バージョン 5.2 の新機能

バージョン 5.2 の CICS® DA プラグインに対する機能強化をリストします。
注: バージョン 5.2 の CICS DA プラグインを CICS Explorer® バージョン 5.2 にインストールしておく必要があります。
新機能 説明
非管理 CICS 領域の複製

領域およびプロビジョニング環境の複製は、CICS DA における重要な機能の 1 つです。 これは、企業の標準に準拠する JCL を一貫して生成し、プロビジョニング対象の CICS のレベルに該当するデータ・セットを作成するために役立ちます。 以前のリリースの CICS DA では、CICS 領域が既に CICSPlex® SM 環境の一部である場合にのみ、その領域を複製できました。 このバージョンではこの機能が強化され、非管理領域を複製することができます。

制限: 非管理領域に構成済みの CMCI ポートがある場合、複製プロセスによって作成される領域でその CMCI ポートを手動で構成しなければ、CMCI をその新しい領域で使用することはできません。

制限: CICS DA は、z/OS® 2.1 で導入される JCL の新機能をすべてサポートしているわけではありません。z/OS 2.1 にアップグレードし、ジョブを変更して新機能を組み込んだ場合、複製操作は正常に行われない可能性があります。

複製機能について詳しくは、『CICS 領域の複製』を参照してください。

外部化 API

ディスカバリーの間、CICS DA は大量のシスプレックス情報およびトポロジー情報を収集します。 外部化 API を使用すれば、Web およびモバイル・テクノロジーで利用できる (他の z/OS ベース・アプリケーションからも利用できる) 標準メカニズムを 使用することによって、このデータを取り出すことができます。 外部 RESTful API には、CICS DA サーバーによって検出されるシスプレックス・データを使用するための、外部ツールおよび自動化へのアクセスが用意されています。

この API について詳しくは、『CICS DA 外部 API』を参照してください。

領域比較ユーザー・インターフェース

比較機能を使用すると、CICS DA が検出した 2 つの CICS 領域を比較することができます。 CICS DA クライアント・プラグインにおいて、 比較情報は横並びのエディターに表示されます。 追加のパネルに、異なる属性がリストされます。 この情報は、統合する対象として 2 つの領域が十分に類似しているかどうかを分析するときに役立ちます。統合により、稼働する CICS 領域の数が減少し、またその結果、オーバーヘッド・コストも小さくなります。

この機能は、ある領域で特定のトランザクションが異常終了しても、別の領域では異常終了しない理由を調べるとき、または 2 つの領域が類似しているかどうか (例えば、テスト領域が実動領域を適切に反映しているかどうか) を調べるときにも役立ちます。 この比較機能は、CICS DA クライアント・プラグインにおいて、2 つの領域を選択して右クリックし、メニューから「相互比較 (Compare with each other)」を選択すると起動します。 比較できる領域:
  • 非管理 CICS 領域
  • 管理 CICS 領域
  • CICSPlex SM WUI サーバー
  • CMASes

この機能は、IBM® CICS Configuration Manager に用意されている機能に似ています。 領域は「DA エクスプローラー」ビュー、「接続」ビュー、またはメイン可視化ビューで選択できます。 この要求によって、CICS DA に保持されている、2 つの領域に関するデータが収集され、新しい横並びのエディターに情報が表示されます。 追加のパネルに、2 つの領域において異なっている属性がリストされます。 この情報は、領域トポロジー間に違いがあるかどうかを調べるときに役立ちます。 また、この情報は領域統合、問題判別、比較可能領域検証といったタスクにも役立ちます。

制限:
  • この比較 UI に表示されるのは、2 つの CICS 領域を比較するときに考慮に入れる可能性がある、情報の限られたサブセットだけです。
  • UI におけるデータのグループおよび表示方法は、今後のバージョンで変わる可能性があります。
TCP/IP ポートのディスカバリー

ディスカバリー操作において、z/OS システムで使用されている TCP/IP スタックおよびポート番号が識別されるようになりました。 TCP/IP スタックとポート番号に加え、ポート・タイプ、ホスト名、およびジョブ名のリストが、「z/OS システム」エディターの「TCP/IP ポート使用状況 (TCP/IP Port Usage)」タブに表示されます。

「z/OS システム」エディターについて詳しくは、『z/OS システム・エディター』を参照してください。

米国連邦情報・技術局 (NIST) SP800-131a セキュリティー標準のサポート

CICS Deployment Assistant バージョン 5.2 は、SP800-131a セキュリティー標準を使用して CICS システムに接続することができます。 SP800-131a 標準では、他の標準と比べて、より長い鍵とより強度のある暗号が必要です。

CICS DA プラグインに加えられた変更はありません。 ご使用の鍵ストアおよびトラストストアの詳細は、これまでどおり、「セキュリティーおよび証明書管理 (Security and certificate management)」ページにリストされます。 このページは、「ウィンドウ (Window)」 > 「設定 (Preferences)」 > 「エクスプローラー (Explorer)」 > 「証明書管理 (Certificate management)」を クリックすることで表示できます。

CICS DA サーバー環境変数ファイル CPHENVAR に、SSL 用の新しい変数が入っています。 SP800-131a セキュリティー標準を使用する場合、CICS DA サーバーが正しい変数ファイルで起動していることを確認する必要があります。

変更された機能 説明
CICS 領域を複製するときの新しいオプション
「管理領域の複製 (Clone Managed Region)」ウィザードが機能強化され、CICS 領域を複製するときのオプションが増えました。 このウィザードでは、新しいページで以下のオプションを設定できます。
  • 新しい領域が稼働する z/OS システム
  • 新しい領域がメンバーとして属する CICSplex
  • 新しい領域がメンバーとして属する Sysgroup
  • 新しい領域の所有 CMAS
新しい領域を作成するために必要な他のすべての情報は、ソース領域から取得されます。

複製機能について詳しくは、『CICS 領域の複製』を参照してください。

その他の機能強化

このリリースには、他にもさまざまな機能強化が適用されています。 それらは以下のとおりです。

  • 検出された CICS 領域それぞれに指定されている GRPLIST のディスカバリー。 GRPLIST は、関連する CICS 領域エディターの「詳細」パネルに表示されます。
  • テンプレート XML ファイルの検証
  • コンソール変更コマンドによって CICS DA サーバーを停止する機能 (例: /f {DA_server},appl=shutdown)
  • 追加された診断メッセージおよびロギング