管理の手引き


分類

分類は照会中に頻繁に必要になるので、 分類ヒープ領域を正しく構成することは照会のパフォーマンス上きわめて重要になります。 次のような場合に、分類が必要になります。

さまざまなタイプの分類

分類には 2 つのステップが関係しています。

  1. 分類フェーズ
  2. 分類フェーズの結果を戻すフェーズ

この 2 つのステップで分類が処理される方法はいくつかのカテゴリーまたはタイプに分けられるので、 以下ではそれを用いて分類の説明をします。 分類フェーズを考慮する際、 分類を"桁あふれ"と"桁あふれなし"に分けることができます。 分類フェーズの結果の戻りを考慮する際、 分類を"パイプ"と"非パイプ"に分けることができます。

桁あふれと桁あふれなし

分類される情報が分類ヒープ (分類の実行ごとに割り当てられるメモリーのブロック) に全く収まらない場合は、一時データベース表に桁あふれします。 桁あふれしない分類の方が常に、桁あふれする分類よりも効率良く実行されます。

パイプと非パイプ

データの最終分類結果リストを保管する一時表を使わなくても、 分類された情報を直接戻すことができる場合は、その分類は「パイプ分類」と呼ばれます。 分類された情報を戻すのに一時表が必要な場合には、 その分類は「非パイプ分類」と呼ばれます。 パイプ分類は、非パイプ分類よりも常に効率よく実行されます。

分類に影響を与えるパラメーターの調整

分類のパフォーマンスに影響を与える事柄には、以下のものがあります。

分類パフォーマンス問題の標識の探索

分類に関して総合的な問題があるかどうかを知るには、 分類に費やした合計 CPU 時間を、アプリケーション全体で費やした時間と比較してみてください。 比較には、データベース・システム・モニターが役立ちます (データベース・システム・モニターの使用法を参照してください)。 特に、「スナップショット・モニター」および「イベント・モニター」で構成され、 コントロール・センターから使用可能なパフォーマンス・モニターは、 省略時解釈では、合計分類時間 と共に 入出力時間 およびロック待機時間 などの時間を示します。

合計分類時間がその他の時間に占める比率が大きい場合には、 やはり省略時解釈で示される以下の値を調べてみてください。

桁あふれ分類のパーセンテージ
(スナップショット・モニターのパフォーマンス詳細画面上に示された) この変数は、 桁あふれした分類のパーセンテージを示します。 桁あふれ分類のパーセンテージが高いときは、 ポストしきい値分類があった場合には、 構成パラメーターの sortheapsheapthres (または、 その両方) を大きくしてください。 (ポストしきい値分類があったかどうかを判別するには、 スナップショット・モニターを使用します。)

ポストしきい値分類
ポストしきい値分類の値が高い場合には、sheapthres を大きくするか、 sortheap を小さくしてください (または、その両方を行ってください)。

一般に、インスタンス (sheapthres ) で使用可能な分類メモリーの全体量は、 過度のページングを引き起こさない限り、できるだけ大きくするようにしてください。 分類全体を分類メモリーで行うことができます。 ただし、その分類メモリーの増大に対応するために、 オペレーティング・システムが過度のページ・スワッピングを実行するようになった場合には、 大きな分類ヒープの利点がなくなる可能性があります。 そのため、分類構成パラメーターを調整するときには、 オペレーティング・システム・モニターを用いて、 システム・ページングに変更があるかどうかを突き止めてください。
注:DB2 部分キーのバイナリー分類技法に、 非整数のデータ・タイプ・キーを組み込むように改善がなされたので、 長いキーを分類する時には追加のメモリーが必要です。 長いキーが使用されていると思う場合、 sortheap 構成パラメーターを増やしてください。

また、パイプ分類では、アプリケーションがその分類に関連したカーソルをクローズするまで、 分類ヒープが解放されないことに注意してください。 そのため、パイプ分類はカーソルがクローズされるまでメモリーを消費することができます。

分類パフォーマンスの管理技法

データベース・システム・モニターとベンチマーク技法を使用すると、 構成パラメーター sortheap および sheapthres を設定するのに役立ちます。 データベース・マネージャーとそのデータベースごとに、次のことを実行してください。

さらに、分類が重大なパフォーマンス問題となっている特定のアプリケーションおよびステートメントを識別することができます。

注:Explain 表を探索して、 どの照会で分類操作が行われているかを識別することができます。 (付録 H, SQL EXPLAIN ツールを参照してください。)


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