アプリケーション入り口点の定義

CICS® バンドル・プロジェクトが CICS アプリケーションの一部である場合、バンドル・マニフェストで適切なアプリケーション入り口点を宣言します。 アプリケーションの入り口点は、アプリケーションへのアクセス・ポイントとなるリソースを識別します。アプリケーション入り口点は、プラットフォームにデプロイされているアプリケーションの異なるバージョンへのユーザーのアクセスを制御するために使用されます。スタンドアロン CICS 領域にデプロイされるバンドルにもアプリケーション入り口点を定義することができます。その場合に、アプリケーション入り口点と一緒にポリシー・スコープを定義すれば、それらの両方を使用して、タスク・ルールを定義するポリシーのスコープを、特定のユーザー・タスクに制限できます。

始める前に

プロジェクト・エクスプローラー」ビューに CICS バンドル・プロジェクトが表示されている必要があります。

このタスクについて

PROGRAM、TRANSACTION、および URIMAP リソースは、アプリケーション入り口点として識別されます。

プラットフォームにデプロイされたアプリケーションでは、アプリケーション入り口点がアプリケーションの異なるバージョンへのユーザーのアクセスを制御します。 アプリケーション入り口点は、ユーザーに対して選択可能または選択不可として設定できます。 アプリケーションとそのリソースをプラットフォームの CICS 領域に都合の良いときにインストールしておき、CICS バンドルを使用可能にしてインストールを検証できます。 アプリケーション・バージョンをユーザーに提供することを選択する場合、アプリケーション入り口点 (およびそれらが制御するそのアプリケーションのリソース) を呼び出し元が選択できるようにします。

各アプリケーション入り口点はリソースに対して宣言され、オペレーションの名前も指定します。 例えば、アプリケーションでの作成、読み取り、更新、または削除のオペレーションに対してアプリケーション入り口点を宣言できます。
  • アプリケーションの 1 つのリソースに対してアプリケーション入り口点は 1 回しか宣言できません。そのとき、1 つの操作を指定します。 同じリソースで複数のアプリケーション入り口点を宣言することはできません。
  • 操作名は、アプリケーションの中で固有である必要があります。
  • オペレーション名は大/小文字が区別されます。 そのため、大/小文字のみが異なるオペレーション名を使用することもできます。

アプリケーション入り口点のリソースを、アプリケーション入り口点と同じ CICS バンドル内に定義する必要はありません。 CICS は、アプリケーションがインストールされた時点で、指定されたリソースにアプリケーション・オペレーションを追加します。 アプリケーション入り口点と入り口点の両方のリソースがアプリケーションの一部として定義されると、入り口点はリソースによって提供されたサービスへのアクセスを制御します。 例えば、アプリケーションが使用可能にされるまで、アプリケーション入り口点として定義される TRANSACTION を呼び出すことはできません。

CICS バンドルで定義されていないものの、バンドルがデプロイされる CICS 領域に既に存在するリソースに対してアプリケーション入り口点を宣言できます。 バンドルがデプロイされる CICS 領域に自動インストールできる PROGRAM リソースに対して、アプリケーション入り口点を宣言することもできます。 アプリケーションをインストールする際に、アプリケーション入り口点がターゲットとするリソースが存在せず、自動インストールできない場合には、アプリケーション入り口点の宣言を含む CICS バンドルを有効にすることができず、入り口点のバンドル部分は無効のままになります。

プラットフォーム・バンドルの一部としてインストールされた、または実行中のプラットフォームに追加された CICS バンドルでは、バンドル・マニフェストにアプリケーション入り口点の宣言を含めることはできません。 アプリケーション入り口点は、プラットフォームに直接インストールされた CICS バンドルではサポートされません。 また、CICS バンドルおよびそのリソースはインストールされますが、この状態では CICS はアプリケーション入り口点を使用可能にしません。 CICS 領域に直接インストールされたスタンドアロン CICS バンドルにアプリケーション入り口点の宣言を含めて、領域レベル・ポリシーのスコープを使用可能にすることができます。

アプリケーション入り口点は、アプリケーション入り口点に指定されたリソースへのユーザーのアクセスのみを制御します。 アプリケーションにアプリケーション入り口点として指定されていない公開リソースが含まれる場合、アプリケーションがインストールされ使用可能にされると、プラットフォームまたは CICS 領域にインストールされたその他のアプリケーションは、そのアプリケーションの選択可能性に関する状況に関わりなくそれらのリソースにアクセスすることができます。 その他のアプリケーションは、アプリケーション・バージョンの専用リソースにアクセスすることはできません。

アプリケーション入り口点として定義されたプログラムには、使用する環境で固有の PROGRAM リソース名を指定する必要があります。 アプリケーションの外側からこれらのプログラムを呼び出せるようにするには、それらは公開リソースである必要があります。 専用 PROGRAM リソースに対するアプリケーション入り口点を含むアプリケーションを使用可能にすると、アプリケーション入り口点として指定された PROGRAM リソースは専用リソースから公開リソースに変更されます。 そのため PROGRAM リソースは、CICS 領域にインストールされた公開プログラムと同じ名前、または別のインストール済みアプリケーションによってアプリケーション入り口点として定義された公開プログラムと同じ名前を持つことはできません。 ただし、アプリケーション入り口点として定義された同じ PROGRAM リソースの複数バージョンを同じアプリケーションの複数バージョンに対してインストールすることができます。

URIMAP または TRANSACTION リソースを CICS アプリケーション・バンドルに定義すると、アプリケーション入り口点の宣言を使用して、URIMAP または TRANSACTION リソースによって提供されるサービスへのユーザーのアクセスを制御できます。 この場合、アプリケーションをインストールして使用可能にしても、URIMAP または TRANSACTION リソースによって提供されるサービスは、呼び出し元からまだ選択できません。 サービスをユーザーに提供することにした場合は、CICS Explorer® の「バンドル」ビューまたは EXEC CICS SET BUNDLE コマンドを使用して、アプリケーション入り口点と URIMAP または TRANSACTION リソースを含む CICS バンドルを使用可能にします。このアクションによって、呼び出し元がアプリケーション入り口点 (および URIMAP または TRANSACTION リソースによって提供されるサービス) を選択できるようになります。

アプリケーションの外側に定義された URIMAP または TRANSACTION リソースを、アプリケーション入り口点として宣言することもできます。 この場合、URIMAP または TRANSACTION リソースをインストールおよび使用可能にするとすぐに、ユーザーはサービスを選択できるようになります。

手順

  1. CICS バンドル・プロジェクトと META-INF フォルダーを展開します。
  2. cics.xml ファイルを開いて、CICS バンドル・マニフェスト・エディターを表示します。
  3. 「入り口点」タブをクリックして、バンドルのアプリケーション入り口点のリストを開きます。
  4. 「追加」をクリックして、アプリケーションのアプリケーション入り口点を定義します。 「アプリケーション入り口点の作成」ダイアログが表示されます。
    1. アプリケーション・オペレーションの名前を入力します。 オペレーション名では、大/小文字が区別されます。 また、a-z、A-Z、0-9._#@- の文字を含めることができ、最大 64 文字の長さにできます。 操作名が固有のアプリケーションであることを確認します。 アプリケーションに重複したオペレーション名を指定すると、その名前を選択可能にすることはできません。
    2. リソース・タイプを選択します。
    3. CICS リソースの名前を入力します。
  5. 「OK」をクリックして、アプリケーション入り口点を保管します。

タスクの結果

アプリケーションの異なるバージョンへのユーザー・アクセスの制御と同様、タスクのアプリケーション・コンテキストを作成するためにアプリケーション入り口点が使用されます。 アプリケーションがデプロイされた時点で、指定したリソースにオペレーション名が追加され、そのリソースを使用するタスクについてアプリケーション・コンテキスト・データが生成されます。

タスクがアプリケーション入り口点を持つリソースを呼び出すと、CICS はアプリケーション・コンテキストを作成します。 それは、そのタスクに関連付けられた、また呼び出す後続のプログラムや開始するタスクに関連付けられた、初期アプリケーション・コンテキストになります。 アプリケーション・コンテキストは、プラットフォーム、アプリケーション、アプリケーション・バージョン、およびオペレーションを識別します。 タスクにアプリケーション・コンテキストが既に存在する場合には、それが現行アプリケーション・コンテキストになります。 ただし、呼び出し元タスクのアプリケーション・コンテキストをポリシーのモニターやスコープ設定に使用できます。 アプリケーション・コンテキスト・データは、以下の目的で使用できます。
  • 初期アプリケーション・コンテキストは、CICS 領域と複数のタスク全体で、アプリケーションまたは特定のアプリケーション・オペレーションがどれほどの量のリソースを使用しているかをモニターし、測定するために使用されます。
  • 初期アプリケーション・コンテキストは、アプリケーションの一部であるタスクに対してポリシーを適用することにより、タスクの動作を管理するためのしきい値条件を定義するために使用されます。
  • 初期または現行アプリケーション・コンテキストを CICS Explorer のトランザクション・トラッキング機能で使用して、アプリケーション関連の問題を識別して診断することができます。