DB2 コネクト 概説およびインストール (UNIX** 版)

手動での DB2 コネクト (Solaris 版) のインストール

DB2 コネクト (Solaris 版) をインストールする際には、 db2setup ユーティリティーを使用するようにお勧めします。このユーティリティーを使用しない場合、 db2_install および pkgadd コマンドを使用して、 DB2 コネクト製品およびファイル・セットを手動でインストールすることができます。

DB2 コネクトをインストールする前に、システムのカーネル構成パラメーターを更新しなければなりません。詳細は、Solaris カーネル構成パラメーターを参照してください。

db2_install コマンドを使用して DB2 コネクト (Solaris 版) をインストールする場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。
  3. ボリューム・マネージャーをシステムで実行しない 場合は、次のようなコマンドを入力して CD-ROM をマウントしてください。
       mkdir -p /cdrom/unnamed_cdrom
       mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t6d0s2 /cdrom/unnamed_cdrom
    

    ここで、/cdrom/unnamed_cdrom は CD-ROM マウント・ディレクトリーを、 /dev/dsk/c0t6d0s2 は CD-ROM ドライブ装置を表しています。
    注:NFS を使用してリモート・システムから CD-ROM ドライブをマウントする場合は、リモート・システム上の CD-ROM ファイル・システムをルート・アクセスによってエクスポートする必要があります。ローカル・マシンに CD-ROM ファイル・システムをマウントする場合も、やはりルート・アクセスを使用しなければなりません。

    ボリューム・マネージャー (vold) が実行されているシステムの場合、次のようにすると、CD-ROM は自動的にマウントされます。

       /cdrom/unnamed_cdrom
    
  4. 次のように、db2_install コマンドを実行します。
       /cdrom/unnamed_cdrom/db2_install
    

    db2_install コマンドを実行すると、以下の 1 つまたは複数のインストールに関するプロンプトと、それらの製品ファイルをインストールする基本ディレクトリーに関するプロンプトが出されます。以下に、それらの製品のキーワードと製品説明をリストします。

    DB2.CENT
    DB2 コネクト エンタープライズ・エディション (Solaris 版)

    DB2.CAE
    DB2 ユニバーサル・データベース アドミニストレーション・クライアント

    DB2.RCAE
    DB2 ユニバーサル・データベース ランタイム・クライアント

    DB2.SDK
    DB2 アプリケーション開発クライアント

    DB2.DQP
    DB2 ユニバーサル・データベース・クエリー・パトローラー

    NETQ
    IBM NetQuestion HTML 検索システム

    このコマンドにより、Specify one or more of the keywords separated by spaces というプロンプトが表示されます。

  5. プロンプトが出されたら、インストールする製品のキーワードを入力します。
  6. プロンプトが出されたら、基本ディレクトリーの名前を入力します。デフォルトの基本ディレクトリーは /opt です。

    デフォルトの基本ディレクトリーを使用する場合、すべてのファイルが /opt/IBMdb2/V7.1 ディレクトリーにインストールされます。

  7. 「はい (Yes)」を入力して、 DB2 製品のインストールを開始します。

DB2 (Solaris 版) 製品ライブラリーのインストール

DB2 製品の資料をオンラインで表示できるようにするため、 HTML バージョンの資料が用意されています。 これらの HTML バージョンの資料はすでにいくつかの言語に翻訳されていますが、 DB2 製品ライブラリーのすべての資料が複数の言語に翻訳されているわけではありません。 すべての資料を HTML 形式で入手できるのは英語版だけです。 英語版ではない HTML ファイル・セットだけを選択したとしても、英語版の HTML ファイル・セットは必ずインストールされます。

DB2 資料が翻訳されている言語ごとに、それぞれ別々のパッケージがあります。 DB2 資料のパッケージの名前は db2ht%L71 のようになっています。ここで、%L は言語およびロケールの識別子に使われる 2 つの文字を表しています。

たとえば、英語の DB2 製品ライブラリーは db2hten71 になります。 DB2 製品ライブラリーのパッケージの完全なリストについては、 UNIX プラットフォームの DB2 製品の内容を参照してください。

DB2 製品ライブラリー (HTML) パッケージをインストールする場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。
  3. pkgadd コマンドを実行します。
       pkgadd -d cdrom-dir/db2 pkgname
    

    ここで、 cdrom-dir は CD-ROM のマウント・ディレクトリーを、 pkgname はパッケージ名をそれぞれ表しています。たとえば、英語の DB2 資料をインストールする場合、以下のコマンドを入力します。

       pkgadd -d /cdrom/unnamed_cdrom/db2 db2hten71
    

    このコマンドを実行すると、圧縮された DB2 資料の tar ファイルが /opt/IBMdb2/V7.1/doc/locale/html ディレクトリーにインストールされます。ここで、locale は言語識別子です。

  4. 以下のコマンドを実行して、 tar ファイルを HTML ファイルに解凍します。
       /opt/IBMdb2/V7.1/doc/db2insthtml locale
    

    ここで、lang はロケール識別子を表しています。たとえば、英語のロケールは en_US です。

ディスク容量を回復するには、圧縮 tar ファイルおよび製品ライブラリー・ファイル・セットをインストール後に除去することもできますが、 tar ファイルまたはファイル・セットが除去された後も、 HTML ブックをこれまでどおり表示できます。

DB2 (Solaris 版) 製品メッセージのインストール

DB2 製品メッセージが翻訳されているロケールごとに、それぞれ別々のパッケージがあります。 DB2 製品メッセージのパッケージの名前は db2ms%L71 のようになっています。ここで、%L は言語名に使われる 2 つの文字を表しています。たとえば、 de (ドイツ語) ロケールの DB2 製品メッセージのパッケージ名は db2msde71 になります。 DB2 製品メッセージの完全なリストについては、 UNIX プラットフォームの DB2 製品の内容を参照してください。

pkgadd コマンドを使用して DB2 製品メッセージのパッケージをインストールする場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。
  3. pkgadd コマンドを次のように実行します。
       pkgadd -d cdrom-dir/db2 pkgname
    

    ここで、 cdrom-dir は CD-ROM のマウント・ディレクトリーを、 pkgname はパッケージ名をそれぞれ表しています。

    たとえば、 de (ドイツ語) ロケールの DB2 製品メッセージをインストールする場合、以下のコマンドを入力します。

        pkgadd -d /cdrom/unnamed_cdrom/db2 db2msde71
    

DB2 (Solaris 版) インストール後のタスク

手動で DB2 コネクト製品をインストールした場合、次に、インスタンス所有者、管理サーバー、分離ユーザー定義関数 (UDF)、およびストアード・プロシージャー用のグループおよびユーザー ID を作成しなければなりません。これらの ID を設定してからでなければ、インスタンスの作成、管理サーバーの作成、ライセンス・キーのインストール、および DB2 コネクト・ファイル用のリンクの作成を行うことはできません。

db2setup ユーティリティーを使用して DB2 コネクトをインストールした場合、これらのタスクを実行する必要はありません。

インスタンス所有者、管理サーバー、および UDF 用のグループおよびユーザー ID の作成

インスタンス所有者、管理サーバー、UDF、およびストアード・プロシージャー用のグループおよびユーザー ID を作成しなければなりません。既存のユーザーまたはグループ ID を使用するのであれば、このセクションはスキップして、インスタンスの作成に進んでください。

ユーザー名とグループに関してオペレーティング・システムで定められている規則の他に、 付録 D, 命名規則に説明のある規則にも従わなければなりません。

インスタンス所有者用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 以下のコマンドを入力して、新しいグループを作成します。
    groupadd -g 999 dbadmin1
    

    ここで、 999 はグループ ID を、 dbadmin1 はグループ名を表しています。この新しいグループは、インスタンス用の SYSADM グループです。

  3. 以下のコマンドを入力して、新しいユーザーを作成します。
       useradd -g dbadmin1 -u 1004 -d /export/home/db2inst1 -m db2inst1
         passwd db2inst1
    

    ここで、dbadmin1 は前のステップで作成したグループ、 1004 はユーザー ID、 /export/home/db2inst1 はユーザーのホーム・ディレクトリー、 db2inst1 はユーザー名とインスタンス名をそれぞれ表します。

ユーザー ID は、作成するインスタンスごとに固有のものを使用しなければなりません。それによって、システム・エラーが発生したとき、より簡単にエラーから回復できます。

管理サーバー用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。管理サーバーとインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用しなければなりません。セキュリティー上の理由から、管理サーバーとインスタンス所有者には異なるグループ ID を使用するようにお勧めします。

UDF 用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。セキュリティー上の理由から、 UDF とインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用するようにお勧めします。 DB2 インスタンスを作成するときに、 UDF ユーザー ID を指定するように指示されます。

インスタンスの作成

DB2 インスタンスは、データを保管したりアプリケーションを実行したりする環境です。インスタンスを作成するには、 db2icrt コマンドを使います。このコマンドを入力するためには、root 権限が必要です。データベース・インスタンスの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

db2icrt コマンドは、以下のパラメーターで実行されます。

   DB2DIR/instance/db2icrt -a AuthType -u FencedID InstName

ここで、

管理サーバーの作成

管理サーバーは、 DB2 データベースへの接続の構成の自動化を行うツールをサポートするサービスを提供します。また、管理サーバーは、コントロール・センターを使用して、自分のサーバー・システムからまたはリモート・クライアントから DB2 を管理するツールもサポートします。管理サーバーの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

管理サーバーを作成するには、DB2DIR/instance/dasicrt ASName コマンドを使用します。



ここで、DB2DIR は /usr/lpp/db2_07_01 (AIX の場合)


/opt/IBMdb2/V7.1 (HP-UX、DYNIX/ptx、SGI IRIX、または Solaris の場合)


/usr/IBMdb2/V7.1 (Linux の場合)

および ASName は、作成する管理サーバーの名前を示します。

ライセンス・キーの更新

権利証ライセンス情報 ブックレットを見れば、ご自分がライセンスを受けている製品が分かります。

DB2 コネクト製品のライセンス・キーを更新する場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 以下のコマンドを使用して、 DB2 コネクト製品のライセンスを更新します。
       /opt/IBMdb2/V7.1/adm/db2licm -a filename
    

    ここで filename は、購入した製品に対応するライセンス・ファイルの絶対パス名およびファイル名を表しています。

    DB2 コネクト製品のライセンス・キーが /var/ifor/nodelock ファイルに追加されます。

    それらの製品のライセンス・ファイルの名前を以下に示します。

    db2conee.lic
    DB2 コネクト エンタープライズ・エディション

    たとえば、 CD-ROM が/cdrom ディレクトリーにマウントされており、ライセンス・ファイルの名前が db2udbee.lic の場合、以下のコマンドを入力します。

       /opt/IBMdb2/V7.1/adm/db2licm -a /unnamed_cdrom/db2/license/db2udbee.lic
    

DB2 コネクト・ファイル用のリンクの作成

DB2 ファイルでの /usr/lib ディレクトリーへのリンクと、特定のバージョンおよびリリース・レベルの製品の組み込みファイルの /usr/include ディレクトリーへのリンクを作成することができます。

このようなリンクを作成した方がよいのは、アプリケーションを開発または実行するときに、製品ライブラリーおよび組み込みファイルのフルパスを指定しなくて済むようにしたい場合です。

DB2 コネクト・ファイル用のリンクを作成する場合、 root 権限を持つユーザーとしてログインし、 /opt/IBMdb2/V7.1/cfg/db2ln コマンドを実行します。

旧バージョンの DB2 からの /usr/lib および /usr/include ディレクトリーへのリンクが現存する場合、 db2ln コマンドを入力して現バージョンの DB2 用のリンクを作成すると、旧リンクは自動的に除去されます。旧バージョンのライブラリーへのリンクを再確立したい場合、旧バージョンから db2rmln コマンドを実行してから、旧バージョンの DB2 から db2ln コマンドを実行しなければなりません。リンクは、1 つのシステムにつき 1 つのバージョンの DB2 に対してしか確立できません。


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