WebSphere Real Time パースペクティブに含まれるビュー

WebSphere® Real Time パースペクティブに含まれる各ビューでは、表示の特定のセクションにデータが表示されます。

「コントローラー」ウィンドウ

コントローラー・ウィンドウには、 WebSphere Real Time データのビューを選択するためのツールが用意されています。コントローラー・ウィンドウを使用して実行できるメインタスクは、2 つあります。
カスタム・ビューの管理
カスタマイズされたビューを作成して、使用可能なビューのリストに追加できます。 カスタマイズされたビューの作成について詳しくは、WebSphere Real Time パースペクティブのカスタマイズを参照してください。
さまざまなビューの選択
組み合わせボックスを使用して、さまざまなビューを選択できます。 ボックスには、最初、事前定義ビューが設定されています。 設定にカスタム・ビュー定義ファイルが作成されて識別されると、 ボックスにカスタマイズされたビューも表示されます。

すべての事前定義ビューは、 System view: 接頭部で識別されます。すべてのカスタマイズされたビューは、 Custom view: 接頭部で識別されます。

「プロット」ウィンドウ

このウィンドウには、 イベント・データが単純なプロット・グラフとして表示されます。グラフの X 軸には、 イベントの実際の発生時刻が表示されます。Y 軸には、発生したイベントに要した時間が 表示されます。便宜上、対数目盛りを使用して表示するように、Y 軸の値を調整できます。

「スレッド」ウィンドウを使用して、グラフにどのスレッドを表示するかコントロールしたり、各スレッドの表示色をコントロールします。

プロット・ウィンドウのデータ上にカーソルを移動すると、 イベントに関連付けられているトレース・ポイントの詳細を表すウィンドウが開きます。

異常値イベントは、グラフ内で番号付きの円によって強調表示されます。表示される異常値の数は、WebSphere Real Time 設定の「分析する異常値の数」設定によって決まります。統計分析スコアの計算で使用されるイベント範囲内に収まらない場合 (イベントに要した時間が中央値の 2 倍よりも長い場合) にのみ、強調表示された異常値としてイベントが表示されます。

強調表示された異常値イベントがスレッドにある場合、他のすべてのビューにおけるそのスレッドに関するアクティビティーが「分析および推奨事項」タブに表示されます。システム・ビューとカスタム・ビューの両方が、この分析に含まれます。この分析を使用して、異常値イベントの原因特定に役立ててください。以下のタイプのアクティビティーが報告されます。
  • クラス・ロードが原因でスレッドが遅延しました。
  • 使用可能なすべてのプロセッサーが他のスレッドにも使用されていてビジーであるか、またはより優先順位の高いスレッドがあるため (WebSphere Real Time for RT Linux を使用している場合)、スレッドが遅延しました。
  • ガーベッジ・コレクション・アクティビティーによってスレッドがブロックされました。
  • カスタム・ビューからのその他のアクティビティー。この報告は、モニター対象操作内での低レベルのアクティビティーを特定し、そのアクティビティーのカスタム・ビューを作成する場合に、非常に効果的です。例えば、ソケット書き込みを使用するビジネス・メソッドを持っており、ソケット書き込みをモニターするためのカスタム・ビューを作成するとします。ビジネス・メソッド内の異常値のいずれかが、ソケット書き込みが原因で発生している場合、ソケット書き込みで費やされた時間が提供されます。これにより、ソケット書き込みカスタム・ビューが 2 次ビューとして組み込まれた複合ビューを作成できます。複合ビューには、他のイベントと組み合わせてソケット書き込みがどのように動作するかが表示されます。

「要約」ウィンドウ

このウィンドウには、 プロット・ウィンドウに表示されたデータから計算された、さまざまな統計が表示されます。 統計には以下が含まれます。
  • 処理されたイベントの合計。
  • 処理に要した最大時間。
  • 処理に要した最小時間。
  • 処理に要した時間の平均値。
  • 処理に要した時間の中央値。
  • 標準偏差。

「スレッド」ウィンドウ

このウィンドウには、「プロット」ウィンドウに表示されるスレッドがリストされます。 プロット・グラフに表示するスレッドを制御するには、チェック・ボックスを使用してください。
注: スレッドの横にあるチェック・ボックスをクリアすると、そのスレッドは統計分析からも除外されます。
プロット・グラフでのスレッドの色を変更するには、スレッドの横にある色ボタンをクリックします。デフォルトの色、および色の種類数は、Health Center の設定 (「ファイル」 > 「設定...」 > 「IBM Monitoring and Diagnostic Tools - Health Center」 > 「表示プログラム」 > 「表示色」) で定義されます。グラフ上のスレッド数が、設定で指定されている色の数よりも多い場合、一部のスレッドが同じ色になります。色の配分が改善されるように設定で色の数を変更するか、各スレッドの色ボタンを使用してスレッドの色を個別に変更してください。

「ヒストグラム」ウィンドウ

このウィンドウでは、 データに対する代替表示が提供されます。異常値プロット・ウィンドウに表示されたデータが ヒストグラムで表示されます。例えば、事前定義のクラス・ロード・ビューの ヒストグラム表示は、完了するまでに 0 から 1 ms を要したクラス・ロード・イベント数、 完了するまで 1 から 2 ms を要したクラス・ロード・イベント数というように完了に要した時間ごとのイベント数を示しています。

「分析および推奨事項」ウィンドウ

このウィンドウには、収集されたデータの分析結果が表示されます。その結果は、 統計分析スコアの形式で表示されます。データ・サンプル数が少なすぎる場合、 統計分析スコアが正確でない可能性があると Health Center から警告されます。 特に、Java™ メソッド・ベースのビューで、 表示ディスクリプターが複数のメソッドに一致する可能性がある場合は、 複数のメソッドが一致したことを報告する警告が表示されます。

統計分析スコアは、次のように計算されます。
  1. プロット・ウィンドウですべてのデータ・ポイントを選択します。
  2. クラス・ロード・イベントに要する時間の中央値など、 データ・ポイントの中央値を計算します。
  3. 次の範囲内に含まれるイベントの数を検出します。
    • 中央値から中央値のプラス・マイナス 20% までの範囲
    • 中央値から中央値のプラス・マイナス 40% までの範囲
    • 中央値から中央値のプラス・マイナス 60% までの範囲
    • 中央値から中央値のプラス・マイナス 80% までの範囲
    • 中央値から中央値のプラス・マイナス 100% までの範囲
  4. 範囲に対して平均イベント数を計算します。
  5. 平均数が統計分析スコアになり、パーセンテージで表現されます。
統計分析スコアは、表 1 のように解釈されます。
表 1. 統計分析スコアの意味の解釈
スコア 意味
70 以下 非常に好ましくない結果。イベントの結果は分散が大きく、 パフォーマンスが一様でないことを示します。
70 から 80 好ましくない結果。
80 から 90 よい結果。
90 以上 非常によい結果。結果は分散が小さく、中央値の周辺に集中しており、 一貫性のあるパフォーマンスを示します。


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