DB2 は、機能が豊富なリレーショナル・データベース・システムで、多くの機能にリモートからアクセスすることができます。 DB2 では、データを保管するためのリレーショナル・データベースが提供される他に、ローカルまたはリモートのクライアント・アプリケーションのデータを管理、照会、更新、挿入、または削除するための要求を発行することもできます。
中間サーバーなしの直接接続は、非常に便利で、望ましい構成です。これは特に、ホストまたは AS/400 データベース・サーバーが、 TCP/IP 接続をサポートする場合にあてはまります (たとえば、 DB2 (OS/390 版) V5.1、または DB2 AS/400 用 V4R2、または DB2 (VM 版) 6.1)。このような構成では、各 DB2 コネクト・ワークステーションは、 DB2 (OS/390 版) に直接 TCP/IP 接続を確立するか、または統合 SNA サポートのあるプラットフォームの場合、 DB2 (MVS 版) および他のホストと AS/400 データベースに、 APPC を介して接続します。
TCP/IP 接続では、ホストまたは AS/400 データベースが TCP/IP をサポートする必要があります。 DB2 (OS/390 版) V5.1、DB2/400 V4R2、および DB2 (VM 版) V6.1 が、ネイティブの TCP/IP 接続をサポートします。ネイティブの TCP/IP の代わりとして MPTN 接続も使用されます。 MPTN 接続では、 IBM AnyNet プロダクトをターゲット・データベース・システムにインストールする必要がありますが、ホストまたは AS/400 データベースがネイティブの TCP/IP サポートを提供する必要はありません。
図 1 は、 DB2 コネクト パーソナル・エディションがインストールされており、ホストまたは AS/400 データベース・サーバーに直接接続されるワークステーションを示します。
図 1. DB2 コネクトと、ホストまたは AS/400 データベース・サーバー間の直接接続
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この環境では、Windows 32 ビット オペレーティング・システムを使用している場合、 DB2 コネクト パーソナル・エディション統合 SNA サポートを使用して、ホストまたは AS/400 サーバーに直接接続できます。 DB2 コネクト 統合 SNA サポートにより、トークンリング、イーサネット、 SDLC、 Twinax、 Coax および非同期ダイヤルアップなどのさまざまなローカル、および広域ネットワークで接続を行うことができます。
DB2 コネクト統合 SNA サポートは、 IBM AnyNet プロダクトをインストールしたホストおよび AS/400 システムを使用して、ネットワークを介した APPC および MPTN 接続の両方を実現します。 OS/2 ワークステーションのユーザーは、IBM パーソナル・コミュニケーションズ (OS/2 版)、または IBM Communications Server (OS/2 版) を使用して、直接 APPC および MPTN 接続を達成することができます。
企業によっては、IBM eNetwork 通信サーバー、Microsoft SNA サーバー、または Novell Netware for SAA などの専用 SNA ゲートウェイを使用した、 SNA ネットワークへのアクセスに集中する方を選びます。 DB2 コネクト製品はゲートウェイを経由した接続をサポートするので、端末エミュレーションおよび DB2 コネクトが提供しない他の SNA サービスが必要な場合、これは良い選択と言えます。 図 2 は、そのような状況を示しています。
図 2. SNA 通信ゲートウェイを経由した、ホストまたは AS/400 データベース・サーバーへの間接接続
DB2 ホストや AS/400 ベースのデータ・ソースへのアクセスを必要とするワークステーションが多くある場合、すべてのマシンに DB2 コネクト PE をインストールするよりは、 DB2 コネクト EE を使用して DB2 クライアントに対応するほうがよいかもしれません。 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションは、 IBM eNetwork 通信サーバーまたは Microsoft SNA Server と同じマシン上にインストールでき、多くの場合コストも安く、パフォーマンスも良い解決策になります。
DB2 コネクト・サーバーを使用して、LAN 上の DB2 クライアントから、ホストまたは AS/400 システムに保管されているデータにアクセスすることができます。 DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ・エディション、および DB2 ユニバーサル・データベース エンタープライズ拡張エディションには、 DB2 コネクト サーバー・サポート 構成要素が含まれます。 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションへの言及はすべて、 DB2 コネクト サーバー・サポート構成要素にもあてはまります。
多くの大規模な組織では大量のデータが、DB2 (AS/400 版)、 DB2 (MVS/ESA 版)、DB2 (OS/390 版)、または DB2 (VSE および VM 版) によって管理されます。サポートされている任意のプラットフォームでアプリケーションを実行した場合、あたかもローカル・データベース・サーバーがそのデータを管理しているかのように、データを透過的に処理することができます。 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションは、ホストまたは AS/400 データにアクセスし、トランザクション・モニター (たとえば、IBM TxSeries CICS、Encina Monitor、Microsoft Transaction Server、BEA Tuxedo) や、 Java アプレットとして実装されるアプリケーションを開発するアプリケーションをサポートするのに必要です。
さらに、広範囲の既製またはカスタム開発されたデータベース・アプリケーションを、 DB2 コネクトとその関連ツールと共に使用することができます。たとえば、DB2 コネクト・プロダクトを次のものと一緒に使用できます。
DB2 コネクト エンタープライズ・エディションは、次のような環境に最も適しています。
これにより、分散データ管理用の標準アーキテクチャーを介して、ホスト・データまたは AS/400 データに透過的にアクセスできます。この標準規格は、分散関係データベース体系 (DRDA) と呼ばれます。アプリケーションは、DRDA の使用によって、高価なホスト構成要素や専用のゲートウェイを使わずにホストおよび AS/400 データベースに迅速に接続することができます。
DB2 コネクトはしばしば、DB2 クライアントからホストまたは AS/400 データベースに接続するために、中間サーバー・マシンにインストールされますが、複数のローカル・ユーザーがホストまたは AS/400 サーバーに直接アクセスするマシン上にもインストールされます。たとえば、DB2 コネクトは、たくさんのローカル・ユーザーを持つ大規模なマシンにインストールされることがあります。
また、DB2 コネクトは、Web サーバー、トランザクション・プロセッサー (TP) モニター、または複数のローカル SQL アプリケーション・プロセスおよびスレッドを持つ、他の 3 層アプリケーション・サーバー・マシンにもインストールされることがあります。この場合、簡素化のために DB2 コネクトを同じマシン上にインストールするか、またはオフロード CPU 循環のために別のマシンにインストールするかを選択できます。
DB2 コネクト・サーバーにより、複数のクライアントからホスト・データまたは AS/400 データに接続することができ、さらにエンタープライズ・データへのアクセスを確立して維持するために必要な手間を大幅に省きます。 図 3 は、 DB2 コネクト エンタープライズ・エディションを介して、ホストまたは AS/400 データベース・サーバーへの間接接続を行う、 DB2 クライアントを使用する環境のための、IBM のソリューションを図示しています。
この例では、DB2 コネクト・サーバーを、 DB2 コネクト・サーバー・サポート構成要素をインストールした DB2 サーバーに置き換えることができます。
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図 4. DB2 コネクトでのトランザクション・モニターの使用
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図 6. DB2 コネクトと Microsoft インターネット情報サーバー (IIS)
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DB2 には Java データベース・コネクティビティー (JDBC) および Java Embedded SQL (SQLJ) が備えられており、 Web から DB2 データベース内のデータにアクセスするアプリケーションを作成できます。
組み込み SQL を含むプログラム言語は、ホスト言語と呼ばれます。 Java は、SQL を組み込む方法に大きな影響を与えるという意味で、従来のホスト言語 C、COBOL、および FORTRAN とは異なります。
DB2 JDBC アプレット・サーバーと DB2 クライアントは、 Web サーバーと同じマシンに常駐しなければなりません。 DB2 JDBC アプレット・サーバーは DB2 クライアントを呼び出して、ローカル、リモート、ホスト、および AS/400 データベースに接続します。アプレットが DB2 データベースへの接続を要求した場合、 JDBC クライアントは、Web サーバーが実行されるマシン上の DB2 JDBC アプレット・サーバーへの TCP/IP 接続をオープンします。
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JDBC および SQLJ アプリケーションは、 DB2 クライアントがインストールされている任意のシステムから実行できます。 Web ブラウザーと Web サーバーは不要です。
Java 使用可能性についての詳細は、 http://www.ibm.com/software/data/db2/java/ にある、 DB2 Java Enablement Web ページを参照してください。
JDBC API の詳細については、 http://splash.javasoft.com/ を参照してください。
DB2 には Net.Data が備えられており、 Web から DB2 データベース内のデータにアクセスするアプリケーションを作成できます。 Web サーバーに保管され、任意の Web ブラウザーから見ることのできるアプリケーションを作成するには、 Net.Data を使用することができます。この文書の表示中にユーザーは、自動照会を選択するか、または新しい照会を定義して、 DB2 データベースから指定の情報を直接取り出すことができます。
自動照会ではユーザー入力は必要ありません。この照会は HTML 文書内のリンクであり、これを選択すると、既存の SQL 照会が起動されて DB2 データベースから結果が戻されます。このリンクを繰り返してトリガーすると、現行の DB2 データにアクセスできます。カスタマイズ照会では、ユーザー入力が必要です。ユーザーが Web ページに検索特性を定義するには、リストでオプションを選択するか、またはフィールドに値を入力します。次に、押しボタンをクリックして探索を実行要求します。 Net.Data は、ユーザーから提供された情報を使って、完全な SQL ステートメントを動的に作成してから、データベースにその照会を送信します。
Net.Data アプリケーションの例については、 IBM ソフトウェア Net.Data ページ (http://www.ibm.com/software/data/net.data) を参照してください。
Net.Data は、以下のものと一緒にインストールすることができます。
どちらの場合も、Net.Data と Web サーバーは同じシステムにインストールしなければなりません。
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