ポリシーは、1 つ以上のポリシー・ルールの入った XML 定義です。
ポリシー・ルールは、指定の条件が満たされたときに、CICS システムまたは個別のユーザー・タスクに適用されるアクションを説明しています。ポリシーは CICS® バンドル・プロジェクト内に作成されます。1 つの CICS バンドル・プロジェクト内には、1 つ以上のポリシーを定義できます。
このようにしてポリシーをパッケージ化すると、ポリシーを 1 つのエンティティーとして CICS にデプロイできるため、CICS 内でのポリシーの更新と管理が容易になります。
このタスクについて
CICS は、システム・ルールとタスク・ルールをサポートします。
システム・ルールは、CICS システムの全体的な正常性をモニターして制御します。
タスク・ルールは、個別のユーザー・タスクをモニターして制御します。
それぞれのポリシー・ルールは、自動化アクションが実行される前に満たしていなければならない条件を定義します。
各ポリシーでは 1 つ以上のルールを定義することができ、1 つの CICS システムまたは個別ユーザー・タスクには 1 つ以上のポリシーを適用できます。
注: システム・ルールとタスク・ルールを同じポリシーで定義できますが、タスク・ルールを定義したポリシーを CICS アプリケーションとともにデプロイする場合は、この 2 つのタイプのルールを別々のポリシーで定義する必要があります。
- タスク・ルールのスコープのレベル
- タスク・ルールを定義するポリシーは、以下のスコープのレベルでデプロイできます。
- 領域レベル
- ルールは指定された領域で実行しているすべてのユーザー・タスクに適用されます。
- プラットフォーム・レベル
- ルールは、指定されたプラットフォームにデプロイされた CICS アプリケーションのすべてのユーザー・タスクに適用されます。
- アプリケーション・レベル
- ルールは、指定されたアプリケーションのユーザー・タスクにのみ適用され、同じプラットフォーム上で実行される可能性のある他のユーザー・タスクには適用されません。
領域レベルまたはアプリケーション・レベルでデプロイされるタスク・ルールを定義したポリシーの場合は、ポリシー・スコープを定義することによって、そのスコープを特定のユーザー・タスクにさらに限定することができます。
詳しくは、ポリシー・スコープの定義を参照してください。
- システム・ルールのスコープのレベル
- システム・ルールを定義するポリシーは、以下のスコープのレベルにデプロイできます。
- 領域レベル
- ルールは、指定した領域内の、システムまたはリソースの状態を変更するすべてのタスク (システムまたはユーザー) に適用されます。
- プラットフォーム・レベル
- ルールは、指定したプラットフォームのすべての領域内の、システムまたはリソースの状態を変更するすべてのタスク (システムまたはユーザー) に適用されます。
システム・ルールを定義するポリシーは、アプリケーション・レベルではデプロイできません。
手順
CICS バンドル・プロジェクト内にポリシーを作成するには、以下のようにします。
- 「プロジェクト・エクスプローラー」ビューから、CICS バンドル・プロジェクトの親フォルダーを選択します。
- 以下のいずれかの方法で、新規プロジェクト・ウィザードを開きます。
- ワークベンチのメインメニューで、の順にクリックします。
その後、「CICS リソース」フォルダーを展開して、「ポリシー定義」を選択し、「次へ」をクリックします。
- CICS バンドル・プロジェクトを右クリックして、をクリックします。
- ポリシー・ルールを入れるポリシーを作成します。
ヒント: CICS ローカル・ファイルまたはトランザクション・クラス・リソースからポリシー・ルールを迅速に作成するには、対応するリソース・ビューにナビゲートし、ポリシーを作成するリソースを右クリックします。
「ポリシーの作成 (Create Policy)」を選択してから、作成するルール・タイプを選択します。
- 「ファイル名」フィールドに、ポリシー・ファイルの名前 (例: policy_rules) を入力します。
- 「終了」をクリックします。 これにより、ポリシー定義エディターが開きます。詳しくは、ポリシー定義エディターを参照してください。
- オプション: 「概要」タブの「一般情報」セクションでは、「説明」フィールドに説明を入力すること、
「ユーザー・タグ」フィールドにユーザー・タグを入力すること、またはその両方を行うことができます。 ユーザー・タグは 1 から 8 文字のユーザー定義の ID で、ポリシーで定義されたルールに対して出力されるイベントに追加されます。
バージョン番号、部門コード、ポリシー作成者のイニシャルなど、イベントとそれを要求するポリシーを関連付けることができるものであれば、内容は任意です。
- ポリシー定義エディターでルールを作成します。
- 「概要」タブで「新規作成」をクリックします。
- 「新規ルール」ダイアログで、ルール名を入力し、リストからルール・タイプを選択して、必要に応じてルールの説明を入力します。
- 「OK」をクリックします。 これにより、「ルール」タブが開きます。
- 「ルール」タブの「条件」セクションで、自動化アクションを起動するための条件を定義します。 システム・ルールとタスク・ルールは、異なるタイプの条件をサポートします。詳しくは、ポリシー条件を参照してください。
注: 特定のルールをサポートする最も古い CICS リリースが「条件」セクションの右下隅に表示されます。
これが、ポリシーのデプロイ先となる CICS リリース以下であることを確認してください。詳しくは、
ポリシー・スキーマ・バージョンを参照してください。
- 定義された条件が満たされたときに行う 1 つのアクションを選択します。
- メッセージを発行する。指定した条件が満たされると、CICS が CICS ログにメッセージを発行します。タスク・ルールの場合は、DFHMP3001 または DFHMP3007 のいずれかが発行されます。システム・ルールの場合は、DFHMP3009 または DFHMP3010 が発行されます。
- イベントを発行する。CICS のイベント処理 (EP) アダプターまたは EP アダプター・セットを指定して、1 つの EP アダプターまたは EP アダプター・セット内のすべてのアダプターにイベントを出力します。EP アダプターはイベント・データを適切な出力形式にフォーマットし、そのイベントを定義済みのイベント・コンシューマーに経路指定します。詳しくは、EP アダプター・リソースの選択およびEP アダプター・セット・リソースの選択を参照してください。
オプションで、同じタイプのポリシー・ルールによって生成されたイベントを区別する場合、イベント名を次のように指定してください。イベント名が指定されていない場合、デフォルトのイベント名が使用されます。
- 長さは、1 から 32 文字です。
- 許容文字は 0 から 9、A から Z、a から z、_ です。
- アルファベット文字で始める必要があり、どんな場合にも「XML」という文字で始めることはできません。
オプションで、変更できないデータをイベント・コンシューマーに渡すには、
「追加」をクリックしてイベントと静的データ項目を関連付けます。どのルールにも最大 479 の静的データ項目を含めることができます。各静的データ項目を名前と値ペアとして以下のように定義します。
- 静的データ名の場合:
- 長さは、1 から 32 文字です。
- 許容文字は 0 から 9、A から Z、a から z、_ です。
- アルファベット文字で始める必要があり、どんな場合にも「EPFE」、「MPFE」、「XML」という文字で始めることはできません。
- ルール内で固有でなければなりません。
- 静的データ値の場合:
-
注: ポリシー・ルールのイベント・アクションを指定する場合、他で使用するためにイベント仕様をスキーマまたはコピーブックとしてエクスポートできます。
静的データのキャプチャー項目の定義はエクスポートされたファイルに含まれます。イベント名が指定されている場合、これはエクスポートされたファイル名の接頭部として使用されます。
詳しくは、
ポリシーからのイベント仕様のエクスポートを参照してください。
- タスク・ルールの場合のみ、タスクを異常終了します。指定したしきい値を超過した場合に CICS が実行中のタスクを終了するようにするには、「異常終了コードでタスクを異常終了する」オプションを選択します。CICS は、タスクが終了すると、メッセージ (DFHMP3002 または DFHMP3008) を CICS ログに発行します。
デフォルトの異常終了コードは AMPB ですが、このデフォルト値を上書きして、タスク異常終了を表す別のコードを指定できます。
- オプション: さらにルールを追加するには、ステップ 5 から 7 を実行します。
- ポリシーを保存するには、をクリックします。
CICS バンドル・プロジェクト内にポリシーをデプロイするには、以下のようにします。
システム・ルールを定義したポリシーは、スタンドアロン CICS 領域にデプロイすることも、CICS プラットフォームとともにデプロイすることもできますが、CICS アプリケーションとともにデプロイすることはできません。
タスク・ルールを定義したポリシーは、スタンドアロン CICS 領域にデプロイすることも、CICS プラットフォームとともにデプロイすることも、CICS アプリケーションとともにデプロイすることもできます。
- 以下のいずれかの方法を使用して、ポリシーをデプロイします。
- スタンドアロン CICS 領域にポリシーをデプロイするには、以下のようにします。
- ポリシーを定義した CICS バンドル・プロジェクトを zFS にエクスポートします。
zFS への CICS バンドルのデプロイについて詳しくは、CICS バンドルのデプロイを参照してください。
- CICS バンドルの CICS BUNDLE リソースを定義、インストールして、使用可能にします。
「バンドル定義」ビューを開くことにより、BUNDLE 定義を作成してインストールできます。
バンドル・リソースについて詳しくは、CICS TS V5.4.0製品資料の『BUNDLE リソース』を参照してください。
- プラットフォームにポリシーをデプロイするには、以下のようにして、ポリシーを格納する CICS バンドルをプラットフォームに追加します。
- プラットフォームがまだデプロイされていない場合は、以下のようにして、ポリシーを定義した CICS バンドルを、プラットフォームのデプロイメント時にデプロイされるように、プラットフォーム定義に追加します。
- ワークスペースでプラットフォーム・バンドル・プロジェクトを見つけ、バンドル・プロジェクトの META-INF フォルダーを展開し、bundles.xml ファイルまたは platform.xml ファイルをダブルクリックします。
プラットフォーム記述子エディターが開きます。プラットフォーム記述子エディターの使用法について詳しくは、プラットフォーム記述子エディターを参照してください。
- 「概説」タブの「CICS バンドル」セクションにある「追加」をクリックします。
- ワークスペースで使用可能な CICS バンドルのリストから適切な CICS バンドルを選択します。
- プラットフォームがアクティブな場合は、以下のステップに従います。
- CICS バンドル・プロジェクトを zFS のプラットフォーム・ホーム・ディレクトリーにエクスポートします。
詳しくは、CICS バンドルのデプロイを参照してください。
- 「クラウド・エクスプローラー」ビューの ADDBUNDLE オペレーション・ダイアログを使用して、ポリシーを定義した CICS バンドルをアクティブ・プラットフォームに追加します。
詳しくは、プラットフォームへの CICS バンドルの追加を参照してください。
- CICS アプリケーションとともにポリシーをデプロイするには、以下のようにして、ポリシーを定義した CICS バンドルをアプリケーションに追加します。
- ワークスペースでアプリケーション・バンドル・プロジェクトを見つけ、バンドル・プロジェクトの META-INF フォルダーを展開し、application.xml ファイルまたは bundles.xml ファイルをダブルクリックします。
アプリケーション記述子エディターが開きます。アプリケーション記述子エディターの使用法について詳しくは、アプリケーション記述子エディターを参照してください。
- 「概説」タブの「CICS バンドル」セクションにある「追加」をクリックします。
- ワークスペースで使用可能な CICS バンドルのリストから適切な CICS バンドルを選択します。
タスクの結果
ポリシーが CICS バンドル・プロジェクト内に作成されて、デプロイされます。