPE が 4 または 5 の場合、RATCOLUMNSIZE は 0。 RATCOLUMNTYPE が 1 または 12 の場合、RATCOLUMNSIZE は列に指定されたサイズ。

リレーショナル属性視点内のデータにアクセスするには、まずアプリケーションがキューブ視点から視点名を判別しなければなりません。

たとえば、Basic データベースの Product 次元のリレーショナル属性視点名を検索するには、次の SQL ステートメントを使用します。

SELECT RATVIEWNAME FROM OLAPSERV.SAMPBASI_CUBEVIEW WHERE DIMENSIONNAME='PRODUCT'

この照会の結果は、OLAPSERV.SAMPBASIR_PRODUCT のようなものになります。

SQL ステートメントでリレーショナル属性視点から情報を使用できます。 リレーショナル属性視点から行を選択することにより、リレーショナル属性列のリスト、そのタイプ、および対応する次元のサイズを入手できます。

次の例では、SQL SELECT ステートメントはリレーショナル属性情報を調べて、SAMPLE アプリケーションにある BASIC データベースの PRODUCT 次元を検索します。

SELECT RATCOLUMNNAME,RATCOLUMNTYPE,RATCOLUMNSIZE FROM SAMPBASIR_PRODUCT.

この照会の結果は次のようなものになります。

RATCOLUMNNAME  RATCOLUMNTYPE  RATCOLUMNSIZE
=============  =============  =============
COLOR          1              10

この結果には、Color という Product 次元にリレーショナル属性列があります。 列タイプ 1 はこれが文字列であることを示しており、サイズ 10 は、各行に最大 10 文字を含めることができることを示しています。

ユーザー定義属性の使用

DB2 OLAP Server は、キューブの各次元ごとに 1 つのユーザー定義属性視点を保守しています。 それぞれのメンバーおよび属性の組み合わせごとに 1 つの行があります。 この視点を使用して、次元のメンバーに関する情報を入手します。

ユーザー定義属性名はキューブ視点の UDAViewName 列から得ます。

表 20 は、ユーザー定義属性視点の列に関する詳細です。

表 20. ユーザー定義属性視点の内容
名前 タイプ 最大サイズ 内容
MemberName VarChar 80 メンバーの名前
UDA VarChar 80 ユーザー定義属性テキスト・ストリング

UDA 視点内のデータにアクセスするには、まず、アプリケーションがキューブ視点から UDA 名を判別しなければなりません。

たとえば、Basic データベースの Product 次元の UDA 視点名を検索するには、次の SQL ステートメントを使用します。

SELECT UDAVIEWNAME FROM OLAPSERV.SAMPBASI_CUBEVIEW WHERE DIMENSIONNAME='PRODUCT'

この照会の結果は、OLAPSERV.SAMPBASIU_PRODUCT のようなものになります。

Sample アプリケーションの Basic データベースで、販売促進に関連したユーザー定義属性を持つ全製品のメンバー名をリストするには、以下のようにします。

SELECT MEMBERNAME FROM OLAPSERV.SAMPBASIU_PRODUCT WHERE UDA = 'Promotion'

別名 ID 視点の使用

DB2 OLAP Server は、リレーショナル・キューブごとに1つの別名 ID を保守しています。 アウトラインで使用する多次元別名表ごとに 1 行があります。 この視点を使用して、キューブで使用可能な別名を判別します。

別名 ID 視点名はキューブ・カタログ視点から得られます。

表 21 は、別名 ID 視点の列に関する詳細です。

表 21. 別名 ID 視点の内容
名前 タイプ 最大サイズ 内容
AliasTableName VarChar 80 多次元別名表名。 キューブのメンバーに関連した別名セットの集合名。
RelAliasTableName VarChar 18 この別名表の DB2 OLAP Server 名。 次元視点の別名列に使用する。

別名 ID 視点内のデータにアクセスするには、まず、アプリケーションがキューブ・カタログ視点から別名 ID 視点名を判別しなければなりません。

たとえば、Sample アプリケーションの Basic データベースの UDA 視点名を検索するには、次の SQL ステートメントを使用します。

SELECT ALIASIDVIEWNAME FROM OLAPSERV.CUBECATALOGIEW
  WHERE APPNAME='Sample' AND CUBENAME='Basic'

この照会の結果は次のようなものになります。

OLAPSERV.SAMPBASI_ALIASID

キューブの別名表をリストするには、以下のようにします。

SELECT ALIASTABLENAME FROM OLAPSERV.SAMPBASI_ALIASID

フランス語名の別名表の別名を使用して制約を構成する場合に、使用する次元視点列を判別するには、以下のようにします。

SELECT RELALIASTABLENAME FROM OLAPSERV.SAMPBASI_ALIASID
  WHERE ALIASTABLENAME='French Names'

RelAliasTableName の FrenchNames を持つ次元のメンバーの名前とフランス語別名をリストするには、以下のようにします。

SELECT MEMBERNAME,FRENCHNAMES FROM OLAPSERV.SAMPBASID_PRODUCT

リンク報告オブジェクト (LRO) 視点の使用

DB2 OLAP Server は、キューブごとに 1 つの LRO 視点を保守しています。 この視点を使用して、キューブの個々のセルに関連したリンク報告オブジェクトを判別します。 それぞれのリンク・オブジェクトまたはセル注釈ごとに 1 つの行があります。

LRO 視点名はキューブ・カタログ視点から得られます。

LRO 視点の内容

表 22 は、LRO 視点の列に関する詳細です。 この視点には、各次元ごとに 1 つの追加列があり、また、関連オブジェクトに関する情報の入った列があります。

表 22. キューブ視点の内容
名前 タイプ 最大サイズ 内容
次元列。 次元の短縮名で、キューブ表の RelDimensionName 列から取られる。 VarChar
オブジェクトが関連付けられているこの次元のメンバーの名前
STOREOPTION 短精度整数

この列の値は次のとおり。

  • 関連オブジェクトがクライアントに保管されていれば 0
  • 関連オブジェクトがサーバーに保管されていれば 16

OBJTYPE 短精度整数

この列の値は次のとおり。

  • 関連オブジェクトが注釈であれば 0
  • 関連オブジェクトがアプリケーション・データであれば 1

Handle 整数
各注釈またはオブジェクトの固有識別子。 複数のオブジェクトが 1 つのセルに関連している場合、ハンドルを使用してオブジェクトの 1 つを固有識別する。
USERNAME VarChar 31 このオブジェクトを作成したユーザー名
UPDATEDATE 整数
オブジェクトの最終更新を示すタイムスタンプ (国際標準時)
OBJNAME VarChar 512 オブジェクト・タイプが 1 (アプリケーション・データ) の場合、この列にはオブジェクトのファイル名が入る。
OBJDESC VarChar 80 オブジェクト・タイプが 1 の場合、この列にはオブジェクトの説明が入る。
NOTE VarChar 600 オブジェクト・タイプが 0 (注釈) の場合、この列には注釈テキストが入る。

SQL ステートメントを使用した LRO 視点の照会

LRO 視点内のデータにアクセスするには、まず、アプリケーションがキューブ・カタログ視点から LRO 視点名を判別しなければなりません。

たとえば、Sample アプリケーションの Basic データベースの LRO 視点名を検索するには、次の SQL ステートメントを使用します。

SELECT LROVIEWNAME FROM OLAPSERV.CUBECATALOGVIEW
  WHERE APPNAME='Sample' AND CUBENAME='Basic'

この照会の結果は次のようなものになります。

OLAPSERV.SAMPBASI_LROVIEW

キューブに関連したすべてのアプリケーション・オブジェクトの説明をリストするには、以下のようにします。

SELECT OBJDESC, USERNAME FROM OLAPSERV.SAMPBASI_LROVIEW WHERE OBJTYPE=0

Gary Robinson が作成したすべての注釈をリストするには、以下のようにします。

SELECT NOTE FROM OLAPSERV.SAMPBASI_LROVIEW WHERE OBJTYPE=1 AND USERNAME='Gary Robinson'

SELECT ステートメントの WHERE 文節にある各次元ごとにセルのメンバー ID を指定すれば、セルに関連したリンク報告オブジェクトを照会することができます。


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