管理の手引き


ガベージ・コレクション

回復活動記録ファイルに記述される DB2 データベース・バックアップの数は、 "DB2 ガベージ・コレクション"と呼ばれる機能によって自動的にモニターされます。 構成パラメーター num_db_backups は、 保持される "アクティブな" バックアップの数を定義します。 アクティブ・バックアップは、データベースの現行の状態に達するように現行のログを使用して回復およびロールフォワードできるものです。 "非アクティブ" バックアップは、 データベースの現行の状態に達するように回復およびロールフォワードすることはできません。 これには、異なるログ・ファイルのセットが必要だからです。

以下の図で示されている例では、 num_db_backups を 4 と設定しているものとします。

図 60. アクティブ・データベース・バックアップ


アクティブ・データベース・バックアップ

必要でなくなったデータベース・バックアップには、 すべて "有効期限切れ"とマークされます。 これらのバックアップは、もはや必要のないものとみなされます。 num_db_backups で定義される データベース・バックアップが複数あり、さらに新しいものがあるためです。 この有効期限が切れたデータベース・バックアップより前にとった 表スペースのバックアップおよびロード・バックアップ・コピーも、 "有効期限切れ"とマークされます。

図 61. 有効期限が切れたデータベース・バックアップ


有効期限が切れたデータベース・バックアップ

"非アクティブ"のマークが付いており、 有効期限のすでに切れているデータベース・バックアップが作成された時点よりも前に作成されたデータベース・バックアップも、 "有効期限切れ"とマークされます。 すべての関連した "非アクティブ"の表スペース・バックアップおよびロード・バックアップ・コピーにも、 "有効期限切れ"のマークが付きます。

次のセクションで説明されているように、DATALINK 列がバックアップに関係している場合には、 DB2 データ・リンク・マネージャーを実行しているすべてのデータ・リンク・サーバーに連絡が入り、 有効期限の切れたバックアップの前にリンク解除された、 関連するデータ・リンク・サーバー・ファイルのガベージ・コレクションを要求します。 活動記録ファイルに含まれている情報に基づいてこれらのバックアップを物理的に削除した後は、 PRUNE HISTORY コマンドを使用して活動記録ファイルから "有効期限切れ"エントリーを除去できます。 活動記録ファイルの枝取りを明示的に実行しないと、 次のデータベース・バックアップを実行する際に、 "有効期限切れ"エントリーが自動的に枝取りされることになります。

DB2 不要情報収集は、 そのバックアップが現行のログ・シーケンス (現行の ログ・チェーン とも呼ばれる) に対応していない場合に、 DB2 データベースまたは表スペースのバックアップの活動記録ファイル・エントリーに、 "非アクティブ"のマークを付けます。 現行のログ・シーケンスは、復元された DB2 データベース・バックアップと、 処理済みのログ・ファイルにより判別されます。 データベース・バックアップが復元されると、 その復元されたバックアップより前のデータベース・バックアップはすべて "非アクティブ"になります。 復元されたバックアップは、新しくログ・チェーンを始めるためです。 表スペースを復元した後で、現行のログのシーケンスを適用して、 DB2 データベースの現行の状態に達することができない場合には、 その表スペース・バックアップは "非アクティブ"になります。 (DB2 データベースまたは表スペース・バックアップが "非アクティブ"になると、 DB2 ガベージ・コレクションは、DB2 データ・リンク・マネージャーを実行しているデータ・リンク・サーバーすべてに通知を出して、 ファイル・バックアップの対応するセットにも "非アクティブ"のマークが付くようにします。)

図 62. アクティブ・データベース・バックアップ


アクティブ・データベース・バックアップ

図 63. 非アクティブ・データベース・バックアップ


非アクティブ・データベース・バックアップ

DB2 データベース・バックアップが完了した後に DB2 ガベージ・コレクションが呼び出されます。 現行の活動記録ファイルを、最後のエントリーから始めて走査するために、 db2_num_backups 構成パラメーターの値が使用されます。

ログをロールフォワードする場合でもしない場合でも、 データベースのバックアップの復元を完了した後で、 DB2 ガベージ・コレクションを呼び出すこともできます。

"アクティブ"のデータベース・バックアップが復元されるものの、 活動記録ファイルに記録されている最新のデータベース・バックアップではない場合には、 これと同じログ・シーケンスに属する後続のデータベース・バックアップは"非アクティブ"としてマークされます。

"非アクティブ"のデータベースが復元された場合、 現行のログ・シーケンスに属する非アクティブ・データベース・バックアップは、 再び "アクティブ" としてマークされるようになります。 "アクティブ"のデータベース・バックアップを復元すると、 現行のログ・シーケンスに入っていないすべてのアクティブなデータベース・バックアップには、 "非アクティブ"のマークが付けられます。

DATALINK 列が実行中のデータベース・バックアップの一部である場合には、 DB2 ガベージ・コレクションは、DB2 データ・リンク・マネージャーを実行しているすべてのデータ・リンク・サーバーに連絡をとり、 データ・リンク・サーバー上にあるファイル・バックアップの対応するセットと同じ状態に変更するようにします。

すべての全データベース・バックアップの後で、 rec_his_retentn 構成パラメーターを使用して、 活動記録ファイルから "有効期限切れ"のエントリーが枝取りされます。 すべての "有効期限切れ"のバックアップが除去されます。

PRUNE HISTORY コマンドはいつでも使用でき、 活動記録ファイルから "有効期限切れ"のマークの付いているバックアップのみ枝取りすることができます。 ただし、WITH FORCE オプションが使用されている場合は使用できません。 ("有効期限切れ"でないバックアップが枝取りされると、 すべてのデータ・リンク・サーバーに連絡が入り、 対応するファイルのバックアップのセットに、 ガベージ・コレクションのためにフラグを付けるように要求されます。)

図 64. アクティブ、非アクティブ、有効期限切れのデータベース・バックアップの混合


アクティブ、非アクティブ、有効期限切れのデータベース・バックアップの混合

図 65. 有効期限が切れたログ・シーケンス


有効期限が切れたログ・シーケンス


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