情報カタログ・マネージャー 管理の手引き

独自のオブジェクトを作成する

オブジェクト・タイプを作成するとき、まず、必要なオブジェクト・タイプごとにプロトタイプを作成してください。それから、1 つか 2 つサンプル・オブジェクトを作成します (オブジェクトについての情報は 第 3 章, カタログへの情報の移植を参照してください)。オブジェクトが記述ビューに表示される状態、特に特性がリストされる順序をチェックしてください。それぞれの特性に異なるデータを入力して、正しいデータ・タイプとサイズになっていることを確認してください。指定した特性が作業グループのニーズに合っていることを確認するために、データベース管理者や一部のユーザーに相談するのもよいでしょう。

プロトタイプに満足しなければ、プロトタイプとサンプル・オブジェクトを削除して、簡単にやり直すことができます。オブジェクト・タイプを作成してから、その特性を変更したり削除するには、このオブジェクト・タイプとこれに属するすべてのオブジェクト を削除してから、異なる特性を持つ新しいオブジェクト・タイプを作成するしかありません。

さらに、オブジェクト・タイプがいくつ必要になるかを考慮しなければなりません。情報カタログ・マネージャーでは、情報カタログ内に作成できるオブジェクト・タイプの数は 999 999 までで、各タイプごとに作成できるオブジェクトの数は 99 999 999 までです。この制限には、すでに削除したものも含め、いままでに作成したすべてのオブジェクト・タイプが含まれます。

情報カタログ・マネージャー・ウィンドウまたはタグ言語を使って、オブジェクト・タイプを作成できます。

情報カタログ・マネージャー (Web 版) のオブジェクト・タイプの作成に関する注意事項

情報カタログ・マネージャー内に新しいオブジェクト・タイプを作成する際には、オブジェクト・タイプに固有のアイコンを関連付けることができます。情報カタログ・マネージャー (Web 版) の場合、以下の要件を使用して、それぞれの新規オブジェクト・タイプ・アイコンを作成してください。

Web サーバー上の \ICONS ディレクトリーに、新しい .gif ファイルを入れるようにしてください。

情報カタログ・マネージャー・ウィンドウを使って、オブジェクトを作成する方法

「情報カタログ (Information Catalog)」ウィンドウから開始します。

  1. 「オブジェクト・タイプ (Object types)」アイコンで、右マウス・ボタンをクリックする。
  2. 「オープン形式 (Open as) --> アイコン・リスト (Icon list)」をクリックする。
  3. 「新規オブジェクト・タイプ (New Object Type)」アイコンでマウスの右ボタンをクリックする。
  4. 「オープン (Open)」をクリックする。

    「オブジェクト・タイプの作成 (Create Object Type)」ウィンドウがオープンします。




    「オブジェクト・タイプの作成 (Create Object Type)」ウィンドウで 「所得税の還付 (Income Tax Return)」という Elementalオブジェクト・タイプを作成する。

  5. 下矢印をクリックして、情報カタログ・マネージャー区分のリストを表示し、その中から 1 つ選択する。
  6. 「オブジェクト・タイプ名 (Object type name)」フィールドに新規オブジェクト・タイプ用の固有な外部名を入力する。

    オブジェクト・タイプ名の規則は次のとおりです。

  7. 「短縮名 (Short name)」フィールドに、新規オブジェクト・タイプ用の固有の短縮名を入力する。

    短縮名の規則は次のとおりです。

  8. (任意選択) オブジェクト・タイプ・アイコンを識別する。選択済み区分用のデフォルトの Windows アイコンが 「Windows アイコン (Windows icon)」フィールドに表示されます。オブジェクト・タイプを示す異なるアイコンを識別する方法は次のとおりです。
  9. オブジェクト・タイプの特性をすべて定義する (詳細情報についてはオブジェクト・タイプの特性の定義を参照)。

    クリック:
    対象:

    追加
    追加特性の定義

    変更
    オブジェクト・タイプ作成前に特性を変更する

    除去
    オブジェクト・タイプを作成する前に特性を除去する

    特性を選択し、「除去 (Remove)」を選択する。

  10. 「UUI の定義 (Define UUI)」をクリックして、オブジェクト・タイプの汎用固有 ID (UUI) を構成する最高 5 つの特性を選択する (詳細情報については オブジェクト・タイプへの汎用固有 ID の定義を参照)。
  11. 「作成 (Create)」をクリックして、データベースに変更内容を保管する。

    変更した内容は、「オブジェクト・タイプ (Object Types)」ウィンドウには表示されますが、他のウィンドウには、一度クローズして、再びオープンするまで表示されません。

    オブジェクト・タイプを作成しないで、ウィンドウをクローズするには、 「キャンセル (Cancel)」をクリックします。

オブジェクト・タイプの特性の定義

各オブジェクト・タイプには、最高 255 の特性を持つことができます。特性を定義する順番で、特性を見ることになります。オブジェクト・タイプを作成してから特性の変更や再編成をすることはできません。

情報カタログ・マネージャーは、すべての情報カタログ・マネージャー・オブジェクト・タイプに共通の 5 つの特性を定義しています。これら 5 つの特性は表 10 にまとめられています。

表 10. 情報カタログ・マネージャー・オブジェクト・タイプ共通特性
特性の外部名 プロパティー短縮名 定義
オブジェクト・タイプ識別子 OBJTYPID1 情報カタログ・マネージャーは、ローカル 情報カタログの有効範囲内のオブジェクトのオブジェクト・タイプを固有に識別するこの値を生成します。
インスタンス識別子 INSTIDNT1 情報カタログ・マネージャーは、ローカル 情報カタログの有効範囲内のオブジェクトを固有に識別するこの値を生成します。
名前 NAME オブジェクトの名前を指定します。ユーザーが容易に認識でき、理解できる名前を選びます。
最終変更日付および時刻 UPDATIME1 情報カタログ・マネージャーは、オブジェクトが最後に変更された日付と時刻を示すこの値を生成します。
最終変更者 UPDATEBY1 情報カタログ・マネージャーは、最終変更日付および時刻特性を最後に更新した情報カタログ・マネージャー・セッションのユーザー ID を示すこの値を生成します。
注:
  1. 情報カタログ・マネージャーのノートブックの設定の 「システム生成特性を隠す (Hide system generated properties)」 チェック・ボックスを選択すると、オブジェクトの記述にこの特性は現れなくなります。

追加特性の定義手順:

  1. 「特性 (Properties)」リストの隣の 「追加 (Add)」ボタンを選択する。「特性の追加 (Add Property)」ウィンドウがオープンされます。




    「特性の追加 (Add Property)」ウィンドウで、 所得税の戻りオブジェクト・タイプに

    このウィンドウを使って特性を定義します。

  2. 「特性名 (Property name)」フィールドで、特性の名前を入力する。

    特性名の規則は次のとおりです。

  3. 「短縮名 (Short name)」フィールドで、固有のプロパティー短縮名を入力する。

    短縮名の規則は次のとおりです。

  4. 「データ・タイプ (Data type)」リストから、その特性のデータ・タイプを 1 つ選択する。

    CHAR
    最大 254 文字

    VARCHAR
    最大 4 000 文字

    LONG VARCHAR
    最大 32 700 文字

    TIMESTAMP
    次の形式で、正確に 26 文字
    yyyy-mm-dd-hh.mm.ss.nnnnnn:

    オブジェクト・タイプあたり 14 個までの LONG VARCHAR 特性を持てます。

  5. 「サイズ (Size)」フィールドに特性のサイズを入力する。サイズは、選択したデータ・タイプの範囲内になければなりません。
  6. このタイプのオブジェクトを作るたびにこの特性の入力が必要なら、 「必須入力 (Entry required)」を選択する。
  7. 「OK」をクリックして、「オブジェクト・タイプ (Object Types)」ウィンドウに戻る。

オブジェクト・タイプへの汎用固有 ID の定義

すべてのオブジェクト・タイプは、その少なくとも 1 つの特性が汎用固有 ID つまり UUI の一部でなければなりません。 UUI は一連のストリングで、これにより情報カタログ・マネージャーはオブジェクトを区別することができます。この要件があるために、ある情報カタログの内容を別の情報カタログへインポートすることができます。

たとえば、製造部門の情報カタログに製品リストという名前のオブジェクトを作成し、その部門が製造するすべての製品を示すことができます。販売部門の情報カタログにも製品リストという名前のオブジェクトがあり、販売部門が売るすべての製品を示していることがあります。

これらのオブジェクトを固有に識別する方法がないと、情報カタログを結合するときに記述データを上書きする危険があります。

情報カタログ・マネージャーでは、UUI を定義することで上書きを防ぎます。固有の名前を考え出す必要もなく、別の情報カタログでオブジェクトがどう呼ばれているかを知る必要もありません。

あるオブジェクト・タイプについて 5 つまで特性を選び、任意の順番に指定します。それぞれの特性の値が、与えられた順にそのタイプのオブジェクトの UUI になります。

オブジェクトを情報カタログにインポートするとき、情報カタログ・マネージャーは UUI 特性の値を比較して、既存のオブジェクトと一致するかどうかを確認します。両方のオブジェクトですべての UUI 特性が同じであれば、情報カタログ・マネージャーは 2 つを同じオブジェクトとみなします。そして、すでにあるオブジェクトの非 UUI 特性を更新します。 UUI 特性の値が異なっていれば、情報カタログ・マネージャーは入力オブジェクトを情報カタログに追加します。

購入要求票番号や国際標準書番号 (ISBN) など、指定したい特性がそれだけで間違いなく固有になるのであれば、 5 つすべての特性を指定する必要はありません。必要のない UUI 特性のフィールドには非適用記号を入力できます。あるいは、オブジェクト・タイプを作成するときに、UUI 特性を減らすことができます。 (情報カタログを作成したときに別のシンボルを識別していない場合は、非適用記号はハイフンです。)

パフォーマンス上の理由から、UUI 特性の選択の際には、結合した値の合計文字数が 254 より少なくなるように注意してください。

「UUI の定義 (Define UUI)」ウィンドウから開始する UUI の定義手順:




「UUI の定義 (Define UUI)」ウィンドウで、 取得税のオブジェクト・タイプについて UUI 特性として、名前と総所得を識別します。

  1. UUI のパーツとして、特性を 5 つまで選択する。パーツ番号によって、その特性の UUI 順序での位置が決まります。

    情報カタログ・マネージャーは特性について選択に制限を与えます。

    それぞれのパーツについて、特性を選択してください。

    1. 「パーツ (Part)」フィールドの横にある下矢印キーを使って、使用可能な特性のリストを見る。
    2. 特性をクリックする。
  2. パーツの入力を終了したら、「OK」をクリックして、UUI 定義を有効にし、「オブジェクト・タイプ (Object Types)」ウィンドウに戻る。

情報カタログ・マネージャー・タグ言語を使用してオブジェクト・タイプを作成する

  1. ユーザーのタグ言語ファイルに次の行を入力します。

    ACTION.OBJTYPE(ADD)
    OBJECT.TYPE(short_name_of_object_type)
         PHYNAME (name_of_table)
         CATEGORY(category_of_object_type)
         EXTNAME(external_name_of_object_type)
         ICWFILE(name_of_Windows_icon_file)
    

    各キーワードの後の括弧内に適切な値を入力します。

    キーワード

    TYPE
    オブジェクト・タイプの短縮名。短縮名の規則は次のとおりです。
    • 最大 8 文字 (SBCS)。
    • 最初の文字は大文字または小文字の英字、 @、#、または $ でなければならない。
    • 続く文字は大文字または小文字の英数字、 @、#、$、または _ でなければならない。
    • 情報カタログについて固有でなければならない。

    PHYNAME
    DB2 表の名前。情報カタログ・マネージャーはこのタイプのオブジェクトをここに保管します。

    DB2 表に対し命名規則がある場合は、PHYNAME を使い、部門の情報カタログでは別の名前、つまりオブジェクト・タイプ名とは異なる名前を与えることができます。

    この特性を指定しないと、情報カタログ・マネージャーは TYPE で与えた短縮名を使います。

    タグ言語ファイルを使ってオブジェクト・タイプを作成するときだけ PHYNAME を追加できます。ユーザー・インターフェースを介して PHYNAME を追加することはできません。

    CATEGORY
    区分 (GROUPING、ELEMENTAL、CONTACT、DICTIONARY、または SUPPORT)

    EXTNAME
    オブジェクト・タイプの外部名。外部名の規則は、次のとおりです。
    • 最大 80 文字。
    • ヌル文字を含んではならない。
    • すべてをブランク文字にすることはできない。

    ICWFILE
    Windows アイコン・ファイルの名前。拡張子を含みます。タグ言語ファイルをインポートするとき、IMPORT コマンドの一部として、アイコン・ファイルがある場所をドライブとパスに指定します。
  2. オブジェクト・タイプに与える特性ごとに、次のように入力します。

    :PROPERTY.SHRTNAME(short_name) DT(data_type) DL(size)
         UUISEQ(position_in_UUI) NULLS(y_or_n) EXTNAME(property_name)
    

    キーワード

    SHRTNAME
    プロパティー短縮名。特性短縮名の規則は次のとおりです。
    • 最大 8 文字 (SBCS)。
    • 最初の文字は大文字または小文字の英字、 @、#、または $ でなければならない。
    • 続く文字は大文字または小文字の英数字、 @、#、$、または _ でなければならない。
    • SQL 予約語は使用できない。
    • 固有でなければならない。入力した名前がこのオブジェクト・タイプにすでにあると、情報カタログ・マネージャーは別の名前を要求します。

    DT
    データ・タイプ CVL、または T

    C (CHAR)
    最大 254 文字

    V (VARCHAR)
    最大 4 000 文字

    L (LONG VARCHAR)
    最大 32 700 文字

    T (TIMESTAMP)
    次の形式で 26 文字


    yyyy-mm-dd-hh.mm.ss.nnnnnn

    DL
    特性のサイズ

    UUISEQ
    UUI でのこの特性の位置。1234、または 5。特性を UUI の一部にしたい場合にのみ指定します。

    NULLS
    必須の項目かどうか。

    N
    必須の項目です。

    Y
    必須の項目ではありません。

    EXTNAME
    特性名。特性名の規則は次のとおりです。
    • 最大 80 文字。
    • ヌル文字を含んではならない。
    • すべてをブランク文字にすることはできない。

    「名前」特性をこのオブジェクト・タイプの UUI の一部にしたい場合には、この特性で持てるキーワードは SHRTNAME と UUISEQ だけです。情報カタログ・マネージャーは他のキーワードのための値を定義するので、他のキーワードまたはその値は指定しません。

オブジェクト・タイプの特性をすべて追加すると、タグ言語ファイルは図 3 のようになります。 図 3 では、短縮版の「リレーショナル表および視点 (Relational tables and views)」オブジェクト・タイプを示します。このオブジェクト・タイプは情報カタログ・マネージャーが提供する事前定義オブジェクト・タイプの 1 つです。完全なオブジェクト・タイプの定義は、 DB2 ユニバーサル・データベースがインストールされているドライブ上にある \SQLLIB\DGWIN\TYPES ディレクトリー内にあります。

図 3. オブジェクト・タイプのサンプル・タグ言語ファイル

COMMENT.------------------------------------------------------------
COMMENT.Generating the report object definitions.
COMMENT.------------------------------------------------------------
ACTION.OBJTYPE(MERGE)
OBJECT.TYPE(REPORT) CATEGORY(ELEMENTAL) PHYNAME(REPORTS)
    EXTNAME(Text based reports) ICWFILE(flgnyrep.ico)
PROPERTY. SHRTNAME(NAME)                          UUISEQ(0)
PROPERTY. SHRTNAME(SHRTDESC)   DT(V)   DL(250)    UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Short description)
PROPERTY. SHRTNAME(LONGDESC)   DT(L)   DL(32700)  UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Long description)
PROPERTY. SHRTNAME(ACTIONS)    DT(V)   DL(254)    UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Actions)
PROPERTY. SHRTNAME(TITLE)      DT(V)   DL(254)    UUISEQ(0)   NULLS(N)
    EXTNAME(Report title)
PROPERTY. SHRTNAME(RPRTDATE)   DT(C)   DL(26)     UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Report publication date)
PROPERTY. SHRTNAME(RPRTFRMT)   DT(V)   DL(80)     UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Report presentation format)
PROPERTY. SHRTNAME(DBPRESNT)   DT(V)   DL(254)    UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Report presentation requirements)
PROPERTY. SHRTNAME(OWNER)      DT(V)   DL(80)     UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(Report owner)
PROPERTY. SHRTNAME(FILENAME)   DT(V)   DL(254)    UUISEQ(1)   NULLS(N)
    EXTNAME(Report filename)
PROPERTY. SHRTNAME(TYPE)       DT(V)   DL(80)     UUISEQ(2)   NULLS(N)
    EXTNAME(Report class or type)
PROPERTY. SHRTNAME(URL)        DT(V)   DL(254)    UUISEQ(0)   NULLS(Y)
    EXTNAME(URL to access data)


[ ページのトップ | 前ページ | 次ページ | 目次 | 索引 ]