OLAP のセットアップおよび使用者の手引き

多次元データベースの再構成

業務や組織上の変更により、データベースのアウトラインをそれに合わせて変更しなくてはならない場合があります。 メンバー名などの小さな変更の場合、多次元データベースを再計算または再構成すれば済むでしょう。 しかし、組織変更のような大きな変更であれば、データベース自体の再計算が必要になります。 また、データの保管方法に影響が及ぶ変更であれば、データベース自体の再構成が必要になります。

表 10 には、再構成でデータ値および表構造に影響を及ぼす操作が示されています。 左側の欄は実行する処置内容です。 中央の欄には DB2 OLAP Server がファクト表およびデータベースに対して行う処置が、また、右側の欄には DB2 OLAP Server がデータベースのキー表に対して行う処置が示されています。

再構成が発生すると、DB2 の視点が再構築されることがあります。 また、データベースを再計算したり、 DB2 の表や視点にバインドされていたユーザー・アプリケーションを再構築したりする必要がある場合もあります。


表 10. データ値と再構成に影響を及ぼす処置
ユーザーの処置 DB2 OLAP Server のファクト表に対する処置 DB2 OLAP Server のキー表に対する処置
高密度次元の追加 新規次元列の追加または既存次元列の再利用、およびそのベース・メンバー ID を持つ全行の更新 全行の更新
疎密度次元の追加 新規次元列の追加または既存次元列の再利用、およびその基本メンバー ID を持つ列のセルの更新。 索引の消去と再作成。 複数のファクト表がある場合、ほとんどの行は、別のファクト表に移動する必要があります。 全行の更新
高密度次元の削除 表から基本メンバー ID 以外の行をすべて除去 全行の更新
疎密度次元の削除 表から基本メンバー ID 以外の行をすべて除去。 索引の消去と再作成。 複数のファクト表がある場合、ほとんどの行は、別のファクト表に移動する必要があります。 全行の更新
アンカー次元の追加 指定した次元で各メンバーの列を追加 アンカー次元の追加時のデータのロード不能が理由で、表を空にする
アンカー次元の変更 データがキューブにある場合エラーを戻す データがキューブにある場合エラーを戻す
アンカー次元の削除 データがキューブにある場合エラーを戻す データがキューブにある場合エラーを戻す
次元の移動 アクションなし 全行の更新
次元の密度、高 / 疎の変更 索引の消去と再作成。 複数のファクト表がある場合、ほとんどの行は、別のファクト表に移動する必要があります。 新規キー表を作成し、各ブロックごとに1つずつ新規行を挿入
次元の名前変更 アクションなし アクションなし
他の方法での次元変更 アクションなし アクションなし
メンバーを密度次元に追加 アクションなし 新規キー表を作成し、各ブロックごとに1つずつ新規行を挿入
メンバーを疎密度次元に追加 アクションなし 全行の更新
メンバーを疎密度次元から削除 メンバーから行を削除 新規キー表を作成し、各ブロックごとに1つずつ新規行を挿入
メンバーを高密度次元から削除 メンバーから行を削除 全行の更新
メンバーをアンカー次元に追加 列の追加または既存列の再利用、その列をヌルに初期化 全行の更新
アンカー次元からメンバーを削除 アクションなし 全行の更新
疎密度次元内でメンバーを移動 アクションなし 新規キー表を作成し、各ブロックごとに1つずつ新規行を挿入
高密度次元内でメンバーを移動 アクションなし 新規キー表を作成し、各ブロックごとに1つずつ新規行を挿入
次元間のメンバーの移動 メンバーの削除および追加と同じ処置 メンバーの削除および追加と同じ処置
メンバーを非共用から共用に更新 共用メンバーに対応する行を削除 全行の更新
メンバーの仮想ストレージ状況の更新 更新するメンバーに対応する行を削除 全行の更新
その他すべてのメンバー更新 アクションなし アクションなし
メンバーの名前変更 アクションなし アクションなし
その他すべてのアウトラインの変更 アクションなし アクションなし
注: 「アクションなし」という語は、表 (ファクト表またはキー表) に変更がないことをだけを意味します。 いくらかの再構築が行われて、アウトラインへの変更が保管されるようにします。


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