マルチキャスト通信情報オブジェクト・プロパティー

マルチキャスト通信情報オブジェクトにプロパティーを設定することができます。

下の表には、設定できるプロパティーがリストされています。

それぞれのプロパティーについて、その構成時に必要となる簡単な説明を記載しています。また、表には、DEFINE、ALTER、および DISPLAY COMMINFO コマンド用の同等の MQSC パラメーターも記載してあります。MQSC コマンドについて詳しくは、IBM® Knowledge Center 内の MQSC コマンドを参照してください。

「一般」ページ

下の表には、「通信情報オブジェクト・プロパティー」ダイアログの「一般」ページで設定するプロパティーがリストされています。

プロパティー 意味 MQSC パラメーター
通信情報 定義後は読み取り専用。通信情報オブジェクトの名前。現在このキュー・マネージャーに定義されている他の通信情報オブジェクトと同じ名前にすることはできません。詳しくは、IBM Knowledge Center 内のIBM MQ オブジェクトの命名規則を参照してください。 COMMINFO
タイプ 定義後は読み取り専用。通信情報オブジェクトのタイプ。サポートされるタイプは MULTICAST のみです。 TYPE
説明 プレーン・テキストのコメント。この記述は、オペレーターが DISPLAY COMMINFO コマンドを発行するときに、通信情報オブジェクトに関する説明情報を提供します。詳しくは、IBM Knowledge Center 内のDISPLAY COMMINFOを参照してください。

記述には、表示可能文字だけを使用する必要があります。最大長は 64 文字です。 DBCS のインストール済み環境では、DBCS 文字を使用することもできます (最大長は 64 バイトです)。

注: このキュー・マネージャーのコード化文字セット ID (CCSID) の中にない文字を使用すると、この情報が他のキュー・マネージャーに送信された場合に、それらの文字が誤って変換される可能性があります。
DESCR
グループ・アドレス グループの IP アドレスまたは DNS 名。グループ・アドレスの管理は、管理者の責任です。

すべてのマルチキャスト・クライアントが、すべてのトピックに対して同一のグループ・アドレスを使用することができます。クライアントの未解決のサブスクリプションに一致するメッセージのみが送達されます。

同一のグループ・アドレスを使用すると、すべてのクライアントがネットワーク内のすべてのマルチキャスト・パケットを検査および処理しなくてはならないため、非効率的です。異なるトピックまたはトピックのセットに対して、異なる IP グループ・アドレスを割り振る方がより効率的ですが、そのためには、慎重に管理する必要があります。特に、他の非 MQ マルチキャスト・アプリケーションがネットワーク内で使用されているかどうかについて注意が必要です。デフォルト値は 239.0.0.0 です。

GRPADDR
ポート 伝送を実行するポートの番号。デフォルトのポート番号は 1414 です。 PORT
メッセージ履歴 最大メッセージ履歴は、NACK (否定応答) が発生したときに再伝送を処理するため、システムが保持するメッセージ履歴の量です。

値を 0 とすると、信頼性レベルが最低になります。デフォルト値は 100 メッセージです。

MSGHIST
コード化文字セット ID メッセージが伝送される、コード化文字セット ID。1 から 65535 の範囲の値を指定するか、デフォルト値の「パブリケーションの値を継承」に設定します。

CCSID には、ご使用のプラットフォームで使用するために定義された値を指定する必要があります。また、ご使用のプラットフォームに適した文字セットを使用する必要があります。このパラメーターを使用して CCSID を変更した場合、変更適用時に実行中であったアプリケーションは、引き続き元の CCSID を使用します。このため、続行する前に、実行中のすべてのアプリケーションを停止して再始動する必要があります。これには、コマンド・サーバーおよびチャネル・プログラムも含まれます。

これを行うには、変更後にキュー・マネージャーを停止して再始動します。このパラメーターは、次のプラットフォームでのみ有効です。
  • [AIX]     AIX®
  • [HPNSS]HP Integrity NonStop Server
  • [IBM i]IBM i
  • [Linux]   Linux®
  • [Windows] Windows
各プラットフォームでサポートされる CCSID について詳しくは、IBM Knowledge Center 内のコード・ページ変換を参照してください。
CCSID
エンコード メッセージが伝送されるエンコード。
  • パブリケーションの値を継承。これはデフォルト値です。
  • 反転
  • 通常
  • S390
  • TNS
  • エンコード
ENCODING
新規サブスクライバー履歴 新規サブスクライバー履歴は、パブリケーション・ストリームに参加するサブスクライバーが、現在利用可能なすべてのデータを受け取るか、サブスクリプション時以降に作成されたパブリケーションのみを受け取るかを制御します。
  • 「なし」「なし」の値を指定すると、送信側は、サブスクリプション時以降に作成されたパブリケーションのみを送信します。これはデフォルト値です。
  • ALL「ALL」の値を指定すると、送信側は、トピックの既知のすべての履歴を再送信します。 これは状況によっては、保存パブリケーションと同じ振る舞いをします。
NSUBHIST
モニター間隔 (ミリ秒) モニター情報を更新する頻度の秒数。イベント・メッセージが有効に設定されている場合、このパラメーターは、この COMMINFO オブジェクトを使用して作成されたマルチキャスト・ハンドルの状況に関するイベント・メッセージを生成する頻度も制御します。

0 の値は、モニターしないことを意味します。デフォルト値は 60 です。

MONINT
通信イベント この COMMINFO オブジェクトを使用して作成されたマルチキャスト・ハンドルに対してイベント・メッセージを生成するかどうかを制御します。 イベントは、MONINT パラメーターを使用して有効化された場合のみ生成されます。有効な値は以下の 3 つです。
  • 使用不可。マルチキャストを使用しないアプリケーションからのパブリケーションが、マルチキャストを使用するアプリケーションにブリッジされません。 これはデフォルト値です。
  • 使用可能。マルチキャストを使用しないアプリケーションからのパブリケーションが、マルチキャストを使用するアプリケーションにブリッジされます。
  • 例外。メッセージ信頼性が信頼性しきい値より低い場合、イベント・メッセージが書き込まれます。 信頼性しきい値は 90 に設定されます。
COMMEV
マルチキャスト・ブリッジ マルチキャストを使用していないアプリケーションからのパブリケーションが、マルチキャストを使用しているアプリケーションにブリッジされるかどうかを制御します。 ブリッジングは、MCAST(ONLY) とマークが付けられていないトピックには適用されません。それらのトピックは必ずマルチキャスト・トラフィックであるため、キューのパブリッシュ/サブスクライブ・ドメインへのブリッジングは適用外です。指定できる値は、次の 2 つです。
  • 使用不可。マルチキャストを使用しないアプリケーションからのパブリケーションが、マルチキャストを使用するアプリケーションにブリッジされません。 これが i5/OS のデフォルトです。
  • 使用可能。マルチキャストを使用しないアプリケーションからのパブリケーションが、マルチキャストを使用するアプリケーションにブリッジされます。 これは i5/OS 以外のプラットフォームのデフォルトです。
BRIDGE
マルチキャスト・ハートビート間隔 (ミリ秒) ハートビート間隔はミリ秒単位で測定され、送信側が受信側に、使用可能なデータがそれ以上ないことを通知する頻度を指定します。デフォルト値は 2000 ミリ秒です。 MCHBINT
マルチキャスト・プロパティー制御 マルチキャスト・プロパティーは、メッセージと一緒に流れる MQMD プロパティーの数およびユーザー・プロパティーの数を制御します。
  • 「すべて」。 すべてのユーザー・プロパティー、および MQMD のすべてのフィールドが転送されます。これはデフォルト値です。
  • 返信。メッセージへの返信に関係するユーザー・プロパティーおよび MQMD フィールドのみが送信されます。これらのプロパティーは、以下のとおりです。
    • MsgType
    • MessageId
    • CorrelId
    • ReplyToQ
    • ReplyToQmgr
  • ユーザー。ユーザー・プロパティーのみ送信されます。
  • 「なし」。ユーザー・プロパティーも MQMD フィールドも送信されません。
  • 互換。この値を指定すると、RMM との互換モードでメッセージが送信されます。これによって、現行の XMS アプリケーションおよびブローカー RMM アプリケーションとの相互協調処理が一部可能になります。

    [V9.2.0 2020 年 7 月][V9.2.0 2020 年 7 月]IBM MQ 9.2 以降、XMS .NET のマルチキャスト・メッセージング (RMM を使用) は非推奨になっており、XMS .NET の将来のリリースで廃止される予定です。

MCPROP

「統計」ページ

下の表には、「通信情報」プロパティー・ダイアログの「統計」ページで設定するプロパティーがリストされています。「統計」ページは、通信情報オブジェクトのヒストリーについての情報を表示します。 これらのプロパティーはいずれも編集できません。

プロパティー 意味 MQSC パラメーター
変更日付 読み取り専用。通信情報オブジェクトのプロパティーが最後に変更された日付です。 ALTDATE
変更時刻 読み取り専用。通信情報オブジェクトのプロパティーが最後に変更された時刻です。 ALTTIME