DB2 コネクト エンタープライズ・エディション・サーバーは、複数の SYSPLEX への接続の経路指定を行う際に、ロード・バランシングおよびフォールト・トレランスの機能を提供するようになりました。データ共用環境内で稼働する DB2 (OS/390) に接続すると、 DB2 コネクトは、Workload Manager (WLM) によって提供されるシステム負荷情報に基づいて、データ共用グループを構成する様々な DB2 サブシステムに作業負荷を分散します。このサポートには、 DB2 (OS/390 版) バージョン 5.1 以降が必要です。
SYSPLEX はそれぞれ、接続アドレスごとに測定された優先順位を戻します。この情報はサーバーで DB2 コネクトによってキャッシュに入れられます。この情報は、戻された優先順位に基づいて、戻されたアドレスに配布され、接続の均等化が図られます。
DB2 コネクト エンタープライズ・エディション・サーバーは接続障害の際にアドレスを代替することによって、フォールト・トレランス機能を提供します。認識される接続がすべて失敗した場合にのみ、アプリケーションにエラーが戻されます。 SNA アドレスでは Domain Name Server (DNS) 索引に相当するものがないので、 db2start の実行後最初から接続が行えるように DB2 コネクトは SNA に戻されるアドレスを db2con.ini ファイルに書き込みます。このファイルは db2start で読み取られます。これは、カタログ化ノードがダウンした際に回復する方法を提供します。
特定の SNA アドレスに接続するのを失敗した際には、 db2diag.log に次のようなメッセージが書き込まれます。
DIA4805E A connection cannot be established to the DRDA application server at SNA address "%1" due to unknown symbolic destination name "%2".
この機能を使用可能にするために、新規のプロファイル (またはレジストリー) 変数である DB2SYSPLEX_SERVER が作成されました。 DB2SYSPLEX_SERVER が存在しない場合またはゼロではない値に設定されている場合には、 SYSPLEX は使用可能です。 DB2SYSPLEX_SERVER がゼロに設定されている場合には、 SYSPLEX は使用不能になります。 DB2SYSPLEX_SERVER をゼロに設定すると、 DCS データベース・カタログ項目の指定方法に関係なく、サーバーの SYSPLEX が使用不能になります。
db2 レジストリー変数 DB2CONNECT_IN_APP_PROCESS を使用して、 DB2 コネクト エンタープライズ・エディション・サーバーと同じマシンで実行されているクライアントが SYSPLEX サポートを使用することを許可できます。詳細については、DB2 コネクト 使用者の手引き を参照してください。
集線装置を追加すると、 DB2 コネクトは、トランザクション境界で作業負荷の均等化を図ることができます。そのためには、DB2 コネクト集線装置を使用可能にする必要があります。ホストの DB2 バージョンに応じて、ロード・バランシングの様々な細分度を図ることができます。 DB2 (OS/390 版) V6.1 以降で実行すると、 DB2 コネクトは、トランザクションごとに WLM から更新済み状況を受け取ります。
しかし、ホストが DB2 (OS/390 版) V5.1 である場合には、 WLM 状況は接続要求のみで戻されます。そのため、OS/390 V5.1 および SYSPLEX サポートを使用する際には、長時間の接続はお勧めしません。しかし、OS/390 V6.1 および SYSPLEX サポートでは、長時間の接続は使用できます。