この章では、 Silicon Graphics IRIX で DB2 アプリケーションを構築するための詳細な情報を提供します。 スクリプト・ファイルにおいて、db2 から始まるコマンドは、 コマンド行プロセッサー (CLP) のコマンドです。 CLP コマンドについての詳細な情報が必要であれば、 コマンド解説書 を参照してください。
Silicon Graphics IRIX 用の DB2 アプリケーション開発の最新の更新事項については、 次の Web ページを参照してください。
http://www.ibm.com/software/data/db2/udb/ad
DB2 for Silicon Graphics IRIX はクライアント専用です。 DB2 アプリケーションを実行し、DB2 組み込み SQL アプリケーションを構築するには、 クライアント・マシンからサーバー・マシン上の DB2 データベースにアクセスする必要があります。 なお、サーバー・マシンでは、別のオペレーティング・システムを実行します。 クライアント / サーバー通信の構成については、DB2 ユニバーサル・データベース (UNIX 版) 概説およびインストール を参照してください。
加えて、別のオペレーティング・システムで実行しているリモート・クライアントからサーバー上のデータベースにアクセスするためには、 DB2 CLI を含むデータベース・ユーティリティーをデータベースにバインドする必要があります。 詳細については、"バインド"を参照してください。
DB2 ライブラリー・サポート
Silicon Graphics IRIX には、o32 (デフォルト)、 n32 (新しい 32 オブジェクト・タイプ)、 そして 64 (64 オブジェクト・タイプ) という、 互いに独立して互換性を持たない 3 つのオブジェクト・タイプがあります。 DB2 ではまだ 64 をサポートしていませんが、 o32 オブジェクト・タイプと n32 オブジェクト・タイプをサポートしています。
このオペレーティング・システムのスレッド API には、 sproc インターフェースと POSIX スレッド API という、 互いに独立して互換性を持たない 2 つのバージョンがあります。 DB2 でサポートされているのは、POSIX スレッド API です。
sproc インターフェースを使用しているアプリケーションでは、 非スレッド・バージョンの DB2 ライブラリー libdb2 を利用することができますが、 これはスレッド・セーフではありません。 libdb2 は sproc セーフではないため、 sproc インターフェースを使う際には注意が必要です。
このような機能に対応するため、 DB2 には以下のようなライブラリー・サポートがあります。
n32 オブジェクト・タイプを利用する場合は、 -n32 オプションでプログラムをコンパイルしてリンクさせ、 さらに lib32/libdb2.so ライブラリーか lib32/libdb2_th.so ライブラリーにリンクさせてください。 デフォルトの o32 オブジェクト・タイプを利用する場合は、-n32 オプションを指定しないで、 lib/libdb2.so ライブラリーか lib/libdb2_th.so ライブラリーにプログラムをリンクさせてください。
注: | この章で扱われているビルド・ファイルを使用して n32 オブジェクト・タイプのアプリケーションを構築するには、 指示されているコマンドをコメント解除してください。 |