管理の手引き


事前取り出しおよび並列入出力を行うための入出力サーバーの構成

事前取り出しを使用可能にするために、 データベース・マネージャーは入出力サーバー と呼ばれる別の制御スレッドを開始して、 ページの読み取りを実行します。 その結果、照会処理は 2 つの並列のアクティビティー、 つまりデータ処理 (CPU) とデータ・ページ入出力に分けられます。 入出力サーバーは、CPU の処理アクティビティーから事前取り出し要求が出るまで待機します。 この事前取り出し要求には、予想される必須データのための入出力記述が含まれます。 事前取り出しの目的に応じて、 データベース・マネージャーが事前取り出し要求を生成する時点と方法が決定されます。 (詳細については、順次事前取り出しについておよび リスト事前取り出しについてを参照してください。)

次の図は、データの事前取り出しを行ってバッファー・プールに入れる際に、 入出力サーバーがどのように使用されるかについて示しています。

図 93. 入出力サーバーを使用したデータの事前取り出し


SQLD0IOS

図 93 で示されているステップについて説明します。

(1)
ユーザー・アプリケーションがデータベース・エージェントに SQL 要求を渡します。

(2)(3)
データベース・エージェントが、SQL 要求を満たすのに必要なデータを獲得するために、 事前取り出しを使用しなければならないかどうかを判別し、 事前取り出し要求を入出力サーバー待ち行列に書き込みます。

(4)(5)
利用可能な最初の入出力サーバーが、待ち行列から事前取り出し要求を読み取り、 表スペースのデータをバッファー・プールに読み込みます。 待ち行列に入っている事前取り出し要求の数と num_ioservers 構成パラメーターによって構成される入出力サーバーの数によっては、 複数の入出力サーバーが表スペースから同時にデータを取り出すことがあります。

(6)
データベース・エージェントが、バッファー・プール内のデータ・ページに対して必須のアクションを実行し、 SQL 要求の結果をユーザー・アプリケーションに戻します。

num_ioservers 構成パラメーターを使用して、 十分な数の入出力サーバーを構成すると、 データの事前取り出しが適用される照会のパフォーマンスは大幅に向上します。 予備の入出力サーバーを構成しても、余分な入出力サーバーは使用されず、 そのメモリー・ページはページアウトされるので、パフォーマンスには影響ありません。 それぞれの入出力サーバー・プロセスには番号が付けられ、 利用可能なプロセスのうち番号が一番小さいプロセスが常にデータベース・マネージャーで使用されます。 結果として、番号が大きいプロセスは一度も使用されないことがあります。

構成する入出力サーバーの数を決定する際は、次の点を考慮するようにしてください。

並列入出力の機会を最大にするには、 num_ioservers をデータベース内の物理ディスクの数以上に設定します。

並列入出力を使用可能にする

1 つの表スペースに対して複数のコンテナーが存在する状況では、 データベース・マネージャーは、並列入出力 を開始することができます。 並列入出力とは、データベース・マネージャーが複数の入出力サーバーを使用して、 単一照会の入出力要件を処理する機能のことです。 各入出力サーバーにはそれぞれ別個のコンテナーごとに入出力作業負荷が割り当てられるため、 複数のコンテナーを並列で読み取ることができます。 入出力を並列で実行すると、入出力スループットが大幅に向上することになります。

別個の入出力サーバーはコンテナーごとに作業負荷を処理しますが、 入出力を並列で実行できる入出力サーバーの実際の数は、 要求されたデータが伝搬される物理装置の数に制限されます。 これは、できるだけ多くの数の入出力サーバーが必要であるということも意味します。

並列入出力の開始および使用方法は、入出力を実行する理由によって決まります。

並列入出力で最適なパフォーマンスを得るには、以下を確認してください。

複数ページの同時割り振り

SMS 表スペースは、必要に応じて拡張されます。 この拡張は、省略時には 1 ページずつ行われます。 ただし、特定のワーク・ロード (たとえば、大量の挿入を行っている場合) では、 db2empfa ツールを使って、 ページ・グループ単位またはエクステント・グループ単位で表スペースを拡張するよう DB2 に指示することにより、 パフォーマンスを向上させることができます。 db2empfa ツールは、 sqllib ディレクトリーの bin サブディレクトリーにあります。 このツールを実行すると、multipage_alloc データベース構成パラメーターが YES に設定されます。 このツールの詳細については、コマンド解説書 を参照してください。

使用可能メモリーを最大限活用する別の方法については、 メモリーの拡張で説明されています。


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