データウェアハウスセンター アプリケーション統合の手引き


パートナー・アプリケーションがデータウェアハウスセンターおよび情報カタログ・マネージャーと協働する方法

本書において、 パートナー・アプリケーション とはデータウェアハウスセンターから独立して実行するアプリケーションで、データウェアハウジング・ソリューションのために何かのサポートを提供するもののことです。アプリケーションをデータウェアハウスセンターに定義して、そのアプリケーションが複数アプリケーションを含むことのできるウェアハウス構築プロセスに含まれるようにすることができます。

たとえば、IMS データベースから操作データをアンロードして、そのデータをクレンジングしてから、クレンジング済みデータを DB2(R) ウェアハウス・データベースにロードすることができます。その後ユーザーはクレンジング済みデータを照会することができます。次の 3 つのパートナー・アプリケーションがあります。

以下のプロセスでは、これら 3 つのアプリケーションを共に使用します。

  1. パートナー・アプリケーション 1 は、ソース IMS データベース内の複数のセグメントからデータを抽出します。
  2. パートナー・アプリケーション 1 は、ソース・セグメントからのデータを結合して、結合済みデータをファイル 1 に書き込みます。
  3. パートナー・アプリケーション 1 は、結合済みデータをファイル 1 に書き込みます。
  4. パートナー・アプリケーション 2 は、ファイル 1 からデータを読み取ります。
  5. パートナー・アプリケーション 2 は、名前の突き合わせおよび他のデータ・クレンジング技法を使用して、データをクレンジングします。
  6. パートナー・アプリケーション 2 は、クレンジング済みデータをファイル 2 に書き込みます。
  7. パートナー・アプリケーション 1 は、ファイル 2 からデータを読み取ります。
  8. パートナー・アプリケーション 1 は、データをウェアハウス・データベースに書き込みます。
  9. パートナー・アプリケーション 3 は、ユーザーが照会する表を選択したとき、ウェアハウス内のデータを表示するか、またはウェアハウス内のデータをレポートします。

図 1 は、3 つのパートナー・アプリケーションが協働する方法を示しています。

図 1. パートナー・アプリケーションを共に使用してウェアハウスを構築する


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パートナー・アプリケーションの管理

データウェアハウスセンターのステップを使用して、プロセスを管理することができます。 ステップ とは、ウェアハウス・プロセスでデータに対する単一の操作のことです。ほとんどの場合、ステップにはウェアハウス・ソース、変換またはデータの移動、およびウェアハウス・ターゲットが含まれます。ステップはスケジュールに従って実行したり、他のステップからの連鎖で実行することができます。ステップを使用して、データの抽出、変換、および書き込みにおける各ステップを定義およびスケジューリングします。

基本ステップは以下のタスクを実行します。

パートナー・アプリケーションの例では、以下のソースからターゲットへの変換のための、 3 つのステップを定義します。

パートナー・アプリケーション 3 はタスク 9 でユーザーの要求に応じてデータを変換するので、タスク 9 のためにはステップを定義しません。

ステップの定義で、ステップを実行する日付および時刻をスケジューリングできます。その日時に、データウェアハウスセンターは SQL ステートメントを発行したりプログラムを開始することによって、ステップが定義するプロセスを開始します。さらに、2 番目のステップが最初のステップの処理修了後に開始するように指定することもできます。

最初のステップが特定の日時に実行するようにスケジューリングできます。 2 番目のステップは最初のステップの実行後に開始するようにスケジューリングできます。 3 番目のステップは 2 番目のステップの実行後に開始するようにスケジューリングできます。このようにして、複数のパートナー・アプリケーションの実行プロセスを自動化することができます。

メタデータの管理

このプロセスを定義するためには、パートナー・メタデータをデータウェアハウスセンターにインポートします。本書においてパートナー・メタデータ とは、パートナー・アプリケーションが使用してデータウェアハウスセンターの外側に保管するメタデータのことです。

パートナー・アプリケーションの例では、以下のメタデータをデータウェアハウスセンターにインポートします。

その後、ファイルに関するメタデータをパートナー・アプリケーションにエクスポートして、両方のパートナー・アプリケーションが同じ情報を使用するようにします。

データウェアハウスセンターから情報カタログ・マネージャーにメタデータをエクスポートして、ウェアハウスのユーザーのためにウェアハウス内のデータに関する情報を示すことができます。ソースとターゲットについてのメタデータ、およびソース形式からターゲット形式へのデータ変換についてのメタデータをインポートすることができます。ウェアハウスのユーザーはインポートされたメタデータによって、ウェアハウス内のデータの系統に関する情報を取得することができます。

パートナー・アプリケーションの例では、ウェアハウス内の表である表 3 に関するメタデータを情報カタログ・マネージャーにエクスポートします。

メタデータを情報カタログ・マネージャーにデータウェアハウスセンターから直接インポートすることができます。さらに、パートナー・アプリケーションが MDIS 形式のメタデータをサポートする場合、メタデータを情報カタログ・マネージャーにインポートすることができます。

メタデータを情報カタログ・マネージャーからパートナー・メタデータ・ストアにエクスポートすることができます。パートナー・アプリケーションの例では、表 3 についてのメタデータを情報カタログ・マネージャーからパートナー・アプリケーション 3 のメタデータ・ストアにエクスポートします。ユーザーは表 3 についてのメタデータを表示して、その内容を検討します。

図 2 は、パートナー・アプリケーション、データウェアハウスセンター、および情報カタログ・マネージャーでのメタデータの流れを示しています。

図 2. パートナー・アプリケーション、データウェアハウスセンター、および情報カタログ・マネージャーでのメタデータの流れ


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本書の残りの部分では、以下のトピックに関してより詳細に解説しています。


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