EP アダプターおよびディスパッチャー情報の指定
CICS® がイベント・バインディングによって生成されたイベントを出力する方法を制御する情報をイベント・バインディングで指定します。
このタスクについて
手順
- イベント・バインディング・エディターの「アダプター」タブをクリックし、「ここで定義されるアダプターを使用」オプションを選択して、このイベント・バインディングで使用する EP アダプター構成、EP アダプターのパラメーター、および任意の拡張情報を指定します。
あるいは、事前定義された EPADAPTER リソースまたは EPADAPTERSET リソースを使用することを選択できます。事前定義された EPADAPTER リソースについて詳しくは、イベント処理 (EP) アダプター構成エディターを参照してください。 事前定義された EPADAPTERSET リソースについて詳しくは、イベント処理 (EP) アダプター・セット・エディターを参照してください。
事前定義されている EPADAPTER または EPADAPTERSET リソースを指定する場合は、「名前」フィールドに名前を入力するか、または「選択」をクリックしてリソースを選択します。アダプター・リソースの選択の詳細については、EP アダプター・リソースの選択 および EP アダプター・セット・リソースの選択を参照してください。
- オプション: 当該イベント・バインディングの 1 つ以上のイベント仕様をエクスポートできます。
- 「アダプター」リストから EP アダプター・タイプを選択します。 以下の EP アダプター・タイプを指定できます。
- IBM® MQ キュー
- IBM MQ メッセージ・キューにイベントを XML 形式で出力する (IBM Operational Decision Manager または IBM Business Monitor でコンシュームする場合) か、あるいはバイナリー CICS フラット化イベント (CFE) 形式で出力します (IBM MQ で直接コンシュームする場合)。
- 保証イベント出力では、IBM MQ キュー EP アダプターが永続 IBM MQ メッセージ・キューと組み合わせて使用されている場合に、イベントの送達が保証されます。
- トランザクション開始
- 指定された CICS トランザクションにイベントを出力します。 データは、コンテナー・ベース・イベントのフォーマットでトランザクションに渡されます。 トランザクションを実行する CICS システムを指定できます。 イベント・データが必要でない場合には、既存のトランザクションが使用できます。トランザクション開始 EP アダプターは、イベントの保証出力をサポートしません。
- TS キュー
- 指定された CICS TS キューに、Common Base Event、Common Base Event REST、Decision Server Insights Event、または WebSphere® Business Events のいずれかの XML 形式で、あるいは非 XML (CFE) 形式でイベントを出力します。この EP アダプターを使用して、正しいイベントがキャプチャーされて適正なデータが取り込まれていることを検証し、TS キューを読み取り先とするすべてのコンシューマーにイベントを発行します。
- 保証イベント出力の場合、同期トランザクション・イベントにはリカバリー可能な TS キューが必要であり、 同期非トランザクション・イベントにはリカバリー不能なキューが必要です。 TS キューがリカバリー可能かどうかは、一致する TSMODEL の設定によって決まります。 TS キューは、一致する TSMODEL が存在するときにのみリカバリー可能です。 同期トランザクション・イベントに対して TS キュー・アダプターを使用する場合、 イベントをキャプチャーする作業単位でイベント TS キューに対して DELETEQ TS コマンドを発行することはできません。
- TD キュー
- 指定された CICS 一時データ・キューに、Common Base Event、Common Base Event REST、 CICS フラット化イベント (CFE)、Decision Server Insights Event、 および WebSphere Business Event のいずれかのフォーマットでイベントを出力します。 イベント仕様を開発およびテストするときに、この EP アダプターを使用して、 正しいイベントが正しいデータでキャプチャーされることを確認し、TD キューから読み取りを行うコンシューマーにイベントを発行することができます。
- 同期イベント発行の場合、TD キューは、トランザクション・イベントではリカバリー可能な区画内キューである必要があり、 非トランザクション・イベントではリカバリー不能な区画内キューまたは区画外キューのいずれかである必要があります。TDQ EP アダプターは、テスト、デバッグ、および実動環境で使用できます。
- カスタム (ユーザー作成)
- いずれでも必要なフォーマットでイベントを出力します。 カスタム EP アダプターは、提供されている EP アダプターでサポートされていないイベントの形式設定とルーティングの組み合わせを指定するためにユーザーが作成する CICS プログラムです。 カスタム EP アダプターは、イベントのコンシュームなど、他の処理を行ってはなりません。
- 保証イベント出力の場合、カスタム EP アダプターは、イベントのリカバリー可能要件に準拠していなければなりません。 トランザクション同期イベントまたは非トランザクション同期イベントがサポートされるかどうかは、カスタム EP アダプターの資料を参照してください。
- HTTP
- IBM Operational Decision Manager またはIBM Business Monitor などの製品によるコンシュームのために、HTTP POST を使用して、XML フォーマットで HTTP 1.1 対応のサーバーにイベントを発行します。HTTP EP アダプターは、トランザクション・イベントの保証出力をサポートしません。
- 選択した EP アダプター・タイプのオプションを指定します。
- IBM MQ キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- 当該イベント・バインディングで出力されたイベントが配置される、IBM MQ キューのキュー名を指定します。キュー名は必ず指定する必要があります。
- メッセージを永続的なものにするかどうかを指定します。
「永続」リストから以下のいずれかの値を選択します。
- いいえ
- IBM MQ キュー EP アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは非永続になります。
- はい
- IBM MQ キュー EP アダプターによってキューに書き込まれるメッセージは永続になります。
- キューのデフォルト
- キューに書き込まれるメッセージは、指定されたキューのデフォルトの永続性を継承します。
- メッセージ優先順位を指定します。「キューのデフォルト」を選択するか、「優先順位」フィールドに IBM MQ メッセージ優先順位の値 (0 から 9) を入力します。
- 有効期限時刻を指定します。「有効期限なし」を選択するか、「有効期限時刻」フィールドに IBM MQ メッセージの有効期限の値を入力します。この時刻は 10 分の 1 秒単位で表されます。 メッセージは、この期間が経過する前に宛先キューから除去されなかった場合は破棄の対象となります。
- イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
- CICS フラット化イベント (バイナリー)
- イベント・データは非 XML 形式となります。
- 共通ベース・イベント (XML)
- メッセージは、IBM Business Monitor で必要な Common Base Event 形式でキューに書き込まれます。
- WebSphere ビジネス・イベント (XML)
- メッセージは、IBM Operational Decision Manager の Decision Server Events コンポーネント が必要とする XML フォーマットでキューに入れられます。
- Decision Server Insights Event (XML)
- メッセージは、IBM Operational Decision Manager の Decision Server Insights コンポーネント が必要とする XML フォーマットでキューに入れられます。イベント・データは XML 形式です。
- トランザクション開始 EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- イベントの結果として実行される CICS アプリケーションのトランザクション ID を指定します。 トランザクション ID は必ず指定する必要があります。
- トランザクション・ユーザー ID を指定します。トランザクション開始 EP アダプターによって開始されるトランザクションは、 このユーザー ID を使用して実行されます。
- システム ID を指定します (これは、トランザクション EP アダプターでのみ使用可能)。EP アダプター・トランザクションは、このシステム ID を使用して CICS システムで実行されます。
- TS キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- CICS キュー名を指定します。キュー名は必ず指定する必要があります。
- ターゲット・キューがリモートである場合には、システム ID を指定します。
- 必要に応じて、「補助一時ストレージの使用」を選択します。
- イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
- CICS フラット化イベント (バイナリー)
- イベント・データは非 XML 形式となります。
- 共通ベース・イベント (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- Common Base Event REST (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- WebSphere ビジネス・イベント (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- Decision Server Insights Event (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- TD キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- CICS キュー名を指定します。キュー名は必ず指定する必要があります。
- ターゲット・キューがリモートである場合には、システム ID を指定します。
- イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
- CICS フラット化イベント (バイナリー)
- イベント・データは非 XML 形式となります。
- 共通ベース・イベント (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- Common Base Event REST (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- WebSphere ビジネス・イベント (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- Decision Server Insights Event (XML)
- イベント・データは XML 形式です。
- カスタム (ユーザー作成) EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- 次のいずれかを指定します。
- 出力モードが非同期の場合は、イベントの形式設定、ルーティング、および出力を行うユーザー作成の CICS アプリケーションのトランザクション ID。カスタム EP アダプターによる非同期出力の場合は、トランザクション ID を指定する必要があります。
- 出力モードが同期の場合は、イベントの形式設定、ルーティング、および出力を行うユーザー作成の CICS アプリケーション・プログラムの名前。カスタム EP アダプターによる同期出力の場合は、プログラム ID を指定する必要があります。
- カスタム EP アダプターに渡すデータを記述します。このデータは、カスタム EP アダプターが処理します。
- 次のいずれかを指定します。
- HTTP EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- URIMAP を指定します。これは、HTTP 1.1 対応サーバーへの接続を表す URIMAP リソースの名前です。
- イベントのデータ形式を指定します。「データ形式」リストから以下のいずれかの値を選択します。
- 共通ベース・イベント (XML)
- イベントは、Common Event Infrastructure をサポートするいずれの製品でもコンシューム可能な Common Base Event 形式で HTTP 1.1 対応サーバーに 送信されます。
- Common Base Event REST (XML)
- イベントは、IBM Business Monitor で必要な XML 形式で HTTP 1.1 対応サーバーに送信されます。
- WebSphere ビジネス・イベント (XML)
- イベントは、IBM Operational Decision Manager の Decision Server Events コンポーネント で必要な XML 形式で HTTP 1.1 対応サーバーに送信されます。
- Decision Server Insights Event (XML)
- イベントは、IBM Operational Decision Manager の Decision Server Insights コンポーネント が必要とする XML フォーマットで HTTP 1.1 対応のサーバーに送信されます。
- IBM MQ キュー EP アダプターの場合は、以下のオプションを指定します。
- オプション: 必要な拡張ディスパッチャー・オプションを指定します。 これらのオプションは、上級者用であり、CICS システムで EP アダプターが実行される方法を制御するものです。注: 通常は CICS で EP アダプターがディスパッチャー・スレッドで実行されるようにしたほうが効果的です。しかし、EP アダプターを個別のトランザクションとして実行する必要がある場合もあります。例えば、IBM MQ キューへの書き込み権限を持つ特定のユーザー ID の下で EP アダプターを実行する必要がある場合や、TRANCLASS 設定を使用することによって EP アダプターの並行タスク数を制御する必要がある場合などです。
- 出力モードを指定します。 ASYNC または SYNC を指定して、イベントの出力方法を指定できます。保証イベント出力には同期出力モードを指定します。
出力モードが同期モードの場合、IBM MQ キュー EP アダプターは以下のイベントを出力します。
- トランザクション・イベント (MQPMO_SYNCPOINT オプションが使用された場合)。 IBM MQ メッセージは、キャプチャー・トランザクションの作業単位でリカバリーできます。
- 非トランザクション・イベント (MQPMO_NO_SYNCPOINT オプションが使用された場合)。
出力モードが非同期モードの場合、IBM MQ キュー EP アダプターは、MQPMO_NO_SYNCPOINT オプションを使用してイベントを出力します。
注:- 同期イベント (保証イベント出力) の場合、イベント・キャプチャー・アプリケーションには、 イベント出力トランスポートに対する書き込み権限が必要です。 非同期イベントの場合、EP アダプターに書き込み権限が必要です。
- HTTP EP アダプターに対して SYNC NONTRANS を指定すると、キャプチャー・トランザクションが Web アプリケーションに変わり、しかるべく構成し直さなければならなくなる可能性があります。
- HTTP EP アダプターを介して同期イベントを出力する可能性があるトランザクションについては、TRANSACTION 定義の DTIMOUT 属性を指定してください。
- ディスパッチング優先順位を指定します。 「通常」または「高」優先順位を指定して、イベント・ディスパッチャーが当該イベント・バインディングに関連したイベントを処理する方法を制御できます。
高優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます。
通常優先順位のイベントは、「イベントはトランザクション」設定に応じて、使用可能になるとすぐに出力されます (ただし、すべての高優先順位のイベントが処理された後)。注: このオプションは、同期出力モードには適用されません。
- トランザクション ID とユーザー ID を指定します。 アダプターは、指定したトランザクション ID および ユーザー ID を使用して開始されます。トランザクション ID は、代わりに「Adapter (アダプター)」セクションで設定されるため、カスタム EP アダプター・タイプには適していません。トランザクション ID とユーザー ID の設定に応じて、EP ディスパッチャー・タスクは EP アダプター・プログラムを開始するか、または EP アダプター・プログラムにリンクされます。
IBM MQ キュー、 TD キュー、TS キュー、または開始するトランザクションがリモートの場合は、セキュリティー設定について相互通信のセキュリティーを参照してください。
表 1. IBM MQ キュー EP アダプター、TD キュー EP アダプター、TS キュー EP アダプター、およびトランザクション開始 EP アダプターのトランザクション ID とユーザー ID トランザクション ID の指定 ユーザー ID の指定 コンテキスト・ユーザー ID の使用 EP アダプターの状態 EP アダプターの実行に使用するユーザー ID EP アダプターのトランザクション ID x x 接続 指定されたユーザー ID 指定されたトランザクション ID x x 接続 コンテキスト・ユーザー ID 指定されたトランザクション ID x 接続 指定されたユーザー ID IBM MQ キュー EP アダプターでは CEPQ TD キュー EP アダプターでは CEPR
TS キュー EP アダプターでは CEPT
トランザクション開始 EP アダプターでは CEPSx 接続 コンテキスト・ユーザー ID IBM MQ EP アダプターでは CEPQ TD キュー EP アダプターでは CEPR
TS キュー EP アダプターでは CEPT
トランザクション開始 EP アダプターでは CEPSx 接続 CICS デフォルト・ユーザー ID 指定されたトランザクション ID リンク CICS 領域ユーザー ID 適用外 表 2. HTTP EP アダプターのトランザクション ID とユーザー ID トランザクション ID の指定 ユーザー ID の指定 コンテキスト・ユーザー ID の使用 EP アダプターの状態 EP アダプターの実行に使用するユーザー ID EP アダプターのトランザクション ID x x 接続 指定されたユーザー ID 指定されたトランザクション ID x x 接続 コンテキスト・ユーザー ID 指定されたトランザクション ID x 接続 指定されたユーザー ID CEPH x 接続 コンテキスト・ユーザー ID CEPH x 接続 CICS デフォルト・ユーザー ID 指定されたトランザクション ID 接続 CICS デフォルト・ユーザー ID CEPH トランザクション ID と非同期出力モードが設定されたカスタム (ユーザー作成) EP アダプターの場合、EP ディスパッチャー・タスクは必ず、指定されたユーザー ID、コンテキスト・ユーザー ID、または CICS デフォルト・ユーザー ID でこのアダプターに接続します。注: これら 2 つのオプションは、同期出力モードには適用されません。 - イベントがトランザクションかどうかを指定します。 イベントに関連付けられたビジネス作業単位 (UOW) が正常に完了した場合のみ CICS がイベントをキャプチャーするようにするには、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスを選択します。
注: リカバリー不能アクションからキャプチャーされるイベントをトランザクションとして指定すべきかどうか、注意深く考慮してください。 例えば、WEB SEND コマンドからトランザクション・イベントをキャプチャーして、その後作業単位を取り消すと、イベントは取り消されますが、 WEB SEND コマンドが HTTP メッセージを送信したかもしれません。
CICS でこのイベント・バインディングに関連したイベントをトランザクション外で処理する場合には、「イベントはトランザクション」チェック・ボックスをクリアします。イベントは生成されたときに出力されます。
- 出力モードを指定します。 ASYNC または SYNC を指定して、イベントの出力方法を指定できます。保証イベント出力には同期出力モードを指定します。
出力モードが同期モードの場合、IBM MQ キュー EP アダプターは以下のイベントを出力します。