コネクティビティー 補足

DB2 (VSE 版) 概説

VSE/ESA 操作環境では、 DB2 (VSE 版) は DRDA 環境でアプリケーション・サーバー機能を提供します。アプリケーション・リクエスター機能は提供されていません。分散データベース処理に関する各種の DB2 (VSE 版) および VSE の構成要素について、この節で説明します。これらの構成要素を使用すると、DB2 (VSE 版) データベース管理システムは、 SNA ネットワークでリモート DRDA アプリケーション・リクエスターと通信できます。

CICS(ISC)
顧客情報管理システム (CICS) システム間通信の構成要素は、 DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーに SNA LU 6.2 (APPC) 機能を提供します。

CICS(SPM)
CICS 同期点マネージメントの構成要素は、 DB2 (VSE 版) 分散作業単位サポートには不可欠です。 CICS 同期点マネージメントの構成要素は、同期点参加プログラムとして動作し、 VSE/ESA システムで 2 フェーズ・コミット活動の調整を担当します。

CICS(TRUE)
CICS タスク関連ユーザー出口は、 CICS 同期点管理プログラムを使用したインターフェースへの AXE トランザクションによって使用される、インターフェースです。

ACF/VTAM
CICS(ISC) は、リモート・システムを使用して、 LU から LU へのセッションの設定およびバインドを行います。 DB2 (VSE 版) は LU 6.2 基本会話をこれらのセッションで使用してリモート DRDA アプリケーション・リクエスターと通信します。

AXE
APPC-XPCC-交換トランザクションは、リモート DRDA アプリケーション・リクエスターにより活動化される CICS トランザクションです。これは、CICS LU 6.2 サポートおよび VSE XPCC 機能を使用して、リモート・アプリケーション・リクエスターと DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーとの間の DRDA データ・ストリームを経路指定します。

DBNAME ディレクトリー
DBNAME (データベース名) ディレクトリーは、会話の割り当て用の着信要求を、着信 TPN により識別される判別済みのアプリケーション・サーバーにマップします。詳細は、 SQL/DS システム管理 (VSE) を参照してください。

XPCC
区画間通信制御は、 VSE 区画間のデータ転送を提供する VSE マクロ・インターフェースです。

アプリケーション・サーバー通信フローの例

図 35 は、 DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーとリモートのアプリケーション・リクエスターとの通信が確立される上での各構成要素の役割を示しています。

図 35. アプリケーション・サーバーへのアクセスの取得


REQTEXT

アプリケーション・リクエスターは、特定の LU 名およびトランザクション・プログラム名 (TPN) を使用して APPC ALLOCATE verb を出し、アプリケーション・サーバーとの LU 6.2 会話を確立します。この LU 名を使用して、VTAM を介した ALLOCATE 要求の CICS への経路指定を行います。 ALLOCATE verb を受信した上で、 CICS は AXE トランザクションが TPN を使用して定義されていることを確認し、 CICS サインオンを実行します。 CICS 接続の会話機密保護レベルが VERIFY の場合、ユーザー ID とパスワードの両方がアプリケーション・リクエスターに要求され、サインオンで使用されます。接続が受け入れられるように、 CICS サインオン・テーブル (DFHSNT) はこのユーザー ID とパスワードを使用して更新しなければなりません。機密保護レベルが IDENTIFY に設定されている場合は、ユーザー ID のみ必要です。 CICS は機密保護チェックをリモート・システムに委託します。機密保護チェックが成功した場合は、CICS は AXE トランザクションを始動して、アプリケーション・リクエスターとアプリケーション・サーバーとの間の要求および応答を経路指定します。また、アプリケーション・リクエスターが使用する TPN には、 DB2 (VSE 版) DBNAME ディレクトリーで定義された項目も必要です。このディレクトリーは VSE システムで操作している DB2 (VSE 版) サーバーを示しています。

アプリケーション・リクエスターが分散作業単位サポートを利用しようとする場合、 APPC ALLOCATE verb に SYNCPT の SYNCLVL を指定します。 AXE トランザクションが開始されると、CICS を照会し、会話の SYNCLVL を判別します。 SYNCPT の場合、以下を行います。

制限事項

VM の場合とは異なり、DB2 (VSE 版) アプリケーション・サーバーは、リモート・アプリケーション・リクエスターから DRDA フローを受け入れます。私用プロトコルはサポートされていません。結果として、 VM アプリケーション・リクエスターは PROTOCOL=SQLDS では VSE サーバーにアクセスできません。

DB2 (VSE 版) DRDA サーバーは、 VSE ゲスト共用を使用してリモート・アプリケーション・リクエスターからの要求を DB2 (VM 版) サーバーへ経路指定することはできません。このような要求は、DB2 (VM 版) DRDA サーバーに直接送信すべきです。


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