OLAP のセットアップおよび使用者の手引き

多次元ストレージとリレーショナル・ストレージの違い

リレーショナル・ストレージ・マネージャーを使用する場合、DB2 OLAP Server で OLAP アプリケーションを作成すると、DB2 OLAP Server は多次元ストレージ・マネージャーを使用するときと同じ構成要素をファイル・システムに作成します。 また、リレーショナル・データベース内にデータベース・アウトラインと実際のデータが入るリレーショナル・キューブを作成します。

多次元ストレージ・マネージャーを使用する場合、OLAP アプリケーションを作成すると、図 4 に示されているように、その全構成要素がファイル・システムに保管されます。

図 4. 多次元ストレージ・マネージャーによって作成された DB2 OLAP Server アプリケーション構成要素のストレージ


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リレーショナル・ストレージ・マネージャーを使用する場合、図 5 に示されているように、構成要素はファイル・システムに保管されるものもあれば、リレーショナル・データベースに保管されるものもあります。

図 5. リレーショナル・ストレージ・マネージャーによって作成された DB2 OLAP Server アプリケーション構成要素のストレージ


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図 6 に示されているのは、リレーショナル・ストレージ・マネージャーを使用して OLAP アプリケーションおよびデータベースを作成するときに、DB2 OLAP Server がリレーショナル・データベース内に作成するリレーショナル・キューブです。

図 6. DB2 OLAP Server リレーショナル・キューブ


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リレーショナル・キューブに直接アクセスするために使用する視点については、第 10 章, SQL アプリケーションの作成をご覧ください。

次の節では、DB2 OLAP Server のリレーショナル・ストレージ・マネージャーがリレーショナル・キューブに表または視点を作成する 3 つの事象について説明します。 それらは次の 3 つです。

最初の OLAP アプリケーションの作成

OLAP アプリケーションは、1 つまたは複数の多次元データベースに加え、関連する計算スクリプト、レポート・スクリプト、および各データベースごとに作成するデータ・ロード規則があれば、それらで構成されています。

OLAP アプリケーションを作成する前に、rsm.cfg ファイルのパラメーターが正しく更新されているかどうかを確認してください。 rsm.cfg ファイルでは、DB2 OLAP Server が OLAP アプリケーションの構成要素の保管先となるリレーショナル・データベースや、作成するリレーショナル表の保管先となる表スペースを決定するパラメーターを設定することができます。 rsm.cfg ファイルの他の関連するパラメーターを更新するための詳細については、第 8 章, DB2 OLAP Server の構成を参照してください。

DB2 OLAP Server で初めて OLAP アプリケーションを作成すると、以下の表および視点が作成されます。

キューブ・カタログ表
リレーショナル・データベースに保管されるすべての多次元データベースのリストがあります。 また、各キューブが関連付けられているアプリケーションも示します。 多次元データベースを作成するたびに、DB2 OLAP Server は表に新規の行を作成します。

キューブ・カタログ視点
SQL ユーザーが OLAP アプリケーションおよびリレーショナル・キューブのリストにアクセスできます。

2 つの SQL ログ表
RSM が使用する SQL ステートメントの管理用です。

アプリケーションでの多次元データベースの作成

DB2 OLAP Server で OLAP アプリケーションに多次元データベースを作成すると、表 11 にある表および視点が作成されます。

表 11. データベースの作成時に作成される表および視点
表および視点 説明
キューブ表 リレーショナル・キューブ次元のリストと各次元の情報がある。
キューブ視点 SQL ユーザーがリレーショナル・キューブのすべての次元の名前と各次元ごとの関連情報にアクセスできる。 リレーショナル・データベースの各リレーショナル・キューブに 1 つのキューブ視点がある。
別名 ID 表 DB2 OLAP Server によって割り当てられる ID 番号への OLAP 別名表名のマッピングがある。
別名 ID 視点 リレーショナル・キューブで使用する OLAP 別名表ごとに 1 行がある。 リレーショナル・キューブごとに1つの別名 ID がある。

データベースの最初のアウトラインの保管

多次元データベースの最初のアウトラインを保管すると、DB2 OLAP Server は、表 12 にリストされた表およびリストを作成します。


表 12. 最初のアウトライン保管時に作成される表および視点
表および視点 説明
キー表 Hyperion Essbase の資料で説明されている、多次元データベースの索引と同じ。 キー表は、初めて再構成が成功した後に DB2 OLAP Server によって作成されるリレーショナル表です。
ファクト表 リレーショナル・キューブのすべてのデータ値がある。 それぞれのリレーショナル・キューブごとに 1 つまたは複数のファクト表がある。
ファクト視点 この視点を使用して、次元視点への結合を管理する SQL アプリケーションから直接多次元データにアクセスできる。
スター視点 SQL ユーザーが、JOIN が実行された単一視点中のスター・スキーマからデータにアクセスできる。
LRO 表 リレーショナル・キューブのデータ・セルに関連付けられたリンク・オブジェクトごとに 1 行がある。
LRO 視点 SQL ユーザーが LRO 情報にアクセスできる。

また、DB2 OLAP Server はアウトラインの次元ごとに、表 13 にリストされた表および視点を作成します。


表 13. 次元ごとに作成される表および視点
表および視点 説明
次元表 次元のメンバーに関する詳細情報がある。 アウトラインの次元ごとに 1 つの次元表がある。
次元視点 SQL ユーザーが次元に含まれるメンバーに関する情報にアクセスできる。
ユーザー定義属性表 アウトラインの作成時に指定される名前付きメンバーごとのメンバー ID とユーザー定義属性名がある。 アウトラインの次元ごとに 1 つのユーザー定義属性表がある。
ユーザー定義属性視点 SQL ユーザーが次元の全ユーザー定義属性にアクセスできる。
世代表 アウトラインの作成時に指定される名前付き世代ごとの世代番号と名前がある。 アウトラインの次元ごとに 1 つの世代表がある。
レベル表 アウトラインの作成時に指定される名前付きレベルごとのレベル番号と名前がある。 アウトラインの次元ごとに 1 つのレベル表がある。
リレーショナル属性表 この次元に追加されるリレーショナル属性列の名前、データ・タイプ、およびサイズが入る。
リレーショナル属性視点 SQL ユーザーがこの次元のリレーショナル属性列にアクセスできる。


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