Health Center エージェントの構成

デフォルトの設定で Health Center エージェントを実行することもできますが、Health Center クライアントとの通信に使用するポートや、どの接続モードを使用するかなどの、さまざまな側面を構成することも可能です。 通常、エージェントを構成するには、プロパティー・ファイルでプロパティーを設定します。Java™ アプリケーションの場合は、エージェントを開始するとき、または実行中のアプリケーションにエージェントを接続するときに、コマンド行でプロパティーを設定することもできます。変更の始まりIBM® Bluemix™ を使用している場合、Bluemix ランタイム環境の一部として提供されるエージェントは構成できません。変更の終わり

エージェント・プロパティーのリストと説明は、Health Center の構成プロパティーに記載されています。

Node.js アプリケーションのエージェント・プロパティーの設定

デフォルト・プロパティーは、Health Center モジュール内の Health Center プロパティー・ファイルで設定されます。
  • Windows オペレーティング・システムの場合: node_sdk_directory/node_modules/healthcenter/healthcenter.properties
  • その他のオペレーティング・システムの場合: node_sdk_directory/lib/node_modules/healthcenter/healthcenter.properties
デフォルト設定のいずれかを変更する場合は、Health Center モジュールからアプリケーション・ディレクトリーにこのファイルをコピーして、コピーを変更する必要があります。Health Center エージェントの開始時に、起動プログラムは次の場所でプロパティー・ファイルを順に検索します。
  1. アプリケーション・ディレクトリー
  2. 現行作業ディレクトリー
  3. Health Center モジュール
プロパティー・ファイルが見つかった場合は、そのファイルがロードされ、検索は終了します。

Java アプリケーションのエージェント・プロパティーの設定

Health Center エージェントのプロパティーを設定するには、以下の方法があります。
  • Health Center のプロパティー・ファイル healthcenter.properties の中のシステム・プロパティーとして指定する。 このファイルは、エージェントを含む JVM の jre/lib ディレクトリーにあります。
  • エージェントの開始時に、コマンド行から以下のように設定します。
    • Java コマンドの -D オプションを使用して、システム・プロパティーとして指定する。例: -Dcom.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1999
    • エージェントとモニター対象のアプリケーションを同時に開始する際に、Java コマンドの -Xhealthcenter オプションの一部として指定する。 この方法は、Java 5 SR10 以降、および Java 6 SR5 以降で、かつ一部のシステム・プロパティーでしか使用できません。 以下のフォーマットを使用します。
      -Xhealthcenter:option(=|:)value[,option(=|:)value]
      プロパティーは、いくつでも指定できます。 例: -Xhealthcenter:port=1999 または -Xhealthcenter:port:1999,level:full
    • すでに実行中の JVM にエージェントを接続するために使用する、Java コマンドのパラメーターとして指定する。 この方法は、一部のシステム・プロパティーでしか使用できません。使用できるプロパティーのセットは、-Xhealthcenter を使用する方法の場合と同じです。 以下のフォーマットを使用します。
      [option(=|:)value[,option(=|:)value]]
      オプションおよびオプション・ストリングは、いくつでも指定できます。 例:
      port:1999,transport=jrmp 

    エージェントの開始について詳しくは、Health Center エージェントの開始を参照してください。

使用できるプロパティーについて詳しくは、Health Center の構成プロパティーを参照してください。

優先順位 (Java アプリケーションのみ)

エージェントのプロパティー設定を行う際に、複数の方式を組み合わせて使用することもできます。 例えば、すでに実行中の JVM にエージェントを接続しようとする場合、以下のような手順で行うことができます。
  1. プロパティー・ファイルでポート番号のシステム・プロパティーを 1998 に設定します。
    com.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1998
  2. モニター対象のアプリケーションを開始し、次のようにポート番号のシステム・プロパティーを 1985 に指定します。
    java -Dcom.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1985 MyMainClass
    アプリケーションを実行する JVM が、ターゲット JVM となります。
  3. エージェントをターゲット JVM に接続し、次のようにさらに 2 つのポート番号を指定します。
    java -jar healthcenter.jar port=1999 -Dcom.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1992
以下のリストは、すでに実行中の JVM にエージェントを接続する際の、Health Center のプロパティーの優先順位を高い方から順に示したものです。 この JVM は、接続プログラムを実行する JVM と区別するため、ターゲット JVM と呼ばれます。
  1. エージェントをターゲット JVM に接続するプログラムにパラメーターとして指定したプロパティー (前述の例では port=1999)。
  2. -D オプションを使用して接続プログラムにパラメーターとして指定したシステム・プロパティー (前述の例では com.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1992)。
  3. ターゲット VM を開始する際に -D オプションを使用して設定したシステム・プロパティー (前述の例では com.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1985)。
  4. ターゲット JVM の healthcenter.properties ファイルの内容 (前述の例では com.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port=1998)。
以下のリストは、エージェントを Java アプリケーションと同時に開始した場合の、Health Center のプロパティーの優先順位を高い方から順に示したものです。
  1. -Xhealthcenter オプションを使用して設定したプロパティー (Java 5 SR10 以降、および Java 6 SR5 以降)。
  2. -D オプションを使用して設定したシステム・プロパティー。
  3. healthcenter.properties ファイルの内容。

Health Center エージェントによる JVM システム・プロパティーの構成 (Java アプリケーションのみ)

Health Center バージョン 2 以降では、Health Center エージェントは、そのエージェントが接続している JVM のシステム・プロパティーを、エージェントによって使用されているオプションに従って設定します。 これらの値は、既存の値を上書きします。 例えば、エージェントが使用しているポート番号は、前述の方法のいずれかを使用して指定したポート番号と異なっている可能性があります。 デフォルト (JMX 接続) では、エージェントは接続を試行する際に、まずユーザーが指定したポート番号を使用します。接続に失敗すると、エージェントは次のポート番号で接続を試行します。 エージェントは、接続を試行する際、最大 100 個のポート番号をスキャンします。 接続が確立すると、JVM の com.ibm.java.diagnostics.healthcenter.agent.port システム・プロパティーが、接続されたポートの番号に設定されます。

すでに実行中の JVM にエージェントを接続する場合には、エージェントの接続時にユーザーが指定したすべての Health Center のプロパティーがターゲット JVM で設定され、その JVM の既存のプロパティーを上書きします。 例えば、次のように、Health Center のシステム・プロパティーを指定して Java アプリケーションを開始することによってターゲット JVM を開始したとします。
java -jar -Dcom.ibm.java.diagnostics.healthcenter.data.collection.level=off MyApplication
エージェントを接続する際に、次のようにこのプロパティーに異なる値を指定すると、以前のシステム・プロパティーは上書きされます。
java -jar healthcenter.jar -Dcom.ibm.java.diagnostics.healthcenter.data.collection.level=headless
healthcenter.properties ファイル内に他のプロパティーがある場合、これらのプロパティーもターゲット JVM にシステム・プロパティーとして読み込まれます。


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