VSE/ESA 操作環境では、 DB2 (VSE 版) は DRDA 環境でアプリケーション・サーバー機能を提供します。アプリケーション・リクエスター機能は提供されていません。分散データベース処理に関する各種の DB2 (VSE 版) および VSE の構成要素について、この節で説明します。これらの構成要素を使用すると、DB2 (VSE 版) データベース管理システムは、 SNA ネットワークでリモート DRDA アプリケーション・リクエスターと通信できます。
図 35 は、 DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーとリモートのアプリケーション・リクエスターとの通信が確立される上での各構成要素の役割を示しています。
アプリケーション・リクエスターは、特定の LU 名およびトランザクション・プログラム名 (TPN) を使用して APPC ALLOCATE verb を出し、アプリケーション・サーバーとの LU 6.2 会話を確立します。この LU 名を使用して、VTAM を介した ALLOCATE 要求の CICS への経路指定を行います。 ALLOCATE verb を受信した上で、 CICS は AXE トランザクションが TPN を使用して定義されていることを確認し、 CICS サインオンを実行します。 CICS 接続の会話機密保護レベルが VERIFY の場合、ユーザー ID とパスワードの両方がアプリケーション・リクエスターに要求され、サインオンで使用されます。接続が受け入れられるように、 CICS サインオン・テーブル (DFHSNT) はこのユーザー ID とパスワードを使用して更新しなければなりません。機密保護レベルが IDENTIFY に設定されている場合は、ユーザー ID のみ必要です。 CICS は機密保護チェックをリモート・システムに委託します。機密保護チェックが成功した場合は、CICS は AXE トランザクションを始動して、アプリケーション・リクエスターとアプリケーション・サーバーとの間の要求および応答を経路指定します。また、アプリケーション・リクエスターが使用する TPN には、 DB2 (VSE 版) DBNAME ディレクトリーで定義された項目も必要です。このディレクトリーは VSE システムで操作している DB2 (VSE 版) サーバーを示しています。
アプリケーション・リクエスターが分散作業単位サポートを利用しようとする場合、 APPC ALLOCATE verb に SYNCPT の SYNCLVL を指定します。 AXE トランザクションが開始されると、CICS を照会し、会話の SYNCLVL を判別します。 SYNCPT の場合、以下を行います。
VM の場合とは異なり、DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーは、リモート・アプリケーション・リクエスターから DRDA フローを受け入れます。私用プロトコルはサポートされていません。結果として、 VM アプリケーション・リクエスターは PROTOCOL=SQLDS では VSE サーバーにアクセスできません。
DB2 (VSE 版) DRDA サーバーは、 VSE ゲスト共用を使用してリモート・アプリケーション・リクエスターからの要求を DB2 (VM 版) サーバーへ経路指定することはできません。このような要求は、DB2 (VM 版) DRDA サーバーに直接送信すべきです。