この節では以下のトピックを取り上げています。
組み込み SQL および DB2 API 呼び出しを含むアプリケーションを開発しており、 IBM COBOL Set for AIX コンパイラーを使用している場合には、 以下の点に留意してください。
$HOME/sqllib/include/cobol_i
提供されたスクリプト・ファイルを使って DB2 サンプル・プログラムを作成している場合、 スクリプト・ファイルで指定された組み込みファイルのパスは、 cobol_a ディレクトリーではなく、 cobol_i ディレクトリーを指すように変更しなければなりません。
IBM COBOL Set for AIX コンパイラーの「システム/390 ホスト・データ型サポート」機能を使用していない場合、 またはこのコンパイラーのそれよりも前のバージョンを使用している場合、 アプリケーション用の DB2 組み込みファイルは、次のディレクトリー中にあります。
$HOME/sqllib/include/cobol_a
.cbl 拡張子を含めるには、 次のようにして COPY ファイル名を指定します。
COPY "sql.cbl".
sqllib/samples/cobol にあるビルド・ファイル bldapp には、 DB2 アプリケーション・プログラムを構築するコマンドが含まれています。
第 1 パラメーター $1 には、ソース・ファイルの名前を指定します。 これは組み込み SQL を含まないプログラムに必要な唯一のパラメーターです。 組み込み SQL プログラムを作成するためにはデータベースへの接続が必要なため、 3 つのパラメーターがオプションとして用意されています。 2 番目のパラメーターは $2 で、 接続するデータベースの名前を指定します。 3 番目のパラメーターは $3 で、 データベースのユーザー ID を指定します。 そしてもう 1 つが $4 で、 データベースのパスワードを指定します。
組み込み SQL プログラムの場合、bldapp は、 プリコンパイルおよびバインドのファイル embprep にパラメーターを渡します。 データベース名が指定されない場合は、 デフォルトの sample データベースが使用されます。 なお、ユーザー ID とパスワードのパラメーターは、 プログラムを構築するインスタンスとデータベースのあるインスタンスが異なる場合にのみ必要になります。
#! /bin/ksh # bldapp script file -- AIX # Builds an IBM COBOL application program # Usage: bldapp <prog_name> [ <db_name> [ <userid> <password> ]] # Set DB2PATH to where DB2 will be accessed. # The default is the standard instance path. DB2PATH=$HOME/sqllib # If an embedded SQL program, precompile and bind it. if [[ -f $1".sqb" ]] then embprep $1 $2 $3 $4 fi # Compile the checkerr.cbl error checking utility. cob2 -qpgmname\(mixed\) -qlib -I$DB2PATH/include/cobol_a \ -c checkerr.cbl # Compile the program. cob2 -qpgmname\(mixed\) -qlib -I$DB2PATH/include/cobol_a \ -c $1.cbl # Link the program. cob2 -o $1 $1.o checkerr.o -ldb2 -L$DB2PATH/lib
bldapp のコンパイルおよびリンク・オプション |
---|
コンパイル・オプション
|
リンク・オプション
他のコンパイラー・オプションについては、コンパイラーの資料をご覧ください。
|
ソース・ファイル client.cbl から非組み込み SQL サンプル・プログラム client を作成するには、 次のように入力します。
bldapp client
結果として、実行可能ファイル client が作成されます。 sample データベースに対してこの実行可能ファイルを実行するには、 次のように入力します。
client
ソース・ファイル updat.sqb から組み込み SQL アプリケーション updat を構築する方法には、 次の 3 つがあります。
bldapp updat
bldapp updat database
bldapp updat database userid password
結果として、実行可能ファイル updat が作成されます。
この組み込み SQL アプリケーションを実行する方法には次の 3 つがあります。
updat
updat database
updat database userid password
sqllib/samples/cobol にあるスクリプト・ファイル bldsrv には、 ストアード・プロシージャーを構築するためのコマンドが含まれています。 スクリプト・ファイルは、 ストアード・プロシージャーを共用ライブラリーの中にコンパイルしますが、 それはクライアント・アプリケーションから呼び出すことができます。
第 1 パラメーター $1 には、ソース・ファイルの名前を指定します。 第 2 パラメーター $2 には、 接続先のデータベースの名前を指定します。 ストアード・プロシージャーは、 必ずデータベースが常駐するインスタンスに構築される必要があるため、 ユーザー ID やパスワードを指定するパラメーターはありません。
第 1 パラメーター (ソース・ファイル名) だけが必須です。 データベース名は任意で指定します。 データベース名を指定しない場合、 プログラムはデフォルトの sample データベースを使用します。
スクリプト・ファイルは、 ソース・ファイル名 $1 を共用ライブラリー名として、 また共用ライブラリーへの入り口点として使います。 構築しようとしているストアード・プロシージャーの入り口点関数名の名前がソース・ファイルの名前とは異なる場合、 入り口点の別のパラメーターを受け入れるようにスクリプト・ファイルを変更することができます。 データベース・パラメーターの名前を、 $3 に変更するようお勧めします。 それから、入り口点のリンク・オプションを -e $2 に変更し、 スクリプト・ファイルの実行時にコマンド行で追加パラメーターを指定します。
#! /bin/ksh # bldsrv script file -- AIX # Builds an IBM COBOL stored procedure # Usage: bldsrv <prog_name> [ <db_name> ] # Set DB2PATH to where DB2 will be accessed. # The default is the standard instance path. DB2PATH=$HOME/sqllib # Precompile and bind the program. embprep $1 $2 # Compile the checkerr.cbl error checking utility. cob2 -qpgmname\(mixed\) -qlib -I$DB2PATH/include/cobol_a \ -c checkerr.cbl # Compile the program. cob2 -qpgmname\(mixed\) -qlib -c -I$DB2PATH/include/cobol_a $1.cbl # Link the program using the export file $1.exp # creating shared library $1 with entry point $1. cob2 -o $1 $1.o checkerr.o -H512 -T512 -e $1 -bE:$1.exp \ -L$DB2PATH/lib -ldb2 # Copy the shared library to the sqllib/function subdirectory of the DB2 instance. # This assumes the user has write permission to this directory. rm -f $DB2PATH/function/$1 cp $1 $DB2PATH/function
bldsrv のコンパイルおよびリンク・オプション |
---|
コンパイル・オプション
|
リンク・オプション
他のコンパイラー・オプションについては、コンパイラーの資料をご覧ください。
|
サンプル・データベースに接続している場合に、 ソース・ファイル outsrv.sqb からサンプル・プログラム outsrv を構築するには、 次のように入力します。
bldsrv outsrv
他のデータベースに接続しているときは、 さらにデータベース名も含めます。
bldsrv outsrv database
このスクリプト・ファイルは、 ストアード・プロシージャーをサーバー上の sqllib/function というパスにコピーします。
必要であれば、ストアード・プロシージャーにファイル・モードを設定して、 クライアント・アプリケーションからアクセスできるようにします。
ストアード・プロシージャー outsrv を構築してしまえば、 そのストアード・プロシージャーを呼び出すクライアント・アプリケーション outcli を構築できます。 outcli は、 スクリプト・ファイル bldapp を使用して構築することができます。 詳細については、 "DB2 API と組み込み SQL アプリケーション"を参照してください。
ストアード・プロシージャーを呼び出すためには、 次のように入力してサンプル・クライアント・アプリケーションを実行します。
outcli database userid password
ここで、それぞれは次のものを表します。
クライアント・アプリケーションは共用ライブラリー outsrv にアクセスし、 ストアード・プロシージャー関数をサーバー・データベース上で実行します。 この出力は、クライアント・アプリケーションに戻されます。