この章では、収集プログラム (VM 版) および収集プログラム (VSE 版) のセットアップおよび操作の方法について説明します。
セットアップは、収集プログラムのインストールと、ソース・サーバーの構成から成ります。
収集プログラムのインストール方法については、 Capture for VM Program Directory または Capture for VSE Program Directory を参照してください。
管理者は、ここに記載されているコマンドを使用することによって、 収集プログラム (VM 版) および収集プログラム (VSE 版) を操作することができます。
ここでは、収集プログラムに関する以下の作業の実行方法について説明します。
ここには、収集プログラムの実行に関する制約事項も示されています。
収集プログラムの制約事項は次のとおりです。
収集プログラムは、開始すると、 オペレーターが停止されるか回復不能エラーが検出されるまで実行を続けます。
収集プログラム (VM 版) を開始するには、次のようにします。
VM ユーザー ID で ASNCCP モジュールを呼び出します。 キーワードとキーワードの間は 1 つ以上のブランクで区切らなければなりません。
>>-ASNCCP----+--------+---+---------+---+--------+--------------> +-WARM---+ +-PRUNE---+ +-TERM---+ +-WARMNS-+ '-NOPRUNE-' '-NOTERM-' '-COLD---' >-----+---------+---+---------+---------------------------------> +-NOTRACE-+ +-ALLCHG--+ '-TRACE---' '-CHGONLY-' >-----+------------------------------+------------------------->< +-NOUSERID---------------------+ '-USERID=--auth_name/password--'
矛盾する呼び出しパラメーターが指定されると、収集プログラムは、 最後に指定されたパラメーターを使用します。 たとえば、COLD TRACE NOTRACE パラメーター・ストリングを使って ASNCCP を開始すると、 トレース情報は書き込まれません (NOTRACE)。
表 29 は、呼び出しパラメーターを定義します。
収集プログラム (VSE 版) を開始するには、次のようにします。
サンプル・ジョブ制御メンバー ASNS51BD は、収集プログラムの開始法の例を示します。 バッチ・ジョブなどの区分内で収集プログラムを開始します。 次のように、示されたとおりの順序で、1 つ以上のブランクで区切って、 PARM= フィールドに ASNCCP 呼び出しパラメーターを指定することができます。
>>-//--EXEC--PGM=ASNCCP--,PARM=--'----+--------+---+---------+--> +-WARM---+ +-PRUNE---+ +-WARMNS-+ '-NOPRUNE-' '-COLD---' >-----+--------+---+---------+---+---------+---| Group 1 |--'-->< +-TERM---+ +-NOTRACE-+ +-ALLCHG--+ '-NOTERM-' '-TRACE---' '-CHGONLY-' Group 1 |---USERID=--auth_name/password--+------------------------+-----| '-Dbname=--databasename--'
表 29 は、呼び出しパラメーターを定義します。
表 29. VM および VSE での ASNCCP 呼び出しパラメーター定義
パラメーター | 定義 |
---|---|
WARM (デフォルト) | ウォーム・スタート情報を入手できる場合、収集プログラムは、 直前の実行の終了時点から処理を再開します。 収集プログラムは、ウォーム・スタートできない場合、 コールド・スタートに切り替わります。 |
WARMNS | ウォーム・スタート情報を入手できる場合、収集プログラムは、 直前の実行の終了時点から処理を再開します。 そうでない場合、メッセージを発行して終了します。 WARMNS を使うと、収集プログラムは自動的にコールド・スタートに切り替えません。 収集プログラムは、トレース、UOW、CD、 およびウォーム・スタート表を元のままにしておきます。 エラーが発生した場合、収集プログラムは、 WARM が指定されているときのようにコールド・スタートに切り替わるのではなく、 終了します。 |
COLD | 収集プログラムを起動すると、初期設定のときに CD 表、 UOW 表、およびトレース表が削除されます。 これらの複製ソースに対するすべてのサブスクリプションは、 変更適用プログラムの次回の処理サイクルで完全に最新表示されます。 ターゲットが不完全 CCD 表の場合、 全最新表示は行われません (ソース表とターゲット表の間のギャップの解決を参照してください)。 |
PRUNE (デフォルト) | 収集プログラムは、チューニング・パラメーター表で指定された間隔で、 変更適用プログラムによりコピーされた CD および UOW 表の行を自動的に枝取りします。 |
NOPRUNE | 自動枝取りは使用不可になります。 PRUNE コマンドが入力されると、 収集プログラムは、CD および UOW 表を枝取りします。 |
TERM (デフォルト) | DB2 サーバーが終了する場合、収集プログラムを終了します。 |
NOTERM | DB2 サーバーが終了しても、収集プログラムを実行し続けます。 DB2 サーバーが起動すると、収集プログラムは WARM モードで開始され、 DB2 が終了してオフになった時点からの収集を開始します。 |
NOTRACE (デフォルト) | トレース情報は書き込まれません。 |
TRACE | トレース・メッセージを標準出力 stdout に書き込みます。 |
ALLCHG (デフォルト) | ソース表の行に変更があるたびに、CD 表に項目を追加するよう指定します。 |
CHGONLY | 複製 (CD 表列) のために定義した列の値が変化した場合にだけ、 ソース表の行に変更が加えられたときに CD 表に項目を追加するよう指定します。 |
USERID=auth_name/password | 収集プログラムは、ユーザー ID auth_name およびパスワード password でデータベースに接続しなければならないことを指定します。
正しいパスワードを指定しなければなりません。
そうしないと、エラーが戻されます。
auth_name および password は、
どちらも 1〜8 文字の長さです。
VM/ESA では、このパラメーターが指定されないと、 収集プログラムは、ASNCCP の発行のときに使われたユーザー ID でデータベースに接続します。 |
Dbname=databasename | VSE の場合: 変更を収集される DB2 サーバー (VSE 版) データベースの名前を指定します。 これは、1〜18 文字の長さです。 指定しないときの省略時値は、 DBNAME ディレクトリーに指定されているデータベース名ですが、 DBNAME ディレクトリーがセットアップされていない場合は SQLDS になります。 |
収集プログラムを規定どおりに停止して、 その時点までに処理したログ・レコードをコミットするには、 STOP コマンドを使用します。
STOP コマンドは、以下の操作の前に発行してください。
収集プログラム (VM 版) を停止するには、次のようにします。
>>-STOP--------------------------------------------------------><
収集プログラム (VSE 版) を停止するには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=STOP----------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。
収集プログラムを停止した場合、収集プログラムは、 自己遮断してから、通知メッセージを発行します。 エラーを検出した場合、このプログラムは、 影響を受けた表でデータをクリーンアップした後で、 そのデータが使われないようにするため自己遮断します。 ステージング表は、適切なときに枝取りされます。 異常終了の場合、ウォーム・スタート情報は保存できないため、 コールド・スタートを開始しなければなりません。
SUSPEND コマンドは、RESUME コマンドが発行されるまで収集プログラムを延期するのに使います。
収集プログラム (VM 版) を延期するには、次のようにします。
>>-SUSPEND-----------------------------------------------------><
収集プログラム (VSE 版) を延期するには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=SUSPEND-------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。
このコマンドを使うと、ピーク時に収集プログラムの実行環境を損なわないで、 収集プログラムを延期して操作トランザクションのパフォーマンスを向上することができます。
重要: 複製ソースを取り消すときは SUSPEND コマンドを使用しないでください。 代わりに、収集プログラムを停止してください。
延期した収集プログラムを再開するには、RESUME コマンドを使用します。
収集プログラム (VM 版) を再開するには、次のようにします。
>>-RESUME------------------------------------------------------><
収集プログラム (VSE 版) を再開するには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=RESUME--------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。
REINIT コマンドは、収集プログラムを再初期設定するのに使用します。
収集プログラム (VM 版) を再初期設定するには、次のようにします。
>>-REINIT------------------------------------------------------><
収集プログラム (VSE 版) を再初期設定するには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=REINIT--------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。
収集プログラムの実行中、複製ソースおよび CD 表に新しい複製ソースを追加するか、 列を ALTER ADD した場合に、 新しいソース表から変更を収集するには REINIT コマンドを使用します。 REINIT コマンドによって収集プログラムは、 新たに追加された複製ソースを登録表から取得するよう指示されます。
また REINIT は、 チューニング・パラメーター表を再読み取りして、 チューニング・パラメーターに変更が行われているかどうかも調べます。
重要: 収集プログラムの実行中、 複製ソース表の取り消しまたは除去を行った後の収集プログラムの再初期設定には REINIT コマンドを使用しないでください。 収集プログラムを停止してから、 WARM または WARMNS オプションを付けて再起動してください。
収集プログラムの始動時に NOPRUNE 呼び出しパラメーターを使用して枝取りを使用不可にした場合、 CD および UOW 表の管理を実行するには PRUNE コマンドを使います。
このコマンドは、表を一度だけ枝取りします。
VM 版の表を枝取りするには、次のようにします。
>>-PRUNE-------------------------------------------------------><
VSE 版の表を枝取りするには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=PRUNE---------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。
枝取り中に収集プログラムを停止または延期した場合は、RESUME コマンドを入力した後も枝取りは再開されません。 枝取りを再開するには、PRUNE コマンドを入力する必要があります。
GETLSEQ コマンドは、 タイム・スタンプと現行のログ順序番号を提供するのに使用します。 この番号を使用すると、収集プログラムが DB2 ログをどこまで読み取っているかを判別できます。
収集プログラム (VM 版) で収集済みログ進行状況を表示するには、次のようにします。
>>-GETLSEQ-----------------------------------------------------><
収集プログラム (VSE 版) で収集済みログ進行状況を表示するには、次のようにします。
>>-MSG--partition--,DATA=GETLSEQ-------------------------------><
ただし、partition は、収集プログラム (VSE 版) を実行している区分を表します。