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共有開発フレームワークの構築  

ここまでのセクションでは、データ・ソースとデータ・セットを作成および使用する方法と、レポート項目をレイアウトおよびフォーマットする方法について説明しました。少数のレポートのみを必要とする個人のレポート開発者は、これらのアプローチを効果的に使用することができます。 さらに多くの開発者がいるプロジェクトまたはさらに多くのレポートが必要なプロジェクトなどの大規模なプロジェクトの場合、多くの設計は同じ要素またはレイアウトを使用する必要があります。

標準フォーマットの作成と保守、および他のレポート開発者とのコラボレーションによるレポート作成をサポートし、(エラーを誘発しやすい) 設計タスクの繰り返しを回避するために、BIRT は以下のファイル・タイプを使用します。

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ライブラリーの主な目的は、事前に設計されたレポート要素およびスタイルから成る共有リポジトリーをレポート設計の開発者に提供することです。ライブラリー・ファイルのファイル名拡張子は .rptlibrary です。 BIRT ではリソース・フォルダー内にライブラリーが配置されます。
ライブラリーは、レポート設計の動的コンポーネントです。ライブラリー開発者がライブラリーを変更すると、レポート設計は変更されたライブラリーと同期します。このように、変更内容は一組のレポート設計内で伝搬されます。
ライブラリーには、データ・ソース、ビジュアル・レポート項目、スタイル、マスター・ページなどのカスタマイズされたレポート要素が格納されます。レポート設計でライブラリーを使用すると、カスタマイズされた要素にアクセスできます。 単一レポート設計に複数のライブラリーを使用することができます。複数のライブラリーを使用することにより、異なるプロジェクトまたはプロセスで必要とされるスタイルと機能を分離することができます。
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テンプレートの主な目的は、新しいレポート設計のための標準的な開始点を提供することです。 したがって、テンプレート・ファイルの構造はレポート設計ファイルの構造と同じです。 テンプレート・ファイルのファイル名拡張子は .rpttemplate です。 BIRT ではテンプレート・フォルダー内にテンプレートが配置されます。
テンプレートは、新規レポート設計が作成される静的フレームワークです。テンプレートから派生するレポート設計は、そのテンプレートのコピーを変更します。 このため、レポート設計は 1 つのテンプレートのみから派生することができます。レポート設計ではテンプレートのコピーが使用されるため、テンプレート開発者がテンプレートを変更した場合、そのテンプレートに基づくレポート設計には変更内容が自動的には反映されません。
テンプレートは、標準的なレポート・レイアウトの構造を提供します。 テンプレートには、レポートのレイアウト、データ・ソースとデータ・セット、およびマスター・ページ・レイアウトに表示される、ビジュアル・レポート項目を含めることができます。レポート設計の場合と同じように、テンプレートもまたライブラリーを使用します。 BIRT レポート・デザイナーは、シンプルなリストおよびグループ化されたリスト・レポート・テンプレートなどの一連の標準テンプレートを提供します。
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このタイプのファイルは、Web ページ上の項目のフォーマット設定に類似した、レポート内の項目のフォーマット設定のためのスタイルを提供します。

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