クラスター・トピック
キューをクラスター化するのと同じ要領でトピックをクラスター化できます。ただし、個々のトピック・オブジェクトは、1 つのクラスターのメンバーにしかなれません。トピック・オブジェクトで、トピックをホストするクラスターの名前と、このトピックのパブリケーションに使用するクラスターの経路指定メカニズムを定義することにより、トピックをクラスター・トピックにすることができます。
- DIRECT
- TOPICHOST
デフォルトでは、トピックの経路指定は DIRECT です。 これは IBM® MQ 8.0 より前の唯一のオプションでした。直接経路指定されたクラスター・トピックをキュー・マネージャーで構成すると、クラスター内のすべてのキュー・マネージャーがクラスター内の他のすべてのキュー・マネージャーを認識するようになります。パブリッシュおよびサブスクライブ操作の実行時に、各キュー・マネージャーは直接他のすべてのキュー・マネージャーに接続します。
IBM MQ 8.0 以降、代わりにトピックの経路指定を TOPICHOST として構成できるようになりました。トピック・ホスト経路指定を使用すると、クラスター内のすべてのキュー・マネージャーは、経路指定されたトピック定義をホストするクラスター・キュー・マネージャーを認識するようになります。パブリッシュおよびサブスクライブ操作の実行時に、クラスター内のキュー・マネージャーはこれらのトピック・ホスト・キュー・マネージャーにのみ接続され、相互に直接接続されることはありません。トピック・ホスト・キュー・マネージャーは、パブリケーションがパブリッシュされるキュー・マネージャーから、一致するサブスクリプションがあるキュー・マネージャーへのパブリケーションの経路指定を担当します。
- 大規模クラスターのスケーラビリティーが向上します。 クラスター内の他のすべてのキュー・マネージャーに接続できる必要があるのは、トピック・ホスト・キュー・マネージャーだけです。 このため、直接ルーティングの場合に比べてキュー・マネージャー間のチャネル数が少なくなり、キュー・マネージャー間のパブリッシュ/サブスクライブ管理トラフィックが減ります。 キュー・マネージャーでサブスクリプションが変更されるときは、トピック・ホスト・キュー・マネージャーにのみ通知する必要があります。
- 物理構成の制御性が向上する。 直接経路指定では、すべてのキュー・マネージャーがすべての役割を担うため、すべてを同等の能力にする必要があります。 トピック・ホスト経路指定では、トピック・ホスト・キュー・マネージャーを明示的に選択します。 そのため、それらのキュー・マネージャーは十分能力のある装置で実行するようにし、他のキュー・マネージャーにはそれほど強力でないシステムを使用できます。
クラスター・トピックだけでなく、ローカル・トピックを定義する効果
キュー・マネージャーに接続されているパブリッシャー・アプリケーションをローカルに接続されたサブスクライバーにのみパブリッシュする場合は、ローカル・トピック・オブジェクトを定義します。トピックのローカル定義では、通常、リモート・キュー・マネージャーのクラスター化されたトピック定義がすべてオーバーライドされます。
直接経路指定されるクラスター内の複数のクラスター・トピック定義
直接経路指定されるクラスターでは、通常、複数のクラスター・キュー・マネージャーにクラスター・トピックを定義しません。これは、直接経路指定により、クラスター内のすべてのキュー・マネージャーでトピックが使用可能になるためです。
また、クラスター・トピック定義は、完全リポジトリーのキュー・マネージャー、および部分クラスター・リポジトリーの他のすべてのキュー・マネージャーによってキャッシュされているため、単一のホスト・キュー・マネージャーが常時使用可能である必要はありません。このキャッシュにより、ホスト・キュー・マネージャーが使用不可な場合でも 60 日以上使用可能になります。
クラスター・トピック定義を変更する必要がある場合は、定義時と同じキュー・マネージャーで注意して変更してください。
トピック・ホストで経路指定されるクラスター内の複数のクラスター・トピック定義
トピック・ホストで経路指定されるクラスターでは、パブリッシュ/サブスクライブ・メッセージングがすべてトピック・ホスト経由で経路指定されます。 したがって、スケーラビリティーとアベイラビリティーを確保するには、通常、複数のキュー・マネージャーにクラスター・トピックを定義し、複数のクラスター・トピック定義が同一になるようにします。