管理の手引き


第 11 章 高可用性の設計

DB2 ユニバーサル・データベースは、 多くのプラットフォームで高可用性フェールオーバー・サポート を提供します。 フェールオーバー機能を使用すると、ハードウェアの故障があった場合に、 あるプロセッサーから別のプロセッサーにワークロードを自動的に移すことが可能になります。 たとえば AIX 上では、IBM High Availability Cluster Multi-Processing (HACMP) の機能を用いることにより、 DB2 UDB がフェールオーバーをサポートします。 このセクションでは、 AIX での例を使用して、高可用性と関連する概念を紹介しています。

HACMP は、ディスクやネットワーク・アクセスなどのリソースを共用するプロセッサーのクラスターを介して、 高度の可用性を提供します。 1 つのプロセッサーに障害が起こると、 クラスターにある別のプロセッサーがそれを置き換えます。

フェールオーバー・サポートには 3 つのモードがあります。

ホット・スタンドバイ
このモードでは、 一方のプロセッサーが使用されて DB2 インスタンスを実行します。 2 番目のプロセッサーはスタンドバイ・モードになっており、 最初のプロセッサーにかかわるオペレーティング・システムまたはハードウェアの故障があったときに、 インスタンスを引き受ける準備をしています。

相互引き受け
このモードでは、以下のようになります。

一方のプロセッサーでオペレーティング・システムまたはハードウェアの故障が起こると、 他方のプロセッサーが故障したプロセッサーのタスクを引き受け、 結果的に両方のプロセッサーの作業をします。

同時アクセス
このモードでは、 複数のプロセッサーを使用して、 DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディション (EEE) 製品の 単一のデータベース・インスタンスにスケールします。 これは、非共用のモデルを使用し、 クラスターにある各プロセッサーで 1 つまたはいくつかの区画が稼働するような形で、 データを区分化することによって行われます。 一方のプロセッサーでオペレーティング・システムまたはハードウェアの故障が起こると、 他方のプロセッサーが故障したプロセッサーの区画を引き受けます。 DB2 UDB EEE では、冗長度を持つ目的のために同時リソース・マネージャーを使用する必要はありません。 冗長度は、ホット・スタンドバイまたは相互引き受けモードを使用して管理されます。 同時アクセス・モードの機能は、 共用アーキテクチャーをもつデータベース・マネージャーでのみ必要とされます。

上記の構成はそれぞれ、 区分データベースの 1 つまたはいくつかの区画をフェールオーバーするために使用できます。 さらに、それぞれが、 単一区画インストールの完全なインスタンスをフェールオーバーすることができます。


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