トランザクション・パフォーマンス詳細 (Transaction performance detail) ビュー

「トランザクション・パフォーマンス詳細 (Transaction performance detail)」ビューには、指定されたトランザクション・インスタンスのトランザクション・パフォーマンス状態が、グラフィカル形式で表示されます。例えば、トランザクション・パフォーマンス・アラートが発生したときに、トランザクションのパフォーマンス状態を表示できます。 情報は、いくつかの円グラフと関連する詳細情報として表示されます。

ある時間間隔にわたって要約したトランザクション・パフォーマンス情報については、「トランザクションの詳細 (Transaction detail)」ビューのパフォーマンスの要約を使用できます。パフォーマンス履歴の表示を参照してください。

このビューには、「シート」ビューまたは「トランザクション・パフォーマンス・アラート (Transaction Performance Alerts)」ビューの CICS® パフォーマンス・リスト・データから次のようにしてアクセスできます。
  • 「シート」ビューからパフォーマンス・リスト・レコードを右クリックして、「オープン」をクリックします。
  • 「トランザクション・パフォーマンス・アラート (Transaction Performance Alerts)」ビューから、アラートをダブルクリックするか、またはアラートを右クリックしてから「オープン」をクリックします。 詳しくは、トランザクション・パフォーマンス・アラートの表示を参照してください。

ビューのタイトルにはトランザクション名とタスク番号が表示されます。

情報行には、開始と停止のタイム・スタンプ、アプリケーション ID、トランザクション ID、およびタスク番号が表示されます。

「トランザクション応答時間 (Transaction response time)」ツイスティーを展開して、トランザクション応答時間の視覚化を表示できます。

アラートからビューを開くとき、選択されたアラート・フィールドに関連する円グラフのタブが表示されます。 例えば、SUSPEND アラートの場合、「中断時間」タブが表示されます。アラート・フィールドに関連付けられた円グラフがない場合、またはビューをパフォーマンス・リスト・レコードから開いた場合、「CICS 応答時間」タブが表示されます。このタブをクリックすると、追加の円グラフを表示できます。

円グラフの右の表にトランザクション発信元データと直前のホップ・データを表示できます。

関連データをさらに表示できます。例えば、アラートの詳細とトランザクション情報を、円グラフの下の情報タブを使用して表示できます。

パフォーマンス・アラート・ビュー

トランザクション応答時間 (Transaction response time)

このグラフには、トランザクション応答時間が、「ユーザー・ディスパッチ時間」、「ユーザー CPU 時間」、および「中断時間」に分割されて表示されます。

「トランザクション応答時間 (Transaction
response time)」グラフ

トランザクション応答時間の詳細については、「CICS 応答時間」「ユーザー CPU 時間」、および「中断時間」の各タブの情報を確認します。

円グラフ

以下の円グラフを表示できます。
CICS 応答時間
このグラフでは、トランザクション応答時間が、「ユーザー・ディスパッチ時間」と「中断時間」に分割されて表示されます。
  • 「ユーザー・ディスパッチ時間」はさらに「ユーザー CPU 時間」に分けられ、そのトランザクションで使用された CICS ディスパッチャー管理のタスク制御ブロック (TCB) の分析と共に示されます。
  • 「中断時間」には、そのトランザクションで生じた「ディスパッチ待機時間」と、待機発生時の CICS TCB モードも表示されます。
ユーザー CPU 時間
このグラフには、トランザクションで使用される CICS ディスパッチャー管理 TCB の CPU 時間およびディスパッチ・カウントの分析が示されます。 標準 CP での CPU 時間、オフロード適格 CPU 時間、専用プロセッサーの CPU 時間を含むユーザー CPU 時間分析も表示されます。

これらのパフォーマンス・クラス・フィールドについて詳しくは、CICS TS V5.4.0製品資料の『オープン TCB 管理』を参照してください。

中断時間
このグラフには、個別の中断時間のコンポーネントが待機タイプのグループに分割されて表示されます。中断時間の各コンポーネントは、累積した待機経過時間および待機数と共に表示されます。 「捕捉されなかった待機時間」は、CICS TS が待機時間メトリックでキャプチャーしなかった中断時間です。
CICS RMI 使用量 (CICS RMI usage)
このグラフには、Resource Manager Interface (RMI) 使用量分析が表示されます。 ここには、トランザクションで使用した CICS リソース・マネージャー (DB2 や WebSphere® MQ など) で消費された経過時間と要求数が表示されます。
ストレージ使用量 (Storage usage)
このグラフでは、トランザクションが使用するさまざまなタイプの CICS ストレージに対する GETMAIN 要求と最高水準点の値を CICS 動的ストレージ域 (DSA) ごとに分類して表示します。このグラフは、使用可能なストレージの量ではなく、使用されたストレージの量を表しています。
ファイル要求アクティビティー
このグラフには、トランザクションによって発行されたファイル要求の数およびタイプが示されます。 ファイル関連の入出力待機時間の明細、およびそれらとトランザクションの中断時間合計との関係も示されます。
プログラム要求アクティビティー (Program Request activity)
このグラフには、トランザクションが発行したプログラム要求の数とタイプが表示されます。プログラムのロード時間の明細も示されます。
一時データ要求アクティビティー (Transient Data Request activity)
このグラフには、トランザクションが発行した一時データ要求の数とタイプが表示されます。トランザクションに関する、一時データに関連する待機時間の明細と、その時間と合計中断時間との関係も示されます。
表示される CMF パフォーマンス・クラス・フィールドの詳細については、『パフォーマンス・クラス・データ: データ・フィールドのリスト』を参照してください。

トランザクション発信元データ (Transaction origin data)

この表には、トランザクションが開始された場所を記述する関連データが表示されます。このデータは、複合システムのトラッキングに使用できます。詳しくは、CICS TS V5.4.0製品資料の『関連データ』を参照してください。

直前のホップのデータ

この表には要求のリモート送信者を記述する関連データが表示されるので、要求を前のシステムにトラック・バックすることができます。詳しくは、CICS TS V5.4.0製品資料の『関連データ』を参照してください。

情報タブ

以下の情報タブを使用できます。
  • アラート詳細。このタブはアラートからビューを開くときに使用することができ、関連するアラートの詳細が表示されます。
  • トランザクション情報。 このタブには、トランザクション ID、開始および実行のコンテキスト情報 (作業単位 ID など) が表示されます。
  • 機能情報 (Facility Information)。このタブには、トランザクションに基本機能がある場合はその基本機能、またはトランザクションの開始元の機能、例えば端末や一時データ・キューなどが表示されます。このタブには、トランザクションがリモート・システムに何かの代替機能 (MRO、ISC、IPIC など) を要求したかどうかも示されます。
  • Web サービス情報 (Webservice Information)。このタブには、このトランザクションの発信元の TCP/IP サービスと TCP/IP ポート番号が表示されます。また、このトランザクションが使用する Web サービス・リソースも表示されます。
  • アプリケーション・コンテキスト。このタブには、初期アプリケーション・コンテキスト、つまり、アプリケーションとプラットフォームのコンテキストで実行中のタスクを識別するデータが表示されます。CICS は、アプリケーションに入った時点で、アプリケーション・コンテキストを各タスクに追加します。 この情報は、アプリケーション (またはアプリケーションに入る特定のルート) によるリソース消費量を計測したり、アプリケーションに対してポリシー・ベースの管理を行うために使用したり、タスクを特定のアプリケーションに関連付けて問題診断に利用したりできます。 さらに、ポリシー・ルールのしきい値を超えた回数も示されます。詳しくは、『アプリケーション・コンテキスト』と『The policy definition editor』を参照してください。

タブ上のフィールドがハイパーリンクの場合、クリックすることにより、詳細を示すビューを開くことができます。例えば、トランザクション ID のハイパーリンクをクリックすると、「XMR トランザクション・リソース (XMR Transaction resource)」ビューを開くことができます。