IBM 外部ファイル・システム (FFS) 用 PTF IP22436 のインストール

IBM 外部ファイル・システム用の PTF IP22436 は、 それ以前のすべての FFS 用 PTF を置換します。

すでに外部ファイル・システム・ベースの製品をインストールして構成している場合は、 PTF IP22436 のみをインストールする必要があります。

外部ファイル・システムを初めて使用するユーザーは、 まず CD-ROM 内の INST390.HTM に書かれている説明に従って、 ベースとなる製品をインストールして構成してください。 その後、以下の説明に従って PTF IP22436 をインストールしてください。

PTF IP22436 はいくつかの機能強化と修正を提供します。 とくに、次のような点です。

この PTF をインストールして構成するため一般的なステップが、 以下のチェックリストに示されています。
 
ステップ 詳細の参照先 完了のチェック欄
新しい JES3 サポートを利用するために、 OW36022 用 JES3 PTF および OW45210 用 ++APAR をインストールする。    
PTF をインストールする。 PTF IP22436 のインストール  
IBM HTTP Server の構成を更新する。 IBM HTTP Server 構成の更新  
外部ファイル・システム・サーバーの構成を更新します。 外部ファイル・システム・サーバー構成の更新  
ジョブ・モニター・サーバーの構成を更新します。 ジョブ・モニター・サーバー構成の更新  

関連参照
TCP/IP V3R2 for MVS: Customization and Administration、SC31-7134
TCP/IP V3R2 for MVS Bookshelf
IBM HTTP Server: Planning, Installing, and Using、SC31-8690

PTF IP22436 のインストール

以下の資料は、プログラムのインストールと保守を行うシステム・プログラマー向けです。 ここでは、 VisualAge COBOL または VisualAge PL/I をサポートする PTF IP22436 のインストールに必要なファイルについて、 およびインストール手順について説明しています。 PTF をインストールする前にこの資料全体をお読みください。 また、この資料を保管し、後で必要なときに参照してください。

この PTF はファイル HFBN100\IP22436\IBM.HFBN100.IP22436 として出荷されています。

インストール・ステップの概要

PTF IP22436 をインストールするために必要なステップは次のとおりです。
  1. PTF 用のデータ・セットを割り振る
  2. ワークステーションから PTF をアップロードする
  3. SMP/E RECEIVE および APPLY を実行する

PTF 用データ・セットの割り振り

ワークステーションからアップロードする PTF 用の順次データ・セットを OS/390 上に割り振る必要があります。 これを行うには、次のジョブをサブミットします。 サブミットの前に、ジョブ・カードを追加し、ユーザーのサイトの要件に合うようにパラメーターを変更します。
//ALLOC1    EXEC   PGM=IEFBR14
//*
//FTPALLO  DD  DSN=hlq.IBM.HFBN100.IP22436,
//         DISP=(NEW,CATLG,DELETE),
//         DSORG=PS,
//         RECFM=FB,
//         LRECL=80,
//         BLKSIZE=6160,
//         SPACE=(TRK,(4,2)),
//         UNIT=SYSALLDA
//*        VOL=SER=&TVOL1

ワークステーションからの PTF のアップロード

ワークステーションから、 バイナリー・フォーマットのファイルを OS/390 データ・セットにアップロードします。 Windows システムでは、 コマンド・プロンプトから FTP を使用してファイルをアップロードできます。 次のサンプル・ダイアログの中で、 ユーザーが入力するコマンドその他の情報は太字で示されます。 また、次の値が想定されています。
ユーザーの入力
mvsaddr OS/390 システムの TCP/IP アドレス
tsouid ユーザーの TSO ユーザー ID
tsopw ユーザーの TSO パスワード
d: PTF ファイルが入っているドライブ
hlq 上記のジョブで割り振ったデータ・セットに使用した高水準修飾子
C:\>ftp mvsaddr
Connected to mvsaddr.220-FTPD1 IBM FTP CS V2R8 at mvsaddr, 04:43:52 on 2000-09-12.
220 Connection will close if idle for more than 60 minutes.

User (mvsaddr:(none)): tsouid

331 Send password please.Password: tsopw
230 tsouid is logged on.  Working directory is "tsouid.".

ftp> cd ..
250 "" is the working directory name prefix.

ftp> cd hlq
250 "hlq." is the working directory name prefix.

ftp> binary
200 Representation type is Image

ftp> put d:\hfbn100\ip22436\ibm.hfbn100.ip22436 ibm.hfbn100.ip22436
200 Port request OK.125 Storing data set hlq.ibm.hfbn100.ip22436
250 Transfer completed successfully.
1000000 bytes sent in 1.92 seconds (529.71 Kbytes/sec)

ftp> quit
221 Quit command received. Goodbye.

SMP/E RECEIVE および APPLY の実行

通常の方法で PTF の RECEIVE および APPLY を実行します。 次に示すのは、PTF を適用するための制御カードの一例です。 
//SMPCNTL  DD  *
    SET BDY(TARGLIB).
    APPLY SELECT(HFBN100)
    CHECK
    GROUPEXTEND
    FORFMID(HFBN100)
    COMPRESS(ALL) REDO
    BYPASS(HOLDSYS,HOLDUSER,
    HOLDCLASS(UCLREL,ERREL)).
最初のインストールの際に行われたインストール後ステップのいくつかを、 実行可能ファイル用にやり直す必要があります。 PTF を適用したとき、SMP/E ++HOLD はこの旨を指示します。  本資料の残りの節の説明に従って、 これらのステップを必ず完了してください。  その後、CHECK を含めないで制御カードを再びサブミットし、 インストールを完了する必要があります。

次のメッセージが表示されて APPLY が失敗した場合、

MVS PDS OR PDSE WITH DDNAME SYSUT1 WAS SPECIFIED FOR EITHER INPUT OR OUTPUT. A MEMBER NAME IS REQUIRED.

APPLY JCL および SMP/E DDEF を調べて、 SYSUT1 が PDS または PDSE として定義されていることを確認してください。 PTF に含まれるいくつかのファイルを適用する前に、 SMP/E はそれらのファイルを変換する必要があります。 この変換では SYSUT1 が出力ファイルとして使われます。 その後、SMP/E APPLY は SYSUT1 を入力ファイルとして使用します。 順次として定義するには、SMP/E では SYSUT1 - 4 が必要です。

IBM HTTP Server 構成の更新

IBM HTTP Server の構成を更新する主な目的は、 外部ファイル・システム・サーバーがパフォーマンス改善のために使用する新しい Go Webserver API (GWAPI) サービスを使用可能にすることです。 この更新は、OS/390 UNIX シェルから、 Web 管理ユーザー ID とグループを使用して次のいずれかの方式で行う必要があります。

それぞれの構成の方式によって、構成ファイル内のステートメント (呼び出されたディレクティブ) が変更されます。 変更後サーバーを再始動して、変更を有効にします。

関連参照
外部ファイル・システムの HTTP ディレクティブ

外部ファイル・システムの HTTP ディレクティブ

IBM HTTP Server が外部ファイル・システムと連動できるようにするために、 次のディレクティブを構成する必要があります。 他のディレクティブについては、たいていデフォルトの設定値を使用できます。 しかし、サーバーの文書に示されたすべてのディレクティブに目を通して、 ユーザーの環境ではデフォルトでよいかどうか確認してください。
タイプ: チューニング
MaxPersistRequest ディレクティブは、 サーバーが永続接続で許可する要求の最大数を指定します。 外部ファイル・システムには 5 以上の値が必要です。 MaxPersistRequest ディレクティブを次のように指定してください。
MaxPersistRequest   5
タイプ: GWAPI アプリケーション・プロセス
外部ファイル・システムが使用する Go Webserver API (GWAPI) サービスを使用可能にし、 外部ファイル・システム・サーバー・ルーチンのパスを提供する必要があります。 以下に示すファイル /ffsserver/samples/fbnfconf には、 外部ファイル・システムのサンプル構成情報が含まれています。 新しいディレクティブは太字で表示されています。 デフォルト・パス (usr/lpp/ffsserver) にインストールしなかった場合は、 それに応じてパスを変更する必要があります。
Enable FFS_WOPEN /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_GET /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable  FFS_GETFILE     /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable  FFS_GETFILEINFO /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_DIR /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_DELETE /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_RENAME /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_RMDIR /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_ALLOCATE /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_CONNECT /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable FFS_STCMDSRV /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
Enable  FFS_CLEANTMP    /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr
ServerInit /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvrInit TRACE_ERRORS
ServerTerm /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvrTerm
Service /FFSDS* /usr/lpp/ffsserver/lib/fbnfmain.dll:ffssrvr*
Pass /FBN-PUB/* /usr/lpp/ffsserver/WebServ/*
これらのディレクティブを、 Web サーバー構成ファイル (デフォルトでは httpd.conf) の前に付加します。

関連タスク
IBM HTTP Server 構成の更新
IBM HTTP Server: Planning, Installing, and Using、SC31-8690
Domino Go Webmaster's Guide、SC31-8691

外部ファイル・システム・サーバー構成の更新

外部ファイル・システム・サーバーの構成を更新するには、 次のステップを行います。
  1. Web サーバー・ファイル /etc/httpd.envvars が、 外部ファイル・システム・サーバーの実行可能ファイルが常駐するディレクトリーを指していることを確認します。 具体的には、次のとおりです。

  2.  
    追加先となる変数 (httpd.envvars ファイル内) 次のファイルがインストールされている位置のパス デフォルト値
    LIBPATH 変数 fbnfmain.dll と fbnfdir.dll /usr/lpp/ffsserver/lib
    PATH 変数 fbnflock と fbnfscmd /usr/lpp/ffsserver/bin

    FFSPATH 変数は、もはや設定する必要がなくなりました。
     

  3. 次のコマンドを発行して、UNIX システム・サービスのアクセス権を rwx r_x r_x に設定します。
  4. chmod +rx fbnfmain.dll
    chmod +rx fbnfdir.dll
    chmod +rx fbnflock
    chmod +rx fbnfscmd
  5. ファイルをプログラム制御されるようにするために、次のコマンドを発行します。
  6. extattr +p fbnfmain.dll
    extattr +p fbnfdir.dll
    extattr +p fbnflock
  7. ロード・モジュール (FBNJMON) が APF 許可ライブラリーであることを確認します。

  8.  
  9. 外部ファイル・システム・サーバーは、 AF_UNIX および AF_INET の両方のソケット・ドメインを使用します。 この使用形態をサポートするために、 FILESYSTYPE および NETWORK ステートメントを使用して、 BPXPRMxx parmlib メンバーで両方のドメインが識別されるようにしてください。 たとえば次のようにします。
  10. FILESYSTYPE TYPE(UDS) ENTRYPOINT(BPXTUINT)
    NETWORK DOMAINNAME(AF_UNIX)
       DOMAINNUMBER(1)
       MAXSOCKETS(1024)
       TYPE(UDS)
    FILESYSTYPE TYPE(INET) ENTRYPOINT(BPXTIINT)
    NETWORK DOMAINNAME(AF_INET)
       DOMAINNUMBER(2)
       MAXSOCKETS(1024)
       TYPE(INET)
    上記の例では、AF_UNIX と AF_INET の両方のドメイン用に、 MAXSOCKETS 値がデフォルトの 64 から 1024 に増やされています。 これは推奨です。 とくに、外部ファイル・システム・サーバーはパフォーマンス向上のために AF_UNIX ドメイン・ソケットを頻繁に使用します。

    これらのステートメントについて、 および BPXPRMxx parmlib メンバーに関する一般情報については、 UNIX システム・サービス 計画を参照してください。

VisualAge COBOL または PL/I を介してテストしなくても、 外部ファイル・システム・サーバーが正しくインストールされたかどうか検査できます。 ワークステーションのブラウザーから、次のアドレスを入力してください。
http://systemname:webserverport/FFSDS/
ここで systemname は TCP/IP ホスト名、または OS/390 システムのアドレスで、 webserverport は IBM HTTP Server のポート番号です (デフォルトは 80)。 FFSDS は大文字にして、最後にスラッシュ (/) を入力する必要があります。 外部ファイル・システム・サーバーのホーム・ページを見てください。

関連参照
UNIX システム・サービス 計画 SC28-1890 (BPXPRMxx parmlib メンバーについて)

ジョブ・モニター・サーバー構成の更新

JES3 を使用する場合、
  1. OW36022 用 JES3 PTF および OW45210 用 ++APAR がインストール済みであることを確認します。
  2. ジョブ・モニター・サーバー構成ファイル SFBNSAMV(FBNJCNFG) で、 次のように、JES3 を使用することを指定します。
  3. AUTHMETHOD=RACF
    CODEPAGE=UTF-8
    HOST_CODEPAGE=IBM-1047
    __JCL=YES
    JES=JES3
    JESNAME=JES3
    LISTEN_QUEUE_LENGTH=5
    MAX_DAEMONS=10
    MAX_DATASETS=32
    MAX_LINECOUNT=15000
    MAX_THREADS=200
    SERV_PORT=6715
    TIMEOUT_INTERVAL=1200
    TIMEOUT=3600
    TZ=PST5PDT
ジョブ・モニターを始動する JCL をサブミットします。 netstat コマンドを使用して、 ジョブ・モニターが構成済みポートを listen しているかどうか検査できます。