IBM DB2 クエリー・パトローラー 管理の手引き

制御コマンド (iwm_cmd)

制御コマンド (iwm_cmd) を使用すると、 システム管理者は、オペレーティング・システム・シェルから DB2 クエリー・パトローラーをモニターおよび制御できます。 また、エンド・ユーザーが各自のジョブをモニターすることもできます。

特に、以下の場合にシステム管理者およびエンド・ユーザーは iwm_cmd を使用できます。

共通 iwm_cmd パラメーター

iwm_cmd のそれぞれの機能には、異なる構文があります。 次の表では、すべての機能に共通なパラメーターについて説明します。 これに続いて、 各 iwm_cmd 機能の構文図およびパラメーターの説明があります。


表 2. iwm_cmd 共通パラメーターの説明
パラメーター 説明
-u user_id

ユーザー識別。 このパラメーターは、ジョブがモニターまたは制御されるユーザーの DB2 クエリー・パトローラー・ユーザー ID か、 あるいは DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者の ID (iwm) のいずれかを提供します。

デフォルトでは、DB2 クエリー・パトローラーは現在のシステム・ユーザー ID を使用します。

-p password ユーザー・パスワード。 ユーザーが -u パラメーターを提供し、現在のユーザーが DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者でない場合には、 パスワード・パラメーターも指定しなければなりません。 パスワードは、ユーザーのデータベース・パスワードでなければなりません。

ジョブのモニター

iwm_cmd をユーザーが使用すると、 自分のジョブをモニターすることができ、システム管理者が使用すると、 すべての未完了のジョブの状況をモニターすることができます。 DB2 クエリー・パトローラーは、インターフェースを提供して、 iwm_cmd を起動するプログラムが、 それぞれのジョブについての情報を処理しやすいようにします。 ユーザーがパラメーターを付けずに iwm_cmd を起動すると、 そのユーザーのすべてのジョブが表示されます。

構文:

>>-iwm_cmd----+------------------------------+------------------>
              '--u--user--+---------------+--'
                          '--p--password--'
 
>-----+-------------+---+---------------+---+---------+--------><
      +--s--status--+   '--x--max_jobs--'   '-fields--'
      +--S--status--+
      '--j--job_id--'
 


表 3. ジョブのモニターのための iwm_cmd パラメーター
パラメーター 説明
-s status

ユーザー・ジョブ状況。 このパラメーターは、指定される状況のユーザーに属するジョブを表示するように指定します。 状況は、以下のいずれかでなければなりません。

  • Q - Queued (待ち行列)
  • S - Scheduled (スケジュール済み)
  • H - Held (保留)
  • R - Running (実行中)
  • U - Unfinished (未完了)
  • D - Done (終了)
  • A - Aborted (打ち切り)
  • C - Canceled (取り消し)
  • F - Finished (完了)

先頭の文字のみ有効です。 これは、大文字または小文字のいずれでも指定できます。 unfinished 状況には、queued、scheduled、held、または running のジョブが含まれます。 finished 状況には、done、aborted、または canceled のジョブが含まれます。

-S status

未完了のジョブ状況。 このパラメーターは、指定された状況のすべての DB2 クエリー・パトローラー・ジョブが表示されるように指定します。 状況は、以下のいずれかでなければなりません。

  • Q - Queued (待ち行列)
  • S - Scheduled (スケジュール済み)
  • H - Held (保留)
  • R - Running (実行中)
  • U - Unfinished (未完了)

先頭の文字のみ有効です。 これは、大文字または小文字のいずれでも指定できます。 unfinished 状況には、queued、 scheduled、held、または running のジョブが含まれます。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者しか使用できません。

-j job_id ジョブ ID。 このパラメーターは、要求されたジョブのみ表示されるようにします。 DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者以外の人がこのパラメーターを使用する場合には、 ユーザーは、そのジョブの所有者でなければなりません。
-x max_jobs 最大ジョブ・カウント。 このパラメーターは、リストされるジョブの最大数を指定します。 このパラメーターを指定しない場合には、最大 100 個のジョブが表示されます。 max_jobs の値が 0 の場合には、無制限になります。
fields ジョブ・フィールド。 ジョブ・フィールドは 2 つあります。JobStatus です。 これらのフィールドは、一緒に合わせても、別々に入力することもできます。 このパラメーターは、大文字と小文字を区別します。 フィールド・パラメーターを指定すると、ジョブは読み取りやすい形式では表示されません。 代わりに、フィールドの値は、他のプログラムが簡単に処理できる形式で、 STDOUT に書き込まれます。 水平タブ文字は、それぞれのフィールドを、次のフィールドと分離します。 改行文字は、それぞれのジョブのフィールドを、次のジョブのフィールドと分離します。

ジョブの制御

iwm_cmd を使用すると、 ユーザーがジョブを取り消すことができます。 また、システム管理者は、これを使用してジョブを取り消したり保留解除したりできます。

構文:

>>-iwm_cmd----+------------------------------+------------------>
              '--u--user--+---------------+--'
                          '--p--password--'
 
>-----+--c--job_id------+--------------------------------------><
      +--r--+-job_id--+-+
      |     '-user_id-' |
      '--R--------------'
 


表 4. ジョブを制御する iwm_cmd パラメーター
パラメーター 説明
-c job_id ジョブを取り消します。 このパラメーターは、指定したジョブが取り消されるように指定します。 ジョブを取り消すためにそれが完了済みである必要はありません。 ユーザーが DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者でない場合には、 ジョブはこのユーザーが所有していなければなりません。
-r job_id ジョブを保留解除します。 このパラメーターは、指定したジョブが保留解除されるように指定します。 ジョブは現在、保留状況でなければなりません。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者しか使用できません。
-r user_id このユーザーについてすべてのジョブを保留解除します。 このパラメーターは、 現在このユーザーが所有している保留状態のジョブすべてを保留解除するように指定します。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者しか使用できません。
-R すべてのジョブを保留解除します。 このパラメーターは、すべての保留のジョブを保留解除するように指定します。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者しか使用できません。

ノードのモニターおよび制御

iwm_cmd を使用すると、 DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者は、エージェント・ノードの状況と活動を、 モニターおよび制御することができます。

構文:

>>-iwm_cmd----+------------------------------+------------------>
              '--u--user--+---------------+--'
                          '--p--password--'
 
>-----+--n--node_id--+---+-------------+-----------------------><
      '--N-----------'   '--s--status--'
 


表 5. ノードをモニターおよび制御する iwm_cmd パラメーター
パラメーター 説明
-n node_id ノード識別子。 このパラメーターは、指定されたノードの状況を表示または変更するように指定します。
-N すべてのノード。 このパラメーターは、すべてのエージェント・ノードの状況を表示または変更するように指定します。
-s status

ノード状況。 このパラメーターは、ノードの状況を変更するように指定し、 新しく要求された状況を提供します。 状況は、以下のリストのいずれかでなければなりません。 先頭の文字のみ有効です。 これは、大文字または小文字のいずれでも指定できます。

  • Active (活動状態)。 サーバー構成要素は、新しいジョブをノードで実行できるようにスケジュールすることができます。
  • Quiesced (静止)。 すでにノード上で実行するようにスケジュールされているジョブは実行を継続しますが、 さらにスケジュールされることはありません。
  • Inactive (非活動状態)。 すでにノード上で実行するようにスケジュールされているジョブは実行を継続しますが、 さらにこのノードでスケジュールされることはありません。 以前にスケジュールされているすべてのジョブが完了すると、 ノード上で実行しているノード・マネージャー・プロセスは終了します。
  • Force (強制終了)。 ノード上ですでに実行しているジョブの完了を待つことなく、 ノード上で実行しているノード・マネージャー・プロセスは、即時に終了します。
    注:iwm_cmd を使用してノード・マネージャー・プロセスを終了した場合、 ノード・マネージャー・プロセスを再びオンにするためには、 サーバーまたはエージェントの構成要素を停止して再び開始しなければなりません。

データ・ソースのリストおよび制御

iwm_cmd を使用すると、 DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者は、1 つまたはすべてのデータ・ソースについて、 データ・ソース・パラメーターをリストおよび変更することができます。

構文:

>>-iwm_cmd----+---------------------------------+--------------->
              '--u--user_id--+---------------+--'
                             '--p--password--'
 
>-----+-| data_source options |-+------------------------------><
      '--D----------------------'
 
data_source options
 
|----d--data_source----+------------------+--------------------->
                       '-Status=--status--'
 
>-----+-----------------------+---+------------------------+---->
      '-JobCostLimit=--value--'   '-JobCountLimit=--value--'
 
>-----+-----------------------+---+------------------------+----|
      '-NodeCpuLimit=--value--'   '-NodeDiskLimit=--value--'
 


表 6. データ・ソースをリストおよび制御する iwm_cmd パラメーター
パラメーター 説明
-d data_source データ・ソース名。 このパラメーターは、リストまたは変更されるデータ・ソースの名前を指定します。 現行のリリースでは、有効な値は IWM です。
Status=status

データ・ソースの状況。 このパラメーターは、データ・ソースの状況の変更を指定し、新しい状況を提供します。 状況は、以下のいずれかでなければなりません。

  • Active (活動状態)。 ジョブは、通常どおりスケジュールされます。
  • Hold (保留)。 すべての着信ジョブは保留になります。 ただし、すでに待ち行列に入っているジョブは継続できます。
  • Inactive (非活動状態)。 新しいジョブを実行依頼する要求はすべて拒否されます。
  • ReleaseAll (すべて保留解除)。 保留状況のデータ・ソースにあるジョブはすべて保留解除され、 データ・ソースの状況は活動状態に設定されます。
  • HoldAll (すべて保留)。 データ・ソースにある、まだ実行されていないすべてのジョブが保留になります。 データ・ソースの状況は、保留にされます。

JobCostLimt=value ジョブ・コスト限界を変更します。 このパラメーターは、 このデータ・ソースについて実行中のジョブの見積コストの合計の限界を変更するように指定します。 新しい値は、ゼロ以上でなければなりません。
JobCountLimt=value ジョブ・カウント限界を変更します。 このパラメーターは、 このデータ・ソースについて実行中のジョブの合計数の限界を変更するように指定します。 新しい値は、ゼロ以上でなければなりません。 ゼロの場合は、新しいジョブのスケジュールは使用不可になります。
NodeCpuLimt=value ノード CPU 限界を変更します。 このパラメーターは、このデータ・ソースに対してスケジュールする新しいジョブについて、 ノードあたりの CPU 使用率の最大値を変更するように指定します。 新しい値は、0 と 100 の間でなければなりません。 CPU 使用率が収集されていない場合には、このパラメーターの値は無視されます。
NodeDiskLimit=value ノード・ディスク・スペース限界を変更します。 このパラメーターは、このデータ・ソースに対してスケジュールする新しいジョブについて、 ノードあたりのディスク・スペースの最小値を変更するように指定します。 この値はバイト単位であり、ゼロ以上でなければなりません。 ディスク・スペース使用率が収集されていない場合には、このパラメーターの値は無視されます。
-D データ・ソースをリストします。 このパラメーターは、すべてのデータ・ソースについての要約情報を表示することを指定します。

システム・パラメーターのリストおよび制御

iwm_cmd を使用すると、DB2 クエリー・パトローラー・システム管理者は、 システム・パラメーターをリストおよび変更することができます。

構文:

>>-iwm_cmd----+------------------------------+----P------------->
              '--u--user--+---------------+--'
                          '--p--password--'
 
>-----+-----------------------+---+------------------------+---->
      '-JobCostLimit=--value--'   '-JobCountLimit=--value--'
 
>-----+-----------------------+---+---------------------------+->
      '-JobPurgeDays=--value--'   '-ResultsPurgeDays=--value--'
 
>-----+----------------------------+---------------------------><
      '-AccountingStatus=--status--'
 


表 7. システム・パラメーターをリストおよび制御する iwm_cmd パラメーター
パラメーター 説明
-P システム・パラメーター。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラー・システム・パラメーターの値を表示または変更することを指定します。
JobCostLimit=value ジョブ・コスト限界を変更します。 このパラメーターは、実行中のジョブの見積コストの合計の限界を変更することを指定します。 新しい値は、ゼロ以上でなければなりません。
JobCountLimit=value ジョブ・カウント限界を変更します。 このパラメーターは、実行中のジョブの合計数の限界を変更することを指定します。 新しい値は、ゼロ以上でなければなりません。 ゼロの場合は、新しいジョブのスケジュールは使用不可になります。
JobPurgeDays=value ジョブ情報の除去を変更します。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラーの除去経過日数を変更することを指定します。 新しい値は、0 と 999 の間でなければなりません。 ゼロの場合には、ジョブ情報の自動削除は使用不可になります。 ゼロでない場合には、JobPurgeDays の値は、ResultsPurgeDays の値と同じか、 それより大きくなければなりません。
ResultsPurgeDays=value 結果表の除去を変更します。 このパラメーターは、結果表の除去経過日数を変更することを指定します。 新しい値は、0 と 999 の間でなければなりません。 ゼロの場合には、結果表情報の自動削除は使用不可になります。 JobPurgeDays の値がゼロでない場合には、 ResultsPurgeDays の値と同じか、それより大きくなければなりません。
AccountingStatus=status ジョブ会計状況を変更します。 このパラメーターは、DB2 クエリー・パトローラーのジョブ会計機能の状況を変更することを指定します。 状況は、active (活動状態) か inactive (非活動状態) のいずれかです。 active の場合には、DB2 クエリー・パトローラーは、それぞれのジョブの完了、打ち切り、または取り消しのたびに、 ジョブ会計テーブルに行を挿入します。


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]