DB2 コネクト 概説およびインストール (UNIX** 版)

手動による DB2 コネクト (Linux 版) のインストール

DB2 コネクト (Linux 版) をインストールするには、 db2setup ユーティリティーを使用することをお勧めします。このユーティリティーを使用しない場合は、 db2_install コマンドまたは rpm コマンドを使って、手動で DB2 コネクトをインストールできます。

DB2 コネクト製品はいろいろな機能および構成要素で構成されており、 Linux 環境ではこれらをパッケージといいます。 rpm コマンドを使って DB2 コネクト製品をインストールするときには、必要なそれぞれのパッケージ、および使用したい任意選択の機能に関連した各パッケージをインストールするよう選択する必要があります。たとえば、Linux ワークステーションにコントロール・センターをインストールしたい場合には、以下のコマンドを入力して、 db2wcc71-7.1.0-0.i386.rpm パッケージをインストールする必要があります。

   rpm -ivh db2wcc71-7.1.0-0.i386.rpm

パッケージには必須のものと任意選択のものがあります。 DB2 コネクト製品のインストールに必要なパッケージについては、 製品および選択可能な構成要素を参照してください。すべてのパッケージ名の詳細なリストについては、 UNIX プラットフォームの DB2 製品の内容を参照してください。

rpm コマンドを使用して DB2 製品をインストールしようとすると、エラーが発生しやすい傾向があります。これは、必須のパッケージを除外してしまう場合が多いためです。 db2setup ユーティリティーを使用しない場合には、 db2_install スクリプトを使って DB2 製品をインストールすることをお勧めします。 db2_install スクリプトは、 rpm コマンドを使って DB2 製品の必須パッケージおよび任意選択のパッケージを両方ともインストールします。

db2_install スクリプトを使って DB2 コネクトをインストールするには、以下のようにします。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. Linux ワークステーションで DB2 コネクトが使用可能になっていることを確認します。詳しくは、 DB2 コネクトのインストールのために Linux ワークステーションを準備するを参照してください。
  3. 適切な CD-ROM を挿入およびマウントします。 CD-ROM をマウントする方法について、詳しくは UNIX オペレーティング・システム上での CD-ROM のマウントを参照してください。
  4. ./db2_install コマンドを入力します。このスクリプトは、CD-ROM からインストールできる製品のリストを、たとえば次のように戻します。
       Specify one or more of the following keywords,
       separated by spaces, to install DB2 products.
     
       DB2.WGRP - DB2 Workgroup Edition
       DB2.SDK  - DB2 Application Development Client
       DB2.CAE  - DB2 Administration Client
    Enter "help" to redisplay the product names, enter "quit" to exit.
    ******************************************************************
    
  5. インストールしたい DB2 製品名を入力し、Enter を押します。たとえば DB2 ワークグループ・エディションをインストールするには、 db2_install スクリプトのプロンプトに対する応答として DB2.WGRP と入力します。 db2_install スクリプトは、インストールするよう選択した製品に関連するすべての rpm のインストールを開始します。

インストールが完了すると、DB2 コネクト・ソフトウェアは、 /usr/IBMdb2/V7.1 ディレクトリーにインストールされます。

DB2 コネクト (Linux 版) のインストール後の作業

手動で本製品をインストールした後、インスタンス所有者、管理サーバー、および分離ユーザー定義関数 (UDF) や分離ストアード・プロシージャーのための 1 つのグループと複数のユーザー ID を作成する必要があります。これらの ID を設定してからでなければ、インスタンスの作成、管理サーバーの作成、ライセンス・キーのインストール、および DB2 ファイル用のリンクの作成を行うことはできません。

db2setup ユーティリティーを使って DB2 をインストールした場合は、これらのタスクを実行する必要はありません。

インスタンス所有者、管理サーバー、 UDF 用のグループおよびユーザー ID の作成

インスタンス所有者、管理サーバー、および UDF やストアード・プロシージャー用のグループとユーザー ID を作成する必要があります。既存のユーザー ID またはグループ ID を使用したい場合には、このセクションをとばしてインスタンスの作成に進んでください。

ユーザー名とグループに関してオペレーティング・システムで定められている規則の他に、 付録 D, 命名規則に説明されている規則にも従わなければなりません。

インスタンス所有者用のグループおよびユーザー ID を作成するには、次のようにします。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 次のコマンドを入力して、新規グループを作成します。
       mkgroup -g 999 dbadmin1
    

    ここで、 999 はグループ ID を、 dbadmin1 はグループ名を表しています。この新しいグループは、インスタンス用の SYSADM グループです。

  3. 以下のコマンドを入力して、新しいユーザーを作成します。
       mkuser -u 1004 -g db2admin1 -G dbadmin1 -m -d /home/db2inst1
          db2inst1 -p db2inst1
    

    1004 はユーザー ID、 dbadmin1 は前のステップで作成したグループ、 /home/db2inst1 はユーザーのホーム・ディレクトリー、および db2inst1 はユーザー名またインスタンス名です。

ユーザー ID は、作成するインスタンスごとに固有のものを使用しなければなりません。それによって、システム・エラーが発生したとき、より簡単にエラーから回復できます。

管理サーバー用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。管理サーバーとインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用しなければなりません。セキュリティー上の理由から、管理サーバーとインスタンス所有者には異なるグループ ID を使用するようにお勧めします。

UDF 用のグループおよびユーザー ID を作成する場合、インスタンス所有者用の ID を作成する際に行ったのと同じステップを行います。セキュリティー上の理由から、 UDF とインスタンス所有者には異なるユーザー ID を使用するようにお勧めします。 DB2 インスタンスを作成するときに、 UDF ユーザー ID を指定するように指示されます。

インスタンスの作成

DB2 インスタンスは、データを保管したりアプリケーションを実行したりする環境です。インスタンスを作成するには、 db2icrt コマンドを使います。このコマンドを入力するためには、root 権限が必要です。データベース・インスタンスの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

db2icrt コマンドは、以下のパラメーターで実行されます。

   DB2DIR/instance/db2icrt -a AuthType -u FencedID InstName

ここで、

管理サーバーの作成

管理サーバーは、 DB2 データベースへの接続の構成の自動化を行うツールをサポートするサービスを提供します。また、管理サーバーは、コントロール・センターを使用して、自分のサーバー・システムからまたはリモート・クライアントから DB2 を管理するツールもサポートします。管理サーバーの詳細については、 管理の手引き を参照してください。

管理サーバーを作成するには、DB2DIR/instance/dasicrt ASName コマンドを使用します。



ここで、DB2DIR は /usr/lpp/db2_07_01 (AIX の場合)


/opt/IBMdb2/V7.1 (HP-UX、DYNIX/ptx、SGI IRIX、または Solaris の場合)


/usr/IBMdb2/V7.1 (Linux の場合)

および ASName は、作成する管理サーバーの名前を示します。

ライセンス・キーの更新

権利証または ライセンス情報 ブックレットを見れば、ユーザーがライセンスを受けている製品が分かります。

DB2 製品のライセンス・キーを更新する場合、以下を行います。

  1. root 権限を持つユーザーとしてログインします。
  2. 以下のコマンドを使用して、 DB2 製品のライセンスを更新します。
       /usr/IBMdb2/V7.1/adm/db2licm -a filename
    

    filename はご購入の製品に対応するライセンスの全パス名およびファイル名です。それらの製品のライセンス・ファイルの名前を以下に示します。

    db2conee.lic
    DB2 コネクト エンタープライズ・エディション

    たとえば、CD-ROM のマウント先が /cdrom で、ライセンス・ファイル名が db2udbee.lic であれば、コマンドを以下のように入力します。

       /usr/IBMdb2/V7.1/adm/db2licm -a /cdrom/db2/license/db2udbee.lic
    

DB2 ファイル用のリンクの作成

DB2 ファイルでの /usr/lib ディレクトリーへのリンクと、特定のバージョンおよびリリース・レベルの製品の組み込みファイルの /usr/include ディレクトリーへのリンクを作成することができます。

このようなリンクを作成した方がよいのは、アプリケーションを開発または実行するときに、製品ライブラリーおよび組み込みファイルのフルパスを指定しなくて済むようにしたい場合です。

DB2 ファイル用のリンクを作成には、 root 権限を持つユーザーとしてログインし、 /usr/IBMdb2/V7.1/cfg/db2ln コマンドを実行します。

旧バージョンの DB2 からの /usr/lib および /usr/include ディレクトリーへのリンクが現存する場合、 db2ln コマンドを入力して現バージョンの DB2 用のリンクを作成すると、旧リンクは自動的に除去されます。旧バージョンのライブラリーへのリンクを再確立したい場合、旧バージョンから db2rmln コマンドを実行してから、旧バージョンの DB2 から db2ln コマンドを実行しなければなりません。リンクは、1 つのシステムにつき 1 つのバージョンの DB2 に対してしか確立できません。


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