MQTT クライアント・ユーティリティー

MQTT クライアント・ユーティリティーは、MQTT の機能を探索するために使用できる Java™ アプリケーションです。つまり、このユーティリティーを使用して、キュー・マネージャーへの接続機能、そしてトピックへのパブリッシュおよびサブスクライブ機能を探索できます。

(例えば遠隔測定チャネルの作成時に) クライアント・ユーティリティーを使用して遠隔測定セットアップを検証できます。つまり、アプリケーションの開発およびデバッグ時に、クライアントが援助機能として役立つことがあります。 MQTT クライアント・ユーティリティーの機能とプロパティーについて詳しくは、以下の説明を参照してください。

パブリッシュ
トピックにメッセージをパブリッシュします。パブリッシュされたメッセージは、関心のあるサブスクライバーに配布されます。
サブスクライブ
クライアントと MQXR リスナーは、対象のトピックにサブスクライブすることにより、トピックに登録し、そのトピックにパブリッシュされたメッセージを受信できるようになります。
トピック
トピックは、メッセージがパブリッシュされる情報チャネルを識別するためのキーです。 サブスクライバーは、パブリッシュされたメッセージを受信する情報チャネルを、トピック名を使用して指定します。
トピック・ワイルドカード

サブスクリプションに特殊文字を含めることができるので、一度に複数のトピックにサブスクライブできます。 トピック・レベル・セパレーターとしてスラッシュ (/) を使用します。これでトピック内の各レベルを分離して、階層構造を形成します。 例えば、ibm/qmgr/apple のように使用します。 トピック・レベル・セパレーターは、トピックをより柔軟に管理できるようにして、トピックの管理を単純化します。

サブスクリプションの場合は、以下の 2 つのワイルドカード文字がサポートされます。
  • 番号記号 (#) は、トピック内のどんなレベル数とも一致させる場合に使用します。 例えば、トピック ibm/qmgr/# にサブスクライブした場合、ibm/qmgr/apple トピックと ibm/qmgr/orange トピックのメッセージを受信します。

  • 正符号 (+) を使用した場合は、1 つのトピック・レベルとのみ一致します。例えば ibm/qmgr/+ は、ibm/qmgr/apple と一致しますが、ibm/qmgr/apple/queue とは一致しません。

    + は、トピック・ツリーの末尾、またはトピック・ツリー内で使用できます。例えば、ibm/+ibm/+/orange は、両方とも有効です。

パブリケーション・トピックには、+ または # のどちらも含めることはできません。

メッセージ
MQTT クライアント・ユーティリティーのコンテキストでは、メッセージとは、トピックに関心を示すサブスクライバーに配信されるメッセージ・ペイロードのことを指します。メッセージは英数字で構成できます。
サービス品質 (QoS)
MQTT クライアント・ユーティリティーには、以下の 3 つのサービス品質が用意されています。
最高 1 回 (QoS = 0)
  • メッセージは多くても 1 回配信されるか、またはまったく配信されません。 メッセージ受信時の確認応答はありません。
  • クライアントが切断された場合やサーバーに障害が起こった場合は、メッセージが失われる可能性があります。
最低 1 回 (QoS = 1)
  • 少なくとも 1 回メッセージが配信されます。ある期間が経過しても確認応答を受信しない場合や、障害が検出されたために通信セッションが再始動された場合は、複数回配信されることがあります。
  • 確認応答を受信するまで、送信側でメッセージをローカル保管しておく必要があります (万一の場合には、メッセージを再送信する必要があります)。 受信アプリケーションでメッセージが重複する可能性があります。
正確に 1 回 (QoS = 2)
  • 最高レベルの配信であり、1 回だけメッセージが配信されます。 メッセージが配信されることが前提となりますが、重複するメッセージは受信側アプリケーションに配信されません。
保持
このオプションは、メッセージをパブリッシュするときのみ使用されます。トピックへのパブリケーションに含まれるメッセージが現行サブスクライバーに配信された後、そのメッセージを MQTT サーバーが (IBM® MQ のキュー・マネージャーに) 保持するかどうかを決定します。 保存パブリケーションのあるトピックへのサブスクリプションを作成すると、そのトピックの最新の保存パブリケーションを直ちに受信します。
遺言
MQTT クライアントが予期外に切断された場合に IBM MQ に送信するメッセージを決定するための接続オプションです。 このオプションには、トピック、メッセージ、QoS のほか、パブリケーションを保持するためのオプションが含まれます。 配信を保証するために、QoS1 または 2 に設定することを検討してください。
セッションのクリーニング
セッションのクリーニングを指定して MQTT クライアントを開始すると、保留中のパブリケーションと、接続前にクライアントに存在していた以前のサブスクリプションがすべて除去されます。 以前のセッションが存在しない場合、クライアント・ユーティリティーは新しいセッションで開始します。
クライアント・ヒストリー
クライアント・ヒストリーは、MQTT クライアント・ユーティリティーの使用中に発生したイベントに関する情報を提供します。イベントの例としては、接続切断パブリッシュ済み、またはサブスクライブ済みが挙げられます。

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