IBM DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き

トラッカー・ツール

トラッカー・ツールは、 DB2 クエリー・パトローラー・システムで管理されている照会に関するデータベース使用状況の履歴をレポートとして作成して表示します。 たとえば、トラッカーを使用すると、最も頻繁にアクセスされた表と列を判別したり、 最も多く結果行を戻した表を判別したり、 特定の時間枠内で完了したジョブを判別したりすることができます。

データベース・サーバー上でのトラッカー・データの作成 (iwm_tracker)

トラッカーによって表示される情報は、 データベース・サーバー上で稼働している DB2 クエリー・パトローラーによって収集されます。 DB2 クエリー・パトローラーによりジョブ会計が収集され、 その後その会計は iwm_tracker トラッカー・プログラムによって分析されます。 iwm_tracker プログラムは、DB2 クエリー・パトローラーのバックエンド構文解析プログラムで、 正常に完了したジョブで実行されたデータを分析します。 iwm_tracker を実行するたびに、 前回実行時に追加されたジョブ会計項目が検査されます。
注:ユーザー iwm には独自の DB2 Explain 表があるので、 iwm_tracker を正常に実行するには、 ユーザー iwm としてログオンしなければなりません。 トラッカー・ツールは DB2 Explain 表からのデータを使用して、レポートを作成します。

初めてトラッカーを実行する場合には、その前に以下のステップを実行しなければなりません。

  1. DB2 クエリー・パトローラーで、「会計状況 (Accounting Status)」システム・パラメーターを 「表に書き込む (Write to Table)」に設定する。 この操作は、 QueryAdministrator ツールの「システム管理 (System Administration)」ページを使用して行うことができます。 この作業は、ジョブを実行依頼する前に終わらせなければなりません。 トラッカー・ツールの情報は、 「会計状況 (Accounting Status)」システム・パラメーターが設定された後でなければ収集されません。
  2. iwm_tracker プログラムをいつ実行するか決定します。 照会のボリュームに合った時間枠を選択し、データベースの使用パターンを選択します。 データベースの負荷が小さい時間に iwm_tracker を実行するとよいでしょう。 少なくとも 1 回 iwm_tracker を実行して、 初めてトラッカー・ツールを実行する際にデータが使用可能になっていることを確認します。

トラッカー・レポート

このセクションでは、トラッカー・ツールを使用して表示できるさまざまなレポートについて説明します。

レポートに関する説明

トラッカー・ツールの実行時に生成される事前定義レポートには、以下の 4 つの基本タイプがあります。

「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポート

「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」では、定義された日付範囲内に、 データベースに対して実行依頼された照会によってアクセスされた表を識別します。 これは、各表にアクセスが行われた回数、および各表から戻された行の数を示します。 このタイプのレポートでは、頻繁にアクセスされている特定の表を知ることができ、 そのような表を、アクセス速度の速いデバイスに置くように配慮することができます。

表ヒットごとに、「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポートでは以下の情報が示されます。

以下に、「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポートの例を示します。 このレポートでは、表 IWM003_JOB_ACCT に対するヒット数、 およびその表から戻された行数を示しています。
「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポートの例

「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポート

「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポートは、 特定の表内の個々の列と、定義された日付範囲内に照会によって列がアクセスされた回数をリストします。 また、表内のすべての列へのヒット数に対する、 列当たりのヒット数のパーセント比率を表示することもできます。 このタイプのレポートでは、頻繁に照会される表の中の列が表示されます。 アクセスを最適化するために、頻繁にアクセスされる列のための索引を作成することもできます。

以下に、「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポートの例を示します。 このレポートでは、表 IWM003_JOB_ACCT 内の各列に対するヒット数が表示されます。




「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポート

「表 X にヒットしたユーザー (Users That Hit Table X)」レポート

「表 X にヒットしたユーザー (Users That Hit Table X)」レポートは、 特定の表にアクセスした個々のユーザーの ID と、 定義された日付範囲内にそのユーザーがその表にアクセスした回数をリストします。 またその表への、すべてのユーザーによるヒット数に対する、 特定のユーザーによるヒット数のパーセント比率を表示することもできます。 「表 X をヒットしたユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y Hitting Table X)」レポートを表示すれば、 任意の表への特定ユーザーのアクセスの詳細を調べることができます。

このタイプのレポートでは、特定の人によってリソースを頻繁に使用される傾向 (おそらく、 ユーザー制約をさらに厳しくする必要を示している) を知ることができます。

「表 X をヒットしたユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y Hitting Table X)」レポート

「表 X をヒットしたユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y Hitting Table X)」レポートは、 特定の表の列のうち特定のユーザーがアクセスしたものと、 定義された日付範囲内にそれらの列がアクセスされた回数をリストします。 また、特定のユーザーによるその表内のすべての列への合計ヒット数に対する、 そのユーザーによる個々の列へのアクセス回数のパーセント比率を表示することもできます。

以下に、「表 X でユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y in Table X)」レポートの例を示します。 このレポートでは、 表 IWM003_JOB_ACCT でユーザー IWM によってヒットされた列のリストが表示されます。 このレポートは、 それぞれの行ごとにユーザー IWM によってアクセスされた回数が表示されます。




「表 X でユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y in Table X)」レポート

「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポート

「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートは、 定義された開始日と終了日の間に完了したジョブをすべて表示します。 このタイプのレポートでは、 ジョブの傾向 (頻繁に使用される期間や応答時間が長い期間など) を知ることができます。 このタイプの情報により、需要の大きい期間にリソースの割り当てを変更したり、 データベースの作業負荷を軽減するために、 それほど重要ではないジョブのスケジュール変更が必要かどうか知ることができます。

このレポートでは、ジョブごとに以下の情報が示されます。

実行コスト、結果の行数、結果セットの宛先、 および SQL ステートメントなどの追加のジョブ詳細情報を表示するには、 リスト内の特定のジョブをダブルクリックして、 「ジョブの詳細情報 (Job Detail Information)」ウィンドウをオープンします。

以下に、「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートの例を示します。 このレポートでは、 2000 年 2 月 15 日の午後 1:00 〜 午後 6:00 に実行されたジョブの詳細が表示されます。




「ジョブ活動 (Job Activity)」レポートの例

トラッカーの使用法

このセクションでは、トラッカーの開始方法と停止方法、 およびトラッカーを使用してジョブ履歴データを表示する方法について説明します。

トラッカーの開始

トラッカー・ツールを開始するには、以下のステップをすべて実行します。

  1. Windows で、「IBM DB2」プログラム・グループから、 「DB2 クエリー・パトローラー (DB2 Query Patroller)」−> 「トラッカー (Tracker)」の順に選択していきます。 Windows または UNIX では、 DB2 またはシステム・コマンド・ウィンドウで以下のコマンドを入力できます。
      db2track
    

    「トラッカー・ログイン (Tracker Login)」ウィンドウがオープンします。

  2. ユーザー ID、パスワード、およびデータベース別名を入力して、 「OK」をクリックします。 トラッカー・レポート・ウィンドウがオープンします。
    注:ユーザー ID とパスワードは大文字小文字の区別があります。

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウ

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウは以下のようになっています。


「トラッカー (Tracker)」ウィンドウ

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウには主なエリアが 4 つあります。 ウィンドウの上部のメニュー・バーには、 トラッカー・ツールで実行するアクションのドロップダウン・メニューがあります。 メニュー・バーの下には、「時刻範囲 (Time Range)」設定エリアがあります。 このエリアでは、トラッカー・レポートの時刻範囲を設定することができます。 日時の範囲の変更に関する情報は、日時範囲の変更を参照してください。
注:「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのサイズを小さくすると、 上記の例のように、時刻範囲の最後の設定が表示されなくなります。 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのサイズを大きくすれば、これらの設定は表示されます。

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの残りの部分は 2 つのエリアに分かれています。 左側にあるナビゲーション・ツリーでは、表示するレポートを選択します。 画面の右側のエリアには、選択したレポートが表示されます。 トラッカー・レポートをオープンした時点では、 「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポートが表示されています。 他のレポートの表示については、トラッカー・レポート・ナビゲーターの使用を参照してください。

トラッカー・レポート・ナビゲーターの使用

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの左側のエリアには、 フォルダーおよびレポートのディレクトリー・ツリーが表示されます。 ディレクトリーの例を以下に示します。




トラッカー・ナビゲーター・エリア

ディレクトリー・ツリーの最上部のデータベース・アイコンは、 トラッカーの対象となる照会で使用されたデータベースを表しています。 このアイコンの下には、「表 (Tables)」というラベルが付けられているフォルダーと、 「ジョブ (Jobs)」というラベルが付けられているフォルダーがあります。 それらのフォルダーのどちらかを強調表示すると、そのフォルダー・アイコンがオープンし、 対応するレポートが「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの右側のレポート・エリアに表示されます。 そのディレクトリーの下位に従属するものがある場合、アイコンの隣に + 記号が付きます。 + をクリックすると、そのディレクトリーが展開されます。

「表 (Tables)」フォルダー・アイコンの隣の + をクリックすると、 指定した時刻範囲内にアクセスされたすべての表のリストが表示されます。 各表のアイコンをクリックすると、「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアに、 短いレポートが表示されます。 このレポートでは、その時刻範囲内でその表にヒットした回数、 およびすべての表へのヒット数に対する、 それらのヒット数の割合 (パーセンテージ) を表しています。

特定の表アイコンの隣の + をクリックすると、 その下に「列 (Columns)」と「ユーザー (Users)」という 2 つのフォルダーが表示されます。

表アイコンの下の「列 (Columns)」フォルダーをクリックすると、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアに、 「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポートが表示されます。 このタイプのレポートの詳細については、「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」レポートを参照してください。

表アイコンの下の「ユーザー (Users)」フォルダーをクリックすると、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアに、 「表 X にヒットしたユーザー (Users That Hit Table X)」レポートが表示されます。 このタイプのレポートの詳細については、「表 X にヒットしたユーザー (Users That Hit Table X)」レポートを参照してください。 「ユーザー (Users)」フォルダーの隣にある + をクリックすると、 そのディレクトリーが展開されます。 特定の表の「ユーザー (Users)」フォルダーの下には、 その表にアクセスしたユーザーごとのアイコンが表示されます。 ユーザー Y のアイコンをクリックすると、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアに、 「表 X でユーザー Y によってヒットされた列 (Columns Hit by User Y in Table X)」レポートが表示されます。

「ジョブ (Jobs)」フォルダーには従属項目がないので、 フォルダーの隣に + は付きません。 「ジョブ (Jobs)」フォルダーをクリックすると、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアに、 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートが表示されます。 このタイプのレポートの詳細については、「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートを参照してください。

レポート表示のカスタマイズ

トラッカー・アプリケーションでは、 さまざまな方法でレポートの表示をカスタマイズすることができます。 レポート内の項目の列によるソート、フィルターの適用によるレポートの効力範囲の限定、 および表示する列のサブセットの選択を行うことができます。 また、レポートを図表またはグラフとして表示することもできます。

「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある、 アイコンのメニューを使用すれば、レポートの表示をカスタマイズすることができます。 次の表では、それらのアイコンについて説明しています。



「ソート (Sort)」アイコン

「ソート (Sort)」。 このアイコンを使用すれば、さまざまな列を昇順または降順でソートできます。

「フィルター (Filter)」アイコン

「フィルター (Filter)」。 このアイコンを使用すれば、レポートにフィルターを適用し、 指定した基準を満たしたデータだけが表示されるようにすることができます。

「列のカスタマイズ (Customize Columns)」アイコン

「列のカスタマイズ (Customize Columns)」。 このアイコンを使用すると、レポートの選択した列だけを表示できます。

「検索 (Find)」アイコン

「検索 (Find)」。 このアイコンを使用すれば、レポート内の指定したストリングを検索できます。

「詳細の表示 (View Details)」アイコン

「詳細の表示 (View Details)」。 このアイコンを使用すれば、詳細な図表の形でレポートを表示することができます。

「グラフ表示 (Graph View)」アイコン

「グラフ表示 (Graph View)」。 このアイコンを使用すれば、グラフとしてレポートを表示することができます。

レポート・データのソート

図表の形で表示されているトラッカー・レポートをソートすることができます。 カスタマイズしたソートをレポートに対して行うには、以下のステップを実行します。

  1. 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある、 「ソート (Sort)」アイコンをクリックします。 「ソート (Sort)」ダイアログ・ウィンドウが表示されます。
  2. このウィンドウの「使用可能な列 (Available columns)」エリアから、 ソート手段となる列 (複数も可) を選択します。 選択した列が強調表示されます。
  3. 「>」ボタンをクリックして、選択した列を、 「ソート (Sort)」ダイアログ・ウィンドウの「列のソート (Sort columns)」エリアに移動させます。 列のリスト全体を「列のソート (Sort columns)」エリアに移動させる場合、 「>>」ボタンをクリックします。
  4. デフォルトでは、ソート順序は昇順です。 降順で列をソートする場合、「列のソート (Sort columns)」エリアに任意の列を選択し、 「降順 (Descending)」ラジオ・ボタンをクリックします。 「列のソート (Sort columns)」エリア内の列の左側にある矢印は、 その列のソート順序が昇順か降順かを示しています。 昇順の場合は上向きの矢印で、降順の場合は下向きの矢印で示されています。
  5. レポートのソートは、 まず「列のソート (Sort columns)」リスト内の最初の項目を基準にして行われ、 次に 2 番目の項目を基準にするといった方法で、それ以降も行われていきます。 このリスト内の列の順序を変更する場合、 「上へ移動 (Move Up)」および 「下へ移動 (Move Down)」ボタンを使用します。 リスト内で項目を上へ移動させる場合、その項目を選択して、 「上へ移動 (Move Up)」ボタンをクリックします。 リスト内でその項目が 1 つ上に移動します。
  6. ソートに関する設定の選択が終了したら、 「OK」をクリックします。 「ソート (Sort)」ダイアログ・ウィンドウがクローズし、 指定した順序でレポートが「トラッカー (Tracker)」ウィンドウ内に表示されます。

レポートへのフィルターの適用

トラッカー・ツールが作成したレポートの内容にフィルターを適用して、 それらのレポートをカスタマイズすることができます。 フィルターをレポートに適用するには、以下のステップを実行します。

  1. 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある、 「フィルター (Filter)」アイコンをクリックします。 すべての列のリストが表示されている、「フィルター (Filter)」ウィンドウがオープンします。
  2. フィルターを適用する列に関して、フィルターに使用する値、 およびその値に適用する演算子を指定します。 「比較 (Comparison)」列に使用できる演算子は、 In、Not in、Equal to、および Not equal です。 複数の値を指定する場合、それぞれの値の間をスペースで区切ってください。
  3. 全ターゲット列へのすべてのフィルターの設定を終了したら、 「OK」をクリックします。

レポート内の列のカスタマイズ

レポート内に表示される列を選択し、表示される順序を指定することにより、 トラッカー・ツールが作成したレポートをカスタマイズすることができます。 列をカスタマイズするには、以下のステップを実行します。

  1. 「列のカスタマイズ (Customize Columns)」アイコンをクリックします。 「列のカスタマイズ (Customize Columns)」ウィンドウがオープンします。
  2. 表示する列を「使用可能な列 (Available columns)」エリアから選択します。 「>」ボタンをクリックして、選択した列を、 「表示される列 (Displayed columns)」エリアに移動させます。 列のリスト全体を「表示される列 (Displayed columns)」エリアに移動させる場合、 「>>」ボタンをクリックします。
  3. 「表示される列 (Displayed columns)」エリア内の列は、 レポート内で表示されている順序でリストされます。 列の順序を変更する場合、「表示される列 (Displayed columns)」エリア内でその列を選択します。 「上へ移動 (Move Up)」または 「下へ移動 (Move Down)」ボタンをクリックして、 列を適当な場所に移動させます。
  4. 列の選択および順序の設定が終了したら、 「OK」をクリックします。 選択した列が、指定した順序でレポート内に表示されます。

レポート内のストリングの検索

レポート内のストリングを検索するには、以下のステップを実行します。

  1. 「検索 (Find)」アイコンをクリックします。 「検索 (Find)」ウィンドウが表示されます。
  2. 検索するテキストを、「検索ストリング (Find string)」フィールドに入力します。
  3. 検索を大文字小文字を区別して行う場合、 「大文字小文字の区別 (Case sensitive)」チェック・ボックスをクリックします。
  4. 「OK」をクリックします。 指定したストリングがレポート内にあれば、ストリングが最初に見つかった列が強調表示されます。

図表形式でのレポートの表示

レポートを図表形式で表示する場合、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある、 「詳細の表示 (View Details)」アイコンをクリックします。 また、ウィンドウの上部のメニュー・バーを使用して、 「表示 (View)」−> 「詳細 (By Details)」の順に選択していくこともできます。 レポートが、行項目および列のセットとして表示されます。

この形式の場合、列のタイトル域をクリックすれば、 列のソート順序を昇順から降順に変更することができます。 列のタイトルを 1 度クリックすれば、データはその列を基準にして昇順にソートされます。 列のタイトルの横に、上向きの矢印が表示されます。

2 回目のクリックで、データはその列を基準にして降順にソートされます。 列のタイトルの横に、下向きの矢印が表示されます。 3 回目のクリックで、順序はデフォルトの順序に戻ります。

グラフ形式でのレポートの表示

レポートをグラフ形式で表示する場合、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある、 「グラフの表示 (View Graph)」アイコンをクリックします。 また、ウィンドウの上部のメニュー・バーを使用して、 「表示 (View)」−> 「グラフ (By Graph)」の順に選択していくこともできます。 すべてのレポート (「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートを除く) が棒グラフの形で表示されます。 このタイプのレポートのグラフ形式については、ジョブ履歴データの表示で説明されています。

以下に、グラフ形式のレポートの例を示します。


列レポートのグラフ表示

グラフのレポートは、特定の表、列、またはユーザーに関して記録されているヒットの、 同じ区分内の他のヒットに対する割合を表しています。 たとえば、「表 X 内の列のヒット数 (Columns Hit in Table X)」のグラフ・レポートは、 表 X 内の各行が受け取ったヒットの相対的な割合を示しています。 各行の列名、ヒット数、およびヒット全体に対するパーセンテージが表示されます。 各バーの長さは、表内のすべての列へのヒットに対する、その列へのヒットの割合を表しています。

表内で表されているデータのタイプが 2 つある場合、 どちらの形のデータがグラフ形式のレポートで表されるかを選択できます。 たとえば、「表ヒットの合計数 (Total Table Hits)」レポートには、 各表へのヒットの数およびパーセンテージと、 各表から戻された行の数およびパーセンテージの両方が含まれています。 このレポートをグラフ形式で表示する場合、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウのレポート・エリアの下部にある 「グラフの表示 (View Graph)」 アイコンの隣に、 ドロップダウン・メニューが表示されます。 このメニューを使用して、ヒット数のデータか、 グラフ形式で戻される行数のどちらを表示するか選択できます。

グラフ形式でレポートを表示する場合、 図表形式でレポートを表示する場合に実行できるのと同じカスタマイズを実行することはできません。 ソート、データへのフィルターの適用、または列のカスタマイズは行えません。 これらのカスタマイズのいずれかを図表形式で実行してから、 レポートの表示をグラフ形式に切り替えた場合、これらのカスタマイズは適用されなくなります。 レポートの表示を図表形式に戻すと、カスタマイズが再度適用されます。

検索機能が使用できるのは、レポートを図表で表示している場合だけです。

レポートがグラフ形式で表示されている場合、 「ソート (Sort)」「フィルター (Filter)」「列のカスタマイズ (Customize Columns)」、 および「検索 (Find)」アイコンは非アクティブになります。

ジョブ履歴データの表示

トラッカーを使用するとジョブ履歴データを表示できるので、 多用される表や列に応じてデータベースを調整できます。 トラッカーで使用できる個々のレポートに関する説明は、トラッカー・レポートを参照してください。

「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートを使用すると、 ジョブ活動データを、詳細な図表形式か、読みやすいグラフの形式のいずれかで表示できます。 このタイプのレポートを詳細な図表形式で表示する場合、 レポート表示のカスタマイズで説明されているように、レポートの表示をカスタマイズすることができます。

以下に、 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートのグラフ表示の例を示します。


ジョブ活動のグラフ

指定した時刻範囲内にスケジュールされ、完了した個別のジョブが、 格子状のエリアにプロットされます。 この格子状のエリアは、グラフのさらに大きい部分の一部を構成しています。 格子内の各行は、ジョブを表しています。 時刻範囲内にスケジュールされたジョブのすべてを表示するために、 スクロール・バー・コントロールを使用して、 格子状のエリアの右端までスクロールダウンしなければならない場合があります。 行に関連付けられているジョブ ID は、吹き出しヘルプで表示されます。

実行コスト、結果の行数、結果セットの宛先、 および SQL ステートメントなどの追加のジョブ詳細情報を表示するには、 特定のジョブの行をダブルクリックして、 「ジョブの詳細情報 (Job Detail Information)」ウィンドウをオープンします。

格子は、左から右へ経過していく時間を表しています。 時間間隔は、格子の下部にそって表示されています。 スケジュールされている各ジョブの時間は、 そのジョブに関連付けられている行の中のバーによって表されています。 バーの位置とサイズから、ジョブがスケジュールされたときと、 完了までにかかった時間を知ることができます。 たとえば、2 月 15 日 の午後 3:00 に始まって、同じ日の午後 4:00 に完了したジョブは、 時間を表す線の 3:00 から 4:00 の間のスペースにまたがるバーで表されます。

ジョブを表すバーに、透明な部分と塗りつぶされている部分が存在する場合があります。 透明な部分は、ジョブがスケジュールされた時点から実際に実行されるまでの時間を表しています。 塗りつぶされている部分は、照会が実際に実行されている時間を表しています。

格子の下の棒状の部分にある陰影が付けられる区分は、格子での時間間隔に対応しています。 区分での陰影の相対的な濃度は、その時間間隔での活動の相対的なレベルを表しています。 陰影が濃くなると、その間隔にスケジュールされたジョブの数が多くなっていることを示しています。 陰影は相対的な目安を示しています。 ジョブが最も多い部分に関連付けられている間隔は、陰影が最も濃くなっています。 棒状の部分の中の特定の区分にカーソルを移動させれば、 その間隔内でスケジュールされたジョブの数を表示することができます。

ジョブ活動グラフでのズームインおよびズームアウト

「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートを初めてオープンし、 グラフ形式で表示した場合、グラフには、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの上部で指定した日付範囲全体が表示されます。 これにより、グラフ上に表示される時間間隔のサイズを判別することができます。 たとえば、指定した日付範囲が 10 日に及ぶ場合、 グラフの下部に表示される時間間隔は 1 日です。 グラフの右側にある拡大鏡アイコンを使用して、 時間間隔のサイズの増減を行うことにより、グラフの縮尺を変更できます。 また、アプリケーション・ウィンドウの上部にあるメニューで、 「表示 (View)」の下にある 「ズームイン (Zoom In)」および 「ズームアウト (Zoom Out)」項目を使用することもできます。

より短い時間枠でのジョブの活動に関する、さらに詳細なグラフを表示するには、 + 記号が付いている拡大鏡アイコンをクリックするか、 時間間隔およびグラフの下部にある棒状のジョブ活動レベルをダブルクリックして、 ズームインを行うことができます。 これにより、グラフ上の時間間隔のサイズが減少し、 ジョブ活動の分散状況に関するさらに詳細な情報が提供されます。 アイコンを繰り返しクリックして、時間間隔のサイズを減少させていくことができます。 また、ウィンドウの上部のメニュー・バーを使用して、レポートに対してズームインを行うには、 「表示 (View)」−> 「ズームイン (Zoom In)」の順に選択していきます。 時間間隔の区分または陰影の付いたジョブ活動集中区分をダブルクリックすることによって、 ズームインすることもできます。

ズームインすると、レポートに表示される日数が少なくなります。 ズームインを行っていくにつれて、ジョブの分散状況の表示スペースが広げられるため、 その時間枠でのすべてのジョブ活動を表示するために、 グラフの下部の水平スクロール・バーを使用しなければならない場合があります。

グラフの時間間隔を時間で表示する場合、グラフの下部には日付は表示されなくなります。 グラフの特定の視点で示されている日付を参照するには、 目的の時間間隔にカーソルを移動してください。 示されている日付が表示されます。

特定のレポートに対してズームインを行うにつれて、 グラフで示されている時間枠のサイズは減少します。 ただし、レポート全体の日付範囲は、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの上部で示されている範囲から変更されません。

レポートにズームインを行っていくうちに表示されなくなった時間枠を表示するには、 そのレポートの日付範囲を調整して、レポートの効力範囲を狭めます。 たとえば、特定の日の間のジョブ活動を表示する場合、 日付範囲を変更 (日時範囲の変更を参照) して、その日に焦点を合わせます。

ズームアウトを行うには、- 記号が付いている拡大鏡アイコンをクリックします。 また、ウィンドウの上部のメニュー・バーを使用して、レポートに対してズームアウトを行うには、 「表示 (View)」−> 「ズームアウト (Zoom Out)」の順に選択していきます。

日時範囲の変更

トラッカー・セッション全体に有効な日付範囲があります。 つまり、このセッション中にオープンした新しい各レポートは、 指定された同じ日付範囲を使用します。 したがって、あるレポートの日付範囲を変更すると、 そのセッション内で次にオープンするレポートの日付範囲はリセットされます。

トラッカー・ツールをオープンすると、 デフォルトの日付範囲は 1 か月 (セッション開始の 1 か月前から始まり、 トラッカー・セッション開始の日時で終了する) に設定されます。 アプリケーションのオープン時に表示されるレポートは、 このデフォルトの時刻範囲を反映しています。 別の時刻範囲を扱うレポートのセットを生成するには、以下の方法で時刻範囲を変更します。

「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートの時刻範囲を変更すると、 データが表示されるスケールも変わることがあります。 たとえば、日付範囲が 30 日未満の場合は、 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートに表示される日付が増分されます。 日付範囲が 1 年より大きい場合は、 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートに表示される年度が増分されます。 日付範囲が 24 時間以下の場合は、 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートに表示される時が増分されます。 「時系列のジョブ活動 (Job Activity over Time)」レポートの表示機能については、 ジョブ履歴データの表示を参照してください。

日付範囲の設定

セッションの日付範囲を変更する方法は 2 つあります。 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの上部にある日付フィールドに、 MM/DD/YYYY の形式で既存の日付を上書きするか、 あるいはドロップダウン・カレンダー・ツールを使用します。 このツールを使用するには、以下のステップを実行します。

  1. 日付フィールドの隣にあるドロップダウンの矢印をクリックします。 カレンダーが表示されます。 現在設定されている月が表示されます。 その月の中で、現在指定されている日付が強調表示されます。
  2. 表示されている月の中の日付を選択するには、その日付をクリックします。 カレンダーが消えます。
  3. 次の月の日付を選択するには、 「>>」ボタンをクリックして、次の月に進みます。 前の月の日付を選択するには、 「<<」ボタンをクリックして、前の月を表示します。
  4. 目的の日付をクリックして、その月の中の日付を選択します。
  5. トラッカー・セッションの日時範囲の設定が終了したら、 「時刻範囲 (Time Range)」画面の左側にある最新表示アイコンをクリックして、 画面を最新表示します。
    注:新しいデータを表示できるようにするには、 iwm_tracker (トラッカーのバックエンド・プロセス) を実行して、 前回の実行以後に生じたジョブ会計データを分析しておく必要があります。

時刻範囲の設定

トラッカー・セッションの時刻境界を設定するには、 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの上部にある時刻フィールドで既存の時刻を上書きするか、 あるいはそのフィールドの隣にある上向きの矢印と下向きの矢印を以下の方法で使用します。

  1. 「トラッカー (Tracker)」ウィンドウの上部にある時刻フィールドで、時間を強調表示します。 時刻フィールドの右側にある上向きの矢印と下向きの矢印を使用して、目的の時間を設定します。

    注:時刻は 24 時間刻時で設定します。 つまり、午後 1:00 は 13:00 になります。

  2. 時刻表示フィールドの分の部分をクリックします。 時刻フィールドの右側にある上向きの矢印と下向きの矢印を使用して、目的の分を設定します。
  3. 時刻表示フィールドの秒の部分をクリックします。 フィールドの右側にある上向きの矢印と下向きの矢印を使用して、目的の秒を設定します。
  4. トラッカー・セッションの日時範囲の設定が終了したら、 「時刻範囲 (Time Range)」画面の左側にある最新表示アイコンをクリックして、 画面を最新表示します。

    注:新しいデータを表示できるようにするには、 iwm_tracker (トラッカーのバックエンド・プロセス) を実行して、 前回の実行以後に生じたジョブ会計データを分析しておく必要があります。

トラッカーの終了

トラッカーを終了するには、「ファイル (File)」−> 「終了 (Exit)」の順にクリックしていくか、 またはアプリケーション・ウィンドウの右上隅にある、 「クローズ (Close)」ボタンをクリックします。


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