OLAP のセットアップおよび使用者の手引き

データベース・ログ・ファイルのサイズの管理

DB2 OLAP Server がデータのロードおよび計算を行う場合、ファクト表およびキー表に行が挿入され、更新されます。 これに伴い、DB2 はログ・ファイルにレコードを書き出します。 デフォルトでは、多次元データベースのロードおよび計算は単一トランザクションです。 OLAP データベースが大きければ、ログ・レコードが多数書き出され、DB2 には多数のログ・ファイルが必要になります。

計算中に障害が発生すると、DB2 はログ・ファイルを使用してデータベースを回復します。 回復後には、そのデータベースは、トランザクションを開始する前の状態に復元されます。 失敗したトランザクションの計算結果は失われるので、もう一度計算をやり直す必要があります。

データベース・ログ・ファイルのサイズを管理するには、次の 2 つの方法があります。

パフォーマンスを改善するには、以下のように行います。

詳細については、第 9 章, "DB2 OLAP Server のパフォーマンスの強化"を参照してください。

Commit Block パラメーターの設定

この節では、アプリケーション・マネージャーまたは ESSCMD コマンド行インターフェースでのみアクセスできるパラメーターに言及しています。 これらのインターフェースは DB2 OLAP スターター・キットでは使用できません。

同期点設定、Commit Block および Commit Row を使用すれば、データ・ロードおよび計算トランザクション時に、DB2 OLAP Server がどれくらいの頻度で変更内容をコミットするかを制御することができます。 単一のデータ・ロードや計算トランザクションは、一連の小さなトランザクションとして扱うことができます。 頻繁にトランザクションを行うと、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

Commit Block と Commit Row パラメーターを調整することには、次の 2 つの利点があります。

コミットが行われるたびに、多次元データベースのデータおよび索引キャッシュはフラッシュされ、変更内容がリレーショナル・データベースにコミットされます。 設定するそれぞれの同期点では時間がとられるので、パフォーマンスの観点からすればマイナスになる可能性があります。 したがって、ログ・ファイルのサイズを縮小する必要性と、最適な製品パフォーマンスを達成するという必要性を比較考量しなければなりません。

デフォルトでは、Commit Block パラメーターは 3000 に設定されています。 このパラメーターを変更するには、「アプリケーション・マネージャー (Application Manager)」ウィンドウで以下のようにします。

  1. 「データベース (Database)」 --> 「設定 (Settings)」をクリックする。 「データベース設定 (Database Settings)」ウィンドウが開きます。
  2. 「トランザクション (Transaction)」タブをクリックする。
  3. Commit Block パラメーターを、指定するブロック数に設定する。

DB2 OLAP Server は、Commit Block パラメーターによって指定されたブロック数が更新されるときにコミットを発行します。 問題が発生したなら、最後のコミットに限って、変更をロールバックできます。

これが推奨するデータベース・ログ・ファイルの管理方式です。

Commit Block および Commit Row の設定については、「データベース管理者ガイド」またはアプリケーション・マネージャーのオンライン・ヘルプを参照してください。 DB2 で使用可能な 1 次および 2 次ログ・ファイルの数の制御方法は、DB2 資料を参照してください。

データベース・ログ・ファイルへのスペースの割り振り

Commit Block パラメーターを使用しないことにする場合、データベース・ログ・ファイルに十分なスペースを割り当てて、再計算やロード操作のときにキューブ全体が入るようにしてください。 キューブやキューブへのロード・データを再計算する場合、それぞれの操作は単一トランザクションとして扱われ、かなり大きくなることがあります。 問題が発生すると、DB2 OLAP Server はトランザクション全体をロールバックします。

これらのトランザクションについては、以下のログ設定値を増やすことを検討してください。

ログ設定を変更する方法については、データベース・マネージャーの資料を参照してください。

データベース・ログ・ファイルが実行されない原因がスペース不足かどうかを確かめる他の方法として、以下のようなものがあります。


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