拡張スケーラビリティー (ES) は、 High Availability Cluster Multi-processing (HACMP) for AIX Version 4.2.2 の機能で、 現在 RS/6000 SP ノードでのみ稼動します。
この機能は、HACMP と同じフェールオーバー回復を提供し、 以前の HACMP バージョンと同じ事象構造を持ちます (HACMP for AIX, V4.2.2, Enhanced Scalability Installation and Administration Guide を参照してください)。 また、拡張スケーラビリティーは以下のものを提供します。
規則ファイル (/usr/sbin/cluster/events/rules.hacmprd) には、 HACMP 事象が含まれています。 ユーザー定義事象はこのファイルに追加されます。 その定義の一部として、 事象発生時に実行されるスクリプト・ファイルがあります。 ユーザー定義事象および規則ファイルについて詳しくは、 HACMP ES イベント・モニターおよびユーザー定義事象を参照してください。
HACMP ES クラスター内のノードは、 ハートビート またはキープアライブ・パケット というメッセージを交換して、 自身の可用性についての情報を他のノードに通知します。 応答しなくなったノードがあると、 クラスター内の残りのノードは回復を呼び出します。 回復処理は node_down 事象 と呼ばれ、 フェールオーバー ということもあります。 回復処理が完了すると、 ノードをクラスターに再統合されます。 この処理を node_up 事象 といいます。
事象には 2 つのタイプ、 つまり、HACMP ES の操作中に予期される標準事象と、 ハードウェアおよびソフトウェア構成要素のモニターに関連したユーザー定義事象があります。
標準事象の 1 つに、node_down 事象があります。 回復処理の一部として実行する処理を計画する場合、 HACMP では 2 つのフェールオーバー・オプション、 つまり「ホット (またはアイドル) スタンドバイ」と「相互引き受け」を指定できます。