データベース管理者が作成する必要のあるディレクトリー・オブジェクトには、 次の 3 つの種類があります。
各オブジェクトには、さまざまな属性が含まれています。 属性の詳しい説明は、各オブジェクト・クラスの属性を参照してください。
データベース管理者がオブジェクトを作成する前に、 DCE 管理者がデータベース情報を CDS 表に追加し、 データベース管理者に作成特権を付与しておかなければなりません。 詳細については、DCE 管理者の作業を参照してください。
データベース・オブジェクトは、ターゲット・データベースごとに必要です。 オブジェクト名は、セル名にディレクトリー名とデータベース名が連結した形式で、 たとえば、次のようになります。
/.../cell_name/dir_name1/dir_name2/OBJ_NAME
注: | データベース名に関しては、以下のことをお勧めします。 データベース名は 8 文字以下にし、大文字を使用します。 データベース名に大文字と小文字が混ざっていたり、8 文字以上であったりすると、 CATALOG GLOBAL DATABASE コマンドを使用して別名を割り当てることが必要になります。 このコマンドの詳細は、CATALOG GLOBAL DATABASE コマンドを参照してください。 |
以下に、データベース・オブジェクトの例を示します。 DCE ディレクトリーに保管されるオブジェクトには、 タイム・スタンプのような他の情報があります。 各属性の左にある文字は、属性が必須 (R)、任意選択 (O)、 または注釈 (C) のいずれであるかを示しています。
Object name: /.../CELL_TORONTO/subsys/database/AIXDB1 R DB_Object_Type: D C DB_Product_Name: DB2_for_AIX C DB_Product_Release: V5R1M000 R DB_Native_Database_Name: AIXDBASE R DB_Database_Protocol: DB2RA R DB_Authentication: CLIENT O DB_Communication_Protocol: O DB_Database_Locator_Name: /.../CELL_TORONTO/subsys/database/AIX_INST C DB_Comment: Test_database_on_AIX
データベースが、 データベース・マネージャーのインスタンスに関連した多数のデータベースのうちの 1 つである場合、 データベース・オブジェクトにはデータベース・ロケーター・オブジェクトの名前がある必要があり、 通信プロトコルはブランクである必要があります。 データベース・ロケーター・オブジェクトの名前は、 データベース・マネージャーまたは DB2 コネクトのインスタンスの完全修飾名です。
次に示すのは、オブジェクトを作成する DCE コマンドの例です。 オブジェクトを作成する前に、 DCE 管理者は DCE 管理者の作業に説明されているステップを行う必要があります。
まず、cdscp.inp という名前のファイルに次のようにタイプします。
create object /.:/subsys/database/AIXDB1 add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Object_Type = D add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Product_Name = DB2_for_AIX add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Product_Release = V5R1M000 add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Native_Database_Name = AIXDBASE add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Database_Protocol = DB2RA add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Authentication = CLIENT add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Database_Locator_Name = /... /CELL_TORONTO/subsys/database/AIX_INST add object /.:/subsys/database/AIXDB1 DB_Comment = Test_database_on_AIX
次に、以下のいずれかを行います。
この後、次を行ってください。
オブジェクトを表示するには、次のコマンドを使用します。
cdscp show object /.:/subsys/database/AIXDB1
データベースが、データベース・マネージャーのインスタンスに関連したただ 1 つのデータベースである場合、 データベース・オブジェクトには通信プロトコル属性の値を入れ、 データベース・ロケーター・オブジェクトの名前はブランクである必要があります。 たとえば、以下のようになります。
Object name: /.../CELL_TORONTO/subsys/database/MVSDB R DB_Object type: D C DB_Product_Name: DB2_for_MVS C DB_Product_Release: V5R1M00 R DB_Native_Database_Name: MVSDBASE R DB_Database_Protocol: DRDA R DB_Authentication: SERVER O DB_Communication_Protocol: APPC;NET1;TARGETLU1;DB2DRDA;MODE1;PROGRAM O DB_Database_Locator_Name: C DB_Comment: Test_database_on_MVS
これらのオブジェクトには、 DBMS インスタンスまたは DB2 コネクト・インスタンスが使用するすべての通信プロトコルの詳細が入っています。 以下の各インスタンスには、データベース・ロケーター・オブジェクトが 1 つ必要です。
オブジェクト名は、セル名にディレクトリー名とデータベース・インスタンスの 1 パート名が連結した形式で、 たとえば、次のようになります。
/.../cell_name/dir_name1/dir_name2/AIX_INST
注: | インスタンスを ATTACH のターゲットとして使用する場合には、 1 パート名を 8 文字以下かつすべて大文字にしなければなりません。 |
以下に、データベース・ロケーターの例を示します。 DCE ディレクトリーに保管されるオブジェクトには、 タイム・スタンプのような他の情報があります。 各属性の左にある文字は、属性が必須 (R)、任意選択 (O)、 または注釈 (C) のいずれであるかを示しています。
Object name: /.../CELL_TORONTO/subsys/database/AIX_INST R DB_Object_Type: L C DB_Product_Name: DB2_for_AIX C DB_Product_Release: V5R1M00 R DB_Communication_Protocol: TCPIP;HOSTNAME1;1234 R DB_Communication_Protocol: APPC;NET1;TARGETLU1;TPN1;MODE;PROGRAM C DB_Comment: Test_instance_on_AIX
属性がデータベース・オブジェクトとデータベース・ロケーター・オブジェクトの両方で定義されるときには、 データベース・オブジェクトの値が使用されます。
次に示すのは、オブジェクトを作成する DCE コマンドの例です。 オブジェクトを作成する前に、 DCE 管理者は DCE 管理者の作業に説明されているステップを行う必要があります。
まず、cdscp.inp という名前のファイルに次のようにタイプします。
create object /.:/subsys/database/AIX_INST add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Object_Type = L add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Product_Name = DB2_for_AIX add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Product_Release = V5R1M00 add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Communication_Protocol = TCPIP; HOSTNAME1;1234 add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Communication_Protocol = APPC;NET1; TARGETLU;TPN1;MODE;PROGRAM add object /.:/subsys/database/AIX_INST DB_Comment = Test_instance_on_AIX
次に、以下のいずれかを行います。
この後、次を行ってください。
オブジェクトを表示するには、次のコマンドを使用します。
cdscp show object /.:/subsys/database/AIX_INST
ホスト・アクセスが必要な場合には、経路指定情報オブジェクトを作成する必要があります。 クライアントで使用されるデータベース・プロトコルとターゲット・データベースで使用されるデータベース・プロトコルに不一致がある場合、 経路指定オブジェクトは、どの DB2 コネクト・インスタンスが使用されるかをクライアントに知らせます。 属性はターゲット・データベースごとにありますが、 それには使用できるデータベース・プロトコルと、 DB2 コネクト・インスタンスのデータベース・ロケーター・オブジェクトの名前が含まれています。 オブジェクト名は、セル名にディレクトリー名と固有 1 パート名が連結した形式で、 たとえば、次のようになります。
/.../cell_name/dir_name1/dir_name2/ROUTE1
以下に、経路指定情報オブジェクトの例を示します。 DCE ディレクトリーに保管されるオブジェクトには、 タイム・スタンプのような他の情報があります。 各属性の左にある文字は、属性、および属性内の各トークンが必須 (R)、 任意選択 (O)、または注釈 (C) のいずれであるかを示しています。
図 121 では、クライアント・グループ 1 は、 Client_1、Client_2、および Client_3 です。
Object name: /.../CELL_TORONTO/subsys/database/ROUTE1 R DB_Object_Type: R C DB_Comment: Routing_for_client_group_1 R DB_Target_Database_Info R Database name = /.../CELL_TORONTO/subsys/database/MVSDB R Outbound protocol from router = DRDA R Inbound protocol to router = DB2RA R Authenticate at gateway = 1 O Parameter string = NOMAP,D,INTERRUPT_ENABLED R DB_Database_Locator_Name = /.../CELL_TORONTO/subsys/database/GW_INST R DB_Target_Database_Info R Database name = *OTHERDBS R Outbound protocol from router = DRDA R Inbound protocol to router = DB2RA R Authenticate at gateway = 0 O Parameter string = R DB_Database_Locator_Name = /.../CELL_TORONTO/subsys/database/OTH_INST
データベース名 *OTHERDBS は、 経路指定情報オブジェクトに明示的に定義されていないデータベースにアクセスする際に使用される共通ルーターを表す特殊値です。
次に示すのは、オブジェクトを作成する DCE コマンドの例です。 円記号 (\) は連結文字です。
オブジェクトを作成する前に、 DCE 管理者は DCE 管理者の作業に説明されているステップを行う必要があります。
まず、cdscp.inp という名前のファイルに次のようにタイプします。
create object /.:/subsys/database/ROUTE1 add object /.:/subsys/database/ROUTE1 DB_Object_Type = R add object /.:/subsys/database/ROUTE1 DB_Comment = Routing_for_client_group_1 add object /.:/subsys/database/ROUTE1 DB_Target_Database_Info = \ /.../CELL_TORONTO/subsys/database/MVSDB;\ drda;db2ra;1;NOMAP,D,INTERRUPT_ENABLE;\ /.../CELL_TORONTO/subsys/database/GW_INST add object /.:/subsys/database/ROUTE1 DB_Target_Database_Info = \ *OTHERDBS;drda;db2ra;0;;\ /.../CELL_TORONTO/subsys/database/OTH_INST
次に、以下のいずれかを行います。
この後、次を行ってください。
オブジェクトを表示するには、次のコマンドを使用します。
cdscp show object /.:/subsys/database/ROUTE1
DCE コマンドに関する詳細は、以下の DCE 資料を参照してください。