バッチ・ジョブとして開始される CICS® 領域を複製する場合は、プロセス全体を通して CICS DA がガイドを行い、可能であればステップを自動化します。 CICS DA によって、データ・セットおよびジョブの新しい名前が提案されますが、これらの名前は変更可能です。 ただし、新規 APPLID などの一部の値はユーザーが指定する必要があります。複製プロセスによって、新規領域を開始するためのバッチ・ジョブが作成されます。
始める前に
複製する CICS 領域が実行中であり、領域開始ポリシーがモデルに記録および保存済みであることを確認します。 開始ポリシーの記録について詳しくは、『領域開始ポリシーの指定』を参照してください。
重要: 新規領域開始 JCL を作成する先のデータ・セットが、複製操作を開始する前に存在していることを確認する必要があります。
手順
- 「DA エクスプローラー」ビューで、複製する CICS 領域を右クリックして「領域の複製」をクリックします。
また、領域エディターで「CICS 領域の複製」をクリックすることもできます。 「CICS 領域の複製」ウィザードが開きます。表示されたページ内のフィールドには事前に値が入力されていて、
複製される CICS 領域の詳細が示されます。
- 値を変更して、固有の属性を指定し、新規 CICS 領域の開始ポリシーを指定します。
CICS DA によって複製操作時に適用する名前トランスフォーム・ルール・セットを
選択できます。
CICS 領域の複製前にルールを表示したり変更したりする
場合は、『名前トランスフォーム・ルール・セットの作成』を参照してください。
また、複製プロセスの前または後に実行する JCL プロシージャーを指定することもできます。
その JCL プロシージャーは、企業に適した追加アクションを実行することで複製プロセスを拡張するために使用できます。
終了したら、「次へ」をクリックします。
「領域ターゲットの編集 (Edit region target)」ページが開きます。
この「領域ターゲットの編集 (Edit region target)」ページで、新しい領域のロケーションを指定します。
非管理領域を複製する場合、このページには z/OS システムの選択肢のみが表示されます。
- 必要なフィールドに値を入力して CICSDA エラーが
報告されなければ、「次へ」をクリックします。
- ターゲット z/OS システムと、該当する場合はグループおよび所有 CMAS を選択します。
「次へ」をクリックします。
ページが更新され、オリジナルの CICS 領域により使用されるデータ・セットが表示されます。
このページには、新しい CICS 用に推奨される名前、(管理領域を複製する場合は) CICS DA が作成する CICSPlex® SM データ・セット、およびデータ・セットの共有状況も表示されます。
CICS DA は、オリジナルの CICS 領域内のすべてのデータ・セットを確認し、使用されている命名規則の特定を試みます。
この情報は新規領域の新規データ・セット名を提案するために使用されますが、これらの名前は、名前トランスフォーム・ルール・セットが適用される場合は該当する名前トランスフォーム・ルールによってオーバーライドされます。
- 新規データ・セット用に提案された名前を確認します。 提案されたデータ・セット名は、そのまま採用するか、またはページで上書きするかを選択できます。「共有 (Share)」チェック・ボックスを選択すると、2 つの領域の間で一部のデータ・セットを共有することを選択できます。
- 新規データ・セット名がなく、「共有」チェック・ボックスが事前選択され、変更できない状態になっている場合は、そのデータ・セットを共有する必要があります。
- 新規データ・セット名がなく、「共有」チェック・ボックスが事前選択されていても変更可能である場合は、そのデータ・セットを共有することが推奨されます。
チェック・ボックスをクリアして、データ・セットを共有しないことを選択した場合、「新規データ・セット」列の名前を使用して新規データ・セットが作成されます。
- 新規データ・セット名と「共有」チェック・ボックスの両方が変更可能である場合、提案された名前を受け入れるか、データ・セットを共有するか、またはデータ・セット名を変更する必要があります。
- 新規データ・セット名が変更可能であり、「共有」チェック・ボックスが変更できない場合は、そのデータ・セットを共有できません。 ただし、データ・セット名は変更できます。
注: 複製された新規の CICS 領域が、CICS システム定義 (CSD) データ・セットを共有する必要はありません。
デフォルトでは、DFHCSD の「共有」チェック・ボックスが選択されています。
別の CSD を使用するには、DFHCSD の「共有」チェック・ボックスを
クリアし、その CSD の名前を「新規データ・セット」列に入力します。
その CSD が存在しない場合は、複製操作が完了した後でデータ・セットを作成できます。
- 「次へ」をクリックしてください。 ページが更新され、オリジナルの開始タスクに存在する JCL PROC、INCLUDE、SIT、または EYUPARM メンバー、および CICS DA が作成する新規メンバー用に提案された名前が表示されます。
- 提案されたメンバー名を確認します。 提案されたメンバー名は、そのまま採用するか、またはページで上書きするかを選択できます。
- 「終了 (Finish)」をクリックして設定を保存し、複製操作を完了します。
タスクの結果
「終了 (Finish)」をクリックすると、CICS DA によって以下のタスクが実行されます。
- 新規データ・セットおよび JCL データ・セット・メンバーがターゲット z/OS システムに存在しないことを確認する検査を行います。
- データ・セットを割り振り、必要に応じて初期化します。
- 必要に応じて、新規 CICS 領域を開始するための JCL を作成します。
- 必要に応じて、新規の JCL INCLUDE および他の入力メンバーを作成します。
- 領域が管理領域であれば、以下の追加のタスクが実行されます。
- その領域を、選択された CICSPlex SM 定義に追加します。
- その領域を、選択されたグループに追加します。
いずれかのステップが失敗した場合、CICS DA はすべての変更をバックアウトして、新規データ・セットはすべて削除されます。 障害の内容を示すエラー・メッセージがページに表示されます。
エラー・メッセージを確認して失敗の原因を判別してから、操作を再試行する必要があります。
ステップが正常に実行された場合は、CICS DA が新しい領域を CICSPlex SM 定義およびシステム・モデルに追加します。 最後に、CICS 領域エディターが開いて CICS 領域の詳細を示します。レポートが「コンソール (Console)」ビューに表示され、監査ログにも書き込まれます。
次のタスク
新しい CICS 領域を開始する前に、ユーザーがいくつか追加のステップを実行しなければならないことがあります。 CICS DA は、セキュリティー・ポリシーに合わせた領域の定義や、一部の接続ステップなど、いくつかのアクションを特定も実行もできません。
CICS DA が実行可能なすべての処理を完了すると、レポートが「コンソール (Console)」ビューに送信されます。
このレポートは、完了したセットアップと、ユーザーが追加で実行する必要があるステップを示しています。 レポートには以下の情報があります。
- ジョブが正常に完了したことを示すものとして、オリジナルおよび新規領域名
- 新規領域の追加先の CICSplex についての表示
- 領域が関連付けられている WLM および RTA 仕様のリスト
- 新規領域 JCL のジョブ名
- 新規領域 JCL のメンバー名および修飾子。
- 新規 JCL で更新された SIT オーバーライドのリスト
- 作成された SIT メンバーのリスト
- 該当する場合、新規 JCL で更新された EYUPARM 値のリスト
- 該当する場合、作成された EYUPARM メンバーのリスト
- 作成された JCL メンバーのリスト
- 手動で適用する必要がある SIT オーバーライドのリスト
- 手動で作成する必要がある SIT メンバーのリスト
- 該当する場合、手動で適用する必要がある EYUPARM 値のリスト
- 該当する場合、手動で作成する必要がある EYUPARM メンバーのリスト
- 手動で作成する必要がある JCL Include メンバーのリスト
- 注意が必要な可能性のある CICSPlex SM 定義のリスト
- レポートには、新しい領域に対して実行することを検討できる、その他のタスクも示されています。 例えば、セキュリティー定義、CICS プロファイル、タスク・テーブル、VTAM® APPLID などです。
CICS DA が、
複製された CICS 領域に関する詳細を保管します。
将来、その CICS 領域を除去する場合に、その詳細がプロビジョン解除操作で使用されます。