クラスター・トピックのプロパティー
クラスター・トピックにプロパティーを設定することができます。 ただし、一部のプロパティーは新しいクラスター・トピックの作成中にのみ変更できます。 クラスター・トピックが作成された後は、これらのプロパティーを変更できません。
パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージング用にキュー・マネージャーの標準クラスターを構成するには、クラスター内のキュー・マネージャーに 1 つ以上の管理対象トピック・オブジェクトを定義します。 トピックをクラスター・トピックにするには、「クラスター名」プロパティーを構成します。 これを行うと、そのポイント、あるいはトピック・ツリーの中でパブリッシャーまたはサブスクライバーにより使用されたすべてのトピックが、クラスター内のすべてのキュー・マネージャーで共有されます。 トピック・ツリーのクラスター・ブランチにパブリッシュされたメッセージが、そのクラスター内の他のキュー・マネージャー上のサブスクリプションに自動的に経路指定されます。
IBM® MQ クラスター・トピックのすべてのプロパティーを以下の表にまとめます。 これらの表にリストされている一部のプロパティーは、新しいトピックの作成時にのみ変更できます (つまり、IBM MQ クラスター・トピックの作成後には変更できません)。
それぞれのプロパティーについて、その構成時に必要となる簡単な説明を記載しています。 また、表には、DISPLAY TCLUSTER コマンドなどで使用する同等の MQSC パラメーターも記載してあります。 MQSC コマンドについて詳しくは、IBM Knowledge Center 内の MQSC コマンドによる管理を参照してください。
一般
下の表には、クラスター・トピックの「プロパティー」ダイアログの「一般」ページで設定するプロパティーがリストされています。プロパティー | 意味 | MQSC パラメーター |
---|---|---|
トピック名 | トピックの作成後に、この値を変更することはできません。 このパラメーターは必須であり、空ストリングを組み込むことはできません。 作成する管理トピック定義の固有 ID。 最大で 48 文字を使用できます。 「名前」を、選択したキュー・マネージャーで定義されている他のトピック定義と同じ名前にすることはできません。 |
TOPNAME |
トピック・タイプ | この値は読み取り専用です。 この値は、トピックがローカル (「ローカル」 ) であるか、クラスターに入っている (「クラスター」 ) かを表示します。 |
N/A |
トピック・ストリング | トピックの作成後に、この値を変更することはできません。 このパラメーターは必須であり、空ストリングを組み込むことはできません。 このストリング内の (/) 文字には特別な意味があります。 この文字は、トピック・ツリー内のエレメントの区切り文字になります。 トピック・ストリングは (/) 文字で始めることができますが、必須ではありません。(/) 文字で始まるストリングと、(/) 文字で始まらないストリングは、同じではありません。 「トピック・ストリング」を、他のトピック・オブジェクト定義で既に記述されている他のトピック・ストリングと同じ内容にすることはできません。 トピック・ストリングの最大長は 10 240 文字です。 |
TOPICSTR |
説明 | この値は、管理者が入力するストリングです。 内容は、トピックに関する説明情報です。 表示可能文字だけを使用する必要があります。 最大で 64 文字です。 選択したキュー・マネージャーのコード化文字セット ID (CCSID) に含まれていない文字を使用すると、別のキュー・マネージャーに情報が送信されたときに、それらの文字が誤変換される可能性があります。 |
DESC |
パブリッシュ | このプロパティーでは、メッセージをトピックにパブリッシュできるかどうかを制御します。 デフォルト値は「親として」です。 その他の 2 つの有効なオプションは以下のとおりです。 「許可」を指定すると、許可アプリケーションがメッセージをトピックにパブリッシュできるようになります。 「禁止」を指定すると、メッセージをトピックにパブリッシュできなくなります。 |
PUB |
サブスクライブ | このプロパティーでは、トピックに対するメッセージをサブスクライブできるかどうかを制御します。 デフォルト値は「親として」です。 その他の 2 つの有効なオプションは以下のとおりです。 「許可」を指定すると、許可アプリケーションがトピックに対してサブスクリプションを作成できるようになります。 「禁止」を指定すると、アプリケーションはトピックにサブスクライブできなくなります。 |
SUB |
永続サブスクリプション | このプロパティーでは、トピックに対する永続サブスクリプションを許可するかどうかを制御します。 デフォルト値は「親として」です。 その他の 2 つの有効なオプションは以下のとおりです。 「許可」を指定すると、アプリケーションはトピックに対する永続サブスクリプションを作成できるようになります。 「禁止」を指定すると、アプリケーションはトピックに対する永続サブスクリプションを作成できなくなります。 |
DURSUB |
デフォルト優先順位 | トピックにパブリッシュするメッセージのデフォルトの優先順位。 デフォルト値は「親として」です。 デフォルトの優先順位は、0 (最低の優先順位) から 9 (最高の優先順位) の範囲で設定できます。 |
DEFPRTY |
デフォルト持続性 | 新しいトピックのデフォルトの持続性は「親として」です。 MQPER_PERSISTENCE_AS_Q_DEF を使用するアプリケーションによって作成されたメッセージを持続メッセージにすることを指定する場合は、「持続」を選択します。 MQPER_PERSISTENCE_AS_Q_DEF を使用するアプリケーションによって作成されたメッセージを非持続メッセージにすることを指定する場合は、「持続しない」を選択します。 | DEFPSIST |
デフォルト書き込み応答タイプ | メッセージ配置のデフォルトの応答タイプ。 デフォルト値は「親として」です。 その他の 2 つの有効なオプションは以下のとおりです。 「同期」を指定すると、応答は同期モードで配置されます。 「非同期」を指定すると、応答は非同期モードで配置されます。 |
DEFPRESP |
非持続メッセージ送達 | このトピックにパブリッシュする非永続メッセージの送達方式。 以下の 4 つのオプションがあります。 「親として」: 使用される送達機構は、このトピックに関連したトピック・ツリーに含まれている最初の親管理ノードの設定に基づきます。 出荷時の IBM MQ ではこれがデフォルト値ですが、インストール先で変更されている場合があります。 「すべての有効なサブスクライバーへ」: 非持続メッセージは、そのメッセージを受け入れられるすべてのサブスクライバーに送達されます。 いずれかのサブスクライバーにそのメッセージを送達できなかったとしても、他のサブスクライバーがそのメッセージを受信できなくなるわけではありません。 「すべての永続サブスクライバーへ」: 非持続メッセージをすべての永続サブスクライバーへ送達する必要があります。 いずれかの非永続サブスクライバーに非持続メッセージを送達できなかったとしても、MQPUT 呼び出しにエラーが返されるわけではありません。 ただし、永続サブスクライバーに送達できなかった場合は、他のサブスクライバーがメッセージを受信できなくなり、MQPUT 呼び出しは失敗します。 「すべてのサブスクライバーへ」: 成功を報告する MQPUT 呼び出しの永続性にかかわりなく、非持続メッセージをすべてのサブスクライバーに送達する必要があります。 いずれかのサブスクライバーに送達できなかった場合は、他のサブスクライバーがメッセージを受信できなくなり、MQPUT 呼び出しは失敗します。 |
NPMSGDLV |
持続メッセージ送達 | このトピックにパブリッシュする永続メッセージの送達方式。 以下の 4 つのオプションがあります。 「親として」: 使用される送達機構は、このトピックに関連したトピック・ツリーに含まれている最初の親管理ノードの設定に基づきます。 出荷時の IBM MQ ではこれがデフォルト値ですが、インストール先で変更されている場合があります。 「すべての有効なサブスクライバーへ」: 持続メッセージは、そのメッセージを受け入れられるすべてのサブスクライバーに送達されます。 いずれかのサブスクライバーにそのメッセージを送達できなかったとしても、他のサブスクライバーがそのメッセージを受信できなくなるわけではありません。 「すべての永続サブスクライバーへ」: 持続メッセージをすべての永続サブスクライバーへ送達する必要があります。 いずれかの非永続サブスクライバーに持続メッセージを送達できなかったとしても、MQPUT 呼び出しにエラーが返されるわけではありません。 ただし、永続サブスクライバーに送達できなかった場合は、他のサブスクライバーがメッセージを受信できなくなり、MQPUT 呼び出しは失敗します。 「すべてのサブスクライバーへ」: 成功を報告する MQPUT 呼び出しの永続性にかかわりなく、持続メッセージをすべてのサブスクライバーに送達する必要があります。 いずれかのサブスクライバーに送達できなかった場合は、他のサブスクライバーがメッセージを受信できなくなり、MQPUT 呼び出しは失敗します。 |
PMSGDLV |
ワイルドカード操作 | この値では、トピックに関するワイルドカード・サブスクリプションの動作を制御します。 以下の 2 つの値があります。 「ブロック」。 このトピック・オブジェクトのトピック・ストリングよりも具体的でないワイルドカード・トピックに対するサブスクリプションは、そのトピックまたはそのトピックよりも具体的なトピック・ストリングに対するパブリケーションを受信できなくなります。 「パススルー」。 このトピック・オブジェクトのトピック・ストリングよりも具体的でないワイルドカード・トピックに対するサブスクリプションは、そのトピックまたはそのトピックよりも具体的なトピック・ストリングに対するパブリケーションを受信できるようになります。 これはデフォルト値です。 |
WILDCARD |
分散パブリッシュ/サブスクライブ
下の表には、クラスター・トピックの「プロパティー」ダイアログの「分散パブリッシュ/サブスクライブ」ページで設定するプロパティーがリストされています。プロパティー | 意味 | MQSC パラメーター |
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プロキシー・サブスクリプション動作 | プロキシー・サブスクリプションは、作成元のキュー・マネージャー名に関連付けられています。 パブリケーション・トピックが含まれているプロキシー・サブスクリプションが存在すると、パブリケーションは、直接接続のキュー・マネージャーだけに転送されます。 この値には以下の 2 つのオプションがあります。 「強制」。 このトピック・オブジェクトに関連したトピック・ストリングに対するワイルドカード・プロキシー・サブスクリプションは、ローカル・サブスクリプションが作成されているかどうかにかかわりなく、クラスターのすべてのキュー・マネージャーからパブリッシュ/サブスクライブ・トポロジーのその他のすべてのキュー・マネージャーに強制的に送信されます。 サブスクリプションが要求したかどうかにかかわりなく、すべてのパブリケーションはクラスター内のその他のすべてのキュー・マネージャーに伝搬されますが、この強制プロキシー・サブスクリプションがトポロジー内に伝搬されていると、新しいサブスクリプションは、他の接続先のキュー・マネージャーからあらゆるパブリケーションをただちに (待ち時間なしで) 受け取るようになります。 トピック・ツリー内の特定のレベルでこの値を設定すると、トピック・ツリー内のそれに続くレベルの個々のトピック・ストリングに対してプロキシー・サブスクリプションが生成されなくなります。これにより、プロキシー・サブスクリプションのオーバーヘッドが削減されます。 「最初の使用」。 パブリッシュ/サブスクライブ・キュー・マネージャーの各種のトポロジーには相互接続の性質があるので、トポロジーの複雑さによっては、プロキシー・サブスクリプションの伝搬が多少遅れる可能性があります。 その場合は、サブスクリプションが作成されても、リモート・パブリケーションをただちに受信できるとは限りません。 |
PROXYSUB |
パブリケーション有効範囲 |
パブリケーションの有効範囲は、PUBSCOPE トピック属性を使用して、管理上の制御を行うことができます。
属性は以下の 3 つの値のいずれかに設定できます。
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PUBSCOPE |
サブスクリプション有効範囲 |
サブスクリプションの有効範囲は、SUBSCOPE トピック属性を使用して、管理上の制御を行うことができます。
属性は以下の 3 つの値のいずれかに設定できます。
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SUBSCOPE |
クラスター
下の表には、クラスター・トピックの「プロパティー」ダイアログの「クラスター」ページで設定するプロパティーがリストされています。プロパティー | 意味 | MQSC パラメーター |
---|---|---|
クラスター名 | トピックをクラスター・トピックにするには、このプロパティーを構成します。この構成を行うと、そのポイントまたはトピック・ツリーでパブリッシャーまたはサブスクライバーにより使用されたすべてのトピックが、クラスター内のすべてのキュー・マネージャーで共有されます。また、トピック・ツリーのクラスター・ブランチにパブリッシュされたメッセージが、そのクラスター内の他のキュー・マネージャー上のサブスクリプションに自動的に経路指定されます。 | CLUSTER |
クラスター・オブジェクト状態 |
このクラスターにおけるこのトピック・オブジェクトの現在の状態。可能な値は次のとおりです。
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CLSTATE |
クラスター・キュー・マネージャー | これは、クラスター・トピックを所有するクラスター内のキュー・マネージャーの名前です。 | N/A |
クラスター・ルート |
CLUSTER パラメーターで定義されたクラスター内のトピックに使用する経路指定の動作。指定可能な値は以下の 2 つです。
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CLROUTE |
QMID | クラスター・キュー・マネージャーの、内部生成の固有の名前。 あいまいさをなくすために、QMNAME ではなく QMID (キュー・マネージャー ID) を使用することをお勧めします。 | QMID |
統計
下の表には、クラスター・トピックの「プロパティー」ダイアログの「統計」ページで設定するプロパティーがリストされています。プロパティー | 意味 | MQSC パラメーター |
---|---|---|
変更日付 | この値は変更できません。通知専用です。 トピックのプロパティーが最後に変更された日付です。 |
MQCA_ALTERATION_DATE |
変更時刻 | この値は変更できません。通知専用です。 トピックのプロパティーが最後に変更された時刻です。 |
MQCA_ALTERATION_TIME |