基本となる DB2 の構造は重要であり、 この主要な概念およびプロセスを理解することが、 他のパフォーマンスの問題を扱う上で役立ちます。 記憶域の構造、データ管理、処理モデルおよびメモリー・モデルなどのトピックについては、 次の章ではじめて説明されます。 詳細については、第 21 章, アーキテクチャーとプロセスの概要を参照してください。
アプリケーション・パフォーマンスのチューニングには、 アプリケーションに関連したパフォーマンスと、 アプリケーションとデータベースとの対話に関連したパフォーマンスが関係します。 アプリケーションそのものに関するトピックとしては、 並行性、ロッキング、最適化クラス、照会の結果セットの制御、 行ブロック化、複合 SQL の使用があります。 さらに、文字変換 (アプリケーション・パフォーマンスに関連する部分)、 ストアード・プロシージャー、データベースの活動化、 および並列処理の利点についての短い説明もあります。 詳細については、第 22 章, アプリケーションについての考慮事項を参照してください。
照会の最適化に関するトピックとしては、 照会の最適化に影響を与える構成パラメーター、 照会の最適化に対するノード・グループと表スペースの影響、 および索引が照会の最適化に与える大きな影響があります。 詳細については、第 23 章, 環境についての考慮事項を参照してください。
システム・カタログ統計は、 アプリケーションがデータにアクセスする性能に大きな影響を与えます。 統計に関連したトピックとしては、RUNSTATS ユーティリティー、分散統計、索引統計、 およびユーザーが更新できる統計があります。 詳細については、第 24 章, システム・カタログ統計を参照してください。
SQL コンパイラーは、それぞれのアプリケーションを取り上げ、 そのアプリケーションに最適なアクセス・プランを決定します。 アプリケーション内のそれぞれの照会には、評価の後で、 照会の目標をもっとも明確に定義するよう設計されたいくつかの異なる操作が行われます。 次に、さまざまなアクセス方式 (走査および結合) がそれぞれの照会について検討され、 照会が要求しているデータを取り出すのに最も速い方法が判別されます。 並列性の影響についても考慮されます。 詳細については、第 25 章, SQL コンパイラーに関する解説を参照してください。
DB2 製品とともに使用できる各種ツールは、 アプリケーションの照会がどのように処理されているのかを理解するのに役立ちます。 これらのツールでは、 アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えている要素を理解できます。 詳細については、第 26 章, SQL Explain 機能を参照してください。
個々のアプリケーションのチューニングに加えて、 それらのアプリケーションが実行されているデータベースのパフォーマンスも考慮する必要があります。 データベースのパフォーマンスは、 メモリーをどれほど効率的に使用するかによって大部分が決まります。 パフォーマンスに関係しているメモリー周辺のトピックとしては、 バッファー・プール、データの事前取り出し、並列入出力、分類機能、 表内のデータの再編成、およびデータベース・エージェントの概念があります。 詳細については、第 27 章, 操作上のパフォーマンスを参照してください。
管理プログラムを設定すれば、 アプリケーションがデータベースを使用する方法を管理することができます。 詳細については、第 28 章, 管理プログラムの使用法を参照してください。
プロセッサーの数とデータベース区画の数を増やせば、 データベースのパフォーマンスを改善することができます。 詳細については、第 29 章, プロセッサーの追加による構成のスケーリングを参照してください。
データベース区画の数を増やしたら、データベース区画間で、 データベース内のデータが正しくスプレッドまたは再分配されていることを確認してください。 詳細については、第 30 章, データベース区画間でのデータの再配分を参照してください。
データベースのパフォーマンスを判別するには、 ベンチマーク・テストを実施することができます。 ベンチマーク・テストの方法論、ベンチマーク・テストの準備の方法、 ベンチマーク・プログラムの作成、およびベンチマーク・テストの実施は、 すべて重要なトピックです。 詳細については、第 31 章, ベンチマーク・テストを参照してください。
第 32 章, DB2 の構成では、 データベース・マネージャーおよびデータベースの構成パラメーターの非常に広範なセットが 1 つずつ説明されています。
これらのパフォーマンスのトピックには、関連した追加情報があります。 付録には、次のトピックが含まれています。